【MYSTIC】ミスティック・リバー4【RIVER】
927 :
名無シネマ@上映中:04/03/06 18:46 ID:aM/RMAF3
>>924 そうだよ、そうなんだよ。わかってるねえ。
924氏の指摘するような点が、クリント・イーストウッド大監督に欠けていると思われるんだよね。
基本的技術の欠如を「個性」と称するのもひとつの売り方かもしれないけど、
「下手うま」と「ピカソ」は別だからね。
撮影所でたたきあげで頑張ってる人より、別分野の有名人が監督になれてしまう状況には、
ずっと疑問を感じていた。
928 :
名無シネマ@上映中:04/03/06 18:59 ID:aM/RMAF3
>>926 >〜曖昧に描くなら、そこはわざと曖昧に描いたということを分かるように演出〜
大体、この人そんな器用な演出できる監督さんじゃないよ。
クリちゃんの「曖昧」は、おれにとって「稚拙」でしかないんだよ。
929 :
924:04/03/06 19:32 ID:Ci5WvHWQ
>そこで、
>>911は、曖昧に描くなら、そこはわざと曖昧に
>描いたということを分かるように演出しろと言ってるわけ。
>俺はそれはあまりに無粋だと言ってる。
曖昧で描いている事を証明するのはすごく難しいと思うんですよ。
ただ、「ここは観客の皆さんのご想像にお任せしますよ」と”誘導”できる
シーンを入れるべきなのでは?と個人的に思ったのです。
924で例を書いたように、人々の接点みたいのを少しでも描いていれば
「わざと曖昧にしたのか、それとも演出不足だったのか」という疑問も
起こらなかったんじゃないのかなぁ。
>>924 が言ってるのなら動機がそれになっちゃうじゃん。
映画としては偶然ってことにしてるだろ。
その後で、「いや、こういう風にも考えられる……」って考えて、
ある意味、客の特権で楽しんでるだけの話で、
演出不足にされちゃたまったもんじゃない。
931 :
924:04/03/07 02:42 ID:ygWJw0jk
>>930 その程度だったら、動機とまでいかないと思います。
例えば「、兄&恋人が出ていく話を偶然弟が聞いてしまった」という場合は、
ドアを開けたら弟が立っていた、とか。
で、兄は弟が話を聞いていたとは思わないわけだから(聾唖者なんだから)、
それ以上気にする事もなくスルーしていた、とかね。
別に兄の話を知った弟が乾麺蒼白になってブルブル震え出した、ってところにまで
もっていっちゃうと曖昧もクソも無くなっちゃうので避ければいい。
これはあくまで例の話ですけどね。
>ある意味、客の特権で楽しんでるだけの話で、
>演出不足にされちゃたまったもんじゃない。
これはあなたの主観ですよね。
別に「あなたが演出不足だとは感じていない」というのを否定している
わけじゃないんです。
それを特権と思えずに、投げ出されたと感じる人間も少なからずいるわけですから。
>>930 映画としては偶然にしてるっていうのはショーンの台詞から?
あれだけじゃ弱いと感じる人は多いだろうなぁ。
933 :
930:04/03/07 03:36 ID:tsjR9bik
困ったな……漏れは皆さんは「特権を楽しんでる」と思うから、
あまりこんなこと言いたくないけど、
>>932 の言うことに照らせば、それ(ショーンの台詞)以外に動機の説明は無いのだし、
映画としては偶然にしてるってこと以外にはないじゃないですか。
普通に考えてあの子らが犯罪の動機を嘘つく理由がないし、
偶然だったゆえにより虚しさがつのる……という風に、ちゃんと作用してるでしょ。
ショーンの台詞がどういうシチュエーションで言われたか、思い出して下さい。
あのシーンに沿う感情からすると、「偶然であった」ということで、観ている側の解釈も
処理されるはずで、映画としてもそういう風に処理してますよ。
他に何の説明も謎かけもやってないんだから。
それを「考えてみると、こうも取れるわけで……」というのは、「裏目読み」の「楽しさ」。
(でも、ここまで言ったから正直に言いますが、この手の裏目読みは、
「動機」で押したがる二時間サスペンスの悪影響だと思いますがね……もっと言うと、
その手のサスペンスがお手本にしている日本の社会派推理小説)
ま、裏目読みをすると、あの子らが嘘つく理由もこじつけられるんでしょうけど(笑)
映画で大事なのは、「何を描くか」だけでなく、「何を描かないか」なのです。
>>924 さんのたとえを持ってくると、それだけで何かが描かれたことになり、
