1 :
名無シネマ@上映中 :
03/12/01 06:24 ID:WEicz+cu 日本ではあまりに見る機会が少ないため、一部の偏見が先行し、正当な評価がなされていないものの、欧米では絶大な支持を誇るこの映画作家について、語りませんか。
>>1 少なくとも前スレが1本ある。
それから、欧米で評価されてるとしても、ごく一部の人々の間だけだ。
ファスビンダー作品には、多数派が支持する大衆性なんかない。
「ベルリン・アレクサンダー広場」を見逃したのは痛かった。
3 :
名無シネマ@上映中 :03/12/01 07:37 ID:zkBFJ+Lt
「ケレル」見たい
4 :
名無シネマ@上映中 :03/12/01 09:40 ID:51k2OshV
「マリア・ブラウンの結婚」しか見てない。 俺も「ケレル」見たいなー。
5 :
名無シネマ@上映中 :03/12/01 09:58 ID:INagH/N/
彼の映画を見る為にはチャンスと金とタフな精神が必要なそうだ。
6 :
名無シネマ@上映中 :03/12/02 02:44 ID:pfmrhM4L
>>2 多数派が支持するという意味での大衆性はないかもしれませんが、現実社会の
大半を占める「弱者」を真摯な眼差しで描いたという意味では、他のどの映画
作家よりも「大衆性」を持ち合わせていると思います。現に、ヘインズの
「エデンより彼方に」の元ネタの一つである「不安と魂」などは、「黒人移民
を主人公にした事実上最初のヨーロッパ映画」(News Week)であり、30年前
にすでに移民問題を扱ったその問題意識や先見性には驚かされます。
また、多数派が支持するという意味では、現在、日本でも人気の高いオゾンなど
は熱烈なファスビンダー・フリークですよね。「焼け石に水」などは全編ファス
ビンダー・オマージュで、ファスビンダーなしにオゾンを語れるのは日本だけだ
と思います。とりわけこの映画は、これでもかというほど「十三回の新月がある
年に」を意識しています。
「ベルリン・アレクサンダー広場」は、シネフィル・イマジカで現在、放送中です。
好き嫌いはともかく、「凄い」映画です。この映画を見ればファスビンダーの
「大衆性」が凄まじいエネルギーとともに感じられると思います。こういうパワフル
な映画は、現在の日本では逆にうけると思いますけど・・・
7 :
名無シネマ@上映中 :03/12/02 03:36 ID:ABVFWr9s
>>3 >>4 日本でファスビンダー嫌いを決定づけた作品。
けど、日本はあまりにこの映画(及びその付近の数本ばかり)に目が行き過ぎで、
ファスビンダーをハードゲイのサディスト趣味のメロドラマ作家としか思ってい
ない人が多すぎる・・・
フェリーニを「ボイス・オブ・ムーン」、黒澤を「まあだだよ」を中心に語る人は
いないし、「ソドムの市」だけでパゾリーニ作品総てを嫌悪する人もあまりいな
いのでは・・・
それもこれも、日本ではファスビンダーの重要な作品がほとんど見られないせいだが。
ちなみに、やはりベストは「第三世代(Die Dritte Generation)」。
ファスビンダー映画の中でも最も「解放された」作品であるとされ、
現在の世界情勢をも予見したかのようなその思想的先見性もさることながら、
視覚・聴覚的にもきわめてラディカル。特にクライマックスで、ピエロに
扮してキッドナップを行うハンナ・シグラのテロリストぶりは鳥肌もの!
8 :
名無シネマ@上映中 :03/12/02 03:53 ID:ABVFWr9s
9 :
名無シネマ@上映中 :03/12/02 04:11 ID:ABVFWr9s
>>5 「ケレル」は確かにひく・・・
アナルから抜いたチ〇ポにクソがついたとか
ギュンター・カウフマンが言ってるし・・・
やっぱ、こんなのが知名度1、2を争ってたら
人気低いわな・・・
10 :
名無シネマ@上映中 :03/12/02 16:35 ID:6y9OcGqx
やっぱ日本ではヴェンダースばかりが持ち上げられすぎて 他のドイツ映画がちゃんと評価されていないような気がするが。
11 :
名無シネマ@上映中 :03/12/03 01:58 ID:MnBx4BuO
>>10 日本はいったん「巨匠」になってしまうと盲従するから・・・
確かに昔の映画は悪くはないけど、「一人勝ち」の状況は明らかにおかしい。
また、ヴェンダースはファスビンダーの生前、ファスビンダー・コンプレックス
だった。現に、ファスビンダー映画でのミューズぶりを見てハンナ・シグラを
「まわり道」に起用したものの、魅力を引き出せなかったと力不足を認めている・・・
12 :
名無シネマ@上映中 :03/12/04 01:50 ID:0+FBUh6y
個人的には、ファスビンダー自身も自作ベスト1に挙げた「聖なるパン助に注意 (Warnung vor einer heiligen Nutte)」が最高傑作だと思う。自身とその コミュニティをモデルに撮ったこの映画を見れば、ファスビンダーがまさに自分 の命とひきかえに映画(すなわち、「聖なるパン助」)を撮り続けたことがよく わかる。一般的なファスビンダーのイメージが全くの偏見であったとわかる でしょう。ファスビンダーの映画に対する真摯な姿勢を見れば、心ある映画人、 映画ファンなら確実に泣けます!! このような傑作が一般には名前すらほとんど知られておらず、中身のないアート系 映画監督がもてはやされる日本の環境は、本当に不幸だと思う。
>>12 いやいや、電気が来ていて映画が観られるだけマシというものだよ。
14 :
名無シネマ@上映中 :03/12/04 02:08 ID:C1/qxgoA
>>12 >中身のないアート系映画監督がもてはやされる
誰のことだ?
映画を見る環境としては日本はそんなに悪いとは思えないが
世界中の映画がかなり見れますよ
15 :
名無シネマ@上映中 :03/12/04 02:38 ID:a08vYfLf
>>14 人それぞれ好みがあってのことなので、この表現は確かに不適切だったかもしれません。
ただ、ダニエル・シュミットがかつて「日本人の評論家はあまりにファスビンダー
を知らなすぎる」と嘆いたように、ある映画、映画作家等を語る上で欠かせない
ような時までも、ファスビンダーの名前を知ってか知らずか封印してしまうような
環境について一言述べたかっただけです(いい例が、フランソワ・オゾンを語る時
などです・・・)。
>>10 まあそれはやっぱり蓮實重彦のせいでしょう。蓮實はヴェンダースを日本に紹介するために戦略的にヘルツォークをけなし、ファスビンダーを無視した。
蓮實がファスビンダーを嫌うのはわからないでもない。でも蓮實門下の連中がみんなそれに盲従してるから、ダニエル・シュミットはほぼ全作品公開されるのにファスビンダーは何も見れない、なんてわけのわからない状況が放置されてしまうわけで。
個人的にはベストは『ベロニカ・フォスのあこがれ』かねえ。
月並みですいません
17 :
名無シネマ@上映中 :03/12/04 06:49 ID:iIm185h1
>>16 やはり、結局、その名前に行き着きますよね。
蓮見発言については、十分にフォローしているわけではないので、自信がありません
が、確かにファスビンダーはけなされているのではなく、意図的に無視されています
よね。ヘルツォークと違って、そもそも名前すら上がらない・・・。
ファスビンダーは、ヘルツォークのようには、ばっさり切れないですしね。すでに
欧米で「最後の映画作家」(J.L.ゴダール)としての地位を確立していたファスビンダー
は、日本への輸入に際しては黙殺するしか、手はなかった。加えて、お気に入りの
ダニエル・シュミットの手前・・・ってところですかね。
ただ、結局のところ、やっぱり嫌いなんですかね。嫌いにしても、しっかり見た上
で嫌いなのかどうかは疑問だが。それと、確かハンナ・シグラが大嫌いなんですよ
ね(だけど、「パッション」は大好き・・・)
18 :
名無シネマ@上映中 :03/12/04 07:40 ID:uKDcdvge
ヴェンダース自身がファスビンダーを「認めて」いるので、ヘルツォークのよう には貶せない・・・
19 :
名無シネマ@上映中 :03/12/04 15:12 ID:JvnDblnE
たとえばインド映画で蓮實氏が騒いだこともあってグル・ダット映画祭は行われたが リトウィック・ガタクはあまり見られないみたいなことと共通するのか? でもファスビンダーも特集上映などはやってて全く見れないわけでもないけどね。 たしかに蓮實氏がファスビンダー信者だったら続々、ファスビンダーが公開され ファスビンダー映画祭というのが行われていたかもしれないが 逆に言うと蓮實氏が持ち上げなきゃ、注目され公開されないというのがおかしい のだけど。 そうすると蓮實氏が悪いとも言えない。
「ケレル」って一時期 ホモ映画専門館でしょっちゅうかかってたんだけど ビビって観に行けなかったです
21 :
名無シネマ@上映中 :03/12/05 00:24 ID:F0GNyYq1
主演のブラッド・デイビスがエイズで死んだからなぁ・・・
22 :
名無シネマ@上映中 :03/12/05 01:28 ID:lkDh/sWa
>>19 ただ、やっぱり蓮實氏の作戦勝ち(啓蒙成功?)ですよね。日本人が権威に弱い
(学者は特に縦社会)ことを利用して、見事にファスビンダー無視の風潮を作り
上げ、一般には気軽に見る機会を与えないことで、ファスビンダーに対する偏見
を確立することに成功したのですから・・・
確かに、ファスビンダーとヴェンダースを正当に比べようにも(別に比べること
に意義があるわけではないが)できないんですから。加えて、見られないなら全部
見られなきゃいいのに、手軽に見られるものといえば、圧倒的に持ち札としては分が
悪いものばかり・・・。陳腐なメロドラマの『リリー・マルレーン』(これだけは
NHKの衛星放送でも繰り返し放送されるほど!)や一般人にとっては生理的な嫌悪感
を引き起こす『ケレル』といったファスビンダーの中でも最低クラスの作品。大型
レンタル・ビデオ店に行って、やっと『マリア・ブラウンの結婚』と『ベロニカ・フォス
のあこがれ』が手に入るだけ・・・。これじゃ、やる前から勝負は見えています。
全部で40本以上作っているにもかかわらず、日本で普通に視聴可能なこの4本から
生み出されるファスビンダーのイメージは、良くて「陰気な社会派」、悪ければ
「ハードゲイのサディスト趣味のメロドラマ作家」です。観た人には評価の高い
(実際、クオリティもきわめて高い)『ぺトラ・フォン・カントの苦い涙』、
『不安と魂』、『シナのルーレット』など、まれにアテネ・フランセなどで回顧上映
が組まれるここら辺の映画が手軽にビデオで見られるようになれば、ファスビンダー
人気も高まると思います(もちろん、『聖なるパン助に注意』、『第三世代』、
『十三回の新月がある年に』など、ファスビンダー映画の中でも最大級の評価を得て
いながら、日本では公開すらされていないものが見られるに越したことはないが・・・)。
23 :
名無シネマ@上映中 :03/12/06 00:52 ID:zfaJbPO4
ダニエル・シュミットの「天使の影」は、実質的にはファスビンダー映画だと 思うんですけど、蓮實氏はどのように評価しているんですか?
24 :
名無シネマ@上映中 :03/12/06 02:54 ID:K6wsS0NS
>>23 >実質的にはファスビンダー映画
というのが意味がよく分からない。
影響ということなら、ファスビンダーもシュミットもどちらも
ダクラス・サークの影響がある。
だからといって両者が同じものだとは言えないと思うが。
25 :
名無シネマ@上映中 :03/12/06 08:32 ID:rUEdGhLE
多分、23と24の認識の違いこそが、ファスビンダーの欧米と日本とでの評価の差異を 最も端的に表している・・・ ファスビンダーは自作の戯曲「ゴミ、街、死」のアダプテーションを計画したものの、 ヨーロッパ最大のタブーであるユダヤ人問題を扱ったこの戯曲の映画化は、ファスビンダー がドイツ人であり、これまで数々問題作を公開してきたことを鑑みると、自身がそれを 行うことは不可能であった。そのため、友人のスイス人映画監督ダニエル・シュミット に全面協力をすることで(監督と撮影のレナート・ベルタを除いては、脇役の俳優に 至るまで総てファスビンダー組)、映画化を実現させた・・・ 従って、この映画はファスビンダーが「監督」でこそないものの、事実上のファスビンダー 映画であり、自身が映画化していたならば「最も物議をかもしたであろう」作品・・・と いうのが欧米での一般見解であると思います(この見解を如実に表しているのが、 英語版ビデオ・ジャケット。シュミットの名前などどこへやらファスビンダーの大きな 文字が・・・) 一方、ダニエル・シュミットの名前の方が知名度・評価とも高い日本では(「73年の 世代」としてヴェンダース・エリセ・シュミットを同時に日本に輸入した蓮實氏の手腕 によるところが大きい)、当然、「監督」たるシュミットにスポットが当たり、ファス ビンダーは単に「出演俳優の一人」程度の認識しかない・・・というのが事実ではない でしょうか。このような状況を嘆いているのは、他ならぬ監督本人だと思いますが(現に、 シュミットは日本でのファスビンダーの冷遇ぶりに憤っている)。
26 :
名無シネマ@上映中 :03/12/06 15:46 ID:4HHUPDxF
「ベロニカ・フォスのあこがれ」ってどう? 結構、評価高いらしいが。
27 :
名無シネマ@上映中 :03/12/06 17:03 ID:FHViIBXh
>>25 そうであっても、元の企画がファスビンダーが考えたものだとしても
誰が演出するかでちがって来るものだと思います。
映画監督の個々の個性というものは演出によって発揮されるものだからです。
同じシナリオでも監督によってちがってくるものです。
全てファスビンダーが企画し、ファスビンダーの映画スタッフが集まったとしても
最終的にシュミットが演出したことで決定的にちがう画面の作品になっているはずです。
それぐらいシュミットというのは極端な個性をもった演出家であるからです。
だから「実質的にはファスビンダー映画」と言い切ってしまうことは暴論だと
思います。
最終的な画面の決定権がだれであったかでどちらの作品かを判断すべきだと思います。
たとえば「ゆきゆきて、神軍」はもともと今村昌平が企画していたものですが
自分で撮らずに原一男が撮ることになった。だからといってあれは実質的に
今村作品であるなどとは言わないでしょう。
ただし、これは客観的にどちらの作家の作品かを第三者が判断する場合の話で、
シュミットがファスビンダーを敬愛しているとかいうことは関係ないと思います。
また、ファスビンダーが日本で評価が低いという問題とも何も関係がない話です。
単に現場で最終的な演出をしたのがこちらの監督だからこの監督作品だとするべき
だという話。
僕はファスビンダーよりシュミットの方が監督として優れているとかそういう
ことを言ってるわけじゃないんだよ。
むしろ個人的にはシュミットの映画は僕は苦手でファスビンダーの方が好きだし。
(「シナのルーレット」が好きです。)
「実質的にはファスビンダー映画」などという言い方はおかしいと思うと言ってるだけですよ。
28 :
名無シネマ@上映中 :03/12/06 17:10 ID:FHViIBXh
27は24です。 たとえばファスビンダーが深く関わっているシュミットの監督作品「天使の影」を ハスミンがどう評価しているのか、ということなら分かりますよ。 でも監督したわけではない作品を (現場で監督したかどうかが誰の監督作品かを判断する上で最も重要なのだから) 「実質的にはファスビンダー映画」という言い方はまずいと思う。
29 :
名無シネマ@上映中 :03/12/06 19:25 ID:k24Zc6I4
>>23 「天使の影」については、蓮實氏はシュミットの演出やレナード・ベルタのキャメラを
高く評価していましたが、ファスビンダーについてはほとんど言及していないと思います。
「映画 誘惑のエクリチュール」のダニエル・シュミット試論では、
「ファスビンダーという強烈な個性が素描した主題に基づく作品でありながら、
『天使の影』がまぎれもないシュミット的な世界を提出しえているのは、...(以下略)」
といった感じです。
まあ蓮實氏の功罪については色々意見はあるでしょうが、
これはこれで間違った事言ってるわけでもないですしね・・・
むしろ他の評論家が怠慢なのでは?
俺自身、中原昌也氏や明石政紀氏の本を読んだのがきっかけで
ファスビンダーに興味をもったクチなんですけど、
二人とも映画というより音楽畑の人ですよね。
世界はハスミで廻ってるw アホか。
マイナー・ウレナー・ハスミンダー
32 :
名無シネマ@上映中 :03/12/06 22:55 ID:DQACjigG
「シナのルーレット」はかなり好き。 ファスビンダー作品の中でもきわめてスタイリッシュで、面白い。 アンナ・カリーナもゴダール作品とは違った魅力がひき出されている。
33 :
名無シネマ@上映中 :03/12/06 23:08 ID:AM3fVBBF
映画は監督の作品だという決まりもないわけですが。
34 :
名無シネマ@上映中 :03/12/06 23:09 ID:dIW79LSu
その通りでつ。。
今、アマゾンで「ファスビンダー」検索したら件数ゼロだった。どこでもいいから 頑張ってDVD出してくれよ。地方在住者は、平日の昼間にアテネフランセで 特集上映やられても観に行けねえんだよ。「季節を売る男」も「シナのルーレット」 も「不安と魂」も「ベロニカ・フォスのあこがれ」もソフト化されてねえって 一体どうなの?その一方で、ヘルツォークの作品はほとんど観られるのも合点が いかない。
37 :
名無シネマ@上映中 :03/12/07 02:21 ID:TsDVQVEB
米国版DVD&ビデオだと、全部で20数本視聴可能。 これらに加え、Fantoma社から、「十三回の新月がある年に」、「マルタ」、「何故 R氏は発作的に人を殺したか」といった、ファスビンダーの中でも毀誉褒貶が激しい 3作品が、DVDで発売予定。 アメリカでは、日本でいうゴダールなみにファスビンダー作品が次々とDVD化されて いる。アメリカでは日本と違ってファスビンダー人気が現在でも根強いが、多分、 社会と人間をストレートに、かつ真摯に描くその姿勢に人気があるのだろう。 ただ、「第三世代」「デスペア」といった最も前衛的といわれる2作品については、 米国版も出ていない。
正直、ファスビンダーよりもダニエル・シュミットの方が有名だなんて 世界中で日本だけだと思うんですよ。 たぶんスイス本国でもファスビンダーの方が有名でしょう。 これを歪みと言わずしてなんと言うのか −−というか歪みと思ってないのは蓮實信者だけだと思うんだけど−− 『天使の影』でなければウリ・ロメルの"Tenderness of Wolves"はどうなのか? これだってファスビンダー映画以外の何物でもないと思うのだが
39 :
名無シネマ@上映中 :03/12/07 05:52 ID:js/Pz5vE
ただ、「狼の優しさ」は、ファスビンダー作品とは若干、「毛並みの違う」悪趣味が 感じられる。これは、ウリ・ロメルあるいはクルト・ラーブのものだろう。 まあ、ファスビンダーに鍛えられたおかげでロメルがウォーホルと組めるような 「異才」になれたことも間違いあるまいが・・・
40 :
名無シネマ@上映中 :03/12/07 13:26 ID:aU2jlt7m
>>38 歪んでじゃいけないのか?
日本のみでの外国とは異なる評価とかあってもいいのでは?
なぜ外国の評価に合わせないといけないのか?
外国人の言うことの方が正しいというのはただの外国人コンプレックスでは?
飲みすぎだよ。明日はやいんだろ
42 :
名無シネマ@上映中 :03/12/07 14:54 ID:sGp+EgS9
>>29 「強烈な個性」という一言に集約させる・・・。さすが海千山千の論客ですね。その
言葉を用いれば、良いとも悪いとも、好きとも嫌いとも明言せずに、また、「ファス
ビンダー」という固有名詞を出さずとも、いくらでもシュミットについて論じられま
すから。やはり、この言葉からも明らかなように、蓮實氏はファスビンダーの批評
そのものを放棄し、徹底的に「無視」したんですね。
>>27 ご指摘はもっともですが、この議論は、映画のどこに視点を見出すかによって異なる
のではないでしょうか。映画を演出やキャメラを中心に捉えるのであれば、シュミット
映画でしょうし、逆にその主題(思想性)をもとに判断するのであれば、間違いなく
ファスビンダー映画でしょう。誤解が生じるというのであれば、ファスビンダー映画
(film)ではなくファスビンダー作品(work)と言った方がいいのかもしれませんが・・・
尚、欧米ではどちらかと言えば後者の方に重きを置いてこの映画を解釈しているようで、
そういった意味では、ファスビンダー映画(作品)という括りになるのかもしれません。
43 :
名無シネマ@上映中 :03/12/07 17:27 ID:2zC/JJVi
「天使の影」は、よい映画だと思います。 最初の娼婦たちがウダウダしている場面と イングリット・カーフェンが死ぬ場面が好きです。 「天使の影」は、私にとっては シュミットとファスビンダー、 どちらか一方の作品というより 2つの大きな才能が交わり 特別な作品として結実していると感じます。 一方の言葉だけなので、それが真実とはいえませんが シュミットの話によると理想的な共同作業だったらしいです。 自由に作らせてもらうことを前提に監督を引き受けたそうで ファスビンダーから必要以上の横槍は入らなかったようです。 (↑イメージフォーラムのファスビンダー追悼号のインタビュー) もちろん、さらに大前提として、シュミット自身 ファスビンダーの才能や、「天使の影」の脚本に対して 最大の敬意と共感を持っていたと思うのですが。 (↑追悼上映時の話し振りからの印象です) 原作脚本のタイトル「ゴミ、街、死」は、 処女長編のタイトル「愛は死よりも冷酷」と並んで ファスビンダー作品の本質を語るキーワードである気がします。 「天使の影」は、もちろんですが ファスビンダーの作品のいくつかには 街をおろおろと彷徨う映画という印象があります。 ファスビンダーは、「天使の影」に出演しながら 「シナのルーレット」を監督していたそうです。 さすが、映画中毒ですよね。
東大総長まで経験して、ある意味学者として「あがってしまった」人物の言説が いまだに日本の映画ジャーナリズムの中枢にあるのは、それがいいのか悪いのか は別にして、正直気に食わない。
45 :
名無シネマ@上映中 :03/12/07 19:10 ID:L+lnK0Qd
>>43 >ファスビンダーの作品のいくつかには街をおろおろと彷徨う映画という印象があります。
確かにそうですよね。私は「十三回の新月がある年に」が特に好きですが、その中で
主人公の性転換者(フォルカー・シュペングラ―)がふらふらとフランクフルトの街を
彷徨う姿は、涙を誘います。男娼を買おうとして逆にぼこぼこにされる最初の場面から
始まって、屠殺場で自分の過去を語るシーン(「ベルリン・アレクサンダー広場」の
エピローグといい、屠殺場が好きなようで)、自分を育ててくれた尼僧との再会、ビル
の空き部屋での自殺者との対話、家族のもとに帰ろうにももはや帰ることの出来ない哀しみ・・・。
その一方、やっとたどり着いた元恋人(ゴッドフリート・ヨーン)は、テニス着のまま
ジェリー・ルイスを真似て、皆でどたばた踊り出す・・・・といった相変わらずの
「狂った」展開・・・
ファスビンダーの数ある映画の中でも、とりわけ「私的」であるとされる作品ですが、
私にはとても心にしみる映画でした。
しかし、似たような主題ながら、「自由の代償」の暗さにはついて行けませんでした。
ファスビンダーの亡骸から”FOX”のジャンパーを剥ぎ取る子供たち・・・。後半の
これでもかという絶望感は正視に堪えません。
46 :
名無シネマ@上映中 :03/12/07 20:00 ID:NNY8iPt9
>45 ファスビンダー作品の登場人物の場合、あてどなく彷徨っているように見えて 結局は閉じ込められてる様な印象もあるんですよね。
47 :
名無シネマ@上映中 :03/12/07 22:26 ID:QNuOQnzc
>>46 「少しの愛だけでも」などが特にそんな印象を受けますね。
演出も窓枠を使ったり、鏡を使ったりして、登場人物をとにかく
どんどん閉じ込めていく。
48 :
名無シネマ@上映中 :03/12/07 22:35 ID:2zC/JJVi
私も「十三回の新月がある年に」は大好きな作品です。 あの作品はファスビンダー自身が撮影もやっていたかと思います。 作品の背景にあるプライベートな出来事云々もあるのですが その枠では語りきれない ファスビンダーの世界に対する眼差しのようなものを 直接に突きつけられるような感じを受けます。 45さんが、おっしゃるように 「自由の代償」と「十三回の新月がある年に」は 似ているかもしれませんね。 共に、ナルシスティックなファスビンダーの資質が 直接反映されている作品だと思います。 私も、より近視眼的な「十三回の新月がある年に」の方が 愛しいような切ないような気分になりました。 ファン心理からのミーハーな作家観で失礼しますが。 ファスビンダーは、 46さんのおっしゃることを援用させてもらえば 都市に「閉じ込められてる」絶望的な状況の中で おろおろうろうろ彷徨い続ける人間の叫びを描く作家。 それも、決して俯瞰するだけに終わらず、 たとえ、その作品の世界を壊しても、 叫び続ける人間と一緒に彷徨うことを選ぶ 誠実さと覚悟を持った作家なのではないでしょうか。
49 :
名無シネマ@上映中 :03/12/08 01:00 ID:wJ7UtJ40
ダニエル・シュミットも「天使の影」はなかなかソフト化されませんね。 ファスビンダーとのコラボレーションの出来栄えをぜひとも見てみたい。
50 :
名無シネマ@上映中 :03/12/08 02:24 ID:6DmBVURE
ハスミは何かというとダグラス・サークのメロドラマの影響論じてたが、 メロドラマという点ではやはり「不安と魂」が最高傑作だと個人的には思う。 あの掃除屋のおばちゃんの話には心から感動した。切ない。
51 :
名無シネマ@上映中 :03/12/08 02:27 ID:QVXxAS0R
屠殺場はよく映画の中にでてくるよな
52 :
名無シネマ@上映中 :03/12/08 15:19 ID:C3KEQMhM
うん、「不安と魂」は泣ける。
53 :
名無シネマ@上映中 :03/12/08 16:04 ID:xiKckTBZ
「ハスミが評価しない映画監督の映画祭」というのをどこかでやってくれないかしら
54 :
名無シネマ@上映中 :03/12/08 21:25 ID:c6Hqt7c9
今晩の「ベルリン・アレクサンダー広場」放映に備えて 寝る・・・。 「絶望」はビデオで持っていたのに、この前実家に帰ったら 捨てられていたぽ・・・ _| ̄|○
55 :
名無シネマ@上映中 :03/12/08 22:43 ID:k55iIyhj
ファスビンダーの日本版DVDが出てないので、 もう仕方がないので、ドイツ語分かるので、 来月ドイツ行ったときに買いだめしようと思います。 どうして日本でこんなにファスビンダーが軽視されてるんだろ。
56 :
名無シネマ@上映中 :03/12/08 23:47 ID:eHrkRcH7
「絶望(デスペア)」ってどうですか? ファスビンダー本人は自作ベスト3にあげ ているようですが。
57 :
名無シネマ@上映中 :03/12/09 00:48 ID:aVmexzP2
ドイツ本国では,ファスビンダー・ファンデーションが設立されていて そこで順次DVD化されているようです。 www.fassbinderfoundation.de/ ライセンスの関係はどうなっているのかわかりませんが アメリカのwellspringvideoからは上記でDVD化された作品を 米国仕様にしたものを、何ヶ月か遅れで出しているようです。 アメリカでは、criterion やfantoma(?)からも 何作品かリリースされています。 ドイツ盤は、みな2枚組みなのですが おまけの2枚目は、どの作品も同じもののようです。 ちょっと意味不明です。 アメリカ盤では、そのおまけを分散して 何枚かにおまけ収録しています。 最初に試し買いされるなら 「ぺトラ・フォン・カント」のアメリカ版がおすすめです。 初期の短編2本がおまけで入っています。 うろ憶えですが。 「デスペア」は、ハリウッドメジャーで 全米配給されていたような気がします。 会社は失念しましたが 以前はアメリカのメジャーからビデオリリースもされていました。 ファスビンダーだしナボコフだしダーク・ボガードだし。 私は個人的に、ミーハー好きな作品ですが ストーリー的には、 一番わかりづらい作品だったように記憶しています。 鏡の使い方のコテコテしたところとか 当時、自分の周囲で再評価されつつあった 石井輝男のコテコテさを想起しながら観た憶えがあります。
58 :
名無シネマ@上映中 :03/12/09 02:27 ID:lLDFZSPs
蓮實氏はファスビンダーを「シュミットの兄弟」と呼び、こともあろうかあの「ケレル」 を「断乎支持する」と述べている。とはいっても、「モーリス」と較べてのことだが。 結局、「趣味」ではないが、その「姿勢」だけは評価していたということか。 個人的には、「十三回の新月がある年に」、「第三世代」、「ベルリン・アレクサンダー広場」 といった傑作群を生み出した辺りが、ファスビンダーの映画作家としての頂点だった という気がする(その後は疲れ切ってしまったかのようだ)。
59 :
名無シネマ@上映中 :03/12/09 14:39 ID:h0YYIk+H
「不安と魂」とか見てしまうと、「エデンより彼方に」などは 到底見られない。
60 :
名無シネマ@上映中 :03/12/09 21:49 ID:a5lG/Z2A
「絶望」は、確かワーナーだったかな。 作品自体はある意味では手堅い演出なのかもしれないけど、 別にファスビンダーがわざわざ撮らなくてもいいんじゃないかな、 とは思いました。 本人は初の大作で、且つ英語圏の作品、とノリノリだった みたいですが。 まあ、鏡もそうだし、室内灯とかへのライティングは確かに コテコテでしたね。 ちょうど、キューブリックの「アイズ・ワイド・シャット」を見た頃だったので、 冒頭のダンスシーンのコテコテのライティングがファスビンダーっぽい なぁ、と勝手に思ったことを思い出しましたw
61 :
名無シネマ@上映中 :03/12/09 23:01 ID:2s4dD1Se
「ベルリン・アレクサンダー広場」はDVDでは出ないんでしょうかねえ
62 :
名無シネマ@上映中 :03/12/10 01:33 ID:NxFfJErR
>57 >60 ありがとうございます。 「デスペア(絶望)」は、米国版も現在は廃盤になっているようですね。 WELLSPRINGでもどこでもいいから出してくれるのを待ちます。
63 :
名無シネマ@上映中 :03/12/10 15:33 ID:9JYS5Hqb
CriterionからはBRD3部作と「不安と魂」が出てますよね。 どちらも豪華付録付き。
64 :
名無シネマ@上映中 :03/12/11 00:35 ID:rL+PdQh2
処女作「愛は死よりも冷酷」ってどうなんですか? ついつい、悩んだ挙句、怪しげなジャケットに惹かれて「悪魔のやから」を 買ってしまったんですが、やはり気になります。
65 :
名無シネマ@上映中 :03/12/11 15:52 ID:fwbQvkq8
信奉者にはゲテモノ系が多いよな ジョン・ウォーターズ、フランソワ・オゾン、クリストフ・シュリンゲンズィーフetc.
