ttp://online.wsj.com/article/0,,SB112355723883108404,00.html?mod=opinion%5Fmain%5Feurope%5Fasia A Clear Choice in Japan
August 9, 2005
WSJ(アジア版、社説):日本にとっての、明確な選択
昨日の、日本の参議院での優勢改革法案の否決、衆議院の解散というドラマティックな
事件に伴う政治的な騒動があるわけだが、少なくとも日本の有権者にとって、選挙に当た
っての選択肢は明確である。
小泉首相の率いる自民党は、第二次世界大戦以降の日本を覆った絶対平和主義から離れ
て、日本を「普通の国」にしたい。さらに日米同盟を固め、経済的な側面では国家の管
理の影響力を減らしたい。
岡田党首の率いる民主党はアメリカと日本の関係に一線をしき、中国とそのほかのアジ
ア諸国との関係を強化したい。経済政策では、岡田党首の考えは明確ではない。岡田氏
は小泉改革の幾つかに疑問を呈している。
参議院での評決では自民党の22票が造反して、125:108という結果になったのだが、そ
の造反議員というのは郵便局関連の圧力団体に関連するものである。この事件は日本国
内のローカルな内政の問題ではあるが、同時にグローバルなインプリケーションを持つ。
日本は10年以上も続く長期の経済不況にあるとはいえ、依然として世界第二の経済大国
であり、民間海外直接投資(FDI)は$40Bの規模を持つ。日本の金融市場での資金
配分が、より効率的なものになれば、それは日本経済のためになるばかりか、国際金融
市場により多くの投資資金を与えることにもなる。
3兆ドルという、マンモスな規模を持つ郵貯資金が、スキャンダルの多い、政府の公共事
業に限定投下されるべきなのか、日本の有権者が決めることになるわけで、否決を行った
参議院は解散できないにせよ、衆議院選での小泉首相の勝利は、否決を覆すものとなろう
日本の有権者は、少なくとも小泉首相のやってきたことについて就任以来の小泉首相の進
めた改革政策への姿勢を疑う必要はないのであり、中曽根首相以来の長期政権になってい
るのは、継続する日本の有権者の支持とあわせて、充分に意味のあることだ。
小泉首相は、それまでの首相とは異なって経済運営の為にケインジアンのような郵貯資金
による公共事業支出に依存し無いという、多くの点で折り紙をつけるに値する政策を打ち
立てた。モルガン・スタンレー東京の主任エコノミスト、ロバート・フェルドマンの言う
ように、郵政改革というのは結局のところ「大きな政府か、小さな政府かの議論」に落ち
着く。それは日本が「市場主義経済なのか、そうではないのか」という事でもある。
("fight for the soul of the country. Is this a big-government country or a small
-government country? Is it market-oriented or not?")
外交政策で見れば、小泉首相は2003年にイラクに自衛隊を派遣するために特別立法を実現
させた。これは憲法の定めた政治的な限界のなかでの海外貢献を行うぎりぎりの手段であ
った。
日本の持つ、そうした限界は中国のアジア地域での影響力増大の中で問題になり得るもの
で、日米が台湾海峡問題の平和的解決を共通の関心事と宣言したとき、中国は反発を見せ
た。日本の自衛隊の派遣には、中国は以前から反対してきたが、今回は反日デモが北京や
上海で発生した。デモの暴徒は小泉首相の靖国参拝や国連安保理の常任理事国参加への反
対を唱えた。
アナリストの中には選挙で小泉首相が敗退するという人もいるのだが、もしもそういう事
になれば、世界は今までと全く異なった日本を見ることになろう。(If Mr. Koizumi fails
to get enough Diet seats to form the next government, as some analysts say could
happen, the world could see a very different Japan.)
民主党の岡田党首は自衛隊の海外派遣を国連の要請のある場合に限るというし、日米関係
は見直されることになろう。民主党の一部は在日米軍の基地を冷戦構造の残滓といい、日
本がアメリカとの間の「より平等なバランス」を求めて、見直すのだという。
そういうわけであるのだから、日本の有権者にとっての選択肢は明確だ。一つの選択は日
本が経済的実力に相応しい国際政治の舞台での地位を求め、もう一方の選択は日本の存在
をアジアの中でのものにと格下げする。その選択を行うのは日本の有権者である。
(Thus the choice is clear. One would see Japan increasingly playing a political
world role commensurate with its economic might, the other would relegate it to
a regional one. It will be up to the Japanese to decide.)