・19世紀後半〜20世紀初頭辺りの西洋をモデルとした、架空の異世界が舞台。
・科学技術は現実世界における当時のレベルに準拠。
・「マナ」という名の超自然的な力が存在し、それを用いた魔術大系も確立されている。
・エルフやドワーフ、ホビットなどの異種族も存在するが、数は極めて少なく、人間社会への影響力はほとんどない。
・魔物や怪物と呼ばれる存在もいるらしいが、こちらは更に未知の領域であり、公式に確認された例はない。
こういう風な設定でやってみたい。
ちょうど飛行機が開発され始めた時代のロマンと、ファンタジー的な要素を融合させる感じで。
【キャラクターテンプレ】
名前:
種族:
性別:
年齢:
身長:
体重:
容姿:
服装:
性格:
職業:
能力:
所持品:
概要説明:
2 :
名無しになりきれ:2014/07/07(月) 18:46:15.19 0
見せてあげよう
ラピュタの雷を
名前:ブレット・ハーディン
種族:人間
性別:男
年齢:17歳
身長:174cm
体重:66kg
容姿:ウルフカットの茶髪と、深い青色の瞳を持つ青年。
顔立ちは中性的なように見えて、その目付きや表情から男らしさも感じられる端正なつくりであり、
体付きは細身ながらも、よく鍛えられた無駄のない筋肉で引き締まっている。
服装:白いシャツと茶のパンツ、ショートブーツ。そしてその上から、深緑の外套を羽織っている。
性格:心優しく争いを好まないタイプだが、有事の際には危険を顧みない行動力を発揮する一面も併せ持つ。
また機械いじりが趣味であり、愛銃の整備などは常に欠かさない。
職業:猟師
能力:射撃術、ナイフ術、サバイバル術など
所持品:大口径リボルバー、ボルトアクション式ライフル、ハンティングナイフ
概要説明:先祖から代々続く、猟師の家系に生まれた青年。
母は物心付く前に病気で他界し、唯一の肉親であった父も、4年前に戦争で亡くしてしまったため、
現在は一人で森の中の小さな家に住み、狩りをしながら生計を立てている。
亡き父から受け継いだ、猟師としての様々な技能を有し、特に射撃に関しては人並み外れた才能を持っており、
愛用のライフルで、およそ1100メートル先の獲物を撃ち抜いた経験もある。
4 :
名無しになりきれ:2014/07/07(月) 20:34:25.47 0
これはこれは、新スレッドではないか
名前:ガンスリンガーガン・カティーナ
種族:人間?
性別:男
年齢:34歳
身長:177cm
体重:62kg
容姿:ベテラン風の傭兵。
体つきはメカメカしく引き締まっている。
服装:パンクロック風ジャケット。防弾チョッキ仕様でそこかしこに銃や弾薬を仕込める。
性格:バトル大好き「プロジェクト・オブ・カティーナ」に参加したことがある元披験体。
職業:ハンター(シューター)
能力:フルオートマティック射撃、重火器
所持品:ごつい40口径銃2丁&拳銃&ガトリングガン&対戦車ランチャー・迫撃砲(牽引式)
概要説明:説明不要!銃やメカ大好きな傭兵!実戦経験はかなり豊富!
「フゥー……フゥー……」
ここは王都から遠く離れた、とある深い森の中。
高台になった一角に潜み、今やとその機を待ち続けて息を殺す青年が居た。
――彼の名は、ブレット・ハーディン。
代々続く猟師の家系に生まれ、自らも後を継いで狩人となるも、若くして肉親を全て亡くしてしまい、
現在はこの森で狩りをしながら、たまに街に出ては獲物を金銭に代えて、生計を立てている。
今日の彼の標的は、高台から見下ろせる位置にある水場――そこで足を休めている、一匹の鹿だ。
彼我の距離は、目測でおよそ210メートルといったところだろうか。
ブレットは愛用のボルトアクション式ライフルのコッキングレバーを引いて、初弾装填。
そして右手でグリップを握り込みながら、ストックを肩に付けた伏せ撃ちの体勢となり、狙撃に必要なあらゆる要素を計算する。
まずは、風――
手前は北東から10ノット、奥は北北東から7ノット。
大して強い風ではないが、乱流もあるだろう。その全てを正確に読み取り、弾丸を放たなければならない。
気圧や温度、湿度などといった大気状態も重要だ。
空気抵抗はこれらの可変要素によって決定される大気密度に関係し、
装薬の燃焼状況にも影響を与えるため、微細ながら弾丸の初速も変化する。
プレセッション効果による、弾道のズレもある。
彼が持つライフルの銃腔内には、弾丸を右旋回させるようライフリングが施されているため、
弾丸がより長い距離を飛ぶほど、その軌道は少しずつ右側へと逸れていくことになる。
更に忘れてはいけないのは、地球の自転によって発生するコリオリ力だ。
高緯度のこの国では、コリオリ力が齎す弾道の変化も、極めて大きな意味を持つことになる。
他にも大小様々な問題が存在し、気が遠くなるほど複雑な計算を終えたあと、
ブレットは自らが撃ち出す弾丸の軌道をイメージして、感覚の世界へと精神を墜落させる。
銃を撃つ瞬間――いつも彼はこうして虚無の境地へと至り、自らの存在と意識を完全に殺す。
呼吸による銃身の揺れ、風の流れ、そういった自身を取り巻く全ての変化が、手に取るように感じられる。
そしてその直感に身を委ねるまま、ブレットは何の感慨もなくトリガーを引き、ライフルの銃口から一発の弾丸が発射された。
落ちる撃針、燃焼する装薬、放物線を描く弾道――全ては自分がイメージした通りだった。
あとはもう、確認するまでもない。どうせ命中するに決まっている。
「――――ごめんな」
ブレットはポツリと詫びの言葉を呟き、それと同時――ライフル弾は鹿の頭を見事に貫き、その命を刈り取った。
一瞬で動かない肉の塊と化してしまった鹿の死体を眺め、彼は僅かばかり目を伏せたあと、
ゆっくりと上体を起こして立ち上がり、自らが仕留めた獲物を回収すべく、駆け足で高台から降りて行った。
【とりあえず冒頭文だけ落としておきます】
【参加希望の方は、この後に順次投下よろしくお願いします】
ダーク諦めてこんどはこっちか
クズ以下だな
このスレ終わらしてやる
バルス!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
>>10 パンパン! パン!
(ムスカが銃を撃ち込む)
名前: カルカ(偽名)
種族: 人間
性別: 女
年齢: 14〜15
身長: 157
体重: ?
容姿: 碧眼。髪はカールが掛かっている。色はブルネットのロングヘアー。決め細かな白い肌。
細身でスタイルがよく容姿端麗。
服装: ウェディングドレス姿。
性格: 生真面目で礼儀正しい。貴族特有の命令口調。
職業: 正体不明。
能力: 殆ど謎。
所持品: 純白のウェディングドレス。純白のウェディングベール。純白のウェディングブーツ。ウェディングブーケ。
両手の指輪や、シルバーネックレスなど身に付けた高級な貴金属。
腰にはガンベルトを巻いているが、なぜか銃の代わりに金属製の槊杖(さくじょう)のみを吊り提げている。
概要説明:突如、ブレットの目の前に舞い降りて来た花嫁姿の女の子。
着地失敗のショックで記憶喪失になったというが…。
ブレットが森で狩った鹿をひっ下げ森を移動していると、突如草木がざわめき出した。
それとほぼ同時に、今までいくら探しても現れなかった鳥や獣たちが草むらから一斉に飛び出し、脱兎の如く駆け去っていく。
突如響き渡った甲高い笛のような音と共に、大地が鳴動する。
草木をわけ、身を乗り出すと、縦横無尽に延びる金属製の轍が目に入った。
そこには無限に続く長大なる空間に、規則正しく並ぶ樫の木の木材を枕にして、二本の鋼鉄の軌道地平線の端から端まで延びていた。
そこへ、巨にして武骨なる鉄の塊が朦々と噴煙を巻き上げつつ、猛獣のような雄叫びをあげながら顕れた。どんな獣よりも速く、力強く。
その姿ぞまさに、勇猛果敢にして力強き、黒き獅子!!