それは意味を持ってくるのです。そのココロは、「裏目読みして下さい」になるし、
だとしたら、それで動機が出来てきちゃいますよ。むしろ、ショーンの台詞を受けて
「ああいう思わせぶりの描写して、偶然かよ!」って非難が、高まったと思いますがね。
で、それに対して、誰かが「いや、ああいう風に描いたからには本当は……」
って話になっちゃう(笑)。それより、そんな風にはせずに、あのまま、虚しさを
出す方が、よりこの映画のキモの部分に通じるでしょう。
でも、たとえそれが二時間サスペンスに淫したものでも、裏目読みは楽しいですよね。
だけど、「描かない」というのも演出なのですから。それを「不足」と言っちゃいけませんよ。
まぁこのスレに二時間ドラマを見てる奴が何人いるのかは疑問だな。
それと、「偶然」であった事の虚しさみたいなのは、過去や動機で
成り立った物語の中に投げ込まれるから効果的な訳で。
しかし、上の連中は映画の1シーン1シーンを理解した上で演出不足
とか下手ウマとか言ってんのか?自分に受け入れられないからって
演出不足のせいにするのはあまりに傲慢。
ジミーはデイブを殺す前に「なぜ娘を殺した?」と聞く。物事には
理由があると信じている。そしてデイブは動機をでっち上げる
(それが半分本音みたいな、いかにもそれっぽい、B級脚本家が
書いた様な理由。苦しい言い訳と変わらない)。
ところが真実は犯人は別人で、あるはずの理由すら無かった。
やっぱりケイティ殺しは動機無しの方が、信じてたものに裏切られた
ジミーの虚しさが際立つのではないだろうか?
デイブがその場で考えた理由の、中途半端なリアルさが真実の厳しさを
さらに際立たせてるんじゃないのか?
935 :
名無シネマ@上映中:04/03/07 06:18 ID:sJpHR6+E
あるシーンだけとらえてなんか説明不足だと感じる人って、映画全体を
とらえていない感じがする。
木を見て森を見ずってね。
説明不足=稚拙な演出なんて言うのは、自分の稚拙さをさらけ出してる
ようなもんだね。
むしろご丁寧に説明してしまう稚拙な監督がいかに多いことか。
よって933、934に同意。
タイトルの、ミスティックリバーってどういう意味?
937 :
名無シネマ@上映中:04/03/07 08:00 ID:HhMC/XYF
>>933-935 実際に、ジミーの娘を二人が殺害するシーンってなかったでしょ?
偶然にしては、最後に弟の友人がブレンダンに銃を向けるほど抵抗したのは何故?
938 :
名無シネマ@上映中:04/03/07 08:35 ID:gkg6KwSZ
ホモだち 偏愛
939 :
名無シネマ@上映中:04/03/07 08:54 ID:YqchsmA2
終わってみりゃさ、パーバートが小さな街で殺人て良くあるなんてことはない話だよね。
だからこの映画は監督とか撮り方、リズムが素晴らしいんだと思う。
940 :
924:04/03/07 09:29 ID:WhsnG4d+
>>933-935 傲慢とか稚拙とか言いたい放題だなー。
そもそも描写不足なのか、あえて描かなかったのかなんて
監督本人にしかわからないと思うんだけどね。
ただの観客にそれ以上の材料があるわけじゃないんだからさ。
なんかここまでくると、イノセンススレにいる押井信者みたい。
>しかし、上の連中は映画の1シーン1シーンを理解した上で演出不足
>とか下手ウマとか言ってんのか?
自分自身がこの映画全てを理解し尽くしてるかのごとくの言い方の
方がよほど傲慢に思えるんですけどねぇ。
>そしてデイブは動機をでっち上げる
本当にこの人は映画を見たのかなぁ?^^;)
941 :
名無シネマ@上映中:04/03/07 10:10 ID:p5XSrJ9p
>>940 >そもそも描写不足なのか、あえて描かなかったのかなんて
>監督本人にしかわからないと思うんだけどね
そもそもその分からない話を、演出不足だと言い切ったのが
>>911 なわけで。なんでそう思うかという話が一連のレスに繋がってるんだよ。
942 :
924:04/03/07 11:21 ID:WhsnG4d+
>>941 でも、それを受け取るのは監督じゃない、観客なんですから。
「そもそも描写不足なのか」と書いたのは「あえて描かなかった」派に
対するちょっとした擁護です^^;)。
「あえて描かなかった」派の方が「描写不足だと思う」派に対して
「傲慢・稚拙」と言い切る姿勢が疑問だから
>>911氏がそういうレスを返したんじゃ
ないですか?
