STARWARS〜SHADOW OF REVENGER〜
主な登場人物
1.ニック・レヴァール
ジェダイの失われた20人の一人,リーヴェル。ナバートスからフォースを学んだヒューマン。
ライトセーバーの二刀流を得意とする強力なフォースの持ち主。(マスターであるリーヴェル
をシスの暗黒卿に殺され、その復讐を誓う。)
2.ディーン・ボルドー
マンダロアの戦士(ジャンゴの服はそこから取った) の生き残りである賞金稼ぎ。連射を得意とし
その武器のバリエーションはとどまることをしらない。
3.リーヴェル・ナバートス
失われた20人の内の一人でニックのマスター。コレリア人でライトセーバーの達人。
4.ダース・モール
シスの暗黒卿、ダース・シディアスの弟子。
5.ダース・シディアス
シスの暗黒卿、ダース・モールの師匠。
6.フランク・ノートン
仲介屋。ニックに賞金稼ぎの仕事を紹介する。
7.サイラス・ピート
賞金稼ぎ。ニックと同じ惑星出身。
8.クワイ=ガン・ジン
ジェダイマスター。オビ=ワン・ケノービの師。アウトロー的なところがある。
9.オビ=ワン・ケノービ
修行中のジェダイ。クワイ=ガン・ジンのパダワン。
10.パーシバル・トレバー
ヴァーク人のジェダイ。ジェダイマスター・レイモンド=ウィル・バーツのパダワン。
11.レイモンド=ウィル・バーツ
冷静沈着にして豪胆さをもった人間のジェダイマスター。パーシバル・トレバーの師。
ライトセーバーの達人でありリーヴェルの良き友であった。
12.パルパティーン元老院議員
ナブー代表の元老院議員。
13.レリック・ベイカー
情報屋。闇ブローカーとも通じており広範囲の情報網をもつ。
序章 シスの暗黒卿
1.
宇宙は広く広大だ。その銀河系から一人の人物を探し当てるなど不可能に近いことである。
しかしその不可能を可能にしてしまう者がいるとしたら、人々は口をそろえてこう言うだろう。
「それはジェダイだ。」と。
ジェダイとは平和と正義の守護者、既知の宇宙で最も徳高き者として知られている。
そしてフォースを味方に1000世代に渡り銀河の秩序と統一を保ってきた。だがジェダイの
輝かしき歴史の中で、様々な理由でジェダイを去っていった者が20人いる。
その内の一人、リーヴェル・ナバートスは、銀河共和国の首都・コルサントから遠く離れた惑星、パーム
で隠遁生活を送っていた。パームは資源に溢れる非常に進んだ都市惑星である。そこで彼は強いフォース
の持ち主と出会い、その少年に自ら教えを導いていたのである。リーヴェルが教えを説いてから10年、
少年は青年へと成長していた。青年の名はニック・レヴァール、惑星パーム出身のヒューマンである。
ニックは2歳の時、両親を事故で亡くしパームの孤児院で暮らしていた。そして8歳の時リーヴェルと出会い、
フォースを学んだ。ニックはジェダイのことは孤児院の本等で読んだことがあり知っていた。
まさか自分がそのジェダイになれるとは思ってもいなかったし夢のようだった。
彼はリーヴェルに誘われたとき初めて自分の運命を悟った。自分はジェダイになって人々を救うのだと。
そのために自分は生まれたのだと。
そして今、ニックは18歳となっていた。精神、技術ともに成長し、ジェダイと呼ぶにふさわしい力を身につけていた。
そしてそのとき初めて自分のマスターがジェダイを去っていたこと、自分はジェダイではないことを聞いたのだった。
しかし彼は驚かなかった。むしろリーヴェルに感謝していた。生きる目標のない自分を見つけ、ここまで育ててくれた
のは紛れもなくこのリーヴェル・ナバートスなのである。例え自分がジェダイではないとしても、この力を使って人々を
助けることはできるはずだ。そう思っていたし心に誓っていた。そして偉大なマスター・リーヴェル・ナバートスを心から
尊敬していた。
だが二人を覆う影は徐々に近づきつつあった・・・
2.