そうだ!これがここ数年でいきなり森を横切るように創られた蒸気鉄道であり、人が乗り込むことのできる……馬車に換わる新たなる移動手段、蒸気機関であった。
人はそれを、鎧を身にまとい馬に跨がり槍を抱えて力強くひた走る鋼鉄の騎士になぞらえて“スチール・ライナー(鋼鉄の騎士)”……略して、SLと呼んだ。
ブレットがSLを見、何を感じたのか?その心を推察するのは控えよう。
ただ、僻地に住む者の中には、鉄道の存在そのものを知らないか、或いは存在を知り得ても未だみたことの無いものもいるのは確かである。
この辺り一帯は、それほどのド田舎だということだ。
暫くの間、辺りの空間はSLの轟音と地響き、立ち込める蒸気の噴煙により支配された。
−−−そのさ中、視界を一瞬、何かが横切った。
蒸気機関車の轟音に紛れ
、空を飛ぶ鳥とも違う……何やら風を切るような?スクリューが空中で回転するような?……微かな音。
耳の悪い人なら聞き逃すような……そんなほんの僅かな音。
ブレットが周囲を伺ううちにSLは辺りに黒い煙とすすを残してその場を去る。
−−−煙が晴れるとほぼ同時に、空から人が降ってくるのが見えた!
ブレットの目に映ったのは、空から堕ちてくる、純白のドレスを身に纏った花嫁衣裳の女性だった。
しかも、女性は森の中ではなく鉄道に敷かれたレールの上に堕ちようとしていた。
−−−このままでは堕ちて死ぬ!
【参加希望です。特にストーリーが無いようなので、少し踏み込んでしまいました。受け入れて頂けなければこのまま堕ちてFOします】
FOして
どうぞ
暇なアンチだな(笑)w
名前:ユウキ・アンダーディガー・アザイ(浅井)
種族:人間(異世界人とのハーフ)
性別:男
年齢:16歳
身長:176cm
体重:65kg
容姿:黒髪だが若干アッシュが掛かっている。顔立ちは割りと端正な方であり瞳はブラウン
体付きは引き締まっている部類である。割と長身の部類
服装: OD色のフィールドジャケット、紺色のカーゴパンツ、ワークブーツを履いている。
内側になにやら紋様が描かれている黒いクロークコートを身に纏う。
偶にマントを纏う事もある
性格:基本的には明るく快活であり、豪快とも大胆とも取れる行動を取ることもある。
困っている誰かを見捨てることが出来ず、ついつい助けてしまうこともある。
父親と同じく熱い魂の持ち主。 但し嫌な物はNOと言う。
職業:守り人 (怪物や魔物から密かに守っている者達)
能力:体術やら剣術など一通りの武術の扱い方、射撃に関する天才的な技能
マジックアイテムや魔法の扱い方が少々分かる、大体のことを多少努力してそつなくこなせる
所持品: インテリジェンスガン「イクスペリメンス」、ゴーグル、手袋
両親の映ったペンダント
概要説明:人々の歴史と共に魔物と怪物を人知れず狩り人々を守ってきた「守り人」の一族の一人。
母親はその一族であり父親はある魔物が異世界から召喚した異世界人であり、二人は二年前の戦い以降行方不明である。
一族の使命を日々こなしながら、毎日を生きている。
インテリジェンスガン「イクスペリメンス」は魔術と銃を融合させた兵器でありその試作品第一号。
銃自体が生きている為それが生体認証を果たしている故彼以外使えず、イメージで銃剣を展開したり出来る。
>>16 流石にこれはくさすぎるだろ
ちょっと自分で読み返してみろよ
体術、剣術、射撃、魔法
一人でここまでやれたらパーティ組む意味すらなくなるな
TRPG参加するならもう少し考えた方がいい
――何だろうか、妙に森が騒がしい。
ブレットが仕留めた獲物を担いで帰路を急ぐ途中、不意に木々が――いや、更には森に潜み隠れる数多の生物までもが、
何かから逃げるように、あるいは警鐘を鳴らすかのようにして、一斉にざわめき始めたのを、
彼は長年培った猟師の勘を以て、素早く感じ取っていた。
ちなみに持ち歩いている鹿は、既に原型を留めておらず、一つの風呂敷包みとしてコンパクトに纏められている。
鴨などの軽い獲物ならともかく、100kgを超える鹿の成体を一人で運ぶことは困難であるため、
殺した直後、その場で血抜きをすると同時に手早く解体し、剥ぎ取った皮を風呂敷の代わりとして、そこに肉を包んでいるのだ。
これは伝統的な猟師にとってはよく知られた技法だが、馴染みのない者からすれば、少々グロテスクなやり方に見えるかもしれない。
――ともあれ、ブレットは森の様子がおかしい原因を探るべく、草木を掻き分けて奥へと進むと、
そこには長大に広がった空間と、地平を横切る鋼鉄のレールが伸びていた。
無限の自然の中に敷き詰められた、ある種の機械的な美――そんな光景に見惚れていたのも束の間、けたたましい叫び声を上げながら、猛然とそれ≠ヘやって来た。
「……ッ……これが、蒸気機関車ってヤツか……!」
ブレットの前に現れたそれは、まさしく戦場を蹂躙する黒馬に跨った、鋼の重騎士のような姿であった。
大地を鳴らし、噴煙を巻き上げ、そして豹よりも速く駆け抜けていく、巨大な黒鉄の塊。
その異様な迫力を目の当たりにし、ブレットはかつて全長3メートルの大熊と、至近距離で対峙してしまった時以上の威圧感を覚えていたが、
何故だか不思議と恐怖はなく、むしろ心の底から感嘆の声を上げたくなるような興奮を抱き、機関車が走る様に目を奪われてしまっていた。
だが、そこから更に事態は急転する――
機関車が鳴らす轟音の中に、ブレットはまた何か、別の音も聞き取っていた。
最初はそれを大鷲が飛ぶ音かと思ったが、どうやらそうでもないらしい。
もっと何か、別の――まるで風が悲鳴を上げているかのように、激しく空を切り裂く音だ。
そして機関車が走り去り、黒煙が晴れて視界がクリアになったと同時、ブレットは上空から落ちて来る何か≠発見した。
あれは、鳥か? ――――いや、人間だ!
「おいおい、嘘だろ……!?」
どうして空から人が降って来るのか?
しかもそれが、花嫁衣装を身に纏っているように見えるのは何故なのか?
一瞬にして様々な疑問が脳内を駆け巡るが、最早そんなことを考えている猶予もない。
ブレットは手にした鹿の風呂敷包みと、更には右肩に背負ったライフルまでもを投げ捨て、一目散に前方へと駆け出す。
長い間猟師として鍛えてきたブレットの身体能力は、かなり優秀な部類だと言えるが、それでも距離が遠い。
彼の足を以てしても、ここから助けられるかどうかはギリギリの状況だ。
「くっ……間に合え――――ッ!!」
落下する花嫁に届くまで、残り5メートルを切ったというところだろうか。
ブレットは駆けて来た勢いをそのままに、両手を前へと投げ出して、思い切り相手を目掛け跳躍した。
もう落下地点に先回りする時間はない。それならば――最後の狙いは、飛び込みざまの空中キャッチだ。
そしてレールの直上で、二人の人影が交錯し――
【いえいえ、参加者が自由に進められるよう白紙にしておいたので、むしろ流れを作って頂けるのは大歓迎です】
【まだ順番も決まってないので、とりあえずこのまま自分が返させて貰いますね】
21 :
名無しになりきれ:2014/07/11(金) 20:12:50.43 0
たぶんだけど
死んだ方が良い
−−−頭痛い。
視界に霞が架かる。ふわりとした浮遊感。
ここは夢の中?それともここが?
母さま。これが話に聴く、天国というものですか?
−−−誰?
『〜〜〜〜〜〜〜〜』
−−−何言って?