66 :
名無シネマ@上映中 :03/12/11 22:20 ID:+ZADbdlu
ニュー・ジャーマンシネマ回顧展に通った強者は ここにはいまつか?
67 :
名無シネマ@上映中 :03/12/11 22:21 ID:A6JPp48V
クロエ・セヴィニーもファスビンダー好きらしいけどね。
>>66 そういや10数年前、ヴェンダースの初期未公開(当時)作品を
ドイツ文化センターでよく見たなあ。
「まわり道」のナスターシャ・キンスキーのロリータヌードが
今思い出してみると萌え。
69 :
名無シネマ@上映中 :03/12/12 02:45 ID:Pvot0rNF
クリストフ・シュリンゲンズィーフの映画に出てる元ファスビンダー組の俳優たち を見ていると悲しくなる。 結局、国際的大女優になれたのは、ハンナ・シグラだけだった。
フィリップ・ガレルはゲテモノ系かな?
71 :
名無シネマ@上映中 :03/12/12 05:54 ID:sfIp09xV
フィリップ・ガレルの『マリア・ブラウンの結婚』についてのコメント 「衣裳は時代遅れであり、装置も古臭い。しかも映像は早撮りされているからとても 汚い。最初はテレビドラマのような醜さなのに、そうした美学を越えたところで、ある 瞬間から内面から出てくる素晴らしさによって、傑作になっていく。その内面的な価値 は、たとえば絵画で、いろいろな色を塗り重ねて表面は絵の具の醜い塊になっている、 ところが美しさが内側から出てくる、そうしたことと同じだと思います。ファスビンダー が証明したことは、映画は映像だけではない、ということです」(「ユリイカ」1997年 5月号)
72 :
名無シネマ@上映中 :03/12/12 15:43 ID:9/78F2+t
「マリア・ブラウンの結婚」は、画像は汚いけど傑作だと思う。 ハンナ・シグラが素晴らしい。
73 :
名無シネマ@上映中 :03/12/12 19:26 ID:/jhsGkxk
とにかく、欧米では今なお、かなりの信奉者がいることは間違いない。 ゴダール、パゾリーニと同格の位置付けにある。
74 :
名無シネマ@上映中 :03/12/13 01:26 ID:EAWyGXu3
「ベルリン・アレクサンダー広場」をテレビで見ましたが、 やはり強烈でした。 特に評判に違わぬ第14話。それまでとは打って変わって、 白昼夢のような幻想的なシーンから始まり、人間屠殺場 が繰り返し出てきた挙句に、最後は核爆発。さすが本人 が「特殊な言語」を用いたと言うだけのことはありました。 二人の天使の使い方は、ヴェンダースが「ベルリン・天 使の詩」にあたって、参考にしたように感じました。 こちらの方がはるかにダークなイメージですが。
75 :
名無シネマ@上映中 :03/12/13 15:20 ID:OxaHxd8H
最近、フェイク・ファスビンダー映画が多いな
76 :
名無シネマ :03/12/13 18:09 ID:r1VkC8e7
ファスビンダー傑作の「悪の神々」に武の「ソナチネ」を感じること多々あり
77 :
名無シネマ@上映中 :03/12/13 23:22 ID:rZP6hJCO
>>76 ちょっと暗めの「勝手にしやがれ」などといわれることもあるが、
個人的にはこちらの方が叙情的で上だと思う。渋い。
78 :
名無シネマ@上映中 :03/12/14 01:16 ID:cxw7PrZs
ファスビンダーの映画では、女たちは何とか男たちの友情の 間に割り込もうとするが、悉く失敗に終わる 「悪の神々」は、ジャームッシュの初期作品の香りが感じられた が。昔の仲間に会いに車を飛ばすシーン、友情を再確認するかの ように唐突に殴り合いを始めるシーン、荒削りだがそこがまた魅力。
79 :
名無シネマ@上映中 :03/12/14 02:20 ID:e0T54c6y
「疫病神」が原題通りだと思うが
80 :
名無シネマ@上映中 :03/12/14 08:23 ID:i3kS3zqD
まんじるあげ
81 :
名無シネマ@上映中 :03/12/14 10:32 ID:9bzlBuhc
ダニエル・シュミットとの対談における蓮實氏の発言から 「・・・ファスビンダーとは大変不幸な関係しかもつことができませんでした。 というのは、ハンナ・シグラの顔がどうしても我慢できないのです。努力してみ ても、その容貌と自分とを調和させえないのです」(「リュミエール叢書9・ 光をめぐって」) ハンナ・シグラが嫌いならば、確かにファスビンダー映画にあまり魅力は感じら れないだろう。
82 :
名無シネマ@上映中 :03/12/14 14:07 ID:WPWy5wds
ファスビンダーの映画には突飛で狂った演出がときたま現れたりするのだが、次 のシーンではそんな狂った演出は無かったかのごとく、話がガシガシ展開していっ たりする。滅茶苦茶な展開だなぁと思いながらも、実はそれがとてもリアルなこと に気付かされる。 ただし、そんな滅茶苦茶な映画ばかり作って成功した映画監督というのはファスビ ンダーだけだと思う。
83 :
名無シネマ@上映中 :03/12/14 18:33 ID:kNJd68vw
>>82 言えてる。ゴダールなどの「滅茶苦茶」とは全く次元が違う。
84 :
名無シネマ@上映中 :03/12/14 21:53 ID:aVyUw+nE
「悪魔のやから」の滅茶苦茶な展開も凄い・・・
85 :
名無シネマ@上映中 :03/12/16 04:09 ID:yKpf1BxG
アルミン・マイアー レーベンスホルム計画の遺産、ナチ親衛隊の私生児。肉屋の店員をしていた所をファ スビンダーに拾われるが、その後、棄てられ、自殺。「十三回の新月がある年に」の 主人公は、彼がモデルとされる(主人公はその呪われた運命を屠殺場で語る)。役と いう役はほとんど与えられなかったものの、その運命同様、限られたショットの中に、 特異な存在感を感じさせた。 「悪魔のやから」 男娼。自分をある詩人の生まれ変わりだと思い込んだ主人公(ク ルト・ラープ)は、そのホモセクシュアルの性癖までも真似しようと、男娼を買うも のの、いざオーラル・セックスを強要されると一線を超えられずにむせ返ってしまう。 「シナのルーレット」 ガソリン・スタンドの店員。別荘の管理人(ブリギッテ・ミラ) に「地獄に行ったことがあるか」と聞かれ、「まあね」と答える。
86 :
名無シネマ@上映中 :03/12/16 12:52 ID:CLo2iLLe
ファスビンダーとラッセル・クロウ。 ファスビンダーとエリック・バナ。 時々ダブる。
87 :
名無シネマ@上映中 :03/12/17 02:24 ID:2x522MmK
ジョン・ウォーターズは「エフィ・ブリースト」が嫌いらしいが、ファスビンダーが 正統派の文芸映画も撮れるという力量を証明した映画だと思う。 しかしそんな中にも、人間の卑小さを描写したファスビンダーらしさは随所に見られ る。男爵が友人に自分の「誇り」を延々と語る場面は見所。
88 :
名無シネマ@上映中 :03/12/18 00:53 ID:+bDr1HeN
>>81 ダニエル・シュミットも「馬鈴薯、ジャガイモ、玉葱」などと酷評してた。
「天使の影」の娼婦役も丁重に断ったとか。
そんなにハンナ・シグラって・・・
89 :
名無シネマ@上映中 :03/12/18 01:45 ID:fLwnnCOR
アルミン・マイアーが レーベンスボルン出身だとは知りませんでした。 マンガみたいですね。 どれだけの影響があったのか全く知りませんが 彼がパートナーだったと思われる時期の ファスビンダーの仕事に好きな作品が多いので 興味を持っていました。 「悪魔のやから」、好きな作品のひとつです。 クルト・ラープのヒス演技もよいのですが マルギット・カルステンセンが最高ですね。 ペトラ・フォン・カントのイメージが強かったので 初めて観たときには驚きました。 言葉が早い作品なのでディティールは理解できなかったのですが ファスビンダー作品の中でも快作/怪作の一本ですね。 ぜひ、日本語字幕付きで観たいものです。 来年あたりCSとかでやってくれないでしょうかね。 ハンナ・シグラも嫌いではないのですが ファスビンダー作品の中では マルギット・カルステンセンや イングリット・カーフェンといった ギスギスした女優さんが、より好み。 イングリット・カーフェンについて 書かれた本があるそうですが、ぜひとも翻訳してほしいです。
90 :
名無シネマ@上映中 :03/12/18 03:51 ID:J8/tCiJT
>>89 89さんと同じく、私も「悪魔のやから」は大好きです。82さんの言葉を借りれば、
「突飛で狂った演出がときたま現れたりするのだが、次のシーンではそんな狂った
演出は無かったかのごとく、話がガシガシ展開」する映画で、ファスビンダーの中
でも最も「常軌を逸して」いると圧倒される反面、ファスビンダーの痛烈な(自分
も含めた)芸術家批判を感じました。
所帯じみていた女房が、生活苦と心労のあまり病となり、どんどん顔がどす黒くなっ
ていく。ハエばかり集めていた知的障害者の弟(フォルカー・シュペングラー)が
すすり泣く中、「あたし、病気なんだよ」と訴えるも、自分を革命詩人だと信じて
やまない主人公(クルト・ラーブ)は、耳を貸さずに照明やメイクにまで細心の注
意を払って、男娼相手に詩の朗読会を開いている・・・
その主人公も、金のために貧しい両親を騙し、更に娼婦をその弱みをネタにゆする
ものの、逆にそのヒモ連中にボコボコにされ、自己憐憫のあまり笑っていると、虐
げられる事に喜びを感じていた追っかけの女性(マルギット・カルステンセン)に
も愛想を尽かされる・・・
「滅茶苦茶な喜劇」の中に、恐ろしくリアルな人間の実像が浮かび上がってくるも、
それでいて何か物悲しい・・・。ファスビンダーの作品は、評価の高い映画という
のが固定してしまっているような気もしますが、自分はこの映画を初めて見たとき、
「おいおい、ある意味、一番凄いんじゃないか?」と感じました。
あと、やっぱりマルギット・カルステンセンが白眉ですね。あの眼鏡と目玉には唖
然。役者魂の凄さを感じました。
91 :
名無シネマ@上映中 :03/12/18 09:58 ID:fLwnnCOR
たしかに 日本ではファスビンダー作品の評価付けが 大筋決まってしまっている感じはしますね。 実際に作品を観られる機会が少ないので 仕方ないとは思うのですが。 40本以上あるわけですから もう少し体系的に観ることができれば これまで馴染んでいた作品も 違う印象で観られるかもしれません。 細々でもよいから 全作品が字幕付きで観られるようにしてほしい。 「悪魔のやから」は 90さんも仰るように「痛烈な芸術家批判」をはじめ ファシズムの構造そのものへの批判といった ファスビンダーのテーマが集大成されている感じがしました。 あと。ほかのどの作品でもそうですが なんか登場人物に「優しさの感覚」(シャブロル映画についての文章から) を持っているように思えて そこが、ファスビンダー映画の好きなところです。 ところで。 イングリット・カーフェンと マルクヴァルト・ボームの夫婦と主人公の関係。 ウリ・ロメルの役と主人公の関係。 が、今ひとつ、よくわからなかったのですが どなたかご教示いただけないでしょうか。 「悪魔のやから」自体はディティールわからなくても 十分、その迫力に楽しめたのですが 細かくわかるのなら、 それにこしたことはないかなとも思うので。 よろしくお願いします。
92 :
名無シネマ@上映中 :03/12/18 14:21 ID:SVtBEjyJ
ファスビンダーの映画について言えば、私は観ることができるものは極力 観るようにしています。ただ、如何せん日本に居ると輸入モノに頼らざる 得ないような状況なので、実は話の内容が良く分からないというのが正直な とこです。英語字幕がついてても、それを目で追ってる内に次の展開になって たりしますし、時々自主上映される作品のラインナップもマンネリ化してるよ うに思います。 そんな中、「デスペア」は話は分からないのですが、なんだか凄いことが 起きてることを感じさせる映画だと思います。 「第三世代のテロリスト」も。
93 :
名無シネマ@上映中 :03/12/19 00:51 ID:QFSF8hns
「第三世代」には凄く興味を惹かれる。 誰か観た方いらっしゃいませんか?
94 :
来訪者 :03/12/19 00:57 ID:97Gvqqqo
皆さん凄いですな。 私もファスビンダーに関しては遅れたクチで、 やっと先日やったアテネフランセでの特集上映にかけつけたり、 CSでやった「ベルリン・アレクサンダー広場」を見直したりしてます。 「四季を売る男」はすげぇ、と思ったなぁ。 ところで「悪魔のやから」「自由の代償」などは字幕無しのビデオで観ても分かるもんですかねぇ。 是非とも押さえておきたいものですが・・・
95 :
名無シネマ@上映中 :03/12/19 03:26 ID:SQldtOCx
Fassbinder's "The 10 Best Films" 1. Luchino Visconti, The Damned (1969) 2. Raoul Walsh, The Naked and the Dead (1958) 3. Max Ophüls, Lola Montès (1955) 4. Michael Curtiz, Flamingo Road (1949) 5. Pier Paolo Pasolini, Salò, or the 120 Days of Sodom (1975) 6. Howard Hawks, Gentlemen Prefer Blondes (1953) 7. Josef von Sternberg, Agent X27 (US release title: Dishonored) (1931) 8. Charles Laughton, The Night of the Hunter (1955) 9. Nicholas Ray, Johnny Guitar (1954) 10.Vasili Shukshin, Red Elderberry (Kalina Krasnaya) (1974) 「地獄に堕ちた勇者ども」や「ソドムの市」は、馴染み深いですね。
96 :
名無シネマ@上映中 :03/12/19 05:36 ID:pjHEyPph
>>91 あくまで私の個人的な解釈ですが・・・。
イングリッド・カーフェンは主人公と愛人契約にあり、夫(マルクヴァルト・ボーム)
がその情事に応じてフィーを徴収するといった関係かと思います(しかし、主人公は
金がないため、「つけ」がたまっており、二人は怒っている)。続く「シナのルーレッ
ト」同様のテーマ(夫婦)ですが、よりデフォルメを効かせていると感じました。
ウリ・ロメルは「探偵」とのことですが、この殺人事件は「作り物」だったわけで・・・。
この映画でただ一人「まとも」だった女房が死んでしまったことは「事実」ですが。
91さんが引用なさっていたシャブロルについてのファスビンダーの文章を読みました。
映画に対するだれよりも真摯な姿勢、人間に対するだれよりも深い愛情がうかがえますね。
また、ファスビンダーが映画を、観客に「おとぎ話を自分の現実に移して考えてみる
可能性」を与えるものとしている点も興味深く感じました。そう考えると、「悪魔の
やから」はその試みの一つの到達点と言えそうですね。
97 :
名無しシネマ@上映中 :03/12/19 11:06 ID:I+juEgY2
会話劇のかたちをとったものが多いため、私は市販されてるファスビンダー本 でだいたいの粗筋を理解しておいてそっから英語字幕のついてる輸入もののビ デオを観てます。なんか歌舞伎鑑賞みたいなのですが。 でも会話劇中心で内容分からないから面白くない、ということはなくてやっぱ りそこはファスビンダー、それを補って余りうる演出によって役者達をゼンマ イ仕掛けの人形のごとく操り、劇画マンガにでも出てきそうな大袈裟なライテ ィングを施し、結果、シリアスな一面を描いてるにも関わらずそれだけじゃ終わ らない無気味な印象をぶつけてくれるからヤメられません。
98 :
名無シネマ@上映中 :03/12/20 01:00 ID:QW8btxd3
>>94 私も97さんと同じく、ほとんどは英語字幕版で観ています。「悪魔のやから」(DVD)、
「聖なるパン助に注意」(DVD)、「十三回の新月がある年に」(ビデオ)の3本は特に
お薦めです。「自由の代償」(DVD)は、個人的にはファスビンダーとエル・ヘディ・
ベン・サレムの関係が重なるような気がしてならないのですが、それはさておき、
ファスビンダー映画の中でも「絶望度ナンバー1」だと思います。
また、洋書や海外のウェブサイトなどもたまに参考にしますが、ファスビンダーに
ついて文章を書くような人の用いる単語にはかなりの「こだわり」が見られるため、
読むのがしんどいのも事実です。
99 :
名無シネマ@上映中 :03/12/20 04:40 ID:kucli4BJ
先日のアテネフランセの回顧上映で「ブレーメンの自由」を見逃したのは痛かった。
100 :
名無シネマ@上映中 :03/12/20 07:37 ID:NeKl2SnJ
今さらフィルモグラフィーです。 独語版については、英語版で観る事ができないものについてのみ、フォローしてあります。
101 :
名無シネマ@上映中 :03/12/20 07:41 ID:NeKl2SnJ
フィルモグラフィー 短編 1) 宿無し(The City Tramp)(1966): 英語版DVD* 2) 小カオス(The Little Chaos)(1966): 英語版DVD* * 「ペトラ・フォン・カントの苦い涙」(英語版DVD)に同時収録。 長編 1) 愛は死よりも冷酷(Love Is Colder Than Death)(1969): 英語版DVD 2) 出稼ぎ野郎(Katzelmacher)(1969): 英語版DVD、日本公開済 3) 悪の神々(Gods of the Plague)(1969): 英語版DVD、日本公開済 4) 何故R氏は発作的に人を殺したか (Why Does Herr R. Run Amok?)(1969): 英語版V、 日本公開済 5) リオ・ダス・モルテス (Rio das Mortes)(1970): 英語版DVD 6) 珈琲店 (The Coffeehouse)(1970) 7) ホワイティ (Whity)(1970): 英語版DVD 8) ニクラスハウゼンの旅 (The Niklashausen Journey) (1970): 英語版DVD 9) アメリカの兵隊 (The American Soldier) (1970): 英語版DVD 10) 聖なるパン助に注意 (Beware of a Holy Whore) (1970): 英語版DVD 11) インゴルシュタットの工兵隊 (Pioneers in Ingolstadt) (1970): 英語版DVD
102 :
名無シネマ@上映中 :03/12/20 07:44 ID:NeKl2SnJ
12) 四季を売る男 (The Merchant of Four Seasons) (1971): 英語版DVD、日本公開済 13) ペトラ・フォン・カントの苦い涙 (The Bitter Tears of Petra Von Kant) (1972): 英語版DVD、日本公開済 14) 獣道 (Wild Game) (1972) 15) 八時間は一日にあらず (Eight Hours Are Not a Day) (1972) 16) ブレーメンの自由 (Bremen Freedom) (1972): 日本公開済 17) あやつり糸の世界 (World on a Wire) (1973) 18) ノーラ (Nora Helmer) (1973) 19) 不安と魂 (Ali: Fear Eats the Soul) (1974): 英語版DVD、日本公開済 20) マルタ (Martha) (1973): 独語版V 21) エフィ・ブリースト (Effi Briest) (1974): 英語版DVD、日本公開済
103 :
名無シネマ@上映中 :03/12/20 07:46 ID:NeKl2SnJ
22) 自由の代償 (Fox and His Friends) (1974): 英語版DVD、日本公開済 23) 電線に止まった鳥のように (Like a Bird on a Wire) (1974) 24) キュスタース小母さんの昇天 (Mother Kusters Goes to Heaven) (1975): 英語版DVD 25) 不安が不安 (Fear of Fear) (1975): 英語版DVD 26) 少しの愛だけでも (I Only Want You to Love Me) (1976): 英語版V、日本公開済 27) 悪魔のやから (Satan’s Brew) (1976): 英語版DVD 28) シナのルーレット (Chinese Roulette) (1976): 英語版DVD、日本公開済 29) 哀れなボルヴィーザー (The Stationmaster’s Wife) (1977): 英語版V、 日本公開済 30) ニューヨークの女たち (Women in New York) (1977) 31) デスペア (Despair) (1977): 独語版V 32) 秋のドイツ (Germany in Autumn) (1978): 英語版V、日本公開済
104 :
名無シネマ@上映中 :03/12/20 07:48 ID:NeKl2SnJ
33) マリア・ブラウンの結婚 (The Marriage of Maria Braun) (1978): 日本版V(廃盤)、英語版DVD 34) 十三回の新月がある年に (In a Year of 13 Moons) (1978): 英語版V 35) 第三世代 (The Third Generation) (1979): 独語版V 36) ベルリン・アレクサンダー広場 (Berlin Alexanderplatz) (1980): 日本公開済 37) リリー・マルレーン (Lili Marleen) (1980): 日本版V (廃盤) 38) ローラ (Lora) (1981): 英語版DVD 39) シアター・イン・トランス (Theater in Trance) (1981) 40) ベロニカ・フォスのあこがれ (Veronika Voss) (1982): 日本版V (廃盤)、英語版DVD 41) ケレル (Querelle) (1982): 日本版V (廃盤)、英語版DVD 脚本/出演 ・天使の影 (Shadow of Angels) (1975): 英語版V 製作/出演/編集 ・狼の優しさ (Tenderness of the Wolves) (1973): 英語版DVD
105 :
名無シネマ@上映中 :03/12/20 16:11 ID:Qd5z1ZTa
>>89 確かに、イングリッド・カーフェンやマルギット・カルステンセンのほうが、
ハンナ・シグラよりもファスビンダー映画らしい気がします。
106 :
名無シネマ@上映中 :03/12/20 22:29 ID:yaxOyChq
>「自由の代償」(DVD)は、個人的にはファスビンダーとエル・ヘディ・ベン・サレム の関係が重なるような気がしてならないのですが 「自由の代償」のモロッコのシーンではエル・ヘディ・ベン・サレムが印象的な役で 出演していますね。宝くじで成り上がる前の主人公フランツの姿を彷彿させる人物 というような... 彼が主人公の泊まっているホテルから追い払われるシーンは 「不安と魂」後半で東欧系移民の掃除婦の女性が仲間はずれにされるシーンに通ずる ものがあると思います。(それまで被害者の立場にいた主人公が、容易に加害者側に 回ってしまうという意味で)
107 :
名無シネマ@上映中 :03/12/20 22:40 ID:yaxOyChq
ファスビンダーとサレムの関係について、「ローラ」(DVD)の副音声解説で触れられて いたのが興味深かったので、多少長いですが引用します。 (聞き取りなので多少の誤訳はあるかも) 「数年間にわたって、ファスビンダーはモロッコ出身の移民労働者エル・ヘディ ・ベン・サレムと恋愛関係にありました。彼は初めはファスビンダーの製作助手 で、後にファスビンダーの国際的な出世作『不安と魂』に主演しました。映画は 若いモロッコ人の移民労働者と年老いたドイツ人掃除婦の愛を描いたものです。 サレムはファスビンダーに他の愛人がいることに耐えられませんでした。彼は 何度も、これ以上浮気するなら刺し殺すといって脅しました。 ある晩、サレムはベルリンのバーで逆上し、3人のドイツ人をナイフで刺しま した。彼らが人種差別的な言葉でからかったためです。命に別状はありませんで したが、サレムは殺人を犯してしまったものと思い込み、絶望的な様子でファス ビンダー組の仲間達に電話し、彼らの助けでその晩のフライトに乗り、ドイツか ら出国しました。 その後『不安と魂』がカンヌ映画祭で上映され、批評家賞を受賞しました。多 くの批評家は主演男優がカンヌに来ていないことに驚きましたが、誰もその本当 の理由は知りませんでした。実は殺人未遂で警察に指名手配されていたのです。」
108 :
名無シネマ@上映中 :03/12/20 22:41 ID:yaxOyChq
(続き) 「旧友サレムにもう一度会うために、ファスビンダーは次回作『自由の代償』の 舞台の一部をモロッコに変更し、サレムに小さな役を振りました。彼らはこの再 会により、和解に至りました。『もう心配することはないよ』とサレムは言いま した。『僕の攻撃的な性向は克服したんだ』 ファスビンダーはサレムについて愛情を込めて語っています。彼は文化的な奇 跡そのものだ、彼の成し遂げたことは我々の何よりも偉大だ、と。 サレムは独学でフランス語の読み書きを覚え、後に犯行の動機について直感的 な洞察からこう解釈しています。彼が襲った3人のドイツ人はいわば代理で、本 当の相手は実はファスビンダーだったと。 しかし彼の心は真に癒されてはいませんでした。数年後、サレムはフランスの とある刑務所で自ら首を吊りました。 ファスビンダーがサレムの自殺の報を聞いたのは、遺作『ケレル』の製作中の ことでした。彼はその映画をサレムの思い出に捧げることにしました。映画が完 成したときには、ファスビンダー自身もまた帰らぬ人となっていました。」
109 :
名無シネマ@上映中 :03/12/21 00:42 ID:diXsrGhs
>>88 ファスビンダーに始まり、ヴェンダース、ゴダール、フェレーリ。近年では、アモス・
ギタイやタル・ベーラ。
ハンナ・シグラが一流の映画監督に起用されたのもまた事実。
110 :
名無シネマ@上映中 :03/12/21 04:09 ID:C3NCmt6t
ファスビンダーとサレムの関係は、大変、興味深いですよね。あくまで私見ですが、 「自由の代償」におけるフランツとオイゲンの関係を見ると、サレムとファスビンダー の関係を連想してしまいます。貧乏なホモ青年フランツを演じたファスビンダーの、 過剰なデフォルメを施した下品な演技とそれを躾る上流階級出身のオイゲン(ペーター・ シャテル)。二人は結局、生まれや文化といった違いにぶつかり、破局しますが、まさ にファスビンダーはこの映画の中で、フランツという役を通じてサレムを演じることに より、二人の関係をスクリーンで体現したのではないでしょうか。 ファスビンダー映画の中でも、いつもにも増して「極度の誇張」を施した残酷なラスト シーン。愛情、軽蔑、畏怖・・・。サレムへの全ての感情を赤裸々にさらけ出したこの 映画のラストは、二人の関係に対するファスビンダーの壮絶な意志を表しているように 思うのですが。 このように思ったのも、この作品に他のファスビンダー映画とは異なる「何か」を感 じたからです。巧く説明できませんが・・・(本人は、「今までで最も正直な映画」と 述べていますね)。
111 :
名無シネマ@上映中 :03/12/21 16:46 ID:7E2orL7n
トッド・ヘインズの「エデンより彼方に」が1月末に DVD化されるそうですが、「不安と魂」と比べると どうなんでしょうねえ。見比べる機会とも思います が。(というか、「不安と魂」がまず発売されるべき) エル・ヘディ・ベン・サレムとブリギッテ・ミラには 正直、泣けた。ファスビンダーの映画は出だしから 引きずり込まれますね。
112 :
名無シネマ@上映中 :03/12/21 19:11 ID:jmMtZycj
