全日空国際貨物撤退方針 「第2滑走路」に大打撃 (中日新聞 2007年6月15日)
全日空が運行する定期便は、ソウル、天津、シカゴ行きなど週14便と日本航空など他の航空会社を大きく引き離して中部空港発の国際貨物便で最も多かった
http://www.chunichi.co.jp/article/centrair/news/CK2007061502024395.html 全日本空輸が中部国際空港からの国際貨物事業撤退を申し入れたことは、二本目滑走路建設
に向け、地元一丸となっての要求活動を続けてきた地元政財界や空港会社に大きな打撃を与えそうだ。
現在、全日空が運行する中部空港発の国際貨物の定期便は、ソウル、天津、シカゴ行きなど週14便。
日本航空など他の航空会社を引き離して最も多い。
今年五月に政府がまとめた「アジア・ゲートウェイ構想」は、大都市圏空港の完全二十四時間化を
盛り込んだ。中部空港は現在、整備のため週三日深夜に閉鎖しており、24時間化には2本目滑走路が
必要となるというのが地元の立場だ。
これに対し、国土交通省が今年二月に交通政策審議会航空分科会(国交相の諮問機関)で示した
2017年の将来推計では、中部空港の旅客便を含む発着回数は、関西国際空港拡張の条件と
されていた13万回以上に届かない12万7千回。このため国交省は二本目滑走路について否定的だ。
ただ、2006年12月以降、前年実績割れが続いて伸び悩んでいる国際貨物の取扱量については、
12年まで年率3・2%、17年まで5・5%と高い伸びを予想し、航空貨物の需要は拡大するとみていた。
全日空の撤退が現実となれば、需要予測も下方修正する必要に迫られ、二本目滑走路の早期実現は
ますます困難。航空分科会は今月21日に今後の空港整備に関する答申を行う予定でタイミングも悪い。