ぱっちりと目を開けると、野性味溢れる異性の顔が間近にあった。
どうやら自分は今現在、この見知らぬ男に抱き抱えられているらしい。
「うわっ!」
私は突然、恐慌に襲われ、必死に男から身を引き剥がそうともがく。
しかし、男の力強さには敵わず、多少暴れたぐらいでは離れられそうにない。
思わずカーッと熱くなり、掌で勢いよく男の顔を張る!
「無礼者!いつまでくっついておる。離せ〜っ!下郎っ!」
すると意外に簡単に男から離れられた。
服についた土埃を払おうとして、自分の服が普通でないことに気付く。
何でウェディングドレス?おまけにケープまで?
なぜこんなものを後生大事に持ってるのよ私?
余りな現実に対し、一瞬、目眩に襲われる。
数歩、よたつくと、自分が何か重いものを引き摺っていることに気付く。
見ると腰に巻いた革製のベルトから剣程も長さのある金属の棒が地面に垂れていた。
これは確か……先込め式の銃で、弾薬を筒口から押し込むための鉄の棒。
込み矢。或いは、槊杖(さくじょう)。もしくは、
「 カルカ 」
そう、この棒は確かそういう名前だったはず。
ちょっと凝った意匠の紋様の彫り込みがしてあるが、それ以外は特に変わった感じのしない金属の長い棒。
重厚そうな見掛けの割りには意外と軽いわね?
だが不意に、苛立ちを覚えた。
「これ、邪魔っ!」
でも、不思議と棄てる気にはなれない。
しかし、何故かまでは思い出せない。
そこまで思考してから、男がまだそこにいた事にはじめて気が付いた。
上を見て……下を見る。
それでようやく、男は地元の猟師で、自分を助けてくれた恩人らしいと理解した。
思わず赤面。勘違いした手前、かなりばつが悪い。
しかし、『庶民に礼は述べども決して謝るな。連中はすぐ図にのるからな』との教えを受けた身。
素直に礼を言えず、謝る事もできない。
代わりに高価な宝石の指輪をひとつ外し、男の足元に放った。
「大儀であった。褒美を受けとるがよい」
【承知しました&遅れて申し訳ありません】
これうまくいくん?
あと何人か集まれば上手くいきそう
――間に合った。
空中で少女を抱き留めることに成功したブレットは、そのまま彼女を押し潰さないよう体を捻り、背中から地面へと落下する。
体全体に鈍い痛みが走るも、この程度ならばどうということはない。何とか二人共、無事に助かったようだ。
そして少女の意識が朧げな様子だったので、ブレットは彼女の体を揺すって呼び掛けてみる。――と、そこで唐突に、その相手から強烈な張り手を貰った。
「――いたっ! なっ……いきなり何するんだよ! ……って――」
ブレットは叩かれた頬に手を宛てがいながら、抗議の言を飛ばすが、そこで不意に――彼女が腰に提げた金属の棒のような物が目に留まる。
――あれは恐らく、槊杖だ。マスケット銃など、前装式ライフルが全盛の時代には、銃を扱う者にとっての必需品とも言える道具であったが、
より便利なレバーアクションやボルトアクションの銃が作られた今となっては、やや時代遅れな代物でもある。
何故そんな古い物を、しかも銃などには到底縁がなさそうに見える、この少女が持っているのか。
二重の意味で場違いなアイテムを身に付けた彼女の姿を見て、
半ば混乱していたブレットの頭もようやく回り始め、先程までの疑問を思い出す。
――そうだ。この少女には、聞きたいことが大量にあったのだ。
一体、何から尋ねたものだろうか。
腕を組んで考え込みながら、彼女の姿を眺めていると、何やら一人で慌ただしい。
自分で腰に付けている槊杖に文句を言ったり、キョロキョロと辺りを見回しているかと思えば、急に顔を赤らめたり。
綺麗に整った容貌――彼女の顔立ちが美しいことにも、今更気付いたのだが――を、千姿万態させている様子を見ていたら、
何だか腹を立てることさえ、馬鹿らしく思えてくる。
そして、あれこれとバタバタしていた結果、彼女も何らかの結論に至ったのだろう。
『褒美を受け取れ』などと言いながら、自分の指に付けていた宝石の指輪を外し、こちらへと放り投げて来た。
「……こ、こんな高そうな物なんて受け取れないって。それに――」
生まれてこの方、高価な装身具なんてほどんと見たことさえないブレットだが、
綺羅びやかな宝石の付いたその指輪が、物凄い値打ちの物なんだろうということくらいは分かる。
見ず知らずの相手からそんな物を貰うわけにはいかないと、ブレットは拾った指輪を突き返す。それに――
――その後に続ける言葉を、ブレットは一瞬悩んだ。
彼女が空から降って来たこと。
何故か全身に纏っている花嫁衣装のこと。
そして、彼女が落ちて来る前に聞いた何か≠ェ空を裂く音のこと。
脳裏に浮かぶ疑問は山程あり、シンプルな言葉にするのは難しい。
――が、それらを強引に纏めるとしたら、つまりはこういうことなんだろう。
「――――君は一体、誰なんだ?」
「……え?今なんて?私の事知らないですって!?」
−−−そりゃあね。女王様や姫様、姉様達に較べれば、私の知名度は低い方だとは思うよ。だけど仮にも私は天下の……。
「………まあ、呆れた。私の事を知らないなんて、あなたモグリもいいところね。
まあ、無知は勘弁してあげる。こんな見渡す限り何もない辺境のド田舎ですものね。
よく御聞きなさい。私は誇りある……」
そこまで喋ってからはたと気付いた。
さっきからずっと纏わりつく違和感。
正体不明の浮遊感が、未だ頭の中心を支配している。
さっきは落下で気が遠くなったのだと思っていたが、どうもそうではないらしい。
「あっれぇー?」
首を傾げ、自分が何者かを思い出そうとするが、頭の中に靄(もや)が架かったようになり、何も思い出せない。
「私、疲れてるのかなぁ。思い出せないや……」
そこまで呟いてから、男―――とはいえよく見れば、自分とそう変わらぬ年頃の少年みたいだ−−−に見られていた事を思いだし、庶民にみっともないところを見せまいと胸を張った。
「秘密よ秘密!いーい?
年ごろのレディには、色々と秘密があるものなの」
それから私は、男に聴こえぬよう可能な限り小さく呟いた。相当耳がよく無ければ聴かれない筈だ。
「ううーん?でも、名前が無いと、何かと不便かなぁ?交渉の際に」
猟師の男をちら見する。
「ーーーに、変なあだ名を付けられたら最悪だしぃ。私の名前は……何にしよっかな?」
私は目だけキョロキョロ動かし、周囲を探った。
しかし、見渡す限りの自然!自然!自然!……周りは自然ばかり。
自然は好きだが名前には詳しくないし。あと列車のレールがあるぐらいかしら?驚く程に何も無い処ね。
途方に暮れた私は自分の腰元の棒をみた。
ま、これでいっか。可愛いし。
「私の名前はカルカ!……カルカよ?いーい?カルカなの。文句ある?
−−−カルカでけってい!」
よっしゃ!押しきってやったわ。
小さくガッツポーズ。
「身分は見ての通り……貴族ですけど。
あなたがいくら命の恩人とはいえ、はじめて逢ったばかりの殿方に身元は明かせないわ。乙女のたしなみよ」
「ところであなた?レディをこんな辺鄙なところでいつまで居させる気?
気をきかせて馬車でも呼んで下さらない?」
しかしながら、その呟きはブレットの耳まで届いていた。
彼女は知らないことだろうが、この男は相当に耳が良いのだ。
これは生まれ持った資質ではなく、長年大自然の中で鍛え、研ぎ澄ませて来たが故の賜物なのだが、
とにかくブレットの視力、聴力などは、動物並と言ってもいいくらいに優れている。
――『思い出せない』と、彼女は確かにそう言った。
どういうことだろう?
