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名無的発言者:
北京春秋
人を見たら盗人と思え
レストランで上着をイスの背もたれに 掛けると、服務員がすぐにすっぽりとカバーで包み込む。
万一の粗相で上着を汚さないようにしているのかな、と思ったら財布などの抜き取り被害が続出したためという。
人を見たら盗人と思え、とはわが総局の運転手の口ぐせ。北京には二、三年前、飲食品の自動販売機がお目見えしたが、
街頭の自販機はたちまち略奪に遭った。商品ウィンドーをたたき壊され、放置された自販機がいたるところにある。
それを見るにつけ、目の前に金目の物を置く方が悪いという、盗みで捕まった元在日中国人の言葉を思い出す。
近年、市当局の悩みは、金属製の街頭公共品の盗難だ。廃品回収業者に持ち込み、換金するのが目的。
報道によるとマンホールのふたと排水口の覆いは今年一〜十月で計二万一千個余りが盗まれ、
昨年一年間の約一万八千個を上回った。
ゴミ箱も毎年、約二千個が盗まれる。一個四千元(一元は約十三円)するステンレス製の分別式ゴミ箱は、
重さ百キロ、四本の支柱で固定されているが、毎月十個前後がなくなる。これは一個、二、三百元になるとか。
鉄製のマンホールのふたは十五元が相場だ。
マンホールに落ちてけがをしたニュースがときどき流れる。夜道では盗人だけなく足元も注意が必要だ。
(伊藤正)
産経新聞 平成16年(2004年)12月27日