嫌煙さんの年金の支払いが延びる・厚労省が検討
厚生労働省は十一日、社会保障と税の一体改革の一環として、公的年金の支給開始年齢の
見直し議論を始めた。同日開かれた社会保障審議会(厚労相の諮問機関)年金部会は、
現在実施している段階的な厚生年金の支給開始年齢の引き上げスケジュールの前倒しや、
支給開始年齢をさらに六十八〜七十歳に上げることについて協議した。経済界や労働界の
委員からは慎重意見が相次いだ。
現在、厚生年金の支給開始年齢は六十歳。男性は二〇一三年度から三年おきに一歳ずつ
引き上げ、二五年度に六十五歳となる計画。女性は一八年度から上げ、三〇年度に六十五歳
となる。これを「二年に一歳ずつ」の引き上げとし、計画完了を四年前倒しする案を軸に検討する。
支給開始年齢のさらなる引き上げについては「雇用されている高齢者からどうつなぐかという
議論ができてない中での引き上げはいかがなものか」「高齢者の雇用が増えれば若年者の
雇用への悪影響も考えられるので、慎重にすべきだ」と、連合や経団連の委員が強く反発した。
引き上げスケジュールの前倒しについても「老後の生活設計に直接影響する。
一度決めたものを変えれば、制度への国民の信頼を失う」と、慎重な意見が相次いだ。
部会には六十歳以降も会社員として働き続けた場合、賃金に応じて厚生年金を減額する
「在職老齢年金制度」見直し案も提示された。
高齢者の働く意欲をそぐとして、減額基準を緩和する。現在、六十〜六十四歳は賃金と年金の合計が
月二十八万円超で年金を減額しているが、これを三十三万円超か四十六万円超に引き上げる。
▽ソース:東京新聞 2011年10月12日 朝刊
http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2011101202000041.html