先程のショックでまだ意識が混濁しているのか、或いはこれが記憶喪失――というヤツなのか。
ブレットは踏み込んで尋ねてみようかと悩むが、どうやら彼女はその件について話す気はないようだ。
それならば、今は触れないでおこう。自分はまだ、彼女に名前すらも名乗っていないのだ。
「俺はブレット――ブレット・ハーディン。この森に住んで猟師をやってるんだ。よろしくね、カルカ」
――と、そこで気付いたが、いつの間にやら夕日が傾きかけていた。
夜になれば森の中ではほとんど何も見えなくなるし、狼などの危険な生物も活性化してしまう。
完全に日が沈んでしまう前に、さっさと帰宅するのが懸命だろう。
「えーっと……馬車は呼べないんだけど、もうすぐ日が暮れる。夜の森は危険だから、今の内に移動しよう。
今日のところはとりあえず、俺の家まで案内するよ」
◆ ◇ ◆ ◇
そしてブレットが渋るカルカの手を引き、やって来たのは森の中の小さなログハウスだった。
建物自体は割と新しいようで、狭いながらよく整理整頓もされており、あまり汚らしい印象は受けない。
家の隣に薪が積み上げられているだけでなく、何かの獣の肉や皮まで干されているのは、少々不気味な光景ではあるが。
中に入るとブレットは天井のランタンに火を灯して、帰りの道すがらに回収した鹿の袋を床に置き、
背負ったライフルは壁に立て掛け、リボルバーの収められたガンベルトと、深緑の外套はポールハンガーに掛ける。
「さて……と、じゃあ今から夕飯の支度でもするから、そこに座って待っててよ。
――と言っても、いいところのお嬢さんの舌に合うようなものを作れるかどうかは、ちょっと自信がないんだけどね」
ブレットは苦笑しながらテーブルの隣に置かれた椅子を引いて、カルカへと差し出す。
それから鹿肉の様子を確認してみるが、殺してすぐに血抜きをし、更に近くの水場で冷却もできたので、肉の状態は悪くない。
この肉を使えば、中々に贅沢なディナーを作れそうだ。
「え!ブレット?…プ-クスクス」
ツボに嵌まり、笑いが洩れそうになるのをどうにか抑える。
「個性的な名前を御持ちのようね。
猟師の子息がブレット(銃弾)だなんて。
洒落にしてもなかなかエスプリが利いているわ」
その後私は、衝撃の事実を聞かされ悲鳴をあげた。
だって猟に来た人が、馬にも乗ってないだなんて夢にも思わないわよ!
山道を歩くには、ドレスのトレーン(引き裾)が邪魔だった。
そこでブレットから山刀を借り、ドレスを膝下からバッサリ切る事に。
子どもの頃から憧れていた純白のウェディングドレスを――途中からとはいえ、無惨にも切ってしまったのに何の感慨も湧かないのは不思議よね。
その辺は、私の記憶が曖昧なせいかしら。
道中、ブレットが、幾度も指輪を返すといってきたのには閉口したわ。
「貴族が一度差し上げると明言したものを覆すのは名誉を損なう行為よ。
要らないって仰るならそこらに適当に棄てといて下さらないかしら」
と説明すると、やっと話に出さなくなった。
案内する彼の足は早くって、私は追い付くのに必至!
彼ってば、私に構わずどんどん先へ進むんですもの。
これだから野蛮人は!
これはマイナス評価ね。
でも、私が遅れても待っててくれたり、途中喉が渇いたら果物採ってくれたり、足元の覚束無い場所ではきちんと手を引っ張ってエスコートしてくれた事は、評価して差し上げてもよくてよ。
山小屋に到着すると、その狭さや不潔さに吃驚!
座る処を示され、お気に召すかどうか訊かれたので、「お気になさらないで」と答えた。
積もる埃を余分な布地でさっと拭きとりつつ、レースのハンケチを敷き横座りする。
どうやらブレットが料理を振る舞って下さるみたい。けど、ちょっと、ねぇ。
「あの可愛い鹿さんを……捌くの?
あ、駄目!私、疲れ過ぎて目眩が。
今日は食欲無い……」
途端にぐーっと鳴る空きっ腹。
「い、今の、私じゃないですからねっ!」
私は恥ずかしさを誤魔化す為、大慌てでブレットに話を振った。
……訊ねたのは、ほんの素朴な疑問だった。
「ところでここ。(狭いから)犬小屋よね。
私、ワンちゃんって好きよ。あなたは?」
「今日到着予定だった御自宅はこの近くでしょ?
あなたの御家族は、そこでお住まいなの?」
ムジュン・シテルジャン
どこ?>(゜Д゜≡゜Д゜)<どこ?
鹿は既に解体済み
こっちは憶測だけど、上の描写だと埃が椅子に積もるほどとっ散らかった家ではなさそうな
なるへそ。カルカはよく読み込んでないってことでFAか。
やり直しだな。
>>30-33 【カルカの行動について】
【小屋を不潔と思ったのはあくまで主観の相違です。
貴族からすれば庶民のいる場所の殆どが不潔なのです。
カルカは、実家が豪邸で、尚且つ、使用人によりマメに掃除をされている環境だとお思い下さい。
私としてはブレットは特に不潔ではないとみています。カルカが潔癖症なだけです。】
【ブレットが山小屋にひとりで住んでるっぽい点、馬を持たず猟をしている点などから、家に日帰りできない日も多いのではないかと深読みしました。
実際に、山や森に分け入った事のある方ならわかるかと思います。
植物の生命力は凄まじく、野生の地形は日々変わります。
山や森に慣れてる人でも迷う事はあります。】
【山の風は強く、山荘は管理人が毎日掃除しなければ、すぐ砂や埃にまみれるらしいです。
そういった点も含め、ブレットが小まめに掃除していても、薄い砂埃くらいは積もってるんじゃないかと予想。ああいった表現になりました。
嫁の掃除に対する姑の人差し指チェックみたいなものですね。
カルカは口にこそ出しませんが、態度に出てしまいます。】
【鹿肉に関していえば素直に謝ります。
御免なさい。実はこれは私の二重ミスです。
というのも、下書き時には道中のシーンで次の1文が入ってたんです。
“道中、親子鹿に遭遇した。可愛かったぁ。
けれど、ブレットが銃を向けたらすぐに逃げ出しちゃった。あーあ。
可愛かったのになぁ。”
森で見た可愛い鹿→可愛いくて食べられない→だけど結局食欲には勝てないという流れです。
これを入れると長くて1レス中に収まらなくなる上、余り他PCの事に触れ過ぎるのもどうかなとシーンごとカット。
……したつもりが、中半と後半のシーンをうっかりカットし忘れました。
そもそも、指摘された通りブレットが食肉に加工してたのすら頭に入ってませんでしたしね。】
【カルカは庶民よりも貴族の方が偉いのが当然という価値観のモト、生きています。
しかし同時に、若く世間知らずなので、純粋かつ素直です。
本人はこれでも貴族より下位の庶民に対して充分気を払ってる気でいます。ブレットは命の恩人ですし、感謝してますよ。
悪気はないのです。
ですが他のPCの方、特にブレット。態度が目に余るようなら遠慮なく叱ってやって下さい】
黙ってろよ
おとなしくしてろよ
ヘタクソ
「えっ、犬小屋!? いや、一応ここが俺の家なんだけど……」
自宅をまさか犬小屋呼ばわりされたことに驚いて振り向くも、カルカに嫌味を言っている様子はない。
となると、どうやら本当にこのログハウスを犬の住処だと思い込んでいるみたいだが、
貴族の犬というのは、一体どれだけ贅沢な暮らしをしているのだろう。
何やら豪華な装飾が施された犬小屋と、その隣に建ち並ぶ天まで届きかねないほど巨大な本宅を想像し、ブレットは密かに戦慄する。
「あー……実は父さんも母さんも、結構前に亡くなっちゃってさ。
他に身寄りもないから、今はこうしてこの家に一人で住んでるんだよ」
カルカに問われ、ブレットは自分が天涯孤独であることをあっさりと告白する。
だが彼自身、そのことにはもうキッチリと整理が付いているようで、語り口調も実にあっけらかんとしたものだった。
こちらが気にしていなくとも、カルカがそれをどう受け止めるかは分からないが――
――さて、そんなことよりもと言わんばかりに、ブレットは調理台へと向き直る。
まずは鹿肉の中でも一番美味だと言われている背肉の部分を取り出し、塩・胡椒・乾燥ハーブなどで軽く下味を付ける。
その間に保存しておいた材料を確認してみるが、ジャガイモやニンジン、森の木の実――など、そこそこの料理が作れそうなくらいには揃っている。
これで他のメニューも概ね決まった。あとは実行あるのみ、さっさと仕上げてしまおう。
それからのブレットの手際は中々どうして、かなり慣れたものであり、料理はスムーズに進行した。
芋を茹でている間にニンジンの皮を剥き、今度は茹で上がった芋を潰しながら、スープを煮込む。
最後は鍋に油をひいて鹿肉を焼き、そんな作業を平行して熟していると、数十分ほどで調理は終了し、出来上がったメニューが次々と並べられた。
メインは鹿肉のソテー。あとはチーズを混ぜ込んだマッシュポテトと、ニンジンや木の実を使ったスープ。それにスライスされたパンが添えられている。
「さあ、冷めないうちに食べようか。今日は色々あったから、もう俺も空腹で限界なんだ」
ブレットは笑いながらカルカの対面に座り、ナイフとフォークを握る。
貴族の夕食と比べたら流石に見劣りするかもしれないが、彼としては腕によりをかけたつもりだ。
味の方にはそれなりの自信があるが、果たしてカルカの口に合うだろうか?
