■邦画■成瀬・黒沢・小津・溝口以外■監督■2

このエントリーをはてなブックマークに追加
64日本映画愛好者
「鶯」は、ワンステージ喜劇の秀作。久松静児「警察日記」に似ているのは、原作者が同じ
(伊藤永之助という人)せいか?
「小島の春」は、ハンセン氏病の患者を救おうとする保健婦の話で、詩情溢れるロケが
素晴らしい。
しかし、この場合の「救う」とは、療養所に隔離するという意味で、いまとなっては、
人々の善意が結果的に歴史の悲劇をもたらすという、微妙な作品である。療養所の
中が、ときには命すら奪われる、患者に対する苛酷な懲罰が罷り通る、閉鎖的な恐怖政治
の世界でもあったことがわかってしまったからな・・・
こういう映画にこそ、作品性とその歴史性を勘案した公正な評価が欲しいが、まず日本ではムリだろうね。