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Q 全面禁煙にしたら、病気は本当に減るの?
A 06年から禁煙法が施行された英スコットランドで、9病院を対象に入院患者
数を調べたところ、施行後は患者数が17%も減ったそうです。また、米モン
タナ州の市では、禁煙条例が施行された半年間に、心筋梗塞の入院が施行前
より4割減ったというデータがあります。日本の研究では、喫煙者の夫を持つ
たばこを吸わない女性が肺がんを発症する危険性が、たばこを吸わない夫を
持つ女性の1・5倍に上ることが明らかになっています。
Q 日本も、すぐ全面禁煙にしたほうがいいね。
A たばこ規制枠組み条約(05年発効)の指針は、締約国に「屋内施設の100%
禁煙を実現する罰則つき法的規制をとること」を求めています。日本も条約を
批准していますが、健康増進法は受動喫煙防止の努力を求めるだけで、厚労省
の通知にも罰則はありません。ただし、「原則全面禁煙」との言葉が使われた
意味は大きいでしょう。全面禁煙にすれば、喫煙者の禁煙や節煙のきっかけに
なる可能性も高くなるからです。厚労省は、職場の喫煙対策も検討中で、
今後、対策が広がることが期待されます。(科学環境部)
毎日新聞 2010年3月11日 東京朝刊