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名無的発言者:
『グローバルライブラリーシリーズU アジア・アフリカ事典』(1997年7月1日 第1刷発行 教育
出版センター)
P.716
なんきんぎゃくさつじけん 南京虐殺事件
日華事変(日中戦争)中の1937年(昭和12)12月13日〜15日に,南京を占領した日本軍が引き起こした
虐殺・略奪事件。
さまざまな矛盾に直面した近衛内閣は,「国内相剋の解消」を侵略戦争によって解決しようとはかった。
こうして政府および軍部は,中国大陸への侵略を本格化した。日本軍は当初,長期戦争を予期してはおら
ず,当時国民政府のあった南京を占領すれば,中国は抗戦を断念するであろうと判断していた。しかし,
中国は,共産党の働きかけによる国共合作を成立させ,持久戦にもちこんだ。その結果,日本軍は三光作
戦
(殺しつくし,奪いつくし,焼きつくす)を展開し,中国全土で強姦,虐殺,略奪をほしいままにした。
その典型が南京事件である。エドガー=スノーの『アジアの戦争』によれば,南京だけで4万2,000人以
上,南京への進撃途上で30万人以上が,殺された。そのうちのほとんどは,「無抵抗」の婦人・子供で
あった。