【B787量産の夢、愛知から 主要部品担う重工3社】
米ワシントン州のボーイング社工場で八日に公開された次世代中型旅客機「787」の今後の
生産計画は不透明な部分が多いが、愛知県内に専用工場を持ち、主要部品の製造を請け負う三菱重工業、
川崎重工業、富士重工業の三社は、設備増強など量産対応の検討を進めている。
三社が787の機体構造で担当する作業量の割合は35%。777の21%から大幅に向上しており、
その分、日本企業の重要度は増している。
ボ社が初めて外注に出す主翼の製造を担うのは三菱重工。五月に初出荷を終え、現在は飛行試験用や
強度試験用の数機分を製造している。生産増強計画は今後詰めるが、主翼パネルの鋳型に複合材テープを
巻き付ける装置や、水流で断面を成形する機械といった設備の増設だけでなく、大江工場(名古屋市)の
建屋拡張も選択肢の一つに挙がっている。
前部胴体を請け負う川重は量産体制に移行後、名古屋第一工場(愛知県弥富市)の隣接地に新棟を
建設することも検討中。「今後示されるボ社の量産計画に沿って、必要な投資を行う」としている。
中央翼を担当する富士重は、現状では設備増強の計画はないが、半田、半田西の両工場(同県半田市)で
人員増強を進める。現在の二百人弱から三百人弱に増やす計画で、「生産機数の伸びが予想されるのに
備えて採用し、早めに研修していく」(広報)としている。
今後は八月末ごろからの試験飛行を経て、来年五月に全日本空輸に就航用1号機が引き渡される予定。
http://www.chunichi.co.jp/article/economics/news/CK2007071002031033.html