ドイツ語の語順について
目的語の語順
目的語には3格(間接目的語)と4格(直接目的語)の2つがあり、この並べ方には一応の原則がある。
・3格4格ともに名詞の場合は3格4格の順にする。
独:Ich gebe meinem Freund einen Ball.
英:I give my friend a ball.
・3格4格ともに代名詞の場合は4格3格の順にする。
独:Ich gebe ihn ihm.
英:I give it to him.
・どちらか一方が代名詞の場合は代名詞を先に置く。
独:Ich gebe ihm einen Ball.
英:I give him a ball.
独:Ich gebe ihn meinem Freund.
英:I give it to my friend.
だたし、この語順は発音の都合などによって例外もある。
副詞や前置詞句の語順
ドイツ語では原則として副詞や前置詞句の語順は、時、原因理由、場所、様態の順に置かれるのが普通である。
特に方向を示すものは定動詞要素として扱われ文末に置かれる傾向が強い。
次の例文では時の副詞の位置に注目。
ドイツ語では定動詞の直後に置かれ、英語では文末に置かれるのが普通である。
独:Ich bin gestern hier glücklich angekommen.
英:I arrived safely here yesterday.
もしも「昨日」を強調したい場合には、それぞれ文頭に置く。そしてドイツ語の場合は動詞が定形倒置となるのが大原則である。
独:Gestern bin ich hier glücklich angekommen.
英:Yesterday I arrived here safely.
ドイツ語の nach Hanburg という方向を示す前置詞句は fahren という動詞と密接に結びつく定動詞要素となるため文末に置かれる。
英語では go の直後に to Hanburg という定動詞要素が置かれる。
ドイツ語でも英語でも方向を示す副詞や前置詞句は定動詞要素と見なされることが普通。
独:Er fährt heute Abend mit dem Auto nach Hanburg.
英:He will go to Hanburg by car tonight.
しばしば英語では always のような副詞は主語と動詞の間に置かれるが、ドイツ語の場合は主語と動詞の間には何も置くことは許されない。
独:Sie denkt immer nur an ihre eigenen Interessen.
英:She always thinks only of her own interests.