惑星パーム。この惑星は資源に富み、科学技術も非常に発達した都市惑星である。タワーやビル、光塔などの高層建築物
に覆われている都市の中心、空中を飛び交うスカイカー、中心から離れた町では多くの人で溢れている市場、
賑やかな広場等がある。その発展した文明は首都コルサントに勝らぬとも劣らぬものであるが、人口はコルサントの3分の1と、
コルサントほど注目を浴びてはいなかった。その理由はこのパームがあらゆる星から離れた不便な場所にあるということである。
ここからコルサントに移動するには頑張っても2週間はかかる。それほど辺鄙な場所にこの星はあった。また治安も悪く、
数多くのギャングが存在し、強奪やスリ、殺しが日常茶飯事であることも理由の1つである。ニックの育った孤児院はその中心から
離れた中でもかなりの田舎の町にあった。そこは都市の周辺ほど治安は悪くなく、親のいない子供が集められる孤児院が数多く
存在することから「チルドレンズ・ワールド」と呼ばれていた。ニックはこの町でリーヴェルと出会い、学びを得た。
そして今、師であるリーヴェル・ナバートスと共に旅立とうとしていた。
町から少し離れた場所に一機のトランスポートシップが着地している。その側で、
今正に出発しようとするニックとリーヴェルが会話をしていた。
「マスター、準備が整いましたが、話とは?」
リーヴェルはおちついた表情でニックに話しかけた。
「まあ座りなさいニック。今からお前に重大な事を話す、心して聞きなさい。」
ニックはマスターが表情とは裏腹にいつもの様子と違うのを感じ取った。
そして神経を集中して話を聞き始めた。
「今から言うことを覚えときなさいパダワンよ。私はジェダイを去った後すぐに、ある人物と会談した。
その人物はニモ-ディアンで名は明かさなかったが私にある情報を売りたいと言ってきたのだ。」
ニックは黙って話を聞き続けた.
[そして私はある重大な事実を知らされた。その男はトレードフェデレーションの一員であり、
フェデレーションがシスの支配下にあるというのだ。臆病なニモ-ディアンはそれが恐ろしくなり
私に助けを求めてきたというのだ。男は自分の身の安全及び多額の通貨と引き換えにさらなる
情報の提供を約束した。だがその男はその後消されてしまった。私は当初信じられなかったが、
私の直感がシス卿の復活を感じていた。そしてその男の死によってそれは確信へと変わったのだ。」
ニックはゴクリと唾を飲みこみ聞き返した。
「しかしシスの暗黒卿は1000年も前に滅んだのでは?復活したといってもそれをジェダイカウンシル
が気づかずにいるはずがない。」
リーヴェルは即答した。
「まだまだ修行が足りんな若きパダワンよ。ダークサイドは見えにくい、偉大なるマスターヨーダといえども
見えぬものはたくさんある。そう私は思っている。シス卿の復活にしてもそのニモ-ディアンが嘘をつくとは思えなかった。
その男の心には恐怖が渦巻いていた。あれほどの恐怖を感じさせるものは暗黒面としか考えられん。」
マスターリーヴェルのいうことはいつでも正しかった。そして間違ったことは決していわない、そうニックは信じてきた。
今度のことにしてもリーヴェルの判断が間違っているとは微塵にも思わなかった。
「マスター、ではそのことを評議会に連絡に?」
リーヴェルははっきりとした口調で答えた。
「ああ、私はこの10年間お前に教えを説く傍らシス卿の復活について調べてきた。
そして重大な証拠を発見したのだ。」
マスターリーヴェルはとある物体を取り出した。
「これはホロクロンという。様々な情報・秘密を映像・音声化してしまうことのできる至高の物だ。
この中にはシス卿が企んでいる壮大な計画が収められている。」
ニックは驚きを隠せずに言った。
「一体何が!?シスの暗黒卿はどんな計画を?」
「うむ」
そしてリーヴェルがホロクロンを置き起動させようとしたその時!!
