1 :
名無シネマ@上映中 :
02/09/27 23:46 ID:/jEGAB2Q わかりそうでわからん!! 誰か親切な人簡単でもいいから わかりやすく説明してください あとついでにティムロスのライアーの ラストの意味もよくわからんので よかったら教えて
2 :
名無シネマ@上映中 :02/09/27 23:47 ID:n3LBPSDn
2
3 :
名無シネマ@上映中 :02/09/27 23:48 ID:h0jGPRpU
最初から意味なんか考えてないでしょ 滅茶苦茶やっただけの映画 適当に作っただけの映画
4 :
名無シネマ@上映中 :02/09/27 23:53 ID:/jEGAB2Q
5 :
名無シネマ@上映中 :02/09/27 23:58 ID:h0jGPRpU
本当に好きなように撮ったという以外の何物でもない映画 それを良しとするかどうかはまた別の話
ビル・プルマンがいいのではないか 主題曲はD.ボウイだっけ?
7 :
名無シネマ@上映中 :02/09/28 00:03 ID:EFJshDSP
デビッド・リンチは言うほど変人ではありません。 デビッド・リンチは言うほど凄い監督でもありません。 なのでデビッド・リンチは何を差し置いてでも見るべき対象ではありません。
8 :
名無シネマ@上映中 :02/09/28 00:12 ID:D7qVECLi
教えてくれ ピート≠フレッド なのか??
9 :
名無シネマ@上映中 :02/09/28 00:15 ID:0ObQuaM/
∧∧,..,、、.、..,_ /i ;'゚Д゚ 、、 :、.:、:,`゙:.:゙:''':,'.´ -‐i '、;: ...: ,:. :.、.:',.:;.;;..; :..‐'゙  ̄  ̄ "∪∪' "∪∪'
10 :
名無シネマ@上映中 :02/09/28 00:21 ID:xL1HXXni
映画の主人公のモデルは女房殺した?元アメフトの黒人選手 名前なんだっけかな?
11 :
名無シネマ@上映中 :02/09/28 00:31 ID:krLCUbRg
ピートとフレッドは別人なのか??? ああ・・・マジでわからんね
12 :
名無シネマ@上映中 :02/09/28 00:47 ID:erj2fPxu
>>3 いや、つくった人の意図なんか関係ないでしょ。解釈するのに。
13 :
名無シネマ@上映中 :02/09/28 01:53 ID:6MHuD6Kt
ピートとフレッドは同一人物なの??? ま・・・まさか観た人誰一人としてわかってないんじゃ・・・ 恐ろしい・・・
14 :
名無シネマ@上映中 :02/09/28 02:11 ID:j51Wa0wt
15 :
名無シネマ@上映中 :02/09/28 02:14 ID:Lc4KRlcX
マルホランドは解釈十分可能、というか解釈を楽しむ映画だが、 ロストハイウェイは不可能。 ロスとの謎解きはナンセンス。ただ感じろ。 と思うのはおれだけか?
リンチが撮った最高のギャグ映画。 劇場で見たとき笑いが止まらなかった。
17 :
ゴル :02/09/28 05:38 ID:xL1HXXni
ロスト・ハイウェイは、殺人者の精神構造みたいなものを描いたらしい。 つまり殺人者は自分が殺人を犯したことを受け入れたくない、 だから頭の中で記憶を組替えたり、別の人格を作ることにより現実逃避をする。 フレディは、奥さん(レネエ)の浮気を疑い、ついには惨殺してしまう。 しかし、その現実を受け入れたくない。 そこで無意識のうちに記憶を再構築し、さらに妄想の中で別の自分を作り上げる。 警察署でのフレディの記憶=すでに都合良く組みかえられたもの ピートはフレディの妄想の中で作り出した別人格である自分 多分こんな感じ。
18 :
名無シネマ@上映中 :02/09/28 14:10 ID:/3RvbG2I
>>17 看守は「違う人物になってる」とハッキリと言っている
ラストの現場検証で「ピートの指紋」とハッキリ言っている
19 :
名無シネマ@上映中 :02/09/28 21:33 ID:PODjnz4W
ああああわかんねええええええええええ!!!!!!!!
21 :
名無シネマ@上映中 :02/09/28 23:17 ID:wKBT8nGG
なんだかよくわからんがオチで主題歌かかった時はえらく鬱になった。 あの訳詞が救いの無さ強調。キモイ。
少なくとも「当初予定されたシーン」の情報 は公開してほしい。 未確認だが、「フレディの家が『ForSale』になっってるシーン」 「ピートが『フレディの殺人事件の新聞記事をみせられるシーン」 など、時系列の謎を解くヒントが、カットされちゃたまらん。
23 :
名無シネマ@上映中 :02/09/28 23:36 ID:x3UwN8s6
クロずくめのオッサン、気味悪い
24 :
名無シネマ@上映中 :02/09/29 01:05 ID:LT6Gw0Px
この映画ってデビッドボウイの音楽だけはいいよね
25 :
名無シネマ@上映中 :02/09/29 10:37 ID:Kqtc5/16
26 :
納得 :02/09/29 11:24 ID:R0eQWs3s
あの映画のアイデアはテレビでO・J・シンプソンが ゴルフをしているのを観たことから始まっている。 この男は奥さんを殺したのに、どうしてこんなに 楽しそうにゴルフなんかできるんだろうって思ったんだ。 そこで僕は瞑想をしてシンプソンの気持ちになってみた。 そうしたら理解できたんだ。彼は妻を殺した時の自分を 記憶の中で別人格として分離しているに違いないってね。 人格乖離、心因性記憶喪失というやつだ。 シンプソンは自分の中で複雑に、しかし精緻に記憶を 組み替えて殺人という現実から自分を守っているんだよ。 その精神構造をそのまま映画化したのが僕の 『ロスト・ハイウェイ』なんだ。 でもね、いつかシンプソンにも殺した時の記憶が 蘇ってくるかもしれないな。 たとえばゴルフでクラブをスイングした瞬間に 記憶がわっと蘇ったりしてね(笑)
27 :
名無シネマ@上映中 :02/09/30 23:37 ID:2XW1tuKR
>>23 俺......ラスト近くで何となく「あれ?こいついいヤツじゃん(・・)」って思ってまった
28 :
名無シネマ@上映中 :02/10/02 01:59 ID:+4njE4+C
オッサンがキレて「交通ルールを守れ!」とか言うところワラタ。
意味は不明だったけど音楽は良かったと思う。 サントラ買っちゃった。
留置場で変身するあたりは既に「妄想」なんじゃなかったっけ?
31 :
名無シネマ@上映中 :02/10/08 05:32 ID:w2rh14LB
マルホランド・ドライブよりわけわからんのがこれだ
32 :
名無シネマ@上映中 :02/10/08 21:24 ID:JiEwl2f2
ベンツのオヤジがキレるパートは笑うべきところなのでしょうか?
音楽全部よし。
34 :
名無シネマ@上映中 :02/10/10 02:17 ID:5s21avMb
途中で主役が変わっているパートは笑うべきなのでしょうか?
35 :
名無シネマ@上映中 :02/10/10 02:21 ID:H99Uva9Z
リンチは好きじゃないなぁ。 映像や美術は好きなだけにプロットが糞なのは哀しい。
36 :
名無シネマ@上映中 :02/10/10 03:05 ID:qYpQP/99
簡単に言うと、警察署以降は主人公の妄想世界
37 :
名無シネマ@上映中 :02/10/10 03:09 ID:WN+MNV4n
>36 そう解釈するのが一番つじつま合うけど、 それだと脚本としてツマランし浅いような気がする。
38 :
名無シネマ@上映中 :02/10/10 03:23 ID:qYpQP/99
39 :
名無シネマ@上映中 :02/10/10 03:45 ID:WN+MNV4n
40 :
名無シネマ@上映中 :02/10/10 04:35 ID:L9bI1Xjk
とっくに出てるっつの。
41 :
名無シネマ@上映中 :02/10/10 06:06 ID:B+Xjis2z
>>39 『デイヴィッド・リンチ』(フィルムアート社)を読んで。
42 :
名無シネマ@上映中 :02/10/10 09:30 ID:fc7alQpD
オレまだ観てないんだけど、観た人たちに質問デス! 理解できなくてもおもしろかったですか? それとも「なんじゃこりゃ!?」ってカンジで 憤りすら感じてしまうような映画ですか? (前者だったらチャレンジしてみようかと思うが 後者だと禿しく遠慮したい・・・。)
43 :
名無シネマ@上映中 :02/10/10 10:51 ID:ZStgpAKp
リンチマニアは大喜び!or 口の端ニヤニヤ。 映画素人は「なんじゃこりゃ!?」とやっぱりこうなります。 俺的にはまぁまぁ面白かったけどね。 とにかく見る価値はあると思うよ。 二時間ちょっと我慢すればいいだけだから(w
とにかくどこにつれていかれるかわからない浮遊感を楽しめるかどうか だね。リンチのインタビュー読んだのは見た後だったけど自分は楽しめた。
45 :
名無シネマ@上映中 :02/10/10 12:30 ID:fHMI134i
最後、インターホンに「ディック・ロラントは死んだ」って言うシーンで爆笑! ミステリー・マンもわけわからんし。 こんな面白い映画はないと思った。 リンチ、もう好きにやってくれ。 一生ついていくぞ。
46 :
名無シネマ@上映中 :02/10/10 20:25 ID:05kqpGNs
オレはピートが本来の人格で、フレッドの方が妄想の人格だと思った。 だってフレッドの世界の方が不可思議なことが多くて、ピートの世界の方が現実味があるから。 それに、意識的に殺人を犯すのはフレッドの方で、裁かれるのもフレッドだから。 こういう見方は変かな?
47 :
名無シネマ@上映中 :02/10/10 21:13 ID:ckzj0pmn
ピートが家に戻ってきて庭でくつろいでいるときにボサノヴァがかかる。 ものっすごい平和な感じ。あの雰囲気が変で面白い。 リンチの曲の選択は最高です。
48 :
名無シネマ@上映中 :02/10/10 21:14 ID:/0p0bIso
見ている間は非常に不機嫌だった。
セク−スシーンばかりだし、いつまでたってもストーリーに繋がりが
見えてこないし、最後の最後まで「すげえ糞映画!!」って感想だった。
ただ
>>45 と同じく最後の「ディック・ロラントは死んだ」ってシーンで爆笑!!
やった!!そうか!!そういう手で来るのかよ、オイ!!
こりゃすげーぞすげーぞ…え〜と時間軸は…ええと、ええと、まずどのシーンが
一番最初なんかな…えーとえーと…って同じ空間に同じ人物が2人いる時点で
解釈不能じゃん!!無茶だよこれ!!何処がどーなってんだよ、おい!!
あっははは…最後の「ディック・ロラントは死んだ」は笑った!!
このシーンでこの映画の全てが決まった!!
このシーンがなければ0点。あったから100点。
49 :
名無シネマ@上映中 :02/10/10 22:18 ID:UXJ3frkT
もしも、冒頭の台詞が「エディ・ロラントは死んだ」だったら この作品は、破綻していた。たった一言、「エディ」を「ディック」 に変えることで、大成功となった。 さて、なぜでしょう。
DVD持ってます、サントラも良いですよ この映画につっこんでたらイレイザーヘッドやツインピークスはどうなる? 自分はリンチが嫌いですがこの映画は大好きです
51 :
名無シネマ@上映中 :02/10/10 23:37 ID:Lix3spbK
ティムロスのライアーのラストの意味は誰もわからんのかい?>ALL
52 :
名無シネマ@上映中 :02/10/11 22:59 ID:MtiF/DnF
>51 観てないので。
53 :
名無シネマ@上映中 :02/10/15 21:10 ID:TP0Ircsw
>>49 物語をループさせるため?
メビウスの輪みたいに。
54 :
名無シネマ@上映中 :02/10/15 21:33 ID:jvBiI1g9
O.J.シンプソンの逸話もおもろいが、 ミステリーマンことロバート・ブレイクが 女房殺しの件で全米を騒がせた あげく捕まったのも...
55 :
名無シネマ@上映中 :02/10/15 21:35 ID:xzO30OFE
56 :
名無シネマ@上映中 :02/10/16 07:39 ID:U8zz6UPO
お
59 :
名無シネマ@上映中 :02/10/22 18:33 ID:EoChdetc
公開当時に一度見ただけだから細かい内容忘れちったな。 もう一回見てみるか。
60 :
名無シネマ@上映中 :02/10/29 19:17 ID:xTbUuc49
61 :
名無シネマ@上映中 :02/10/31 00:27 ID:lw9Us8LU
ミステリーマン=フレッド でいいでしょうか? それと、前半ビデオテープのシーンで二人がベットに眠ってますけど 男の方はフレッドじゃないよね?
>>60 うわっ!!!怖っっっ!!今後この映画見るときの怖さが増すわ。
63 :
名無シネマ@上映中 :02/10/31 02:26 ID:N98U7gML
この映画に出てた、すっげー不気味なおっさん居たけど、殺人で逮捕されたたしいね。本当に怖い人だったんだ・・・ 後、車で脱ぐ女の人、マジ美人!!
64 :
名無シネマ@上映中 :02/10/31 11:20 ID:KXijmzAY
これって、フランス映画のリメイクだっけ? 違ってたら申し訳ない。
いまCSでローラーパーマ−やってるけど、 ドナってキムヘギョンだよな。 でローラが日本のコギャルか!?
66 :
名無シネマ@上映中 :02/10/31 13:25 ID:i94k2mBH
ロザンナ・アークェットって、何かそそるモノがあるよね。 ふくらはぎ太いとこも、いいね。
訂正。パトリシアのほうです。
68 :
名無シネマ@上映中 :02/10/31 18:07 ID:MOyaz7mH
たしかに日本人には無いような下半身ですな。 太ももの付け根がスゴク太いのがイイ!
69 :
61 :02/10/31 20:50 ID:CPs39PQf
うーん、あんまりレスつかないですね。 過去ログも伸びないで終わったし、マルホの方は盛り上がってるのになあ。 あっちは伏線が散りばめられているけど、 ロストはただ「感じろ」の一言で終わってしまいますね。 質問。 ピートの世界ではエディ・ロラント フレッドの世界ではディック・ロラント どうして名前を変える必要があったのでしょうか? 髭男アンディはそのままだったし、レネエ=アリスは名前変えるはわかるんですけど。
私のだ、返してくれ。
72 :
名無シネマ@上映中 :02/11/01 13:55 ID:anbQktTI
↑それは、どうして名前を変えたの?という意味? それとも=(イコール)なのはどうして?という意味?
どうして名前を変えたの?でお願いします。
上手く説明できるかどうかわかりませんが・・・ フレッドは殺害後も、以前に比べてより一層レネエが欲しくなったんだろう。 そこで、発狂してピートの世界を作り上げた時、今度こそは自分だけを 愛してくれる新しい女性を渇望した。 新しい女性と言っても、自分を裏切ったレネエにそっくりの女性で、 そのアリスを手に入れる事で、レネエを征服できるし自己愛も満たされる。 名前を変えたのは何故か?の答えは、レネエからアリスが生まれたからだ、 としか言えないです。
レネエからアリスが生まれたって何かの引用ですか? 聖書!?
いいや、別にどこからも引用してないけど・・・。 映画観て感じたままに書いたら、最後の二行が浮かんできたんだよ。
サントラ買った。 しかーし、アリスとピートが車の前でsexしてる時にかかってる 女の歌が入ってない。 なして入れないの〜?
78 :
名無シネマ@上映中 :02/11/11 22:04 ID:UeK9H7mD
細かいところでございますが。
>>69 >ピートの世界ではエディ・ロラント
>フレッドの世界ではディック・ロラント
ではなくて、「ミスター・エディ」と「ディック・ロラント」。
作中、エディ・ロラントと呼ばれる箇所はなかったはず。
修理工場を張り込み中の刑事も、「ロラントだ」としか言ってない。
で、「フレッド=ピート」「レネエ=アリス」とは違って、あくまでディック・ロラントが本名で、
ミスター・エディというのは「通り名」に過ぎないという解釈も可能かと思う。
79 :
名無シネマ@上映中 :02/11/14 21:13 ID:JiovSXfK
スレが消えては立つんだな。
マルホはあんましピンとこなかったのでここに常駐しようかな?w
でこの映画、手放しで絶賛しちゃうぞ。
超遅レスだが、
>>16 >>45 とか禿同。
最後のテーマ曲とか最高。
「少しでいいから愛をくれ♪」とかもう腹よじれたね。
80 :
名無シネマ@上映中 :02/11/14 23:07 ID:/QKmTInS
うう、マルホも好きじゃが、ロストのほーがもっと好きじゃ。
オープニングがカッコ良い!ちなみにこの映画をレンタルビデオで初めて観た時に、 『車でDVDが観れる!』とか言うCM(?)が本編の前に入ってて(夜のハイウェイを車が走ってるCM)、もう始まってるのかと思ったw
82 :
名無シネマ@上映中 :02/11/15 19:56 ID:E3bc2uhC
レンタル落ち買ったのだが、それ入ってたな確か。
>>69 伏線がないというが、かなり考えて作ってあると思うけどなあ。
写真から消える女はレネエではなくアリスだったりとか。
劇中で殺される3人ともとどめをさすのはフレッドではない(映像的には)とか。
>>18 このあたりは俺もどう判断していいか分からん。
最初に逮捕されるとこ以降、留置所含めて全部夢でもいいけど。
84 :
名無シネマ@上映中 :02/11/21 18:53 ID:e8eEyOFx
>>83 「タイトル・ロール&エンド・ロールを含め、最初っから最後まで
すべてフレッドの脳内」ざんしょ? でないと、説明つかないよ。
・ミステリー・マンはフレッドの心の声。である為、彼の味方にも敵にもなる。 と思うんだけど、ディック・ロラントとミステリー・マンは何故友達なのだろう?
88 :
名無シネマ@上映中 :02/11/23 01:56 ID:KqdYqt3w
あー、それは両者とも「象徴的存在」だからなんだと思います。 二人が同類であることを、「友人だ」という台詞で表しているんではないかと。 おっしゃるとおり、ミステリー・マンは「フレッドの感情」の象徴で、 ディック・ロラントはフレッドにとっての外界、つまり「現実世界」とか 「現実社会」の象徴であり、かつまた「現実社会の規範」の象徴でもあると 私は解釈しました。
89 :
名無シネマ@上映中 :02/11/23 01:57 ID:7lAsON8l
あー、それは両者とも「象徴的存在」だからなんだと思います。 二人が同類であることを、「友人だ」という台詞で表しているんではないかと。 おっしゃるとおり、ミステリー・マンは「フレッドの感情」の象徴で、 ディック・ロラントはフレッドにとっての外界、つまり「現実世界」とか 「現実社会」の象徴であり、かつまた「現実社会の規範」の象徴でもあると 私は解釈しました。
90 :
名無シネマ@上映中 :02/11/23 02:06 ID:EYrWQVwM
あー、それはフレッドの心証風景のなかで、両者とも「象徴的存在」だからなんだ と思います。どちらも象徴的存在であることを、「友人だ」という台詞で表してい るんではないかと。 おっしゃるとおり、ミステリー・マンは「フレッドの感情」の象徴で、ディック・ ロラントはフレッドにとっての「外界」、つまり、時として一方的かつ暴力的に ルールを押し付けてくる(「車間距離を守れ!」)「現実世界」とか「現実社会」 の象徴であると私は解釈しました。
ありゃ、二重カキコ申し訳ない。 なんかすげえ、この時間帯にしては重い……。
92 :
89 :02/11/23 02:19 ID:y2ip3zyV
ああああ、なおかつ微妙にバージョン違いだー。 すみません、89の方はなかったことにして下さい。 女性歌手の家族を誘拐すると同時に妻を殺害し、愛人の殺人依頼をしてから 逝ってきます。
93 :
名無シネマ@上映中 :02/11/23 02:25 ID:PWH44Y37
複数人乗っているベンツに向かってあんなに煽るやつが 米にはいるのか?
94 :
名無シネマ@上映中 :02/11/23 10:09 ID:H/B6WGvY
>>86 現実と夢と妄想がごちゃ混ぜになってるのであり、全部夢とは思えないけどな。
96 :
名無シネマ@上映中 :02/11/23 22:32 ID:rSxw3/64
>>95 そう? 全編フレッドの脳内で記憶と妄想がごちゃ混ぜになってるのだ
と解釈しても矛盾は発生しないし、理解しやすいのだけど。
特に記憶部分はフレッドの主観によって歪められていて、「実際
にあったことに近いこと」と「ほとんど妄想に近いこと」のあいだ
を揺れ動いており、その境界線は限りなく曖昧である、という具合に
自分は理解した。
「このエピソードは確実に現実である」と考えられるエピソードって
なにかあります?
>>96 えー、あくまでも俺の見方なんですが。
・冒頭の「ディック・ロラントは氏んだ」というメッセージはフレッドの幻聴
(完了形であることに意味があるのではないか、と)
・ビデオ・テープの送付は現実。フレッドが自分で送ったが記憶はない。
(フレッドの深層心理の象徴たるミステリー・マンがカメラを持っていた)
・レネエ殺害は現実。フレッドが逮捕されたのが現実かどうかはわからない
・レネエがロラント他と関係してたのは現実
・ピートへの変身は妄想。
(ピートの両親が観てるTVの番組が古い。フレッドの過去の青春時代の
記憶で補完しているのではないか、と)
・アリスはフレッドの妄想の産物。
・フレッドがロラントを頃したのは現実
(頃される前にロラントがフレッドに「お前とポルノ撮りたかった」みたいな事
いうけどアレってお前みたいな妄想癖のあるやつだったら凄い映像が撮れ
るという意味かな、と)
などと考えたりしますが、警察に捕まるとこ以降はわやくちゃで正直考える
気になれまへん。
>>97 えーと、じゃあ、対応した形で自分の解釈を
・冒頭の「ディック・ロラントは氏んだ」なんだけど、これは(ロラントが「現実社会の
象徴」であることを前提として)フレッドが現実から乖離し(つまり正気を失い)、同時
に現実社会のルールから外れた瞬間を表すエピソード。これでレネエ殺害を押しとどめて
いたタガが外れてしまったということ。冒頭では、フレッドはそのメッセージが第三者か
ら伝えられたと認識しているのだけど、これは現実逃避&自己正当化がなせるわざで、実
際には自分自身が送ったメッセージであることが最後にわかる。
・送られたビデオ・テープは、フレッドの現実認識の度合いを表している。映りが悪くて、
ノイズだらけ。本数が進むにつれシーンが進行するのは、記憶をたどっている様子を連想
させる。最初2本がレネエによって発見され(もたらされ)、最後の1本だけフレッドが
いつの間にか手にしているのも何か意味があるように思う。
・レネエ殺害は事実で同意。フレッド逮捕は事実だと思う。取り調べを受けた刑事の記憶
を核に、2本目のビデオ・テープ送付時の妄想を組み立てていると思う。
・レネエが実際にロラント&アンディと関係していたかどうかは、わからない。少なくと
もロラントとの可能性はあり。フレッドは両者とも関係があったと思い込んでいる。
・ピートへの変身は妄想で同意。変身直後の自宅の庭で、塀越しに隣の庭をのぞきこみ、
誰もいない幼児用プール&おもちゃを見るのは「幼児回帰願望」を思わせる。
・アリスはフレッドの妄想の産物で同意。アンディ殺害はアリスの示唆で行われるが、
これはレネエ殺害の自己正当化と受け取れる(レネエが浮気したのが悪いと思っている)。
・フレッドによるロラント殺害は事実の可能性が高い。この記憶を核に「ディック・ロラ
ントは死んだ」のメッセージが発せられたと思うので。
てな感じ。
・レネエがロラント他と関係してたのは現実 俺も不明に訂正しよう。ここは確かに怪しいな。
ロラント殺害は、首切られたロラントが手で拭った血をアップにするシーンで 犯行が真実であることを描写したのかな?と思った。
フレッド逮捕の件補足。 逮捕まで現実で刑務所に入れられるのは妄想、実際には保釈された足でアンディ とロラントを頃しにいったのでは?と思った。 でもピートの指紋の件があるからな。
102 :
98 :02/11/24 12:10 ID:iWzGowXP
あー、自分は「全編脳内」を前提にしてるんで、映画内での物事の発生に 関する時系列はあんまり気にしてないんだよね。記憶は断片的に思い出さ れたりするものだと思うので。 実は、レネエ殺害を含む殺人事件そのものは、本編が始まる前にすべて終 わっているんじゃないかと思ってたりする。その場合、「ロラント殺害」 が事実であったとして、ロラント殺害がレネエ殺害より前の方が、自分と してはなんとなく納得できる。映画で描写されている範囲からでは、確証 はないんだけど。 ところで、アンディ殺害は事実だと思う? あれもフレッドの記憶では直接の死因が「事故死」に近い扱いにされてい て、限りなく現実逃避&自己正当化されているいる。だけど、その点では ロラント殺害も、直接自分で手をかけたのはもみ合っている最中に第三者 にナイフを渡されたからで、あげくとどめを刺したのも第三者とフレッド は思い込んでたりするんで、同じだよね(実はその第三者って、ミステリ ー・マン=自分なんだけど)。
>>102 >アンディ殺害
>「事故死」に近い扱いにされていて、限りなく現実逃避&自己正当化
なるほど。それは気づかなかった。
自分の読みでは、アンディ殺害にはフレディ一人で行った、と。
で、実際にはアリスは一緒ではなかったので、警察が操作するとき写真から消えて
る、と。
アンディ殺害の現場を警察が操作するシーン丸ごと、フレディの追い詰められた心
境からくる妄想とすればつじつまは合うんだけど、無理やりくさいかな?
