踊る大捜査線 THE MOVIE 2 Part17

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772名無シネマ@上映中
時計の短針が丁度12を指すと同時に、湾岸所刑事科にも慌しい中でも食事を始める者が出始める。
勿論、妻子もちの人はお手製弁当だったり、独身の男性達は近くのコンビニで買ったパンやラーメンだったりして。
今日はこれといった大きな事件も無く小さな事件も午前中に一段楽していた盗犯係と強行犯係のメンバーは、
久しぶりにゆったりとした昼食を取ることになっていた。
勿論湾岸所で名物コンビと謳われている青島とすみれも。

「青島君、お弁当持ってきてくれた?」
「ん、ああちょっと待ってよすみれさん」

すみれは自分の机から椅子に座ったまま後ろへ移動して、背中合わせの彼の椅子にこつんとぶつかりながら喋りかける。
それににっこりと笑いながら応えた青島は、カバンの中をごそごそと探って大きめの包みを2つ取り出して。
彼もそのまま彼女の椅子までキャスターを移動させるとくるりと方向を転換させて彼女に向き直る。
そして、包みの1つをゆっくりと彼女に渡してやる。


「はい、約束の作ってきたよ」
「ありがとう!!青島君!!」
「いえいえ、お姫様の為ならば」
「何変なこと言ってるのよ。あ、リクエストの入れてくれたかな?」
「勿論♪抜かりなくすみれさんの好きなものはちゃんと入れておいたからv」
「うん!!」
773名無シネマ@上映中:03/09/23 01:10 ID:MA0ZgL6E
またか…

いい加減にすれや
774名無シネマ@上映中:03/09/23 01:12 ID:NXJUaiko
島の答えに満足したようにすみれは満面の笑みを浮かべると「じゃ早く食べよ?一緒に」と青島のスーツの裾をくいっと引っ張った。
そんなすみれの動作に青島も満足したように頷くと、青島も自分の分の弁当の包みを掴むと自分の机にそれを広げ始める。
どうして青島がすみれの分もお弁当を作ってきたかというと、単純にすみれからのお願いでだ。
実はずぼらそうに見えて結構自炊が得意だと豪語していた青島に、すみれは「じゃあ今度お弁当作ってきてよ?」と頼んだのだ。
勿論、それを断る理由もなしに青島はすみれの好きなモノと彼女のリクエストに応えるべくお弁当を作ってきたというわけだ。
「わ、わ、わ。凄い飾りつけも綺麗ね!!」
「そう?適当にしちゃったけど」
「そんなこと無いわよ。うん、凄い美味しそうvいっただきます♪」
「いただきます」
背中あわせに2人同時にお弁当を開けて合唱する。
すみれは青島のお弁当に食べてる間も感嘆の声を挙げ、美味しい美味しい呟いている。
青島はそんなすみれにいたくご満悦で、ニコニコしながら自分の弁当に箸を突いている。
そんな2人のほのぼのな空気に、刑事科の面々は次第に自分の箸を止めて彼らに眼が行ってしまう。
そんな周囲に気付かずに2人はお構い無しに会話を進めていく。
「この卵焼き甘くて美味しい・・・・・・」
「良かった。卵焼きの味付け合わなかったらどうしようと思った」
「青島君のものなら何でも食べるけどね。ね、今度作り方教えて?」
「あーいいよ、じゃあ俺毒見係だ」
「言い方が悪いわよ」
「嘘嘘嘘です。簡単だからすみれさんもきっと作れるって」
「そう??あ、このエビフライも美味しいvこれ冷凍モノ?」
「んーん?そんなの家に無いし自家製ですよ奥さん」
「何が奥さんよ。でも本当に美味しい」
「お褒め頂き光栄だよ、すみれさん」
775名無シネマ@上映中:03/09/23 01:13 ID:pJDnJDUU
そろそろ荒らしとして報告しておくかな…他の板もやってるんだったら
十分規制対象でしょ
776名無シネマ@上映中:03/09/23 01:14 ID:NXJUaiko
その言葉を待っていたかのように青島はにっこりと更に嬉しそうに微笑んで、すみれの口元に箸を動かした。
それはもう多少の威圧感と共に。有無を言わさず「さ、早く」と促しているようで。
周りから見ればそれは、「はい、アーン」な図なので一部の人間などは固まっていたが
雪乃などは冷静にお弁当箱にウインナ−を置いてあげればいい事ですよね。等と心の中で突っ込んでいたとか。
それは兎も角、湾岸署刑事科の殆ど全員がその2人に視線を集めている中。
暫く驚いて固まっていたすみれが行動を起こした。
そのまま口を開けて青島の掴むたこさんウインナ−に一口で齧り付いたのだ。
その時彼女の顔が多少赤くなっているのを青島はしっかりばっちり見届けて。
そして、微かににやにやしながら無言でウインナ−を食べているすみれに喋りかける。

「美味しい?」
「・・・・・・・うん、美味しい」
「すみれさん、残りのご飯こうやって食べさせてあげようか?」
「・・・・・・・っ////・・・・遠慮する」
「残念」
「残念じゃ無いわよ」
ぼそりと照れながら言うすみれの姿に青島はまたにこにこと笑って、彼女の頭をポンポンと撫でると自分の椅子から立ち上がった。
そして照れて今だ上を向いていないすみれを見てから周りをぐるっとみて威圧を込めた笑みを皆に振りまいた。
その笑みには「何か文句ありますか?」な意味合いが込められている気がして皆は一斉に視線を思い切り逸らすと
何とか自分のやっていることに集中しようとする。
もうこの2人を何とか視界からうやむやにしようとして。