突然、激しい衝撃に襲われリーヴェルは地面に叩き付けられた。
目もくらむようなまばゆい閃光とともに、近くのトランスポートシップが爆発したのだ。
ニックの姿が見えない、どうやら破壊された瓦礫の下に埋まっているようだ。
だがその赤々と燃える炎の中から一つの人影が歩いてくるのが見えた…
男は全身に赤と黒の斑な刺青を施していた。そしてその表情は苦痛と怒り・敵意が満ち溢れていた。
リーヴェルは即座に悟った。シスの暗黒卿だと。
シスは双刃のライトセーバーを構えて起動した。二本の純粋なエネルギーが真紅の輪となってライトセーバーの両端にある放出口からほとばしり、
うなりを発し空を切った。この異型のライトセーバーは、リーヴェルがジェダイだったころ訓練で使用したことがあった。その扱いは非常に難しく、
これを完全に使いこなす者は真に闘いに秀でた者だけだということを、リーヴェルは知っていた。そして考えるまもなくシスはリーヴェルめがけて斬り込んできた。
リーヴェルはライトセーバーを起動し構えた、シスはセーバーの先端に向かってくるりと回り、体を外にひねると胸の高さで両手を水平に振った。
右に光波がリーヴェルの光波と重なり激しい音を立てた。リーヴェルは内心驚いた。シス卿と闘うのは初めてのことであるがこれほどの力とフォースの持ち主と
闘う経験はいまだかつて無かったのだ。
再びシスはライトセーバーをひねり、型を新たなものに変え、すばやくしゃがみこんで左の光波をリーヴェルの下半身から上半身へと一気に押し上げた。
このすさまじい一撃をリーヴェルはなんとか防いだものの直後にシスの発したフォースで空に浮き、その隙を逃さずシスは光波をリーヴェルのライトセーバー
の柄を目掛けて突き出した。リーヴェルの手からセーバーが弾かれ、リーヴェルは地面に叩き落された。先ほどの爆発の影響か、体が思うように動かない。
リーヴェルは、これではこのシスにやられてしまう、そう感じた。だが、例え万全な状態であったとしてもこのシスに自分は勝てたのだろうか、リーヴェルは思った。
このシスは闘いにおいてはあらゆる技能を取得しており長けている、これはど強い力を感じるのはジェダイカウンシルの長、メイス・ウィンドゥと立合った以来だ。
しかしリーヴェルは負けるわけにはいかなかった。この場を乗り切り、自分の使命を果たすことが人々の平和のために必要なのだ。
リーヴェルはそう思い、フォースでライトセーバーを引き寄せ、すばやく起動した。シスは苦痛と怒り、憎しみ、そして何故か喜びの
混じった顔で再び攻撃を始めた。油断無く光波を左右にひねり、突いては離し斬り込んでは離しと両者気の抜けない攻防が続いた。
シスはこのジェダイと思われる相手と対峙して、ジェダイに対する怒り、憎しみはあったものの初めての相手となるジェダイが、
これほどの使い手だったことに感謝し、喜びの念を覚えた。男はその師によってあらゆる闘い方、そして隠密に行動する術などを学んできた。
それもその師の手足となり目的を達するための手段として役立つためである。そしてジェダイを倒すことは師の目標でもありこのシスもそれを生きがいとしていた。
幼き頃からジェダイを憎み、倒すように育てられてきた男は今正に目標のスタート地点にたったのだ。目の前にジェダイがいて自分と闘っている。だがその初勝負ももうすぐ終わる。
このジェダイは自分の光波によって切り殺されるだろう。シスの男はそう感じた。
休む間もない攻防が続くなか、シスはわざと隙を見せた。左腕を大きく横に動かし、わざと無防備にして、構えをといた。
これを見逃がさずにリーヴェルはすばやく光波をひねりすかさずシスの胸目掛けて突き出していった。
シスは体を沈め、右足をリーヴェルのくるぶしにひっかけて、ぐいと引きながらリーヴェルの太ももに蹴りをいれた。
リーヴェルはバランスを崩し倒れこんだ。ぱっと立ちあがろうとしたその瞬間、シスの繰り出した光波がリーヴェルの頭を貫いていた。
そのジェダイの頭はぐしゃりとつぶれ、まるで人形のように前へと倒れこんでいった。
シスは四方から飛びかかる敵を予測して再び構えをとった。だがその気配はすでに消えていた。
シスは息を吐き出し、体の力を抜いてうなずいた。そして誰もいないのを確認すると、落ちているホロクロンを手にし、再び闇の中へと消え去った…。