異物事故:たばこ、碁石…子どもの誤飲多く−−国民生活センター調べ
http://mainichi.jp/life/today/news/20090312ddm013100120000c.html ◇3歳以下が8割 手術必要な例も
国民生活センターは、子どもがおもちゃなどの身の回りの小物を口や鼻などに
入れて起こる異物事故の例をまとめた。入院や切開手術に至るケースも あり、
「子どもは思いがけない行動をとるので、十分注意を」と呼びかけている。
同センターが03年4月〜08年12月、全国20カ所の協力病院や各地の
消費生活センターから収集した危害情報で、10歳未満の異物事故は2995
件だった。 原因は、たばこや碁石などの教養娯楽品が32・6%で最多、
ビーズ、ビー玉などおもちゃが15・6%で続く。 誤飲の例では、愛知県で
昨年9月、1歳4カ月の男児が、ボールに複数付いた吸盤の一つを飲み込んだ。
男児は嘔吐(おうと)が激しく、入院して受けたCT(コンピューター断層
撮影)検査で異物が胃の出口付近に詰まっていると分かり、内視鏡手術で取り
除いた。吸盤はプラスチック製で、別の病院で受けたレントゲン検査では見つ
からず、胃酸で硬くなっていた。 また、東京都の3歳男児は、鼻から異臭が
したため、耳鼻科を受診。ボタン電池が入っており、内部の組織が壊死(えし)
して溶け、穴が開いていた。ボタン電池は誤飲例もあるが、電流によるやけど
や内部の液体による粘膜の壊死が起こり、胃や鼻の内部に穴が開くこともある。
鼻の中に3時間以上とどまると粘膜に障害が起こり、危険だという。 他に、
4歳男児が粘土状の軟らかい耳栓の使い方を誤り、耳の奥に押し込んで取れ
なくなった▽1歳女児の右目に瞬間接着剤が入り、目が開かなくなった−−
などがある。 事故は0〜3歳が約8割を占める。異物を入れた部位で、
口からは全体の75%が0〜1歳、鼻・のどからは全体の53%が2〜3歳。
専門医によると、発達段階により、口、鼻、耳の順に異物を入れやすいという。
毎日新聞 2009年3月12日 東京朝刊