100さん、お疲れ様です。 フィルモグラフィーの日本公開済のものについて 補足させてください。 短編の「宿無し」「小カオス」は何年か前のPFFで上映されました。 「マリア・ブラウンの結婚」「リリー・マルレーン」 「ベロニカ・フォスのあこがれ」「ケレル」は、 ロードショー公開というのでしょうか、一般向けに商業公開されています。 「リリー・マルレーン」は国内でDVDになっています。 字幕がなかったような気もしますが 「愛は死よりも冷酷」「第三世代」「ローラ」も国内上映されています。 国内で観たのかどうか、うろ覚えなのですが 「キュスタース小母さんの昇天」「不安が不安」 「十三回の新月がある年に」も上映されていたような… この3作については自信ないです。 商業公開の最初の一本は「マリア・ブラウンの結婚」だったと憶えています。 80年頃だったでしょうか。正確ではないですが。 その後、民放で吹き替え版の放映もあったりしました。 ファスビンダーの本邦初紹介がいつだったかわかりませんが 1971年の草月シネマテークで「出稼ぎ野郎」が紹介されたとのデータがあります。 この上映については実際に観ていないのでどういうものだったのかは存じませんが ドイツ映画の最新作のショーケースのような企画だったっぽいです。 出演作ですが、それぞれ時期は覚えていませんが 「花嫁、女優、ヒモ」「突然裕福になったコンバッハの貧しい人々」 「小ゴダール」「カミカゼ1989」は国内上映されています。ほかにもあるかも。 以上、蛇足かもしれませんが、ご参考まで。
113 :
名無シネマ@上映中 :03/12/21 22:40 ID:zs8MEd8h
BRD Trilogyの2作目、「ローラ」も他の2作同様、評価は高いのですか。 BRD Trilogyについては、DVDボックスも出てるそうで、この際、買おうか どうか考えてるのですが、まだ、観てないもので。どなたか教えて頂けますか。
114 :
名無シネマ@上映中 :03/12/22 03:31 ID:ScM6fapQ
100です。ご指摘ありがとうございます。区切りのいい時に増補改訂します。 「第三世代」や「愛は死よりも冷酷」などが上映されたことがあるとは知りません でした。特に「第三世代」は、「聖なるパン助に注意」「十三回の新月がある年に」 と並んで、最も大好きな映画の一つです。 「マリア・ブラウンの結婚」が民放にて吹き替え版で放送されたとは驚きました。 確かに昔はこういった類の映画もたまに放送していた気が・・・。ガレル曰くファス ビンダーはこの映画で、「映画は映像だけではない」ことを証明したとのことですが、 まさしく、観ているうちに惹き込まれるものの、もともと画像が(意図的に?)ひどく 汚い映画なので、これに加えてCMで中断されたりカットされたりしていたら、悲しい ですね。
115 :
名無シネマ@上映中 :03/12/23 02:21 ID:wpUDcRTU
今さらなレスだけど「天使の影」にはびっくりしたなぁ。 ファスビンダー+シュミットの奇跡というか。 レナート・ベルタのキャメラは神業。 シュミットの最高傑作だと思う。
116 :
名無シネマ@上映中 :03/12/23 15:43 ID:0KZ+UQ9n
"Fassbinder's Women" (2000)って映画どなたかご存知ですか? イングリッド・カーフェンとか出てるらしいんですけど
117 :
名無シネマ@上映中 :03/12/23 16:35 ID:1ONZ+s2+
96さん 随分遅くなってしまいましたがご教示ありがとうございました。 ウリ・ロメルは「探偵」だったのですね。 なにを探っていたのやらですね。 細かに観ていくと、いろいろな意味が込められていそうです。 関係ないですけれども どなたかがジョン・ウォーターズの名前を挙げられていましたが 「悪魔のやから」で、奥さんが「お金、お金」言っている箇所、 エディス・マッセイのエッグ・レディを想起してしまいました。 114さん たとえば「第三世代」は東京のドイツ文化センターで 字幕なしの上映だった気がします。 「第三世代のテロリスト」という仮の邦題が付けられていたと思います。 自主上映のような形では断続的に紹介されていたようですが 亡くなった後のドイツ文化センターでの回顧展で まとまって観ることができました。ただし、それ以降 ある程度、プログラムが決まっちゃった感じもします。 「マリア・ブラウンの結婚」の吹き替えは、本道ではないですが 国内版DVDには、ぜひ、入れて欲しいです。 116さん ローザ・フォン・プラウンハイムによるドキュメンタリーですよね。 とても観たい作品です。 ファスビンダーの翻訳されたテキストを読むと プラウンハイムへの評価は、なんだか微妙ですが 私はプラウンハイム作品も好きなので大変に興味津々です。 アメリカのレズ・ゲイ映画祭なんかで上映されたらしいのですが 日本でも、ぜひ、上映してもらいたいものです。 やはり詳細は知りませんが 最近、ウリ・ロメルが関係したドキュメンタリーもあるようですね。
118 :
名無シネマ@上映中 :03/12/23 17:20 ID:1ONZ+s2+
113さん 「ローラ」の評価の程はわかりませんが 私は、とてもよい作品だと思います。 「嘆きの天使」と同じ原作なので 初見の時には見比べてしまいましたが その部分とは別に見所のある作品だと思います。 内容的には 「ベルリン・アレキサンダー広場」最終話のサブタイトル 「子どもの死と有用な人間の誕生」という言葉で表せるかも。 主人公がローラの正体を知る酒場の場面や ラストの一言など 結構、鷲?みにされました。 ほかの作品もですけれど。 経済や社会といった公の枠組みに 飲み込まれ翻弄される と同時に加担もしてしまう 個としての人間の幸せや愛情のあり方 を真摯に見つめている気がします。 状況は全く違いますが、その構造は いまの日本の状況に重ねて見られるかもしれません。 照明や色彩は、「ケレル」にも通じるような 人工的な演出をされています。 クライテリオンのセットは 邦版で出して欲しいですね。
119 :
名無シネマ@上映中 :03/12/24 02:56 ID:QmwJ8H+5
>状況は全く違いますが、その構造はいまの日本の状況に重ね て見られるかもしれません。 特に「キュスタース小母さんの昇天」や「少しの愛だけでも」 なんかは、日本でもよく起こりえそうな話ですよね。
120 :
名無シネマ@上映中 :03/12/25 00:28 ID:VLILRdUY
ニュー・ジャーマン・シネマ最重要監督でヴェンダースを 3位(当然、自分は1位)にあげたのは何故? 趣味が似ているヴェルナー・シュレーターが2位という のは分かるが。
121 :
名無シネマ@上映中 :03/12/25 14:25 ID:NBDn/2JF
出演といえば、何気にヴェンダースの「666号室」にも出てた。 相変わらずの革ジャンで。 ゴダールやヘルツォークの姿も。
122 :
名無シネマ@上映中 :03/12/26 04:03 ID:mb9716WJ
117(118)さん 情報ありがとうございます。ブラウンハイムはあまり詳しくないので、これから観て いきたいと思っています。ファスビンダーはブラウンハイム映画のいくつかを「最も どうでもいい映画」に挙げていたりして、確かに評価は微妙ですよね。 “Fassbinder’s Women”は、ファスビンダー組の近況が観られそうで、楽しみなの ですが(絶対、日本では観られないでしょうね)。 「第三世代」は、思い入れがある映画です。東京ドイツ文化センターの図書館で ”Die Dritte Generation”のビデオを何気なく手に取ったのが、ファスビンダーと の出会いでした。それまで、ファスビンダーに対しては、何の興味もなかったのです が、あの強烈なジャケット(ピエロが散弾銃を撃っている・・・)を見て、「これは 間違いなくやばいぞ」と直感したのが最初でした。観た感想は・・・予想通り。きわ めてラディカルで前衛的です。ファスビンダー、やりたい放題やってますね。 テロリズムと資本主義が切っても切り離せない関係にあるという「真理」を20数年前 に指摘していたのには驚きです。
123 :
名無シネマ@上映中 :03/12/26 05:13 ID:xZLFTWyL
122です。 ファスビンダーはブラウンハイムの同性愛に対する「知ったかぶり」を嫌っているか のように感じましたが、どうなんでしょうね。観ていないもので何ともいえませんが。 また、「十三回の新月がある年に」への批判というのも読んでみたい気がします。 シュレーターとブラウンハイムの関係も気になりますね。ファスビンダーはシュレー ターを極めて買ってますものね。シュレーターといえば、モンテツーマともども「聖 なるパン助に注意」に出てましたが、何となく感激してしまいました(モンテツーマ のイルム・へルマンは泣かせますね。本人より)。 関係ないですが、シュレーターの輸入版ビデオ(DVD)は存在するのでしょうか。日 本で出ているのは「愚か者の日」くらいだと思いましたが。
124 :
名無シネマ@上映中 :03/12/27 00:18 ID:9oG7D5r5
人間、社会、政治。 ゴダールのように独り善がりにならずに、 よっぽど真面目に映画を作った気がする。
125 :
名無シネマ@上映中 :03/12/27 14:21 ID:JEdbZJyy
クライテリオンのセットは付録が山盛りで、 本編より時間かかるかも。 バーバラ・ズコヴァが昔とあまり変わって ないのにはびっくりした。
126 :
名無シネマ@上映中 :03/12/27 23:33 ID:RFZRW79a
119さん デジタルだCSだでコンテンツ不足の日本テレビ界。 力入れて、「少しの愛だけでも」とか、 翻案して連ドラなんかにしてみてほしいですね。 その前に、ファスビンダー全作オンエアも。 121さん イマジカでやっていましたね。 この作品の存在を知らなかったので 「ベルリン〜」オンエアとあわせて とてもうれしかったです。 ヴェンダースとファスビンダー 120さんがおっしゃるように今の時点で考えると?ですが ファスビンダーの知っているヴェンダースは 「パリ、テキサス」より前のヴェンダースですし これは憶測ですが ヴェンダースとはシュレーターをはじめ好きなものが案外一致していて なおかつ違う方向を向いていたのが好印象だったのかも。
127 :
名無シネマ@上映中 :03/12/27 23:37 ID:RFZRW79a
122 さん ファスビンダーにとってプラウンハイムの作品は ゲイをテーマにする際のスタンスに違和感があったのかもと邪推します。 また、うろ憶えですがシュレーターの「ナポリ王国」について ファスビンダーは激賞し、プラウンハイムは酷評していたらしいです。 ついでに、シュレーター自身は、酷評後もプラウンハイムを評価しているようですが。 そのあたりにも微妙な関係性が反映されているかもわかりません。 プラウンハイム作品の中で観る機会のあった一部のものでは タリー・ブラウンのドキュメントが面白かったです。
128 :
名無シネマ@上映中 :03/12/27 23:38 ID:RFZRW79a
シュレーターの作品は、本当にすばらしいですよね。 一番最近に日本で紹介された「愛の破片」なんかは 海外でソフト化されているのではないでしょうか。 これもとても素晴らしい映画でしたが、好みでいえば 「アイカ・カタパ」や「マリア・マリブランの死」が好きです。 私にとってオールタイムベストに入れたい作品です。 また、ヘルツォークの「フィツカラルド」の作中のオペラは シュレーターが演出しているものだったと思います。 ファスビンダーがシュレーターについて書いたテキストで ロートレアモンやセリーヌからブレッソンやブニュエルまで 引き合いに出してベタボメしていた憶えがあります。 シュレーターがいなければダニエル・シュミットはありえない とかなんとかも言っていたように思います。 ついでにジーバーベルクについては剽窃者呼ばわりしていたような。 シュレーター繋がりで。 エルフィ・ミケシュ、ローベルト・フォン・アッケレン ウルリケ・オッティンガーや、あるいはアハテルンブッシュなど 日本で言うところのニュージャーマンシネマから外され勝ちな重要な監督も ビデオや自主上映だけでなく積極的に紹介してほしかったのですが いつのまにか「ラン・ローラ・ラン」の世代が 活躍するようになってしまいましたね。 DVDで、なんとかならないのでしょうか。
129 :
名無シネマ@上映中 :03/12/28 03:47 ID:NH+CTWZq
10ミニッツ・オールダーでのかつての仲間の仕事ぶりをどう思っているのだろうか?
130 :
名無シネマ@上映中 :03/12/28 17:22 ID:3V1BHRHe
119さん 「キュスタース小母さんの昇天」は面白い作品だと思います。主演が同じブリギッテ・ ミラのため、個人的には「不安と魂」の姉妹編のような印象を受けますが。 普通のおばさんの人生が、旦那がリストラ絡みで上司を殺したあげくに自殺したため 一転するという現在の日本でもありそうな内容・・・。この映画の非凡なところは、 最初はショックでおろおろし、マスコミにもいいようにダシにされていたおばさんが、 次第にヒステリックに、そしてラディカルになっていくところにあると思います。と りわけ、カールハインツ・ベームとマルギット・カルステンセンの夫妻(「マルタ」!) の勧誘を受け、入党することになったおばさんが、大勢の共産党員相手に夫の名誉回 復を堂々と訴える演説の場面には、凄みを感じました。ただ、心残りなのは、米国版 DVD。オリジナルのエンディングは字幕での説明のみ。取って付けたような米国向け エンディングではいつものファスビンダーらしさはありませんでした。是非ともオリ ジナルのエンディングが観たいですね。最後の最後で消化不良という感が否めません でした。 ただ、イングリッド・カーフェンは相変わらず魅力的でしたが。 126さん シュレーターお詳しいですね。「アイカ・カタパ」「マリア・マリブランの死」「薔薇 の王国」などは輸入版とかももなさそうですし、残念です。 また、ダニエル・シュミットが、自分とファスビンダー、シュレーターの3人は趣味 が似ていたと語っていたのを思い出しました。「似ていた」と過去形で話さなくては ならないのを悲しんでいた覚えがあります。 イマジカはたまにレアものを放送しますよね。「ベルリン・アレクサンダー広場」も 快挙ですし。どうせならシネフィル・プレミアという枠もあるのだし、ファスビンダー 未公開映画特集でもやってもらいたいものです。
131 :
名無シネマ@上映中 :03/12/29 00:34 ID:GoDPjcgv
クライテリオン社から出てるものくらい、邦版でも出すべきだろう。 誰もが認める傑作という"規準(criterion)"で選ばれてるんだから。 「不安と魂」や「マリア・ブラウンの結婚」等のドイツ3部作は、紛れも無い代表作だし。
132 :
名無シネマ@上映中 :03/12/29 18:24 ID:29NgqLo7
作品云々はともかく、自分の手足となる 一座をもっていたことは評価できよう
133 :
名無シネマ@上映中 :03/12/30 01:05 ID:7GoWoczg
アハテルンブッシュの「幽霊」見たい。
134 :
名無シネマ@上映中 :03/12/30 17:23 ID:NQeh4o0F
『天使の影』は、ファスビンダーとシュミットが創り上げた 芸術の至高点だろう。 娼婦のイングリッド・カーフェンがかつての「同僚」たちと 決別するシーン、父と廃墟で呪われた運命について語るシー ンは特に秀逸で、まさに「ゴミ、街、死」という言葉が当て はまる世界を耽美的な映像をもって体現したシュミット&ベ ルタの手腕は素晴らしい。 他方、マルクス主義者で半身不随の母、元ファシストで今は 女装歌手としてユダヤ人に囲われている父、当局と繋がりの 深いユダヤ人、という、そこから「リアリティをからめ取る」 ことを企図した寓話的な構成は、まさにファスビンダー的で、 彼の脚本なくしてこの映画が成り立たないのも事実である。 確かに、ファスビンダー映画とは一線を画した(いかにも蓮 實氏の好きそうな)「趣味の良さ」は感じられるが、この映 画を他のシュミット映画と較べても傑出させているのは、他 ならぬファスビンダーであるといえる。
135 :
名無シネマ@上映中 :03/12/31 01:38 ID:PxDcEhjh
「不安と魂」のブリギッテ・ミラに対するインタビューを見た。 74年のカンヌで、ファスビンダーがダーク・ボガードに対して「ドイツ最高の女優」 として自分を紹介してくれた、と嬉しそうに話す彼女は、微笑ましかった。 昨年公開された「不安と魂」へのオマージュ短編映画も見たが、彼女、全然変化な いねえ。90過ぎらしいが。
136 :
名無シネマ@上映中 :03/12/31 21:50 ID:t0+QYw8P
>>130 オリジナル自体、エンディングは字幕だけの説明だと思う
137 :
名無シネマ@上映中 :04/01/01 01:36 ID:WJxQDbrP
海外ではパゾリーニとともに論じられることが多いですな。 パゾリーニすら忘れ去られている日本では関係ないが。 (最近ではベルトルッチといえばすぐにゴダール)
138 :
名無シネマ@上映中 :04/01/01 12:12 ID:vT0MmUc+
日本でも四方田犬彦がパゾリーニ、大島と並べて論じていましたよ。 「映画と表象不可能性」(産業図書)に収録されています。 とはいえ、やはり日本でファスビンダーについて語る人は少ないですね。
139 :
名無シネマ@上映中 :04/01/01 15:30 ID:fQEwBrTM
四方田犬彦って蓮實一門の方でしたっけ?
140 :
名無シネマ@上映中 :04/01/01 20:38 ID:kEnEkNio
ファスビンダー自身、パゾリーニの「ソドムの市」 をベストの1つに挙げている。 「アッカットーネ」や「マンマ・ローマ」など初期 の作品をみても、ファスビンダーと同じ視点なのが 見て取れる。
141 :
名無シネマ@上映中 :04/01/02 01:00 ID:6g/9g+lg
ゴダールの浅薄な政治映画よりもよっぽど ファスビンダーやパゾリーニのほうがまっすぐだろう。
142 :
名無シネマ@上映中 :04/01/02 05:32 ID:HlxQoQRL
遺作が強烈で日本では敬遠されているのも似ている。 遺作が凡庸な監督が多い中、異色。
143 :
名無シネマ@上映中 :04/01/02 14:15 ID:tlUDh2Hc
生き長らえ「巨匠」として駄作を作り続けるより、強烈な死を選んだということか
144 :
名無シネマ@上映中 :04/01/02 20:46 ID:I450eV/5
「ボトロプの120日―最後のニュー・ジャーマン・シネマ」 という映画見た方います? 元ファスビンダー組の連中が「ソドムの市」のリメイクを 作るということで精神病院から集められるという話で、 ファスビンダーをはじめとするニュー・ジャーマン・シネマ の監督たちへのオマージュ的な作品らしいのですが。 監督は悪趣味で有名なクリストフ・シュリンゲンズィーフ。
145 :
名無シネマ@上映中 :04/01/02 23:31 ID:B3ngSNb8
「リリー・マルレーン」のモデルはマレーネ・ディートリッヒですか??
146 :
名無シネマ@上映中 :04/01/03 02:44 ID:3i047oy2
柳下毅一郎や中原昌也も推薦していたが、「ペトラ・フォン・カントの苦い涙」は 衝撃を受けた。人間ドラマの真髄をみた。
見たいのに見れない‥ DVDにするか、どっかの名画座でファスビンダー祭りしてくれ
148 :
名無シネマ@上映中 :04/01/03 11:45 ID:hIXDCskl
「ペトラ〜」はしゃべらないメイドが怖い
149 :
名無シネマ@上映中 :04/01/03 16:38 ID:3QK092uD
ハンナ・シグラ若くて綺麗だねえ・・
150 :
名無シネマ@上映中 :04/01/04 02:32 ID:NbfZBKEC
「デスペア」は、時代背景が近いということもあってか、 「ベルリン・アレクサンダー広場」と同じ香りがしたなぁ。 ただ、カミュ―ヴィスコンティの「異邦人」といい、ナボコフ 原作のこれといい、文学ならではの題材といった感じのものは、 なかなか映画化は難しいですな。
151 :
名無シネマ@上映中 :04/01/04 21:47 ID:JtF9xoQ0
「ぺトラ・フォン・カント」を観て、女の力関係って怖いなと思った。 衣装もすごいね。
152 :
名無シネマ@上映中 :04/01/05 01:29 ID:ANWp7kh3
「シナのルーレット」もう一度見たい。 足が不自由な邪悪ロリに萌え。
153 :
名無シネマ@上映中 :04/01/05 21:48 ID:mNt7EN3D
>152 『シナのルーレット』は面白いよな。観ている間の「居心地の悪さ」は 最高です。ミヒャエル・バウハウスのカメラもいいよね(確か舞台と なったお城って、彼の持ち物なんだよね?)。 アメリカ版DVDは、やっぱR1なのかなあ? クライテリオンの 『BRD』はR−ALLでしたが...。
154 :
名無シネマ@上映中 :04/01/06 02:42 ID:d9aWURgR
>153 「ケレル」以外のアメリカ版DVDは全部R−ALLです。 お城はそうらしいですね。実際に仲間内(クルト・ラーブ、 イングリッド・カーフェン、ペーター・ケルン、ダニエル・ シュミット、アルミン・マイヤー+ファスビンダー)でシナ のルーレットをしてしまうのもファスビンダーらしいですな。 ていうか、映画よりもメンバー濃いんだけど。
155 :
名無シネマ@上映中 :04/01/06 21:52 ID:iBSX0Yka
ダニエル・シュミットによれば、ペーター・ケルンは 「ボッティチェリの天使顔」だそうだが、どうよ?
156 :
153 :04/01/06 23:01 ID:liL/LhZ6
>154 ご教授ありがとうございました。早速、『シナのルーレット』を 含めて5枚ほど注文しておきました(amazonで)。 日本版は出そうにないし、って言うか、クライテリオン版を観たら もう日本版なんてどうでもよくなる。字幕は英語で充分ですし。 しかし、ホンマにそのメンツは濃い人たちですね(w
157 :
名無シネマ@上映中 :04/01/07 06:37 ID:S33gS9W5
WELLSPRONGが出してるアメリカ版DVDには、 多くの作品に『聖なるパン助に注意』の予告編がついてるのはなぜでしょうね。 最高傑作の1つとは思うが、他の作品のも見てみたい気が・・・ ただ、この映画は、なんだかんだ言っても、ファスビンダーが自分のグループを 誰よりも深く愛していたんだなあ、ということが痛いほど伝わってくる(だからこそ、 その気持ちがわからない人間に憤り、罵倒したのだろうか)。 それと、観てるこちらが恥ずかしくなるくらいの、ハンナ・シグラへの「微妙すぎる」 感情・・・ 自らベスト1にあげるくらい好きというのもよくわかる。 世に数多ある「映画監督もの」の中でも「自己投影」という意味では、ベストだと思う。
158 :
名無シネマ@上映中 :04/01/07 22:18 ID:RyJ57oY1
>152 ファスビンダー映画の少女といえば、彼女ですね。
159 :
名無シネマ@上映中 :04/01/07 23:10 ID:tuHBc1O3
女の気持ちが分かっていないようで分かっている監督、か。
160 :
名無シネマ@上映中 :04/01/08 01:14 ID:xCjAledA
>>158 不細工だけど、「ぺトラ・フォン・カントの苦い涙」でデビュー
したエーファ・マテス(「ドイツ青ざめた母」)は?
161 :
名無シネマ@上映中 :04/01/08 22:18 ID:LJJZjgZZ
>>153 『シナのルーレット』は、いわゆる”Glass Period”の
ファスビンダーを象徴する映画ですよね。
とことん鏡や窓枠にこだわってるし。
バウハウスも今や巨匠ですものねえ。
162 :
名無シネマ@上映中 :04/01/09 01:06 ID:UWyc2St6
>134 同じく。 緩慢な「今宵かぎりは・・・」や「ラ・パロマ」より、分かりやすい 「天使の影」のほうが良かった。 脚本と映像の2つが揃ってこそ映画だと思うから。 シュミット自身にとっても分岐点になったのでは?
163 :
名無シネマ@上映中 :04/01/09 22:29 ID:bffP+Otv
クライテリオン版の付録の女優インタビュー見ましたが、 みなさん、ファスビンダーについてベタボメでしたね。 ハンナ・シグラとブリギッテ・ミラが特に。
164 :
名無シネマ@上映中 :04/01/10 00:18 ID:LhK4BQiV
>>138 旧枢軸国の3人の映画作家ということで、ファスビンダー「塵埃、都会、死」(「天使の
影」)、パゾリーニ「サロ あるいはソドム百二十日」(「ソドムの市」)、大島渚
「忘れられた皇軍」を取り上げてますが、斬新な考察ですね。
本の最後に、「ベルリン・アレクサンダー広場」を持ってきて、メロドラマとして読
み解いているのも面白い。
わが国でもファスビンダーやパゾリーニが今一度、見直されるべきだと思う。
165 :
名無シネマ@上映中 :04/01/10 03:02 ID:TSaoEOmz
四方田犬彦の『ベルリン・アレクサンダー広場』論は、確かに凄いよな。 スペクタクルを感じた。
166 :
名無シネマ@上映中 :04/01/10 12:36 ID:BQs88T0c
パゾリーニ、ストローブ/ユイレ、ゴダール・・ と来て、ファスビンダーでトリを飾るなんて、 四方田もセンスが良いねえ。
167 :
名無シネマ@上映中 :04/01/10 21:55 ID:RWSFPcde
『天使の影』で、ジャン・クロード・ドレフュスが全然、 「小人」じゃないのも、狙ってるね。
168 :
名無シネマ@上映中 :04/01/11 01:11 ID:PEGdhEvJ
四方田は頓珍漢なことを書き散らすことも少なくないが、 時たま、こういう冴えを見せるから嫌いになり切れず、 新刊が上梓されると手にとって読んでしまう。 ただ、ファスビンダーが今更日本で再評価され、大きな ムーブメント(回顧特集上映やDVDリリース等の)に 繋がっていくとは考えにくい。おれは無論、彼の辛辣かつ 毒々しい作品世界を愛す者だが、やっぱ嫌う人の方が多いでしょ...。
169 :
名無シネマ@上映中 :04/01/11 03:22 ID:Iiyu03xP
>>168 ファスビンダーの作品は、「マイノリティ」や「社会が隠蔽しているもの」を白日の
下に晒すことを主眼に置いているため、確かに、大多数の人々は彼の作品を好まない
でしょうね。
国民全体に中流意識が根強い日本人にとっては、「気づかされたくない内容」を多分
にその作品中に含んでいるからこそ、特にそのように感じるのでしょう。ある意味で、
日本人には最も受け容れ難い作家だと思います。
ただ、「禁忌」だからこそ望まれる、ということもあるでしょうね。仰る通り、商業
ベースにはなり得ないでしょうが。
170 :
名無シネマ@上映中 :04/01/11 13:26 ID:CQanh4+R
少なくとも評論家で不勉強なのはおかしいと思いまつ..
171 :
名無シネマ@上映中 :04/01/12 00:42 ID:A9gmtlr6
ハンナ・シグラが、『マリア・ブラウンの結婚』での ファスビンダーとの共演シーンで、手の甲にキスされた のを懐かしげに語るのにはジーンときたよ(クライテ リオンの付録インタビューより)。 二人の間には何もなさげだったよ。結ばれなかった 永遠の恋人といった感じかな?
172 :
名無シネマ@上映中 :04/01/12 02:38 ID:tvnAK0oc
粉川哲夫はファスビンダー酷評してるね
173 :
名無シネマ@上映中 :04/01/12 12:19 ID:aLOkjdm8
処女作「愛は死よりも冷酷」は、この二人の関係をすでに予見してるかのようだ。
174 :
名無シネマ@上映中 :04/01/12 21:43 ID:g1kS+F56
>>128 シュレーターの「愛の破片」は日本でも一時LDが出ていました。
レコード屋の映画ソフトコーナーではなく、クラシック音楽コーナーの
オペラLDと一緒にされていました。
発売元はたしか東芝EMIだったと思いますが、おそらくもう廃盤でしょう。
エルフィ・ミケシュはMonika Treutとの共同監督ですが
SEDUCTION:The Cruel Woman というレズビアンSM映画が
FRF(
ttp://firstrunfeatures.com )からDVD化されています。
リージョンフリー、ドイツ語、英語字幕(ONのみ)。
変態美男子ウド・キアーも出演。
私はシュレーター映画のカメラマンとして初めて彼女の名前を知り、
気になっていました(「薔薇の王国」の映像が美しかったので)。
175 :
名無シネマ@上映中 :04/01/13 00:32 ID:KAD66/Es
『ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー(仮題)』とかいう本が、 渋谷哲也、平沢剛編で現代思潮新社から昨年冬に発売される 予定だったと思うが、どうなったのだろう?
