社内禁煙運動に積極的だったシャープは嫌煙の楽園だと思ってました
深刻さを増すシャープの経営危機。グループの社員5万7000人を待ち受けるのは、給与削減か、
リストラか、台湾企業による苛烈な支配か、それとも倒産か−−。長引く不況と円高から抜け出せない
日本経済にあっては、あらゆるサラリーマンにとって無縁の話ではない。
縮小が発表された栃木工場に勤務する30代後半のAさんは深い溜め息をついた。
「地元ではシャープに入れば一生安泰だといわれてきた。描いていた人生設計が完全に狂ってしまいました。
工場では約1600人の従業員のうち、AV事業に携わる1500人から希望退職者を募ると聞いています。
地元で採用された人間全員がリストラ対象ということらしい。
子供はまだ小学生でこれからもっと教育費がかかる。この田舎に再就職先なんてないのに、どうしたらいいのか……」
パナソニック、ソニー、NECなど多くの電機メーカーが何年も前から大規模なリストラを断行していたのを横目に、
「勝ち組メーカー」シャープは我が世の春を謳歌していた。
液晶パネル、携帯電話端末、太陽電池の3つの主力事業が絶好調だった2007年度、売上高は3兆円を超えた。社員の平均年収は700万円超で、
福利厚生も充実−−ところが、今年に入って急転直下、極寒の冬に突入する。
※週刊ポスト2012年9月14日号
http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20120904/dms1209041600011-n1.htm