作曲家の林光さん死去 多くの日本語創作オペラ生む
http://www.asahi.com/obituaries/update/0107/TKY201201060748.html 日本語の創作オペラと社会性を持った活動で知られた作曲家の林光(はやし・ひかる)さんが5日午後6時33分、都内の病院で死去した。
80歳だった。葬儀は親族で行う。後日、お別れの会を開く予定。
1931年東京生まれ。東京芸術大作曲科中退後の53年、「日本の国民音楽の発展に役立つ活動」を目指し、
間宮芳生、外山雄三両氏と「山羊の会」を結成。「オーケストラのための変奏曲」で第4回尾高賞を受けた。
61年には新藤兼人監督の映画「裸の島」の音楽で、第2回モスクワ映画祭作曲賞を受賞。以後、多くの新藤作品で音楽を担当した。
劇音楽の分野では75年、日本語による歌芝居の上演を続ける「オペラシアターこんにゃく座」の音楽監督(のちに芸術監督)に就任、
「セロ弾きのゴーシュ」「森は生きている」「変身」など、多くの創作オペラを残した。
一方で、社会や政治と音楽のかかわりも追求し続けた。
天安門事件後に「第三交響曲〈八月の正午に太陽は…〉」、
阪神大震災後には「ビオラ協奏曲〈悲歌〉」を発表。
合唱曲「原爆小景」(71年)は20年以上にわたって毎年8月、東京混声合唱団と演奏を続けた。
本紙文化面で約30年にわたって評論を担当。
著書に「音楽の学校」など。関係者によると、林さんは昨年9月下旬、自宅前で倒れたときに頭を打ち、病院に運ばれたが、意識不明の重体になっていた。