176 :
名無シネマ@上映中 :04/01/14 02:30 ID:oZ+azcj1
>>168 『ベルリン・アレクサンダー広場』の公開とテレビ放映は、
まさにそのムーブメントの1つだったと思う。
実は、潜在的なファンが結構、増えたのでは?
177 :
名無シネマ@上映中 :04/01/14 17:22 ID:ZuG3biuL
ヴェルナー・シュレーターは、ファスビンダーにも増して観れないかもね。
178 :
名無シネマ@上映中 :04/01/15 00:14 ID:tEcsCO+n
>>174 ウド・キアーは、ファスビンダー映画でも怪しい”オーラ”を出してましたね。
「哀れなボルヴィーザー」の、欲求不満妻が浮気する胡散臭い美容師ははまり役。
179 :
名無シネマ@上映中 :04/01/15 23:09 ID:sKeqEXJM
ウリ・ロメルの前妻カトリン・シャーケは、ワンシーンとかせいぜい 脇役どまりなんだけど、ファスビンダー映画には珍しい正統派美女で、 存在感があると思った 「ペトラ・フォン・カントの苦い涙」のぺトラの友人、 「愛は死よりも冷酷」の電車でウリ・ロメルの対面に座る女、 「ホワイティ」の義母, etc…
180 :
名無シネマ@上映中 :04/01/16 23:50 ID:abdPFsFc
「天使の影」の原作戯曲の邦訳って出てないんですかねぇ。
181 :
nanasisinema :04/01/17 18:21 ID:hhZl6xEj
「私は他に私と同じやり方をする監督が世の中にいるとは思わない。わたしの場合、 前もって動機を見抜いていたりすることはない。前もって何も計画していなかった 何かを手に入れていけることが魅力なのだ・・・私がある空間に入って私が想像し ていた場面を目にした瞬間に、初めて私にとってある姿勢が生まれてくる。新しい 空間では、まさに私にとって新しい事が生まれてくる。前もってすでに知っている 空間よりもはるかに緊張感がある。」
182 :
DIE DRITTE GENERATION :04/01/18 00:07 ID:E0JPyIZe
ICH WERFE KEINE BOMBEN ICH MACHE FILME ―R.W.F.
183 :
名無シネマ@上映中 :04/01/18 16:46 ID:/t915meQ
“I would like to build a house with my films. Some are the cellar, others the walls, still others the windows. But I hope that in the end it will be a house.” ある論者によれば、『悪魔のやから』は配管系統、『シナのルーレット』は電気系統 にあたり、『BRD』が土台もしくは中央階段に位置するそうな。
184 :
名無シネマ@上映中 :04/01/18 23:57 ID:q8Top4Ri
「ニクラスハウゼンの旅」はゴダールの「ウィークエンド」を連想させた。 ブニュエルの「銀河」もあるかな。
185 :
名無シネマ@上映中 :04/01/19 02:17 ID:arpdtSzG
この人の映画見たことないんだけど、輸入版で買ってみてみようかと 思った。でも、ホモとか女の一生とかドイツの歴史とかあんま興味ない。 とりあえずエロ的な面で突出してる作品とか異常心理的に面白い作品とか あったら教えてちょ。
186 :
名無シネマ@上映中 :04/01/20 00:15 ID:DgXPk6F7
>>185 日本でもたまに上映される『ペトラ・フォン・カントの苦い涙』や
『シナのルーレット』は、人気・評価ともに高いし、面白いのでは?
ホモ、女の一生、ドイツの歴史モノじゃないし。
より強烈なのがお望みの方には、敢えて日本未公開の問題作『悪魔のやから』
がよいかと。
187 :
185 :04/01/20 00:52 ID:VhAvoKcM
>186 サンクス。素直にその三作品と、あとTV映画らしいけど Fear of Fear っていうのが神経症的スリラーらしいので、 それも一緒に注文してみました。これらを見て趣味が 合うようだったらBRD Trilogy にも突入したいと思います。
188 :
名無シネマ@上映中 :04/01/20 02:39 ID:fnZo5VLS
『映画は頭を解放する』(勁草書房)かなにかで、予備知識があった方がより 楽しめると思いますが。
189 :
名無シネマ@上映中 :04/01/20 03:53 ID:Qk+jVQAs
ファスビンダーの作品は、なにしろ扱うテーマが異様に幅広いから、何を基準に選ぶ かで、全く面子が変わってくるよね。 スリラー系でなく、いい映画、切ない映画、泣ける映画という観点でいえば、個人的 には「聖なるパン助に注意」「愛は死よりも冷酷」「不安と魂」などは外せない。
190 :
名無シネマ@上映中 :04/01/21 02:05 ID:EU9eIk+v
>>183 じゃあ「ベルリン・アレクサンダー広場」は大黒柱だな。
いくつの作品がここから派生したことか。
192 :
p57-dnb15hon.tokyo.ocn.ne.jp :04/01/21 23:53 ID:7ySmWfQ4
>>191 観てない人は必見かと。
ファスビンダー映画の集大成だし。
もう多分、上映やテレビ放映の機会もなさげだし。
193 :
sage :04/01/22 02:12 ID:ByRyvwDP
トッド・ヘインズの『エデンより彼方に』がDVD発売されたけど、どなたか 『不安と魂』と見比べた人はいますか。
Todd Haynes Top 10 1. All That Heaven Allows (1955) 2. Un Chant d'Amour (1950) 3. Citizen Kane (1941) 4. Ali: Fear Eats the Soul (1974) 5. Jeanne Dielman, 23 Quai du Commerce, 1080 Bruxelles (1975) 6. Nashville (1975) 7. The Night of the Hunter (1955) 8. Performance (1970) 9. The Reckless Moment (1949) 10. Vertigo (1958)
John Waters Top 10 1. The Wizard of Oz (1939) 2. Beyond the Valley of the Dolls (1970) 3. Therese (1986) 4. Baby Doll (1956) 5. In a Year of 13 Moons (1978) 6. Brink of Life (1958) 7. Mademoiselle (1966) 8. All That Heaven Allows (1955) 9. Rope (1948) 10. The Tingler (1959)
Fassbinder's Best Pop Musicians 1. Elvis Presley 2. Bob Dylan 3. Rolling Stones 4. Leonard Cohen 5. The Platters 6. Kraftwerk 7. Roxy Music 8. The Beatles 9. The Velvet Underground 10. The Comedian Harmonists
Fassbinder’s "The Top 10 of My Own Films" 1. Beware of a Holy Whore (1971) 2. In a Year of 13 Moons (1978) 3. Despair (1978) 4. The Third Generation (1979) 5. Gods of the Plague (1970) 6. Martha (1973) 7. Effi Briest (1974) 8. Ali: Fear Eats the Soul (1974) 9. The Marriage of Maria Braun (1979) 10. The Merchant of Four Seasons (1971)
>>197 どこにお住まいのいくつくらいの方ですか?
力はいってますね。
いっぱい見ててうらやましいです。
リリー・マルレーンしか見た事ない! もっと見たい!!
>>198 もし生きてたら58歳なのかな。今は多分天国にお住まいなのでは...
201 :
名無シネマ@上映中 :04/01/25 03:39 ID:P9F9F51b
>>198 誤解を招く表現ですみません。197は、ファスビンダー本人の自作トップ10です。
このトップ10だけは、邦訳が出ていますので、以下、ご参考まで。
このうち半分近く(しかもリストの上位)は、日本では自主上映すらされたことが
ないため、輸入版でしか見ることができないのが現状です。
1. 聖なるパン助に注意
2. 十三回の新月がある年に
3. デスペア
4. 第三世代
5. 悪の神々
6. マルタ
7. エフィ・ブリースト
8. 不安と魂
9. マリア・ブラウンの結婚
10.四季を売る男
(明石政紀訳「映画は頭を解放する」勁草書房, 1998年)
米版の、「デスペア」のビデオ注文。 配達が待ち遠しいわい。
203 :
名無シネマ@上映中 :04/01/26 01:47 ID:GNXzMIrd
204 :
名無シネマ@上映中 :04/01/27 00:30 ID:jJBQO5Xw
ついに来月、ファスビンダーの代表作にして最高傑作との呼び声高い 「十三回の新月がある年に」の米国版DVDが出るね! 待ち遠しい!
205 :
名無シネマ@上映中 :04/01/27 02:43 ID:j633Ko4K
フィルモグラフィーをアップデートしました。前回同様、ドイツ版については米国版 で見ることができないもののみ、VHSについてはDVDで見ることができないもののみ、 フォローしてます。事実認識の違いや誤り等がありましたら、ご指摘ください(廃盤 の海外版ビデオについては、十分、把握できてないかもしれません)。
206 :
名無シネマ@上映中 :04/01/27 02:45 ID:j633Ko4K
フィルモグラフィー(増補改訂版) 短編 1) 宿無し(The City Tramp)(1966): 米国版DVD*、自主上映 2) 小カオス(The Little Chaos)(1966): 米国版DVD*、自主上映 * 「ペトラ・フォン・カントの苦い涙」(米国版DVD)に収録。 長編 1) 愛は死よりも冷酷(Love Is Colder Than Death)(1969): 米国版DVD、自主上映 2) 出稼ぎ野郎(Katzelmacher)(1969): 米国版DVD、自主上映 3) 悪の神々(Gods of the Plague)(1969): 米国版DVD、自主上映 4) 何故R氏は発作的に人を殺したか (Why Does Herr R. Run Amok?)(1969): 米国版VHS、自主上映 5) リオ・ダス・モルテス (Rio das Mortes)(1970): 米国版DVD 6) 珈琲店 (The Coffeehouse)(1970) 7) ホワイティ (Whity)(1970): 米国版DVD 8) ニクラスハウゼンの旅 (The Niklashausen Journey) (1970): 米国版DVD 9) アメリカの兵隊 (The American Soldier) (1970): 米国版DVD 10)聖なるパン助に注意 (Beware of a Holy Whore) (1970): 米国版DVD 11)インゴルシュタットの工兵隊 (Pioneers in Ingolstadt) (1970): 米国版DVD
207 :
名無シネマ@上映中 :04/01/27 02:48 ID:j633Ko4K
12) 四季を売る男 (The Merchant of Four Seasons) (1971): 米国版DVD、自主上映 13) ペトラ・フォン・カントの苦い涙 (The Bitter Tears of Petra Von Kant)(1972): 米国版DVD、自主上映 14) 獣道 (Jail Bait) (1972) 15) 八時間は一日にあらず (Eight Hours Are Not a Day) (1972) 16) ブレーメンの自由 (Bremen Freedom) (1972): 自主上映 17) あやつり糸の世界 (World on a Wire) (1973) 18) ノーラ (Nora Helmer) (1973) 19) 不安と魂 (Ali: Fear Eats the Soul) (1974): 米国版DVD、自主上映 20) マルタ (Martha) (1973): 米国版DVD 21) エフィ・ブリースト (Effi Briest) (1974): 米国版DVD、自主上映
208 :
名無シネマ@上映中 :04/01/27 02:50 ID:j633Ko4K
22) 自由の代償 (Fox and His Friends) (1974): 米国版DVD、自主上映 23) 電線に止まった鳥のように (Like a Bird on a Wire) (1974) 24) キュスタース小母さんの昇天 (Mother Kusters Goes to Heaven) (1975): 米国版DVD 25) 不安が不安 (Fear of Fear) (1975): 米国版DVD 26) 少しの愛だけでも (I Only Want You to Love Me) (1976): 米国版VHS、自主上映 27) 悪魔のやから (Satan’s Brew) (1976): 米国版DVD 28) シナのルーレット (Chinese Roulette) (1976): 米国版DVD、自主上映 29) 哀れなボルヴィーザー (The Stationmaster’s Wife) (1977): 米国版VHS、自主上映 30) ニューヨークの女たち (Women in New York) (1977) 31) デスペア (Despair) (1977): ドイツ版VHS、米国版VHS(廃盤) 32) 秋のドイツ (Germany in Autumn) (1978): 米国版VHS、自主上映
209 :
名無シネマ@上映中 :04/01/27 02:53 ID:j633Ko4K
33) マリア・ブラウンの結婚 (The Marriage of Maria Braun) (1978): 日本版VHS(廃盤)、米国版DVD、劇場公開 34) 十三回の新月がある年に (In a Year of 13 Moons) (1978): 米国版DVD 35) 第三世代 (The Third Generation) (1979): ドイツ版VHS、自主上映 36) ベルリン・アレクサンダー広場 (Berlin Alexanderplatz) (1980): 米国版VHS(廃盤)、劇場公開 37) リリー・マルレーン (Lili Marleen) (1980): 日本版DVD、劇場公開 38) ローラ (Lora) (1981): 米国版DVD、自主上映 39) シアター・イン・トランス (Theater in Trance) (1981) 40) ベロニカ・フォスのあこがれ (Veronika Voss) (1982): 日本版VHS (廃盤)、 米国版DVD、劇場公開 41) ケレル (Querelle) (1982): 日本版VHS (廃盤)、米国版DVD、劇場公開
210 :
名無シネマ@上映中 :04/01/27 02:56 ID:j633Ko4K
脚本/出演 ・天使の影 (Shadow of Angels) (1975): ダニエル・シュミット監督、米国版VHS、 自主上映 製作/出演/編集 ・狼の優しさ (Tenderness of the Wolves) (1973): ウリ・ロメル監督、米国版DVD 出演 ・花婿、女優、ヒモ (The Bridegroom, the Actress and the Pimp) (1968): ジャン=マリー・ストローブ監督、自主上映 ・突然裕福になったコンバッハの貧しい人々 (The Sudden Wealth of the Poor People of Kombach) (1970): フォルカー・シュレンドルフ監督、自主上映 ・小ゴダール (Der Kleine Godard) (1977): ヘルムート・コスタール監督、自主上映 ・666号室 (Room 666)(1982): ヴィム・ヴェンダース監督、フランス版DVD、自主上映 ・未来世紀カミカゼ (Kamikaze 1989) (1982): ヴォルフ・グレム監督、日本版VHS、 自主上映
211 :
名無シネマ@上映中 :04/01/28 00:19 ID:DcyMvL06
すごい数撮ってるねえ。見てみたい気もする..
212 :
名無シネマ@上映中 :04/01/28 03:06 ID:EZ3g50Fp
フォルカー・シュレンドルフの『魔王』は、フォルカー・シュペングラーと ゴッドフリート・ヨーンが、『十三回の新月がある年に』とは打って変わって、 攻守交替してるね。片やナチス・ドイツNo.2のゲーリング元帥、片や一介の 官長。シュペングラーがヨーンに恋焦がれる立場だったなんてのは想像も つかないほどの変わり様、激太り。 今や欠かせない名優アルミン・ミューラー=シュタールも出てるし、ファスビ ンダー俳優の同窓会という感もある。シュレンドルフは結構、ファスビンダー と縁が深いし、キャスティングにもこだわりが見られるな。
「未来世紀」って邦題はどうかとw
214 :
名無シネマ@上映中 :04/01/28 21:46 ID:KB24gTh7
ローランド・エメリッヒ製作の「13F」にも、 アルミン・ミューラー・シュタール出演してるね。 そういえば、この映画自体、ファスビンダー唯一のSF作品、 「あやつり糸の世界」のリメイク(原作が同じ「模造世界」) なんだよね。
215 :
名無シネマ@上映中 :04/01/29 00:06 ID:LPJxvx5+
トッド・ヘインズって、大学のファスビンダーの授業で『不安と魂』の元ネタとして 上映されて『天はすべて許し給う(All That Heaven Allows)』を観たらしいが、 『エデンより彼方に(Far From Heaven)』の特典インタビューでは一言もファス ビンダーの名前が出てこない。日本向けではカットでもされてんの?
216 :
名無シネマ@上映中 :04/01/29 02:27 ID:LyYJHCvn
ファスビンダーにダニエル・シュミット、ジョン・ウォーターズに トッド・ヘインズにフランソワ・オゾン。 あっち系の人たちはどうしてこうもこぞってサークに惹かれるのかな。
217 :
名無シネマ@上映中 :04/01/29 15:05 ID:FetukhuC
「エデンより彼方に」だが、設定を現代にするならともかく、50年代のままなんて、 わざわざそんなフェイク映画作る必要ないんでないの?
218 :
名無シネマ@上映中 :04/01/29 21:31 ID:Pnr7YuS9
ジュリアン・ムーア撮影中に妊娠するなよ
219 :
名無シネマ@上映中 :04/01/30 00:07 ID:qSCA+iYu
>>95 の邦題。ダグラス・サークがないのは少し意外かも。
ファスビンダーのベスト10
1. 地獄に堕ちた勇者ども (The Damned) (1969) / ルキノ・ヴィスコンティ
2. 裸者と死者 (The Naked and the Dead) (1958) / ラオール・ウォルシュ
3. 歴史は女で作られる (Lola Montès) (1955) / マックス・オフュルス
4. フラミンゴ・ロード (Flamingo Road) (1949) / マイケル・カーティズ
5. ソドムの市 (Salò, or the 120 Days of Sodom) (1975) / ピエル・パオロ・パゾリーニ
6. 紳士は金髪がお好き (Gentlemen Prefer Blondes) (1955) / ハワード・ホークス
7. 間諜X27 (Agent X27) (1931) / ジョセフ・フォン・スタンバーグ
8. 狩人の夜 (The Night of the Hunter) (1955) / チャールズ・ロートン
9. 大砂塵 (Johnny Guitar) (1954) / ニコラス・レイ
10.Kalina krasnaya (1974) / Vasili Shukshin
220 :
名無シネマ@上映中 :04/01/31 02:13 ID:D1ra7fMN
BRD Trilogyは、 「マリア・ブラウンの結婚」>>「ローラ」>>>「ベロニカ・フォスのあこがれ」 かな。 「マリア・ブラウンの結婚」(BRD1)・・・"戦後ドイツ最高の映画"という一般的評価 に偽りなし。映画はビジュアルだけじゃないことが良く分かる。"戦後ドイツ最高の 女優"、ハンナ・シグラも素晴らしい。 「ローラ」(BRD3)・・・欧米では意外にかなり評価が高い。事実、全体的に丁寧に 作られており、作品自体のクオリティが高い。マリオ・アドルフ(「ブリキの太鼓」) をはじめ、俳優陣の演技も見応え有り。いつもの暗さが影を潜め、ファスビンダーの 中では最もハッピーな仕上がりで良い。 「ベロニカ・フォスのあこがれ」(BRD2)・・・「ケレル」同様、ファスビンダーらし さがないのでは? 主演女優もどうも好きになれない。
221 :
名無シネマ@上映中 :04/02/01 00:58 ID:34sQVNOO
ハスミンをはじめハンナ・シグラ嫌いは多いが、故長沢節も マリア・ブラウンやリリー・マルレーンなどは酷評しながらも、 シナのルーレットは主演女優が気に入ったらしくベタボメで、 点数もなんと100点満点をつけていた。
222 :
名無シネマ@上映中 :04/02/01 06:20 ID:ETcMphgl
現在、日本でも人気のある欧米の作家たちって、実はかなりのファスビンダー好きが 多い。ガス・ヴァン・サント、ハーモニー・コリン(+クロエ・セヴィニー)、フラ ンソワ・オゾン、ヴィンセント・ギャロ、トッド・ヘインズ、フィリップ・ガレル辺り はいい例。オゾンはファスビンダーの同名の戯曲に『十三回の新月がある年に』の美 味しい部分を加えてアレンジした『焼け石に水』を作ってるし、ヘインズの『エデン より彼方に』の元ネタの一つは『不安と魂』だし、コリンは『何故R氏は発作的に人 を殺したか』のリメイクを計画中というし。 実際、現在の混沌とした社会環境を描くのにファスビンダーの「言語」はきわめて有用 であり、それ故に、多くの欧米の作家がそれを援用したがるのかもしれない。改めて 我が国の映画人の勉強不足が指摘されるべき時期に来ているのではなかろうか。
223 :
名無シネマ@上映中 :04/02/01 22:40 ID:nU5ECp+N
ローラのありえない甘甘の照明、好きだな
224 :
名無シネマ@上映中 :04/02/02 00:40 ID:LiGPB6Gi
ハーモニー・コリンは、「十三回の新月がある年に」の屠殺場 をふらつくフォルカー・シュペングラーからアンソニー・クイン (ザンパノ?)を連想したと語っているが、うまい喩えだね。
ケレル、キモい
ケレルの売春宿は 賭けに勝つと女を買えるけど、 賭けに負けると主人にカマ掘られちゃうんだよね。
227 :
名無シネマ@上映中 :04/02/02 22:20 ID:cqLwupoF
>>222 「R氏」はネタ映画だから、リメイクは難しそうだけど
兎に角、コリンの手腕に期待
>>220 ベロニカ・フォスは中原昌也とかが絶賛してたような気がする
229 :
名無シネマ@上映中 :04/02/03 21:01 ID:+jFW0Am+
「R氏」だけはファスビンダーのほかの映画と毛並みが違くない? カサベテスに近いっていうか
R氏ことクルト・ラーブ好きだけど。 Satan's BrewとかStationmaster's Wifeイイ!
231 :
名無シネマ@上映中 :04/02/06 01:09 ID:e2GldJw3
「R氏」のDVD化待ち遠しいな。製造中らしいが。 今月末には、サイコ・ホラー?の傑作「マルタ」が 発売されるけど、日本でのゴダールみたくどんどん DVD化されてるね。
My films are made of blood, tears and sperm.
↑ 即物的に出てこない分、余計にそれを感じる
「R氏」は、カーテンが有名だね。わざとらしくて陳腐なんだけど、 そこがまたファスビンダーらしくて良い。
235 :
名無シネマ@上映中 :04/02/07 23:09 ID:Cdy3hdqR
ダルデンヌ兄弟は「マリア・ブラウンの結婚」推してたね。 ファスビンダーとブレッソンには通じる所がある気もするけど。
236 :
名無シネマ@上映中 :04/02/08 02:24 ID:dN/BwhhZ
オゾンの『焼け石に水(Gouttes d'eau sur pierres brulantes)』は、単なる同名 戯曲の映画化にとどまらず、演出もかつてのファスビンダー作品から大幅に引用して おり、全編、彼へのオマージュに溢れる映画だった。とりわけ、アンナ・トムソン 演じる性転換者が元恋人を追い求めてやって来るくだりは『十三回の新月がある年に (In einem Jahr mit 13 Monden)』を、フランツという名の青年が搾取されたあげく に棄てられるくだりは『自由の代償(Faustrecht der Freiheit)』を彷彿とさせた。 フランツが “Liebe ist staerker als der Tod”(元ネタはファスビンダーの処女 長編“Liebe ist kaelter als der Tod”)などという本を読んでいたのも、微笑ましい。 とにかく、単に敬愛するファスビンダーへのオマージュとして作られた映画であり、 それ以上でもそれ以下でもないことに気をつけねばなるまい。粉川哲夫がゲイ云々など といちいちシーンの細部にまで感情的にケチをつける「感想文」を書いていたが、 そんな次元で語るものでもなかろう。
ドイツ文化センターから定期的にどうでもいいイベント満載のDMが送られてくるんだが、 そろそろファスビンダー回顧上映でもやってくれないもんかな。
>>236 ジョン・ウォーターズも、元々「13回の新月〜」が
お気に入りなこともあってか(既出
>>195 によれば、
オールタイム・ベスト5)、この映画、絶賛してたよね。
リュディヴィーヌ・サニエスレしかないけど、オゾンスレは・・・(ノД`)
サンバのシーンいいね
全体の様式は「ペトラ・フォン・カント」を参考にしたとか語ってましたね。
「焼け石に水」はろくにファスビンダーに言及した評論なかったな。
243 :
名無シネマ@上映中 :04/02/08 22:47 ID:JbV6dBNm
>>237 そうですね。これだけファスビンダーを元ネタに用いる欧米の作家が増えてくると、
ドイツ文化センターあたりが率先して「啓蒙」活動しないと、日本の評論家がますます
嘲笑される状況に陥ると思う(既出だけど、ダニエル・シュミットがかつて憤慨した
ように)。
大体、ファスビンダーをよく知らないものだから、評価はもちろん、書くことさえ
出来ず、『焼け石に水』や『エデンより彼方に』などは、どれだけ多くの評論が、
紋切り型の決まり文句(たとえば、「ドイツの伝説的な映画作家」)だけで済ませて
いたことか。
新宿ツタヤいつも貸出中で見れない
245 :
名無シネマ@上映中 :04/02/10 01:59 ID:i+Raitw6
若いときにウド・キアと付き合ってたんだったね。 キアは映画界に行っちゃったからか、 「ファスビンダー組」って感じじゃないね。 ドロドロの愛憎関係には陥らず、 数本にチョイ役での参加って、今一つ関係性が掴めん。
おっと、「映画界に行っちゃった」は 「早い時期に映画界に行っちゃった」ね。
247 :
名無シネマ@上映中 :04/02/10 03:09 ID:zz0QK2YV
ウド・キアがファスビンダーについて語ったインタビュー(抜粋)から。やっぱ ファスビンダーとは特別な関係で、かなりの確執があった感じだね。 個性が強いものどうし、反発しあったってことかな。「哀れなボルヴィーザー (The Stationmaster’s Wife)」と「第三世代」くらいだもんね。まともな役は・・ キアが「自由の代償(Fox and His Friends)」出演を蹴ったというエピソードも面白い。 Interviewer: You've worked with so many great directors, from Fassbinder and Warhol to Gus Van Sant and Lars Von Trier. You seem to have had a special relationship with Fassbinder. Udo: I knew him from living in Cologne. We met in a working-class bar. He was fifteen and I was sixteen. We'd play the pinball machine on the weekends. As we all know, he was never very attractive. I was very good-looking, so together we looked like Beauty and the Beast. I didn't know then that he wanted to make films. We lost touch when he moved to Munich to start his theater group. Interviewer: When did you start to work with him? Udo: He offered me a part in a movie called Fox and His Friends. I read the script and I didn't want to do it as the story didn't interest me. He never forgave me, but later he asked me to play a role in The Stationmaster's Wife, which I accepted.
248 :
名無シネマ@上映中 :04/02/10 03:12 ID:zz0QK2YV
(続き) Interviewer: When you appeared in Fassbinder's Bolwieser, with Elizabeth Trissenaar, you were also credited as the assistant director. I've heard that on Fassbinder's movies everyone did a little bit of everything. Udo: I didn't want to be the assistant director. Fassbinder was a very strong personality and actors would run away from him, so he'd put his friends under contract. Interviewer: What was he like to work with? Udo: Of course, like all geniuses, he was a very difficult person. But he made forty-two films. Berlin Alexanderplatz alone contained thirteen episodes. It was amazing how much he worked. You could feel how quickly he was burning himself up. At the end I had to run away too, because he took away my peace of mind. Fassbinder liked to play games. There was a game called Truth. It was brutal. You are asked a question, and you have to answer honestly. If you lie, and someone in the room knows it, you are immediately exposed. From Fassbinder, I learned always to tell the truth.
e
確か本人主演で、ラストで月面着陸宇宙飛行士の 等身大ポスターの前で腰を使う場面が出てきたのは なんでしたっけ?
g
252 :
名無シネマ@上映中 :04/02/11 01:51 ID:veCBZwjk
>247 おお!ありがとう。これはなんのインタビュー? しかし「Beauty and the Beast」って…w
253 :
名無シネマ@上映中 :04/02/11 06:16 ID:H5oAHeTx
254 :
名無シネマ@上映中 :04/02/11 08:18 ID:wTkEPhjZ
>>250 サイケデリックな近未来映画「未来世紀カミカゼ」です。
ところで、あの腰使いは、殉職した部下への哀悼の念という
理解でいいんですよね?
255 :
250 :04/02/11 22:20 ID:O9xS+WFl
ああそうでしたか。 見たのが20年位前のことなんでファスビンダー映画と勘違いしてました。 あの映画も最後のシーンしか思い出せずにいます。 当時「ニューズウィーク」でジャーマンニューウェーブ特集というのがあって、 ファスビンダーの写真も出ていたが、 グラスを持って眼のすわったモンゴル人みたいなやつでしたね。 なつかしい。
グラス?グラス?