この件に関しては、「描写不足である」派が不足である理由を示すより
「あえて描かなかった」派の人がこういう理由でイーストウッドの手法なんだよ、
このシーンでその事を補足しているんだよ、と説明すべきじゃないでしょうか。
もし、その説明に説得力があるのなら、私はいつでも「なるほど、おっしゃるように
イーストウッドはあえてそうしたのか」と考えを改めますよ。
別にイーストウッド叩きが目的ではありませんし。
でも「いちいち説明なんていらないし、その意図を感じられないお前が未熟」と
しかレスが無いようじゃ、やっぱり説得力を感じないのですよ。
それ以前に、その「あえて〜」派の方々の説明が無いと理解できない状態、ってのも
やっぱり映画として欠けるものがあるんじゃないのかなぁ。
ここのスレを見ても、違和感を感じているのは私だけじゃないですし。
でも実をいうと、私はイーストウッドの映画をこれ以前に観た事ないんですよね。
こういう描写はイーストウッド映画では当たり前なんだから、それを顧慮してない
お前の意見は有効じゃないよ、という指摘はオッケーですよ。
943 :
名無シネマ@上映中:04/03/07 11:46 ID:HhMC/XYF
944 :
名無シネマ@上映中:04/03/07 11:53 ID:gkg6KwSZ
イーストウッドはどう解釈してもいいよ
というだろうね
945 :
名無シネマ@上映中:04/03/07 11:58 ID:HhMC/XYF
>>936 舞台となったボストンに流れる川の名前。
暗く陰鬱な川らしい。
mysticで「神秘的な」の意味。
947 :
924:04/03/07 13:39 ID:WhsnG4d+
イーストウッドの映画はこの他に観た事のない私ですが、
うろ覚えで読んだ他の映画の評論に微妙なものが多い感じを受けました。
たぶん、あくまで予想なんだけど、ミスティック・リバーのような
受け手に任せる表現をよくするタイプなのかなー、とは感じてるんですが。
映画単体を評するのに、それだけを観ずに、今までの作品を通して
監督の人となりや思想性を考慮する映画の見方を私は否定していません。
それも映画の楽しみだから。
イノセンスを昨日観に行きましたけど、あれ、押井守を全く知らない
人間が観たら相当面くらうと思いますね。
観客全員がイーストウッドファンではありませんし、この映画で初めて
監督作品を観る人の方が多いはずです。
そういった人間を切り捨てて「わかる奴がわかればいい」というのもアリです。
これも否定しません。
ただそれにかまけて、イノセンスのようなオナニーを見せられるのを
私は好みません。またそれに同感する人も多いんじゃないでしょうか。
興業という面からも、ある程度の普遍性は欠いてはならないと思いますし。
948 :
924:04/03/07 13:47 ID:WhsnG4d+
その普遍性の基準をどこにおくか、というのは難しい問題ですね。
このスレの議論を見てつくづくそう思いました。
>「動機」で押したがる二時間サスペンスの悪影響だと思いますがね
でも正直に白状すると、自分はこれに当てはまるタイプだと思います^^;)
スピルバーグの「激突」でしたっけ、正体不明のトラックに追い掛け回される
話でしたか。昔これを観て「なんだ、トラックの運転手が何故主人公を襲ったのか
説明無しなの?」と行った所、友人に「馬鹿だなー、いちいち説明したら冷めるだろ」
と言われ、そりゃそうだなと納得した事がありますから。
949 :
名無シネマ@上映中:04/03/07 14:27 ID:HhMC/XYF
>>948 「激突」の「説明無し」こそ監督の意図と言うか、あれはあれで全くOKなんだけど、
この映画はもっと初歩的なレベルで説明不足になっていると感じます。
実は「イノセンス」見に行こうと思い、「甲殻機動隊」のDVD買ったんだけど...オナニーですか。
ま、とりあえず観てみます。
950 :
924:04/03/07 14:37 ID:WhsnG4d+
>「激突」の「説明無し」こそ監督の意図と言うか、
う、おっしゃる通りです。
全く正反対な喩えを使っちゃったな。
エンターティメントの面でいうなら、まだ攻殻の方がマシかも。
アクションも前作の方が豊富だし。
個人的にはS.A.C.(日テレの深夜でやってる奴)が一番面白いと思いましたが。
951 :
名無シネマ@上映中:04/03/07 14:55 ID:/CQ37mQ6
「初歩的な意味で説明不足」ねえ…。
こういう一節を読むと、やっぱり
「分かる奴だけ分かればいい」
とつぶやかざるをえないw
952 :
930:04/03/07 15:53 ID:tsjR9bik
>>940 いっしょくたにして、「傲慢」「稚拙」というキーワード(かな?)を
使ってない漏れも「イノセンススレにいる押井信者」にされたら堪りませんね。
別に「イーストウッドの手法」であるが無かろうが構いません。
繰り返しになりますが、漏れの
>>933 のポイントに「演出不足」を唱える人は
何の反論もしてないので、反論を頂きたい点を箇条書きにしておきます。
1.殺人は偶然と言うことはショーンの台詞でハッキリしているのではないか。
弱いも何も、あの子らは刑事に「なぜやったんだ?」と訊かれて嘘つく理由もないし、
それ以上「描いてない」ということはこの映画では「そういうことだ」でいいんじゃないですか?