>あー、自分は「全編脳内」を前提にしてるんで、
ロストについては諸説あって結論出なくても全然オッケーと思ってますよ。
全体の流れが有機的に無理なく繋がってるんうえ、主人公が頭狂ってるという前提
があるので、ストーリーに破綻した部分があってもかまわんというか、むしろそれが
作品の世界を広げる形に絶妙に仕上がったと思う。
しかしアナタも昼間から好きですね。
・・・俺もだが。w
>自分の読みでは、アンディ殺害にはフレディ一人で行った、と。 「アンディ殺害」が実際にあったとして、これは同意。ただ、自分の解釈のなかで、 アンディがどういう「象徴的存在」であるのか確定できてないんで、ちょっとそこが 弱いとこではあるんですよ。ロラントの象徴的意味とかぶるので。 >アンディ殺害の現場を警察が操作するシーン丸ごと、フレディの追い詰められた心 >境からくる妄想とすればつじつまは合うんだけど、無理やりくさいかな? あ、これは自分もそのように理解してました。「ありゃピートがやったんで、オレが やったんじゃない」ってことですね。で、「警察=他者=現実社会」にはそのように 騙されてほしいという願望があって、あのような「妄想=偽の記憶」をつくりあげた、 と。 この時点で、ピートに逃げ込んだフレッドの妄想は破綻をきたし始めていて、ピー トという偽の人格を捨てようとしている気配を感じますね。ピートという人格を作り あげた当初は、自宅の庭で寝っ転がっているシーンに表されるように、充足して幼児 的万能感を堪能していたのだけれど、そのうち「ロラントに象徴される現実」や「フ レッド時代の記憶」にドカドカ踏み込まれて、妄想が崩壊していった果てに再びフレ ッドに戻る、というのが変身以降のシークエンスだと考えています。 >ロストについては諸説あって結論出なくても全然オッケーと思ってますよ。 これも同意ですね。実は、この映画の隠されたテーマのひとつが、このように「意味 付けして解釈することの意味」そのものであるような気がしているので。こうやって 観客ひとりひとりがあーだこーだ考えている作業自体、フレッドが映画内で自分の記 憶をもとに妄想を作り上げている作業と、本質的にどこがどう違うのか、と。 >しかしアナタも昼間から好きですね。 いや、まったく(W
105 :
名無シネマ@上映中 :02/11/27 10:50 ID:+Udf6lhy
某所にあるこの映画のシナリオを読んだんだけど、映画にはないシーンが 多かった。あれが決定稿だとしたら、編集段階でかなり切ってるんだね。 下手したら、30分近くカットしてあるんじゃないかな。 でも、カットされたシーンが残っていればわかりやすくなってたかというと、 決してそんなことはなかったりするところがまた……。
俺もシナリオ持ってる。 読んでないけど、セリフを色々削ってるよね。 この話、最初の段階からバリー・ギフォードが関わってるでしょ。 頭に蛆がわいたリンチ独りでシナリオ書いたわけじゃないから、一見して 奇をてらった展開に見えても本質的にはそう無理のある話ではなかろう、 と思ってるんだが。
うーん、確かにストーリー部分のみ追い掛けると 「ネジの外れた亭主が嫁さん殺して、罪悪感のあまり現実逃避したあげく、完全にイっちゃった」 というだけのミもフタもない話なんだもんなー(W リンチだけでなく、バリー・ギフォードの方もいい具合に脳髄とろけてるような気がするけど、 まあ、いっか(W 台詞だけじゃなくて、シーン自体バッサバッサですね。 シナリオでは、差出人不明のビデオ・テープが3本じゃなくて4本だったり、監獄でのシーンが もっと長くて他の死刑囚が処刑されるエピソードがあったり。 ミスター・エディの「交通安全教育」が「マルホランド・ドライブ」で行われたとは、シナリオ 読むまで気がつかなかったっすー。
108 :
名無シネマ@上映中 :02/11/30 05:19 ID:LIfJEA/5
ラスト近く、小人様がわらわらと出てくる様は鈴木清純の恐怖劇場アンバランス の場面みたいだった
111 :
名無シネマ@上映中 :02/11/30 11:52 ID:nUDaisTZ
>>108 ウィロー? ロード・オブ・ザ・リング?
全然関係ない話してるな、しかし(w
113 :
名無シネマ@上映中 :02/12/07 05:11 ID:59KOT2vn
心因性記憶喪失になりたいです
114 :
名無シネマ@上映中 :02/12/08 22:13 ID:LuTomjgs
ど、どうしたんだ? なにかツラいことでもあったのか? ヨメさんに浮気されたとか?
115 :
名無シネマ@上映中 :02/12/10 00:14 ID:A14WdM8M
サントラ500円で売ってたから買ったっす。 怪しい感じがたまんないすねー。 ラムシュタインも曲提供してたんすねー。
116 :
名無シネマ@上映中 :02/12/10 19:48 ID:Y5GLyBvg
最初の「ディックロラントは死んだ」の声、 みなさんの解釈だと現実ではないんですか?
日本で言ったら野村のサッチーも心因性記憶喪失なんでしょうか?
118 :
97 :02/12/10 21:28 ID:xvLny01V
>>116 皆さんかどうか分かりませんが、ワタシはそう思ってます。
>>116 えーと、97さんと同じく、私も「現実でない」に一票。
微妙に理由は違うかもしれませんが。
116さんの解釈では、いかがでしょう?
120 :
116 :02/12/11 17:59 ID:wgfJP8zX
>>119 パラレルワールドとも違うんですが、
もう一つの世界が彼の脳内だけでなく発生していて
それが最初と最後をメビウスの輪のようにくっつけた、と..
なんて他の部分はよく考えていません、失礼..
121 :
119 :02/12/11 23:07 ID:HZwltgyU
>>120 ぬわるほど。「言霊」というか、思考によって世界が生まれるという感覚ですね。
それはそれで非常に面白いです。
122 :
名無シネマ@上映中 :02/12/12 00:47 ID:tFKx56c8
>>116 パトカーの音も聞こえてるから、
無限ループ?
パトカーのサイレン、聞こえるんだよねー。最初の方の「〜死んだ」で。 処刑されるまで、延々、別の人格をつくって逃げ出して、ってなことを 繰り返すんだと思う。次に逃げ込むのは、どんな人格かしらないけど、 やってることの意味は同じ。 で、「無限ループ」と考えると、「オープニング・タイトル」と「エン ディング・ロール」も、実はつながっているような気がしてくる(現実 からの逃走を象徴する映像として)。
できれば、「あれ↓を決定稿」だとして、議論したい。 ずいぶんヒントになりそうな、シーンがカットされてるし。 ニーチェの『権力への意志』認めるか認めないか、みたいな議論したい。 >105 :名無シネマ@上映中 :02/11/27 10:50 ID:+Udf6lhy >某所にあるこの映画のシナリオを読んだんだけど、映画にはないシーンが >多かった。あれが決定稿だとしたら、編集段階でかなり切ってるんだね。 >下手したら、30分近くカットしてあるんじゃないかな。
>ずいぶんヒントになりそうな、シーンがカットされてるし。 たとえば、どのあたり? >ニーチェの『権力への意志』認めるか認めないか、みたいな議論したい。 ってのが自分にできるかどうかは、わかりませんが(w
126 :
名無シネマ@上映中 :02/12/20 03:10 ID:TW0KwUZi
age
127 :
名無シネマ@上映中 :02/12/20 14:28 ID:GtptdVEG
>ミスター・エディの「交通安全教育」が「マルホランド・ドライブ」で行われたとは、シナリオ 読むまで気がつかなかったっすー。 とは? マルホ観たが、そんなシーンあったっけ。
128 :
名無シネマ@上映中 :02/12/20 22:58 ID:TQIV5Iy+
>>127 いや、あの、マルホじゃなくて「ロストハイウェイ」の話なんだけど。
ミスター・エディがピート乗せてドライブして、途中でお行儀の悪い
ドライバーをお仕置きした山道の名前が「マルホランド・ドライブ」
なんですよ。お仕置きシーンの最中、よーく見ると、遠くに例の有名な
「HOLLYWOOD」のサインが見えてます。
マルホではあの山道を暴走族が走ってたけど、もしミスター・エディに
みつかってたら、どんなお仕置きをされたやら……
129 :
名無シネマ@上映中 :02/12/21 12:11 ID:w3JgvseM
>>128 なるほど!
もう一回見てみるよ。有り難う。
130 :
124 :02/12/22 07:34 ID:OAEqD7SG
欠けてるシーン。 ピートが、フレッドの殺人事件を報じる新聞を読むシーンとか フレッドの家が、売りに出されてるシーンとか、を、はじめいろいろ。
>ピートが、フレッドの殺人事件を報じる新聞を読むシーン えーと、これってどのあたりにあるシーンですか? 手もとにあるシナリオでは見つけられなかったんですけど。 >フレッドの家が、売りに出されてるシーン は、これですね。フレッドがピートに変身する直前にはさまれるカット。 EXT. THE MADIS0N HOUSE - NIGHT There is a "For Sale" sign posted in front. The camera pans slowly as in the videotape across the front of the house. The interior of the house is dark, but fleetingly we are aware of movement, shadows inside.
132 :
124 :02/12/22 15:30 ID:OAEqD7SG
↑あせらない、あせらない。
133 :
124 :02/12/22 15:45 ID:OAEqD7SG
(脱走を報告する記者会見) INT. PRISON - MEDIA ROOM - DAY A press conference is being held. Present are REPORTERS, TV cameras, et al. The Warden and Captain Henderson represent the prison. WARDEN I have a statement to read... Fred Madison, an inmate being held on death row has, apparently... has escaped.
134 :
124 :02/12/22 15:59 ID:OAEqD7SG
<勘違いだ、ピートが新聞読んだは×。というより警察が、ピートの両親 に、尋問する際、ニュース(新聞ではない)に触れてるシーン> CAPTAIN HENDERSON You don't know Fred Madison? BILL No... Only what was in the news. CAPTAIN HENDERSON Do you think Pete knows him? CLAIRE I wouldn't know how. WARDEN (to Claire) You say you haven't seen your son since the day before yesterday? CLAIRE When he went to work, right.
135 :
124 :02/12/22 16:07 ID:OAEqD7SG
少なくとも、殺人が報道され、ピートの両親はそれを知っていた、 って、関係が分かる。 ピートはおとといからいなくなったことも分かる。 因果関係に注意。
136 :
131 :02/12/22 21:56 ID:Gcqr6i24
>というより警察が、ピートの両親 >に、尋問する際、ニュース(新聞ではない)に触れてるシーン なるほど、このシーンですね。了解しました。 124さんのいう「因果関係」っていうのは、「時系列的な」って いうことですか?
137 :
名無シネマ@上映中 :02/12/26 15:22 ID:6NgThncS
age
138 :
名無シネマ@上映中 :02/12/31 03:23 ID:5L8KdPeD
あげ
もう語られることはないのか
なくはないと思うよ。 このスレの指摘はネットで見受けられる作品解釈より的確な部分が 幾つかある。 一般的な解釈が確定してないし、掘り下げる部分はあると思うけど。 ピートにまつわる疑問点なんかまだまだ。 ただ、古い話なんで面倒くさいつーのもある。
えーと、124さんのお帰り待ちだったんですけど、まだいらっしゃらない
みたいなんで、そのあいだに以前
>>98 で触れた例のビデオ・テープのこと
で、その後思い付いたことなどをば、ちょろっと。
・ビデオ・テープは「レネエ殺害時のフレッドの記憶の象徴」である。
そのため、フレッドが嫌っている「事実ありのまま記録」であるビデオ・
テープの形をとっている。
・最初の2本がレネエによって発見されたのは、「レネエの存在の記憶」
がトリガーになって、フレッドの脳内で蘇った記憶であるから。だから、
最後の殺害シーンまで至らない。
・それに対し、最後の1本は「レネエが存在していないという記憶」がト
リガーとなっている(レネエの姿が見えず、フレッドが屋敷内を探すシー
ンの直後に、フレッドが3本目のテープを手にしている)。そのため、
このテープには最後の殺害シーンまで記録されている(=記憶が蘇る)。
シナリオにはあるがカットされたシーンのひとつに、レネエの通報を受
けてやってきた刑事達がビデオを見たあと、「とんでもなく高いところ
から撮っている。どうやって撮ったのかわからない」などと会話を交わ
すシーンがあって、これもこの3本のテープが「現実のものでない」傍
証になると思います。
うーん見たのが古すぎて ほとんど覚えていない 一回見たけど理解していなかったなぁ もっかい見るか
143 :
山崎渉 :03/01/06 14:28 ID:kjYpsUrN
(^^)
144 :
名無シネマ@上映中 : :03/01/07 22:28 ID:72BxFBRG
>>140 >ピートにまつわる疑問点なんかまだまだ。
たとえば?
145 :
124 :03/01/07 23:30 ID:bAF0WR5K
(いやいや、このまま進むと、英語の情報読めないと、議論にならない とおもったのでなあ。様子見てた。どれくらい、参加者いるかなあと思 って。) <以下は思いつき> 「家のビデオ(家を映したビデオの意味)」が架空でも、 「ポルノビデオ」は実在では?? 家のビデオは、「家」のビデオ、であることが重要なのでなく、 家の「ビデオ」をレネエが、拾ってくること、が重要なのでは?
訳解らなかったけど何故か納得できた。嫌いじゃないなこの映画
>>145 >様子見てた。
了解です。他にも参加者がいるようなら続けるということで。
>「家のビデオ(家を映したビデオの意味)」が架空でも、
>「ポルノビデオ」は実在では??
・ミスター・エディがピートにあげようとしたヤツ
・アンディ殺害のシーンで映写されてたヤツ
・レネエとミスター・エディが、いちゃつきながら観てたヤツ
の三本があったと思うですが、どれですか?(それとも全部?)
ちょっとこれは確証が持てないですね、レネエとロラントが本当に
出来てたかどうかと同じく。「全編脳内」的な解釈は一応できない
こともないんですが、あまり自分でも確信がありません。
>家のビデオは、「家」のビデオ、であることが重要なのでなく、
>家の「ビデオ」をレネエが、拾ってくること、が重要なのでは?
あ、自分では最後の殺害シーンがあのビデオの核心だと思ってたの
で、「家のビデオ」という視点がありませんでした。
なるほど、「家のビデオ」とみると、また意味が違ってくるような
気がしますね。
148 :
124 :03/01/10 21:43 ID:3V2ONnwR
妻の過去に疑い。よからぬチンピラからの紹介の仕事。 あやしい、あやしいぞーー。 でも、なんだろう。どんな仕事だろう。 うーーん。ビ・デ・オ もしかして、ポルノビデオか? だから、よからぬチンピラと友達なのか? でも、なにがきっかけでポルノに? あのチンピラか?ちがう。じゃあ誰だ? だれがポルノにださせた?? それに、本物のビデオはあるのか?だれに聞けば良いだろう。 どうやって探そう。 そうだ、ミステリーマンだ。彼に相談しよう。
149 :
名無シネマ@上映中 :03/01/10 21:54 ID:D8oTTr+j
150 :
124 :03/01/10 22:37 ID:3V2ONnwR
馬鹿だなあ。 OJシンプソンと、フレッドと「精神構造」が同じって いってるだけで、 ロストハイウエイとは、直接つながらないよなあ。 妻殺しをして、野放しのシンプソン(人格乖離)と 妻殺しをして、警察の拘束をうけているフレッド(人格乖離)と ぜんぜん立場が「違う」2人が、精神構造が「同じっ」てことは、 どういうことかな?? フレッドは、妻を殺してないのに拘束されて、狂ってる シンプソンは、妻を殺したのに、自由でいて、平気でいる。 こう180度入れ替えて考えないと、駄目じゃん。 ベクトルが正反対だよなあ。 彼の回答、良く読まないとなあ。
151 :
124 :03/01/10 22:58 ID:3V2ONnwR
(趣旨があいまいになった。) OJシンプソンと精神構造は同じだが、境遇が 正反対。だから、たとえシンプソン事件にヒントを得た としても、この映画なりの解釈が必要になる。 OJシンプソンと、精神構造が同じで、境遇も同じなら、シンプソン の生き様を見れば解釈不要だろうがな。 OJシンプソン事件はなんの足しにもならんのだ。 ってこと。
>>149 はよくわからずに言ってると思うので、スルーでよろしいかと。
>>149 うーん、自分ではリンチのあの発言と「サイコジェニック・フーガ」のキーワードを
踏まえて解釈してるつもりなんですけどねえ? というより、あの発言とキーワード
がなかったら、いまだにワケわかんなかったかも。
というわけで、あの発言は理解の出発点であって、結論ではないと思いますが。
154 :
124 :03/01/11 07:00 ID:p5IkjrjE
全編脳内派さんへ 解釈不要派(→149 解釈必要派 全編脳内派(→全編脳内派さん 全編脳内否定派(→124 こういう位置づけなんですがねえ。「くだらん」解釈「遊び」 などという、書き込みですから。
>>154 了解です。
ま、映画の解釈ってのは「不要不急なこと」なんで、ある意味「遊び」だと
いえば「遊び」ですし(W。「くだらん」と思うかどうかは、人それぞれで。
ただ、この映画の鑑賞方法として、「解釈はさておいて、映像イメージを
ただただそのまんま味わう」というのも、確実にアリだと思うんですよ。
リンチの映画って「騙し絵」みたいなもんなんで、「騙し絵を騙し絵として
楽しむ」ってのもオッケーなんじゃないか、と。
「この映画を解釈しようと試みる」のは、「鑑賞する」というよりは、むしろ
「リンチが騙し絵を描くにあたって使った方法論を分析しようと試みる」のと
等しいような気がしてます。
156 :
124 :03/01/12 07:34 ID:J86FxoWn
<私より、格段に頭良いひとみたいで畏れ多いですが> そもそもエンドレス構造のこの映画、 確かに、一回目(と呼んで良ければ)は「ただそのまんま味わう」 で良いでしょうが、 <この映画のもつエンドレス構造により迎える>二回目(二巡目) からは「騙し絵の方法分析」に入り込むことの方が自然な流れでしょう。 当方としては、騙し絵分析もイロイロ議論されてきたが、「カット された」場面の存在が明らかになってきたので、それをふまえての方 法分析の話(いわば三回目の鑑賞)をしてみたい。
157 :
124 :03/01/12 08:22 ID:J86FxoWn
そもそも 劇中、三人の死 (1)妻 (2)ロラント (3)チンピラ フレッドが、確実に、殺したのは、ロラントの方でしょう? チンピラが事故死したきっかけは、確実に、ピートでしょう? フレッドもピートも警察に拘束されてるみたい。 で「妻」は? 「妻」が室内で殺されたことと、フレッドが血まみれで叫んでる (ビデオ)があるが、「殺した」のか「殺されていたのを発見した」 のかは、不明。 第三者が殺害した可能性は?チンピラのパーティーに夫婦で、参加 するってことは、ポルノビデオの一味に自宅の住所バレバレだった わけだし。
>二回目(二巡目) >からは「騙し絵の方法分析」に入り込むことの方が自然な流れでしょう。 確かにおっしゃるとおりですね。どうしても「解釈」というか「意味」を求めず にはいられない。それが人間の精神構造だと思います。 >第三者が殺害した可能性は? このへんは作品内では実に曖昧で、はっきり描かれてないですよね。なので、 その可能性は完全には否定できないような気がします。 「全編脳内的解釈」では(笑)、「心因性記憶喪失」というキーワードを踏まえ ると、この点が曖昧に描かれているのは、ある意味「当然」というか「必然」 なんですが。レネエ殺害に関するフレッドの記憶自体が曖昧なわけですから。 細かいところですが、ピートはアンディ殺害容疑で逮捕されていたわけでは ないですよね? 「5年前に路上荒らしで逮捕、1年の執行猶予」というのが 唯一の犯罪歴だったはずです。
159 :
124 :03/01/13 08:36 ID:d5iUggV8
本当に、心因性記憶喪失になったのはフレッドだけ(一人) だけなのでしょうか? 妻の殺害が第三者の可能性有る以上、 ピートの方も、心因性記憶喪失になった可能性は否定できませんよ。 心因性記憶喪失状態が「2人」という可能性は、絶無でしょうか? 尤も、チンピラ(アンディ?)の事故死(と強盗)と、愛人の死亡 程度で心因性記憶喪失になるかはよく分かりませんが、かといって あの事件後ピートの身にも、異変が生じた可能性はあるでしょう。
うーん、これは
・ピートとフレッドは、どちらも実在の別人格
・ピートは、フレッドが逃走先として作り上げた自己の偽人格
のどちらの前提でしょうか?
個人的には、前者はいろいろな理由から考えにくいんですが。
後者の場合、なにかまた別な解釈が発生しそうで、検討してみる余地
がありそうです。
いずれにせよ、「アンディ&ミスター・エディの殺害状況が克明に描
かれ、レネエ殺害の状況が曖昧に描かれている理由」がちょっとわか
りづらくなるんですけど、そのあたりはどうでしょう?
>>158 での意見の補足として、「映画内の現実」は別にして、純粋に
「物語作法」として捉えた場合、フレッドが「心因性記憶喪失」に
陥った理由としては、「自分でレネエを殺害した」の方がより強力な
理由となるような気がします。
「第3者による殺害」の場合、その第3者に対する「怒り」なり「恨
み」がフレッドに芽生えるのが話の流れとしては納得できるように思
います。ある意味、感情のはけ口が外部にありますよね。
それに対し、「自分で殺害した」場合、怒りなり恨みをぶつける対象
は自分以外になく、より精神的に追い詰められるのではないか、と。
161 :
124 :03/01/13 23:45 ID:d5iUggV8
フレッドが、妻を惨殺する動機が少ないでしょう。 他方、ロラントがレネエを惨殺する動機は十分有ります。 フレッドが、ポルノビデオを見たと仮定しても、怒りくるって 妻を殺すことが自然でしょうか? ロストハイウエイホテルに乗り込んだフレッドの、ロラントに 対する「怒り」の方は、自然ですがね。 アメリカの刑法について詳しく知りませんが、ロラント惨殺 だって第一級殺人だと思うのですが。 ミステリーマンが、パーティーで、自宅に電話させたのは、「あ んたの自宅は無防備ですよ。ロラント一味に住所は知れてるので すから。」ということの示唆ではないですか?
「フレッドがレネエの浮気を疑っている」ことを示唆するシーンは いくつかあったと思うのですが、「ロラントがレネエを殺害する動機 を抱く」ことを示唆するシーンって、たとえばどこらへんでしょう? フレッドの自宅で電話をとったのは、ミステリーマンと示し合わせた 彼の仲間である、ということですか? もしそうだとして、ミステリーマンがフレッドに警告を与える理由は なんでしょうか?
163 :
124 :03/01/14 21:03 ID:vt1Pw7O7
ロラントがピートに激怒した描写、 ロラントがドライバーに激怒した描写、 (ちょっと遠くなるが) ミステリーマンは、ピートとフレッドとロラントの 三名と直接話した事が有るということ。 ミステリーマンがチクれば、ロラントが激怒することありうる。
ちょっと混乱してきてるんですが、これは ・ミステリーマンが実在の人物である ・ピートも実在の人物である という2点を前提としていると考えてよいのでしょうか? ミステリーマンが実在であるとして、彼の行動原理というか、行動の 動機がいまひとつピンとこないんですよ。たとえばフレッドと(過去 にロラントが作っていたポルノに出ていた)レネエをけしかけてロラ ントを告発させ、あとのポルノ市場の獲得を狙っているとか、そうい う端的な動機を彼が抱いていることを示唆するシーンがあればわかり やすいんですけども。 124さんにはいろいろ疑問をぶつけてますが、最初自分でも時系列的に 理解しようとして頓挫したときに(そのあげく「全編脳内論」に辿り 着いたんですけど)、自分では答えをみつけられなかった疑問点と かなりかぶってます。なので、自分が見落としていたかもしれない ところを誰かに指摘してもらえると、大変うれしいんですが。
165 :
124 :03/01/15 21:06 ID:FHVvesMB
先ほど、ロラントの方がレネエ殺しの可能性高い(フレッド より)ということを書きましたが、 実際は、フレッドの自宅に入り込んだ第三者はミステリーマン の方でしょうから、ミステリーマンが、レネエを、あのナイフ で殺したのでしょう。 ミステリーマンは、レネエのポルノビデオを撮影した当事者 でしょうね。 また、ロストハイウエイホテルにも忍び込んでいましたね。
166 :
124 :03/01/16 21:44 ID:PA3pdqME
様々な仮説があるなかで、 ミステリーマンが実行犯だという可能性が一番高いのに、 その可能性を検討しているのを見かけないのだが、謎である。
毎度ながらで恐縮しつつ、124さんに質問なんですが、たとえば ・悪夢にうなされて目覚めたフレッドが、レネエの顔がミステリーマンの顔に なっているのを見るシーン ・炎が吸い込まれた砂漠の中の小屋からミステリーマンが出てくるシーン とかは、どういうふうに解釈してますか?
168 :
124 :03/01/17 04:59 ID:ThGV+ET3
OJシンプソンの話題のときに述べましたが、 OJシンプソンのケースと、ネジレ、の関係にあります。 殺したのに、平然と生活しているのと 殺してないのに、自由を奪われている、のとの境遇の違い。 ※あくまで「妻の死」に関して。 悪夢のシーンこそ、心因性記憶喪失の良い例で、 ミステリーマン=「妻のポルノを撮影した奴」&「ナイフで 妻を惨殺した奴」ってことでしょう。 そして、ミステリーマンは、警察につかまっておらず、 自由の身。自分(フレッド)は警察に拘束されている という境遇の違いもあり、なおさら憎いでしょう。 ※ただ、上の書き込みも、仮説。
169 :
124 :03/01/17 22:48 ID:ThGV+ET3
まずフレッドが、ミステリーマンの家をどうして知ったの でしょうか?? ヒントとして (1)レネエが、ピートと駆け落ちしようとする際、 アンディ(チンピラ)から盗んだ盗品を処分するため 彼(ミステリーマン)を利用しようとしていること ※レネエにとり、彼は、困った時助けをもとめる存在 でもある(ビデオの撮影者でも有るが)。 (2)フレッドとミステリーマンは、アンディ主催の パーティで面識が有る。 の二点があります。 とすると、パーティの帰路、ミステリーマンの家の横 を通った可能性、そして、そのとき、レネエが、 「ここが彼(ミステリーマン)の家だ」とフレッドに 漏らした可能性があります。(→仮説
170 :
全編脳内派 :03/01/19 00:31 ID:dS9YjWDo
>悪夢のシーンこそ、心因性記憶喪失の良い例で、 >ミステリーマン=「妻のポルノを撮影した奴」&「ナイフで >妻を惨殺した奴」ってことでしょう。 これはちょっと論理のつながりがよくわからなかったので、できれば もう少し詳しく説明していただけるとありがたいです。 ただ、このシーンですでにフレッドが「サイコジェニック・フーガ」 の状態に陥っているということは、これ以前に「レネエ殺害」は なされているということですよね? では、「ロラント殺害」はどの時点でなされたのでしょう? >(2)フレッドとミステリーマンは、アンディ主催の >パーティで面識が有る。 レネエとミステリーマンが面識があることを示唆するシーンって、 ありましたっけ? 「アリス」と面識があることを表すシーンは ありましたが。
171 :
山崎渉 :03/01/19 04:45 ID:kiAtka3A
(^^)
172 :
124 :03/01/19 06:55 ID:OU0LMSTu
(2点) OJシンプソン事件と、同じ構造だとしても、 心因性記憶喪失になったのが「一人」だとどうして 決められるのでしょうか?「二人」の可能性は? ピートの額の傷は何でしょう?ピートは少なくとも 強盗致傷(死)罪&住居侵入罪で逮捕されている可能性 があります。彼にとり「アリス」の惨殺は、十分、心因 性記憶喪失になる契機です。 また、心因性記憶喪失の物語というなら、まずミステリーマン の存在こそ、解明のヒントのはずです。なぜって、奴ほど 現実離れした存在は、ありえないのですから。 ただ、ややこしいのですが、「実在したか存在・人物だからこ そ」(心理的に)「非実在のように描かれた」と考えるのが、 解釈の出だしとしては、正しいアプローチでしょう。 彼を「現実離れした存在だから、実在しなかった」と、当然の前提と している解釈が多すぎるとおもいますが、リンチのいう、 心因性記憶喪失のコメントを、無視していることになります。
173 :
124 :03/01/19 11:46 ID:OU0LMSTu
ロラントの首を切ったあと、ミステリーマンは 携帯ビデオ再生機を、ロラントに渡します。 ロラントの「君の目的は?」の問いい対して。 そこにで、ポルノが再生されます。が、血飛沫が 飛ぶシーンが混ざってます。ようするに、スナッフ フィルムを撮影するのが、具体的には、レネエ殺害ビ デオをとるのが、ミステリーマンの目的だったことが、 解ります。
なるほど! 124さんの言いたいことがわかりかけてきました。 ミステリーマンが「レネエ殺害」に現実的にかかわっており、それを フレッドが知っているからこそ、フレッドの彼に対する認識が特異な ものになっているのではないか、ということですね。要するに、フレ ッドのトラウマのなかに、ミステリーマンも含まれている、と。 確かにこの発想はなかったです。 >ピートの額の傷は何でしょう これは「フレッド=ピート」の示唆だと思っていました。 すごくブレてるのでわかりづらいんですが、フレッドがピートに変身 する直前、独房のなかで頭を抱えて苦しんでいるシーンで、フレッド の頭に血がついてるんですよ。具体的に傷がついてるかどうかは確認 できないんですけど、確かにピートの額の傷と同じ位置に血がついて はいます。 >彼にとり「アリス」の惨殺は、十分、心因性記憶喪失になる契機です。 確認したいんですが、これは「アリス=レネエ」の前提ですか? それとも、別人である前提ですか?