晩年は不細工を通り超えて異様な風格だったな。 ウド・キアの喩えも正鵠を射ている。
258 :
名無シネマ@上映中 :04/02/12 20:27 ID:y1HGYYNk
ケレルって実際どうなの・・・?
259 :
252 :04/02/13 01:16 ID:hPRNRkZc
>>253 再びありがとう。
ファスビンダーと付き合い、トリアーに葬式を撮らせるとは
すごい人間関係ですね。
260 :
名無シネマ@上映中 :04/02/13 02:14 ID:exd2HM6W
Fassbinder’s Favorite Books 1. アルノー 『ヴァン・ゴッホ―社会が自殺させたもの(Van Gogh, der Selbstmoerder durch die Gesellschaft)』 2. ショーペンハウアー 『意志と表象としての世界(Die Welt als Wille und Vorstellung)』 3. セリーヌ 『夜の果ての旅(Reise ans Ende der Nacht)』 4. フロイト 『人間モーゼ(Der Mann Moses)』 5. デーブリーン 『ベルリン・アレクサンダー広場(Berlin Alexanderplatz)』 6. ユイスマンス 『彼方(Tief unten)』 7. ジャン・パウル 『ジーベンケース(Siebenkaes)』 8. ゲーテ 『親和力(Wahlverwandtschaften)』 9. スキナー 『ウォールデン・トゥー(Futurum II)』 10. バーンズ 『夜の森(Nachtgewaechs)』 拙いドイツ語の知識をもとに、翻訳してみました。特に、ショーペンハウアーの『意志と 表象としての世界』を挙げているのが興味深いですね。思えば、ファスビンダーが自作の 中で描いた苦悩に満ちた人間社会とは、まさにこのような世界だったような気がします。 ちなみに、「意志と表象としての世界」という題名は、『第三世代』のテロリストたちが 隠語として用いていました。
261 :
名無シネマ@上映中 :04/02/13 07:57 ID:x0pRNiWK
>>260 ありがとうございます。でも結構知らないのもあるなぁ。
とりあえず、邦訳で簡単に入手できるのは
アルトー、ショーペンハウアー、セリーヌ、フロイト、
ユイスマンス、ゲーテあたりでしょうか。
個人的にはアルトー、セリーヌは、やっぱりそうか、という感じです。
アルトーに関しては「悪魔のやから」でも引用してましたし。
演劇論とか影響受けてたりするんでしょうか。
あとブレヒトとかは好きなんでしょうかね。
ところで「ベルリン・アレキサンダー広場」読みたいんですが
邦訳は出ていないんでしょうか?
262 :
260 :04/02/14 03:31 ID:0QPddb7p
>>261 おっと、
×アルノー
〇アルトー
でしたね。なんてミスを・・・
アントナン・アルトーはかなり気に入っていたようですね。『シナのルーレット』で
家政婦の怪しげな息子ガブリエル(フォルカー・シュペングラー)が盗作した詩も、
『ヘリオガバルスまたは戴冠せるアナーキスト』でしたし(翻訳者の多田智満子女史
が論じていましたね)。個人的には、あの映画の怪しげな暗喩が好きです。
また、ご指摘の通り、『悪魔のやから』については、アルトーのいう「残酷演劇」の
影響を多分に受けているみたいですね。道理であのテンションなわけで・・・
263 :
260 :04/02/14 03:33 ID:0QPddb7p
もう一方の雄、ベルトルト・ブレヒトについてですが、ファスビンダーが言及して いたものがあったので、引用しておきます(原文は最後のfeel and thinkがイタリック 体)。 With Brecht you see the emotions and you reflect upon them as you witness them but you never feel them. That’s my interpretation and I think I go farther than he did in that I let the audience feel and think. ブレヒトよりもアルトーなんですね・・・ 尚、デーブリーンの翻訳は、早崎守俊訳「ベルリン・アレクサンダー広場(上・下)」 河出書房新社, 1971年というのがあるそうです。
264 :
名無シネマ@上映中 :04/02/14 03:40 ID:G0oMC+Uq
>>260 さん
間違っていたらごめんなさい。
1のアルノーは、アルトーのタイプミスではないでしょうか。
だとしたら
一応、1から10、すべて邦訳が出ていると思います。
5と9は、ちょっと手に入りにくいかもしれませんが
たまに古書展などで見掛けます。
2は、私は中央公論社の世界の名著シリーズでしか読んでいないのですが
きちんと読むのなら白水社の全集をあたる方がよいかもしれませんね。
うろおぼえですが『13回新月のある年に』で
ショーペンハウアー『自殺について』が使われていませんでしたか。
こちらは、もう少し入手しやすいかも。
以下、つまらない補足ですが、私の知るところでの邦題と出版社です。
1.アルトー『ヴァン・ゴッホ』筑摩書房
2.ショーペンハウアー『意志と表象としての世界』白水社
3.セリーヌ『夜の果ての旅』中央公論社
4.フロイト『モーセと一神教』筑摩書房
5.デーブリーン『ベルリン・アレクサンダー広場』河出書房新社
6.ユイスマンス『彼方』東京創元社
7.ジャン・パウル『ジーベンケース』九州大学出版会
8.ゲーテ『親和力』講談社
9.スキナー『ウォールデンツー/森の生活 心理学的ユートピア』誠信書房
10.バーンズ『夜の森』国書刊行会
265 :
261 :04/02/14 21:17 ID:gCiLk+ky
>>260 ,264
皆さん詳しいですね。
とりあえず、デーブリーンの邦訳は気長に探してみます。
ブレヒトについては意外に辛口なんですね。
やっぱり「blood, tears and sperm」で映画を作るファスビンダーとしては
アルトーの持つ危うさの方に共感するということでしょうか。
266 :
260 :04/02/15 04:23 ID:nvoJ/+vk
>>261 すみません。説明が不十分だったので補足させてください。
確かに263はブレヒトに対するファスビンダーのコメント(Cineaste, Vol.8, No.2,
Fall 1977, p.20)なのですが、これはあくまでアルトーに傾倒後(その到達点が
『悪魔のやから』)のファスビンダーの見解であって、初期の頃は、ブレヒトの
「異化(Verfremdung; alienation)」に大きく影響を受けています(典型が
『出稼ぎ野郎』。それゆえ、後年、「最も吐き気を催させる映画」に選出?)。
ファスビンダーのような、嗜好も作品のスタイルも恐ろしいほどに変化した作家を
前にして、断片的な引用をしてすみませんでした。
>>264 拙い知識では訳すのが精一杯で、そこまで気が回らなかったもので、ありがとう
ございます。
『自殺について』の引用には気付きませんでした。おそらく自殺者との対話のシーン
ですよね。一度、見直してみます。そういえば、月末のDVD発売が楽しみです。
267 :
260 :04/02/15 06:24 ID:CrugpbVd
>>261 すみません。「アルトーに傾倒後」という書き方では語弊がありますね。
この場合、ブレヒトの「叙事詩的演劇(Epic Theatre)」と対比の関係にあるのは、
サークの「メロドラマ」ですよね。
個人的には、ファスビンダーの嗜好の変遷は、
≪ブレヒト(ゴダール、ストローブ)→メロドラマ(+アルトー)≫
という図式かと思うんですけど、如何でしょうか?
『13回新月のある年に』や『悪魔のやから』は、メロドラマ+アルトーの至高点
だと思いますが。
「出稼ぎ野郎」、ヴェンダースが批判してたよね。
269 :
名無シネマ@上映中 :04/02/15 21:27 ID:TEP+VGso
「…ただ、ハンナ・シグラだけが血の通っているように見え、 ひとり、この死の映画のなかで行き続けるのである。」
↑ 「生き続ける」
271 :
名無シネマ@上映中 :04/02/15 22:58 ID:X/OnlqRc
260さん 264ですが。 すみません。なんか同時間帯に投稿してしまったようで 余計な書き込みでした。 影響の実際は皆目見当つきませんし 学術的な知識も全くないので、あくまで思いつきなのですが ブレヒトって、ニュージャーマンシネマの人たちには 近すぎる存在だったということはないでしょうか。 昨年のドイツ文化会館の企画ではじめて知ったのですが 10代の頃のジーバーベルクは ベルリナー・アンサンブルに出入りしていたそうですね。 演劇に軸を置いて活動をしていた若かりしファスビンダーらにとって ブレヒトという巨人は、良くも悪くも、 たとえばゴダール経由でしか受け入れることできなかった 倒すべき壁、なんてことはないでしょうか。 私の持つ表層的なイメージではファスビンダーとブレヒトの作品は 地続きとして考えても、割合、違和感はないのですが それでも、初期の作品は、 ブレヒトというよりヌーベルバーグへの反応が、より直接的な気がします。 で、アルトーからの影響というのは、 ファスビンダーの作劇の中にあるというよりも アルトーへの憧れという形である気がしてならないのですが。 それもアルトーの劇作やシナリオよりも詩への共感なんじゃないかな。 と、なんの根拠も無い感想で失礼いたしました。 関係ないですが、来月 シュレーターの「愛の破片」がDVD化されるようですね。
272 :
260 :04/02/16 04:56 ID:PWfQkA25
>>271 とんでもないです。ありがとうございました。
「倒すべき壁」。巧い表現ですね。思えば、263での引用も、ブレヒトを認めつつも
一言、自己主張をせずにはいられないファスビンダーの自我を強く感じます。
ただ、ご指摘の通り、最初の頃は、やはりヌーベルバーグ(特にゴダール)の影響、
強いですよね。Gangster Trilogyは大好きですが、『ニクラスハウゼンの旅』まで
行くと個人的にはダメでした。
また、どなたか日本でも演劇論的なアプローチ(ブレヒト、アルトーなど)で、もっと
ファスビンダーを語っていただきたいものですね。海外には結構ありそうなので、
ゆっくりと読んでいこうかと思ってます。そういえば、『悪魔のやから』のアルトー
の詩は、邦訳とか出てるんでしょうか。
273 :
260 :04/02/16 05:00 ID:PWfQkA25
(続き) 一方、ジーバーベルクはブレヒトを「育ての親(foster father)」と呼んでいる そうです(Syberberg, Hitler, p.36)。昨年上映された『ジーバーベルクの撮った ブレヒトの仕事ぶり』は、残念ながら、見逃してしまいました。本人はブレヒトと ワーグナーの影響を最も強く感じているようですね。興味深い文章があったので、 以下に引用します(Source: John Sandford, The New German Cinema, p.118)。 Syberberg has described his cinema as the result of a combination of Brecht and Wagner, a fusion, in other words, of the rational and Romantic traditions that have conventionally been regarded in German cultural history as polar opposites. It is a paring that leads to what he has oxymoronically described as an ‘aufklaererische’, an ‘enlightening trance’, where the eighteenth-century rationalism of the Aufklaerung ? the Age of Enlightenment ? mingles with the mysticism of the nineteenth-century Romantics.(10) (10) Syberberg, Filmbuch, p.60. シュレーターの『愛の破片』、楽しみですね。他のも出してもらいたいですが。
274 :
260 :04/02/16 05:03 ID:PWfQkA25
すみません。'the Age of Enlightenment'のはずが、文字化け してしまってました。
275 :
260 :04/02/16 05:26 ID:+XdLiSd+
たびたびすみません。 4行目は、paring→pairing(組み合わせ)です。
276 :
名無シネマ@上映中 :04/02/17 01:28 ID:W570Gl1s
「13回新月のある年」は、マーラーのアダージェットが流れる ベタなイントロがまたイイ。
ボウイも昔、ファスビンダーと仕事がしたかったとか言ってたね。
278 :
名無シネマ@上映中 :04/02/17 21:34 ID:il1yC4sC
「トーク・トゥ・ハー」見て思い出したけど、 ピナ・バウシュってファスビンダーにも出演 したことあるんだよね。 どんな関係だったんだろ?
280 :
名無シネマ@上映中 :04/02/18 03:26 ID:UFXKduMv
Fassbinder’s Favorite Soccer Players 1. Helmuth Haller 2. Paul Breitner 3. Garrincha 4. Gerd Mueller 5. Gento 6. Didi 7. H. Konopka 8. Peter Grosser 9. Vava 10. F. Puszkas 自分たちでもサッカー・チームを作ったそうですね。
281 :
271 :04/02/18 13:37 ID:dXlq+B3H
260さん お恥ずかしいのですが ドイツ語はもちろん、英語もちんぷんかんぷんなので 「悪魔のやから」に引用されているアルトーはわかりませんでした。 (転載していただいている貴重な英文も 機械翻訳でおぼろげに内容を想像させてもらっています) 関係ないですが、「シナのルーレット」では 「ヘリオガバルス」から援用されていますね。 また、「悪魔のやから」でモチーフにされている シュテファン・ゲオルゲの詩集は岩波からも出ていますが これも、具体的にどの詩を引いていたのかはわかりません。 なんとか日本語字幕付きで観たいものです。 278さんがおっしゃっているのは "Theater In Trance"という 演劇フェスティバルのドキュメンタリーだと思うのですが ここでもアルトーのテキストが使用されていると読んだ憶えがあります。 この作品も、ぜひ、観てみたいのですが ドキュメンタリーだけにむつかしそうですね。 せめて、ピナ・バウシュ映像祭とかを企画してもらって その中での上映とかの方が、まだ実現の可能性があるかも。
282 :
名無シネマ@上映中 :04/02/18 13:51 ID:dXlq+B3H
276さん 「13回の新月のある年に」は 「ベニスに死す」なマーラもよかったですが スーサイドやロキシーミュージックのベタさも好きです。 277さん ボウイーの曲なんかもファスビンダーが使っていたら たとえばレオス・カラックスの作品での印象とも 全然違っていたのでしょうね。 役者ボウイーとファスビンダー映画のマッチングは 個人的にはちょっと想像しにくいです。 ボウイー主演で「ベルベット・ゴールドマイン」の ファスビンダー版とかあったらおもしろかったかもしれませんが。
283 :
名無シネマ@上映中 :04/02/18 22:21 ID:fh5S2Wot
>>280 FC Alexanderplatzだっけ
284 :
278 :04/02/19 00:31 ID:LP2RYHk1
>>281 そうだったんですか。ぜひ、観たいですね。
「カフェ・ミューラー」とか演ったんですかねえ・・・
285 :
名無シネマ@上映中 :04/02/19 06:02 ID:Y7k7OWnd
I'd rather perform my own miracles than wait for them to happen. ―Maria Braun
286 :
名無シネマ@上映中 :04/02/19 14:19 ID:u+9kQy2p
>>282 ホント、全部ベタなのがまたいいですね…w
ところで、ホドロフスキーよりも強烈な
あの精肉工場のシーンで流れてた曲はなんでしたっけ?
「うんこが愛を求めてさまよってイマす」1933 マンシー
「うんこが愛を求めてさまよってイマす87」1987 ニューオウダー
290 :
名無シネマ@上映中 :04/02/20 02:51 ID:Mky2q3Il
>>281 どこから引用したんでしょうね・・・。個人的には『演劇とその分身(The Theatre
and Its Double)』所収の『残酷の演劇(Theatre of Cruelty)』かなと思ったん
ですけど、邦訳を読んでみても、以下の仏文・英文に該当するような文章はなさそう
です(抽象的で短い文章なので、見落としたかもしれませんが)。
ちなみに、ついでに Fassbinder Foundation のウェブサイトを見てみたところ、
”Theater in Trance”で使用されてるアルトーのテキストは、『演劇とその分身
(Das Theater und sein Double)』だそうです。
"Ce qui difference / les paiens de nous / c'est qu'a l'origine / de toutes
leurs croyances / il y a un terrible effort / pour ne pas penser en hommes,
/ pour garder le contact / avec la creation entiere/c'est-a-dire avec la
divinite."
"What differentiates the heathens from us is the great resolve underlying
all forms of belief not to think in human terms. In this way, they are able
to retain the link with the whole of creation, in other words, with the
godhead."
291 :
名無シネマ@上映中 :04/02/20 05:11 ID:7/BH9MuC
There came a time when I no longer wanted to see myself on screen. I felt like a doll, a puppet… ―Hanna Schygulla
ぼくたちはうんこと夢の総体だ アントナン・アルトー うそ
つーかファスビンダー2,3本しか見てませんが アルトーはかなり読みました。すきです。
DVD発売延びた?
296 :
名無シネマ@上映中 :04/02/21 04:12 ID:8Kh7+ZxY
>>220 の BRD Trilogy に続いてですが、あくまでも個人的な感想です。
Gangster Trilogy(Trilogie der Einsamkeit)は、どれも素晴らしいけど、
敢えて言うなら、
『愛は死よりも冷酷』 >>> 『悪の神々』 > 『アメリカの兵士』 かな。
『愛は死よりも冷酷』・・・ファスビンダー、ハンナ・シグラ、ウリ・ロメルの三人が
初々しい、瑞々しさ溢れる傑作。個人的にはトリロジー・ベスト。これ以後、
ファスビンダーの映画で形を変えて延々と繰り返されるホモソーシャルな関係の全て
が、最もシンプルに集約されている。ファスビンダー組の野心や情熱がスクリーンから
伝わってくる処女長編。
297 :
名無シネマ@上映中 :04/02/21 04:14 ID:8Kh7+ZxY
『悪の神々』・・・ファスビンダー本人のお気に入りの一つで(第5位)、かつ、 「最も美しい映画」との評価。ハリー・ベア、ギュンター・カウフマンの二人により、 より複雑化したホモソーシャルな世界が繰り広げられる。三作中、一番フィルム・ ノワールっぽい仕上がり。 『アメリカの兵士』・・・ここまでくるとカルト映画。怪しさ、いかがわしさ、 胡散臭さではトリロジーNo.1。奇怪なラストシーンには開いた口が塞がらない。 引用や小ネタが豊富で、メイド役のマルガレーテ・フォン・トロッタによる モノローグは、後に『不安と魂』へと展開。また、主人公と関係を持つコールガール の名前が、ローザ・フォン・プラウンハイム(『ホモセクシュアルは変態にあらず、 彼が生きている状況が変態なのだ(It is Not the Homosexual Who is Perverted, But the Situation in Which He Lives)』等の監督)だったりする。
298 :
名無シネマ@上映中 :04/02/21 09:55 ID:E+Pub2jF
Gangster Trilogyはその後の作品とはまた違った面白さがありますね。 3本とも好きですが、個人的には「悪の神々」かな。 中盤で主人公3人が田舎に住む昔の仲間に会いにいくシーンの美しさ、 その後のラストまでの絶望一直線な展開、一番ベタかもしれませんが大好きです。 三部作はシリーズというわけでもなくて、「愛は死よりも冷酷」を原型として、 そこからいろいろ発展させていった感じですね。 最初の頃の方が、フィルムノワールへの思い入れが比較的ストレートに出ていて、 シニカルな「アメリカの兵隊」あたりになると、むしろ距離感や批評性が前面に 出ている気がします。あくまで個人的感想ですが。 単純に映像から受ける印象も、 「愛は死よりも冷酷」:白、「悪の神々」:黒、「アメリカの兵隊」:灰色 という感じで変化してるような。
299 :
名無シネマ@上映中 :04/02/21 19:50 ID:bvXkvirM
ファスビンダーのモノクロ映像って実はかなり綺麗だよね。 「悪の神々」の空からのショットの美しさといったら!
300 :
名無シネマ@上映中 :04/02/22 00:52 ID:1W7jDp0q
「ヴェロニカフォスのあこがれ」で最後にまた白黒の映像美を見せつけたな
301 :
名無シネマ@上映中 :04/02/22 02:36 ID:X2oA6WKX
Fassbinder's Favorite Operas 1. ヴェルディ 『ラ・トラヴィアータ(椿姫)(La Traviata)』 2. ドニゼッティ 『ロベルト・デヴリュー(Roberto Devereux)』 3. ワーグナー 『トリスタンとイゾルデ(Tristan und Isolde)』 4. ベートーヴェン 『フィデリオ(Fidelio)』 5. ベッリーニ 『ノルマ(Norma)』 6. ロッシーニ 7. レハール 『ジュディッタ(Giuditta)』 8. ベルク 『ルル(Lulu)』 9. シェーンベルク 『モーゼとアロン(Moses und Aron)』 10. モンテヴェルディ 『ウリッセの帰郷(Il ritorno d’Ulisse)』 ファスビンダーに言わせれば、『ラ・トラヴィアータ』は「西洋文化の可能性の最大限」 だそうですね。また、ロッシーニについては、作品を限定していません。
302 :
名無シネマ@上映中 :04/02/22 11:13 ID:GFNA/nk6
シナのルーレット見た。周到なフレーミングからなる撮影はすんばらすぃと 思ったが、お話がよくわからんかったなぁ。どうしてアノ人が撃たれたんですか? あと唐突なあのラストカットはいったい何なんですか! ファスビンダーってインテリじゃないと理解できない作風なの?
303 :
名無シネマ@上映中 :04/02/23 01:32 ID:Aj/HAv10
>>302 いえいえ、そんなことないですよ。逆に、ファスビンダー本人が”German Hollywood
Cinema”を目指していただけあって、誰にでも分かりやすい映画が多いと思います。
むしろ、この映画ほど謎めいた暗喩や暗示めいた引用が多い映画は、他にほとんど類を
見ないため(『悪魔のやから』くらいかな)、そういった意味では、ファスビンダー
の中でも異質な映画との意見もあるようです。また、ご指摘の通り、この映画は技法的に
最も洗練された作品との評価も得ています。ご参考までに、以下、この映画についての
ファスビンダー本人へのインタビュー(抜粋)を転載します。
「映画自身はリアリスティックであることも、何かを主張することも欲してはいない。
映画とはリアリティをからめ取るものであって、だからこそ観客によりリアリスティック
なものとして作用するのだろう。それは『悪魔のやから』や『少しの愛だけでも』にも
言えることだと思う。基本的にはリアリスティックな映画はむしろ嫌いです」
304 :
303 :04/02/23 01:36 ID:Aj/HAv10
「この映画の中で進行するゲームも決して順調に進められてはいません。しかし観客 はかなり早い時期に、そのゲームが誰のことを指しているのかを理解するでしょう。 しかしこのゲームでは人の予測し難い回答が数多くあって、その意味を映画の中では 説明していません。だから観客はそれらの回答から自分の世界を築く必要があるんです。 映画というのは観られることによって初めて現実となるわけですし、スクリーンに投影 されたものは、人が観客席に座り、彼自身の頭から何かをひき出すことによって現実と なるんです」 ファスビンダーはこの他にも、常々、映画は観客に「考えさせる」ことを念頭に置く べきだとのコメントを残しています。あの人が撃たれたのも、唐突なラストカットも 全て、観客の解釈に委ねているようですね。その人なりの解釈を求めているような気 がします。 尚、前述のシーンの他にも、家政婦の息子ガブリエルと不具の少女アンゲラについて は、特に様々な解釈があるようですね。 個人的には怪しげな暗喩と引用に満ちたこの映画が好きです。
305 :
名無シネマ@上映中 :04/02/23 03:18 ID:Gugx9mGg
If Christ is God become man, he nevertheless died as man and not God. So why should I not regard myself, then, as God become man?.... If I love anarchy, if I function as the firmament, that accelerates a latent state of anarchy, then anarchy is first of all within me. It ravages my organism and plunges my mind into a kind of precocious madness which has a special name in modern medical terminology. I am man and woman, and sun worship is the religion of the man who, nevertheless, without woman, his double, in whom I am reflected, is capable of nothing. It is the religion of the single being who divides himself in two to act and to be.... The duality united in the first androgynous being [which combines both male and female] simultaneously united in a single whole. A dual struggle wages within me. First the unity that divides itself and yet remains a unity. Second, that of the Sun King, the man in whom is unable to reconcile himself to being a human ego that spits on man and finally hurls him into the cesspool.