2.「理屈の上の筋道」としては1で述べた通りだし、映画のテーマの上の筋道
(ここでは「感情の筋道」と言いますね)としても、件のショーンの台詞が語られる
シチュエーションがどんなのだったかを思い出せば、それが「動機なき殺人」であったことの
虚しさの方が似つかわしいと思いますが、その点に関してはいかがですか?
3.「いや、そうじゃなくて動機はこのようにも考えられるはずだから」という考え方は、
映画では上記1・2で書いたように描かれてる以上、「裏目読み」の類でしょう。
(ここんところ、よく考えて欲しいのですが)その裏目読みが派生するのは、
2時間サスペンスや日本の社会派推理の考え方に慣れた方(偏見ならごめんなさい)が、
「自分たちとしてはこういう話の方が納得する」という気持ちから出てくるものでしょう。
でも、上記1・2を読んで頂ければ分かる通り、映画ではそういう風に「描いてない」
つまり、「そういう話にしてない」わけなのです。
百歩譲って「そういう話にしてない」のに対し、「自分たちとしてはこういう話の方が納得する」
という批判なら、まだ分かります(私は「虚しさ」を充分に感じたし、偶然である方がより
因果な感じがしてドラマチックだから……つまり、ドラマとして許される嘘だと思うから……
構わないんですけどね)。だけど、「そういう話にしてない」ものに対し、
「自分らとしてはそういう話であって欲しかったから、それを匂わすようなことをしないのは、
演出不足だ」では、あまりにも無茶だと思いませんか?
953 :
924:04/03/07 16:33 ID:WhsnG4d+
>>930 自分も、1・2の質問に関しては既に回答を寄せているつもりです。
でも
>でも、上記1・2を読んで頂ければ分かる通り、映画ではそういう風に
>「描いてない」つまり、「そういう話にしてない」わけなのです。
このレスを見る限り、説明した事が全く理解して頂いていないな、と思わざるを
得ません。
これは「あえて描かなかった」派がどうしても不利にならざるを得ないのですが、
やはり「無かったものを有った」と主張するのは、困難なんですよ。
ですから私はそれを慮って、こうすればさりげなくクドい説明無しに
演出不足だと思われないための方法を提案することによって、ある程度のフォローを
試みたつもりです。
1.の「そういうことだった」という「あえて〜」派の主張に無理を感じた人が
多かったからこその、このスレの議論じゃないんですか?
