185 :
名無しの歩き方@お腹いっぱい。:
島忠はさいたまの会社だが、関西に新業態店を出した。
1 ホームズ寝屋川(大阪府寝屋川市)団塊3世代に照準(みせどころ)
2005/ 08/ 31日経流通新聞MJp.15 1905字
テーマごとに部屋再現
ホームセンター(HC)大手、島忠子会社の関西島忠(兵庫県尼崎市)が七月二十四日、大阪府寝屋川市に開いた
「ホームズ寝屋川」のうたい文句は「ホームソリューションストア」。団塊世代と団塊ジュニア、その子供の三世代に
照準をあて、住まい方を提案する売り場づくりに工夫を凝らす。競合を踏まえて独自性を追求した結果だが、VMD
(ビジュアル・マーチャンダイジング)の手法も駆使しながら、ユニークな商業施設を作り上げた。
「陳列にセンスが感じられるし、品ぞろえも豊富。わざわざ梅田まで出かける手間が省けるわ」。
初めて来店した三十代前半の女性の店舗の印象だ。
家具・インテリアから日用品、園芸・ペット用品、建設資材・日曜大工(DIY)関連まで取扱品目数は約二十万。
生活雑貨専門店、ロフトの大阪地区での旗艦店「梅田ロフト」(約八千七百平方メートル)の二倍だ。BGMはクラシック
調に編曲したポップス。柱や壁には「We create the new life plan for many people」などのスローガンを
英語で掲げ、おしゃれな雰囲気を演出している。
186 :
名無しの歩き方@お腹いっぱい。:2005/09/01(木) 08:57:10 ID:G3Vhm8ub
売り場は二フロア。隣接する平和堂「アル・プラザ香里園」側から一階に入ると、園芸用品とペット
関連用品を集めたコーナー「cure’s」がある。テーマは「癒やし」。観葉植物やランなど室内用の鉢物
を多数そろえ、団塊ジュニアの子供がペットとふれあえるコーナーなども備えている。
日用品や収納用品、家電などの売り場をはさんで、「cure’s」の反対側にあるのが資材・DIY売り場。
工務店などプロの姿が目立つが、団塊世代などに増えているDIY愛好者でも利用しやすいような配慮
を欠かさない。例えば、POP(店内販促物)。床材を自分で張り替えたい人向けに作業手順を説明した
パネル、レッドパインやヒノキ、杉など樹木の種類に応じて加工特性や耐久性などが一目でわかる
一覧表などがあちこちに掲げてある。
二階で目を引くのが、家具売り場の陳列。一九五〇年代に流行したポップなデザインや色使いの
テーブルやソファなどを並べた「ミッドセンチュリーモダン」、木目調のベッドや棚にベージュや緑の
クッションなどを合わせた「ナチュラルモダン・リビング」など、テーマごとに部屋を再現したコーナーを
六カ所に設けた。ベビー・子供用品売り場でも、十字型の壁で区切った四つの空間ごとにベッドや
クローゼットなどを置いて、趣が異なる「子供部屋」を演出している。
サービス面でも独自性を出した。典型例が一階正面入り口前にある「コンシェルジェカウンター」だ。
ホテルのような重厚なつくり。三人の女性正社員が顧客の問い合わせに答えたり、各売り場の特徴や
旬の催事を館内放送で紹介する様はまるで百貨店。HCでは珍しい取り組みだ。
187 :
名無しの歩き方@お腹いっぱい。:2005/09/01(木) 08:58:35 ID:G3Vhm8ub
EDLP(毎日安売り)を掲げ、関西地区で圧倒的な強さを誇るコーナン商事や、攻め込んでくる
カインズなどの関東勢をいかに迎え撃つか――こんな視点で自社の実態を改めて分析したところ、
三十代前半の団塊ジュニアの女性客の支持が意外に強いことが分かった。そこでまず、今年二月に
大阪市の店舗でライフスタイル提案型への改装を実施。狙い通りに来店客を一段と増やした。
「売り場が広がる寝屋川では踏み込んだ店づくりが可能」(池内清和・関西島忠社長)として、
団塊ジュニアとその親、さらに子を軸に据え、ペット・園芸の売り場などを一層充実させた店舗づくり
を打ち出した。特定の年齢層に顧客対象を絞り込むことはHC業界では異例だ。
滑り出しは順調。開業から一カ月間の売上高、来店客数は計画通りで推移している。団塊ジュニアだけでなく、
団塊世代も「我々でも欲しい商品が多く楽しい。何度でも足を運びたくなる」(五十代夫婦)など好意的な声が少なくない。
とはいえ、競合は激しい。半径五キロ圏内にはコーナン商事の四店舗がひしめき、アークランドサカモトも近く、
京都府八幡市に出店する。「チラシを詳しく調べて、当店以下の価格設定で勝負を挑んでくる同業他社も少なくない」(松本浩店長)という。
188 :
名無しの歩き方@お腹いっぱい。:2005/09/01(木) 08:58:42 ID:G3Vhm8ub
2 ズームイン――ホームズ寝屋川(大阪府寝屋川市)異業種の視点(みせどころ)
2005/ 08/ 31日経流通新聞MJp.15 604字
異業種の視点、店作りに反映
島忠グループは関東地区でも「ホームズ」業態を展開しているが、店づくりは「ホームズ寝屋川」と微妙に異なる。
「陣頭指揮を執ったのは最初だけ」と池内社長は話すが、HC業界の常識にとらわれないユニークな発想や視点が店づくりに生かされている。
池内氏はワールド常務執行役員から〇三年秋に関西島忠社長に転じた。同社は当時、家具・インテリアとHCの複合大型店を大阪市と尼崎市に持ち、
業績を伸ばしていたが、「縮小傾向の市場で勝ち抜くには、独自性を明確に打ち出すことが不可欠」と感じたいう。
例えばじゅう器。身長が低い女性でも売り場がよく見えるよう、平場のじゅう器は高さ一・五メートルに統一するなど消費者への配慮が目立つ。
他社の幹部は「販売効率を高めるためホームズより最低でも三十センチ高いじゅう器を使う。とてもまねができない」という。
団塊ジュニアとその親、子を軸にした特定の年齢層に顧客対象を絞り込んだのも池内社長のアイデア。「衣料品業界は古くは団塊世代、
最近では団塊ジュニアを軸に需要を掘り起こし、市場を活性化させた。住関連業界にも同じようなチャンスがあるはずだ」
課題はサービス水準の向上だ。コンシェルジェは現時点では顧客の買い物に付き添うサービスは提供していないが、「いずれ実現したい」。
品ぞろえも販売動向を毎週きめ細かくチェックし、手直しを続けて独自色に一段と磨きをかける。
(松尾哲司)