「はよー出世して、てっちり食べるのんが大阪人の夢や」
うどんすき、しゃぶしゃぶ、ハリハリ、かにすき……。大阪人の鍋物好きは、たいへん有名。
木枯らしが吹き始め、寒い季節が到来すると浪花では「今日は、よう冷えるさかいに鍋でも食べよかぁ」という声があちこちで聞こえる。
それぐらい鍋料理が好きな大阪人が、無条件で喜ぶ鍋料理といえば、やはり「てっちり」である。
鍋料理の頂点に位置し、鍋の王様として浪花の冬の風物詩である「てっちり」。
大阪ではフグ刺し身を「てっさ」、フグ鍋を「てっちり」と言う。
当たれば死ぬという意味で“鉄砲”から生まれた言葉とのこと。
概ね、大阪人はフグを年に5回以上も食べるのだとか。
大阪は、ふく消費量が日本一。
ふく水揚げ量の日本一が下関であることは言うまでもないが、大阪府は、ふく全消費量の6割以上を消費している。
それほど、ふくは大阪の庶民や大阪の街に完全に浸透している。
理由は、大阪府では毎年千人以上の「フグ取扱登録者」が誕生し、方々の料理店で活躍しているらしい。さすが、食い道楽 食い倒れ、「食の都」