【鹿の描写は俺も少し引っ掛かってたんですけど、別に大して重要な問題でもないし、そこまで気になさらないで大丈夫ですよ】
【あとカルカの態度諸々についても、俺自身は全く不快に思ってないです】
【むしろツンデレお嬢様みたいな感じで楽しませて貰ってるので、これからも今まで通りやっちゃってください】
「―――え、本当に?ここがあなたのお家でしたの」
失言に気付き、気まずさを取り戻す為に焦って質問を被せてみたけど。
「―――そう。御両親とも……」
藪で蛇をつくとはこの事ね。ちょっとしんみり。けれど、ブレット本人は丸で気にしてないみたい。
……なら、私も気にしません事よ。
「―――ま、まあ!よくある話ですわよね。かくいう私も、母を亡くしてますし」
その母の顔も名前も思い出せないのは奇妙な話ですが。
……やはり私、疲れてますのね。
考えるのはあとあと!
「まあ、美味しそう!」
―――これはお世辞ではないわ。テーブルに並べられた料理の数々が本当に美味しそうなんだもの。
まあ、粗にして野な感じは否めませんが。
「私も、貴族の端くれですからね」
―――厳密に言うと、家の家系は中央に近かったですわね。
「ジビエ(狩猟で得た天然の野生鳥獣の食肉を意味する)には、ちょっとうるさいですのよ。
従来より、狩猟は貴族のお家芸ですし。
私も家族や親戚に、幼い頃から嫌々ながらも、よく付き合わされましたもの。」
ドレスの布地から作った手製のナプキンを膝上に置き、食事前の神様への感謝の祈りを略式に捧げた。
「主よ。感謝致します」
右手にナイフ、左手にフォークを持ち準備完了。 「さぁて。お味の方はどうかしらね?」
厳粛な面持ちで食事に向き合う。
手にしたフォークで、ひと口大に切られた鹿肉を、口の中にふわりと優雅に運び入れた。
目をつむり、舌でよく味わいながら咀嚼。
香りはうちのシェフより多少見劣りはするけれど……それは仕方ないわ。
庶民が香辛料の使い方に長けていたら、それこそ貴族の立場が無いもの。
しかし、野趣溢るる香りというのも……これはこれで有りね!
「味わいは……うん、イケるんじゃないかしら。悪く無いわ。むしろ、かなり美味しいわ。
うまく胡椒で臭みを消してるのね。
口の中で溢れるジューシーな肉汁が、程よくソースと絡みい、見事なコンチェルト(協奏曲)を奏でているわ。
鹿肉のワイルドな風味との相性も抜群!」
「スープも付け合わせも最高!これなら猟師をいつ辞めても、料理人としてやっていけますわね。
……私のお墨付きですわ」
【
>>35さんtnx】
【
>>38。では、お許しも出ましたので遠慮なくさせて頂きますね】
名前:コントレイル
種族:人間
性別:男
年齢:28
身長:195(鎧分含む)
体重:160(同上)
容姿:全身を線の太い板金鎧で覆った甲冑姿。随所にパイプが這っている
服装:いつでも甲冑、モード感皆無
性格:尊大で自意識過剰
職業:民間騎士
能力:都の最新技術の粋を集めた蒸気駆動の動力甲冑『トラクションエンジン』
従来のマナ動力の不安定さを克服すべく蒸気を動力源として取り入れた機械兵装
安定した馬力を得られるが動作は鈍重で小回りが効かない
その分蒸気のパワーは絶大で、その腕の一振りで巨岩をも砕く膂力を誇る
またマナ動力のように精霊樹材を使わなくても良いため全金属製
ゆえに尋常ならざる頑丈さと耐久力があり、並の弾丸では穴ひとつ空けられない
動力を伝達するためのパイプを破壊されると無力になる
ただし弱点が明確な分しっかり守っているため通常の方法で狙うのは極めて困難
所持品:蒸気動力の携行型破城槌
概要説明:都からカルカを追って森にやってきた謎の甲冑男
カルカを連れ戻す任務を何者かから仰せつかっている
【敵キャラで参加してみたいと思います。カルカさんに関わる設定ですが上記でも大丈夫ですか?】
>>40 【カルカがOKするのであれば、俺としては大歓迎です】
【このタイミングからの参加希望ということみたいですので、こちらの次のレスは少し待たせて貰いますね】
【
>>40コントレイルさん、参加大歓迎です♪
その上、話の流れを読んだキャラ作り。じつにお見事です。】
【参加者の皆さま方と一緒に、様々な設定を持ちより、物語を一緒に創っていくのがTRPGの一番の醍醐味だと思いますので。
PCの皆さんに積極的に設定を持ち寄って参加して頂けると私も有り難いです。】
【
>>41了解です。では、私も一旦、コントレイルさんの行動をお待ちしますね。】
ブレット ◆K7/gHaStRA
おう
出てけや
森の中に切り開かれた、馬車や旅人を通すための街道。
その脇へと分け入り、獣道すらも続かない鬱蒼茂る緑の中に、場違いな色彩がひとつある。
鋼の色だ。
色はゆっくりと前進し、その一歩には耳障りな音が伴っていた。
ガション、ガションと、まるで死にかけの蝶番を酷使しているかのような金属質の悲鳴。
ときおりブシュウ・・・!と巨人の溜息のように放出される白い気体は、草いきれの中に少しの間滞留して溶けていった。
鋼は形を持っていた。
人の形、そして人の纏うことのできるおおよそ最大級の堅牢な召し物――鎧である。
魔法があり、銃もあるこの国において、時代錯誤も甚だしい、総身を覆うタイプの板金鎧。
鈍く、重く、そして堅い、ただ死なぬことのみに特化した全身甲冑だ。
鎧は騒音を森のなかにまき散らしながら道無き道を行く――。
その前途にあるいかなるものも踏み砕き、あとには無残にも潰し散らされた草木の残骸が轍として残されている。
花の香りを求めてやってきた虫が、鎧の背中から吹き出る気体を直撃し、真っ赤に茹で上げられて轍の上に落下した。
気体は、高温の蒸気であった。
鎧の背部に負われた、動力背嚢のドレン弁から排出される水蒸気。
蒸気はこの背嚢の中に飼育している水の精霊によって生成され、背嚢から全身へ伸びるパイプによって伝達される。
蒸発することで爆発的に体積を増やした蒸気が、その圧力でもって鎧の駆動源となっているのだ。
一見すると人型の棺桶と見間違うほどのこの無骨な大鎧が、余人と遜色なく歩くことができるのは蒸気動力による恩恵だ。
『動力甲冑』。
ヒトよりも強力な膂力や魔力を誇る人狼種や長耳種、あるいは猛獣の類に真っ向から勝利すべく生産された、
外部動力によって駆動する機械兵装の一種である。
もっとも、動力甲冑という概念自体は一世紀ちかく前から存在し、既に成熟しきった技術だ。
火薬が発見され、銃というもっと簡便に人越の破壊力を得られる技術が産まれる前には、
人類の覇権を表舞台で支え続けた旧世代の英雄で、完全に遺物である。
現代において、動力甲冑を戦闘用の兵器として用いる者は存在しない。
銃の方が遥かに軽く、扱いが容易で、威力も強く、そして安価に製造できるからだ。
重くかさばるわりに白兵戦しかできない動力甲冑を好き好んで戦いに使う酔狂な武人など残っていない。
有効な攻撃手段が魔法しかなかった100年前には、魔法を使えない者も扱える武装がこれしかなかっただけのことだ。
そんなわけで、いま森の中を環境破壊しながら進むこの動力甲冑は、
その一歩一歩が時代と逆方向への前進である。
都から離れ、上下水道のようなインフラもまともに整っていない森の中ですら、その存在はひたすら浮いて見えた。
端的に言えば、悪目立ちしていた。
そうして悪目立ちする者の末路と言えば、得てして『目をつけられる』という一言に終始するものである。
「フゥー・・・少し休憩をとるか。朝から歩きづめだからな」
甲冑は降ろした面頬の中でそうひとりごち、地図と方位磁針を手に辺りを見回した。
動力甲冑は歩行にも動力を使うため、装用者が疲労を感じることはない。
