【熊包囲網】長崎vs大分vs鹿児島【福岡に挑戦】

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371名無しの歩き方@お腹いっぱい。
「ちゃ〜ら〜ら〜 
 本日もJR九州、新幹線をご利用いただき、誠にありがとうございました。まもなく出水に着きます。
 お出口右側、12番のりば到着です」
 私は福岡への一週間の出張を終え、自宅のある出水市へと帰るところだ。
久しぶりの我が家では4歳の息子が私の帰りを心待ちにしていることだろう。
帰ったらお土産を息子に渡し、ゆっくりと風呂につかろう。車窓からはシベリアに
帰っていくツルの群れが飛んでいるのが見える。出水の象徴ともいえるツルを見た私は、
「出水に帰ってきたのだな〜」とほっとした気持ちになった。
ほどなく列車は出水に着いた。ホームに降り立った私は、我が家のある方向を少し見、
改札へ向かおうとした。そのときである。
「キキキキキキキャハハハ ウオオウオウオウオオウオオォォヒャヒャ」
後ろで変な音、いや声がしたので振り返ってみると、そこには驚くべき光景が!
「・・・・・・・・・・・・・・!」
ボサボサで2年は洗ってなさそうな髪の毛、黒縁メガネに3流メーカーのセーター、右手にはJRの
大判時刻表、左手には汚れたリュックを持っている。
「鉄道オタクか!?。とにかく関わり合いにならないほうがいいな・・・」
私は思い、なるべく「彼」を気にかけないように通り過ぎ改札を抜けようとした。
372名無しの歩き方@お腹いっぱい。:03/04/23 17:24
 すると今度は、
「お客様!他のお客様のご迷惑になりますのでおやめください!」
見ると「彼」は新幹線(800系というのだそうだ)の車体にすりより意味の分からない言葉を発している。
私は気分が悪くなった。せっかくの旅気分がメチャクチャだ・・・・・
しかし「彼」の不可解な行動はそれだけでは終わらなかった・・・・
「ぶちゅうううううううううううう・・・・ぐぢゅじゅじゅじゅうううううううううう・・・・・・・ぢゅば・・・」
私は遠のいていく意識の中で、確かに彼が車体にディープキスをしているのを見た。
私はその場に倒れこみ、市内の病院に運ばれた。

 4時間後、意識が戻った私は、医師から「彼」のことについて聞かされた。
「あいつは八代に住んでる地元では有名な鉄道キチガイでね。でも電車が見たきゃ八代にも駅あるじゃない。
それでもあいつはこの出水までやってくるんだよ。どうしてだと思う?」
「・・・・・・どうしてなんですか?」
「あいつは中学の頃までは活発で明るい子だったんだそうだよ。でも中3の時好きだった【泉】ちゃん
っていう子にふられて、それから不登校になって何とか進学した高校も中退したんだって。
それからというもの、おなじ【いずみ】という名前のこの駅に毎日のように通い、駅員とトラブルを起こしたりしてるんだよ。困ったもんだね」
私は失笑した。住んでいる地域で人を差別したり決め付けたりする気は毛頭ないが、
それだけの理由で不登校になったりオタクになったりするとはさすがイジイジした「熊本人」だな・・・。
あとから知ったことだがこの病院の精神患者病棟にいる患者の6割は熊本人だそうだ。これは出水市が
熊本との県境に位置するという理由だけでは無いような気がするのだが・・・。
 さて、そろそろ家に帰るか。
「先生、お世話になりました」
「おだいじにね。鉄ヲタと熊本人にはくれぐれも気をつけてね」

 久しぶりの我が家では4歳の息子が私の帰りを心待ちにしていることだろう。