さんざん自分でも使っておいて、今さらこういうことを言い出すのも なんですが、「サイコジェニック・フーガ」の訳語として「心因性記 憶喪失」という言葉を使うのは妥当ではないような気がしてきました。 もうひとつ、「心因性遁走」という訳語もあったと思うのですが、こ ちらの方が、この映画に限っていえば、妥当なんではないか、と。 その方面に詳しいワケではないので断言は避けますが、「記憶喪失」 以外にも、「多重人格」を含めたいろいろなPTSDの症候群がみられる ような気がしますので。 というわけで、今後、個人的には「心因性遁走」という言葉を使いま す。
176 :
124 :03/01/19 16:55 ID:OU0LMSTu
非常に細かいのですが、重要な点を二つ。 どちらも中盤ですが、事件当日のシーンの断片と思われるくだり、 無人のフレッド宅に電話が鳴り響きます。 これは、ミステリーマンがフレッドを、砂漠の小屋に誘いだす 電話と考えないと、あの小屋にフレッドがくることは、考えら れません。あの電話には意味が有ると思います。 フレッドとピートは、あの小屋に向かう道路で、事件当日すれ 違っています。それは、フレッドが変身する直前の、回想の シーン、道路を疾走している途中で、ピートが道端に立っている シーンから解ります。
177 :
124 :03/01/19 17:30 ID:OU0LMSTu
ピートがアンディ宅にバスで向かったのが、解釈のヒント。 <砂漠の小屋に至る四人の移動手段> アンディ宅→砂漠の小屋:アンディの赤い車(ピート&レネエ) フレッド宅→砂漠の小屋:不明(フレッド) 外出先→砂漠の小屋:不明(ロラントの仲間送迎?)(ミステリーマン) ※ピートは事件当日は、この砂漠の小屋で、お役御免 ↓ <ロストホテルに至る四人の移動手段> 砂漠の小屋→ロストホテル:不明(ロラントの仲間の送迎?)(ミステリーマン&レネエ) 砂漠の小屋→ロストハイゥエイホテル→アンディの車(フレッド) ロラント宅→ロストホテル:黒いベンツ(ロラント) (ここから2分裂) ↓ <ロストホテルから砂漠への三人に移動手段> ロストホテル→砂漠:黒いベンツ(フレッド&ロラント<トランク>) ロストホテル→砂漠:不明(アンディの車か?)(ミステリーマン) ※ロラントは死に、お役御免 ↓ <砂漠から逃走するフレッド> 砂漠→逃走へ:黒いベンツ(フレッド) ※フレッドは、ミステリーマンに耳元で、身の隠し方おそわる ↓ <朝になり、逃走からフレッド宅、最後の逃走へ> 逃走先→フレッド宅→逃走先:黒いベンツ(フレッド) ※「ディックロラントは死んだ」を告げるが警官に見つかる
178 :
124 :03/01/19 17:31 ID:OU0LMSTu
?(もう一つの流れ) <ロストホテルからレネエの帰宅手段> ロストホテル→フレッド宅:ロラントの仲間の送迎車(レネエ) ↓ <砂漠からフレッド宅へレネエ殺害にもどるミステリーマン> 砂漠→フレッド宅:不明(アンディの車か?)(ミステリーマン) ↓ <<結論>> 事件当日フレッド宅にいられたのは、レネエとミステリーマンだけ。 レネエを殺し、そのビデオを撮影できたのはミステリーマンだけ。 犯人は、ミステリーマンの可能性ない。 ↓ <おまけ、殺害後、証拠隠滅行為> フレッド宅→砂漠の小屋:不明(アンディの車か)(ミステリーマン) ※証拠隠滅のため砂漠の小屋燃やす!! ※警察に「ピート・フレッドが犯人だ」と、密告し、アンディ宅フレッド宅の捜索をさせ、逃走中のフレッドを警察に追わせるようにし むける。
179 :
124 :03/01/19 17:39 ID:OU0LMSTu
×犯人は、ミステリーマンの可能性ない。 ○犯人は、ミステリーマンの可能性高い。
180 :
124 :03/01/20 21:02 ID:UOTFMyb7
レスまちアゲ。 ピートの例の「あの日」、ミステリーマンがそばにいたっていうのも 事実。アリス(レネエ)から、駆け落ちの相談、パスポートの 依頼、盗んだ車の買い取り依頼を受けていて、二人の行動は、 筒抜け。おまけに、ロラント宅から脅迫電話も直前(前日?) に行っているし。
うーん、前提となる ・フレッドとピートの関係(別人であるかどうか) ・レネエとアリスの関係(別人であるかどうか) という疑問への明確な返答がいただけてないので、ちょっと レスの仕方に困っているんですが、まあ、それはそれとして(W シナリオからカットされた部分に、明確にフレッドの顔がピート の顔に変貌していくシーンがありますよね? >INT. PRISON - FRED'S CELL - NIGHT > >Fred's blank face begins to contort and take on the >appearance, feature by feature, of Pete Dayton. > >Fred Madison is becoming Pete Dayton. このあたりはどう解釈します?
182 :
124 :03/01/21 05:39 ID:cP2qPt8N
なぜ、「前提」なるものを、そんなに沢山作るのです? ピートもフレッドも、ミステリーマンから脅迫され、 ピートは愛人を殺され フレッドは妻を殺され、 同時に二人が、ミステリーマンを媒介に、心因性記憶喪失 に、陥ったという、2重構造の映画(OJシンプソンの応用) と考えるしか、解釈のしようがありません。 別人説。 ピートもフレッドも、同一時期に警察に逮捕されていて、 収監されていたことが、推測されます。 ピートとフレッドとの変身は、↑を示唆することと、 同時に二人が、心因性記憶喪失に陥ったこととの、 2点から解釈可能。 二人の変身は、別に、同一人説をとらなくても説明可能。 ピートは、罪が軽く出所するわけですが、出所後ボケボケ 状態ででてくるわけです。家族が心配するほど。
183 :
124 :03/01/21 22:20 ID:cP2qPt8N
(小活) 結局、一対一の論争になってきたけど、 ミステリーマンの実在を前提としなければ、議論が噛み合ないので 念のため。 ポルノカメラマンのミステリーマン。 ロラントの友人のミステリーマン。 盗品販売のミステリーマン。 砂漠の小屋に住むミステリーマン。 どこにでも出没するミステリーマン。 友人のロラントを平気で射殺する矛盾した行動の ミステリーマン。 フレッドとピートの心因性記憶喪失の原因となったミステリーマン。
>なぜ、「前提」なるものを、そんなに沢山作るのです? いえ、単純に互いの解釈を明確にしたかっただけですよ。 このあたりの前提が違うと、同じことを言っても意味が違って きますから。 「いろいろな解釈があってよい」というのを前提に、124さんの 解釈の正確なところを知りたかっただけで、他意はありません。 自分の「前提」を明確化しておくなら ・ピート=フレッドが妄想で作り上げた偽人格 ・アリス=フレッドが妄想で作り上げたレネエの偽人格 ・ミステリーマン=フレッドの感情の象徴 というのは、現在のところ、ゆるぎませんけども。 いまひとつよくわかってないんですが、「ピートの愛人」って、 誰ですか? アリスないしはシーラが殺されたことを示唆する シーンはなかったと思うのですが。
185 :
124 :03/01/22 04:49 ID:d/GgDOgu
じゃあ、この先、(次の一点除いて)語り合っても 無駄ですね。 一点。 少し前に一例を示しましたが、おおまかなストーリーは 並べかえることが可能です。(私としては、全て並び かえ可能ですが。←警察官とかの台詞が、混乱の元な ので、無視するところはでてきますが。) そして、映画の細部に配慮すれば(事件当日の雷、 事件当日フレッド宅の電話が鳴ること、アリス(レネエ) が、二人は殺されるかもとピートに打ち明けること) 意外なほど並び替えは、進みます。 「よけいな前提」を加えるから、並び替えが不可能に なる→だから「全編脳内派」という結論になるのであって、 そのような前提を、外せば、違った結論になるはずです。
186 :
124 :03/01/22 20:47 ID:d/GgDOgu
ロラントは、 ピートを脅す時、アリスといい、 ロストハイウェイホテルでは、でていったアリス(金髪) をレネエと呼んでいたはずです。 ロラントの目からみて、アリス=レネエなのですから 芸名と本名の違いくらいの差でしょう。 なにしろレネエはポルノ女優なわけですから。 フレッドの妄想というのは、こじつけです。
>おおまかなストーリーは並べかえることが可能です。 えーと、できれば、一度、124さんが並びかえたストーリー・ライン をみてみたいんですが。自分では失敗しているので、ぜひ。 ただ、ポイントなのは「並びかえが可能である」ことではなく、 「なぜ、そのような並びかえをしなくてはならない構造にこの作品が なっているのか」だとは思いますけども。
188 :
124 :03/01/23 01:13 ID:J6Z5A3Bx
ダブル(二人)心因性記憶喪失説。 フレッドが「鏡」をみてボーッとする(シーン)。 ピートが「鏡」をみてポーッとする(シーン)。 フレッドへのミステリーマンの「謎の言葉」 ピートへのミステリーマンの「謎の言葉」 フレッドは、自宅での惨劇という悲劇 ピートは、一生、連中からつけ狙われるという悲劇 フレッドは、死刑囚という拘束下でおかしくなる。 ピートは、釈放されても、それでも、おかしくなる。 ※極東での突然の銃殺刑という事例の引用は、 ようするに、「釈放されても、いつでも殺せるよ」 ってこと。
今日、初めてDVDで鑑賞したんですが頭がこんがらがりました。 このスレでは言及がないようなのですが、 1.ピートがエディーの車でドライブ(?)途中で止まって車の整備する場面 って、フレッドの家の前だと思うんですが違いますか? 2.ピートが車の下にもぐりこんでいるときフレッドのサックスがラジオから 流れてくるのには何か意味があるのでしょうか? 3.ピートの両親と恋人が頑なに口を閉ざす「あの晩のこと」って一体何? 僕はピートが実在の人物でフレッドがピートの妄想の中の人物のような気が するのですが・・・
190 :
124 :03/01/26 09:49 ID:bQ55+ie7
私の解釈では、「あの晩のこと」と言われる日の「前後」っていうのは、 ピートとアリス(レネエ)との浮気が、ロラント&ミステリーマン 一味にばれている頃、と一致します。 その頃、ロラント一味は「二人とも殺したい」位怒っています。 アリス(レネエ)はそれとなく、ピートにその旨「見つかると 殺される」と電話で告げます。 一方ピートは、会えないので、シーラにはけ口を求めます(と解釈します)。 要するに、「あの晩」とは、アンディ宅襲撃「近くの日」なのはたしかなのです。 そして、アリス(レネエ)は、高飛びの準備として、「パスポートの 手配」と「盗難車の買い取り」を、ミステリーマンに依頼しています。 他方、ミステリーマンは、ロラントとつるんでいます。 ※ミステリーマン実在説です。 ※マンは、ビデオ撮影者&砂漠の小屋の主という理解です。 ※ピート宅へのロラント/マンの脅迫電話も有ったと思います。 「あの晩」「雷のなった夜」「アンディ宅襲撃の夜」がくる「前まで」 にミステリーマンには、二人の駆け落ちは、バレバレだたのです。 (ロラントは浮気は知ってますが、パスポートの準備までしている ことはマンから聞かされていなかったと思われます) 両親の説明では、「あの晩」=「ピートとミステリーマンが一緒 にいた」と映画の中で説明が有ります。 実際、ミステリーマンがピート宅に顔出したかどうかの描写は ありませんが、「あの晩の駆け落ち劇は、ミステリーマンにバレバレ でそれが、アンディ/ロラント/レネエ殺害につながった」という 自説につながります。 二人同時心因性記憶喪失説ですから、事件ことを覚えずに釈放された ピートの頭の中で、「あの日」と「ミステリーマンの脅迫(死刑予告)」とがごっちゃになり、「あの晩のこと」と称されるように なったと思います。
191 :
124 :03/01/26 10:00 ID:bQ55+ie7
(フレッドのサックスに関し) 私は、(カットシーンとの整合性を検証中ですから、完全に 自説を固めたわけではないですが)ミステリーマン犯人説を 前提に、 ピート実在、フレッド実在、アリスはレネエの芸名説、 「レネエ(アリス)殺害」と「ミステリーマンの二人への脅迫」とに起因する 二人同時心因性記憶喪失説を採ります。 (ミステリーマンの動機は、用済の女優のスナッフ(殺人)ビデオ撮影。) 二人とも実在するわけですから、フレッドのサックスがピートの ラジオから流れるのは、当然なのです。 フレッドはサックス演奏者&レネエの妻として実在する。 ピートは腕の良い修理工&レネエ(アリス)の愛人として実在する。
192 :
全編脳内派 :03/01/26 15:27 ID:9/POrFba
>>189 んじゃ、ワタシの方は「全編脳内的解釈」で(W
・全編にわたって「レネエ殺害後のフレッドの心理や記憶」を映像化している
・ピート=フレッドが妄想のなかで逃避先として作り上げた自分の偽人格
という前提です。
1.これは気がつきませんでした。DVD見直してみます。
2.
>>104 で述べたように、その妄想が「フレッド時代の記憶」に踏み込まれて
いることを表すシーンであると思います。当然ピート=フレッドにとって、
「レネエ殺害の記憶」につながる思い出したくない記憶であるため、それを忘
れたいフレッドはラジオを切ってしまうという行動に出る、という具合に解釈
しています。
3.これも2と同様で、「あの晩」はもちろん「レネエ殺害の夜」のことを
さしていると思います。心因性遁走状態に陥ったフレッドには「レネエ殺害」
当時の確固とした記憶がなく(できれば忘れたいと思っている)、「なにか
よくないことが起きた」ことしか憶えていないことを表すため、あのような
曖昧な描写がとられているのだという理解です。
「あの夜にミステリーマンが一緒にいた」のは「ミステリーマン=フレッドの
感情の象徴」であるからだと思います。激情にかられてレネエを殺害したフレ
ッドですが、それが自分の犯行であることを否定したく思っていると同時に、
そのときの感情が自分とは無縁のものであると思いたがっています。そのため、
彼の妄想のなかでは、あたかもミステリーマンが「人格をもった他者」である
かのような登場の仕方をしているのだと思います。
193 :
124 :03/01/26 16:03 ID:bQ55+ie7
(ピートがロラントの車を修理した場所) DVDを見直しましたが、 フレッドの家の前「ではありません。」 普通の住宅街です。路上駐車も三台ほどあるような、 山道(マルホランドドライブ?)へ続く住宅街。
194 :
124 :03/01/26 16:15 ID:bQ55+ie7
(ご注意) ・「面識の有無(→実在)」と「妄想中の人物」との区別。 ある人物を「妄想(中の人物)」と称す場合、どういう意味でしょうか? 例:ピートが妄想の人物:ピートは実在しない→両親も実在しない →アーニー修理工場もシーラも実在しないってことですか? フレッドが妄想の人物:フレッドは実在しない→アンディのパーティ にフレッドは行っていない、ってことですか? どこからどこまでが、妄想といえるのかの限界がつかめません。 人間関係のリアルさから判断して、両者は実在していたとしか考えら れませんが。 もっとも、二人が実在したとして、二人が映画の時間軸のなかで 「面識を持ったか」どうかは、精査する必要が有ります。 獄中の変身(と一般にいわれる)シーンで、フレッドらしき人物 が運転するくるまの「外」にピートらしき人物が立っていること から、「あの晩、二人は面識を持った」と考えていますが。 そして、面識を持てる以上、(循環論法ですが)二人は実在したとも。
よお続くな、君ら。
196 :
189 :03/01/26 19:03 ID:bbVfLT6f
お答えいただきありがとうございました。 もやもやが解消されました。 ところで、最後のシーンで「ディックロラントは死んだ」でループに 入るように見えますが、ちょっと疑問がありました。 このセリフの直後に刑事に見つかりカーチェイスが始まるわけですが、 順番おかしくないですか? 本来ならこのあとビデオテープが見つかり、そこではじめて警察に相談 するわけで、この場面で刑事が様子を見に来るはずはないのです。 従って、ビデオテープを見せられる刑事は、実在の人物が違う形で妄想の 中で利用されているのでは?
197 :
124 :03/01/26 19:18 ID:bQ55+ie7
(エピソードの順番についての、話は、留保。)
とりあえず、
>>177 とか参考にしてくらはい。
砂漠でのロラント殺害は「夜」
ディックロラントは死んだ、は「昼間(朝でも可)」
パトカーから、追跡受けてるフレッドの描写は、
(1)ロラントは死んだの「前」
(2)ロラントは死んだの「後」??
私見では、パトカーの追跡を追い払うのは不可能(→描写は
無いがガス欠で逮捕と思われる。自宅でレネエ殺害は不可能。)
ロラント殺害→ミステリーマンの「耳元へのささやき」で
身を隠す→その夜、レネエはマンに殺害されるが、フレッド知らな
い→フレッド妻を信じてるとおもって、「ロラント死んだ」とつげるが、
ロラント殺害は、厳然たる事実なので家にはいらず逃げる→同時に、張り込み中の警官に見つかる
→追跡劇始まる→夜になるまでパトカーに追跡→ロラント殺害容疑
で逮捕→警察に「妻も殺しただろう」と尋問→「(妻殺しは)覚えてない」→フレッド不眠→心因性記憶喪失へ。
198 :
124 :03/01/26 19:28 ID:bQ55+ie7
(ビデオテープに関しての私見) 肝心のビデオテープに関して。 自宅を移したビデオテープ(最初の2巻)は、 ロラント一味(私見では、ミステリーマン)の レネエ浮気への「脅迫」(ブラックメール)だとおもいます。 フレッドはレネエがポルノ女優であることを知らずに、結婚 していることから、「ピートとの浮気をやめないと、フレッド に過去をばらすぞ」という訳です。 レネエの自己保身のためには、警察という第三者をまきこま ないと、逆にフレッドから嫌疑をかけられるわけです。 「あの晩のこと」が起きる「以前に」、警察の二人は、 あのビデオを、見たことになります。 それ以降、二人の警官は、フレッド宅を(一応)見張っています。 その後「あの晩のこと」がおきます。 ※ロラント一味がフレッド(=レネエ)の自宅を知っているこ とは、ロストハイウェイホテルから、レネエが帰宅する際、 ロラント一味の運転する自動車の後部座席に乗るシーンから 伺い知ることができます。
199 :
全編脳内派 :03/01/26 23:41 ID:5nq1UKel
>>194 >ピートが妄想の人物:ピートは実在しない→両親も実在しない
>→アーニー修理工場もシーラも実在しないってことですか?
これはイエスです。少なくとも「両親とシーラが実在でない」ことに
関しては、カットされたシナリオ部分にヒントがあるように思います
(リンチの「常套句的映像表現」の形で、ですが)。
実のところ、レネエやロラント、アンディや刑事たち、もっというなら
フレッド自身に関しても映画内(=フレッドの脳内)で描かれている人
物像と、実際の人物像が一致している保証はありません(なにをもって
「実際の人物像」であるとするかという問題はありますが)。
>どこからどこまでが、妄想といえるのかの限界がつかめません。
実は、これがリンチの映像表現のキモであるような気がします。「世界
(=現実)」と「夢(=認識)」の間に、確固とした違いを認めていな
いという。言い方を変えるなら、実際の「現実」はどうであれ、人間は
それを自分が認識した形でしか認識できない、ということです。
それを映像的に表すために、故意に「客観的視点」と「主観的視点」が
曖昧になるように「カメラの視点」を設定している。「客観的視点」の
ふりをして、実は誰かの(この映画の場合、フレッドの)「主観的視点」
であるというような、いわば「視点の騙し」を行っている、というのが
個人的な理解です。
そうした「カメラの視点」に気がついたとき、「こりゃ、ひょっとして
全編フレッドの脳内を、フレッドの視点で描いてるんでないか?」と考
えはじめたわけですが。
200 :
全編脳内派 :03/01/27 00:01 ID:D6Fv1mhM
>>196 >従って、ビデオテープを見せられる刑事は、実在の人物が違う形で妄想の
>中で利用されているのでは?
これは御指摘のとおりだと思います。
「フレッドがハイウェイを逃走し、パトカーがそれを追い掛ける」シーン
そのものが、フレッドの「妻を殺害した記憶や罪の意識からの精神的逃走」
を象徴するシーンだと思いますので。彼を追い掛ける刑事そのものが、彼
の「罪の意識の象徴」であるのかな、とも思います。
個人的には、逮捕後、手荒い取り調べを受けた刑事のイメージが転用され
ているのではないかと思っています。
201 :
189 :03/01/27 00:50 ID:8RElz26a
皆さんの書き込みを参考に一日中あれこれ考えて結論が出ました。 基本的に脳内派(そうでなくては時間軸がおかしい)ですが、 一部実在派です。 長くなるので明日また書き込みます。
202 :
124 :03/01/27 05:22 ID:Tdr9ToRU
どうも、全編脳内派さんは、昔からホームページで 大々的に自説を展開しておられる方と、同一の見解のようです。 ※検索するとよくヒットするという程度。 こちらは、新参者ですし、自説を別途ホームページで公表する 気は有りませんし、まだこのスレで、全面的に自説を披露して るわけではありませんが、せっかく、時系列的に並び替えが、 可能なものを(→ピート、フレッド実在を前提)その作業を、 無効にするような、解釈には疑問です。 ※リンチの言葉にすら誤解が有ります。 自分の解釈の矛盾点を「妄想」で、逃げる、つまり「誰からも 論破されない説」っていう安全地帯に「全編脳内派」さんは、 逃げ込んでませんか??
203 :
124 :03/01/27 05:29 ID:Tdr9ToRU
まあ、同じこと書くの、2度目だけど、ミステリーマンが実在する という前提を、捨てれば、「全編脳内派」さんとの接点は、ほぼな くなる。 このスレを読む、他の読者のかたも、了承してほしい。
204 :
124 :03/01/27 05:30 ID:Tdr9ToRU
×捨てれば、〜 ○捨てないのが124、捨てるのが、「全編脳内派」さん。捨てる、〜
205 :
124 :03/01/27 21:44 ID:Tdr9ToRU
?(時系列整理その1) レネエ/フレッド編 アンディとバーで知り合う→仕事紹介→ロラントに裸→ポルノ出演 ※撮影にミステリーマン関与?? →フレッド(サックス奏者でインポ)と結婚→ロラントとの関係は続く。 ※夫は夜の仕事だからロラントとの関係維持するの容易。 ※※どういう経緯でフレッドと知り合ったかは不明。 ※※※この時点ではフレッドとロラント面識ない。 ピート/アリス(レネエ)編 19歳で、警察に捕まる→保護観察過ぎる→24歳の頃には、腕の よい自動車整備工(アーニーと言う工場)→ロラントの自動車を定 期的に修理している→幼なじみとつるんで遊ぶ/両親健在/シーラ という恋人いる→『謎の失踪』『警察から尾行』→失踪から復帰 →ロラントと再会/レネエ(アリス)と知り合う→一目惚れ→ レネエ(アリス)と愛人関係/警察はロラントとピートとの関係疑 い尾行続ける。 ※『謎の失踪』『警察から尾行』あたりが、曖昧で調査中。
206 :
124 :03/01/27 21:45 ID:Tdr9ToRU
?(時系列整理その2) レネエ/フレッド編 フレッド、レネエがライブ会場からアンディと外出するの目撃→ レネエがライブに行くのを渋り出す「読書したい」→ライブの合間 に自宅に電話するが不在→レネエの過去に疑い→アンディのパーティ に参加→ミステリーマンと会う→帰宅途中アンディとの関係をレネエ に詰問するまでに悪化→レネエは「仕事紹介してもらった」とだけ 語り、ポルノ出演についてはごまかす。 ピート/アリス(レネエ)編 二人は愛人関係をつづけるがロラントに関係を疑われ始める→アリス(レ ネエ)は「ロラントに見つかると殺される」とまで→ピートはシーラには け口を求める→でもだめ→二人はロラントに見つからないように、国外に 逃げることを計画/具体的にはアンディ宅に強盗に入り盗品をミステリ ーマンに売って金を手に入れること&ミステリーマンから偽造パスポー トを入手すること→アンディ/ロラントとの過去をピートには告白する→ ほどなく、ロラントにほとんどのことがばれる→ロラントはピート宅に脅 迫電話→ミステリーマンも隣にいて「死刑宣告」のような台詞を残す。 ※要するにミステリーマンには二人の駆け落ち計画(アンディ襲撃)はバ レバレ。 ※※ただし、ロラントは駆け落ち計画は知らない。 ※※※ピートにはフレッドと違いポルノ出演の事実を告白した点が重要。
207 :
124 :03/01/27 21:46 ID:Tdr9ToRU
?(時系列整理その3) 二つの流れの交差編 ロラント(一味)が、レネエがピートに深入りしてることに気付き、レネエへ の嫌がらせ開始→フレッドの自宅にビデオをおくことに ※「フレッドにポルノ出演の過去ばらされたくなければ、ピートを捨ててロラン トのもとに戻れ」とのメッセージ。 ※ミステリーマン関与の可能性強い。 2度目のビデオでは室内まで侵入→レネエとしては過去をばらされそうで やばくなり、警察を呼ぶ→警報装置の誤作動という曖昧な点を残し現場検 証終了→以後フレッド宅は(建前上)警察の監視下に。 他方、ピートの方も、警察の尾行は続いており、おもな行動は監視され ている。
>>202 うーん、こりゃ困りましたね。
124さんを論破するつもりはさらさらないし、論争する気も特にないんですが。
124さんの検証が終わるまでこちらの書き込みを保留してもいいんですが、たと
えば124さん以外の方とやり取りをする過程で、自分の解釈を書き込むのは確実
でしょうしね。さて、どうしたもんでしょうか?