が、自分の手足を鎧の中に固定されたまま何時間も行動するというのは、肉体疲労とは別の疲れが産まれるものだ。
どこか適当な場所で腰でもかけて、ひとごこちつきたい気分である。
>>44も私です
休憩は水場の近くでとるのが望ましい。
動力背嚢の中に飼っている水の精霊は、自分で水を生み出すことができても、その水を栄養にすることはできない。
生み出されたばかりの水にはマナ(自然素)が含まれていないからだ。
水精霊の体調を保つには、新鮮な天然水を外部から供給してやる必要がある。
水精霊は水を生み出し、その水が自然界でマナを吸収し、マナを含んだ水が水精霊の食料となるのだ。
腰に下げてある水筒の中身はもう半刻も前に甲冑の主と水精霊とでわけあって飲み干してしまった。
早急に、湧き水か川で水を確保する必要があった。
「確かこちらの方向に、小さな川が流れていたはずだ」
ガション、ガションと金属の擦れ合う音をたてながら甲冑は行く。
やがて森の木々が開け、穏やかなせせらぎの音が聞こえてきた。
小川だ。幸運なことに凍結していない。
甲冑は足早にかけよると、その透き通った流れに水筒を深く沈め、よく冷えた水を汲み上げた。
「まあ待て、先に喉を潤わせてもらおう」
水気に反応した水精霊が背嚢で騒ぎ立てる気配を感じながら、甲冑の主は面頬を上げた。
三十路前後の、金髪を額に張り付かせた男の顔が、うまそうに水筒の中身を飲み干した。
男はすぐにもう一度水筒を沈めると、今度は背嚢を下ろして注水口に水を注いだ。
水筒に満杯の水を注ぐこと三回、満腹に至ったらしい水精霊がおとなしくなったのを確認し、
最後にもう一度水筒を満たして、丁寧に蓋を閉めて腰の剣帯に引っ掛けた。
そのとき、何気なく目を落とした地面に彼は異変を見た。
「なんだこれは、血か・・・?」
川べりの砂利の一部が赤く染まっている。
それはもうだいぶ流れてしまってはいるが、僅かな血臭が鼻に届いた。
おそらく、この近くで山の獣が狩りに遭ったのだろう。
肉片が食い散らかされておらず、また水場に獲物を持ってきていることから、おそらく仕留めたのは人間の狩人だ。
山で猪か鹿の、それも大物を仕留め、水場で解体して持ち帰ったと見るべきか・・・。
「脂が僅かに残っているな。この酸化具合から見るに、解体したのは一刻ほど前、そう時間は経っていない。
短時間でこの見事な手際・・・この森にまだ腕の良い狩人がいたとはな」
先の大戦で、多くの狩人が森林でのゲリラ戦のために徴発された。
『猟兵』と呼ばれた彼らは、平地でちまちま斬り合うだけの騎士とは違い、黙々と結果だけを残した。
森での行動を熟知した猟兵は、同じく棲森族の人狼種にも劣らぬ索敵と狙撃の能力を示したという。
もっとも、優秀な猟兵は戦死するか大戦後そのまま軍人として召し抱えられたから、
いま腕の良い狩人が在野にいるとすれば大戦での徴発を免れた第二世代というべき者達だろう。
つまり、この森で大物を仕留め、かように見事な解体を行った狩人は、歳としてはかなり若い部類に入るということだ。
まあそんなことは今、関係ない。
どの道この森には二度とくるつもりもない・・・『任務』を果たしたら都へ帰るだけだ。
男は甲冑の面頬を下ろすと、再び行軍を開始する。
すると脇の茂みが大きく揺れ、細い木を折り砕きながら濃い影が飛び出してきた。
全長2メートル半はあろうかという巨体、暗褐色の分厚い毛皮に覆われた四肢、禍々しい形状の爪・・・
巨大な羆だった。口元を赤く染め上げ、牙からはとめどない唾液が滴っている。
羆は甲冑に横合いから飛びかかると、そのままねじ伏せて喉笛に噛み付いた。
いくら重厚な鎧騎士と言えども、その重量は装用者合わせて160キロ程度。
300キロにも達する羆に組み付かれれば為す術もなく地面へと引きずり倒される。
「居ると思っていたぞ・・・解体の血量の割に、廃棄された内臓や骨が少なかった。
大型の獣が死肉を漁っていったことは明白だ。まだ近くにいることもな」
男は面頬の中で、特段に焦った様子もなくそう言った。
羆はお構いなしに牙を突き立てる。しかし、板金程度ならば容易く貫通するはずの牙も爪も、甲冑を貫くことができない。
理由は簡単、並の板金など比較にならないぐらいに、この甲冑を構成する鋼の板は分厚いからだ。
「甲冑を見て躊躇なく襲いかかってきたところを見るに、既に何度か人を襲っているようだな。
街道で商隊の馬車が行方不明になる事件が先頃あったが・・・どうだ、この鎧は馬車より旨いか?」
羆に問うても答えが返ってくるはずもない。
一度人の味を覚えた獣は、柔らかく、捕獲も容易なこの獲物に味を占めて他の狩りをしなくなる。
わざわざ動きの素早い野生動物を襲わずとも、定期的にやってくる不運な旅人を歯牙にかければ住む話だからだ。
しかし、街道は先の事件で人通りが極端に少なくなっていた。
結果、この羆は食いっぱぐれ、死肉漁りに手を出さねばならないほど困窮していたというわけだ。
血走った眼、えづくような獣臭を漂わせながら、羆は鎧に牙を立て続ける。
「よっと」
甲冑は、自身の上に乗った300キロの重量など気にもしていないといった様子で起き上がった。
羆を喉笛にぶら下げながら、ゆっくりと立ち上がる。
ブシュウ!とドレン弁から役目を終えた蒸気が吹き出した。
「蒸気動力の最も良いところは、構造が単純ゆえに多少荒っぽく扱っても平気な所だ。
そして、その次に良いところはな・・・」
甲冑は右腕を引き絞り、食らいついてくる甲冑へ容赦のないストレートパンチを浴びせた。
刃はおろか弾丸だって通さない強固な毛皮で覆われた羆の肉体が、内側から爆発したみたいに吹き飛んだ。
飛散した肉と血、四肢、毛皮が岩や木に張り付き、森のなかに血臭の雨を降らせる。
絶命した羆が残した、喉笛に喰らいついたままの頭部を最後に丁寧に外して、指先だけの力で握りつぶした。
「・・・純粋な出力の強さだ」
男は羆の残骸を放り捨てると、再び獣道をつくりながら歩き始めた。
やがて甲冑は、耳障りな音を響かせながら森のなかのとある一軒家へと辿り着くだろう。
男の名はコントレイル。
都から『とある少女』を連れ戻すことを仰せつかった、民間騎士である。
【>ブレットさん、カルカさん よろしくおねがいします】
月の明るい夜だった。
傾きかけていた夕日はもう、すっかり西の空の果てに落ち、
代わりに東から登って来たのは、気味が悪いほどの真円を描く黄金色の満月。
空から降り注ぐ燐光が、木々の間に差し込み、夜の森を幻想的に照らし出す。
夕食を終えたブレットは、カルカの手を借りながら簡単に後片付けを済ませ、
窓の近くの椅子に腰掛けながら、そんな夜空を一人見上げていた。
自分で言うのもなんだが、今日の夕食は美味しかった思う。
これは料理の出来栄えだけでなく、久しぶりに誰かと一緒に食卓を囲んだということの方が大きいのだろう。
食欲がないなどと言っていたカルカも、結局は喜びながら食べてくれたようだし、その姿を見ることができたのも満足だ。
――これからのことを考えねばならない、と思う。
カルカと過ごした今日は楽しかったが、彼女をいつまでもここに置いておくわけにはいかない。
彼女自身にも帰るべき家があるのだろうし、そのためにもまずはしっかりと事情を聞く必要がある。
話の内容次第だが、少なくとも彼女が信頼を持てる場所に帰すまでは、自分が送り届けるというつもりもあった。
――ふと、外の景色に注意を向けてみる。
どこまでも淋しげな静寂に包まれた森の中に声はなく、
耳を澄ませば聞こえてくるのは、草木を揺らす風の音と、虫達が奏でる合唱だけ。
――いや、
(…………何だ?)