自分はそう解釈していました。
つまり、
>でも、上記1・2を読んで頂ければ分かる通り、
から
>映画ではそういう風に「描いてない」つまり、「そういう話にしてない」わけなのです。
への、論理の帰結に無理を感じるんです。
>つまり、ドラマとして許される嘘だと思うから……
むしろ私は、「全く偶然に兄の恋人を殺した」よりも「兄との葛藤で悩んでいたら
道路で偶然、兄の恋人に出会った」の方が”ドラマらしい嘘”だと考えるのですが。
ですから、「ほんのちょっと兄との葛藤」を匂わせるシーンがあれば、さらに
偶然が引き立つのではないか、という一例を提案したのです。
もちろん、これが適切で正しい演出であるかは断言できませんが。
954 :
924:04/03/07 16:43 ID:WhsnG4d+
でも、私は「あえて〜」を全て否定するつもりはありませんよ。
今の日本で起こっている少年事件なんかを見れば、理由無き殺人の
空恐ろしさを感じますし。
でも、映画は現実に起こった事をそのまま描写するドキュメンタリーでは
ありませんし、そのドキュメンタリーにしても第三者が色々な思惑、感想を
組み込んで、見た人間にもそれぞれの解釈が存在するはずです。
ですから何度か申し上げているように、映画の演出としてある程度の”誘導”
を怠ってはならないと思うのです。
955 :
924:04/03/07 16:50 ID:WhsnG4d+
だからイーストウッドはそれを「怠っていない」、と感じている人を
殊更論うつもりはありません。
ただし、「怠っている」と感じる人に「監督の意図を読み取らずに
演出不足だ、と無茶を言う」という批判のみが加えるのは、それこそ
ムチャだと思います。
そうだなー、50人のうち49人が「怠っていない」と感じるなら
残りの一人の批判は当たってないかもしれませんね。
(数字の多寡はおいといて下さい)
でも少なからずの人間が「怠っている」と感じるからこその、
このスレの議論であるわけですよね?
956 :
924:04/03/07 18:36 ID:WhsnG4d+
てにをはが無茶苦茶なのはカンベンして下さい。
ところで、どうして自分が違和感を感じたのかを考察してみる事にします。
物語が終盤に行くに従って、ジミーが兄弟の父レイを殺した事が
わかりますよね。それに加えて、また主人公三人の物語も因果論的に
ずんずん進んでいったわけですよね。
デイブのセリフに表れていたように、ほんの少し何かが違っていたら
三人の人生は全く変っていたものになっていたと。
それがストーリーの底辺を流れていたはずです。
ところが、その流れとは全く関係無い「デイブが少年買春の男を殴り殺した」
事件と「弟達が偶然止めた車の女をなぶり殺しにした」事件が”偶然同時に”
起こったわけです。全く繋がりが無い。
せいぜい「デイブがバーでジミーの娘見かけた」だけです。
因果律的なストーリーだったものに、突然運命論的な要素が飛び込んでしまった。
「実は兄の恋人だった」「実は父を殺した男の娘だった」という背景が
あったにも関わらず、ただ無関係のまま殺してしまった。
そこで「映画としてどうなのよ?」という疑問は当然出るでしょう。
それが自分にとっては普通の感覚。
「いや、実は色んな因果関係があったのに、意味も無く殺されるから悲劇なんだよ」
という感覚は理解できません。主張として荒っぽい。
因果論から転じて運命論を描く事そのものを批判しているのではなく、描くにも
色々工夫はあったはずです。そこに注意していれば、演出不足だと批判を受ける
事もないんです、
でもラストで全容が判明したのは、ショーンのたった一言のみの内容からですよね。
これで「あえて描かなかった」と言い切ってもいいんでしょうか?
実際イーストウッドはその必要を感じなかったのかもしれません。
ですが、やっぱり自分から言わせるとその手法が荒い。
957 :
名無シネマ@上映中:04/03/07 22:11 ID:QeQX3/KU
いつのまにかすごいレスが進んでるな。
924さんは良かったら
>>860も参考にしてみて。
自分が最初に受けた違和感を引きづるより、映画全体を俯瞰的に
眺めなおしたほうが楽しいよ。
なんか木を見て森を見ずって印象を受けるので。
958 :
930:04/03/07 22:35 ID:tsjR9bik
>>953 >これは「あえて描かなかった」派がどうしても不利にならざるを得ないのですが、
>やはり「無かったものを有った」と主張するのは、困難なんですよ。
いや、逆でしょ?(苦笑)
「こういう話じゃ気に入らないから、こういうことにして欲しかった、
だからそういう要素も描け」派に、「不利になる」んじゃないですか?
「あえて描かなかった」派などと名付けてくださってますが、「あえて」は外してよろしい。
むしろ「描かなかったのは『そういうことではない』からだ」派とでも言って下さいよ。
「無かったものを有った」と主張してるのは、むしろあなただと思いますよ。
だから
>>954 で「誘導」が必要とかおっしゃってるわけで。
何のための「誘導」かと言うと、「偶然の連鎖じゃ納得できない」あなたが、
「違う話」へ誘導したがってもらってるだけですよ。
「偶然の連鎖ってのは居心地が悪いので、違う話の方が良かった」という批判なら、
したらいいじゃないですか。まだその方が納得できますよ。
別の話にして欲しいからって、そうなる可能性を見せてくれないのは、演出不足だってのは、
やっぱりおかしいですよ。それこそ「無かったものを有った」ことにして欲しがってるだけですよね?