で、例によってどうにも証明のしようがない話なんでアレですが(w、ワタシ
自身はこの映画に関するHPを開設したことはなく、124さんのおっしゃっている
ページの管理人さんでも、もちろんありません……というか、どのHPの話なのか
すら、よくわかってない始末です、はい。
んーと、後半の部分でのご指摘なんですが、確かに「人間の認知・認識」の問題
をからめて論じると、どうしてもメタ的になるというか、不可知論的になっちゃ
う傾向がありますね。ただ、「認知・認識」の問題をからめないで、この映画に
関する自分の解釈を説明するのは、現実問題として不可能です。
なんとかそうした傾向に陥らずに説明できればいいなと思うのですが、残念なが
ら、今のところ、いい方法を思い付きません。
というところで、124さんに提案なんですが、これ以降124さんの「時系列検 証」を含めた、「登場人物すべて実在」方向の検証が終わるまで、暫定的に 以下のようにするというのはどーでしょーか。 (1)「ミステリーマンその他登場人物すべて実在」を前提とした、時系列再構築 作業を含める解釈を試みる。「全編脳内派」は、同じ前提のもとに、これに 参加する。 (2) 両者以外の人に対してレス等をするときは、互いの独自解釈に基づいて行う。 (2)に該当する両者の書き込みに対して、124と「全編脳内派」は互いにスル ーし、直接のやり取りを行わない。 ※第三者の混乱を避けるため、(1)の立場で書き込みを行うとき、「全編脳内 派」のコテハンは使用せず、他のコテハンを使用するつもりです。 この提案の意図は、「全編脳内派」が ・時系列的理解に基づく「解釈」が、絶対不可能であると確信しているわけで はないこと(自分が見落とした部分がある可能性があると思っていること)。 ・この作品は「多層的な解釈」が可能であり、ひとつの解釈が完全な整合性 をもって成立しても、それがそのまま他の解釈の排除につながるわけでは ないと考えていること。 ・成立した複数の「解釈」を踏まえた、「総合的な解釈」が成立する可能性が 否定できないと考えていること。 の3点に基づきます。 どうでしょう? ご意見、お待ちしています。
いくらなんでもミステリーマンの実在はないだろ。
211 :
名無シネマ@上映中 :03/01/28 09:14 ID:L/3hOKwg
213 :
211 :03/01/28 12:02 ID:L/3hOKwg
レス有り難う御座います。 リージョンはどれでも構いません。 純粋に一番高品質なのを手に入れたいので...
124さんは「ロラントがレネエ(=アリス)とピートの関係に不満を持って云々」 と言っているけど、それならば、そもそもレネエ(=アリス)にフレッドとの結婚 を許すわけがないと思います・・・ これは時系列以前の問題。
全部持ってるヒトはこのスレにいないんじゃないの? でも高品質ってか、一番作りがいいのはやっぱ日本版じゃないっすか? ワイドスクリーンなので上下のカット面積が大きいのが気になるけど、後々 保管のこと考えると安心感はあると思う。 あと、ドイツかどこかの版も同じくワイドスクリーンと聞いたことあるなあ。 でも、海外の盤はヤワだからね(多分)。 マスタリングは向こうの方がいいのかもしれないけど。
216 :
124 :03/01/28 21:38 ID:zVkwwNqW
?(時系列整理その4=「あの晩のこと」1) 夜の11時頃から物語が動き出す。 フレッド単独編(1) フレッド、妻の過去に強い疑い/その日レネエは自宅にいない→そこに 一本の電話が鳴る→(その電話は誰からだろうか??) ※レネエは、ピートとの駆け落ち計画中(アンディ宅)なのである。 ピート/アリス(レネエ)編(1) アリス(レネエ)はフレッド宅をでており不在/アンディと寝る→アンディ をだますための演技→ピート自宅をでる/11時にアンディ宅つくよ うにバスに乗車 ※警察またはロラント一味の尾行を撒く(まく)ため。 →ピート予定どおり侵入しバーに隠れて、アンディを殴る→アンディが飛びか かったさい、机の角に頭をぶつけて即死→予定外であるが、盗むもの は盗んで、二人は予定通りミステリーマンの待つ、砂漠の小屋に、アンディの 赤い車で、向かう/アンディのピストルも一緒に ※盗品と自動車を売り、金に代え、パスポートを得るため。 ロラント単独編 ロラントは、自分の黒いベンツで、ロストハイウェイホテルに向かう。 どうやら、ミステリーマンがレネエをつれてくる約束のようだ。
217 :
124 :03/01/28 21:40 ID:zVkwwNqW
?(時系列整理その5=「あの晩のこと」2) フレッド単独編(2) フレッドは、ミステリーマンに電話で呼ばれ、砂漠の小屋に向かっている。 ピート/アリス(レネエ)編(2) 砂漠の小屋に来たが、ミステリーマン不在→レネエは駆け落ち失敗した ことに気付く(ミステリーマンに騙されたわけ)→レネエとピートとは 最後のセックスをする→ミステリーマンネタばらしに登場→レネエはミ ステリーマンが手配したロラント一味の車で、ロラントの待つ、ロスト ハイウェイホテルへ移動→ピート/アンディの車/拳銃は砂漠の小屋 (近く)にとり残される。 ※二人がセックス中にミステリーマンがピートを殴ったのではないか? ※※しばらくピートは話から脱落 フレッド/ミステリーマン編 フレッド到着→ミステリーマン彼を小屋に手招き(砂漠の小屋周辺に、気 絶しているピートを見つけた可能性有り) →しかし肝心のレネエは不在/ミステリーマンが、ロストハイウェイホテ ルでのロラントとレネエとの密会をバラす→フレッドはアンディの赤い車 でホテルに向かう(アンディの拳銃も一緒)→ミステリーマンもフレッド を追いかけホテルに向かう。 ※フレッドは激怒状態 ※※ミステリーマンの移動手段は不明
218 :
124 :03/01/28 22:00 ID:zVkwwNqW
? (時系列整理その6=「あの晩のこと」3) ロラント/レネエ/フレッド/ミステリーマン編 レネエ、ロストハイウェイホテル到着→ロラントと寝る→遅れてフレッド とミステリーマン到着→レネエ帰宅(ロラント一味の車で送られる)→ フレッド、ロラント襲撃→ロラントの黒いベンツのトランクに、ロラント を押し込み、砂漠へ→フレッド、ロラントと争う→ロラントの首を、ミ テリーマンが手渡したナイフで切る→ロラント、ミステリーマンの裏切り に気付く→ミステリーマン、ロラントにポルノビデオと女優(ニューハーフ?) がナイフで切られるビデオをみせる→とどめはミステリーマンが 拳銃(アンディのか?)でロラントの頭に一発→ミステリーマンは親しげ にフレッドの耳に何かささやく→(なにをささやいたのだろうか??) ※ナイフはレネエ殺害にも、使用された可能性 ※※フレッドは、ロラントの黒いベンツで逃走することになる
219 :
名無シネマ@上映中 :03/01/29 00:42 ID:yXaSa9+b
映画にないシーンを勝手に作ってつなげりゃどうとでもなるだろう
220 :
124 :03/01/29 22:04 ID:P+i6WS2G
(時系列整理その7=レネエ殺害の真相) ここは完全な解釈の領域。但し、でたらめかどうかは、その後の エピソードとのつながりなども、考慮されたい。 フレッド/ミステリーマン編 ロラント殺害現場にて、ミステリーマン、フレッドに、現場から逃げる ことを教唆(もともとミステリーマンは偽造パスポート手配するような 奴だから説得力ある)→ただ、「夜の内は、まだ殺害がばれるわけない ので、すぐに逃げず、身を隠すこと」「レネエが起きるころ一旦自宅に もどり、ロラント殺害という顛末を告げてから逃げる」ように助言( ミステリーマンとしては、フレッドが自宅に戻ると困るから)→フレッ ドはマンと別れ、ロラントの車で、一旦、どこかへ→ミステリーマンは フレッド宅へ(先ほどのナイフ/小屋で使ったビデオカメラも持ってで あろう)。 ※手の込んだ芝居。 ※※ミステリーマンがロラントの本名「ディック・ロラント」を教えた 可能性高い。 レネエ/ミステリーマン編 レネエ、自宅にもどっている→ミステリーマン、ロラント殺害現場から、 フレッド宅に移動→フレッド宅に侵入(無断で侵入したのか、レネエ自 身が玄関からミステリーマンを中に入れたかは不明)→ナイフでレネエ 殺害&殺害現場をビデオ撮影→当初の目的果たす。 ※警報機が鳴らなかったとすると、レネエが彼を玄関から通したと思わ れる。 ※※警察が夜も見張っていたとすると、レネエが自ら招き入れたと解釈 するのが自然。
221 :
124 :03/01/29 22:05 ID:P+i6WS2G
?(時系列整理その8=砂漠の小屋が炎上した理由) レネエ殺害後の、ミステリーマン編 ミステリーマン、証拠隠滅のため、砂漠の小屋、燃やす。 →ミステリーマンは警察にピート、フレッドの犯罪を密告。 (もともと、この二人を警察はマークしていたわけであり) もし密告が真実だとすると、2人×2組の刑事コンビは大変 な警備ミス(大失態)をしたことになる→2人×2組の刑事は、慌てて 非常線を張る。→マンは、ピートとフレッドの両名に嫌疑がかかるように仕向ける。 ※非常線が、「あの晩」のあと、なぜ、すぐに張られたかの真相がここにある。
222 :
124 :03/01/29 22:09 ID:P+i6WS2G
?(時系列整理その9=「ディックロラントは死んだ」の意味) フレッド編 朝方、自宅にロラントのベンツで戻る→自宅には入らず「ロラントは死ん だ」とだけ告げる→ミステリーマンの罠で、すでに警察が張り込んでいる→ 警察に見つかる→警察に追われ、ロラントのベンツで逃げ回わり、発狂状態。 ※実際は、その時点では、すでに、レネエは死亡していた。 ※※たしかにロラントの首を切ったのはフレッドであるが、射殺したのは ミステリーマンである。だから「ディックロラントは死んだ」という言い方 は許容できる。
パーツパーツはいい線行ってるんだけど、つなげ合わせると 矛盾だらけだなあ。 ま、ごくろうさんです。
124さんからレスがないので、んじゃ、まあ、テキトーにやります。
>>221 あれって、「小屋が炎上した」シーンでしたっけ?
なんであそこだけ、逆回しになってるんですか?
まさかとは思うんですが、仮に時系列整理がこれで成立するとして、
「二人の男が心因性遁走状態に陥るまで」を描いた映画だったという
オチじゃないですよね?
リンチ作品では夢や妄想内で世界が展開するのは当たり前。 それを受け入れず、すべて現実という事で解釈しようとするのは愚の骨頂だと思う。
226 :
124 :03/01/30 05:21 ID:zDtQEKBZ
(休憩)
>>214 後少し、一連の書き込みが残っているので、本格的な
レスはあとに、しますが、
『ブルーベルベット』でも、既婚者(子持ち)の女性を
旦那から奪って、愛人にするという関係があります、参考
になります。
※もっともこの旦那は、悲惨でしたが。
私は、アンディがフレッドのライブ中に、客席のレネエを
連れ去るシーン(→どのシーンか解りますよね?)がある
ことから、『夜の仕事を旦那にもつ、妻は、愛人にしやすい』
という点を重視してます(あと、インポテンツなのも)。
※※インポなのが、最初からなのか、関係悪化してからなの
かも議論の余地はありますが。
227 :
124 :03/01/30 22:36 ID:zDtQEKBZ
>>225 いやまあ、そう頭っから決め込んでしまうのもアレかなあ、と。
何が出てくるかはともかく、とことんやってしまうのも、
「思考実験」としては面白いかも、と。
「ストレイト・ストーリー」を観て思ったんですけど、リンチの
撮り方って、ある意味、すごく「素直」なんですよねー。
リアルはリアルで、ちゃんと撮れる人なんだと思いました。
……いつもは「写しているモノ」が変なだけで(W
229 :
124 :03/01/30 23:02 ID:zDtQEKBZ
?(時系列整理その10=おまけとしての警察の捜査) ※その9と、順序は、逆かもしれない。確認中。 アンディ宅編 例の四名の刑事が現場検証。ピートの指紋みつける。ロラント/レネエ/ アンディ三名の写真見つける(あの晩、死亡した三名がそろって、映ってい るという不思議) ※ピートの指紋からもピート実在説に傾く。
230 :
124 :03/01/30 23:13 ID:zDtQEKBZ
? (時系列整理その11=その後の二人) ※ピート編もあるよ フレッド編 フレッド逮捕→例の二人組に「妻殺し!」となじられる→しかし ロラント殺しはともかく、レネエ殺しはえん罪→「覚えてない」 と正直にいう→刑事は認めない→ロラント殺しプラスレネエ殺し のえん罪で第一級殺人罪で死刑判決→収監→不眠→医者に診ても もらう→レネエを失い、ロラントを殺し、ミステリーマンは逃げ ているというおかしな結末→頭がおかしくなる→看守にも同情 されるようになる「かわいそうに、妻殺し野郎!」「どの妻だい?」 というやりとりからも、フレッドのレネエ殺しはえん罪に近い →独房の中で、出来事を振りかえる→心因性記憶喪失の世界へ。 ピート編 ピート逮捕→アンディ宅への住居侵入と強盗致死傷で起訴有罪→ 収監→釈放→両親の元へ→レネエを失った一方、ミステリーマン は逃げたまま→あの晩直前の電話での脅迫(死刑宣告)がよぎる →いつミステリーマンの襲撃があるか不安→鏡をみると恐い →心因性記憶喪失の世界へ。 <<時系列整理:おしまい>>
231 :
214 :03/01/31 21:19 ID:KaVfjJlC
時系列整理、乙です。
>>226 ロラントにとっては、レネエ(=アリス)が
■ピートと浮気をするのは殺すほど許せない
■アンディと浮気するのは全然OK
■フレッドと結婚するのも全然OK
って解釈されているって事でいいですか?
>>230 この映画の最大の謎はフレッド→ピートへの変身と思われ。
ピートが心因性記憶喪失になったというならば、それは独房の中でなくてはおかしいのでは?
「鏡を見ると恐い」→「心因性記憶喪失」ってところがよくわからないです。
追伸:
「かわいそうに、妻殺し野郎!」「どの妻だい?」というのは
えん罪を示唆しているというよりも、それだけ巷に妻殺しが溢れている
っていう事の描写では。(例:OJシンプソン)
232 :
124 :03/01/31 22:15 ID:3HgLQsyR
(1)ピートの罪は、フレッドよりは軽いです。 ※アンディを殴った以上強盗罪ですが、殺人の故意は ないでしょう(警察が尾行していたことが、逆に ピートのアンディ宅襲撃が、レネエの計画であるこ とを証明しているわけですし) (2)ピートは死刑ではなく、ロラントから脅迫を うけていたという情状もり、釈放されるでしょう (3)わたしは、ミステリーマン実在説/裏社会 を逃亡している説、論者ですので、ここで、「極東 の死刑執行方法」の「脅し」が、大変、活きてくる わけです。 (4)法的には、釈放されても、いつミステリーマン (あるいはロラントの残党)から、「頭をぶち抜かれる かもしれない」とおびえて生きてゆかなければならない。 (5)これこそ、収監されることよりも、心理的にダメージ が大きい。 (6)→一旦自由の身になってから、逆に心因性記憶喪失 になる。 全然、無理はないです。
233 :
124 :03/01/31 22:20 ID:3HgLQsyR
逆に、全編脳内派さんは、ピートに対するロラントの電話に よる脅迫(「元気かい??」)と、それに続く、ミステリーマン のすごく具体的な、奇妙な、脅迫とを、どう位置づけています? あと、アンディ宅から、砂漠の小屋への移動ですが、レネエが 前から砂漠の小屋を知っていて、ピートを誘導したって理解 は自然ですよね。 そして、レネエはパスポートを入手する/盗品を売って逃走資金 を手に入れるために、「誰かを」頼っていたのも確かですよね。 こうした描写からも、砂漠の小屋の主たるミステリーマンの実在 確からしいですよね。
234 :
214 :03/01/31 23:00 ID:KaVfjJlC
一応断っておくと、漏れは全編脳内派さんじゃないです。 124さんの時系列整理も済んだことだし、全編さんのご意見も聞きたいところ。
235 :
124 :03/01/31 23:17 ID:3HgLQsyR
214さん、人違いごめんなさい。
>>231 「レネエが能動的にアプローチする男性」が、ロラントには許
せない、という(判断)基準です。
ロラントは強制的に関係。
アンディとは契約で関係。
フレッドとは、夫婦の義務(?)で関係。
レネエ(アリス)が、ピートを誘った(「食事は省略しましょ
う」)という、ベクトルが重要。
236 :
124 :03/01/31 23:24 ID:3HgLQsyR
「あの晩のこと」=一枚の写真に写った三人が、 同時に、違った場所で殺害されたという事件、が この映画の主題となる事件なわけですが、 容疑者であり、もともと警察からもマークされていた 二人(ピートとフレッド)が同時期に刑務所に服役 していたことは、確からしいことですよね。 問題とされる変身のシーンは、「同時期に刑務所に服役していた」 という点を、もしも、認められるなら、全然問題ではありませんよね。 もちろん、それなら、ピートの心因性記憶喪失の発症が、 在監中でないとおかしい、という意見もあろうかと思い ますが、別異に解釈することは、ミステリーマンの脅迫 の中身を重視するれば、可能です(釈放後発症説)。 ※この点は、すでに述べましたが。
237 :
214 :03/01/31 23:26 ID:KaVfjJlC
>>214 さん、人違いごめんなさい。
いいえ、別に気にしていないです。
124さんの判断基準はわかりました。124さんは、
「ロラントとレネエが知り合ったときにはすでにフレッドとレネエは結婚していた」
と解釈されているという事ですね。
でも、どうしてロラントはレネエが能動的に誘ったと思ったんでしょうかねえ。
238 :
124 :03/01/31 23:38 ID:3HgLQsyR
>>235 それは、違います。(決め手が有りません)
上記時系列整理は、慌ててまとめたものですので粗いのですが
(1)フレッドとレネエの結婚の詳しい経緯
(2)ピートの一時的に失踪事件(警察に尾行される
なにかの事件)があったらしいこと
については、調査中です(自信が無い)。
「カットされた」といわれるシーンに、関連する
シーンがあるのではとおもい、英文シナリオなどを精査中なの
です。
自分の中で、確かなと思われるのは、
(1)アンディがロラントにレネエを引き合わせた
(2)ロラントとフレッドは、「あの晩」まで面識なかった
※アンディのパーティからの推測
(3)ロラントがレネエをポルノ出演させた
(4)ピートが、職場復帰してから、レネエ(アリス)と出会った
ことから、ロラントとレネエとの関係は、ピートの登場以前である
(5)アンディとレネエとは友達以上の肉体関係があった
(6)フレッドはレネエがポルノ女優であるとの過去は知らない
という程度
239 :
124 :03/02/01 07:30 ID:JUVMWeEO
>>223 どこがどう「矛盾」してるのですか?????
ちなみに、
「Aa→abBc→cC」と進んだが、「Aa→ →cC」という描写
しかない際に、acというヒントから「bB」を再現する
ことは、許容されると思いますよ。
「前後の描写から、脱落部分を再現すること」は可能。
>>233 >逆に、全編脳内派さんは、ピートに対するロラントの電話に
>よる脅迫(「元気かい??」)と、それに続く、ミステリーマン
>のすごく具体的な、奇妙な、脅迫とを、どう位置づけています?
取り急ぎ、この件だけお答えしておきます。
>>98 でチラリと述べたように
「ロラント=現実社会の象徴(もっと下世話にいうと「世間」)」という
理解に基づく解釈です。
端的にいってしまうと、
>>104 や
>>192 で述べたように、「フレッド時代の記憶」
に「ピートという別人格を核として、逃走先としてフレッドが作り上げた妄想」
が踏み込まれつつあることを表すシーンであると解釈しています。
このシーンのミステリーマンも、少し違うのですが、基本的には同様です。
シナリオで当該パートを確認していただくとわかると思うのですが、ピートと
ミステリーマンの会話そのものが、アンディ宅でフレッドとミステリーマンが
交わした会話を、途中までそのままなぞってますよね?(ミステリーマンの言
葉だけでなく、フレッドとピートの言葉も) つまり、フレッドが以前想起し
た記憶もしくは思念が、「形を変えて」再び繰り返されているというのが個人
的な理解です。
このシーン後半の124さんのいう「脅迫」部分ですが、死刑囚房に収監された
フレッドが、いつ執行されるかわからない自分の処刑に脅えていたことを考え
ると、こうした思念がフレッドの脳裏を横切っても不思議はないと考えます
(シナリオからカットされた部分に、他の死刑囚が死刑を執行され、その様子
に怯えるフレッドのシーンがありますが、これが残っていればもっとこの点が
明確になったと思います)。ミステリーマンとピートの会話が「変形」したの
は、この「死刑執行に対する恐怖」が混じったから、というのが私の解釈です。
もうひとつ、細かいところですが、すぐに指摘できるところをば。
>>236 >容疑者であり、もともと警察からもマークされていた
>二人(ピートとフレッド)が同時期に刑務所に服役
>していたことは、確からしいことですよね。
これは
>>158 で指摘したように、124さんの勘違いかと思います。
フレッドの房でピートが発見された後、その身元を刑務官たちがコン
ピュータで検索するシーンからわかるように、ピートの犯罪歴は
「5年前に路上荒らしで逮捕、1年の執行猶予」
のみです。服役した経歴はないし、ましてや死刑囚房に収監される
ような罪を犯した経歴もありません。
で、もし仮に「同時に服役」していたとしても、「独房に入っていた
囚人が入れ替わる」ようなことがあったのに(ましてや片方が脱獄し
ているのに)、それが実現した「手口」について何も映画内で触れら
れていないのは、非常に「不自然だ」と思うのですが。
えー、とかなんとか言いながら、もうひとつ細かいところを。 >「かわいそうに、妻殺し野郎!」「どの妻だい?」 シナリオの原文では GUARD #1 "Shit, that wife killer's lookin' pretty fucked up" GUARD #2 (not looking up from hismagazine) "Which one?" となっています。この「one」を「wife killer」ではなく「wife」 とった、というのが124さんの解釈だと思うのですが、「どの妻(を 殺したというのか)?=殺していない」という英文の言い回しとして、 これはちょっと「?」です。当然ながら、日本語字幕では前者の解釈 をして「どの嫁殺し?」になってますね。 で、この会話の後、二人の看守は「笑って」ますね。124さんはこの 「笑い」をどう解釈されたのでしょうか?
244 :
124 :03/02/02 08:11 ID:IdoZeOKn
>>242 ピートの部分は、私の時系列整理の誤解です。
ピート実在説を前提に検証している私には、
明示的に描写はないですが、アンディ宅襲撃事件
で、「あの晩のこと」以降、逮捕されたのは確実
である(←二人組の刑事に徹底マークされていた
わけですし、二人組の刑事も、徹底マークしてい
たのに、マークの目を盗んで、犯罪をされたとい
う大失態を演じたわけですし)。
収監とは、アンディへの強盗罪に関してです。
ここで、「それは124の勝手な、『付け加え』だ」
との反論がありえますが、
私の時系列整理では、
ピートへの警察の尾行、アンディ襲撃、事件後現場
からピートの指紋が見つかったこと、が事実として
位置づけられるほか、あの「鏡のシーン」(その他
若干のシーンもですが)が、出獄後のシーンと位置
つけられます。(→あんな健康なピートが、精神的
にダメージを追うなら、よほどの事件がないと駄目
なわけですし「A→CからA→B→CのB=ピート逮捕」
を復元することは、可能です。
245 :
124 :03/02/02 08:26 ID:IdoZeOKn
>>240 まず、フレッドは、「ロラント殺害だけでも十分に死刑になる
だけの罪」をおかしているということを、私は重視しています。
ホテルを襲撃して、砂漠で殺害した以上、計画性も認められる
訳ですし。
※ミステリーマン共犯説(→時系列整理参照)
フレッド宅を監視していた、二人の刑事にとり、ミステリーマン
が仮に逃走していても、ミステリーマンの存在を認めることは、
「二人の刑事の『大失態』を認めること」になり、それよりも
「フレッドに『罪をなすりつける』方が、『自分の身のため』
」と判断(→ロラント殺害の事実は、否定できないのですし)
するのは、当然ですし、OJシンプソン事件みたいに、大半の
人間は、自宅内で浮気性の妻が殺されれば、「大陪審」だって
「夫が殺した」と事実認定するはずですし(まさかミステリーマン
が関与したなどと考えない)。
フレッドは、逮捕直後からレネエ殺しを「否認」しているわけで、
終始「否認」していて、有罪になった事件=「えん罪の可能性」
の存在をふまえ、「事件全体の奇妙さに対し」看守は「笑った」
と理解しています。
※裁判上の認定された「事実」と「本当の事実」との乖離が
問題(奇妙)なのです。
※私の時系列整理では、明確に「えん罪」です
ロラントの車で逃走しているフレッドが、レネエを殺せるわけ
は有りません。
※OJシンプソンの事件の構造を「裏返しにした映画」と理解し
ていますので、フレッドが妻殺し犯であってはおかしいですし。
246 :
124 :03/02/02 08:31 ID:IdoZeOKn
>>242 このレスは、全体として「レネエ殺し」の話です。
ロラント殺しにもレネエ殺しにもミステリーマン関与を
みとめる私ですが、ここでのマンへの言及は、
主にマンのレネエ殺しに関してです。
※私は、フレッドの逃走中に、レネエをマンが殺したという
時系列整理をしています。
※マンが実行犯であり、フレッドは実行犯でない。
フレッドは、レネエ殺しの「被害者」。
>>244 ひょっとしたら私がよく理解できていないのかもしれませんが、
124さんは
>>236 で「フレッドとピートが同時に死刑囚房に収監されていた」
から「フレッドとピートが入れ替わっていても不思議はない」とおっしゃっ
てるわけですよね?
で、ピートが逮捕/起訴/有罪判決/収監されていた理由は、「アンディ強
殺事件」であると。
もしそうなら、なぜフレッドの独房にいたピートを看守が識別できず、わざ
わざコンピュータによる身元照会をする必要があったのでしょうか?
そして、そのコンピュータ照会の結果、なぜ「アンディ強殺事件」の記録が
ヒットしなかったのでしょう?
それとも、フレッドとピートが入れ替わったとき、ピートは「アンディ強殺」
とは「まったく別の罪」で収監されていたのですか?
