自民党は5日、年金記録不備問題をめぐり、元厚相の民主党・菅直人代表代行(60)の責任を追及した
ビラを差し替える方針を決めた。「責任転嫁」と批判が出ており、世論の反発を考慮したとみられる。また、
柳沢伯夫厚労相(71)の年金問題をめぐる国会答弁に対し、山東昭子両院議員総会長(65)が「うわべ
だけ」と批判。身内からも突き上げられた自民党は、参院選の公約を決定。年金記録問題を最大の争点に
戦うことを余儀なくされることとなった。
(中略)
年金問題をめぐる柳沢厚労相の国会答弁に対し、党内からも“ダメだし”が噴出した。
この日午前の役員連絡会で、山東氏が「うわべだけで心がこもってない!」と一喝。さらに「国民が
(テレビなどで)見ているので改めるべきだ」と言い放った。同席の鈴木政二官房長官は「柳沢氏に
よく伝える」と告げ、引き取った。
身内から突き上げを食らった柳沢氏は、参院厚労委員会で野党からも集中攻撃を被弾。これまでは、
加入者や受給者から問い合わせを受けた上で調査する申請主義を強調していたが、この日は一転。
「批判は受け止めざるを得ない」「見通しは正直甘かった」などと、平身低頭で反省の弁を繰り返した。
参院選に向け、自民党は方針転換を余儀なくされた。安倍晋三首相は、憲法改正など「安倍カラー」
を強調する政策で参院選を戦う構えだったが、年金問題が直撃して支持率が急落。この日、年金問題への
対応を前面に掲げた参院選公約を決定し、参院選では年金問題が最大の争点となることが確実となった。
年金問題以外にも、国家公務員法改正案、教育改革関連3法案、イラク復興支援特別措置法改正案など、
参院に重要法案が“殺到”。23日の会期末が迫るなか、与党内で会期延長論や先送り論が交錯するなど、
戦略のズレも顕在化。与党、自民党のドタバタは当分続きそうだ。
■ソース(スポーツ報知)
http://hochi.yomiuri.co.jp/topics/news/20070606-OHT1T00083.htm