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【東電 53.2 %】 忍法帖【Lv=25,xxxPT】 :
((続き))
ニコチン自体は非常に強い神経毒で重量当たりの毒性は青酸カリの倍以上というが、当然のことと
して喫煙ではそれを直接摂取するわけではなく、相当量を一度に吸わない限り急性中毒にはなら
ない。喫煙の被害はむしろ、燃やした煙に含まれるタール等の発がん性物質によるものだ。その
影響は「何年以内に、がんになる可能性を何%上げる」という、がん発生確率の上昇という形で
表現される。 あくまでも、発生確率であって100%ではないから、生涯たばこを吸ってもがん
にならない人もいる。逆にたばこを吸わなくてもがんになる人もいる。アスベストなどたばこ以外
の要因もある。しかし、大きな人の集団で見るなら、たばこを吸う人と吸わない人で、がんになる
確率が確実に上がることが、疫学的に判明しているということだ。 ところで、このがんの発生確率
の上昇というと、最近ではすぐ思い浮かぶのが「シーベルト」だろう。シーベルトは放射線が人体
に与える影響の強さ。低い値の領域ではそれはほぼがんの発生確率の上昇という形で表れる。
核種や内部被ばくか外部被ばくかという違いはあっても、その違いをおしなべて影響の強さとして
一律換算するのがシーベルトであり、その意味ではたばこの効果をシーベルトで換算することも
可能なわけだ。 それによると、たばこを毎日1〜9本吸う習慣は生涯で肺がんになる確率を
4・6倍にし、これは3・4シーベルトに相当するという。ちなみに問題になっている放射線の
一般年間許容量が1ミリシーベルトだから、単純計算なら3400年分。実数で言うと厚生労働省
の推計で年間20万人弱がたばこにより死んでいるという。 しかし、むしろ問題なのは受動喫煙
だろう。配偶者が喫煙者の場合、非喫煙者でも生涯でがんになる確率が1・02〜1・03倍で
100ミリシーベルト相当。年間許容量100年分。結婚生活を40年と見れば許容範囲という
考え方もあるが、実数だと交通事故死と同程度というからバカにならない。合理的に考えれば、
これはもう「脱たばこ」が当然だ。