306 :
名無シネマ@上映中 :04/02/23 03:26 ID:w513CjHE
(・∀・) < ケレケレケレル♪
307 :
名無シネマ@上映中 :04/02/23 07:26 ID:qrWisw3H
>>290 にある「悪魔のやから」のアルトーの引用元ですが、
「ヘリオガバルス または戴冠せるアナーキスト」
第2章「原理の闘争」のようです。
多田智満子訳では以下の通りです。
「異教徒と我々の相違は、彼らの信仰の起源には、全的創造
つまり神性と接触を保つために、人間として思考しないでおこ
うとする怖るべき努力が存在するところにある。」
308 :
名無シネマ@上映中 :04/02/23 15:52 ID:oTbvlLBH
正直、「リリー・マルレーン」や「マリア・ブラウン」を見て、ファスビンダー こんなもんかと思っていた人が、「シナのルーレット」を見て驚くというのは よくあるよね。
309 :
302 :04/02/23 18:26 ID:4WH9ydvr
なんか色々教えてくれてありがたいんだが、やっぱり小難しいんだなw アメリカのアマゾンのカスタマー評にも長文で感想書いてる椰子がいて、 読んでるうちに頭痛くなってきたよ。登場人物の名前にもキリスト、天使、 ガブリエル、ギリシャ神話系名前とか、色々象徴的な意味が込められてるんじゃ ないかとか、ンなもん、わかんねーよw 305の引用してる下男が読む 文章も物語にどういう関係があるのかさっぱりだし。 ただ、人物の立ち位置とかカメラワークが凄い計算されてて見てて 飽きなかったんだけど、おそらくハイライトであるハズのゲームの シーンが何を意味してるのかどうもピンとこなくてね。他にもカントさんの 涙とかサタンのナントカも一緒に買っちゃったんでおいおい見ていこうと 思うんだけど、なんかかなり不安になってますw
310 :
名無シネマ@上映中 :04/02/23 23:32 ID:J7Iemtca
>>307 ありがとうございます。これも『ヘリオガバルス』だったんですね。
灯台下暗しでした。
『悪魔のやから』『シナのルーレット』と、続けざまに第2章、第3章
から引用してたんですね。
311 :
名無シネマ@上映中 :04/02/24 02:12 ID:qdF+O0cO
≪思いっきりネタバレなので、注意してください≫
>>309 具体的な説明をすれば・・・
シナのルーレットとは、2組に分かれ、一方のチームが相手チームに分からないように
選んだ人物を、色々な質問をすることで相手チームが当てる心理ゲームです。
ここで重要なのは、少女が恣意的にグループ分け(@:少女・父親・家庭教師・下男/
A:母親・母親の愛人・父親の愛人・家政婦)をして、かつ、相手チームの中から母親
を選んだことです。そうすると、自分のチームのメンバーの母親に対する深層心理が、
ゲームを通じて浮き彫りとなりますが、これこそが、まさに少女の母親に対する復讐
であり、このゲームの目的でした。
質問の内容はどんどんエスカレートし、次第にその核心へと迫っていきます。
312 :
名無シネマ@上映中 :04/02/24 02:14 ID:qdF+O0cO
Q3: 「この人」が永遠に無人島に行くとすると、持っていくものは? 父: 人間 下男: 金で縁取られた高価な鏡 家庭教師: 電話 少女: 鏡 Q4: 「この人」を絵にするとしたら何を描くか? 少女: 防空壕とその中に半焼した人形 下男: トンボを食べている肉食植物 父: 上等な材料で合成した顔 家庭教師: 蛆虫に食われているリンゴ Q6: 「この人」にふさわしい死に方は? 下男: ガロッテ(首の骨が少しずつ折れていくスペインの処刑道具) 父: 飛行機事故 少女: ゆっくり進行する自然死。少しずつ、しかしはっきりと死を自覚して死んでいく。 家庭教師: すでに死んでいる
313 :
名無シネマ@上映中 :04/02/24 02:22 ID:U0dbJudi
Q7: 「この人」のイメージは? 下男: 聖女、娼婦、母親 少女: 母親 家庭教師: 母親 父; 娼婦 Q8: 8人全員がいきなり奇襲されると仮定して、「この人」が選んだ人が、8人のうち 誰を生き残らせるかを決定できるとする。「この人」は、誰に決定権を与えるか? 父: 少女 下男: 父親の愛人 少女: 母親* 家庭教師: 母親* (* すなわち自分を選ぶだろうという皮肉が込められている。母親は一瞬、「この人」 が自分ではなかったと思い、安堵する) Last Q: ナチの時代だったら、「この人」は一体何者か?* 父: 今と同じ 下男: 安楽死を研究する教授 家庭教師: 秘密警察本部の書記 少女: 強制収容所の所長 (* このゲームでは有名な質問らしい。ドイツ人にとっての最大の禁忌を問う質問と 思われる。この回答がトリガーとなる)
314 :
名無シネマ@上映中 :04/02/24 02:24 ID:U0dbJudi
「この人」の部分に全て母親が入ると考えると、4人の彼女に対する恐ろしい印象が 浮き彫りになりますね。そして、夫、娘、家庭教師、下男の自分に対するイメージを 知った母親は、逆上してピストルを手にする・・・という展開。Q&Aの内容を改めて 吟味すると、返答にためらいの見られる夫、ストレートな下男、悪意に満ちた少女と 家庭教師・・・というように、それぞれの感情が明確に見て取れます。 そう考えると、自分の娘を撃とうとしたものの、やはりその悪意のブレーンたる家庭 教師に狙いを変えたというのも分かるような気がします。 ラストショットは単に死をイメージしたものと考えましたが。 クライマックスのゲームのシーンは、目まぐるしく変化するため理解しにくい面も あるかと思いますが、会話の内容や筋が詳しく理解できれば、そのカメラワークと 同様、きわめて緻密に脚本が練り上げられていることがうかがえます。 以上、稚拙な説明でしたが、ご参考まで。
315 :
309 :04/02/24 17:34 ID:MfO6bV8d
懇切ていねいな説明に恐縮。おかげでゲームの流れはかなりよくわかりました。 >悪意のブレーンたる家庭教師 家庭教師がブレーンだったの?単なる少女のシンパくらいに 思ってたけど、彼女こそブレーンって解釈できるところってありましたっけ? ゲームの流れは説明してもらった通りだとして、それでも漏れはこの映画の ポイントがつかめないなあ。ゲームを通して母親に対する深層心理が あきらかになる…それが目的だったとしても、少女が母親を憎んでいて、 母親も少女を憎んでいることはゲームをする前からお互いにわかってるみたいだし、 単に不快感を与えるためにゲームをしてるだけって印象しかもたなかった。 それが復讐ということなのかもしれないけど、なんに対する復讐なのか。 母親は少女が不具になってから愛人を作ったとかいう説明があったけど、 それに対する復讐?でもそういう倫理的な堕落という点では親父も似たり よったりだし。登場人物の誰もが他の人物を断罪できるような モラリストは一人もいない気がするけど、なぜ母親だけがターゲットに なって悪者あつかいされるのかもよくわからん。っていうか、もともと そういう話じゃないんだろうね。ゲームの流れがよくわかったところで また見直してみたいと思うけど、漏れにはこのドラマの要点は永久に 理解できないかも…
316 :
名無シネマ@上映中 :04/02/24 20:09 ID:TQ1Os5JH
>>309 柳下や中原も絶賛したカントさんの涙はわかりやすいと思うよ
317 :
名無シネマ@上映中 :04/02/25 00:27 ID:+VncNxIb
「ジュネ伝」面白かった。最終章にファスビンダーの記述あり。
318 :
名無シネマ@上映中 :04/02/25 04:15 ID:VLMZCDH2
>>315 「ブレーン」という表現は語弊がありましたね。すみません。どちらにせよ、娘の
代わりに家庭教師が撃たれた説明はつくでしょうが、「シンパ」という表現の方が
より適切でしょうね。
ただ、前半部に少女が家庭教師に向かって「あなたの祖先がドイツに勝利すべきだった
のよ」と言っていたり、あの城自体が「トラウニッツ城」と、家庭教師の名前がついて
おり、元々はあの城を所有していた先祖の末裔であることが提示されていることは、
付記しておきます。
もっとも、聾唖者が家庭教師をしていることからして、現実には有り得ない話で、
ファスビンダーがこうした有り得なさ、虚構性を意図的に提示し、こちらに解釈を
求めているというのが正直な所ではないでしょうか。それこそが、前述(
>>303 )の
「リアリティをからめ取る」ことだとも思います。むしろ、世の中には、「つじつま
を合わせすぎて逆に全くリアルでなくなってしまっている」映画が数多くあるように
感じますが。
319 :
名無シネマ@上映中 :04/02/25 04:17 ID:VLMZCDH2
続いて、なぜ母親がターゲットかという問題です。ファスビンダーの映画では、 しばしば男性(父親、夫)は、しばしば強力な女性(母親、妻)の前に、無力、不能 または不在な存在として描かれていますが、この映画でも、ファスビンダーは虚構と 欺瞞に満ちた仮面夫婦の亀裂の原因をそこに求めているような気がします(父親の鞄 から張形(陽物)が見つかるというシーンはその暗示の一例か)。そうだとすれば、 少女は無力・不能な父親の本音を、このゲームをキャタリストとして母親にぶつけよう という意図があったようにも考えられます。従って、ポイントとしては、うわべだけ の夫婦関係を続けている両親の欺瞞を、レバレッジを効かせて暴露しようというのが このゲームの目的なのですが、これを最も効果的に実現するには、無力な父親ではなく 強力な存在である母親をターゲットにする必要が生じてくるという訳です(「復讐」 という表現は的外れで陳腐だったかもしれません。重ねてお詫び申し上げます)。
320 :
名無シネマ@上映中 :04/02/25 04:18 ID:VLMZCDH2
敷衍すれば、ファスビンダーは、息苦しい競争社会で力をなくした男性、それに 較べて力強い女性、そしてそのいびつな力関係から生まれる様々な亀裂(まるで現在 の日本にも通ずるような・・・)を数多く描いた作家であり、この映画も「結婚」を その主たるテーマとしているものの、やはり同様の趣向が見て取れます。 まあ、ファスビンダーは、説明が過剰なアメリカ映画とまではいきませんが、 ペダンティックに映像を垂れ流しにする傾向が強いヨーロッパの監督の中では、 抜群に分かり易いほうだと思いますが。 以上、駄文をだらだらとすみません。
321 :
名無シネマ@上映中 :04/02/25 22:15 ID:og3wKBlL
>>317 ケレルって最初はヴェルナー・シュレーターが素人を使って
白黒で作るはずだったらしいね
322 :
315 :04/02/26 02:13 ID:ZVW5F6Y1
やっぱ小難しいんだなw 映画見て「敷衍」して考えるのは 苦手だよ漏れ。にしても丁寧な解説ありがとね。他の作品も見て もう少し考えてみるね。
323 :
名無シネマ@上映中 :04/02/26 22:38 ID:8sHpjmVx
「ケレル」はパゾリーニの「ソドムの市」みたいなもんだな
324 :
名無シネマ@上映中 :04/02/26 22:39 ID:Jre+j8O8
325 :
名無シネマ@上映中 :04/02/27 02:42 ID:ISaBloHf
Fassbinder's Favorite Actresses 1. マリリン・モンロー 2. マリア・ファルコネッティ 3. マルティーヌ・キャロル 4. アンナ・マニャーニ 5. ジーン・セバーグ 6. セルマ・リッター 7. フランソワーズ・ドルレアック 8. ジョーン・クロフォード 9. ジビレ・シュミッツ 10. ヴィヴィアン・リー モンローのベストは、何となくわかる気がします。個人的には、ファスビンダーの ミューズ、ハンナ・シグラとかなりイメージがかぶるんですが。 特に『聖なるパン助に注意』のシグラは、モンローを彷彿とさせました。 シュミッツは『ベロニカ・フォスのあこがれ』のモデルですね。
326 :
名無シネマ@上映中 :04/02/27 02:44 ID:ISaBloHf
出演作品 1. ホークス 『紳士は金髪がお好き』(お気に入り第6位) 2. ドライヤー 『裁かるるジャンヌ』 3. オフュルス 『歴史は女で作られる』(お気に入り第3位) 4. パゾリーニ 『マンマ・ローマ』 5. ゴダール 『勝手にしやがれ』 6. ヒッチコック 『裏窓』 7. ポランスキー 『袋小路』 8. レイ 『大砂塵』(お気に入り第9位) 9. ドライヤー 『吸血鬼』 10. フレミング 『風と共に去りぬ』
327 :
名無シネマ@上映中 :04/02/27 14:15 ID:bK8Lukis
「裁かるるジャンヌ」にアルトー出てたよね。
328 :
名無シネマ@上映中 :04/02/27 23:11 ID:9lStmcrX
前スレってあるのかな?
329 :
名無シネマ@上映中 :04/02/28 13:58 ID:IkxcLzm/
ジュネはケレルを見なかったんだね。
330 :
名無シネマ@上映中 :04/02/29 01:50 ID:wUpd2Q1b
『聖なるパン助に注意』でファスビンダーを演じたルー・カステルの鬱屈した表情を 見ていると、ベロッキオの『ポケットの中の握り拳』を思い出す。というか、 ファスビンダー自身、この映画のルー・カステルが気に入って起用した気がする (ブロンドに革ジャンのファスビンダーもいいかも)。 個人的には、ファスビンダーとベロッキオって通じるものがあると思うけど・・・ 『ポケット〜』なんていかにも好きそうだし(『ホワイティ』と話が似てないかな?)。 日本ではその主要な作品がほとんど見られないというのも似てる。
>>325 「裏庭の天使、場末のマリリン・モンロー、無人地帯からさまよい出た夢遊病者」
332 :
名無シネマ@上映中 :04/02/29 21:25 ID:3zXXnzBx
「肉体の悪魔」「新 肉体の悪魔」!? くらいしか見ないね。
333 :
名無シネマ@上映中 :04/03/01 16:19 ID:HNuxCTbx
「四季を売る男」をみると凹む…
>>328 いくつかあったはず。
いつもそんなに伸びずに倉庫行きしちゃうから今回はかなり伸びてるほうですね。
というか、私は「リリー・マルレーン」と「ベロニカ・フォスのあこがれ」しか見た事ないので今回のスレは勉強になりますです。
335 :
名無シネマ@上映中 :04/03/02 06:51 ID:pZ1N8Utx
>>334 サンクスです。
できればどなたか過去スレきぼんぬ。
>>336 おお!ありがとう。
短いけど内容の濃いスレだなあ。
338 :
名無シネマ@上映中 :04/03/03 22:01 ID:ERYjU3jw
フィルムアート社の新刊「シネ・アーティスト伝説」に、 ファスビンダー載ってますね。 以前と比べて、結構、扱いが変わってきた印象を受けたけど、 ヴェンダース人気が頭打ちだからですかね。 イングリット・カーフェンを単独で取り上げてるのもうれしい。
339 :
名無シネマ@上映中 :04/03/04 04:41 ID:HOZDK1yS
Fassbinder's Favorite Actors 1. クラーク・ゲーブル 2. ジェームス・ディーン 3. チャールズ・ロートン 4. ジョージ・サンダース 5. ミシェル・シモン 6. ハンス・モーザー 7. ゲーリー・クーパー 8. フェルディナンド・マリアン 9. ゼッポ・マルクス 10. エリッヒ・フォン・シュトロハイム
340 :
名無シネマ@上映中 :04/03/04 04:47 ID:HOZDK1yS
出演作品 1. フレミング 『風と共に去りぬ』 2. レイ 『理由なき反抗』 3. ヒッチコック 『巌窟の野獣』 4. マンキーウィッツ 『イヴの総て』 5. ヴィゴ 『アタラント号』 6. フォルスト 『未完成交響楽』 7. ジンネマン 『真昼の決闘』 8. サーク 『南の誘惑』 9. マッケリー 『我輩はカモである』 10. シュトロハイム 『愚なる妻』 出演作品は、訳注に過ぎず、原文には付いてません。
341 :
名無シネマ@上映中 :04/03/04 21:36 ID:togMfrqg
「……私はファスビンダーをいくらか尊敬しています。それというのも、彼はある種 の権力なりある種の力強さなりを獲得することに成功したからです。それはたやすく できることじゃないのです。私は彼へのインタビューを読むたびに、彼を、きわめて 衝撃的なやり方で仕事をつづける、かなりすぐれた映画作家だと思ったりします。」 ―J・L・ゴダール
342 :
名無シネマ@上映中 :04/03/05 02:47 ID:j0yEaGfy
Axis: Fassbinder, Mishima and Pasolini なんて本があるらしい。 まさに「枢軸」!
>>341 "ファスビンダー組" に関しては、羨ましそうにふれていましたね。
344 :
名無シネマ@上映中 :04/03/06 00:45 ID:+p6uETPH
セルジュ・ダネーは、イタリアのネオレアリズモ、 ヌーヴェルヴァーグと同格にファスビンダー個人を位置づけ、 高く評価していたな。
345 :
名無シネマ@上映中 :04/03/06 03:28 ID:sYPtqDy2
>>220 のBRD Trilogy、
>>296 のGangster Trilogyに続いてですが、あくまで個人的な
感想です。
ファスビンダーの中でも特に評価の高い、同性愛ものの3本は、
『13回の新月がある年に』 >>> 『自由の代償』 >>> 『ケレル』 かな。
『13回の新月がある年に』・・・個人的には、『聖なるパン助に注意』と並んで
ファスビンダー・ベスト(本人の第2位)。ベタな選曲、素人臭いキャメラワーク、
音声情報が延々と垂れ流しされるいびつな脚本・・・。ファスビンダーが好きなように、
やりたいように作った、思い入れたっぷりの映画だと思います。ただ、この映画の
主人公は性転換者ではあるものの、単に感情の起伏が激しいがために発作的に手術して
しまったに過ぎず、ゲイというよりむしろトランスベスタイトなのでしょうね。
精肉工場のシーンはファスビンダー全作品中、ある意味、最も「美しい」シーンの
ように感じます。
346 :
名無シネマ@上映中 :04/03/06 03:30 ID:sYPtqDy2
『自由の代償』・・・そのキャタストロフィックな結末は、ペシミスティックな作品 の多いファスビンダーの中でも、一、二を争う暗さ。「自由の自衛権(Faustrecht der Freiheit)」なる原題が示すとおり、資本主義という名の「自由」が人間を搾取 する側と搾取される側とに選別し、その線引きを踏み越えようとする者に対して 「自衛権」をもって厳粛に対処する過程が描かれています。また、『マルタ』や 『エフィ・ブリースト』でもそうでしたが、「躾」へのこだわりが見て取れます。 『ケレル』・・・表層的なイメージが誤解を招きやすいという意味では、ファスビンダー 同様、はからずも遺作となってしまったパゾリーニの『ソドムの市』と似ている気が します。両者とも極度に様式化された「硬派」な映画であるため、常人には理解しづらい のかもしれません。「あらゆるモチーフの独特な要素や象徴を組み合わせたシュール レアリスチックな背景」(ファスビンダー)が、ストレートなゲイのイメージと 相俟って、凄まじい効果をあげています。個人的には苦手かも。
347 :
名無シネマ@上映中 :04/03/06 12:26 ID:bYiWOopM
> 同性愛ものの3本 主人公が同性愛者ということであれば 『ペトラ・フォン・カントの苦い涙』 『13回の新月がある年に』 『自由の代償』 が、私の3本かな。『ケレル』も嫌いではないけれども。
348 :
名無シネマ@上映中 :04/03/06 15:22 ID:1aD2ilc9
「そう、そしてファスビンダーが、イメージを持たなかった何かを、 つまり戦後のドイツを再編成しようとし、この奮起を閉じたのだと思う。」 ―セルジュ・ダネー
349 :
名無シネマ@上映中 :04/03/06 15:54 ID:lXZkIUv0
おれもシコシコとamazon.comで、ファスビンダーの DVDを集めています。決して英語力がある訳ではないのだけど、 彼の映画には引き込まれてしまう。『不安と魂』なんて、 観終わった後、放心状態になってしまったです(w 今のところベストは、このスレでも少し前に盛り上がっていた 『シナのルーレット』です。
350 :
名無シネマ@上映中 :04/03/06 21:30 ID:PubfAfge
ゴダールの「映画史」にも登場しているのかな…?
351 :
名無シネマ@上映中 :04/03/07 00:00 ID:PyLywmwC
>>349 ファスビンダーはテンポがいいからつい引きずり込まれますね。
(ダニエル・シュミットの『天使の影』が、彼のほかの作品より
とっつきやすいのも、そのせいでしょうかねえ)
『不安と魂』には、私も衝撃を受けました。この映画くらいは、
日本でももっと多くの人に見られるようにしてもらいたいです。
352 :
名無シネマ@上映中 :04/03/07 02:32 ID:r6z3OQqS
>>347 失礼しました。この場合は、「ホモセクシュアルを描いた3本」のほうが適切だった
かもしれませんね(ただ、広義では、これもレズビアンを含んでしまうのかも
しれませんが。不勉強なものですみません)。
「同性愛」という括りで女性同士のも含めた場合は、当然、至高の傑作『ペトラ・フォン・
カントの苦い涙』を外す訳にはいかないので、仰るとおり、その3本しか考えられませんね。
正直、大好きな映画です。シグラとカルステンセンの妖艶な美しさ、キッチュな空間に
展開する6人の女性の計算し尽くされたコントラスト。何度見ても、溜め息が出ます。
353 :
名無シネマ@上映中 :04/03/07 04:19 ID:bmyW/6yL
>>352 さん
すいません。あげあし取りのつもりではありませんでした。
『ペトラ〜』のなかの人物関係は、
ジェンダーを問わずホモセクシャルな関係、というか、
すべての恋愛関係にあてはめることができる
ひとつのパターンな気がします。
で。ファスビンダー自身の恋愛/人間関係の基本パターンが
これじゃないかと邪推していましたので
3本のなかの1本に挙げました。
同性愛の定義だのなんの
なにも考えずの書き込みです。
全然、関係ないけれども
"Ein Mann wie EVA (A Man Like Eva)"という作品を思い出しました。
観たのが10年以上前の上に英語字幕だったので自信ありませんが
ファスビンダーをモデルにした作品で
『聖なるパン助〜』っぽい展開だったような。
で。ファスビンダーらしき役を女優が演じていました。
ジェンダーを入れ替えても違和感ないかもと思った記憶があります。
もうひとつ関係ないけれども。
ちょっと前のアルトーの話題のついでで。
『ナポレオン』がDVD化されますね。
354 :
名無シネマ@上映中 :04/03/07 16:08 ID:wbtwLdv8
「ぺトラ〜」のカルステンセンとハンナ・シグラ、 「シナのルーレット」のカルステンセンとアンナ・カリーナの 競演は見応えあるな。
355 :
名無シネマ@上映中 :04/03/07 19:09 ID:FbjpZCW2
ハンナ・シグラとアンナ・カリーナの直接対決が見たかった
356 :
名無シネマ@上映中 :04/03/07 22:50 ID:NeQSEFZy
「ペトラ・フォン・カント」に続けて シュリンゲンズィーフの「テロ2000年」のDVDを見た。 カルステンセンが変なオバサンになっていた。 おまけに「ラ・パロマ」のペーター・カーンが 「怪しい小太りのお兄さん」から「すごいデブ」になっていた。
357 :
名無シネマ@上映中 :04/03/08 00:45 ID:GrIYgxIR
>>356 ダニエル・シュミットもペーター・カーンの太り具合を憂慮してたね。
(役柄決まっちゃうぞって)
だけど、昔もどう見ても「怪しい小太りのお兄さん」にしか見えないのに、
蓮實は「美しい…」と激賞してたもんなぁ。
358 :
名無シネマ@上映中 :04/03/08 02:36 ID:c0OVEGBF
>>353 とんでもないです。こちらこそ、いつも勉強になります。
個人的には、『ペトラ・フォン・カントの苦い涙』は、ファスビンダーが
(1) 愛情の強いほうが苦しむ(ペトラ―カーリン)
(2) 自分を本当に愛してくれる人間には気づかない(ペトラ―娘、母、友人)
(3) 低い立場の人間に弱みを見せると逆に足下を見られる(ペトラ―秘書)
という自分の考える人間関係の基本的な3類型を、きわめて誇張した形で提示した
映画だと思います。思えば、ファスビンダー映画の主人公たちは、みんなこういった
パターンにはまり込んで、苦しみ悶えていた気がします。
>『ナポレオン』がDVD化されますね。
アルトーは結構、映画出演してるんですね。観てみたいです。
359 :
名無シネマ@上映中 :04/03/08 02:39 ID:c0OVEGBF
(続き) "Ein Mann wie EVA (A Man Like Eva)"(エーファのような男)は、ファスビンダー の秘蔵っ子エーファ・マテスが、ファスビンダー本人を演じた映画ですよね。日本で 上映されていたんでしょうか。筋を読む限り、まさに『聖なるパン助〜』のパロディ (リメイク?)といった内容ですよね(恋人の名前はAli)。よく分からないのですけど、 女優が男装して演じているということなのでしょうか。探しているのですが、現在は 廃盤のようです・・・ それにしても、ドイツでは、ファスビンダーのドキュメンタリー、リメイク、パロディ ものが今なお、量産されてるんですね(「欧米では」という言い方をしても決して過言 ではないのでしょうが)。エーファのフィルモグラフィーを見ていたら、“Warum laeuft Herr V. Amok?”(何故V氏は発作的に人を殺したか)(2003)などという映画 を見つけました。他にもプラウンハイムの”Fassbinder’s Women” (2000)とか、 『不安と魂』へのオマージュ作品、”Angst isst Seele Auf”(2002) とか、枚挙に暇が ないですね。
360 :
名無シネマ@上映中 :04/03/08 02:41 ID:c0OVEGBF
>>356 シュリンゲンズィーフは、ファスビンダーやパゾリーニの熱狂的な信奉者ですものね。
それもあってか、かつてのファスビンダー組の面々とよく組んでますよね。
シュリンゲンズィーフはできればあまり見たくないのですが、興味があるのは、
『ソドムの市(Salo oder Die 120 Tage von Sodom)』をリメイクしようとする試み
を描いた“Die 120 Tage von Bottrop”(ボトロプの120日)(1997)。イルム・
へルマン、フォルカー・シュペングラー、ウド・キアら元ファスビンダー組から、
ヘルムート・バーガー、ローランド・エメリッヒまで出てるようです。相変わらすの
乱痴気騒ぎが繰り広げられているそうですが。
ファスビンダーの「亡霊」、か。
362 :
名無シネマ@上映中 :04/03/08 21:35 ID:X7+IZDZq
>>360 浅田彰も四方田犬彦との対談で話してたね。
363 :
名無シネマ@上映中 :04/03/09 02:31 ID:ExqJEfnE
エーファ・マッテスはお世辞にも美人とはいえないけど、 存在感ある。 ヘルツォークの「シュトロツェク〜」「ヴォイツェク」 見たけどよかった。
364 :
名無シネマ@上映中 :04/03/09 04:14 ID:K+FoT7Su
「ファスビンダーが俺から影響を受けていると云われて、この噂が世界中に 広まっているけれども、ファスビンダーは俺から影響を受けたことなんて 全然ないと思う。そして、もし彼が影響を受けたとすれば彼の最悪の映画、 つまり『デスペア』のことだけど、ああいう形での影響というならば 彼は俺のことを誤解していたんじゃないか。他の全ての映画ではファスビンダーは あまりにも強烈に彼自身であり自立性が強い。」 ―ダグラス・サーク
365 :
名無シネマ@上映中 :04/03/09 14:37 ID:HUpzGsNi
問題作「獣道」は見られないんですかねえ。。
366 :
名無シネマ@上映中 :04/03/09 22:46 ID:KsWjfkD+
>>363 漏れは「ドイツ青ざめた母」で右半分が顔面麻痺になる
エグさが気に入った。
367 :
名無シネマ@上映中 :04/03/10 00:44 ID:KJ6z0OtJ
「この映画(『パッション』)は、映画作家が最後まで行き着くことができないでいる、 ファスビンダーの『ローラ』に似た映画になってしまうだろう。」 「ハンナはベルイマンにきわめて近いところにいる。なんなら彼女をモニカと呼んでも いいくらいだ。いや、ほんとに。」 ―J・L・ゴダール
368 :
名無シネマ@上映中 :04/03/10 04:07 ID:3cG9PxAX
『13回の新月がある年に』で主人公の恋人(ゴットフリート・ヨーン)と その取り巻きが、『お若いデス(You’re Never Too Young)』(1955)の ジェリー・ルイスの物真似をするシーン(最後はギュンター・カウフマンに 抱えられてフィニッシュ)があるが、これにインスパイアされたフランソワ・ オゾンが彼なりのセンスで思いついたのが、『焼け石の水』のサンバのシーン なんだろうね。
TASCHENのシネマ80sで日本未公開なのは「ローラ」 くらいじゃないの?
370 :
名無シネマ@上映中 :04/03/10 22:12 ID:QjfiiFI0
やっぱ最高傑作といえば「13回新月のある年に」なのかな。 たしかダニエル・シュミットとジョン・ウォーターズは、 これをあげてたおぼえが。
371 :
名無シネマ@上映中 :04/03/11 00:56 ID:huz9bh+W
加藤幹郎も最高傑作と呼んでるね。 彼の「十三回新月のある年に」論は緻密で面白い。
372 :
名無シネマ@上映中 :04/03/11 05:30 ID:tlr/D4qG
「これは私の主観なのですが、3本選ぶとすれば『悪の神々』と 『ベルリン・アレクサンダー広場』のエピローグと『13回の新月のある年に』 になりますね。特に『13回の―』は10年か15年たってからやっと理解される ような作品だと思います。各時期から選ぶとすれば『出稼ぎ野郎』 『四季を売る男』『ニクラスハウゼンの旅』『第三世代』などを加えたい。」 ―ダニエル・シュミット
373 :
名無シネマ@上映中 :04/03/12 02:53 ID:J5WDs6wQ
日本では20年以上経った今でも、理解どころか公開すらされていないが、 最高傑作。
374 :
名無シネマ@上映中 :04/03/12 04:04 ID:fKgIYgzS
ファスビンダーの「天使の影」は反ユダヤ主義というレッテルを 貼られてヨーロッパ中で大混乱を引き起こしたけど、 ヴェンダースの「まわり道」で元ナチの老人を威嚇する主人公は、 この映画に登場する反ユダヤ主義者と同じくらい醜悪だと思う (のは、日本人だからだろうね。当事者のドイツ人ではなく)。
375 :
名無シネマ@上映中 :04/03/12 05:30 ID:6YiYRycY
「ハンナ・シグラは映画デビュー前から知っていました。≪バンガロー≫という バーでファスビンダーとよく顔を合わせていたのですが、彼女もそこに来ていて、 ジューク・ボックスの前で踊ったりしていました。ファスビンダーが彼女と出会った のもそこです。『まわり道』に彼女に出てもらったとき、既にファスビンダーの 10本以上の映画に出演していました。ファスビンダーの作品ではとても生き生き している彼女が、『まわり道』でその生気が薄れて見えるとしたら、それは私自身の せいでしょう。」 ―W・ヴェンダース
「ホワイティ」と「インゴルシュタット」のBOXがあるなんて、 ファスビンダーがアメリカでよほど人気があるってことだな。 じゃなきゃこんな組み合わせあり得ない(w
377 :
名無シネマ@上映中 :04/03/13 14:42 ID:yWpZ7YbG
どちらもめずらしく凡作の気がする。
378 :
名無シネマ@上映中 :04/03/13 21:54 ID:IGT3Uerq
ラース・フォン・トリアーは、ファスビンダー、タルコフスキー、ヒッチコック、 オフュルスらを「精神的同志」と呼んでるね。
379 :
名無シネマ@上映中 :04/03/14 16:26 ID:HVR0SMMe
「第三世代」DVD化きぼん。
380 :
名無シネマ@上映中 :04/03/15 00:50 ID:AlRN2GX6
実はファスビンダーの母親が一番多く出てたりして。
381 :
名無シネマ@上映中 :04/03/15 03:37 ID:0vpDJVln
「この本は40年ほど前に書かれたものです。他のすべての本を忘れたと同様、 私はこの本も忘れてしまいました」 ―ジュネ
383 :
名無シネマ@上映中 :04/03/15 21:22 ID:zeMrRyJ7
「わたしは最近ファスビンダーの映画を見て、ほんとうに好きになりました。 ファスビンダーが開拓したものは、たとえば『マリア・ブラウンの結婚』に見られます。 衣裳は時代遅れであり、装置も古臭い。しかも映像は早撮りされているからとっても 汚い。最初はテレビドラマのような醜さなのに、そうした美学を越えたところで、 ある瞬間から内面から出てくる素晴らしさによって、傑作になっていく。その内面的な 価値は、たとえば絵画で、いろいろな色を塗り重ねて表面は絵の具の醜い塊になっている、 ところが美しさが内側から出てくる、そうしたことと同じだと思います。 ファスビンダーが証明したことは、映画は映像だけではない、ということです。 彼は映像だけでは映画にならないことを証明しています。表面的、美学的には醜い けれども、内面は素晴らしく美しい絵画というものが存在します。映画もそれと同じで、 わずかな予算でつくったために、すべてが醜いのだけれど、内面から出てくるものに よって、すごい力をもつ傑作になっていくことがあります。 これはひとつの超越的形式であって、ゴダールですら、その形式には至っていません。 ゴダールがやったことは、ファスビンダーに比べれば、絵画においてモンドリアンが やったようなことで、色彩の配合に十分注意を重ねています。 今になって、わたしはようやくファスビンダーの価値が分かってきて、彼の映画を 見たり見直したりしています。枕元の本のように、ファスビンダーの映画を研究して いるのです。」 ―フィリップ・ガレル
384 :
名無シネマ@上映中 :04/03/16 01:34 ID:1wyOGuG5
この発言に影響を受けた青山真治が、ファスビンダーについて何か 書いてたね。
ファスビンダー近所のビデオやに置いてねぇ 買うしかないのか?
