PM2.5:対策は?健康影響は?根拠ない言説も…知っておきたい基礎知識
2013年04月09日
http://mainichi.jp/select/news/20130409mog00m040012000c2.html 中国から飛来する微小粒子状物質「PM2.5」への関心が高まっている。大気汚染や健康
被害も懸念されており、目に見えない空気の汚れに不安を感じる人も多い。PM2.5について、
改めておさらいした。
●呼吸器系に影響
PM2・5とは、直径2・5マイクロメートル以下(マイクロは100万分の1)の粒子状の物質
の総称だ。太さは髪の毛の30分の1、粒径はスギ花粉の10分の1程度と小さい。
中国での発生源は自動車の排ガスや工場のばい煙、暖房用石炭と考えられており、黄砂も
粒が小さいものはPM2・5だ。線香やたばこの煙にも大量に含まれている。 粒子が小さいため、
鼻やのどの粘膜で捉え切れず肺の奥まで入りやすい。産業医科大の川本俊弘教授(産業
衛生学)は「肺や細胞内に入ると体外に出すのに時間がかかる」と指摘する。長期的には
呼吸器系疾患や肺がんのリスクが高まり、狭心症や不整脈など循環器系疾患が増える可能性
があるとされる。幼い子や高齢者ほど影響を受けやすい。
環境省は09年に大気中濃度の環境基準を作り、「1年平均で1立方メートル当たり15マイクロ
グラム以下」「1日平均で同35マイクログラム以下」と定めた。今年1月に中国で深刻な大気汚染
が発生すると、環境省は専門家会合を開いて外出自粛などの注意喚起をする大気中濃度の暫定
指針値(1日平均で同70マイクログラム)を設定した。