これで充分だと思いますので、
>>954 以下のレスにはいちいち反論しません。
申しわけありませんが。。。
>>958 >「あえて描かなかった」派などと名付けてくださってますが、「あえて」は外してよろしい。
>むしろ「描かなかったのは『そういうことではない』からだ」派とでも言って下さいよ。
わかる。
924は、自分が引っかかって演出不足だと思ったから、
皆も引っかかったけど、「あえて演出しなかった」と判断したんだと
思ってるみたいだけど、そうじゃなくて、別に引っかかりも何もなく
すんなりと観てるだけなんだよな。
だから、演出不足だとか言われても、いや、
「そういう風に描いてるだけですけど、なにか?」としか答えられないんだろう。
たぶんこれだと924さんが納得できないと思うのでもう少し説明する。
うまい例えが見つからないけど、たとえば肖像画の背景の山を観て、
その山の全体の形が分からないと気にしてるような感じ。
もちろん背景の山も重要だが、それはあくまで背景として重要なんであって
山全体の形が分かる必要はないよね。
>>957で俯瞰的にと書いたのはそういう意味です。
>>959 乙
961 :
924:04/03/07 23:35 ID:WhsnG4d+
んーやっぱり議論にはならなかったな。
930氏にもう相手にしない、とまで言われたんで自分もこれを最後にして
ただの名無シネマに戻ります。
俯瞰的にとか、木を見て森を見ずという批判を頂きましたが
自分からしてみれば「描かなかった」派の方々は、隠される事によって
過剰の想像力を掻き立てられていると思いました。
”隠す”事によってその神秘性を高める宗教のようなテクニックに
引っ掛かっているように感じます。
>もちろん背景の山も重要だが、それはあくまで背景として重要なんであって
>山全体の形が分かる必要はないよね。
この例を使わせてもらうならば、自分は「描いていない」派に対して
「肖像画と背景の山がマッチしていないんじゃないですか?」と言いたいですね。
絵全体の調和を考えた際に、この二つがあまりに合っていないと肝心の
肖像画までもが台無しになるんです。その違和感を主張させて頂きました。
>>961 >自分からしてみれば「描かなかった」派の方々は、隠される事によって
>過剰の想像力を掻き立てられていると思いました。
引っ張って悪いけどさ、だからそこはあまり重く受け止めてないんだって。
つーか人のレスちゃんと読んでる?
963 :
930:04/03/08 00:26 ID:LR8UBpXV
漏れも、全く読んで貰ってないと感じました(苦笑)
あ、これは
>>962 さんへのレスね。
乙
>>959
964 :
名無シネマ@上映中:04/03/08 22:11 ID:1hCbSsRQ
>>927 >撮影所でたたきあげで頑張ってる人より、別分野の有名人が監督になれてしまう状況には、
>ずっと疑問を感じていた。
いまさらだが、レスさせてもらうよ。
ずっと疑問を感じていたくらいなら、ちゃんとイーストウッドの経歴を調べてみなって。
誰かと勘違いしてるのかい?
12本の映画に端役出演し、テレビドラマにも何作か端役出演して苦労しているし、
ローハイドで7年間確固たるレギュラーの座を掴んでいながら自分の出演シーン以外でも
カメラの傍を離れずまた演出面にアイデアを出すなど、作品を作るすべての行程に精通する
ことになったわけ。
低予算映画「恐怖のメロディ」を演出する前にも、ドン・シーゲルのドキュメンタリーを
撮り腕を磨いているし。
24本もの監督作品をものにしている現役監督はハリウッドに何人いるのかねえ?
映画製作の分野においてはまさに叩き上げの職人だね。
バカ丸出しごくろう様w~~■P o(^-^) コーヒードウゾ
このスレ、長文多すぎてすげーお腹いっぱいになるんだが。
全部読む気ねえ・・・
クリントイーストウッドは撮影所たたき上げですよ
テレビも映画も知ってる
人がバカにする分野の作品にとびこんで新境地を開拓
別分野の有名人て、誰のこと?
