人命救助で富山に恩返し 中国人留学生 リュウさんらに感謝状
http://www.chunichi.co.jp/article/toyama/20070523/CK2007052302018347.html http://www.chunichi.co.jp/article/toyama/20070523/images/PK2007052302118359_size0.jpg 富山中央署は二十二日、誤って用水に落ちた乗用車から七十代の夫婦を助け出した、いずれも富山市の七人に感謝状を贈った。
用水は流れが速く、首まで水がつかるほど深かったが、中国人留学生リュウ・ジュンさん(29)ら二人が飛び込むなどして救出した。
リュウさんは「大好きな富山に恩返しができた」と笑顔で話していた。
同署によると、十二日午前十一時三十五分ごろ、無職男性(75)=富山市安養坊=が同市八ケ山の駐車場で、乗用車のブレーキとアクセルを踏み間違えて牛ケ首用水に転落した。
男性と同乗の妻(71)は車に閉じこめられたまま流された。
近くでアルバイトをしていたリュウさんは大きな音を二回聞いて、事故を発見。
急いで百メートル先の工事現場で作業をしていた建設業冨田竜光さん(67)や作業員五人に知らせた。
用水は幅約七メートル、水深は当時一・五メートル以上で流れも速かったが、まず冨田さんが、続いてリュウさんが用水に飛び込み、落ちた場所から約百五十メートル下流で、車を残り五人が垂らしたロープで固定。
運転席の窓のすき間から男性を、助手席のドアを開けて妻を助け出した。
同署を訪れたリュウさんや冨田さんら三人に対し、川辺春雄署長は「危険を顧みず飛び込むことは、なかなかまねのできないこと。感謝しています」と感謝状と記念品を手渡した。
救出の際、左手指の骨を折る重傷を負った冨田さんは「よく助け出せた。あと十秒遅かったら無理だった」と当時を振り返った。
まったく泳げないながら「冨田さんにつられた」というリュウさんは「誰だってそうするでしょう」と、遠慮がちに笑みを浮かべていた。
(対比地貴浩)