中国人工作員っていないの?

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[産経新聞 平成15年11月11日(火) 朝刊 1面 15版]

先端技術 中国人、流出に関与?
兵庫県警資料押収 企業や大学に接近

 今年六月、兵庫県警外事課に逮捕された中国人男性(四七)の関係先から、
日本の先端技術を中国に持ち出す活動への関与をうかがわせる資料が押収
されていたことが十日、わかった。男性は国内の大手企業や大学に接近し
て情報収集していたとみられる。関税法や外為法(無許可輸出)に触れる
情報流出工作が行われていた恐れがあり、県警は警戒を強めている。
  (31面に関連記事)
 調べでは、男性は今年六月、神戸市内で日本語学校を開校するため、設
立認可の可否を審査する財団法人・日本語教育振興協会(東京)に対し、
偽造の申請書類を提出した疑いで逮捕された。
 県警が男性の関係先を家宅捜索し、中国・遼寧省の政府系企業に平成十
二年七月にFAX送信された中国語のメモを押収。半導体の生産時に排
出される廃液の処理薬品を売り込む内容で、「この種の薬品は税関に申告
すると面倒なことになり、実物を手荷物として持ち込む」と書き込まれ
ていた。
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 中国の人民解放軍の関連企業の専用封筒も押収され、男性のパソコンに
保存されていた取引先リストにはこの企業と担当者名が記載されていた。
 さらに男性は十一年十月、兵庫県内の理科系大学の発電プラントをテー
マにする研究室を訪ね、同行した中国人技術者を「研究者として使ってほ
しい」と要請していたことも判明。
 また男性は、先端技術開発で知られる大阪の大手企業の中国語講師を務
めており、「電気、機械、原子力を専門書で勉強している」として、専
門資料の提供を企業側に求めていたという。
 こうしたことから、県警は男性が関税法や外為法に抵触する活動を行っ
た可能性が高いとみている。国内に開設された男性の銀行口座には、中国
の複数の銀行から計二千万円近くの現金が振り込まれており、「男性は帰
国時に、人民解放軍の関連企業を商売相手として訪問していた」という関
係者の話もある。
 男性は四年に就学生として入国。神戸市内で経営コンサルタント業を営
みながら、表向きは在日中国人の団体幹部として活動していた。起訴猶予
処分となり、現在は中国に帰国している。
 県警は、巧妙化する海外への技術流出の実態の一端が浮き彫りになった
とみるとともに、ほかにも同様のケースがあるとみて解明を進めている。
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[31面 社会 15版]

疑惑の中国人 さまざまな「顔」
先端技術流出 名刺使い分け接近

 疑惑の男性にはさまざまな「顔」があった。兵庫県警外事課の捜査から
十日、浮上した先端技術情報の流出工作疑惑。今年六月に逮捕された中国
人の男性(四七)は、在日中国人組織の幹部や経営コンサルタントという肩書
を持つ一方、さまざまな名刺を巧みに使い分け、国内企業や研究機関に接
近していたとみられる。
 アナウンサー、大学教授、舞台役者…。県警が関係先から押収した男性
の名刺には、神戸市内で営んでいた経営コンサルタント業のほか、さまざ
まな職業が記載されていた。
 外事課の調べでは、男性は中国の大学で経済学を専攻。平成四年に日本
語を学ぶ就学生として入国し、翌年一月に神戸市内の日本語学校を卒業し
た。
 その後、関西の国立大学を卒業し九年には神戸市で経営コンサルタント
会社を設立。中国語の翻訳や通訳、中国人の留学生や就学生の紹介などの
業務を続け、中国国内向けの「日本語等級試験」などの問題集の発行も手
がけていたという。
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 その一方で、男性は日本の先端技術の収集活動を行っていたとみられ
る。理系の公立大学に知人の中国人技術者を在籍させようとしたり、先端
技術力で有名な企業の中国語講師を務めるなど「先端技術ブローカー」
としての痕跡を随所に残していた。
 こうした活動を裏づけるように、男性は「中国では文系の留学生より、
先端技術を持ち帰った理系の留学生の方が優遇される」「日本は軍事転用
が可能な技術管理が米国ほど厳格でないため、日本で学んだ留学生の方が
成果を上げている」などと関係者に話していたという。
 日本では、これまで軍事転用される可能性のある物品の輸出は厳しい規
制対象となってきたが、民間用の汎用品は規制が甘く、今回の疑惑でも法
の網の目を巧妙にくぐる行為が行われた可能性が大きい。
 このため、テロ支援国家への技術拡散が問題となった昨年四月、大量破
壊兵器の開発に使われる恐れのある輸出貨物すべてを原則として規制対象
とする「キャッチオール規制」が導入されたが、その裏をかく不正輸出や
技術流出が横行しており、警察当局は先端技術を保有する国内の企業や
研究機関に警戒を呼びかけている。
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■参考

中国関係諜報事件
http://www.geocities.com/espionagehack/index4.html
> 総 論
>
>  中国の情報機関には、代表的なものとして、中国共産党系統の「統一戦線工作部」、行
> 政系統の「国務院国家安全部」、軍系統の「人民解放軍総参謀部弟二部」があると言われ
> ている。これら機関の要員は、友好団体等の対外関係機関や、海外で活動する大使館等の
> 外交官、公司等駐在員、留学生等と様々な身分を隠れ蓑にして我が国に派遣され、我が国
> の政治、外交、防衛、科学技術等各分野にわたる秘密情報収集、米国、ロシアの政治、軍
> 事情報収集のほか、各種工作活動を活発に行っているとみられる。 中国関係スパイ事件
> は、これまで、「汪養然事件」「横田基地中ソスパイ事件」等の諜報事件やココム違反事
> 件が検挙されている。ロシア(旧ソ連)、北朝鮮関係のスパイ事件に比べて検挙件数が少
> ないのは、中国のスパイ活動は極めて巧妙で、一般の日中交流関係の中で自然を装って行
> われるからとみられる。
>  これまで検挙された事例を見ても、中国の情報機関員が表面に出ることはなく、日中友
> 好組織関係者の訪中を利用した在日米軍等に関する情報収集、日中友好商社と中国公司の
> 通常貿易を隠れ蓑とした組織的、計画的な高度科学技術機器の不正輸出工作など、
> 日本人をエージェントとして獲得、利用する巧妙な手口での情報収集や工作活動を展開し
> ているとみられる。