桑田圭祐とか小田和正のことじゃねーの?
968 :
名無シネマ@上映中:04/03/09 01:46 ID:xZektXgx
>>924乙。
一連のレスいまほぼ読んだけどあんたに一票。同意。
>>924 あれ?確かケイティは殺される前に「Hi」って挨拶してたんじゃなかった?
971 :
名無シネマ@上映中:04/03/09 02:39 ID:Hs3F687u
>自分からしてみれば「描かなかった」派の方々は、隠される事によって
>過剰の想像力を掻き立てられていると思いました。
>”隠す”事によってその神秘性を高める宗教のようなテクニックに
>引っ掛かっているように感じます。
このへんとかさ。バカ?
嘘つくも何も弟はしゃべれないんだろう?自白したとしたらあの友人だよね。
仮に友人が嘘をついていないとしても、弟にその時殺意があったのか、
それともあくまで偶然だったのか、本当の心理は彼がしゃべらない限り
誰にもわからないし、結局この事件の真相は薮の中ってことなんじゃないの?
ただデイブも回想シーンがあるから彼のあの夜の行動を信じられるんだよね。
あれが告白だけだったら真相は別にあると勘ぐったかもしれないな。
ショーンの妻の件といい、コミュニケーション不全が理解しあえない人間関係を生む、という
のもテーマのひとつだと思うから、何が真相がわからないぐらいでこの映画は
いいのかもしれないけどね。
私なりの解釈なんですが…
Q「レイの息子(ブレンダンの弟)は動機もないのにケイティを殺したの?」
A「大好きな兄貴と駆け落ちすることを知って、それを止めるために(ケイティへの嫉妬)から
計画的に友人と二人で犯行に及んだ」
Q「弟は喋れないんじゃないの」「通報の電話の声は誰?」
A「弟は喋れないんではなくて『喋らない』だけだった(自閉ぎみとかそんなかんじ)が
優しい兄は弟に付き合って手話で会話をしていた。
兄が弟を問い詰めたとき「愛してるって言ってみろよ!」と言っていたのはそのため。
犯行後の通報の声は弟。」
>>971 隠されてると思ってるのは自分なのにね。
「描かなかった」理由は「そうじゃなかった」ってことなのに(笑)
>>972 >嘘つくも何も弟はしゃべれないんだろう?
筆談でも何でもするでしょ(笑)
Q「デイブが少年買春の男を殴り殺した」事件と「弟たちがケイティを殺した」事件が
偶然同時に起こったのは無理がないか?
A偶然に同時に起こったわけではない。デイブはたしかに偶然「バーでケイティを見た」が、
過去の誘拐のトラウマがあったからこそ、ケイティの姿を見て「自分の失われた青春を思い出した」。
だから少年を性的に虐待する見知らぬ男に対して怒りが爆発してしまった。
デイブがショーンに「なんで殺したんだ!」と問い詰められて答えた「青春云々」の理由は、
デイブにとっては少年買春の男を殺した理由に摩り替わっていたように見える。
まあまあ、
>>924氏はイーストウッドを叩いてる香具師とは別人みたいだし、
書き込みの文体自体は荒れてないんだから、皆さんそんなに叩きなさんな。
でもやっぱり読み直してみると「こうでなきゃ」って思いが強すぎるように思う。
特に933の問いに(
>>930氏、このレス、完璧だと思う。感動した。)
>そこで「映画としてどうなのよ?」という疑問は当然出るでしょう。
>それが自分にとっては普通の感覚。
と答えてるとこから見てもそう思う。
これはやはり924氏自身も認めてるとおりの『火サス見過ぎ』なんじゃないかと。
”誘導”と何回も言われますが、
>>933にも書かれてあるとおり、
「偶然」「怨恨」どちらの方向にせよ、あれ以上の誘導があると別の意味を持ってしまい、
悲劇性が薄れてしまうと思う。ただまあこれは個人個人受け取り方が違うということでしょう。
924氏(と多分あと一人)にとっては「足らない」で他の人は「え?何が?」って感じで。
49対1かどうかはわからないですけどね。
このスレで議論が絶えないのは「足らない」と思ってる人が多いんじゃなくて、やっぱり裏目読みだと思いますよ。
というかむしろ「因果論」VS「運命論」はそれ程多くなくて、
ショーンの指鉄砲の解釈の議論の方がかなりの部分を占めてるかと。