■■■欠陥放置事件 トヨタ信頼揺らぐ■■■
http://www.yomiuri.co.jp/atcars/news/20060714ve04.htm ( 2006年7月14日 読売新聞 )
★品質管理 強化急務★
トヨタ自動車の歴代の品質保証部長ら3人が、車両の欠陥を知りながらリコール(回収、無償交換)を怠って,
人身事故を引き起こしたとして業務上過失傷害に問われている事件は、国土交通省が13日、
事実関係に関する報告書の提出をトヨタに求めるなど波紋が広がっている。
トヨタは昨年度のリコール件数が過去最高に達しており、品質の高さで築き上げた“トヨタ神話”が揺らぐ懸念が強まっている。
レジャー用多目的車(RV)「ハイラックス」の欠陥により、熊本県内で5人が負傷したとされる今回の事件について、
トヨタ側は「3人の対応に落ち度はなかった」として、リコール隠しを強く否定している。
ただ、熊本県警による書類送検で、トヨタのイメージ悪化は避けられそうにない。
トヨタのリコール対象台数は2004年度が188万台、05年度は192万台と急増、リコール対策費などの関連支出は05年度に1000億円以上にのぼる。
渡辺捷昭社長も「品質問題は我々の命綱だ」と事態を深刻に受け止め、6月には品質担当の副社長を2人体制に増やす一方、
専従の担当専務も配置し、全社で品質確保の取り組みを強化したばかりだった。
■生産急拡大
トヨタでリコールが急増している理由については、三菱自動車が00年7月に発覚したリコール隠しで経営に深刻な打撃を受けて以降、
リコールを積極的に届け出る傾向になったことも指摘されている。ただ、トヨタの場合、
輸出の増加で部品メーカーを含め国内の生産現場に過度の負担がかかっているとの声もある。
北米や中国、アジアなど全世界で生産体制を急拡大しており、これに見合った現場の人材育成が追いついていないとも指摘されている。
メーカー側はコスト削減を図るため部品の共通化を進めており、一度不具合が生じれば、リコールは複数の車種で膨大な数にのぼるからだ。
国内市場のリコール対象台数は、01年度の329万台から、05年度には566万台と急増している。国内自動車業界の盟主であり、
模範とされたトヨタへの消費者の信頼が揺らげば、日本メーカー全体のイメージに悪影響が広がる恐れもある。