■■■台湾人と漢人は別?■■■
台湾人の祖先は中国の漢族ではない−。台湾のマカイ記念病院の女性医師が
このほど、こんな研究結果をまとめ、台湾でセンセーション(大騒ぎ)を巻き
起こしている。
というのも、台湾人と漢人が別だとなれば、台湾独立論に新たに拍車をかけ
かねないからである。
その医師の血液遺伝子研究によれば、先住民を除き、台湾人の八割近くを占
めるいわゆる本省人(ミン商人、客家人)の遺伝子は、中国・中原の漢族のも
のとは異なり、中国南部やベトナムなどに見られる「越」と呼ばれる種族に属
することが分かったという。
中国はいま、十三億の民を統一していくため、民族主義を利用しているとさ
れ、台湾住民にも、「同じ中国人なのになぜ一緒になれない」と民族感情に訴
えて統一を迫るが、そもそも民族が違うとなると、ちょっと具合が悪いことに
なる。
逆に喜んでいるのは台湾独立派の面々。日ごろから、「自分たちは台湾人で
あって中国人ではない。ましてや中華思想を持つ『中華民族』などでは決して
ない」と言ってきたのが遺伝子学的にも裏付けられた(?)格好だからだ。
台湾人のアイデンティティーにもかかわる問題だけに論議は続きそうだ。
【 2001年5月24日(木)産経新聞 「台湾有情」】