386 :
名無シネマ@上映中 :04/03/16 04:00 ID:IgIOi3gO
>>385 TSUTAYA等の大手であれば、
・「マリア・ブラウンの結婚」
・「リリー・マルレーン」
・「ベロニカ・フォスのあこがれ」
・「ファスビンダーのケレル」
の4本のうちのいずれかはあると思います。
なお、買うにしても、日本語版DVDは、「リリー・マルレーン」だけ
しか現在、販売されていません。
その他の作品は、輸入版もしくは特集上映を待つほかありません。
より詳細なビデオ&DVD情報については、>>206-
>>210 参照。
>>336 すいません。
2つ目の見れないんですが、どういう意味なんですか?
教えてください。
>>386 えぇ〜マジですか
つーか近所のビデオやってツタヤなんです…
以前は3茶のツタヤ利用してて便利だったけど、今のツタヤは糞
要望書とかってあるのかな?直接店員に言おうか
390 :
名無シネマ@上映中 :04/03/17 01:59 ID:dmc8h86J
「……映画は、恐怖を記録する面に還元されてしまい、映画に残しておかねばならない ものをすでに使いきってしまい、だから、そこには未来がなくなり、つまるところ 観客を失ってゆく……。映画のもう一本の足が強くなければならなかったわけだ。 その足とは、ベルイマンやファスビンダーという映画作家によって代表される画だ。」 ―セルジュ・ダネー
>>389 ツタヤはリクエストで取り寄せ可能だった筈ですよ。
ただ、時間はかかるらしいですけど(2週間くらい)。
ちなみに、新宿ツタヤは4本とも揃ってます。
お手数かけてすいません。 にしても、「リリー・マルレーン」の編集はなんであんなに粗雑なんだろ…w
393 :
392 :04/03/17 09:45 ID:u73nS5pF
394 :
389 :04/03/17 21:40 ID:eiazR6Q2
>>391 うぅ度々ありがとん
新宿まで遠征するか
>>394 余計なことかもしれませんが、
新宿ツタヤのファスビンダー映画は貸出中の可能性が結構、
高いので、電話確認しといた方がいいですよ。
397 :
名無シネマ@上映中 :04/03/19 04:37 ID:42qJcwQD
『マリア・ブラウンの結婚』・・・「ファスビンダーが証明したことは、映画は 映像だけではない、ということです」(フィリップ・ガレル) 『リリー・マルレーン』・・・「うん。あれはあまり見られる映画ではないな」 (ダニエル・シュミット) 『ベロニカ・フォスのあこがれ』・・・「彼は自分の夢を収容する場所をつくり つづけ、疲れきってしまった」(セルジュ・ダネー) 『ファスビンダーのケレル』・・・「(『モーリス』とくらべて)断乎支持する」 (蓮實重彦)
398 :
名無シネマ@上映中 :04/03/19 18:33 ID:QGpJ0Ybb
ファスビンダーでも駄作の部類に入る「リリー・マルレーン」しか 日本で発売されていないのは皮肉。
399 :
名無シネマ@上映中 :04/03/20 00:13 ID:ohZZiG3c
ハスミはファスビンダーほとんど見てなさそうだな。
400 :
名無シネマ@上映中 :04/03/20 02:32 ID:MhwgfNKK
>>398 けど、ゴダールが『映画史』で唯一引用してるのは『リリー・マルレーン』
だけだし(1A)、実際のところ評価はどうなんでしょうね。
401 :
名無シネマ@上映中 :04/03/20 07:45 ID:QpxEhzFf
Fassbinder's Favorite Plays 1. クライスト 『ハイルブロンのケートヒェン (Kaethchen von Heilbronn)』 2. シェイクスピア 『リチャード三世 (Richard III.)』 3. ヤーン 『町かど (Strasseneche)』 4. ヴェーデキント 『ルル (Lulu)』 5. フライサー 『インゴルシュタットの工兵隊 (Pioniere in Ingolstadt)』 6. トラー 『ヒンケマン (Hinkemann)』 7. ビューヒナー 『ヴォイツェク (Woyzeck)』 8. ブルックナー 『犯罪者 (Die Verbrecher)』 9. シュニッツラー 『輪舞 (Reigen)』 10. ハウプトマン 『ネズミ (Die Ratten)』
402 :
名無シネマ@上映中 :04/03/20 07:55 ID:QpxEhzFf
4. ベルクによるオペラの方もお気に入りのようです(
>>301 )。ダニエル・シュミットが
演出してるそうです。
5. 映画化もしていますが、本人は「最も期待はずれに終わった映画」の1つに
あげています。先入観があるからかもしれませんが、全体的に投げやりな印象が
否めません。
7. ヘルツォークが映画化しましたが、先を越されたのでしょうか。
8. 若かりし頃、演出したそうです。
403 :
名無シネマ@上映中 :04/03/22 02:16 ID:/fkhdDbC
「ゲイの監督たちすべてが、信じられないくらい強い足跡を残している。実に生命力 の強い作品を造り出してきた。ファスビンダーも、パゾリーニも、強烈な個性の持ち主 で、他の人間が思いきってやれないようなことを、芸術の分野で繰り広げてきた。」 「ウド・キアを通じて、ファスビンダーのことはちょっとはよく知っているかもしれない。 彼は、ファスビンダーと数年間、同棲していた。……ぼく自身は、ファスビンダーの 作品すべてに夢中というわけではなかった。でも、たくさんの作品は素晴らしいと 思っているし、『ベルリン・アレキサンダー広場』は、傑作だ。ぼくは彼の人生の 生き方、自身の芸術性の利用の仕方に対して、ある畏敬の念を払っている。」 ―ラース・フォン・トリアー
「ベルリン・アレク(キ)サンダー広場」のスレってあったのかな。
405 :
名無シネマ@上映中 :04/03/22 23:55 ID:yz/T8Bvr
「もともと『ドグマ』というのは、ファスビンダーがやっていたことをより徹底した 形でやろうとした試みではないか、と僕は考えています。映画のエリートとして映画 内部の改革を目指したヌーヴェルヴァーグではなく、……『映画が何をすべきか』と いう大命題をその『外に向けて問いただす』ファスビンダーなのではないか、と。」 ―青山真治
406 :
名無シネマ@上映中 :04/03/23 21:49 ID:2IQN6dns
青山真治は「セレブレーション」をファスビンダーの裏返しの ような映画と言ってたけど、どういう意味なんだろう・・・
407 :
名無シネマ@上映中 :04/03/24 00:54 ID:1/ZJvXMv
「疑いもなく(少なくとも、ぼくにとってはだが)ファスビンダーは、彼のいた あの時代のもっとも才能豊かな監督だった。ダグラス・サークを偶像とあおぐ人間は、 ぼくの見立てではみんなAオーケイだ。ファスビンダーの映画は25本ぐらい見ている けれど、『エフィ・ブリースト』を除けばどれもよい(あれはTV映画で、退屈なのは そのせいか)。 ベスト作品ではみずから脚本も書いている。『出稼ぎ野郎』では、初期ファスビンダー・ グループのほとんどが壁の上にすわり、外国人たちをこきおろす。『何故R氏は 発作的に人を殺したか』は、平凡な家庭生活の悲惨さに新しい意味づけをした映画。 『聖なるパン助に注意』では、監督ファスビンダーとともに映画を作るスタッフの 大変さが、たいした潤色もなく描かれる。『ペトラ・フォン・カントの苦い涙』― レズビアンたちがなじりあい、ニューロティックな関係にけりをつける。『自由の代償』 ―粋なホモセクシュアルがカーニバルの作業員と恋におち、彼にマナーを教えようとする。
408 :
名無シネマ@上映中 :04/03/24 00:56 ID:1/ZJvXMv
(続き) そして最高傑作『十三回の新月のある年に』は、ある妻帯者の底なしに荒涼とした 人生と時代を描いたもので、彼は自分の崇拝する男から『お前が女だったらいいんだ』 といわれ、それ以上のさしたる理由もなく性転換手術を受ける。 ファスビンダーは実生活では、ひどくつきあいにくい男という評判だった。だが 撮った映画の数が、地上にいた年数と同じほどもあれば(しかも、それがみんないい 出来なら)、真の怪物と呼ばれる資格は充分にあるはずだ。もしファスビンダーが 睡眠などとっていたら、その天才はどこかへ蒸発してしまっていただろう。」 ―ジョン・ウォーターズ
TV映画じゃないのにね。
410 :
名無シネマ@上映中 :04/03/25 10:06 ID:F2hts3Su
「エフィ・ブリースト」といい「デスペア」といい、 文学作品の映画化ものはなにかと不人気ですね。 意図的かどうかはわからないけど、いつもの奔放さは 影を潜めて、かなり忠実にきっちりと映画化するのが 特徴なんですよね。 けど、やっぱりファスビンダーのオリジナルもののほうが、 斬新で面白いですけど。
411 :
名無シネマ@上映中 :04/03/26 03:28 ID:agBSOVtg
英語版のシナリオはあるんでしょうか。 たしかドイツ語版はほぼ全作品のシナリオが出てるんですよね・・・
DVD発売また延びたね。
413 :
名無シネマ@上映中 :04/03/27 02:25 ID:N49//Edx
やあ、ライナー。 君に初めて会ったのはいつのことだったんだろう? 僕の記憶では、あれはシュヴァービングのテュルケン通りにあったバー、「ブンガロー」 でのことじゃないだろうか。奥の部屋にはピンボールマシンが二台。手前の部屋には ジュークボックスがあった。壁には映画のポスターが貼ってあったっけ。木のベンチ、 木の椅子、それに落書が彫りつけられた木の机。「ブンガロー」は実に慎ましやかな 場所だった。
414 :
名無シネマ@上映中 :04/03/27 02:27 ID:N49//Edx
今でも覚えている。ジュークボックスの前で、一人の女の子が踊っていた。ウェイヴ のかかった髪をピンで留めていた。ハンナという名前だった。そして、ビールのグラス を片手に、何時間もぼんやりと立ったまま彼女を見つめていた男、それが君だった。 君たちは芝居をやっているグループの仲間同士だった。そこに集まるもう一つのグループが 「ミュンヒェン感傷派」と呼ばれていた僕たちだった。つまり、映画大学の学生たち、 クラウス・レムケ、ルードルフ・トーメ、マルティン・ミュラーといった映画作家たち、 それに「フィルムクリティーク」という名のマイナーな雑誌に書いていた何人かの連中と いったところだ。 ある日のこと、例のライナーがハンナと映画を撮ったという話が伝わってきた。低予算で 短期間に完成したということだった。あの『出稼ぎ野郎』だ。それから僕たちは、 君をまったく別の目で見るようになった。そもそも君は、美的な意味では僕たち 「感傷派」とは何一つ共有するものなどなかった。とはいえ、全員注目すべし! だった。 君は何しろ映画を撮ったのだ! 当時それは、僕たちのほとんどにとっては、 さしあたっては夢でしかなかったのだから。
415 :
名無シネマ@上映中 :04/03/27 02:29 ID:N49//Edx
それから僕の記憶だと、特にフィルムフェアラーク・デア・アウトーレンの集まりで 君と顔を合わせた時期が何年か続いたんだっけ。ほかの15人の映画作家たちと製作と 配給の会社を設立するという、面倒だったけど連帯感の感じられた作業をしたんだった。 それは「ニュー・ジャーマン・シネマ」の中核をなす、純粋に組織としての物質的な 利益共同体だった。例えばヌーヴェル・ヴァーグの監督たちとは異なって、僕たちの あいだには、たがいを結びつける美的方針とか文化的政策なんてものは存在しなかった。 しょっちゅう会ったり話したりしていた数年のあいだ、僕たちは映画の内容や映画言語 についてはひとことも話したことはなかった。 ずっとあとになってから、ハリウッドで君と会ったこともあった。オスカーの授賞式 だった。君と僕が何をしていたのかは、もう覚えていない。いずれにしても、二人とも その異国の地でタキシードを着て廊下に立ち、ひたすら途方に暮れていた。僕たちが おたがいの取り組んでいる仕事について尋ね合ったのは、そのときが初めてのことだった。
416 :
名無シネマ@上映中 :04/03/27 03:03 ID:1GuFWHHD
それから思い出すのは、ミュンヒェンの博物館内の映画館で夜遅くに会ったことだ。 君は少数の友人や知人たちに、完成したばかりのすごく自信を持っているフィルムを 見せようとしていたんだった。そのとき僕たちが観せてもらったのは、編集がすんだ 直後の『マリア・ブラウンの結婚』の試写用プリントだった。その映画は、君にしては いつになく入念に作られていた。そこでは、君が最後まで全力でその仕事に打ち込んで いたことが見て取れた。こんなことを言うのは、君の映画の中には、最後まで君がその 作品の面倒を見ていないような印象、編集作業とか仕上げの段階では、君はすでに次の フィルムの作業に入っていたんじゃないかという印象を受けたものもあったからだ。 しかしその作品は、あらゆる細部にまで君の筆跡が感じられるものだった。上映のあと、 外には雨が降っていたけど、数人が残って君にお祝いを言った。何だか驚いてしまったけど、 そんなことは僕たちには初めての経験だった。そのとき突然「ニュー・ジャーマン・シネマ」は、 ほんの一瞬ながら団結した共同体となり、その連帯は単なる目的を超えたものとなっていた。
417 :
名無シネマ@上映中 :04/03/27 22:32 ID:wh+a6Z6W
君と最後に会ったのは、82年5月のカンヌ映画祭だった。僕はかなりの人数の監督たちに、 ホテルの一室に来てくれるよう頼んでいた。部屋にカメラとテープレコーダーをセット しておいて、そこで一人で機器と向かい合う格好で映画の未来について何かを語って もらおうと思ったのだった。君は、午前の遅い時間だったのにホテル・マルティネの バーにいて、真っ青な顔をして、恐ろしいほど疲れ果てている様子だった。僕の意図と 質問内容とを説明すると、君は部屋に入っていったっけ。君がカメラの前で一人になって 話したこと、君の動作を確認したのは、それから数日後のことだった。そして何か月かが 過ぎて、僕がようやく『六六六号室』の編集を終えたとき、君はすでにこの世の人 ではなくなっていた。
418 :
名無シネマ@上映中 :04/03/27 22:34 ID:wh+a6Z6W
はっきりと覚えている。僕は夜行でミュンヒェンに到着した。陽光のあふれる駅前の 広場に出たとき、ほんの瞬きをするまに、新聞スタンドの大見出しが目に入った。 どれも同じことを伝えていた。ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー死亡。それは あまりに信じがたいことだったけど、一方では、君がずっと以前からこのゴールに 向かって走り続けていたということが、まるで僕たち全員にとっての了解事項であった かのようにも思えてならなかった。 君が死んでから、今年で10年になる。あれ以来、僕たちは大きな欠落を抱えて生きている。 それはいっこうに小さくなろうとせず、むしろ大きくなっているようだ。君が生きていたら どんな映画を撮っていたか、それを見られないことが寂しくてならない。 ソー・ロング。 1992年3月6日、ベルリン ヴィム・ヴェンダース
。・゚・(ノД`)・゚・。
420 :
名無シネマ@上映中 :04/03/28 03:49 ID:X7UVWzTu
今、NHKドイツ語会話の再放送をたまたま見ていたら、 クロイツベルクの同性愛博物館を取り上げてたんだけど、 ちょうどファスビンダー没後20周年回顧展が催されていたらしくびっくり。 いきなりファスビンダーの解説が始まりました。 ファスビンダー作品の写真とか、ファスビンダーの革ジャンとか出てました。 やっぱりドイツではすごいんですね。 羨ましい。
421 :
名無シネマ@上映中 :04/03/28 22:20 ID:3iLOYBpC
『出稼ぎ野郎』(西独、1969年)。この映画の恐ろしいところは、もっとも細かい ディテールに至るまで、どこにも喜びが存在しないということだ。この映画の編集は、 あたかも土曜の夜うんざりしながらテレビを1チャンネルから2チャンネルに切り換えて いるみたいなモンタージュであり、番組が変わるたびに、腹立たしさと悲しさは ますます募るばかりである。役者たちが皆そろってどうしようもなく頑迷な様子に 見えるのは、彼らが田舎者を演じているせいではなく、頑迷な制作方針のせいだ。 この制作方針に従って、役者たちはマリオネットのように、あるいはせいぜいのところ フォト・ロマンの登場人物のように表現されるのだが、ただしこの場合は、グラビア 雑誌で正体を隠しておきたい人物のように、両眼の上に黒い線が引いてある。 「あの女に優しくしてやるなんてとんでもないことよ」と映画の中で或る女が言う。 この死人たちの映画の中で、ハンナ・シグラ一人があまりにも生き生きとしているので、 彼女だけがカラーで見えるような感じがする。 ―ヴィム・ヴェンダース(「フィルムクリティーク」1969年12)
422 :
名無シネマ@上映中 :04/03/29 03:09 ID:lWyzIWe9
アモス・ギタイはファスビンダーとロッセリーニを リスペクトしてるんだよね。
423 :
名無シネマ@上映中 :04/03/29 21:52 ID:MckJPFZZ
ゴーレムにハンナ・シグラを起用したのは ファスビンダーへのオマージュでしょ。
424 :
名無シネマ@上映中 :04/03/30 01:11 ID:hjHY0/ou
「イスラエルで映画を作ることには不利な点が多い。権力と戦わなくてはいけないし、 ヘブライ語は500万人しか使っていない言葉だ。でも大きな利点は、コンテクストが あることだ。今日、たいていの場所ではコンテクストは商業主義的な意図で拡散して しまっている。ベラスケスを語るならスペイン王家のことをある程度知る必要があり、 そうした弁証法的参照は必要だと思う。同じ意味でロッセリーニやファスビンダーの 仕事が素晴らしいのは、ファシズムやナチズムのキッチュさによって破壊された映画 を復興させようとしているからでもある。またファスビンダーは自分の母をインタビュー したかと思えば大作劇映画を作ったり、テレビのためにアレクサンダー広場についての 大長編を作ったり、とても柔軟だ。同じことはロッセリーニにも言える。彼らは映画、 テレビ、ドキュメンタリー、演劇とさまざまな形式の可能性の探求に貪欲で、それは 僕も興味があることだ。」 ―アモス・ギタイ
425 :
名無シネマ@上映中 :04/03/31 00:46 ID:UYqrE4jJ
67 名前: 名無シネマさん 投稿日: 02/01/27 18:32 ID:LMLIAFaP セルジュ・ダネー「1945年以降〜映画はもはや発展していません」 J・L・ゴダール「最後の激発がイタリアのネオリアリスモで、 激発の激発がイタリアのネオレアリスモに由来するヌーヴェルヴァーグだった。 それから、私にとってほとんど唯一の人物であるファスビンダーがいた。 アンタイオスのように太っていて力強く、 自分の領域で、自分の庭でその激発を取り返そうとしていた……。」
保守
427 :
名無シネマ@上映中 :04/04/04 13:11 ID:U+V4ckru
age
hoshu
429 :
名無シネマ@上映中 :04/04/10 22:29 ID:yQ+ljguk
「ゴダール全評論・全発言V」 ファスビンダーをベタボメしてますな。
430 :
名無シネマ@上映中 :04/04/12 01:54 ID:+gmKC9Gl
「聖なる売春婦にご用心」の写真まで載ってるし。
431 :
名無シネマ@上映中 :04/04/13 21:34 ID:jZKvcP1Q
ゴダールはファスビンダーしか戦後ドイツの映画監督は いないような口ぶり。
hoshu
433 :
名無シネマ@上映中 :04/04/19 18:58 ID:CyZ0DT1N
「マルタ」「13回の新月がある年に」DVDがようやく到着。
434 :
名無シネマ@上映中 :04/04/22 21:39 ID:1h5zF7OC
感想きぼん
435 :
433 :04/04/24 21:53 ID:p+sH+vz5
とりあえず本編を見終わったので、感想を記します。 どちらも初見なので、まだ自分の中で整理できてない部分が大きいですが。 「マルタ」 とにかくマルギット・カルステンゼンがハマリ役! 「ぺトラ〜」と並ぶ彼女の代表作だと思います。 この人は、何と言うか、すごい美人...ではないんですけど 不思議な魅力がありますね。 内容的には、いかにもこの時期のファスビンダーらしい 恋愛関係の中の抑圧("躾け")をネタにしたドラマでした。 一種の異常心理ものではあるんですけど、余りに誇張されているので 見方によってはブラック・コメディのようにも感じます (というか結構笑いながら見てました)。 「13回の新月がある年に」 これは、正直上手く感想を纏めるのが難しいです。 「自由の代償」風のストレートなメロドラマを期待していたら、 完全に(いい意味で)裏切られたというか。 第一印象としては、よくこれだけの情報量を2時間に詰め込んだなあ という感が強いです。 屠殺場のシーンもそうですが、台詞や画面外のモノローグと音楽、騒音が 複雑に絡まりあって、なおかつチリの軍事政権の映像やファスビンダー本人 のインタビューが挿入されたり、とかなり破天荒なことをやってますね。 変な表現ですけど、普通なら物語を円滑に進めるために切り捨てて しまうようなノイズの許容量(?)に圧倒されました。 以上、とりとめのない文章ですみません。 これから特典映像のほうも見てみます。
436 :
名無シネマ@上映中 :04/04/25 16:55 ID:OArc81yx
音声情報(ノイズ)といえば、 評論集『映画は頭を解放する』(明石政紀訳)所収の『13回の新月がある年に』の 筋書きで20頁以上も割いている「二、経歴」の部分を、屠殺場とシスターとの再会 の2シーンで語らせ尽くしてしまうところは、「強引」を通り越して「圧巻」ですね。 私もDVDで見直してみましたが、やっぱり愛人自殺直後のハイパー・テンションで作った という感じですね。いつものファスビンダー映画も普通じゃないけど、これは別格という 気がします。行き着くとこまで行ってます。
437 :
名無シネマ@上映中 :04/04/28 21:45 ID:TMNLsJW6
438 :
433 :04/05/01 10:03 ID:dikrJapU
特典映像もなかなか面白かったです。 「マルタ」の方にはドキュメンタリー「Fassbinder in Hollywood」を収録。 ハリウッド映画から大きな影響を受け、自身もアメリカ行きを考えていたらしい ファスビンダーとハリウッドとの関わりについて、かつての仲間達が語るという内容です。 登場するのは、米国で監督として活動するウリ・ロメル、 "場末のマリリン・モンロー"ことハンナ・シグラ、 コッポラ製作による「ハメット」を撮ったヴィム・ヴェンダース、 スコセッシ作品等で活躍するミヒャエル・バルハウス といった面子です。 もしファスビンダーがハリウッドに渡ったとしたら、どんな映画を作っただろうか、 というのは誰しも興味深く感じるところだと思いますが、結局は残された作品から 各人が勝手に想像するしかなさそうですね。 バルハウスが言うように、もし米国に渡ったとしても最終的にはヨーロッパに 戻ったんじゃないだろうか、というのも一理あるような気がします。
439 :
433 :04/05/01 12:04 ID:dikrJapU
「13回の新月がある年に」の方には、ユリアーネ・ローレンツによる コメンタリー等もありますが、個人的にはヴェルナー・シュレーターによる 解説が収録されていることが一番うれしいです。 「聖なるパン助に注意」の頃と比べるとすっかり老けてはいますが、 例の黒ずくめの格好と、妙に浮世離れした存在感は変わりませんね。 「自由の代償」のようなシンプルなメロドラマ路線よりも、こちらの方が気に入って いるようで、ファスビンダーとの出会いから作品解説まで、あれこれ 脱線しつつ語っていて楽しめました。
豪華ですな
441 :
名無シネマ@上映中 :04/05/04 03:08 ID:TYK0VEQo
ダニエル・シュミット同様、ヴェルナー・シュレーターも 「13回の新月がある年に」をファスビンダーのベスト作品 に選んでいるところは、やっぱりなという気がします。
442 :
名無シネマ@上映中 :04/05/05 12:36 ID:5i5D3zn6
スレ違いですけど、シュレーターの「愛の破片」って面白いですか? 地元のレンタル屋には入荷しそうにないので、DVD買おうかどうか迷ってます。
443 :
名無シネマ@上映中 :04/05/06 01:12 ID:2FMjmDpw
>>442 エルフィ・ミケシュ撮影の映像美が○
いつもは冷たい感じのイザベル・ユペールが可愛らしくて○
チェルケッティに甘えるシュレーターがちょっとマザコンぽくて○
イングリッド・カーフェンの実姉がオペラ歌手だとわかって○
セルゲイ・ラリンを見つめる恋人の青年のド熱い視線が○
出来不出来の差が大きい紀伊国屋DVDのクォリティが不安で△
画質が良ければオイラも買うぜ!
444 :
442 :04/05/06 21:40 ID:KyUKj6da
>>443 レスありがとうございます。なかなか面白そうですね。
今度買ってみようと思います。
445 :
名無シネマ@上映中 :04/05/12 00:16 ID:Alf7ThPy
age
hoshu
447 :
名無シネマ@上映中 :04/05/23 00:16 ID:s6xxR2G0
保守
448 :
名無シネマ@上映中 :04/05/31 21:55 ID:fdlL2qbO
age
449 :
名無シネマ@上映中 :04/05/31 23:05 ID:hxL3L7r/
そういや今日はファスビンダーの誕生日だよね。
450 :
443 :04/06/02 08:26 ID:9lzzfJ8J
「愛の破片」思い切って買いました。 字幕は充実していたけど、映像は不安的中。 なんかぼやけ気味です。 他のDVDよりも割高なのだから もう少ししっかりして欲しい。 どマイナーな監督なので他からは出なそうだし すぐに廃盤になりそうだから買ったのに…。
「ベルリン・アレクサンダー広場」DVDBOXなんか出ないかなー
保守
hoshu
454 :
KINGLEAR :04/06/12 00:15 ID:Zjdsjemb
素敵な太陽あげる
455 :
名無シネマ@上映中 :04/06/15 02:14 ID:iV3uyQXk
ヘルツォークの新作「神に選ばれし無敵の男」、 どこかで見たことあるな、この悪相の眼鏡面と思ったら、 ファスビンダー俳優、ハーク・ボームだった。
456 :
MR偏見 :04/06/16 21:21 ID:O166oAJW
どこでみたらいいの 新月なんたら 教えてください
457 :
名無シネマ@上映中 :04/06/18 23:27 ID:2OaT84KI
Fantoma社からIn A Year With 13 Moonsというタイトルで 出てます。amazon.comでも購入可能です。 日本語字幕が未来永劫つくことのない、幻の映画でしょうね。
夢にでてきたよ 日本語字幕ついてる13新月なんたら 「なんだ あるじゃん!」て
maintenance
460 :
名無シネマ@上映中 :04/06/27 15:14 ID:idWT4mG7
age
hoshu
462 :
名無シネマ@上映中 :04/07/06 23:14 ID:kGY6eJv/
age
463 :
名無シネマ@上映中 :04/07/11 02:43 ID:CXZF/B7S
サントラもいいよね
464 :
名無シネマ@上映中 :04/07/15 00:35 ID:rTmfjAVM
ドイツ本国ではもうすぐ「R氏」と「秋のドイツ」 のDVDが出ますね。
465 :
名無シネマ@上映中 :04/07/18 15:55 ID:0PecbakE
ということはアメリカ版も間近か
466 :
名無シネマ@上映中 :04/07/22 23:57 ID:U3DtQfYX
ペニスを挿入しました。 しばらくお待ちください。
467 :
名無シネマ@上映中 :04/07/24 14:37 ID:cWsNQTPO
age
468 :
名無シネマ@上映中 :04/07/24 15:32 ID:f+ecccsa
へーーー、こういうスレが延々続いているのはすごいね。 多分3,4人の固定客が書いてるんだよね。 コテハンにすればわかりやすくていいのにな。
469 :
名無シネマ@上映中 :04/07/25 09:28 ID:LPGiIbYN
しばらくお待ちください。
470 :
名無シネマ@上映中 :04/07/31 22:47 ID:Idj1a1Qw
age
471 :
名無シネマ@上映中 :04/08/04 23:52 ID:zQBxmq6Q
保守
472 :
名無シネマ@上映中 :04/08/09 00:49 ID:4Z+oaTTx
hoshu
473 :
名無シネマ@上映中 :04/08/09 21:27 ID:PyQhMF5f
ageとくね
474 :
名無シネマ@上映中 :04/08/09 21:31 ID:SySvw0oI
sage@上映中
476 :
名無シネマ@上映中 :04/08/13 12:00 ID:hP+i3fLf
age
477 :
名無シネマ@上映中 :04/08/19 20:39 ID:jw9Ias5l
R氏発売age
478 :
名無シネマ@上映中 :04/08/19 22:48 ID:u+1O31Q0
俺はただ可愛い女子とセックスしただけなんだ!
