http://www.mainichi.co.jp/news/selection/20011201k0000e040019000c.html 「低タール」や「低ニコチン」をうたったたばこに切り替えても、健康への危険性は変わらない――。米国立がん研究所(NCI)はこのほど、愛煙家をがっかりさせる研究結果を発表した。
デビッド・バーンズ博士らの研究グループは、低タールや低ニコチンたばこ導入後の米、英両国におけるたばこ起因の健康被害による死亡率の推移を疫学的に検討。その結果、期待されていた肺がんの死亡率低下は明らかにならなかったという。
その理由として研究グループは、低タール・低ニコチンたばこの喫煙者は、煙をより深く、多量に吸い込み、せわしくふかす傾向があり、しかも喫煙本数を増やしてしまって低タールの“恩恵”がなくなっていると指摘した。
さらにたばこ会社の低タール宣伝戦略も、喫煙者に安心感を与えて禁煙を妨げていると批判した。
バーンズ博士は「たばこによる健康被害を減らすただ一つの方法は禁煙だけだ」と訴えている。(