■札幌、仙台、広島、福岡■Vol13〜四都物語〜

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…まあ、マトモな中枢性の目安として、朝日・読売・毎日の地域本社をとりあげてやったが、札幌
  (北海道支社)と金沢(北陸支社)は東京本社の衛星格であるからして、序列としては、東京(本社・
  東京本社)・大阪(本社・大阪本社)・名古屋(中部・中京本社)・北九州(西部本社)>札幌(北海道
  支社)・金沢(北陸支社)だろうな。しかし、読売は中部本社を東京本社に編入するからして、名古
  屋が札幌・金沢と同格扱いとなる危惧も含まれる…が、JR東海本社・トヨタなど、日本の基幹
  部分が名古屋圏域に含まれるからして、従来の序列がそう簡単に変わることはあり得ない。

  全国紙新聞社の地域本社は、それなりの都市としての市場集積と、広域交通ネットワーク網の起
  点である事と、そして、それに見合う人材を多く輩出できなければ存在できないのである。

  仙台と広島は、一地方都市としての拠点性はあるが、それ以上の広域拠点性には欠ける。現実に、
  仙台は通過地点の認識が浸透しており、東北新幹線網が着々と構築される現在では、仙台の気候・
  拠点性を考慮した場合、コスト高となり、資本投下を諦めるケースが多い。仙台に集積させるこ
  とに疑問を感じるのは、『 ゼネコン仙台ルート 』の教訓が生かされているからでもある。殆ど
  の場合、割安感のある郡山に進出する。一方、広島は、交通ネットワークにおいて拠点性が著し
  く乏しく、この点では、既に岡山に先を越されてしまっている現状は周知である。中四国の広域
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  拠点都市は、もともと地理条件の良い岡山と、高松に分担されている現実があるワケで、広島と
  松山はいわゆる『 一話完結 』の都市である。

  故に、仙台・広島に、広域拠点都市としての求心性はあまりない。流れは割安感のある郡山と、
  地理条件の優れた岡山にある。

  そして、福岡であるが、商業面での資本投下の面のみを見ると、おそらく北九州の倍以上の規模
  であるが、産業構造の偏りが激しく、支店経済都市レベルである点を考慮すると、広域拠点性を
  発揮するのは非常に無理がある。それ以前に、需要予測策定のできない経営陣が多い福岡市での
  事業展開に疑問符が出ていることは周知である。更に、交通ネットワークの面から見ても、福岡
  市は無理矢理に路線を捻じ曲げた感が否めない。北九州−飯塚−鳥栖を短絡させれば、九州全域
  の発展速度が上がるのは分かりきってはいるが、とりあえず、人口だけは多い福岡市にも『 五分
  の理 』があるワケで、通過地点としての地位だけでも与えておく政策はある意味、正解なのかも
  しれない。歴史的経緯を考えると、下関を起点として北九州総合開発が始まり、まとまった平野
  部と地方都市として集積のある福岡市へその流れが移り、そして、『 本題 』である広大な有明
  地域の総合開発へと進むワケだが、なにぶん、福岡人は学生の街としてのわがままな側面をもつ
  分、勘違いが激しい。『 次は、有明広域総合開発に移りますよー 』と、既に暗黙のゴーサイン
  が出ているにもかかわらず、自説(福岡市=九州のエゴ拠点説)を変えようとしない。所詮は80
  万都市福岡のキャパシティがあらゆる無理(=連日の犯罪事件報道)を物語るばかりである(微笑)