それは人並み外れた聴力を持ち、更にこの森の環境音を誰よりも知っているブレットならばこそ分かる、微かな音だった。
だが草木が擦れる音でもなく、虫の鳴き声でもなく、その中から何か別の音を、確かに彼は聞き取っていた。
聞き覚えのない音だ。一定間隔で響く地鳴りはどうやら足音のようだが、それが動物のものとも思えない。
一歩ごとにキリキリと悲鳴を上げる不快な声。――これは、金属音だ。
「ごめんカルカ、少しここで待ってて」
ブレットはそう告げるや否や、ガンベルトを腰に巻き、森で身を隠すための外套も着用し、
立て掛けてあったライフルを手に、念のためランタンの灯まで消して家の外へ飛び出した。
外へ出たブレットはライフルのコッキングレバーを引いて、銃弾のクリップを押し込み、初弾装填。
そして膝打ちの姿勢となり、倍率3倍のスコープを覗き込んで、異音の聞こえて来る方角へと銃身を向ける。
徐々にこちらへと近づいて来る足音。その音がもうはっきりと聞こえるくらいまで迫った時、ブレットはそれ≠目撃した。
「なっ、何だあいつは……!?」
ブレットは最初、それを熊だと思った。
熊だと思ったのに、熊ではなくて人だった。
よくよく観察してみれば、全長は2メートル弱といったところで、大型の熊に比べれば大したことはない。
――が、そうであるにも拘らず、その肢体から溢れ出る威圧感は熊などの比にならず、
無骨なまでに線の太い甲冑を身に纏った人物が、そこに居た。
「止まれ! これ以上近付いたら、発砲するぞ!!」
気付いた時には叫んでいた。奴が迫り来る恐怖に勝てなかったのだ。
大丈夫だと、自分自身に言い聞かせる。こちらの手持ちは7.92x57mmのライフル弾だ。
通常の鎧程度ならば、何の問題もなく貫ける筈。そう、それが『通常の鎧』であるならば――だが。
【こちらこそ、よろしくお願いします!】
食後。何もしないのは流石に悪いと思い、片付けを始めたブレットに自分から声を掛ける。
「手伝わせて」
私は貴族のレディなので、蝶よ花よと大事に育てられた。
普段から、家事全般は召し使い達に任せっきり。
というか、私が家事をしようとすると、お嬢様が怪我をなさるといけないとか、お嬢様に汚れ仕事をさせる訳にはいかないとか、極めつけは、私どもの仕事を奪うおつもりですかとかいわれて、結局何もさせて貰えなかったのよねぇ。
―――でも、大丈夫!私ならできる!いつも、家事をやるとこ見てたし。
ダンスのステップを踏むより簡単よね。
自分にそう言い聞かせながら、ブレットの横に並び立った。
どうか、ぼろが出ませんように。
作業は滞りなく進み、合間に軽く会話をした。
「御食事はいつもこうなんですの?」
「ここから王都へは近いんですか?」
庶民の生活は非常に興味深かった。話に夢中になったところで、案の定、手が滑って皿を一枚落としてしまう。
けれどもブレットは、皿を割った私を咎めるよりも、まず私の怪我を心配してくれたわね。
私達が片付けものを終えた頃には、お互いに疲れも眠気も、そろそろピークに達していたわ。
でも、いくら命の恩人とはいえ、今日初めてあったばかりの庶民の殿方の前で弱味をみせるわけにはいかない。
誇りある貴族としては、せめてブレットが寝つくまでは、喩え寝床につき目を瞑ってはいても、意識だけは気力を振り絞って起きていなくちゃね。
まどろむブレットに声を掛ける。
「あと片付けご苦労さま。ところで私はどこで寝ればいいのかしら?まさかあなた、うら若き乙女に床で寝ろとはいわないわよね」
「それとブレット。私を明日、町へ案内してくださらない?
服も、出歩くのに適したまともなのが欲し……」
―――ゾクッ!?
なんの前触れもなしに、寒気がした。
俗にいう、嫌な予感って奴ね。
みるとブレットの様子も妙。やたらとそわそわしてるし。
彼は緊迫した態度で私に室内で待つよう指示を出すと、銃を抱え外に出ていったわ。
行動は語るより雄弁とはいうけれど、つくづく繕え無い人ね。
これじゃあ、何かあったのは明白じゃない。
私だけ知らんぷりして、先に休んでるという訳にもいかないわ。
何が起きたのか、現況を知っておく必用性はあるみたい。
裏口から、こっそり外へ出て建物の陰から様子を伺う。
あれは!重騎士(アーマーナイト)!?
頑丈な鋼の鎧を身に纏った屈強な肉体を誇る重武装の騎士。
理由はまだわからないけれど、直感的に私を追って来たのだと感じる。
それにしても常軌を逸した巨体ね。
灯りが無いのでよく見えないけれど、着込んでいる鎧じたい何か変ね。
月光に照らされているのでよく観察すると、騎士の鎧から黒雲のような噴煙が立ち上っている。
そうか!あれは蒸気機関車と同じ蒸気の煙!
あの重騎士に私が名を付けるとしたら、蒸機騎士(スチームナイト)といったところかしらね。
だとしたら、あれのパワーは相当ヤバいわね。
私の第六感は、すぐに逃げろと告げているわ。
だけど、ブレットは勇敢にもひとりで立ち向かおうとしている。
無謀よ。そんな猟銃じゃ撃っても跳ね返される。
いいから逃げて!
そう言いたいが声が出ない。
もし声を出し、私まで見つかったらと思うと、恐怖で全身がすくみ上がる。
―――しかし、私は気付いてしまう。
ブレットの体も私と同じくらいガクガクと震えている。
かなり怖がっているのが伝わってくる。
なのに、なんで逃げないの?
そこでハッと気が付く。
私に追っ手を近寄せないように、体をはって防ごうとしているのね!
普通の乙女ならば、ブレットの庇護を受け入れ、ここはガタガタと震えながら、勇者ブレットの勝利を祈ってるところなんでしょうけれども。
私は困った事に、かなり負けん気が強いのよね。
それこそ、幼い頃はじゃじゃ馬と呼ばれたくらいよ。
―――私の貴族としての矜持を嘗めないで欲しいわね!
