エイズ予防へ「管理売春」提案 中国、全人代で議論
http://www.sankei.co.jp/news/060311/kok048.htm 北京で開催中の全国人民代表大会(全人代=国会に相当)で、エイズ予防の観点から
管理売春の必要性が提案され、議論の行方に注目が集まっている。今のところ売春が
合法化されることはないとみられるが、中国ではエイズ患者がすさまじい勢いで増えて
おり、提案はエイズ問題が全人代で管理売春まで議論せざるを得ないほど、大きな問
題となっていることを浮き彫りにしている。
提案したのは遅夙生・黒龍江省代表。30人の代表の支持を集めた上で「性産業従事者
は健康検査を義務付け、性病およびHIV感染拡大防止を講じなければならない。この意
見は伝統的倫理や道徳とは衝突するだろう」と述べた。さらに「HIV感染したまま売春を
行う女性が多く、社会の脅威となっている」などと強調した。
この提案は、中国メディアでも報道され「売春婦自身が公にレッテルをはられたくない」
「ニセの証明書が出回るから意味がない」「税収増につながる」「西洋でも合法化している
ところは多い」と、賛否両論がネット上に寄せられている。最近のネット・アンケートでは
売春の合法化賛成が64%、反対が28%という。
中国では、売春婦は政府系シンクタンクの推計によると、600万人とも1200万人ともい
われ、組織的な斡旋(あっせん)売春は最高で死刑となるが、農村女性にとっては貴重な
現金収入を得る手段だ。ただ、今年1月の衛生省の発表によると、雲南、四川省などのエ
イズ蔓延(まんえん)地域では、売春婦の100人に1人以上が感染者とされる。