480 :
名無シネマ@上映中 :04/08/27 04:19 ID:GqBXe/pS
クラフトワーク
482 :
名無シネマ@上映中 :04/08/30 00:46 ID:1YO+OVv3
シネフィル・イマジカの未公開作品枠で特集して欲しい
483 :
名無シネマ@上映中 :04/08/30 16:30 ID:P0BVBXhi
おまんこ盆バールヘッダドゴー
485 :
名無シネマ@上映中 :04/09/04 11:53 ID:QJKbBYMp
しばらくお待ちください。
486 :
名無シネマ@上映中 :04/09/04 14:24 ID:dR4e2HuR
ルクトワダーラクフーゴについて
487 :
名無シネマ@上映中 :04/09/05 18:36 ID:e8PAeT0y
エバィこード盆ゴお・レカルマージ・まンネシージャフオーダルヘッんル・イピについて
488 :
名無シネマ@上映中 :04/09/07 23:03 ID:mX7+q3hc
保守
ファスビンダーって大衆にも好かれたって話を聞いたんですけど。 本当ですか?
490 :
名無シネマ@上映中 :04/09/11 01:57:04 ID:2msmkOGh
>489 「大衆にも」じゃなくて、むしろ大衆こそファスビンダーを支持したのでは?
491 :
名無シネマ@上映中 :04/09/11 02:35:36 ID:B5e4ITeN
>>490 じゃあ日本で言えば、山田洋次系ですか。
(´Д`)
なんて(・∀・)!
国民性や国の歴史の違いかなぁ。
日本人って芸術嫌いで現実が嫌いなイメージ。
ル・イなんて(・∀・)!なんて(・∀・)!
493 :
名無シネマ@上映中 :04/09/11 23:09:00 ID:s85RpkYP
ついに「第三世代」のDVDが出たね(・∀・)!!
494 :
名無シネマ@上映中 :04/09/13 07:21:30 ID:NT5WxxqT
hosyu
495 :
名無シネマ@上映中 :04/09/14 15:56:29 ID:/xHG26PQ
>>493 おおお、マジで?
探してみますわ
「不安と魂」なんて、フジTVあたりがリメイクしたら
凄いことになりそう・・・
496 :
名無シネマ@上映中 :04/09/15 21:53:51 ID:cyMliLv0
本国での発売なんだよね。英語字幕ついてるのかな 米国版も早く出てほしい・・・
497 :
名無シネマ@上映中 :04/09/18 00:50:32 ID:KmOhs6D4
498 :
名無シネマ@上映中 :04/09/22 00:03:30 ID:rlztP+d0
age
499 :
名無シネマ@上映中 :04/09/26 23:49:03 ID:HvOq5oLM
hoshu
500 :
名無シネマ@上映中 :04/09/27 09:37:51 ID:YVIzJSyE
時代はうんこっこ
502 :
名無シネマ@上映中 :04/10/06 08:23:26 ID:QbeN4Bvh
蹴球版で、「マリア・ブラウンの結婚」をお勧めしたら、 あっさりとスレが落ちやがった・・・orz
ファスビンダーってヘルツォークとはどんな関係だったんですか?
504 :
名無シネマ@上映中 :04/10/11 12:52:02 ID:9jMchfo+
>>503 自分が選んだニュージャーマンシネマ監督ベスト10の下位に
入ってたような。
505 :
503 :04/10/12 02:14:52 ID:BFpqp1P2
>>504 レスありがとうございます。
一応評価してるっぽいですね。
でもあまり直接的な接点はなかったのかな?
最近ハーモニーコリンの流れでヘルツォークの「小人の饗宴」を観て
かなりショックを受け、ニュージャーマンシネマ系の作品を観てるんですが
とにかくファスビンダーの情報はほとんどなくて....
このスレは非常に参考になります。
ジーバーベルクはこきおろしてるな
507 :
名無シネマ@上映中 :04/10/15 22:41:58 ID:hFmiXaXm
ヴェンダースはぼちぼち健闘
508 :
名無シネマ@上映中 :04/10/17 13:31:17 ID:jeO17M1Y
「第三世代」はしばしばゴダール「中国女」と対比されて語られることが多いとか。
509 :
sage :04/10/19 19:29:04 ID:19wzvtVX
ケレルはどこにでもおいてあるな
510 :
名無シネマ@上映中 :04/10/21 06:02:52 ID:stfkwvGs
「第三世代」は、エディ・コンスタンティーヌとハンナ・シグラが ブレッソンの「たぶん悪魔が」について語り合う冒頭のシークエンス から引き込まれてしまう。
511 :
名無シネマ@上映中 :04/10/23 14:08:48 ID:xIZPvRhH
タルコフスキーの「惑星ソラリス」にも言及。
512 :
名無シネマ@上映中 :04/10/25 09:06:54 ID:gmGwvK+g
欧米では、「第三世代」と「十三回の新月がある年に」を、 ファスビンダーの中でも最も重要な作品と位置づける評論家 が多いように感じる。
513 :
名無シネマ@上映中 :04/10/28 21:21:55 ID:9qH6xyiu
hoshu
514 :
名無シネマ@上映中 :04/10/31 09:57:33 ID:4y2TrOVW
age
515 :
名無シネマ@上映中 :04/11/07 13:42:24 ID:fzEL3RZQ
age
516 :
名無シネマ@上映中 :04/11/07 13:43:36 ID:mWKHnf8s
ケレケレ(・∀・)ケレル
517 :
名無シネマ@上映中 :04/11/08 20:07:04 ID:nPxnFirP
ケレケケレケレレ(・∀・)ケレケケレケケレケレ(・∀・)ケレル レレケレケレ(・∀・)ケレケレケレ(・∀・)ケレルルル
518 :
名無シネマ@上映中 :04/11/12 22:01:01 ID:uShIDjZd
age
519 :
名無シネマ@上映中 :04/11/14 23:46:04 ID:pEsFmjXe
ヴァージン・メガストアのタイムズスクエア店のドイツ映画コーナーには ファスビンダーが溢れかえっていますね。次にヘルツォークものが散見され ましたが、ヴェンダースのは殆どありませんでした。 「十三回新月がある年に」なんて山積み状態でした。
520 :
名無シネマ@上映中 :04/11/20 04:17:49 ID:J3zhxgzb
hoshu
521 :
名無シネマ@上映中 :04/11/23 03:41:46 ID:chTAuf0H
11/23 17:50〜 東京・有楽町朝日スクエアにて 「ウド・キアー氏を囲んで」トークショー(無料)
522 :
名無シネマ@上映中 :04/11/26 00:35:09 ID:3Rgdnkee
昨日のフィルメックス。前半2本つづけてみた。 1本目。ウド・キアーとイングリット・カーフェン。 2本目。ハンナ・シグラ。 ファスビンダー組の役者たちが活躍していた。
ウド・キアーはどうして怪優と呼ばれているのいでしょうか。 フィルメックスで舞台挨拶的なことをしたのを見てきました。 しかし人のいい気さくなおじさんとしか思えませんでした。 ちなみに彼の映画は「ドッグビル」と「ナルシスとプシュケ」、「カウガールブルース」の三本しか見たことがありません。
524 :
名無シネマ@上映中 :04/11/29 14:10:33 ID:yjeB34X3
ウド・キアについて私見。 出演している百数十本もの作品のうちの ごくごく一部しか見ていないので、 そのなかでの印象に過ぎませんが 個性的な監督との仕事が多いことと 割合、エキセントリックな役柄が多いからではないでしょうか。 個人的にはファスビンダー作品での仕事よりも先に観たこともあり 「悪魔のはらわた」のフランケンシュタイン男爵や 「O嬢の物語」のルネの印象が、いまだに強いです。 近作では「キングダム」で"赤ん坊"を演じたのにびっくり。 「ナルシスとプシュケ」はおもしろかったです。 俳優にはやりがいのありそうな役柄でしたね。 自分も、素の状態でもエキセントリックな人の イメージを持っていましたが、このごろは それ以上に"役者バカ"な感じの人なのかなとも思っています。 ファスビンダーとの仕事をもっと観たかったです。
525 :
名無シネマ@上映中 :04/11/30 03:03:40 ID:riJ7pPel
526 :
名無シネマ@上映中 :04/11/30 21:57:19 ID:yEZ+mx4f
シュリンゲンズィーフ作品のウド・キアーは どれも変態ですが、最近日本で公開された ヘルツォーク「神に選ばれし無敵の男」では貴族主義的ナチ党員、 ファイト・ヘルマー「ゲート・トゥ・ヘブン」ではプレイボーイの 空港管理官と、比較的まともな役です。 (でもどこか変な感じはありますが…。)
527 :
523 :04/12/01 11:07:52 ID:KUTxTC+P
みなさん貴重なご意見ありがとうございました。「ナルシスとプシュケ」みましたが、どのあたりが面白いのか理解できませんでした。まだ映画の見方が浅いのかもしれません。スレ違いですが、同監督の「アメリカンポストカード」は良かったです。 次の作品の上映時間の都合で、舞台にいる時間は短かったのですが、「お話をしたい方がいたらロビーで待っています。」と言って下さったので握手だけでも、と思わないでもありませんでしたが、迷惑かと思い行きませんでした。 少しでも話をさせていただけばよかったかなあ、と少し後悔しています。
>523 普段はおしゃべり好きのとっても気さくなおじさんですが、 出演作品で笑っているところは少ないかもです。 ニヒルとかではなく、ぼーっとしているようにしか見えなかったりもしますが。 150本出演作品があるので、ほかにも見たことあるかもしれませんよ。 で、ファスビンダーに話を戻すと。 久方ぶりに米アマゾンをチェックしたら (私がまめにチェックしてたのはまだビデオしかなかったような頃だ!) 「Fassbinder Collection II」なんてものが。 でも品切れ。 これ持ってる人いる?
529 :
名無シネマ@上映中 :04/12/05 23:23:48 ID:hzkJ4jha
米版"The Fassbinder Collection 2"は 出たばかりだと思います。 もっとも、単品発売中の "In A Year With 13 Moons"と"Martha"の カップリングです。
530 :
名無シネマ@上映中 :04/12/10 19:31:24 ID:ZZVIyZi6
age
531 :
名無シネマ@上映中 :04/12/13 14:55:40 ID:wt1ccedA
ドイツ代表来日age
532 :
名無シネマ@上映中 :04/12/18 10:40:58 ID:OqU2nKfJ
FCアレキサンダープラッツ
533 :
名無シネマ@上映中 :04/12/24 15:00:56 ID:TH0BJQh5
age
534 :
名無シネマ@上映中 :04/12/30 15:36:56 ID:Xd0BolF+
hoshu
535 :
名無シネマ@上映中 :05/01/03 00:41:32 ID:Rj2wXEMc
age
536 :
名無シネマ@上映中 :05/01/05 14:13:57 ID:qrtr5IXV
詳細はしりませんが ファスビンダー作品の国内DVD化の はなしがすすんでいるらしいですね。 たのしみです。
537 :
名無シネマ@上映中 :05/01/09 15:51:14 ID:daYoMc5Y
楽しみだな。
538 :
名無シネマ@上映中 :05/01/12 00:28:52 ID:so4P+w+E
あんまり高くしないでね
539 :
名無シネマ@上映中 :05/01/14 22:31:26 ID:xYJ2KrP8
従来のラインナップにとどまらないでね。
540 :
名無シネマ@上映中 :05/01/14 23:03:25 ID:5XmoYJ3O
「マリア・ブラウンの結婚」 「リリー・マルレーン」 「ケレル」 はいらない、とゆーことだな
541 :
名無シネマ@上映中 :05/01/21 01:54:43 ID:+YJ8BW/+
自作トップ10あたりは欲しいな
542 :
名無シネマ@上映中 :05/01/25 22:14:02 ID:Xuz351XS
age
543 :
名無シネマ@上映中 :05/01/30 23:30:26 ID:4qvMaGLM
hoshu
ケレルはいる!
545 :
名無シネマ@上映中 :05/02/06 15:57:42 ID:i9YdGBUk
age
tes
547 :
名無シネマ@上映中 :05/02/15 01:15:45 ID:POyxWP0t
hoshu
548 :
名無シネマ@上映中 :05/02/20 14:23:41 ID:0JWV+Tpt
age
te
550 :
名無シネマ@上映中 :05/02/28 22:04:38 ID:11y7vZd3
age
551 :
名無シネマ@上映中 :05/03/03 22:28:27 ID:d755rZCY
hoshu
552 :
名無シネマ@上映中 :05/03/11 21:50:20 ID:XiitiX7W
age
553 :
名無シネマ@上映中 :2005/03/21(月) 21:27:03 ID:hp4wdkX7
age
554 :
名無シネマ@上映中 :2005/03/29(火) 00:26:39 ID:qHbuLurJ
age
555 :
名無シネマ@上映中 :2005/04/08(金) 00:51:00 ID:3tFgqpbB
hoshu
556 :
名無シネマ@上映中 :2005/04/13(水) 03:48:23 ID:tEa+dMDg
557 :
名無シネマ@上映中 :2005/04/21(木) 00:28:45 ID:s6gkldNi
age
558 :
名無シネマ@上映中 :2005/04/24(日) 05:35:41 ID:mLJwiJNW
アッパーイーストはMET前(5th Ave沿い)の Goethe-Institut New Yorkには、 ファスビンダー関連の書籍やDVDが 充実しています。
559 :
名無シネマ@上映中 :2005/05/01(日) 04:03:54 ID:nBq1TmJa
hoshu
560 :
名無シネマ@上映中 :2005/05/01(日) 05:00:39 ID:SR7pj/nQ
昨日深夜のサンダンス・チャンネルは、3時間「ドッグヴィル」を 放映した挙句、4時半からファスビンダーの「不安と魂」を放送するという かなり精神的にきついスケジュールだった。
クリスチャン・ホホフ、ブリギッテ・ミラ追悼
562 :
名無シネマ@上映中 :2005/05/08(日) 23:32:13 ID:HZYqL11G
キュスタース小母さんの昇天
563 :
名無シネマ@上映中 :2005/05/13(金) 05:04:55 ID:puNfCPiN
age
564 :
名無シネマ@上映中 :2005/05/14(土) 08:23:21 ID:Hrsl2wwJ
シナのルーレットみたいなぁ。若かりし時ユーロスペースみて歳とってから 再びモーレツにみたくなった。DVD化は進んでいるのですか?
565 :
名無シネマ@上映中 :2005/05/23(月) 20:22:23 ID:l9YmdcTY
age
566 :
名無シネマ@上映中 :2005/05/28(土) 05:08:32 ID:pUfSJwZH
黄金の声の少女
567 :
名無シネマ@上映中 :2005/05/29(日) 18:57:38 ID:kvagOe5C
どうやらベルリンアレクサンダー広場をもう一度見る必要がでてきたんですが、 どなたか去年シネフィル・イマジカで放送したのを録画されてる方 いらっしゃいませんか???
568 :
名無シネマ@上映中 :2005/05/30(月) 03:19:05 ID:9Txqbgjd
age
569 :
名無シネマ@上映中 :2005/06/06(月) 20:45:04 ID:eFa5kEof
hoshu
570 :
sage :2005/06/07(火) 08:15:51 ID:L5lOsFQL
どこのサイトが一番、詳しいですか?
571 :
名無シネマ@上映中 :2005/06/10(金) 23:04:59 ID:NhvgjVim
572 :
名無シネマ@上映中 :2005/06/15(水) 23:06:34 ID:ozyXOk46
age
573 :
名無シネマ@上映中 :2005/06/20(月) 11:00:56 ID:MiUPiN2q
昨日、テレビで「マリア・ブラウンの結婚」を放映してて たまたま観たが、出来はいいね。
574 :
名無シネマ@上映中 :2005/06/23(木) 03:20:02 ID:970kfQsY
来月は、「ペトラ・フォン・カントの苦い涙」が放送されますね。
どこどこ?
576 :
名無シネマ@上映中 :2005/06/25(土) 10:18:31 ID:jx5/VjBJ
>>573 どこでやってたの?
>>576 オオーッ!
やっと観れる〜〜!
おれ、リリー〜とケレルしか観た事無いんでつ(´ゝ`)
578 :
名無シネマ@上映中 :2005/06/25(土) 16:15:29 ID:48IHWEtx
一気に再評価されるんでしょうね。 「勝ち組」「負け組」を不必要に意識し歪みの生じている今の日本では、 いわゆる「負け組」の主人公の人生を「壮絶」ながらもどこか「温かみ」の ある視点から描くファスビンダーはむしろ広く共感を呼ぶ気もします。 これまで日本では頑なに無視されてきたので、どのようなことになるのか 本当に楽しみです。わが国から発信されてきた映画史の、欠けていたパズル の最後の一片が埋まるような気がします。 第1弾、ラインナップも変化球でなく王道できてますし(賛否両論を 巻きこしそうですが)。
579 :
名無シネマ@上映中 :2005/07/03(日) 13:13:45 ID:jxnzc28e
>>576 おおーやっと見れるっ!
「BOX1」ってことは立て続けに2,3って続くのかな?
「リリー・マルレーン」しか観たことないから、これで少しはファスビンダーが名前だけは知ってる巨匠から良し悪しを吟味できる対象になる。
しかし、東京の人は羨ましいですね。 大阪、名古屋などの主要都市でも観れないような映画がいっぱい観れて
582 :
名無シネマ@上映中 :2005/07/09(土) 02:28:40 ID:uhtnAEnO
西尾幹二先生が褒めていた。
583 :
名無シネマ@上映中 :2005/07/11(月) 11:31:26 ID:ou99RbWN
Gangster Trilogy、BRD Trilogy、同性愛ものから1本ずつという Box 1の流れから推測すると、 Box 2は 「悪の神々」「十三回の新月がある年に」「ローラ」 Box 3は 「アメリカの兵隊」「ケレル」「ベロニカ・フォスのあこがれ」 だろうか? 「第三世代」や「獣道」みたいなUS未発売のものも観たいが。
>>567 84年頃、東京のドイツ文化センターの図書館で見た。
まだあるだろうか?
585 :
名無シネマ@上映中 :2005/07/18(月) 12:53:29 ID:pDi8mzKm
ファスビンダーの後継者といわれるオスカー・レーラーの 「アグネスと彼の兄弟」観た人いる? 「十三回の新月がある年に」に着想を得たみたいだけど。
586 :
名無シネマ@上映中 :2005/07/23(土) 14:52:43 ID:9N9FrKMq
あ〜あ。 ウンコスキー監督のスレが復活しないかな
587 :
名無シネマ@上映中 :2005/07/28(木) 19:16:00 ID:i+XG26fn
>>585 「十三回の新月がある年に」に
着想を得たのは確かだと思えますが
ファスビンダー臭は嗅ぎとれませんでした。
ちなみに
自分は「焼け石に水」とかもダメだったので
参考になるかどうか。
スレ違いかもしれませんが
ダニエル・シュミット演出の
歌劇「シャモニーのリンダ」のDVD
最近、国内版が出たようですね。
588 :
名無シネマ@上映中 :2005/07/31(日) 04:41:34 ID:3dEAwOsz
>>587 大変参考になりました、有難うございます。
589 :
名無シネマ@上映中 :2005/08/01(月) 13:57:30 ID:ci7IKcz0
10/22 ライナー・ヴェルナー・ファスビンダーDVD-BOX 2 13回の新月のある年に ベロニカ・フォスのあこがれ ケレル 15,120円
590 :
名無シネマ@上映中 :2005/08/02(火) 02:06:08 ID:IaPYNeEV
このまま全作品が国内版DVDになりますように 関係ないけど 「拝啓天皇陛下様」を見てて 「マリア・ブラウンの結婚」を連想した。 なにか類似点があるとかどうのでないけど。 戦後復興ということかな。
591 :
名無シネマ@上映中 :2005/08/05(金) 02:03:17 ID:7h8BFke8
「13回の新月がある年に」がまさか日本で発売される日が来るとは 思わなかった。もう一つの問題作「第三世代」もお願いします。
592 :
名無シネマ@上映中 :2005/08/08(月) 05:34:48 ID:GpR82XAB
「第三世代」はUSでは年内発売予定らしいけど、 Fantoma社は遅いからなあ
593 :
名無シネマ@上映中 :2005/08/14(日) 01:10:52 ID:/FOQ9OIg
近所のレンタルで、『リリー・マルレーン』のビデオ発見。 みなさん、どうでしたか?
594 :
名無シネマ@上映中 :2005/08/17(水) 21:32:21 ID:y/AZ8drv
「第三世代」を下敷きに撮られたとされるライナー・オルデンドルフの 「マルコ1」見た人いますか。
595 :
名無シネマ@上映中 :2005/08/21(日) 10:38:22 ID:KQUJ3Ks8
英語版では「哀れなボルヴィーザー」もDVD化されるそうですね。
596 :
名無シネマ@上映中 :2005/08/26(金) 13:32:47 ID:mVFe16n9
フランスでも結構出てるんですね。
597 :
名無シネマ@上映中 :2005/09/05(月) 18:17:07 ID:IOukKngh
DVD出るまでに落ちたら困るので(別に誰も困らんけど)ageとこ
598 :
名無しさん@そうだ選挙に行こう :2005/09/11(日) 04:40:02 ID:3VDZveTC
age
599 :
名無シネマ@上映中 :2005/09/19(月) 20:47:23 ID:dNy6dB3Q
600 :
名無シネマ@上映中 :2005/09/27(火) 23:53:27 ID:MzrkhLL2
ファスビンダー本も発売されるな
601 :
名無シネマ@上映中 :2005/09/28(水) 00:21:35 ID:KC+Z+BKy
本。もう出ました。
602 :
名無シネマ@上映中 :2005/09/28(水) 00:25:52 ID:bUXyphU6
k
603 :
名無シネマ@上映中 :2005/10/01(土) 18:07:32 ID:sUswqU2u
金無いのにDVDBOX1買っちゃった 当然BOX2も買う 三度の飯を抜いてでもこれだけは買わねばと思い・・ さあじっくり観るぞ〜 そして絶望感にドップリ浸ろ
「愛は死より冷酷」「13回の新月がある年に」だけ欲しいんですが…>DVD-BOX
>605 ボックス買って、いらない作品はオクで売ればいい。
607 :
名無シネマ@上映中 :2005/10/09(日) 05:22:18 ID:blnS9j3J
ボックスどう?
608 :
名無シネマ@上映中 :2005/10/13(木) 02:03:04 ID:5EejnPTv
>>607 いいよ!勿論
買うべきだ
しかしこの人はあの若さでこれだけのものを撮り上げるんだから凄いわ
映画の内容も絶望的だけど、己の才能の無さを思い知らされて絶望する
609 :
名無シネマ@上映中 :2005/10/19(水) 10:01:39 ID:vUEZY3ri
610 :
名無シネマ@上映中 :2005/10/22(土) 22:06:57 ID:7eJ1l2eE
「13回の新月のある年に」発売記念
Box 3はどうなるのか? 「第三世代」「シナのルーレット」あたりを入れて欲しいが、まずいつ発売なんだ。
612 :
名無シネマ@上映中 :2005/10/29(土) 00:19:49 ID:C+wxcFQk
週刊SPAに特集記事。 中原と柳下の対談。
613 :
名無シネマ@上映中 :2005/11/06(日) 12:11:11 ID:QqVnwZCl
個人的ベスト10 1.「聖なるパン助に注意」 2.「第三世代」 3.「13回の新月のある年に」 4.「悪魔のやから」 5.「ベルリン・アレクサンダー広場」 6.「ぺトラ・フォン・カントの苦い涙」 7.「シナのルーレット」 8.「不安と魂」 9.「デスペア」 10.「愛は死よりも冷酷」
614 :
名無シネマ@上映中 :2005/11/06(日) 17:41:41 ID:gJIkyg+/
真似して個人的ベスト。10本に絞れなかった。 1.「聖なるパン助に注意」作品に漂う空気感は、単にファスビンダー作品で括るだけでは収まらない気がする。 製作年度の近いM・ヘルマン「断絶」や神代初期作を連想。ほかのファスビンダー作品にも共通するがこの作品はそれが顕著ではないかと思った 2.「少しの愛だけでも」あくまで自分の琴線にふれる作品として 3.「十三回の新月のある年に」たとえば撮影のひどさも含めて(それゆえに)すきではあったがDVDでみたら、ひどいというほどひどくなかったミーハーとしてベスト3には入れたい 4.「四季を売る男」物語としての完成度は一番高いのではないだろうか 5.「ペトラ・フォン・カントの苦い涙」ファスビンダーの演劇的側面の代表作 6.「ベルリン・アレクサンダー広場」集大成ではあると思うが、ほかの作品のダイジェストな印象も。でも、すきです 7.「あいの子ホワイティ」挙げたなかで、もっとも初期に属する作品。「聖なるパン助に注意」との関係も含めてこの作品がファスビンダー映画の最初の分かれ道だったのでは 8.「自由の代償」それまでにみたものもすきだったが、この作品をみてから、ファスビンダーのミーハーになったので 9.「シナのルーレット」かならずしも完成度が高いとは思えないが、ミーハー度の高い時期に接したので 10.「哀れなボルヴィーザー」「四季を売る男」の変奏。な気がするが、やはりおもしろい 11.「マリア・ブラウンの結婚」最初にみたころはハンナ・シグラ主演という認識だった。最近DVDでみかえしたが、やはりおもしろい 12.「不安と魂」ファスビンダー作品で一番社会的な作品では 13.「第三世代のテロリスト」ファスビンダー作品で一番観念的な作品では 14.「悪魔のやから」ファスビンダー作品で一番漫画的な作品では 15.「マルタ」マルギット・カルステンセンがすき 番外.「天使の影」監督作にこだわらなければかなり上位
615 :
名無シネマ@上映中 :2005/11/17(木) 23:24:05 ID:Qt/Vu7Df
age
BOXって2で終わり?
617 :
名無シネマ@上映中 :2005/11/28(月) 22:12:16 ID:CpYwypfz
「ベルリン・アレクサンダー広場」2007年にアメリカ版DVD出るらしい。
618 :
名無シネマ@上映中 :2005/12/10(土) 13:12:13 ID:rGnCyalE
「聖なるパン助」のソレントの海がいい
619 :
名無シネマ@上映中 :2005/12/20(火) 08:24:38 ID:dhdUndzZ
age
620 :
名無シネマ@上映中 :2005/12/20(火) 18:31:03 ID:R6bBvs/o
いちおう、本、雑誌などで映画監督の名前などはチェックし、 名の通った監督の作品は、ビデオなどで一作品くらいは観ておく私でも この監督の名前は知らなかった。 2ちゃんねるを覗くようになったのは最近だけど、 2chではよく話題になってるね。 シュレンドルフの「ブリキの太鼓」とともに「マリアブラウンの結婚」 が、ジャーマン・ニューウェイブとして持てはやされたのは知ってて、 ビデオ屋にも置いてあったが、ジャケットがそう面白くなさそうだし 評判も聞かないので観ずじまいだった。この作品の監督がファスビンダー だったとは・・・ 日本では、本当に、あまり話題にならないね。2chだけ?
うっせーはげ
ハスミンがファスビンダー嫌いだから
蓮見はハンナシグラが嫌いらしい
ほす
625 :
名無シネマ@上映中 :2006/01/10(火) 01:16:43 ID:eI8pQD3b
DVD買うかな
本当に蓮実の影響って無駄に大きいな。
627 :
名無シネマ@上映中 :2006/01/13(金) 14:21:46 ID:2nUclSiz
age
628 :
名無シネマ@上映中 :2006/01/14(土) 12:19:39 ID:YFGv1KlX
ハスミン大嫌い
630 :
名無シネマ@上映中 :2006/01/30(月) 05:30:45 ID:Heyzdgdg
hoshu
ハンナ・シグラの顔が嫌いと言うけど 彼女の顔って特に嫌悪感引き起こすほど目立つ特徴はない様な。 ハスミンてデボラ・カーのことも 「間抜けな顔」とか言って毛嫌いしてたな。
ペトラ・フォン・カントの苦い涙見てきた