248 :
124 :03/02/02 14:38 ID:IdoZeOKn
<論証するには2点論じる必要がありますが、前半のみ>
時系列整理その1で書きましたが、
>>205 参照。
ピートは、「あの晩のこと」と「若いころの事件」の他にもう一つ
「謎の失踪」&「警察に尾行」される事件を起こしていると、考えています。
※これも、またA→B→Cの「B」を推定すると言う発想ですが、
「ピートが、警察に尾行される理由がわからない」からです。
「あの晩以前から、尾行されており」「アンディ宅で指紋が
でた」以上、アーニー整備工場に職場復帰したころから、の
警察の尾行は、「あの晩のこと」以外の「別の事件」がきっかけであ
ると、解釈するしか有りません。
別の事件で尾行している際、ピートとロラントとの交際が明らか
となり、ますます、嫌疑が増したという流れです。
>>238 >(1)フレッドとレネエの結婚の詳しい経緯
>(2)ピートの一時的に失踪事件(警察に尾行される
> なにかの事件)があったらしいこと
>については、調査中です(自信が無い)。
>
> 「カットされた」といわれるシーンに、関連する
>シーンがあるのではとおもい、英文シナリオなどを精査中なの
> です。
まあ、仮にカットされたシーンがなくても、「身元照会」のシーンは「謎の
失踪」の際、警察が、「行方不明照会」で調査したと考えれば、説明は出来ます。
※※逆に「全編脳内派」さんは、腕の良い整備工が、なぜ、警察
から尾行されるようになったかを、どう理解されているか知りたいす。
<「変身シーン」を説明するには、「必ずしも、二人が、同じ建物で、
別の房に収監されている必要はない」ことを論じます。>
249 :
124 :03/02/02 14:53 ID:IdoZeOKn
ageついでに、 「A:5年前の事件」→「B:失踪事件」→「C:あの晩の事件」とい順。 A→Bの間に、ピートの自動車整備の腕良くなり、シーラという恋人 ができたりします。ロラントの自動車を定例的に修理したりします。 でもレネエ(アリス)とは出会っていませんし、警察の尾行もされ ていません。 B→Cの間に、ピート職場復帰、警察の尾行開始、レネエ(アリス) との出会い、レネエ(アリス)への深入り、ロラントからの脅迫、 駆け落ち(国外逃亡)計画などがおきます。
>※※逆に「全編脳内派」さんは、腕の良い整備工が、なぜ、警察
>から尾行されるようになったかを、どう理解されているか知りたいす。
まだ124さんの論証が続きそうですが、とりあえず先にこの1点だけ。
これはとりもなおさず、「(当局にとって)説明つかない不可解な状況
でフレッドとピートが入れ替わったから」だと理解しています。
ピートが(フレッドが関わっていたものを含め)なんらかの犯罪に関わ
っていたことを証明できなかったため、「釈放」せざるを得なかったも
のの、引き続き「入れ替わりの真相究明の手掛かり」や「犯罪との関連
の証拠」を求めて動向を監視するのは、充分に納得がいきます。
このあたり、ある種、「妄想」というには非常に理屈が通っている印象
がありますが、これは、この時点のフレッドが「ピートという偽人格を手
に入れた直後」であることがポイントなのかなと思っています。
つまり、「フレッドの妄想」は出来上がったばかりで「現実の記憶」によ
る侵入を大きく受けていない。そのために論理的に整然としている部分が
あるのではないか、という推察なんですが、確信はありません。
また、
>>200 で述べたように、「刑事=罪の意識の象徴」と読めば、「監
視され追跡される」こと自体の「象徴的意味」も浮かび上がりそうです。
>>248 >まあ、仮にカットされたシーンがなくても、「身元照会」のシーンは「謎の
>失踪」の際、警察が、「行方不明照会」で調査したと考えれば、説明は出来ます。
これはちょっと難しいかと。
このシーン内の前後の台詞を確認していただければわかると思いますが、あくまで
「突如としてフレッドの独房に現れた謎の男」の身元照会を行っているシーンです
ので。
252 :
124 :03/02/02 16:26 ID:IdoZeOKn
<予備的な整理>
本格的に論じる前に、整理するべき点がでてきましたので、
脱線。
時系列整理その11
>>230 を参照していただきたいのですが、
時系列に並べれば、刑務所でのシーンは、時系列の最後に
来ます。
ここで、A→B→C→ →X→Y→Zという流れの因果を、
※YZ辺り、が刑務所(フレッド)のエピソードと思って下さい。
※ロラント死亡よりロラント殺害の裁判/判決の方が後にくる
ことは当然な流れ、その事件での収監がそのあとも当然。
この映画はOJシンプソンの頭の中の構造をまねている訳ですから、
<B→C→Y→Z→ →X→A→ (映画のラスト)>という描写。
ここで「C→Y」という接合面で、「説明のつかない部分」が
でてくることは、許容しないといけないわけです。
※※メビウスの輪を紙のテープで作る場合の、接続部分
本来「C→D」「X→Y」と流れるわけですから。
特にこの映画は、二人の因果「○と○」とが交差する
「∞(←無限大の記号)」映画ですので、因果の交差部分
での非常識さは、「構造上許容しうる」と考えるべきであり
「妄想」という風に、逃げる必要はないと考えます。
253 :
124 :03/02/02 17:00 ID:IdoZeOKn
<予備的な整理その2> 誰かが、「むしろ、ピートが実在で、フレッドが妄想ではないか」 という説を述べられておりましたね。 私は、違った解釈ですが、この方の着想には、正しいものが含まれ ています。 冷静に、ピートのエピソードとフレッドのそれとを比較した場合、 ピートの方が、圧倒的に具体的で、関係者も多いからです。 フレッドのエピソードは、ライブのシーン、ビデオ事件、セックス のシーン、ビデオ撮影者捜索のシーン等、断片的なわけです。 フレッドの刑務所での描写が念入りにあるのに対比して、ピートの 刑務所での描写が欠落しているのは、残余のフレッドのエピソード の乏しさを、刑務所の描写で、補完するためと考えてます。 ※リンチの配慮。
254 :
124 :03/02/02 17:23 ID:IdoZeOKn
<予備的整理その3:あり得ないエピソードの候補> OJシンプソン的な構造を再現する目的で、因果をねじ曲げる際 「あり得ないエピソード」がこの作品には混入されています。 (その種のエピソードを最小にすることが、解釈の動機付けにもなっ ています。) 完全にあり得ないのは 「ミステリーマンが自宅の、もう1人のミステリーマンと話すこと」が一つです。 <1人の人間が、フレッド宅とアンディ宅に存在できない> 他の候補として 「車で逃走中のフレッドが、自宅でレネエを殺すこと」 <1人の人間が、自動車の運転と、アンディ宅での殺害を同時にできない※異論あること承知してますが。 「独房でピートとフレッドが入れ替わること」 <2人の人間が、密室で入れ替わることはできない>です。 この3つを挿入することで、「前後の因果にひずみ」が生じます。 それが、「『ロラントが死んだ』なんて誰がいった」というアンディ 宅(パーティ)でのアンディの発言であり、三本目の殺人ビデオの中に、フレッドが映っているシーンであり、看守がピートを発見して、 ありえないと混乱するシーンなのです。 アンディのリアクション(発言)の整合性を追い求めること、 殺人ビデオの被写体にフレッドとレネエの死体が、映っていること、 独房での2人の入れ替わりの原因を追求すること、 には、何の意味も無いのです。 ※アンディ宅でのパーティが実在すること、2本目までの脅迫ビデオ が存在したこと、2人が同時期にどこかの刑務所に「あの晩」の事件 で収監されていたこと、と、上記解明に意味が無いとする、私見は 両立します。
255 :
124 :03/02/02 17:36 ID:IdoZeOKn
<裏側から論じると> 「ミステリーマンが、フレッド宅とアンディ宅とに同時存在すること」 ※同時存在したと描写すること、 「同時に、異なった場所で、1人の人間(フレッド)が2人を殺害したこと」 ※2人を殺害したと描写すること 「同時に、密室で2人の人間が、突然入れ替わること」 ※2人の人間が入れ替わったと描写すること これらは、作品にループ構造をもたせるため、あえてリンチが ルール違反をした、3つのエピソードであり、 主人公の妄想と結び付けるのは間違っているのです。
256 :
124 :03/02/03 04:59 ID:OFtX0pkS
気付いたが、 「ロラントが生きてるのに、パーティで『ロラント死んだ』 発言」 と 「パーティで、ミステリーマンが、もう1人のミステリーマン に電話かける」は、同じ、アンディ宅でのパーティの出来事 だけど、分けた方がいいね。
やっと124さんの解釈の本論部分が見えてきたので、細かい書き込みは 控え、しばらく見守ることにします。チェックはしておりますので。
258 :
124 :03/02/03 23:11 ID:OFtX0pkS
別に、静観されなくてもいいとおもいますが、 (1)時系列整理が可能な部分 (2)出来事の順序を入れ替えたために生じた、不整合部分 (3)その不整合なループ構造の中で、犯罪の幻影に悩まさ れる主人公の見るビジョン この映画には、三層構造あるのでは、という仮説。 「妄想」説は、(2)と(3)をごっちゃにしてるのでは? という疑念が去らない。 ミステリーマンが、フレッドに、自宅にいるもう1人の 自分(マン)に電話をかけさせるシーンは、「(2)」に分類。 ピートとフレッドの独房でのすり変わり(変身)も(2)に 分類。 他方、夢の中で、妻の顔がミステリーマンに変わるのは「(3)」 に分類。殺人ビデオの被写体に、自分(フレッド)が映っている のも「(3)」に分類。 ピートが額の傷を気にしながら、鏡をみるシーンは(3)に分類。
それでは、お言葉に甘えて(W
>>252 >この映画はOJシンプソンの頭の中の構造をまねている訳ですから、
><B→C→Y→Z→ →X→A→ (映画のラスト)>という描写。
>ここで「C→Y」という接合面で、「説明のつかない部分」が
>でてくることは、許容しないといけないわけです。
まず、この部分の論理展開がよくわかりません。
・124さんが「O・J・シンプソンの頭の中の構造」がどのようになって
いると考えているのか
・そして、この映画の構造がそれにどう対応していると考えているのか
の説明が必要なのではないかと思います。
また、
>>254 後半の論理展開とあわせ、
>>255 もよく呑み込めませんでした。
・「前後の因果にひずみ」とは、具体的にどういうことでしょうか?
>>255 にある「ループ構造」のことですか?
・リンチは何に対しどのような「ルール違反」をしたと124さんは考
えているのでしょうか?
・また、その「ルール違反」が、なぜ作品にループ構造をもたせる
ことになるでしょう?
・この作品が「ループ構造」になっている理由はなんですか?
いずれにせよ、「単純な時系列整理」による「ストーリー再構築」は不可能
であり、それとは次元の違うなんらかの「解釈」が必要なシーンが(あるい
は「解釈不能」なシーンが)、たとえ限られてはいても「存在する」と124
さんが考えている、という理解でいいのでしょうか?
一応、124さんの解釈と対比していただくために、自分の解釈の基本的なと
ころを改めて説明しておきます。
まず、この映画は非常に「論理的」に作られているというふうに、個人的に
は思っています。その点では、
要するに、「心因性遁走」状態に陥った人間が抱える「心理状態」や「妄想」
を論理的にシミュレートした作品であるという理解です。どの程度、実際の
臨床心理学的な症例を踏まえているのかはわかりませんが。
124さんは「妄想」を「説明不能のもの」あるいは「論理的でないもの」とい
う理解でいるようですが、この映画で描かれている「妄想」はその対極にあり
ます。つまり、フレッドが「『レネエを失ったこと』によって心的外傷を受け、
それに関する記憶から逃れようとしていること」や「『レネエを殺害したこと』
による罪の意識から逃れようとしていること」、すなわち「心因性遁走」をキ
ーワードにすれば、ロジカルに理解できる「妄想」であるということです。
いずれにせよ、その方向による「解釈」が(少なくとも自分のなかでは)各シ
ーンとの整合性をもって「成立」しています。
>>199 で述べた「カメラの視点」
の問題とあわせ、「ひとつの解釈として成立している」点では、自分の意見は
現状のところ揺らいでません。
ただ、再三もうしあげているように、これは他の解釈の「成立」を「排除」す
るものではありません。もし、124さんの「解釈」が映画の各シーンとの整合性
をもって「成立」するならば、それを否定するものではない、ということです。
おっと、
>>260 の2段落目の「その点では」は削除してお読みください。
失礼しました。
262 :
124 :03/02/04 04:45 ID:WbWdF25n
大きな事件の「後」に心因性記憶喪失が生じるという関係、 「事件が先」で「心因性記憶喪失が後」という前後関係が あります。 この映画では、「大きな事件の描写」と「心因性記憶喪失の描写」と で、大半の場面が占められます。 A→B→C→D→ H→I→J→ →X→Y→Z ここで「Z」(一番最後)に「心因性記憶喪失」が来るとします。 「A→Y」までは「大きな事件」の描写とします。 <第一の操作:順序の入れ替え> C→D→X→Y→H→I→Z→X→A→J ※「D→X」「Y→H」「I→Z」「Z→X」「X→A」「A→J」 の部分で不整合が生じます。 <第二の操作:心因性記憶喪失の描写をちりばめる> ここで「z」(小さいz)を心因性記憶喪失の描写とします。 C→Dz→X→Y→zH→I→Z→X→z→A→zJ <出来上がり> C→D→z→X→Y→z→H→I→Z→X→z→A→z→J ※※この出来上がりから、「zZ」の部分と、不整合部分を除けば もとの因果関係が判明するわけですが、逆に、「出来上がり」の 明らかな奇妙なつながりを、ただただ眺めるだけでは、復元は 不可能です。
263 :
124 :03/02/04 22:32 ID:WbWdF25n
レネエ=アリス(髪の毛の色も違う)ってのも あまり深く追い求めても、(あまり)意味の無い部分。 ※前のレスで、女優と本名説を述べたことは有るが。
264 :
124 :03/02/05 20:10 ID:oPUCvC5w
この映画が、仮に (1)レネエが裸に剥かれるシーンから始まっていても (2)ピートが庭で休んで音楽を聴いてるシーンから始まって も、私の解釈は、変わらないでしょう。 では、この物語を、フレッドを軸として考える方は、どうでしょう。 たまたまあのシーンが冒頭に来たからフレッドを軸に考えて いるだけでは??
えーと、というか、124さんに「解釈を変えろ」って言ってる人は
誰もいないと思いますが(W
にしても、ちょっと、いろいろとよく理解できない点が多いので、
>>259 あたりの質問に対する124さんの考えを教えてもらえると、
こちらの理解も進むと思うんですけど、どうでしょう?
仮に「時系列整理」によって「ストーリー再構築」ができたとして
も、それでおしまいの作品ではないと思っています。再構築された
ストーリーを踏まえた、124さんのこの映画に対する意見もききたい
なと思うのですが、それに先だって124さんの「解釈」を的確に理解
しておかないと、話が噛み合わないでしょうし。
266 :
124 :03/02/06 05:15 ID:idOPKLqh
>>259 への回答は、
>>262 を参照下さい。
言葉で説明すると、「『事件後』の『おかしな』心理状態を、
『事件前』に『さかのぼっ(て)』描写するには、あのような構造
で、描写するしか、映画描写上、不可能」ってこと。
<出来上がり>
C→D→z→X→Y→z→H→I→Z→X→z→A→z→J
こうした、構造以外に
『おかしな』描写
『さかのぼっ(た)』描写
という両要素を満たすことは、不可能。
解釈だけみてもややこしいな
できれば
>>259 で挙げた箇条書きの質問に対応する形で答えてもらえると
論点がよりはっきりしてウレシイんですが、まあ、あんまり124さんに負
担を強いるのもなんなので、例によってテキトーにやります(W
うーん、結局、
>>258 とか
>>262 を読んでいると
・「現実部分」と「非現実部分」がどういう割合いになっているか
というところの見解において
・全編脳内派は「非現実部分」を極大にみている
・124さんは「非現実部分」を極小にみている
という違いはあるものの
・「非現実部分」が存在する
という一点において、(「不整合部分」「妄想」というタームの違いはあっ
ても)本質的な差はないような気もするんですけど、どんなもんでしょう?
たとえピン・ポイントであろうと、「非現実部分」は「非現実部分」だと
思うので。
もうひとつ、124さんの言ってるのは
・「表パート(=フレッド)」と「裏パート(=ピート)」の切り替わり時
に(どっちがどっちでもいいですけど)、一種の「視覚&聴覚効果」として
「不条理パート」が使われている
ということなのかなと思ったんですが、これであってますか?
269 :
124 :03/02/06 22:02 ID:idOPKLqh
リンチとOJシンプソン事件 OJシンプソン事件に対するリンチの印象(の私見): 「妻殺ししたのに、平気で日常生活してる。すげーぇ!彼の頭の 中って、どうなってるの?妻殺しの場面、忘れるわけないよね。 じゃあ、どうして、平気なの?『忘れてないのに平気』って? 『覚えているのに思い出さない』って?」 「そうか、出来事の順序を、入れ替えて覚えているんだ。妻殺し の記憶の後に、仲が良かった時代の記憶を続けたりって。そうや って、実際には妻は死んでいるのに頭の中では、時間が逆に流 れたり、昔のことえをリアルに感じたりして、肝心の『殺害場面』 を、素通りしてるんだ。すげーーぇ!」 「でも、やっぱり、フラッシュバックっていうか、時々『殺害 場面』がリアルに迫って、ドキッってするんだろうな。恐いな。」 「この事件を真似して、映画でも作ろうか。ヘンテコリンで恐い 映画を。」
ピートの視点がボケるのは 非現実だからってことですね?
271 :
124 :03/02/06 22:12 ID:idOPKLqh
視点がボケるって、どのシーンですか? ただ、「非現実」って部分には、コメントあり。 ぼくは、全然違う解釈、だけど。 ピート編は、登場人物も多く、リアルすぎるから、 物語の前半に彼を登場させると、「ロストハイウェイ事件」 の衝撃が薄れるから、後半にまわされただけで、ピートは 立派に実在するし、レネエ刺殺を知ったあとは、ピート同様 立派に心因性記憶喪失になったとの解釈。 実在部分の描写は、リアルだし、記憶喪失の部分は奇妙だし。
272 :
124 :03/02/06 22:12 ID:idOPKLqh
×ピート同様 ○フレッド同様
>>269 シンプソンに対してリンチがもったであろう印象に関しては、
かなりの部分で同意見ですね。
ただ、「心因性記憶喪失」という症状に関する定義が、ワタシと
124さんとでは、やっぱりちょっとズレているような気がします。
>>240 で挙げた、ワタシが参考としたサイトでの「心因性記憶喪失」
の定義では「記憶順序の入れ替え」という症例は含まれてません。
ひょっとしたら、他の学説等でそのような症例を含めて「心因性記
憶喪失」を定義している例があるのかもしれませんが、もしそうな
ら、ご教示下さい。
で、いま思い当たったんですが、この映画のキーワードのひとつで
あるフレッドの台詞「I like to remember things my own way」
というのを、124さんは「記憶順序の入れ替え」と理解したのかなと。
どちらかというと、自分は「記憶内容の変更」が主と理解しました。
もちろん「内容の変更」には「順序の変更」も含まれるのですが。
274 :
124 :03/02/06 23:03 ID:idOPKLqh
あんまり、深く考えてないので、改説もありえますが、 「自分流に記憶する」=記憶順序の入れ替え、 でいいのではという気がしますが。 ビデオは嫌い(←直線的に記録されるから)、自分流に記憶 するのが好き、とつながりますが、 ビデオは嫌い、「記憶内容の変更」が好き、では、ビデオ 嫌いの理由にはなりませんよね。
275 :
124 :03/02/06 23:14 ID:idOPKLqh
OJシンプソン事件についての説明をし始めたばかりで、
十分説明しきれてないのに、飛躍した話で恐縮ですが、
>>240 のサイトでの
トラウマやPTSDと、OJシンプソン事件とは、全然関係
ないですよね。
OJシンプソンが、「妻を殺された」のなら、トラウマや
PTSDと直接結びつきますが、むしろ、その対極にある
わけですし。
※※ただ、フレッド実行犯説に近い、全編脳内派さんより
フレッド被害者説(ミステリーマン実行犯説)の私の方が、
フレッド=トラウマPTSDという図式には近いと言う、ねじれ
の関係に有るといえます。しかし、別の解釈(心因性記憶喪失
とトラウマPTSDとは別物説)です。
うーん、確かに現在のように、映画もCG全盛で「動画をデジタル上 でいじくれる」ことが常識になってしまうと、「ビデオ」や「フィ ルム」を含む「映像の真実性」っていうのは、前にも増してアヤシ くなってるのかもしれませんね(W ただ、「動画の画像の変更」よりも、編集による「シーン順序の入 れ替え」のみの方が、あの当時もいまも技術的には簡単なような気 もしますが、どうでしょう? フィルムを編集することに慣れている映画関係者が、「順序の入れ 替え」にそんなにウェイトを置くとも思えないのですが。
277 :
124 :03/02/06 23:28 ID:idOPKLqh
あっ、ここで言われている、「心因性記憶喪失」とは 明らかに違いますな。 キムタクと中山美穂主演の『眠れる森』みたいなケースでしょ。 <惨劇の肝心の場面を、現場にいながら、覚えてない>という ピンポイントの記憶喪失、ってのが、ここでいう、「心因性記憶喪失」でしょう。 >トラウマに関連する考えや感覚を避ける >2.トラウマを思い起こさせる行動や状況を避ける >3.トラウマの重要な局面を思い出すことができない(心因性記憶喪失) >4.重要な活動(日常生活)に著しく感心を無くす >5.
ああ、なるほど。
124さんとワタシでは、フレッドの「トラウマ」の捉え方にズレ
があるっていうことでしょうか。
ワタシが考えていたフレッドの最大のトラウマは、原因はどうで
あれ、「レネエを失ったこと」なんですよ。それに「レネエを殺
したこと」による罪悪感その他がくっついている、と。
というところで、124さんの「別解釈」を待ちます。
>>277 そーそー。そーゆーことです。
279 :
124 :03/02/07 05:04 ID:5kQzEVF/
(部分的な説明) フレッドの心理を「トラウマ」で説明することは、誤解を招く。 トラウマ1:単発の事件(レイプ等)に基づくトラウマ トラウマ2:連続的な事件(長期虐待等)に基づくトラウマ ※トラウマという用語には、何でもかんでも含まれてしまうと思います。 既に、時系列整理等で述べたように、 フレッドはミステリーマンとともに、ロラント殺しの共犯者です。 他方、レネエは、(フレッドが身を隠しているうちに)ミステリー マンに殺されています。 フレッドの心理ダメージは、「一方での協力者が、他方で、裏切り 者になる」という部分に有ります。(連続的な事件重視) 関係破綻を予見していたフレッドにとり、「レネエを失った」 単発の事件が決定的というより、ミステリーマンに「全ての面で利用 された」ことこそ、心理ダメージなのです。 ※境遇はちがいますがピートも、「全ての面で利用された」という 要素がフレッドと共通します。2人同時記憶喪失説。 全編脳内派さんは「トラウマ1」説、 私は「トラウマ2」説。 トラウマという用語は、ピート実在説を認めるかとも、からんで、 対立を温存します。
280 :
124 :03/02/07 20:23 ID:5kQzEVF/
OJシンプソン事件をどうアレンジしうるか?? (1)そのまま=「妻殺し後、平気で生活する男」の頭の中 <コメント:つまらない> (2)逆転=「妻殺され、悲惨な生活する男」の頭の中 <コメント:つまらない> (3)派生1=『女』殺し後、平気な生活する男達(複数)」の頭の中 ※ここで「女」は、1人目の男に取り「妻」、他にとり「愛人」 <コメント:よっぽど馬鹿な女だろうから、話としてつまらん> (4)派生2=『女』殺され後、悲惨な生活する男達(複数)」の頭の中 ※ここで「女」は、1人目の男に取り「妻」、他にとり「愛人」 <コメント:これは興味ある題材。> 私見は、当然、「派生2」です。 OJシンプソン事件へのリンチの言及と、私見(私の解釈:2人同時 心因性記憶喪失説&ミステリーマン実行犯説)とは、一見かけ離れて いるようですが、以上のような、理由で、つながっています。
281 :
124 :03/02/07 20:28 ID:5kQzEVF/
これにたいし、全編脳内派さんの説は、結局 フレッド単独犯(ピートも妄想、マンも妄想)説なわけですが、 「妻殺し後、悲惨な末路を迎える男」 という、全然、驚きのない、OJシンプソン事件とは、かけ離 れた理解をされています。 これは、おかしいですよね。 (だから派生2説が、正しいとまで飛躍はしませんが。)
あの。。。 リンチは、 「いつかシンプソンにも殺した時の記憶が 蘇ってくるかもしれないな。」って 言ってるんですけど。。。
283 :
124 :03/02/07 21:11 ID:5kQzEVF/
284 :
124 :03/02/07 21:15 ID:5kQzEVF/
>>282 さんの言葉でいえば、
「いつかフレッド(ピート)にも、殺した奴の
顔がよみがえってくるかもしれないな。」
「ミステリーマンの顔が…」
>>279 「フレッドのトラウマがなんであるか」を両者が明確にしさえすれ
ば、問題はまったくないと思いますよ。もし「トラウマ」という用
語でなく、他にもっと誤解を招きにくいと思われる用語があるなら、
それを使って論じることに特に問題はないと思います。
で、
>>277 の「心因性記憶喪失」の定義に基づいて「ゴルフをするシ
ンプソン」をリンチがどう捉えたかについての私見なんですが、要
するに「妻のニコル&その場にいた男性を自分が殺したことが、シ
ンプソンの記憶からあたかも抜け落ちている」ように思えたのでは
ないか、と。
そして、「なぜそのようなことが起こり得るのか」と調べた結果、
「心因性記憶喪失」あるいは「心因性遁走」というキーワードに辿
り着いたのではないか、と。
どうやら脚本の共同執筆者であるバリー・ギフォードも同時期に
「自分に都合のいいように記憶を改竄している犯罪者」をテーマに
した小説(タイトル失念)に興味をもっていたらしく、あるいはギ
フォードからのアイデアの提示があったのかもしれません。
つまり、根底にあるのは「自我の保護」です。「レネエの喪失」そ
してそれが「自分の行為に起因すること」によって自分の自我が傷
付くことを恐れ、「その時に起きたことを忘れる=心因性記憶喪失」、
あるいは「自分の行為の正当化」「他者への責任転嫁」を目的とし
た「記憶の改竄=妄想=心因性遁走」をフレッドが行っている、と
いう理解です。
もうひとつつけくわえるなら、「殺人をおかしたこと」による「ト ラウマの発生」もしくはPTSDに関しては、実際にいくつも症例があ るはずです。アメリカでは、「職務上、犯人を射殺した警官」に対 し、心理ケア・プログラムを受けることが義務づけられているくら いですから。 ですので、O・J・シンプソンとフレッドが、両者とも「自分が妻を 殺したこと」による心的外傷を負っていたとしても、特に不思議や 矛盾はありません。
>>273 、
>>274 に関してですが、作家のJ・G・バラードが喝破したよ
うに、人間の記憶(もしくは「思考」)はもともと「直線的」でも
「シーケンシャル」でもありません。「順序の入れ替え」を伴って
「ランダム」に想起されるのが「正常」です。
例としては不適切かもしれませんが、たとえば中学生時代の記憶を
思い出すのに、誕生時の記憶から順番に思い出さないと不可能、と
いうことはないですよね? 実際にはもっと「断片的」に、時とし
てその個人が保有する固有の「イメージ」をキーにして、一見なん
のつながりもない記憶が連続して想起されることも特殊ではありま
せん。その「つながり具合」が、他人には簡単に理解できないこと
もしばしばです。
なので、「ビデオによる映像」と「人間の記憶」の比較として、
「直線的(リニア)であるかどうか」は、ポイントにならないはず
です。最初っから記憶は「ランダム」なのですから。
どうやら、124さんはフレッドの「記憶喪失」の範囲を、ワタシより も広くとって解釈している様子です。確かにその解釈だと、フレッド とシンプソンは重なりません。シンプソンは裁判終了後、何度となく 雑誌インタビューやTVのトークショー出演をこなし、果てはネット を使った2時間にわたるライブ・チャットを行ったぐらいで、それを みるかぎりでは、「事件に関すること以外」の記憶や判断力には「と りあえずの問題はない」様子だったからです(その内面の実際のとこ ろまでは、はかりようがないですが)。 ただ、ひとつだけ確認しておきたいのは、ピンポイントでない広範囲 の「記憶喪失」が心的外傷によって引き起こされるという「学説」、 あるいは実際の「症例報告」があるかどうか、です。不勉強にして、 ワタシはそのような学説や症例を知りません。それどころか、一部の 学者は心的外傷による「ピンポイント」の記憶喪失すら否定している ようです。
>>280-281 うーん、ここらへんになってしまうと「何を面白いと思い、何をつま
らないと思うか」の話になって、論証や検証のしようがないですね(W。
あったり前のことですが、「そんなの、人それぞれ」です。
そうした「個人の嗜好」を「この映画をどう理解するか」の根拠にもっ
てくるのは、さて、いかがなものでしょうか。
290 :
282 :03/02/07 23:14 ID:b17imDjD
124さん、言葉が全然足りなかったのですが > 「妻殺し後、悲惨な末路を迎える男」 >という、全然、驚きのない、OJシンプソン事件とは、かけ離 >れた理解をされています。 この御意見を読み、 「OJシンプソン事件」とかけ離れていては どうしていけないんだろう?と思って 282の発言をしました。 私は映画を見た後にリンチのインタビューを読んで、 フレッドはOJシンプソンの状態のままでは いられなくなったんだ・・・と思い、そこから やっと内容が理解できたような気がしたので。 OJシンプソンもいつか記憶が蘇り、 フレッドのような状態になるかも、って リンチは言ったんだと思いました。 全編脳内派さんはどう思われますか。
>>290 いわずもがなのことなんですが、この映画はあくまで「フィクション」
なんです。シンプソンの実録映画ではありません。ですので、O・J・
シンプソン事件とかけ離れた部分があっても、特に驚くにはあたらない。
我々が「O・J・シンプソン事件」を出発点としてこの映画の理解をし
ようとしてるのと同じく、リンチにとっても「O・J・シンプソン事件」
は「出発点」であり、「素材」に過ぎないんだと思います。
292 :
282 :03/02/08 00:02 ID:OdavPvcS
>>291 レスどうもです。
また私の書き方がおかしかったみたいですが、
私は全編脳内派さんとほぼ同じ解釈をしています。
>>282 と
>>290 の自分の発言は、
>OJシンプソン事件とは、かけ離れた理解をされています。
という124さんの御意見に対して、
OJシンプソン事件は単なるアイデアのヒントみたいな程度の
はずなのに、そこまでこだわらないといけないのかな・・・と
単純に疑問に思ってのことです。
お邪魔してすみませんでした。。。
293 :
124 :03/02/08 05:14 ID:yAlG6SsT
(根本的な疑問) OJシンプソン事件にこだわるのは、 「妻殺し」という部分に、御両名の、独断が あるように思われるからです。 ご両名様は、ピートがあたかも実在しないかの ように、あるいは、フレッドだけが実在したかの ように、(←なぜだか、全く理解できませんが) なんの前提もなく、信じてられるからです。 そして、フレッドだけが実在したと、素朴に 信じて、疑いをもたれないのは、OJシンプソン事件 がシンプソンという妻殺し有名スポーツ選手が「一人」だ から、その事件を「素材」にした、当映画の主人公 も既婚者のフレッド「一人」だ、と、なんの疑いもなく、 信じてられるからです。 「素材」にしただけであれば、事件の当事者が フレッド&ピートであっても全然かまわないはずですが なぜ、「ほんとうにこの事件は『フレッド単独犯か』」 という、解釈の出発点にすら、たてないのは、 このOJシンプソン事件の恣意的な引用と、「解釈は自由」の論調です。 「妻殺し」を参考にしたから「既婚者が(単独)実行犯だ」との 決め付けがある、あるいは、「決め付けているようにしか私に は理解できない」のです。
294 :
124 :03/02/08 07:53 ID:yAlG6SsT
(宿題259の回答<一部>)
・124さんが「O・J・シンプソンの頭の中の構造」がどのようになって
いると考えているのか
>>269 参照。
・そして、この映画の構造がそれにどう対応していると考えているのか
>>280 参照
295 :
124 :03/02/08 08:06 ID:yAlG6SsT
そもそも私は、フレッドの心的外傷の映画ではないと 考えてますので、「心的外傷」と「ピンポイントでない 記憶喪失」についての学説云々は、検討する必要はありません。 いわゆる「物理的傷害」と同視される「心的外傷」 (ピートの心理)「レネエ(アリス)誰かに殺されちゃったよ。 一緒に逃げようって約束したのに。こまったな。犯人はだれだ? ロラントはレネエの旦那に殺されちゃってるし違う。一緒に、 脅迫してきたミステリーマンかな。オレも殺されちゃうよ、困っ たな。アリス(レネエ)なんで死んだんだ!!」 ってな心情。 (フレッドの心理)「悪魔退治のつもりで、ロラント殺して、 妻を解放したとおもったら、レネエも殺されちゃったよ。一体 誰だ?俺が犯人にされちゃったよ。ロラントが犯人じゃないし。 誰だ?あっ、ミステリーマンか。あいつかレネエを殺したのは。 恨めしい。レネエなんで死んだんだ!!」ってな心情 そしてピートは事実上の「死刑宣告」による心理的拘束、 フレッドも法的「死刑宣告」による心理的拘束。 「拘束下でのレネエ回顧」これが、2人の心因性記憶喪失を誘う。
>>293 んー、なにか論理が逆立ちしてません?
