「命」の危機 世界で表面化
ttp://www.yomiuri.co.jp/zoomup/zo_080213_01.htm?from=yoltop 乾ききった地面の上に、場違いな木造の桟橋がぽつんと取り残されていた。米南西部のネバダ、アリゾナ両州にまたがるミード
湖。船着き場ははるか400メートル先だ。異様な光景が目に焼き付いた。
「つい6年前まで、この桟橋の近くで本当に釣りができたんだ。信じられないだろうがね」。60キロ先のラスベガスに水を送る
「南ネバダ水組合」職員、ジェイシー・デイビスさん(42)が真顔で言った。
ミード湖は1935年にコロラド川をせき止め、フーバーダムを建設した時にできた米国最大の人工湖。2000年以降、水源のロ
ッキー山脈の雪解け水が年々減少、水量が豊かだった83年のピーク時と比べ、水位は29メートルも下がった。
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中国の内モンゴル東部にある西湖では、かつての湖底で枯れたヒマワリが揺れていた。養殖のコイがおいしいと評判だった
外周約50キロの湖は、干ばつで01年に干上がった。「昔はにぎやかでよかった。今は水がないのに湖の管理ですよ。悲しい
ことです」と西湖管理所の李世民主任は声を落とす。
管理所で働く100人の最近の仕事は、湖底でのトウモロコシの栽培と植林。04年に干上がった山西省の文瀛(ぶんえい)湖
にも今はトウモロコシ畑が広がる。
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氷河と雪の減少が進むアフリカ最高峰キリマンジャロ(タンザニア)。昨年11月、本社チャーター機から見ると、山頂のあちこち
で山肌が露出し、気候変動の影響をうかがわせた。
昨年、記録的豪雨による洪水に見舞われたウガンダ東部の国内避難民キャンプでは、ドイツの緊急援助隊が作った井戸に人
々が列を作っていた。井戸が壊れ、水不足に陥った被災者の一人はこうつぶやいた。
「水がなければ食事も作れない。水は命だ」
(環境ルネサンス取材班)
(2008年2月13日 読売新聞)