たばこ税:増税、泣き笑い 今月で1年 国、予想を上回る増収/農家・小売店は打撃
http://mainichi.jp/kansai/news/20111008ddf041010020000c.html ◇国、予想を上回る5.5%増収/農家・小売店、本数減で打撃
昨年10月、大幅増税された「たばこ税」の国税の税収(昨年11月〜8月)が、
前年同期比5・5%増と財務省の予想を上回る増収となった一方で、たばこの販売
本数は同23・5%減と大幅に落ち込んでいる。本数の落ち込みを増税がカバー
した格好で、健康増進を目指す厚生労働省は「多少税率が上がっても、税収は確保
できた」として、12年度の税制改正要望にさらなる増税を盛り込んだ。一方で、
本数減によって経営基盤を失う「町のたばこ屋さん」は急速な勢いで減りつつある。
昨年の値上げは、たばこ1本当たり3・5円の増税に生産農家への支援分を加え、
同5・5〜7円程度。「マイルドセブン」1箱(20本)が300円から410円に
値上がりした。その後、たばこ税の国税収入は今年8月までの10カ月間で前年同期
比5・5%増の7717億円となった。1本当たり1円上がった06年の値上げの際、
1年間の税収(06年8月〜07年5月)が1・7%減ったのとは対照的だ。財務省
も値上げ前の昨年9月、「値上げで消費が減り、税収は減る」と予想していた。
本数減の影響を直接受けるのは、タバコ生産農家や小売店だ。全国たばこ耕作組合
中央会によると、全国の生産農家(11年)は、1万801戸で、02年からほぼ
半減した。財務省によると、今年3月末の全国のたばこ店(個人経営のコンビニエンス
ストアを含む)は前年同期比3・4%減の27万9577店となった。大阪市浪速区
でたばこ店を営む大西きみ子さん(59)は「浪速区の同業者がこの1年で半減した」
とこぼす。「わかば」や「エコー」など1箱200円台の安いたばこを買う人の割合
が増えたという。