問題は
・「フレッド単独犯」を前提として「この映画が解釈可能」であるかどうか
であって、もし不可能ならその前提を捨てて、他の前提をさがせばいいだけ
の話なんですから(いえ、「可能」なんですけど)。
もちろん、124さんのように「ミステリーマンの犯行」を前提にした場合も、
手順としては同様です。
>>295 いえ、もちろん、それならそれでオッケーなんですよ。
124さんのいうような「心理拘束」のもとで「記憶喪失」が発生する、という
「学説」ないしは「症例報告」が実際にあるのなら。
298 :
124 :03/02/08 19:27 ID:yAlG6SsT
OJシンプソン事件(シンプソンが実行犯だとしての話) 自体が、珍しい事件だから、話題になった(類似のサンプル 例がない)わけで、 その事件にインスパイア(←和英語)されたとされる、 この映画も、他に類似する事例などあるわけないじゃないの。 それを「学説」示せという事自体、乱暴です。 そもそも、OJシンプソン事件の位置づけが、おかしいですね。 判例法の世界でも、参照すべき判例のない(「ハードケ ース」?)事件があります。シンプソン事件は、いささか 芸能ニュース的論点の方が目立ちますが、まあこうした 部類の事件でしょう。
>>298 >OJシンプソン事件(シンプソンが実行犯だとしての話)
>自体が、珍しい事件だから
いや、まったくそんなことないですよ。「夫が妻を殺した事件」
なんて、掃いてすてるほどあるじゃないですか(W
なおかつ、その「心理拘束」自体は、別に「妻殺し」でなくても
いいわけでしょう?
確かに、
・シンプソンが、NFLで初めて1シーズン2000ヤード突破の記録を
作った偉大なRBであり、映画出演が何本もある有名人だった
・刑事裁判において弁護側が人種問題をからめる形で弁護を展開し
それが全米中継された
などという点では特異だったと思いますが、それが124さんのいう
「心理拘束が記憶喪失をひき起こす」ことを提唱した「心理学的な
学説」の有無となんの関係があるんでしょうか?
300げっとぅ!
300げっと、おめでとさんです。
「シンプソン事件」の特異性に関して付け加えるなら
・例の少ない黒人男性と白人女性の夫婦だった
・逮捕前、自動車による派手な逃走を試み、それがTV中継された
・刑事裁判で無罪、民事裁判で有罪という、わかりにくい結果に
なった
などが挙げられますが、事件当時およびその後のシンプソンの「心理
状態」に関連する点で「心理学的に前例のない特殊な事例であった」
とする説があるかどうか、よくわかりません。
可能性があれば、黒人であるシンプソンがアメフトでのキャリアを礎
に、いわゆる「白人セレブ」の仲間入りを果たした裏側にある「コン
プレックス」、そして「攻撃性」(ドメスティック・バイオレンスの
前歴がある)などの点なのかなとも思いますが、それが「心因性記憶
喪失」とつながる可能性があるのか、これまた、よくわかりません。
ただ、明確にしておきたいのは全編脳内派が「シンプソン事件に関す
る心理学的学説を示せ」といっているわけではない、ということです。
>>240 でワタシが「トラウマによるピンポイントの記憶喪失」に関す
る事例を挙げたように、「心理的な要因で広範な記憶喪失が起きる」
事例がなにか1例でもあれば、それでオッケーなんですから。
もひとつ。 自明のことなんですが、たとえ全編脳内派や他の人の解釈に誤謬 や勘違いがあったとしても、それがそのまま「124さんの解釈が正 しいことの証明にはならない」んですよ。 どちらの解釈も「正しくない」可能性だってあるわけですし、100% 正しいわけでなく、部分的に問題がある場合もあるわけですから。 それは全編脳内派にとっても同様で、124さんの解釈が成立しない ことが、全編脳内派の解釈が成立する根拠にはならないんです。 124さんにはいろいろ質問や疑問点をぶつけていますが、それは以前 に述べた「124さんの解釈を読んでよくわからなかったことの確認」 とあわせ、「124さんがここに書き込みを行いながら御自分の考えを まとめている節があること」、つまり「初期の解釈に部分的に修正 を加えながら、最終的な解釈に向かっている」様子が見えることが 大きいです。
124さんも全編脳内派さんも、どっちもがんがれ!!
305 :
124 :03/02/09 06:43 ID:wRWUy+Px
出発点としてなのに、 「この映画は、『学説X』の症例を描写したものである」 っていう、結論を先に、求めるの態度は、いかがなものかと。 出発点として、 「誰が犯人かわからない」という、至極当たり前のところ から出発しないとねえ。 全編脳内派さんの解釈は、 (事実)フレッドは妻を殺しておかしくなりました (妄想)ミステリーマンの存在 (妄想)ピートの存在 (妄想)ピートの家族/ピートの恋人 (妄想)ピートを尾行する刑事 (妄想)ピートを脅迫するロラント/ミステリーマン (妄想)ロラントの存在(?) (妄想)ロラント殺害(?) (妄想)ロラントにポルノ女優にされたレネエ (妄想)レネエの実在 (妄想)レネエの殺害 (妄想)フレッドのレネエ殺害 (妄想)フレッドが妻をころしておかしくなりました。 っていう、全然解釈になってない気がしますが。
306 :
124 :03/02/09 07:07 ID:wRWUy+Px
これは、重要なことだから、ageるけど、 すくなくともこの映画での「記憶喪失」っていうのは、 普通言われる、「記憶喪失」=記憶の欠落/喪失 なのか、 別種の「記憶喪失」なのか? フレッド/ロラントの絶命シーンの描写はあるが、 レネエの絶命シーンの描写は、確かに欠落している。 この部分を、普通言われる「記憶喪失」なのか? フレッドの「記憶喪失」なのか? 違うと思いますし、これは、レネエ絶命のシーンを 描写すると、「犯人がだれかわかり、映画がなりたたない」 という作劇上の事情から、カットされただけで、記憶喪失 とは無関係です。 そこで、ここでの「記憶喪失」とは、新種/別種の記憶喪失。 普通の記憶喪失と「違う」ということから、反対解釈として、 「覚えているけど、覚えてない」「断片は覚えて いるけど、全体に統合されて覚えていない」という記憶喪失 と考えないと、いけません。(反対解釈で十分でしょう) 「全編脳内派」さんの解釈は、この、「別種の記憶喪失」と 「全然無関係」な、解釈(実行犯の妄想説)となってませんか?
>>305 えーと、「出発点」云々の点に関しては、
>>296 で述べたとおりです。
この作品を初めてみた直後ならともかく、それなりの「解釈」および
それに対する「検証」なり「裏付け」を行った後、その「解釈」を他
者に対し説明するに際して「結論」から述べる……これにどんな問題
があるのでしょう? 論点はすでにその「検証」なり「裏付け」の
「妥当性」の問題に移っていると思っていました。
逆にいうと、この「124さんの解釈に関する検証や裏付けの妥当性」の
問題がクリアにならないと、124さんの「前提」や「結論」がにわかに
納得できないのも確かです。かなりユニークというかすっとんだ「解
釈」であることは間違いないと思いますので(W
後半に関しては
>>303 で述べたとおりです。
ただ、この作品の「解釈」に関しては、「ストーリー解釈」「手法解
釈」とあわせ「なぜそのような手法がとられたかの解釈」が必要だと
思うんですよ。そして、最終的にこの三つを土台にした形で「テーマ
解釈」を含めた「統合的な解釈」が必要であると。
現在のところ、124さんの「解釈」に関して「ストーリー解釈」「手法
解釈の一部」までは進んでいると思うのですが、個人的には前述した
「妥当性」の問題はさしおいても、その次の段階の説明に進んでもらっ
た方が面白いかも、とも思っています。
>>306 むー、新説が出ましたねー。
124さんのいう「普通言われる記憶喪失」と「新種・別種の記憶喪
失」の違いがなんなのか、それこそそれにどういう「根拠」がある
のか、イマイチよくわからないので後半の質問には的確に答える自
信がないのですが。
>>「覚えているけど、覚えてない」「断片は覚えて
>>いるけど、全体に統合されて覚えていない」
というより、124さんのいわれるこの状態こそが「フレッドの状態」
だと全編脳内派も思ってるんですけど。個人的には、ここらへんは
>>240 のサイトで挙げられていた「フラッシュ・バック」の症例と
組み合わせて考えていました。
309 :
300 :03/02/09 09:21 ID:sq71YSpA
さらりとかわすなよ。悲しくなるだろ?
蛇足なんですけど、全編脳内派が理解している限りでは、「心理学」
の世界は現在でもいろいろ「新説」が出て、「それまでの定説に対す
る見直し」が継続的に行われている様子です。
なので、たとえば
>>240 で挙げたサイトの内容も、現在の定説に合致
しているのかどうか、全編脳内派にはわかりません。
ひょっとしたら全編脳内派の「解釈」に対する批判、ひいてはこの
作品に対する論議が、そうした視点から出てくる可能性はあると思っ
ているのですが、とりあえずこの作品が作られた年代にすでに存在し
た「心理学的解釈」に沿って作られた作品、という理解でいます。
311 :
124 :03/02/09 16:57 ID:wRWUy+Px
出発点として、フレッド単独犯説をとり、 なおかつ、ピートも妄想、ミステリーマンも妄想とか いってると、最後には、レネエ殺害まで、妄想とか いわないと、際限がなくなるはずで、 すでに、解釈として、破綻しているのでは?? ※すくなくとも、当方は「時系列整理」を行ったのだから、 全編脳内派さんは、「妄想とその解釈一覧」を提示したら? ・アリスが妄想である意味 ・ピートが尾行されているという妄想の意味 ・シーラというピートの恋人が妄想される意味 ・ピートの両親が妄想である意味 ・アンディ宅でピートの指紋がみつかった妄想の意味 ・アーニー整備工場が妄想である意味 ・シーラの密会が妄想で、ピートを尾行する刑事も妄想なら、 ピートの「お盛んな」夜の生活にうんざりする刑事の感想も 妄想であるが、その意味 (など等) ・アンディ宅に、乗り込んだのは誰? ・誰が、砂漠の小屋にフレッドを呼んだの?
> ※すくなくとも、当方は「時系列整理」を行ったのだから、
>全編脳内派さんは、「妄想とその解釈一覧」を提示したら?
はい、それは確かにそうですね。124さんの説明が一段落して
からでないと、なんか両者の解釈が入り交じってゴチャゴチャ
になりそうだなと思っていたんですが、とりあえず始めちゃい
ましょうか。
とことんやってしまうには、たとえばシナリオと対応する形で
ひとつひとつのシーンを説明するのがいちばんいいとは思うの
ですが、最初は全編脳内派が考えている「おおまかな映画の進
行に沿った」この映画の構造のアウトラインを説明したあと、
124さんが挙げてくれた質問にお答えするという形で、まずは
ボチボチと進めていきたいと思います。
申し訳ないですが、まとめて説明した方がよいと思われる質問
もあるため、124さんが挙げた順番どおりの説明にはなりません。
>>199 で述べた「カメラの視点=フレッドの主観視点」
>>104 で述べた「フレッドがピートいう偽人格を作り上げた以降
のシークエンスのアウトライン」
>>285 で述べた「自我の保護」
を念頭に置きながら読んでいただけるとありがたいです。
まずこの映画の構造のアウトラインですが、コテハンが示すとお り「全編がフレッドの脳内で想起された、思考や記憶や感情のイ メージを映像化したもの」であるというのがいちばん大きな括り です。 で、「レネエ殺害」やそれに続く「逮捕」「裁判」「死刑囚房へ の収監」までは、現実世界ではすでに終わっています。要するに 描かれているのは、死刑囚房の中で処刑を待つ「フレッドの思考」 であるということです。 そのうえで、大きく前半部と後半部に別れる構造になっていると 考えています。 ・前半部はタイトル・ロールの直後、フレッドが煙草をすってい るシーンから始まり、独房内でピートに変身する直前まで ・後半部はピートへの変身後から、再びフレッドに戻るまで 後半のそれ以降の部分と、タイトル・ロールおよびエンド・ロー ルに関しては、また別に述べます。
基本的に「前半部」は「フレッドの記憶」が主となっており ・「フレッドによるレネエ殺害(=送付主不明のビデオテープ)」 ・「フレッドがレネエの浮気を疑っていたこと(=家で本を読みた がるレネエ、電話をしても出ないレネエ、アンディと仲良くふる まうレネエ)」 ・「フレッドとレネエの夫婦生活がうまくいっていなかったこと (=中断されるセックス)」 などが暗示的に語られます。ただし、「レネエ殺害」のトラウマに よる「心因性記憶喪失」を含めた「心因性遁走」状態にあるフレッド の記憶はきわめて曖昧で、かつ、「自己正当化」「責任転嫁」による 「自我の保護」を目的としたバイアスがかかっているため、ときとし てその映像は現実にはあり得ない「歪んだ」ものになってしまいます。 特に「アンディのパーティでフレッドがミステリーマンと邂逅する」 シーンは、「レネエの顔がミステリーマンの顔に変わる」シーンと あわせ、「フレッドがレネエへの殺意を抱いていること」を表す文字 どおり「象徴的なシーン」として、前半部の大きな核となると思いま す。以前も何度か述べたように「ミステリーマン=フレッドの感情、 激情=殺意の象徴」であり、そのためフレッドの脳内に「遍在(=同 時に複数の場所に存在できる)」しています。そのなかでも、とりわ け、「場所」との密接な関係(フレッドの家、砂漠の小屋、ロストハ イウェイホテル)には注目するべきだと思います。
「後半部」はそれに対し、「遁走」の果てにピートという「別人格」 を作り上げたフレッドが、それを核とした「妄想」に逃げ込むこと に始まり、最終的にはその「妄想」が崩壊するまでのシークエンス です。 できあがった直後の「妄想」には瑕疵がなく、「警察=現実社会」 からの追求も逃れて「全能感」に浸っていたピート=フレッドです が、やがてロラントに象徴される「現実」や「レネエ殺害の記憶」 につながる「フレッド時代の記憶」を象徴する出来事に踏み込まれ ていきます。これは、結局、フレッドがいくら自分がピートである と思い込もうとしても心のどこかでそれは虚偽であると理解してい たのと同時に、いくら忘れようとしても「自分自身の記憶(たとえ 曖昧で歪んでいても)」からは逃れられず、絶えず「フラッシュバ ック」に襲われていた、ということだと理解しています。 「あの夜のこと」すらも(自分が作り上げた妄想上の人物にすぎな いはずの)シーラや両親から問い詰められ、もはや辻褄もあわなく なるまで崩壊した「ピートを核とした妄想」を、フレッドは最終的 に捨てざるを得ません。フレッドは、再びフレッドに戻ることにな ります。
後半部のそれ以降ですが、最大の核となるのは、やはり、フレッド
による「ロラント(=現実)殺し」です。これは以前
>>98 でも述べ
たように「フレッドが現実から乖離し、正気を失う」ことを象徴す
るシーンとして、基本的には理解しています。
そして、「ディック・ロラントは死んだ」とフレッドが自分自身に
メッセージを送るシーン。冒頭の「ディック・ロラントは死んだ」
とフレッドが告げられるこのシーンの間に、タイトルロール&エン
ドロールとして「遁走」を象徴する「夜のハイウェイの疾走」の映
像を挿入することによって、この映画は「完全なループ」を作ります。
すなわち、フレッドはこれからもずっと「歪んだ過去の記憶」を振
り返り、それからの「遁走」を続け、ピートと同じような別人格を
新たに作ってその「妄想」に逃げ込むことを、死刑が執行されるまで
続けるわけです。
ただし、おそらくその「妄想」は、ピートを核とした妄想と同じく
最終的には「崩壊」してしまう運命なのでしょうが。
では、ぼつぼつと具体的に124さんの質問事項に答えていきます。
124さんの質問が主に「後半部分」に集中しているので、
>>315 を参
照しながら読んでいただけるとウレシイです。
>>・シーラというピートの恋人が妄想される意味
まず、これなんですが、フレッドは「レネエの浮気を疑った」時点
で、「レネエを支配下に置くことを失敗した」と感じたと同時に、
「男性としてのプライドを傷つけられ」ています(このあたりは
「失敗に終わるレネエとのセックス」のシーンに象徴されていると
考えます)。
そのため、ピートを核にした「妄想」に逃げ込んだ段階で、「従順
で、完全な支配下におけるセックスの相手」として、シーラという
脇人格を作り上げ恋人とした、という理解です。
最初はそのとおり、呼び出せば「いつでもどこでも」な感じですが、
フレッドの「妄想」が崩壊していくにつれ、シーラすらもその支配下
から外れていきます。
・アリスが妄想である意味
>>318 で述べたように、シーラというある意味「理想の恋人」を作り
上げたフレッド=ピートですが、結局、心から欲しがっているのは
やっぱり「レネエ」なんです。たとえ支配下に置けなかったとしても。
そのため、レネエをモデルにした「アリス」という脇人格を、途中で
作らざるを得なかった(あるいは作ってしまった)、という理解です。
で、結局、フレッドの「妄想」が崩壊していった大きなきっかけは、
やっぱりアリスなんですよね。(妄想の中で)ロラントに追われる
原因になったのはアリスとの情事だし、「アンディ殺害」はアリス
の教唆で行われるし。挙げ句の果てに「二人で(アンディを)殺し
た」とピートがつぶやくと「やったのは、アンタじゃん」とか言わ
れてしまう。「支配下に置く」どころの騒ぎではなく、フレッドが
実はレネエをどう捉えていたか、あるいはいかに「レネエの浮気」
に「責任転嫁」の鉾先を向けたがっているか、が逆によくわかりま
す。
で、フレッドがレネエを本当の意味で手に入れられなかったと同じ
く、ピートもアリスを手に入れられない。
アリスがピートに放った最後の言葉、「You'll NEVER have me」
というのは、そのままフレッドにもあてはまると同時に、ピート
を核としたフレッドの「妄想」が完全に崩壊した瞬間でもあります。
昨夜書き込んだ分を読み返してみると、いろいろ舌足らずになった箇所
に気がつきました。ので、補足です。
>>313-315 の「構造のアウトライン」に関してですが、「前半部=記憶」
から「後半部=妄想」へフレッドの思考が移った原因は、「前半部」最
後に登場した「3本目のビデオテープ」にあります。
※例の「ビデオテープ」が「レネエ殺害に関するフレッドの記憶の象徴」
であることの説明に関しては、
>>141 を参照してください。
すなわち、「歪んでいておぼろげ」であっても、フレッドが瞬間「自分
がレネエを殺害したこと」を思い出した(あるいはフラッシュバックを
起こした)ことがトリガーになり、現在自分が置かれている状況(=逮
捕され、死刑囚房に収監中)が連鎖反応的に想起された、ということで
す。
そうして想起された「逮捕/裁判/収監の記憶」と「処刑の恐怖」、そし
て「レネエを殺したことによる罪悪感」によって追いつめられたフレッ
ドは、「ピートに変身=ピートを核にした妄想に逃げ込む」ことになり、
映画は後半部に突入します。
>>316 の「完全なループ構造」に関してですが、図式にすると
オープニング・ロール→「ディック・ロラントは死んだ」とフレッドが
告げられる→中略→「ディック・ロラントは死んだ」とフレッドが告げ
る→警官に追われながら逃走→エンド・ロール→オープニング・ロール
→以下略
という構造です。
で、「なぜこの映画がこうしたループ構造になっているか」の理由の補
足ですが、結論からいうと、「円環状に”閉じた”構造にしたかったか
ら」なのではないかというのが全編脳内派の考えです。
人間は誰も「自分が思考するという行為自体」あるいは「自分が思考す
る内容」からは逃れられません。そうした「逃れようがない」構造をし
ている精神世界を描いていることをあらわすために、この映画も「円環
を作り閉じていて、逃れようがない」構造になっているという理解です。
というわけで、構造が「ループ」になっていることが、全編脳内派が
「この映画はフレッドの脳内を描いているのではないか」と思いついた
理由のひとつになっていたりします。
>>319 の
>アリスがピートに放った最後の言葉、「You'll NEVER have me」
>というのは、そのままフレッドにもあてはまると同時に、ピート
>を核としたフレッドの「妄想」が完全に崩壊した瞬間でもあります。
ですが、これはちょっとわかりにくい書き方をしてしまいました。
以前も何度か述べていますが、この映画は最初から最後まで「フレッド
の主観視点」で描かれています。なので、たとえ「フレッド=ピート」
以外の人物による発言や行動だったとしても、実はそれが「誰かの言動
の形」をとって表現された「フレッドの思考」である場合があります。
ときとして、非常に屈折した、わかりにくい形になっていますが。
ということで、ここで言いたかったのは
・ピートがアリスに「You'll NEVER have me」と言われた
ということが
・フレッドが「本当の意味でレネエを自分のものにできたことはなかった
し、(ましてレネエが死んでしまった今)これからも絶対に自分のもの
にすることはできない」と悟った
ことと同義である、ということです。
・ピートの両親が妄想である意味
このあたりは「なぜフレッドが逃走先としてピートという人格を選択した
のか」ともからんでくると思います。
とりあえずここで指摘しておきたいのは、
>>318 で述べたようにピートの
恋人としてシーラという「都合のいい」人格をフレッドが作り上げたのと
同じく、「ピートおよびその周辺の環境すべて」がなんらかの形でフレッ
ドにとって「都合のいいもの」あるいは「望ましいもの」であったはずだ、
ということです(少なくとも「妄想」に逃げ込んだ最初のうちは)。
もうひとつ指摘しておきたいのは、「前半部=フレッドの記憶」のパート
において、フレッドの親に関する「情報」がまったくないことです。これ
をもって、すぐさま「不仲だったのか」とか「すでに死別していたのか」
といった憶測に結び付けることはちょっと短絡的だと思います。が、ピー
トが保有していてフレッドに欠落しているものはいくつかあります。たと
えば「若さ」たとえば「精力絶倫(w」……。
こうした「保有点」「欠落点」を並べていくと、ある意味でピートはフレ
ッドの「対極」にあることがわかります。かたや「中年のジャズ・ミュー
ジシャン、それなりに高収入っぽい、子どもなし、不能気味」かたや「ケ
チな前歴もちで自動車修理工、親と同居、とりえは修理の腕前と若さと精
力絶倫」(なんかヒドい書き方してますが)。
つまり、「逃避先」として、もっとも自分と重ならない人格をフレッドは
作った、ということです。なぜか? もちろん、その方が「都合がいい」
からです。「フレッド時代の記憶」がよみがえる可能性のあるきっかけを
除外するのに都合がよく、入れ替わったあと予測される(脳内での)警察
の追求を逃れるのに都合がよく、結果としてなによりも「レネエ殺し」の
罪悪感から逃れるのに都合がいいからです。
・シーラの密会が妄想で、ピートを尾行する刑事も妄想なら、
ピートの「お盛んな」夜の生活にうんざりする刑事の感想も
妄想であるが、その意味
>>318 および
>>322 、そして
>>323 を組み合わせれば、この質問に対する
回答はほとんど出ると思います。
ピート=フレッドが、「支配下に置ける恋人」を堪能し、警察を含む
「現実」を出し抜いた快感に浸り、「精力絶倫」ぶりを発揮する自分に
酔う……といった具合に、自分に都合のいい妄想のなかで「全能感」を
味わっている、あるいは意図せずよみがえった「フレッド時代の記憶」
に脅かされた「自我」を、その「全能感」で癒している、といったシー
ンであると考えています。
最後の「悪態をつく刑事」のケースなどは、
>>322 で述べた、「他の登
場人物の言動=フレッドの思考」である典型的な例かと思います。この
場合どういう「思考」だったか一言でいうと……
「どーだ漏れは勢力絶倫だぜうらやましいか警察の犬どもこそこそ嗅ぎ
まわりやがってそこでせいぜいうらやましがってな漏れはぜったい捕ま
らないんだもんねわははのはー」
……ってなとこでしょうか。
・アーニー整備工場が妄想である意味 「自動車修理工」であるピートをフレッドが「逃走先の人格」として作 ったなら、もれなく彼の職場である「修理工場」もついてくるはず…… なんですが、ひとつ注目しているのは、「妄想内」でピート=フレッド がミスター・エディ=ロラントと初めて出会ったのがこの「修理工場」 であることです。 つまり、多くの人にとって、「職場」というのは「現実」や「社会」と 出会う可能性のもっとも高い場所である、ということです。多くの場合、 「上司」や「得意先」や「顧客」は選べないし、「無理難題」がふりか かることも日常茶飯事です。 それを考えると、「現実社会の象徴」であるロラントがフレッドの「妄 想」にまず踏み込んでくる場所が「職場=修理工場」であること、そし て「顧客」としてやってくることは、非常に暗示的であるような気がし ます。
・ピートが尾行されているという妄想の意味 これに限らないのですが、フレッドが「遁走」するのは「追われて いるから」です。 「レネエを殺した罪悪感」「警察による追求」「世間の非難&揶揄」 ……そうしたものから「妻殺し」のフレッドは追われ、そのあげく 現在は「死刑囚房で監視下に置かれている」状態です。 「ピートを核にした妄想」のなかで、ピート=フレッドが「現実」や 「フレッド時代の記憶」の侵入を受けるとき、ときとしてそれに「尾 行」や「監視」というイメージがくっついていることに、なんの不思 議もありません。
・アンディ宅でピートの指紋がみつかった妄想の意味
これに関しては以前すでに
>>104 で述べているんですが、この時点で
フレッドの「ピートを核にした妄想」はすでに崩壊しかけており、
フレッドはピートという偽人格を捨てる方向に傾いています。
そのため、ピートが「アンディ殺害の犯人」である(と警察=現実が
みなす)ことは、フレッドにとって「都合のいいこと」に変わってい
ます。「やったのはピートであって、フレッドではない」という具合
に、フレッドの妄想は自分を守るため、都合よく逃げ道を作り上げて
いくわけです。
328 :
124 :03/02/11 05:48 ID:pBkaWi2a
・アンディ宅でピートの指紋がみつかった妄想の意味
>>324 (わたしの質問も、舌足らずなのですが、)
ピート/フレッドを尾行/監視していた刑事が
アンディ宅に捜査にやってきて、ピートの指紋を
みつけたという「刑事に関する妄想」の部分も
答えていただかないと、困ります。
どうように、
「刑事が、写真をみつけて、『奇妙な事件だね』」
という類いのコメントをする「妄想」についても。
さらに、刑事が見つけた写真の妄想についても。
あれは「フレッドの妄想」でしょうか?
