戦前は、中央政府主導の産業振興や国家総動員法により東京に産業が集積し、国家中枢としての
機能が備わっていった。関西はこれとは別に独自に産業集積を高めていった。民が主導というやつだ。
戦後もこの東京への集中的な政策は維持され、高度経済成長を向かえ、益々東京への一極集中が
進んでいった。
没落したのは、この時期から関西、とりわけ大阪の企業が本社機能を東京に移転させて、東京一極集中
に自ら加担したことが主要因だ。産業構造の変化についていけなかったという要因もあるが、要因として
は前者の方がより大きい。東京移転によって全国に対する大阪ないしは関西地方の経済面における相対
的な地位がかなりの程度低下していくことになるのである。
東京への本社移転を後押ししたのは交通費の低下ということがあげられる。それまでは西日本経済圏の
中心として君臨していた大阪であったが、交通費の低下とともに各地から東京への足場が築かれ、大阪
の西日本経済圏における優位性が希薄なものとなっていった。このため、関西を除く地域にとって経済、
産業の中心地は東京となるに至り、東京への求心力が強まった。
これまで、独自に発展してきた大阪の産業界であったが、大阪の企業にとっても東京を無視して事業を
行うことが立ち行かなくなり、東京への本社移転という形となって現れた。これが現在に至るまで、時期に
よって一極集中のペースの強弱があったものの、バブル期の集中などを通じて一貫して継続し、大阪
企業の東京移転もこれまた続くことになるのである。
通信インフラが発達した現在においてコストの高い東京に一極集中しているのは何故か?
FACE TO FACEのコミュニケーションが重要だということ、とりわけ人間関係を重視する日本社会に
おいては殊更その程度が高い。直接会って話をすることで情報をより早く取得できるし、相互の意思疎通
が図りやすくなるのである。。移動コストや移動の煩わしさを考慮すると東京に本社機能を置いておいた
方が得策である。
そもそも都市やオフィスなどの存在は、FACE TO FACEのコミュニケーションが極めて重要であること
がその前提となっている。(在宅勤務は限られた業種でしか実現されないであろう)
交通網に関しては、新幹線等が整備されたが故に一極集中に拍車をかけた。(分散化の意図があった
とも受け取れるが)
松下、武田、トヨタ(トヨタに関しては愛知だが)など東京に本社機能を持っていない若しくは本社機能の
大半を東京以外に持っている企業もあるが、例外と考えてよいと思う。それぞれの業界において抜群の
ないしはかなりの高い位置にいるからこそ移転する必要性がそれだけ少ないのであろう。(愛知に関して
は比較的地元志向が強くまたトヨタの場合は地元で部品の殆どを手配できるという事情もある)
上記のあげた大阪の大企業に関しては、辛うじて大阪に残っているに過ぎない感が強く今後東京に
移転する可能性はかなり高いと言わざるを得ない。
大阪は復活できるのか
ボキに限らず感じていることだろうが、このままでは確実に更なる先細りないしは下げ止まりかつ停滞
状態が続く。思いつく打開策は将来性のある大型の新産業創出とその業界の中心地となることであるが、
当然困難のきわみであろう。製薬業界は他の業種と比べての相対的地位ではあるが、大阪の企業が
全国において占める地位が高い産業であるので、これと関連するバイオ系統の研究拠点の整備とビジ
ネス化が有力である。
関西経済連合会でも取り上げられているロボット産業もその一つであるが、現状での実現性はどんなもの
かは未知数。。。
(知識不足でバイオ、ロボット産業についてこれ以上の記述はできません、間違ってるかも ←アホ)
「出ていかんといて」作戦は惨め過ぎる、情けない、ボキと同じでアホ丸出し。
*衰退の原因として、平野が広い狭いという話が時折出てくるが、それは直接的には関係ないと思う。
広大な関東平野に位置する東京が政治経済の拠点として適地であるから選択されたということは事実で
あろうが、平野が広いから発展した訳ではない。(そんな話はあまり出てないかな?)
ただ、地方経済の発展、とりわけ工場立地に関してはこの限りではない。
(参考資料)
第151回国会 国会等の移転に関する特別委員会 第2号
http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/sangiin/151/0021/15104020021002c.html 平成3年 国民生活白書 東京と地方―ゆたかさへの多様な選択 平成3年11月19日 経済企画庁
http://wp.cao.go.jp/zenbun/seikatsu/wp-pl91/wp-pl91-000i1.html オレの脳内