インドネシア中部のブトゥン島に暮らす文字を持たない少数民族、チアチア族が、ハングルを公式文字に採用することを決めた。
韓国の報道によると、ハングルの普及に努めている韓国の学会が、チアチア族が多く住むバウバウ市側に提案し、
市がこれを受け入れた。
市は7月下旬にチアチア族の小学生約40人に対して、ハングルで書かれた教科書を配布、週4時間の授業を始めた。
ハングルで書いた教科書で言葉や文化、歴史を学ぶことになる。
チアチア族は人口約6万人とされるが、ハングルが他民族の社会で使われるのは初めて。
韓国では「ハングルの世界化(国際化)」と大ニュースとなり、韓国人の自尊心をくすぐっている。
なるほど言語は持つが文字を持たない少数民族にとっては、その言語を保存するために文字は必要であり、
それは必ずしもアルファベットでなくてもよいわけだ。
ハングルはわけの分からない記号のように見えるが、李朝第4代の王、世宗大王(在位1418〜50年)がつくらせた
とても合理的な文字。朝鮮語はそれまでは漢字で表記されたが、ハングルの誕生で朝鮮語を細部に至るまで
表記できるようになった。
世界には文字のない少数民族は少なくない。漢字は難しいだろうが、ひらがなやカタカナを「輸出」することも可能だ。
だが日本人にはこうした発想はあまりない。韓国人の発想、エネルギーには驚く。
願わくば最初だけ騒ぐのでなく、チアチア族のために粘り強い支援をしてほしい。
http://www.shikoku-np.co.jp/kagawa_news/column/article.aspx?id=20090926000082