喉頭がん:岡崎さん、体験談で禁煙訴え−−山形・南沼原小 /山形
http://mainichi.jp/area/yamagata/news/20091211ddlk06100003000c.html ◇「私はたばこで声を失った」 3、6年生児童300人怖さ実感
「私はたばこで声を失った。あなたたちには同じ思いをしてほしくない。
たばこは絶対に吸わないで」。喉頭(こうとう)がんのため声帯を失った
山形市蔵王温泉のタカミヤホテルグループ副会長、岡崎治彌(はるみ)
さん(74)が10日、振動を音に変える人工発声機を使い、山形市立
南沼原小(渋谷健一校長)で3年生と6年生300人に訴えた。
「ジー」という機械音が交じる岡崎さんの声に、子供たちはたばこの
怖さを実感した。 岡崎さんは学生時代から1日60本を吸うヘビー
スモーカーだった。しかし、66歳で喉頭がんを患い、手術で声帯も
気道も失い、今は首下に開けた2センチの穴で呼吸する。「風呂も
満足に入れない。もう一度人生をやり直せるならたばこに手を出さない」
と岡崎さん。3年4組の加藤優奈さん(9)は「大きな病気につながる
たばこは怖いと思った」と話した。 防煙教室の主催は県内の医師や
薬剤師、教諭ら約60人で作るNPO法人「県喫煙問題研究会」。
00年の発足以来、県内を中心に年200回以上の講演で禁煙を呼び
かけ、これまで講演を聞いた人は5万3000人に上る。DVDやパンフ
レットを独自に作り、全国の小学校に配布してきた。研究会によると、
喉頭がん患者の96・5%が喫煙者だという。 会長の大竹修一東北
中央病院放射線科部長は禁煙外来も受け持つ。大竹会長は「最初の一本
を吸わせないことが大切。患者さんの話には説得力があり、岡崎さんの
協力は本当にありがたい」と話していた。
毎日新聞 2009年12月11日 地方版