ピートが妄想だと、アンディはなぜ死んだのでしょうか?
329 :
124 :03/02/11 05:54 ID:pBkaWi2a
>>326 フレッド(やピート)が「遁走」するのは、
「罠にはまってしまった現実から、『逃げたい』から」
で、
「追われているから」ではありません。
刑務所では、誰も追いかけません。
ロラントの黒い車で「逃げるから」追いかけられるだけです。
ミステリーマンは追いかけることなく、フレッドの夢の
なかに現れ、彼を悩ませます。
フレッドは、ロラント殺しはともかく、仮にレネエ殺しが
あったとしても(仮定)「心神喪失で無罪(責任能力なし)」
でしょうから、罪悪感を覚えるひつようは、レネエの部分
には有りません。
330 :
124 :03/02/11 06:00 ID:pBkaWi2a
<作業例> 妄想でない人物 フレッド レネエ ロラント アンディ 妄想である人物 ピート シーラ ピートの両親 ピートを尾行する刑事 ミステリーマン 疑問 ゴースト(幽霊)を主題にした映画ならともかく、 「妄想でない人物」と「妄想でない人物」が日常会話 する、描写を受け入れよというのは、無茶です。 上者の区別は、恣意的ですし。 (私の流儀に反しますが、そんな映画前例あるなら、 教えてほしいです。)
331 :
124 :03/02/11 06:18 ID:pBkaWi2a
(もっと簡単な宿題です) 妄想でない人物「フレッドロラントレネエアンディ」の四人を 中心に、この「事件」の時系列整理をして下さい。 フレッドが、三人を殺しまくる足取りは? 移動手段は?だれの自動車? 砂漠の小屋を経由したのか?本当に? 三人を殺した順序は? できるはずですよね。
>>331 124さんと全編脳内派のこの映画の捉え方の違いを、あらかじめ
明確にしておいた方がいいと思うので、先にこちらの質問にお答
えしておきます。
全編脳内派は、基本的にこの映画を「象徴表現が大部分を占めて
いる」と捉えています。
すんげえベタな例で申し訳ないんですが、たとえば「鳩が殺され
る」映像があったとします。これを「鳩は平和の象徴である」と
いう基本理解のもとに、映画内の前後の関係とからめて、「戦い
が勃発した」ことを表す「象徴表現」として捉える、という考え
方です。
これに対し、124さんは「鳩が殺された映像」を「鳩が殺された事
実」としてのみ捉えているわけです。もちろん、全編脳内派がこう
した捉え方をただちに「間違いである」と言っているわけではない
ことは、124さんにも御理解いただけてると思いますが。
こうした捉え方の差異を念頭においておかないと、いくら話を重ね
ても「すれ違い」に終わるのは目に見えています。それではつまら
ないし互いの理解も進まないので、とりあえずこの「捉え方の違い」
に対する互いの意見は保留したまま、お互いの「解釈」の不明点を
確認する作業を続けた方が建設的かなと思うのですが、どんなもん
でしょう?
333 :
124 :03/02/11 13:56 ID:pBkaWi2a
たった四人が当事者の「事件」なのですから、私の時系列 整理より、圧倒的に簡単なはずですね、待ってます。 解釈の多様性、解釈の自由を声高に述べることは自由ですが、 わたしが質問した、<<「フレッドが関与した事件」 につき、全編脳内派さんが、「出発点」としてどう、 理解したか(ピート抜き、ミステリーマン抜き等) の時系列整理>>が固まってから、その事件にまつ わる「妄想」を云々すべきである、という「順序」 は守られないと、いけませんよね(でないと、理解不能)。 たしかに、先行して「妄想」の質問をふったのは私ですが、 やはり、レネエロラントアンディが死亡した事件が、 フレッドの手で、どういう動機で、どういう手順で 実行されたかを、先に説明しておく必要が、全編脳内派さ んにはあるでしょう。その時系列整理を終えた後、「妄想」 の論議に移るなら、議論にたえうるでしょう。 <フレッド単独犯なのに、なぜ、ロラント殺害は本人が描写 され、アンディ事故しはピートの姿(?)で描写され、 レネエさつがいは、ビデオ映像で描写されという論点に 早くすすみたのですが、それよりも、まず、フレッドが どうやって三人を、順番に殺したかの時系列整理が先です。>
>>328 ああ、これはこちらの説明が端折りすぎでした。
もちろん、124さんからの再質問にあるシーンも含めて説明した
つもりでした。
これは、
>>322 で述べた
・「誰かの言動の形」をとって表現された「フレッドの思考」
の典型的な例なんですよ。
この場合、崩壊した「ピートを核にした妄想」をフレッドが捨てる
というのが理解のポイントで、つまり「アンディ殺害の犯人はピー
トであって、フレッドでない方が都合がよく」なっているから、
「刑事がピートの指紋を見つける=すでにどうでもいいピートがア
ンディ殺害犯人とされる」という思考イメージがフレッドのなかで
想起されるわけです。
あわせて、この「刑事が指紋を見つける」シーンは、
>>199 で述べた
「視点の問題」を、全編脳内派が初めて疑いはじめたシーンでもあ
ります。
「写真」の件ですが、これも前述の例の変形です。すなわち ・「事象の形」をとって表現された「フレッドの思考」 である例です。ロラント&アンディと「レネエ&アリス」が写ってい る写真を見つけたピートが「Is that you? Are both of them you?」 とアリスに問い掛けるシーンがありますが、これは ・「アリスが実在でない=レネエをモデルとしてアリスという脇人格 を自分が作った」という「疑い」をフレッドを抱いた ことを表しています。当然、刑事が「アリス抜き」の写真を見つける シーンの時点では、すでにフレッドはピートという偽人格を捨ててフ レッドに戻っており、「疑い」は「確信」に変わっています。 この時点で、フレッドのなかにもうアリスという偽人格の存在はあり ません。その象徴表現として、問題の写真からアリスの姿は消えてい ます。 ちなみに、124さんはこの「写真からアリスが消えた」シーンを、ど のように考えてますか? この「写真の例」にあらわれているように、この映画のなかに登場す る「映像物=ビデオ、写真、フィルム」等は、すべて「真実の記録で あるかどうか、非常に怪しい」と思っています。非常にねじくれてい ますが、普通、「真実の記録」としてみなされるものであるがゆえに 「怪しい」と。 「アンディ殺害」に関しては、長くなりそうなので、別項で。
>>329 これもこちらの書き方がまずかったですね。
述べたかったのは
・「警察」「現実=世間」→「追跡」「追求」のイメージ
・「死刑囚房」→「監視」のイメージ
という2本立て、ということであって「死刑囚房=追跡のイメージ」
ではありませんでした。
後半に関しては、なんとも(W。実際、カット前のシナリオでも判決
が申し渡されるシーンはあっても、弁護側が弁護を行うシーンは存在
しないので、はたして弁護側が「心神喪失」を申し立てたのかどうか、
もし申し立てたとしてそれが却下されたのかどうか、判断する材料が
まったくないですね。
>>330 一言でいってしまうと、すべて「妄想の人物」と思っています(って
書くと、124さん、怒るかなあ)。正確にいうと、大きくわけて、フレ
ッドが「実在の人物をベースに、この人物はこういう人物であると理
解した人物像をした人物」あるいは、フレッドが「なにか抽象的なも
のを、具体的象徴としてあらわすために人格化した人物」の2種類で
す。そして、「この2種類が混じった人物」もある、と考えています。
>>199 の前半で述べたんですが、フレッド自身を含めて、すべてフレッ
ドの脳内に現れる人格ですから全員フレッドの「都合」によるバイアス
がかかっていることを疑うべきと考えています。
逆にいうと、もしこの考え方を受け入れるなら、「誰がどこで誰に
どんなに非現実的な状況で」会おうと、まったく問題ないですよね。
もし、それに対し、一貫した視点に立った「意味付け」さえできるなら、
というのが全編脳内派の考えです。
>そんな映画前例あるなら、教えてほしいです。
うーん、たとえばウディ・アレンの「ボギー! 俺も男だ」なんて、
どうでしょう? ちょっと、違うか?
でも、身近なところでは、実は「マルホ」もそうですよね。
>>333 うーん……
>その時系列整理を終えた後、「妄想」
>の論議に移るなら、議論にたえうるでしょう。
このあたりの質問を受けるあたり、
>>313-315 で述べた「この映画の
構造のアウトライン」や、
>>332 で述べた「捉え方の差異の問題」を
124さんには、よく御理解いただけてないようですね。
ぶっちゃけていうと、全編脳内派は実際の事件の「時系列整理」その
ものに重要性を置かない「捉え方」をしてるんですよ(って書くと、
124さん、怒るよなあ、絶対。でも本当なんだから、仕方がない)。
実際にどのような経緯、どのような足取りで犯行が行われたか、は
どーでもいいと考えています。
実際の事件がどうであったかは、映像としてあらわれている「フレッ
ドの思考」から憶測するしかありません。「どのような順序で、そし
てどのような状況下で実際の殺害が行われたか」に関する明確な描写
は映画内には存在していない、というのが全編脳内派の考えです。
というふうなところをズラズラ並べててもきっと124さんはご納得い ただけないと思うので(w、とりあえず全編脳内派が現在考えている 「事件発生の時系列整理」を、あくまで全編脳内派の「捉え方」で述 べておきますね。ただし、上で述べたように「移動の足取り」などは、 まったく考えていません。 ・犯行はすべてフレッド ・殺害順序はロラント→アンディ→レネエ ・動機は「レネエのロラント&アンディとの浮気(をフレッドが 疑ったこと)」 まず、なぜこの「三人の殺害」が実際にあったと考えているかとい うと、この三人の殺害場所を必ず「ミステリーマン=フレッドの殺 意の象徴」が訪れているからです。すなわち「砂漠の小屋」「アン ディ宅」「フレッド宅」の三箇所です。このうち「砂漠の小屋」に 関してはもっと述べなければならない点があるのですが、別項に譲 ります。 ただし、これには反証もあります。なぜなら、死刑囚房の看守は フレッドを指して「あの妻殺し」とは言っていますが、「連続殺人 犯」とは言っていないからです。
「ロラント殺害」がもっとも最初である理由ですが、これを実際の
犯行を下敷きにした「象徴的事件」として、フレッドの脳内では想
起されていると考えているからです(なにを象徴しているかは
>>316 の前半を参照してください)。この「象徴的意味」によってフレッド
の「タガ」が外れ、それ以降の犯行が連続して行われたのではないか
という理解です。
次に「アンディ殺害」です。実はこれがもっとも「曖昧」であると同
時に、わかりやすく「歪んで」います。映画内で描写されている殺害
の経緯は、「フレッドの願望によるバイアスが激しくかかっている」
ため、まったく実際の犯行の経緯を再構築する参考になりません。た
とえば映画内ではアンディは「事故」に近い死に方をしています。犯
行直後のアリスによる「It was an accident... Accidents happen
every day.」という発言もあります。が、これはその後の「ピートを
アンディ殺害犯にしたてる妄想」や「アリスの教唆によってアンディ
殺害が行われたという妄想」と同様に、「フレッドによる自己正当化
&責任転嫁」のあらわれと捉えるべきです。ただし、アリスによる
「YOU killed him」というピート=フレッドに対する発言の意味を考
えるなら、「アンディ殺害」が、フレッドによって実際に行われたこ
とを否定できません。
そして最後に「レネエ殺害」です。なぜレネエが最後かというと、フ レッドにとってレネエが「最重要人物だから」です。ロラント&アン ディを殺害した動機の一部に「レネエを自分のものとしたい」という フレッドの「目的」があると考えると、ロラント&アンディを殺した 時点で、その「目的」はある程度達成されています。それを越えて レネエを殺害するには、逆に「ロラント&アンディ殺害」を踏まえた エスカレーションが必要であると考えるからです。 ってな感じです。正直いって、124さんのいう「時系列整理」にはまっ たくなってないと思いますが(w、前に述べたようにそれはどーでも いいと思っています。 また、全編脳内派と同じ「捉え方」をしても、別な解釈が存在する可 能性は高いと考えていますので、他の方の解釈もぜひ見てみたいです。
これは個人的な感想なんでどーでもいいことなんですが、たとえば リンチの「イレイザー・ヘッド」や「ツイン・ピークス」を観たあ とで、なおかつこの作品の「犯人探し」や「時系列整理」にこだわ れる124さんは、スゴイと思うんですよ。全編脳内派などは、最初っ から「どーせ、この映像も現実じゃねーんだろ」と疑いながらこの 作品を観てましたから。 そういう意味では、こちらが「先入観」をもってこの作品を観たこ と自体は否定できないんです。観終わったあとは、「やっぱ、リン チだわー」としか思わなかったですし。
343 :
124 :03/02/11 19:08 ID:pBkaWi2a
ですのでその「実際の犯行」を明確にしないといけないです。
三人が別の場所で死んだのですから、3×2で6通りの可能性
があります。
ロラント→アンディ→レネエですか?
<<ロストハイウエイホテルで、レネエの浮気をどうして
しったのですか??
アンディを脅してロラントの居場所聞いた、くらいが
可能性としては高くないですか??>>
これでは、先ほど注意したように、
オリジナルの犯罪と、妄想の描写とを区別できていませんので
妄想と区別したオリジナルの「実際の犯行」を「妄想抜き」
で説明ねがわないと。(ミステリーマンがいたから云々の
説明も、実際の犯行の説明としてはなってません。
(以下の「実際の犯行」を明確にせよ)
>>340 名前:全編脳内派 メェル:sage 投稿日:03/02/11 16:34 ID:c3kXiAiz
「ロラント殺害」がもっとも最初である理由ですが、これを実際の
犯行を下敷きにした「象徴的事件」として、フレッドの脳内では想
起されていると考えているからです
344 :
124 :03/02/11 19:12 ID:pBkaWi2a
どんな解釈でも、この映画の「変なことろ」を 「オリジナルの犯罪」はこのようであった(らしい)、(本論の前提部分) ↓ それが、「妄想で、あの映画のようになった」(本論部分) と分離しないと。 それを、(本論の前提部分)が○○であるのは、(本論部分)が△△ だからである、ってのは、「本論」で「本論の前提」を論じていて 理解不能です。
345 :
124 :03/02/11 19:14 ID:pBkaWi2a
「変なところ」を説明しようとしてしている点は、 共通している、わけですから の「後半部分」が脱落。
346 :
124 :03/02/11 19:26 ID:pBkaWi2a
「オリジナルの事件について、質問しないでほしい。」 →自分の、これまでの解釈が崩れるから。 「オリジナルの事件について、曖昧なままでいいじゃないか」 「どうして、オリジナルの事件の詳細が知りたい。」 →映画の多数の登場人物を「妄想(の産物)」とみなすという解釈 を受け入れるには、少なくとも、満足納得の行くレベルまで、実際 の犯行の悲惨さを、示していただかないと、ね。 「オリジナルの事件を再現するだけの、材料はこの映画には 描写されてません。」 →こうなると、出発点が、まちがってますね。多数の登場人物を 「実在」と考えれば、オリジナルの事件の再現は可能とおもわれますが。
347 :
124 :03/02/11 19:33 ID:pBkaWi2a
(その他の疑問と、推測する回答) ロラント殺害時に、例のホテルにレネエはいたのですか? →わかりません。 アンディ殺害時に、アンディ宅にレネエはいたのですか? →わかりません。 フレッドは、どうして、この2人だけが、レネエの相手だ と確信できたのでしょう? →わかりません。 そもそもロラントがホテルにいることがなぜわかったの でしょう →わかりません。 どういうタイミングで警察につかまったのでしょう? →自宅で?? では、ロラントの自動車で逃げる場面はなかったのでしょうか? →反対解釈で、なかった。
>>343 >ですのでその「実際の犯行」を明確にしないといけないです。
むー、申し訳ない。この映画に関しては、困ったことに、マジで、
ぜんっぜん、その必要性を感じていません(w。
>>344 の
>「オリジナルの犯罪」はこのようであった(らしい)
についていえば、「フレッドがレネエを殺した(らしい)」だけ
で、全編脳内派の「捉え方」では、もう充分なんです。
前にも述べたように、「オリジナルの犯罪」は、基本的にこの映
画内では「描かれていない」というのが全編脳内派の考えです。
ので、残念ながら、この方向での論議は完全に「すれ違い」で終
わると思いますよ。
349 :
124 :03/02/11 19:54 ID:pBkaWi2a
(こんどは、擁護発言) 普通、全編脳内派さんの立場なら、 パーティ会場で、アンディとの関係を疑った、フレッド →アンディ宅に侵入→「3人の映った写真(&ポルノ ビデオ)」発見→アンディに、写真に写ったロラントの 事を詰問→アンディ「全部ロラントが悪い」→フレッド はロラントの居場所聞く→フレッドアンディ殺害。 ※レネエ不在。 フレッド、ロストハイウエイホテルでロラント襲撃→ 駐車中のロラントの車で、砂漠へ連れ出す(犯行が みつかるから、ホテルだと)→ロラント殺害→自宅へ ※レネエ不在 フレッド、自宅に戻る(ロラントの車で)→レネエ殺害 →(ロラントの車で逃走したかは不明) 以上、「3人の写真」をきっかけとした アンディ→ロラント→レネエが、普通の解釈では??
>>346 > →こうなると、出発点が、まちがってますね。
そうなんですよ。
>>332 で述べたかったのは、そういうことなんです。
全編脳内派のこの映画の「捉え方」にしたがうと、124さんのこの映
画に対する解釈の「出発点がまちがっている」ことになってしまうん
ですよ。ただ、それではそこで「じゃ、そーゆーことで」で終わって
しまってどーしょーもないんで、この捉え方の違いに関しては一時、
棚上げしませんかってことなんですが。
351 :
124 :03/02/11 20:06 ID:pBkaWi2a
(擁護のあと、また批判) しかし、(ようやく、実際の犯行が明らかになったとして) ロラント→アンディ→レネエ」にしろ アンディ→ロラント→レネエ」にしろ、 仮に、フレッド単独犯説をとったら、 <<いよいよ本論>> 「関係者全員殺した、ヤレヤレ」と思っている フレッドが、 (1)「第三の愛人」たるピートを妄想するという のは、全く理解できない、わけです。 (2)罪悪感よりも「達成感」がつよいので、ミステリーマン などがでてくるわけがないのです。 仮に、「2人はともかく、レネエ殺しだけは、狂ってたな、反省」 ってのが、フレッドの罪悪感だとしても、 だからピートや、ミステリーマンにはつながりませんね。 「妄想の中で、妻にピートという愛人でも作ってやって、 慰めてやろうか??」とでも考えたのでしょうかフレッドは??
