愛知大学の名古屋校舎を移転 JR名古屋駅の近くに
愛知大(愛知県豊橋市)が、同県三好町にある名古屋校舎の全学部を、JR名古屋駅に近い名古屋市・笹島地区に移転する方針を固めたことが分かった。
笹島の開発者を決める同市のコンペに応募しており、選ばれればキャンパスを移す準備に入る。
笹島進出に伴い、豊橋校舎からも2学部を移すことにしている。
名古屋校舎は郊外への大学のキャンパス移転がブームとなっていた1988年に開設。
現在、法学部の1、2年生と、経営学部、現代中国学部の1−4年生の計約3500人が学んでいる。
だが、名鉄豊田線の黒笹駅(三好町)からスクールバスに乗り換えなければならず、名古屋市からのアクセスが悪い。
大学全入時代を迎え、生き残りのため大学の「都心回帰」が全国的に強まる中、学生集めに有利な名古屋・笹島への移転方針を打ち出した。
愛知大がコンペに応募しているのは、JR名古屋駅南の笹島地区の約1・5ヘクタールで、旧国鉄貨物駅跡地。
コンペには、ほかに住宅メーカー「ウッドフレンズ」(名古屋市)が名乗りを上げている。
識者らでつくる審査会が、事業計画や財務状況などに応じて事業者を選定し、名古屋市が1月中にも正式決定するという。
関係者によると、名古屋校舎にある全学部の移転は、既に評議会で決定している。
同校舎の大学院は未定という。また豊橋校舎にある2学部を笹島に移転するほか、同校舎での学部新設も計画している。
大学の都心へ戻る流れができたのは、2002年に都市部での大学の新増設を規制していた工場等制限法が廃止されたのがきっかけ。
愛知県内では名古屋学院大が同県瀬戸市から名古屋市熱田区にキャンパスを移したほか、首都圏でも東洋大や立正大などが移転を進めている。
文系の学部を持つ愛知大は、豊橋と三好、車道(名古屋市東区)の3カ所にキャンパスがあり、大学院を含め学生数は計約1万人。
名古屋校舎の移転方針について、三好町の久野知英町長は
「愛知大から公式に話を聞いていないので、現実のものにならないとコメントしづらい。
ただ小さい町に東海学園大を含め、キャンパスが2つあり、学園都市的なイメージを持たれていたと思うだけに、移転になるならば、非常に残念だ」と話している。
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