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名無しの歩き方@お腹いっぱい。:
戦後日本で最初にできた民間放送局は大阪毎日放送のラジオ放送ですが、次にテレビの
民間放送局ができたときに官僚の手で「キー局」システムがつくられました。このシステ
ムは世界に類例のない珍しい制度です。
キー局システムとは、キー局だけに全国番組編成権を与えるというものです。それ以外
の放送局は、放映権はあっても全国番組編成権がない。従って、大阪、名古屋、札幌、福岡
などの準キー局は全国に放送はできるが、それを行うには東京のキー局に「ぜひ全国放送に
入れてください」と頼みに行かなければならない。
東京のキー局では地方担当ディレクターに「大阪でつくるのはどんな番組化かね」と聞か
れる。「いや、これは若いデザイナーとエンジニアの恋の物語です」などというと、
「そいうものは東京でつくるから。大阪は細腕繁盛記かヤクザものでないとダメだよ。俳優は
誰を使うの?」「今、流行りの浜崎あゆみさんを使います」「あ、それは東京で使っているから。
大阪は吉本の漫才にしなさい」などと、こと細かく干渉します。
私も大阪や名古屋でいくつも番組をつくった経験があります。関西空港を舞台にした
「向かい風の朝」というドラマをつくったときでも、関西空港を舞台にしたドラマなのに、
「東京芝の大阪朝日放送東京支社スタジオで製作すること」という条件がつきました。
キー局システムは日本の大問題です。BS放送までもがキー局に割り振られたので、
ますます東京一極に集中する方向にあります。他の地域、大阪や名古屋からも申請が
出ましたが、免許が下りた8チャンネルはすべて東京都になりました。