>>349 おお、なるほど。
ただ、
>>335 で述べたように、映画内に登場する「写真に写っている
光景」や「ビデオ・テープの映像」の「真実性」そのものに、全編
脳内派は疑問をもっちゃってるんですよね。そこらへんで、ちょっと
都合が悪いっちゃ、悪いです。
というか、正直なところをゲロしちゃうと、「三人の殺害の順番」
に関しては、あんまり突き詰めて考えてませんでした、はい(w
353 :
124 :03/02/11 20:22 ID:pBkaWi2a
「映画本編」を <1> (オリジナルの犯行の描写なし)& 「挨拶程度の主人公の描写」& 「大半は主人公の『妄想』」※OJシンプソン事件が妻殺し。 ※※「妄想」の解釈にも矛盾があるが、「妄想とは矛盾した もの」という水戸黄門の印籠が示され、反論できず。 <2> 「オリジナルの描写あり」&「事件後の主人公達の心理を 遡及して反映させるための工夫として、そのオリジナルの事件の 時系列の入れ替え/奇妙な映像が含まれている」&「入れかえシ ーンの接合面で時間的に矛盾するシーンがある」 どっちととるか、簡単なこと。
>>351 あ、いや、「フレッドがピートを作った理由」が全編脳内派が考えてい
るのとは、ちょっと違います。
>>320 で述べたとおり、フレッドは現在の環境(=死刑囚房で処刑を待
っている)からの「遁走」を、同時に考えているわけですから。
と同時に、「レネエ殺害」に関しては、「罪悪感」と一緒に「喪失の
ショック」も感じているはずです。
もうひとつ明確にしておきたいのは、「ピートはあくまでフレッドと
イコールである」ということです。たとえ姿形が違って、フレッド時代
の「記憶」を忘れ(ようとし)ていたとしても。だから、「妄想」のな
かでは、「ピートの快楽」はすなわち「フレッドの快楽」なんです。
ミステリーマンに関しては
>>192 の後半で述べたとおりです。
>>337 で
述べた「2種類の登場人物」のうち、後者にあたります。
355 :
124 :03/02/11 20:47 ID:pBkaWi2a
過去のレネエ関係者を連続殺人したフレッド像を 仮に受け入れた場合、 第三の過去のレネエ関係者を、たとえ妄想の中でも、 想像することは、いくら、全編脳内派さんが、「ありうる」 とおっしゃっても、「ありえません」。 ※レネエ回顧で、自分以外の男になってレネエから 快楽を得ようとフレッドが仮に獄中で、おもったと しても、ロラントに脅されるピートみたいな小人物を 妄想することは、ありえません。 ※そんな狭い世界の妄想なら、「やっぱりピートは実在」ですね。
>>353 横レスですが<1>をとる。
基本的にこの映画は「悪夢」を描いてると思う。
その上で、色んな解釈があるのは納得できるが
<2>では根本的に違ってくる。
この映画をどうすれば<2>のように見られるのかわからない。
ずっとROMっていたが、それでもわからない。
力技で時系列整理したり、創造に近い補足したりしなければ
成り立たない映画の前例があれば逆に教えていただきたい。
>※※「妄想」の解釈にも矛盾があるが、「妄想とは矛盾した
もの」という水戸黄門の印籠が示され、反論できず。
矛盾してたり突飛だったり自分の都合のいいように
物事が運ぶのが夢(妄想)。
「マルホ」にしろ、そこんとこをすごくうまく
描いていると思う。
妻を殺して、その記憶を別人格に置き換えている男の
精神構造を描いた・・・ってリンチも言っている。
これ、ほとんどネタバレでしょ。
うーむ、これまた勝手な感想なんですが、124さんはすっげー ナィーヴですね(w 124さんがこの映画を観るきっかけがなんだったか、すごく 興味があります、はい(w
>>355 うーん、やっぱり124さんは
>>313-315 で述べた「映画の構造のアウトラ
イン」が理解できてない様子ですね。
「ロラントの侵入」は、フレッドが意図したことではないんですよ。
当然フレッドは自分の「妄想」を維持したかったんですが、「フレッド
時代の記憶」がフラッシュバックしたことによりそれが不可能になった
せいで、その「妄想」は「崩壊」してしまうわけです。
これはたとえ妄想の核が「ピートみたいな小人物」であろうが「合衆国
大統領」であろうが、同じなんです。
>>358 自分で自分に嘘はつき通せない、みたいなかんじだよね。
ピートの職場のラジオからフレッドのサックスが
聞こえてくるのも妄想が侵食されつつある、
夢から覚めそうになる、というヒントだとおもた。
>>359 そうなんですよ。
ああいうのも含めて、よく言われることですが、リンチの音楽の使い方
はうまいと、やはり思います。
音楽といえば、ボウイのI'm Derangedがはまりすぎで ゾクゾクした。 この映画はサウンドの効果が他の作品と ちょっと違うかんじでしたね。 やりすぎな気もしないでもないが (W
362 :
124 :03/02/11 22:09 ID:pBkaWi2a
>妻を殺して、その記憶を別人格に置き換えている男の >精神構造を描いた・・・ってリンチも言っている。 >これ、ほとんどネタバレでしょ。 じゃないよ。その発言の前後は知らないが、OJ シンプソン事件とも関係するし。 その発言も、(文脈は不明なので自信ないが)OJシンプソ ン事件を、リンチなりの言葉で説明してるに過ぎないし、 その事件の構造を、なぞっているわけでもないし、ね。 妻を殺した:シンプソン 別人格に置き換え:平然と生活するシンプソン <でも、殺したフラッシュバックにちょっぴりびっくり> ってのがOJシンプソン事件だとしたら、 小心者のフレッド(アメフトの有名選手でもない)の映画、 フレッドの「困り果てた別人格」への逃避??は 全然別異に解釈しないと。
363 :
124 :03/02/11 22:17 ID:pBkaWi2a
「オリジナルの事件」は、映画の中では描写されて ない、ってのを前提にすすめられ、その論の補強に、 リンチの発言を、恣意的に引用するなんて。 オリジナルの事件:妻殺し(詳細は映画の外部にあり、欠落) 本編:別人格の妄想 以上。 ですかトホホ。
>>353 以前、
>>268 でも述べたんですけど、<2>の解釈の場合でも
>奇妙な映像が含まれている」&「入れかえシ
>ーンの接合面で時間的に矛盾するシーンがある」
「なぜそのシーンがそういう映像になっているか」が論理的に説明
できないと、結局、124さんが非難している「妄想だから矛盾してい
る」という捉え方と、質的な違いはなくなってしまうんですよ。
普通、(なにか実験的な映画でない限り)「意図しない映像」は存
在しないはずなので。
365 :
124 :03/02/11 22:21 ID:pBkaWi2a
「映画の構造のアウトライン」を語る資格があるかの テストとして、 「実際の犯行」への書き込みを読みましたが、落第ですね。 映画(描写)の細部へのこだわりが、甘いです。
366 :
124 :03/02/11 22:31 ID:pBkaWi2a
>>356 元になる事件があっての「悪夢」なのか?
元になる事件がなくての「悪夢」なの?
<フレッドが死刑囚として拘束されている前提での「悪夢」を
想定しているのだが、356さんはどうなの?>
<ピートの「悪夢」も私は含みますが(実在説)>
そして拘束の原因となる「元になる事件」ってのが明らかに
ならないと、「悪夢」かどうか判別つかないだろう、って議論
してるつもりなのだが。
>基本的にこの映画は「悪夢」を描いてると思う。
で「元になる事件」って何なの?具体的には?
>>361 シナリオを読んでみると、すでにシナリオ段階で「音の描写」あるい
は「音の指示」がかなり細かく出てますね。たとえば、ピートが自宅
で座っているシーンで
He HEARS a succession of highly-amplified SOUNDS at
intervals with eerie stretches of silence: CRICKETS in
fractured cadence a distant TELEVISION - a FLY buzzing
slowly in the room a MOTH'S wings beating against light
bulbs in the ceiling fixture - the washing of DISHES.
Pete's reaction to these sounds is one of petrified
confusion. Underlying these sounds is a kind of unearthly,
steady DRONE.
ってな具合です。
368 :
124 :03/02/11 22:33 ID:pBkaWi2a
で、もし、356さんの回答が、 「元になる事件」=「妻殺し」 解説:リンチがそう発言したから。詳細はなし。 後は全て「悪夢」でオッケー 以上。 っていうなら(以下略
369 :
124 :03/02/11 22:40 ID:pBkaWi2a
たまたま書き込みがかさなりましたが、 ピートが実在し、事件後「悪夢」(心因性記憶喪失)に悩まさ れるという私の<2>の解釈からは、ピートが、様々な 場面(鏡の前がその例)で、奇妙な態度をとるのはあり得ます。 音楽への奇妙なリアクションも、ピートの実在と、その「悪夢」 を示す、実例、と理解できます。
370 :
124 :03/02/11 22:52 ID:pBkaWi2a
「殺したのに、殺してない人格を作り上げた 成功者としてのOJシンプソン」(但しフラッシュバックあり) 「殺したのに、『殺してない人格』を作るのに失敗した ばかりか、『寝取った相手』の人格をつくって、それで すくわれるどころか、よけいに深みにはまる、失敗者として のフレッド」 (しかもフラッシュバックあり) この違いの説明が欲しいです。
>>369 なんか話がループしそうですが(w、124さんの理解では
「悪夢=心因性記憶喪失」なんですか?
以前出た、124さんのいう「新種・別種の記憶喪失」とやら
とあわせて、説明してもらえません?
どういうものやら、よくわからないので。
>>370 正確なところ、124さんは、この二人の「なんの違い」が
知りたいのでしょう?
いますこし、質問の意図がつかめません。
373 :
356 :03/02/11 23:29 ID:MPeVNsYa
>>367 シナリオ読んでみたい・・・
リンチの映画って、意味のないようにみえても
無駄なシーンはあまりないと思うけど、
サウンドにも・・・
>>366 今時間がないので詳しく書けないが
元になる事件=妻殺し
と、素直に考えてる。
O・J・シンプソンはもういいよ・・・
124さんには映画の公式HPのリンチインタビューのページを
読んでみることをおすすめします。
議論に加わりたいけど今日は落ちますー
なぁ、124さん。あんたファイトクラブのスレにも書き込んでいるようだけど、 あっちでは随分見当違いなレスしてるな。あんたが頭良いのは分かったから、向こうは荒らすなよ。
376 :
124 :03/02/12 19:40 ID:WdvjpT9X
まあ、 「別人格」と「別人物」の違いとでも考えてほしい。 OJシンプソンは、「殺してないもう1人の自分=『別人格』」を 上手く作り上げて、事件後も平然と生活していたと 考えられる。「殺してないもう1人の『自分』スター の『自分』」を演じている。 フレッドも、「妻殺ししてない、フレッド」を作りあげれば 十分(別人格)だったのに<OJシンプソンと同じように>、それ を超えて、「別人物」(ピート)まで、作って、しかも、OJ シンプソンみたいに、超然としていられない。 逃避したけりゃ「立派な、無実の自分を、OJシンプソンみたい に、作ればいいのに、フレッドはそれが出来ていない。」 これでは、OJシンプソンの事件への言及や、「妻殺し、別人格」っ ていうリンチの言及からは、何も引き出せないじゃないの。
377 :
124 :03/02/12 19:45 ID:WdvjpT9X
>>375 ようやく、爆死説を駆逐したんだから、ほめてくれよ。
生存説があたりまえ。
378 :
300 :03/02/12 21:31 ID:27in6z/h
お前だったのかよ!
なかなか興味深いですな。 ところでなぜタイトルが「ロストハイウェイ」なのかについては何かお考えは あるのでしょうか? 124さんでも脳内麻薬さんでも構わないのでお答えいただければと。
>>377 アホか?
あの程度で爆死説の奴らが治まるワケねーだろ。
もう、でしゃばるのはやめろ!
…って何だよ、この書き込みは。w >49 :9 :03/02/12 19:42 ID:WdvjpT9X >ファンが多くて困ってしまう。
382 :
300 :03/02/12 22:36 ID:27in6z/h
生理的にこの映画合ってないだろ?>124 お前って学習力はあるんだろうけど、いまいち天才肌じゃないんだよなあ。 ホントはファイトクラブと違ってそういう人間がアレコレいうべき作品じゃない んだな。こっちは。
そうそう。 なんか124って、全編脳内派と話かみ合ってないよね。
124って、タクシードライバーのスレにもいたろ?
あらま、なんか荒れ模様ですね。
ちょいと傍観。
>>379 えーと、「脳内麻薬」って、ワタシのことですか?(w
386 :
300 :03/02/12 23:25 ID:27in6z/h
>>383 擁護するつもりもないけど、意図的に反対説に立ってるんだろう、とは思うが。
387 :
379 :03/02/12 23:34 ID:zEaWr5d5
389 :
373 :03/02/13 00:31 ID:8Eq3ng9R
>>374 ありがとう!
ワタシのつたない英語力では
全部読むのに時間かかりそうだが・・・
頑張りまする(気に入ってシモタ)
390 :
300 :03/02/13 08:38 ID:OhDWMLsX
391 :
373 :03/02/13 10:30 ID:8Eq3ng9R
>>390 感謝感謝!
買ってしまいました。
以前古本屋で見つけた時に買わなかったのを
後悔してたんですよ、ほんと見かけないね。
392 :
300 :03/02/13 10:57 ID:OhDWMLsX
え?そのまま上のを買った? 600円の買った方が送料とかで微妙に安かったような気もするけど、 しーらないっと。 漏れは今までに二冊買ったよ。 一冊は300円でもう一冊は100円だった。 程度のいい方を一冊オクで売ったけど探してる人いたみたいで微妙に そこそこ競ったよ。
393 :
373 :03/02/13 12:14 ID:8Eq3ng9R
んー、600円の方と迷ったけど 値段より手間いらずの方をとってしまった。 オクでも探してたけど見つけたことなかった。 んで、最近はもう忘れてた・・・ 300円と100円はウマーでしたね。 しかしツイン・ピークスの文庫2册は、 わりと見かける気がする。
あ、いーないーな。 実はワタシも古本を探してたりしたんですけど、なかなか 見つからなくて。 >しかしツイン・ピークスの文庫2册は、 >わりと見かける気がする。 部数が多かったんでしょうね、きっと、「ロスト」に比べて。 こないだなんか、まだ新刊で売ってるのを見かけました。
395 :
300 :03/02/13 21:27 ID:OhDWMLsX
396 :
300 :03/02/13 21:55 ID:OhDWMLsX
こらこら、今買ったやつ。名乗りなさい。
えへへ。それはワタシでした(w 経済効果抜群のスレですなー(w
398 :
300 :03/02/13 22:02 ID:OhDWMLsX
余計なお世話かもしれないけど、落札物を非表示に設定してます? でないとIDばれちゃうよ。 まあしてるよね、普通。
ご親切、かさねてサンクスです>300さん
400 :
373 :03/02/13 23:28 ID:8Eq3ng9R
全編脳内派さんも! 300さん、経済効果アップに大いに貢献なさいましたね(W ほんとタイミングよく教えてもらえてよかった・・・ ツイン・ピークス本、まだ新刊で? それって初版のがまだ残ってる・・・わけないか。 ところで少しずつ英語シナリオ読んでますが、 ビデオはもう1本あったのですな。
>>379 遅ればせながら。
もともとはバリー・ギフォードの「ナイト・ピープル」に出てくる言葉
でしたよね、確か。実はこの小説は未読なので、タイトルについて語る
資格はないかも、です。
辞書で「lost」を引くと、「取り乱した/狂気のような」とか「自暴自
棄の/絶望的な」とか、出てきます。ここらへんの意味と「フレッドの
失われた記憶」とのダブル・ミーニング、それにプラスして「逃走の象
徴であるハイウェイ」ってのが、まあ、普通の受け取り方なのかなあ、
と。
「ハンク・ウィリアムスに同名の歌があることは知らなかった」みたい
なことをリンチが言ってましたが、あの歌の歌詞の1番は、(偶然なが
ら?)なにかこの作品と重なるような気がします。
>>400 >ところで少しずつ英語シナリオ読んでますが、
>ビデオはもう1本あったのですな。
そうなんですよ。あれに映っている映像も、いろいろと解釈できそう
ですね。
>ツイン・ピークス本、まだ新刊で?
>それって初版のがまだ残ってる・・・わけないか。
ちょっと版数までは確認しませんでした。新刊といいながら、さすが
に年季が入ってるというか、要するにボロかったですが(w
本が届くまで引き続きがんばって読みます。 そして届いた時、自分の脳内訳との違いに 打ちのめされそうだ(W ピークス本、2册とも初版が実家にある。 しばらく見てないが色変わりつつあるんだろな。
404 :
124 :03/02/15 05:30 ID:ON7tIfiT
>>379 わたしは、フレッドが確定的故意をもって殺人をしたのは
ロラント殺害だけ(レネエはミステリーマン殺害説)と解釈
しています。
『ロストハイウェイホテル』での(ロラント)殺人事件が、
<オリジナルの事件>として一番重要だから、というのが解釈です。
インポのミュージシャンが、面識のなかったロラントを、
(おそらくミステリーマンの陰謀で)襲撃するという、
恐るべき事件が実行された場所だからです。
「フレッドはなぜ、ロラントがあのホテルでレネエと会っている
ことがわかったか??」
「ミステリーマンが、教えたから!!」
「それ以外、浮気の場所を知る方法は、ない。」
405 :
124 :03/02/15 05:39 ID:ON7tIfiT
>>379 >>399 じゃ、舌足らずでしたな。
<まず「ホテル」がフレッドが犯罪を着手した
(ロラントは、砂漠までつれていって殺している)
重要な場所、ということを確認しておいて、
ではなぜその「ホテル」の名前が「ロストハイウェイ」
なのか?っていうのが質問の核心でしたね。
ロスト:フレッドピートの心因性記憶喪失
ハイウェイ:フレッドピートのミステリーマンからの逃走願望
2人は、レネエを奪われても、ミステリーマンからの心理的拘束
から逃れられないことを示しているとの解釈。
「また、お会いましたね。」
406 :
124 :03/02/15 05:51 ID:ON7tIfiT
これが、3本目ですか? Again, the DRONING SOUND plays throughout. in the bedroom where Fred and Renee are seen sleeping, SUDDENLY, Fred, on the tape, slowly awakens as the camera holds on him. He rises and turns unnaturally in the bed, as if drawn up by his awareness of some strange presence in the room. He comes to a sitting position, his head straining upwards, looking in the direction of the camera. At this point, the videotape image turns to snow. 「some strange presence」ってミステリーマンの事だと 解釈。
407 :
124 :03/02/16 07:20 ID:X1/m9X4O
こちらは、 『CUT』1997年5月NO.60 特集=『ロスト・ハイウェイ』が含まれる(メイン特集 ではない)を古書店で、見つけました。 バリー・ギフォードが余計なこと/観客を惑わす発言 をしていることが、気になりました(越権行為!!)。 <ネタばれじゃないのだけど、あたかもネタばれのような 発言をしている> ※フレッド→ピートへの変身 (1)変身した<ネタばれ> (2)変身した(ようだ)けど、結局アリス(レネエ)に裏 切られちゃって、これじゃあ、変身したって断定できないん だよな<ネタばれになってない> 流し読みすると(1)の発言のように、受け止められる。 実際は(2)の趣旨の発言。 この人物が、ロスト解釈の混乱の元凶かも。
408 :
124 :03/02/16 07:35 ID:X1/m9X4O
(OJシンプソンのように、事件後身体の拘束がなければ、 「殺してないもう1人の自分(別人格)をつくって平然と 日常生活できるが、) フレッドのように、事件後の身体の拘束があれば、もう1人 の人物をつくっても、監獄からでれない以上、意味はない から、他人(別人物)をつくって、あたかも、その他人が 、事件などなかったように、平然と生きるという妄想を つくるしかない。 そうだとすると、その他人(別人物)は、その妄想のなか では、事件とは無関係に、平然と平和な生活をしてしかる べきである。(心の平静を取り戻すための創造/想像した 別人物なのだから) しかし、フレッドの視点からは、他人(別人物)の創造 /想像に「失敗する」。その他人も、<女にだまされる> というフレッドと類似の、性質を引き継いでいるから。 問題は、だから、その先に有る。 仮に、ピートという人物が、フレッドと全くの正反対 であれば、問題はなかったろう。 しかし、ピートもフレッドも<女にだまされる>という 悪癖を共通にもっている。 だから、すくなくとも、フレッド→ピート変身という、 単純な図式の維持は、できない。別の解釈が必要である し可能である。
409 :
124 :03/02/16 11:29 ID:X1/m9X4O
age
124必死だな(w
「ロスト・ハイウェイ」の文庫本、とーちゃく。 300さんに感謝しつつ、読ませていただきまする。 ……なんだ、タイトルの「そもそも」というか、バリー・ギフォード の小説内で使われてる「ロスト・ハイウェイ」は、ハンク・ウィリア ムスの曲でよかったんぢゃん(w。リンチは、曲のイメージとは全然 違うイメージを喚起されたみたいだけど。
うちにも昨日届いた。 同じく300さんに感謝。 でも読む時間がない・・・
本スレは全編脳内派さんの勝ちって事で決着ついたんでしょうか。
いや、その、「勝ち負け」っちゅうのは、ちょっと御勘弁
いただけるとウレシイんですけど……。
ワタシが言うのもなんですけど、「全編現実」アプローチって、
この映画を解釈するのに「いちばんの難ルート」じゃないですかー。
ディベート形式でやるのは、なんぼなんでもハンデあり過ぎだと思
うんですけど……(と思ったんで、
>>129 みたいな提案をしたんです
けどね)。
ま、場所が場所だし、それこそヒト好きずきだし、どーでもいいん
ですけどね。どっちかというと、「全編現実だったら、こんなんだ
ったりシテー」「ンなワケ、あるかー!(w」みたいな展開のほー
が面白かったんではないかと、個人的には、はい。
417 :
124 :03/02/22 05:38 ID:Izq+9tNe
バリー・ギフォードは、 別人に変身したと考えれば(=別人格をつくり あげたとかんがえれば)**わかりますよ** という趣旨で、発言したのでなく、 **そう考えても、わかりませんよ** **その先は、解る奴にしかわからん** という趣旨で発言している。 私は、ギフォード示唆した「その先」に言及しようとしてきた。 全編脳内派さんは、「ギフォードの発言の、前半部分にとらわれ」、 別人格一本やりで、「当人が、わからない、と示唆しているもの を、妄想で、別人格で説明つくよう、こじつけている」 「『その先』がみえていない」 **ピートは、フレッドの別人格の様にみえて、そうでない** ここが出発点。 CUTの記事から判断すると **馬鹿にはわかるまい** とリンチは言いたかったみたいだが、 直接そう発言すると、観客の大半は、馬鹿か、賢くても、深く 考えない人が大半だろうから、映画の興行としては失敗するから 、自己抑制したからだろう。
418 :
124 :03/02/22 05:55 ID:Izq+9tNe
「出だしとして、フレッドが変身したのは、 別人格をつくったため、と仮定しよう」 「そうでないと、チンプンカンプンだから」 「で、収監中に、立派な別人格を作ることは可能だし、自由」 「しかし、ピートがフレッドの別人格だとする と、ピートのドタバタは『あまりに悲惨な別人格』である」 「好ましい別人格を作れたのに、作れていない」 「だから、フレッドの変身→フレッド=ピート 説はあやまり」 「では、あの変身をどう考えるのか?」 「謎である。しかし、謎であっても別人格説/変身説は、少なくと も、あやまり」
124さん、必死だネ(クスクス
420 :
124 :03/02/22 06:29 ID:Izq+9tNe
『ファイトクラブ』もそうだが、「二重人格」とか 「心因性記憶喪失」とか、人間心理の異常性を描い た映画って、語るのが難しい。 主観客観のほかに、第一の主観、第二の主観、 が登場するし。 撮る方も難しいと思うが、みる方も難しい。
ロスト文庫本読了。 で、気がついたんですけど、ミスター・エディ/ロラントの 最期の台詞って、なんか、全部、微妙に違いますね。 ・シナリオ 「You and me, mister, we can really outugly the sumbitches, can't we?」 ・DVD英語字幕 「You and me, mister... We can really outugly them sumbitces... Can't we.」 ・DVD日本語字幕 「お前と俺なら-- もっとすごいポルノを撮れたな そうだろ?」 ・シナリオ文庫本 「お前も俺も。なあ。 俺たちはほんとにろくでもねえ野郎なんだよな?」 こうやって並べると、日本語字幕の訳が「?」ですね。 意訳だとしても、原文からぱっと受ける意味からかなり距離が あるというか、「具体的すぎる」ような気がしますが、なにか リンチの指示とか、あったんですかね?
ついでにバリー・ギフォードの「ナイト・ピープル」も読了。 例のミスター・エディ/ロラントの「最期の台詞」は、この 小説から引っ張ってきている……っていう話なんですが、どうも 該当箇所が見つからないんですけど、わかる方、います? 小説の訳文とも比較してみたかったんですが。
423 :
124 :03/02/23 08:51 ID:YZhKi7VS
>>421 ミステリーマン実在説からは、
まず、「We」ってロラントが言ってること、とか、ロラントが最後の
最後になってまで、ミステリーマンに語りかけてることの方が、大事
なんだが、マン非実在説の全編さんからはこういう視点/論点が欠落するので
ざんねんだ。
昔つるんだ、仲間(→ミステリーマン実在。)
ピートを2人(ロラント&マン)で脅迫とかも。
なのにマンとフレッドに刺されるロラント。
この裏切りに、ロラントの胸に去来するものは?
124さん、相変わらずですねー。でも、ちょっと論点ズレてます(w 確かにこの台詞の ・「You」と「We」をどう訳するのか とも通じる問題ではあるんですが(こちらは「英語と日本語の特性の違い」 の問題がからんできますよね)、さて、自分が字幕翻訳者なら、不特定多数 の人間が鑑賞するのを前提として、この台詞にどういう字幕をつけただろう か、ってことを考えたわけです。 基本的に、字幕翻訳者がこの映画をどう解釈したかによってこの台詞の訳文 が変わってくるのは間違いないと思うんですが、では ・この日本語字幕の翻訳者はどういう解釈に基づいて、原文にまったく存在 しない「ポルノ」という言葉を使ったのか ・もし、なんらかの解釈に基づいて現在の字幕の訳文が選択されていたとし ても、この映画の場合、ここまで他の解釈の余地のない訳文にしてしまっ ていいのどうか というのが全編脳内派にとっての「最大の関心事」なんですよ。 もちろん、個人的解釈レベルでは ・You=ミステリーマン ・We=ミステリーマン&ロラント でOKだと思ってるんですけども。
425 :
124 :03/02/23 22:37 ID:YZhKi7VS
直前に、マンが携帯ビデオで ポルノ&殺人プレイ(?)ビデオ見せてたじゃない。 その後、実際に、マンがレネエ殺害して、そのシーン ビデオ撮るってのが、当方の解釈ってのも既に、述べた。 意訳として、こちらの解釈からは、全然許容範囲。 翻訳者も、私の解釈に近い証拠。
うーん、まあ、同じことを何度も何度も唱えていると、 そのうち流れ星の一つや二つ流れて、もしかすると 願いごとが叶うかもしれないんで、ガンバってください(W
427 :
父 :03/02/24 01:43 ID:HMNUzXWB
124よ!小学校から出直して来い!!
リンチの言葉で重要だと思うのは、この映画はOJシンプソン事件に触発 されていることと「ツイン・ピークス」と同じ世界でのお話だということ。 ミステリーマンとロラントについて、彼らはボブや小人や片腕の男と同じ 存在という解釈はどうですか? ロラントはボブが憑依した可能性もあるけど。 ミステリーマンとロランドは人間の悪行、悪意、犯罪の象徴で、彼ら自身 はボブのように、悪霊に似た存在で。 ロランドは、リンチ映画によく出てくる悪魔的な、人間性のかけらもない 異常人物が犯す罪の象徴。ミステリーマンは普通の人が嫉妬や疑念、怒り から自制心を失って狂気に至り犯す罪の象徴。 その二人は当然友人だし「本当に俺達は最低だよなっ」て言ってるの。 ロラントがミステリーマンにやられるのも暗喩的で面白いし。 もちろん、ロラントは死なないよ。別の肉体を探すだけ。
>「ツイン・ピークス」と同じ世界でのお話だということ。 へえ、リンチがそんなこと言ってたんですか。 「リンチ・ワールド」ときくと、なぜか「不条理なアトラクション満載 のテーマ・パーク」を思い浮かべてしまったワタシは、もーダメです。 場内をミステリーマンやらボブやらが歩き回っていて、一緒に写真を撮 ってくれたりしたら、もっとダメです。
430 :
124 :03/02/26 23:18 ID:YUqV6a+Y
脚本家が、 「別人格になったと考え…」 「…たらわかる」ではなく「…てもわからない」ってにおわしてる のに、早とちりは、困る。 OJシンプソンそっくりそのままなわけ、ないのに、依拠した事件が はっきりしただけで、解ったように考える、早とちりも困る。
まだ文庫本読み終れないヘタレでし。
>>429 > 「リンチ・ワールド」ときくと、なぜか「不条理なアトラクション満載
> のテーマ・パーク」を思い浮かべてしまったワタシは、もーダメです。
>
> 場内をミステリーマンやらボブやらが歩き回っていて、一緒に写真を撮
> ってくれたりしたら、もっとダメです。
うわ〜ワタシはすごく行ってみたい!
USJのBTTF RideならぬLost Highway Rideとか
一昔前の巨大迷路のようなブラック・ロッジとか
ブルー・ベルベット・ディナーショーとか・・・だめ?
>>429 リンチワールド!
いいねぇ・・
ぜひともLSDなど幻覚剤摂取のうえ、逝ってみたい!
「空飛ぶダンボ」ならぬ「空飛ぶエレファントマン」とかね。 絶対にカバーを取ってはいけない乗り物か・・・
「心はワイルド・アスレチック」 →とめてある車の屋根から屋根へ飛び移る(だけ) 「ローラ・パーマー体験アトラクション」 →プラスチックにくるまって、湖畔で寝っ転がる(だけ) 「ラジエーター・ガール歌謡ショー」 →魅惑のほっぺ。「天国では何もかもいい気持ち」をはじめ とするヒット曲の数々 た、楽しい……のだろうか?(w