庶民の犠牲の上に、のうのうと胡座をかいて生き延びるだなんて、私の貴族としてのプライドが赦さないわ。
私は裏口からこっそりと慎重に、山小屋の中に必用なものを取りに戻る。
だが途中、うっかりと小枝を踏んで音が鳴ってしまう。
なんてことなの!
下手したら、今ので重騎士に私の存在が気付かれてしまったかもしれない。
準備を急がなきゃ!
【コントレイトさん。
"公女”であるカルカは逃げる算段をしました。
あとは追い詰めるなり、捕まえるなり、お好きに行動なさって下さい。】
【あと、お名前が長いので、次回から、短くコントとお呼びしても宜しいですか?】
50 :
???:2014/07/21(月) 14:06:07.70 0
【その昔、ヴィリンドウといふ者ありけり】
【その者、凄まじき力を以て、数多の刀(つわもの)創れり】
【その者、若くしてこの世を去るが、我が子にその力継がせり】
【その童、恐るべき魔力の才能持ち得り】
「……あと………!
…10本……!」
「…魔力……!
……宿れ………!」
「焔…! 雷…! 風…! 水…!
宿って……! お客の…! お役に………! 立て!!!」
【その鍛冶場、金属音とビリジャン色の光に包まれり】
51 :
50:2014/07/21(月) 14:48:08.75 0
あ、今見たら、OPがまるっきり竹取物語だった
新キャラは武器職人です
鍛造で一枚板から銃も造ります
材料と道具とコークスと火さえあれば大体の物は造れます
そういう事で
あ、鍛冶場は山の麓に在ります
【ブレットのお気に入りの鍛冶場という事でよろしいですか?】
名前:デュルフォニック=ディヴィス=ヴィリンドウ
種族:母方の祖母が天使、父親が天使のクォーター
性別:女
年齢:227歳
身長:178cm
体重:52kg
容姿:緋の巻き毛、翠の瞳、ボーイッシュな顔立ち
外見はまるで16〜18歳程 又、Dはあるのだが、サラシで巻きつけている為、外からは全く判別できない
世間ではかなりの美女と吟われている
服装:中華風の服(長袖の男物)
その他色々(男物)
性格:心を許していない者には冷酷だが、信頼しきった相手にはデレデレ
職業:鍛冶師
能力:鍛造、鋳造、自身の製造した武器に魔力を宿らせることが出来る
所持品:真鍮、バナジウムを少量添加した鋼、鍛造用ハンマー、石炭etc…
概要説明:仮に天使の寿命を1700歳、人間を100歳とすると、デュルフォニックの寿命は1300歳となる
>>50にあったヴィリンドウは父親
女という事を隠している
(そのため、一人称は「俺」)
両親共に他界、一人で切り盛りしている
【ブレットには心を開いており、女という事も既に教えている という感じでよろしいでしょうか?】
(
>>51補足 あと水もプラスで)
度々すみません
>>52補足
「人間の」16〜18歳程
他スレ行ってたごめ
次から見直し5回してから書き込むわ
【あのすいません、いろいろ言われていたのですが言い訳と見なされる覚悟で言わせて頂きます
一応一通りこなせると書いた技能については基礎程度で本職には負けて、魔法については
基礎以下で使い方を少々知っている程度で魔法を本格的に使う人には絶対及ばない
という意味で書いたつもりだったんですが、こちらとしては言葉が足りませんでした申し訳ない】
【それと入るタイミングが掴めなかったのですが、守り人として頼まれていた装備を
受け取る過程でヴィリンドウさんに絡んでいいでしょうか?】
>>55 剣術や体術が使える上に射撃が天才(笑)
人知れず魔物を退治する守り人(笑)
インテリジェンスガン(笑)
どう見ても最強厨のカスが受け入れられるわけないだろ
お前だけはマジでキモすぎるからさっさと消えろ
気にしなさんな君の思う通りにやればいい
外野の戯言に惑わされないでくれ
浅井ユウキ君は参加してもガン無視されると思うぞ
一人だけ設定浮きすぎだしストーリーに適応する気も無さすぎ
【一応一つだけは飛び抜けていても、他は器用貧乏のつもりだったんですが…
最強厨と見られてしまったのであれば仕方ありません】
【設定は浮いていると言われますが、魔術大系も確立されているという設定があれば
魔術と武器を合わさった技術革新や試みがあっても不思議は無いですし、魔物や怪物と呼ばれる存在が未確認ならば
スーパーナチュラルのように空想の存在と思われているのが実際に存在していて
それを密かに退治している人達が居るみたいなイメージで組み立てたので
居てもいいのではと思ったんですがこれが不味かったようですね…】
【GMさんが認められないのであれば私は潔く去りますので
どうぞ遠慮なく言って下さい、お待ちしています】
(中の人の心境)
【あぁ……
私バカだ…
1/4人間だけど翼と輪っかあること書いていなかった………】
>>55 良いですよ
ですがね、完璧なモノなんて存在しないんです
だから俺の造る武器にも欠点はあるんです
例えばこの子、焔を纏った子ですがね、湿度が高いとただの熱い刀です 発火しません
雨が降っていれば刀身がすぐに錆びます
風の子は無風状態でないと危険です
さぁ、その欠点だらけの俺の可愛い子供達、しかとその目に映してくれ 1つ当たり金貨5枚だ
俺は東洋の本当に斬れる刀しか造りませんよ
>>60 特化クラスの射撃スキルを持ってるならもう器用貧乏じゃねーだろ
バカかお前?早く死ねよ
騎士・コントレイルはやがて金属の軋む足音を止めた。
まだ距離があるが、前方にあるのは森の中にぽつんと建っている一軒家だ。
おそらく森の木を切り出してその場で建てたのであろう、周囲には無数の切り株と、割り終えた薪が積まれている。
葺かれた屋根の藁の状態から、少なくともコントレイルが産まれる前から建っていることが推察できた。
「森に棲む猟師の家か・・・形状とサイズは人類種の家屋のものだな」
この手の家屋は街道の脇を少し入るとたちまち散見されるものだ。
村を形成するほどの人口がない場合、共同体としての機能を持たない家が集まっているだけのような集落となる。
そしてその程度の規模の集落は、大戦時の徴兵で主をなくし、ゆっくりと消えていく運命を持っている。
コントレイルもここへ来る途中でいくつかそのような家々を見てきた。
多くは破棄され、虫や小動物の住処となるか、それすらも通り越して朽ち果てていた。
まれに人が住んでいても、徴兵に呼ばれなかった老いた猟師が死を待つばかりの家しかなかった。
だが、目の前の家にははっきりとした生活痕がある。
薪の切り口は瑞々しく新しいし、切り株に突き立てられたままの手斧はよく手入れされて錆がない。
藁葺きの屋根は定期的に葺き替えられているようだし、煙突の煤が雨に流されていない。
何より、獣肉を焼きスープを煮たであろう、馥郁たる香りが未だに木々の間に残留していた。
コントレイルは獣脂の浮いた滋味溢れる温かいスープを想い、硬い唾を呑んだ。
「ここで間違いはないよな・・・」
既に灯りは消えていて、家人は眠りに就いているようだ。
寝入るには少し早い時間帯だが、都の常識で考えるべきではないだろう。
狩人の朝は早いのかもしれないし。
コントレイルは懐から方位磁針を出す。
正確には磁力によって稼働する道具ではない。『特定の物体』の方角を示す、魔術によって造られた道具なのだ。
そして今、針ははっきりと目の前の家屋を指している。その中にいる人物が所持する『杖』を嗅ぎ付けている。
"彼女"がなぜこのような森の中で、しかも現地民の家に厄介になっているかはコントレイルにはわからない。
だが、保護してくれているのならば都合が良い。
雇い主からは、必ず無傷で連れもどせと命令を受けているからだ。
コントレイルは騎士だが、特定の主君に仕える騎士ではなかった。
民間騎士、と呼ばれる彼の立場は、自由業と言えば聞こえは良いが、有り体に言ってしまえば野良犬のようなものだった。
公的な身分を失い、爵位も廃却され、家名すらも名乗ることを許されない身の上は、無職に等しい汚辱である。
しかし何の後ろ盾も持たぬ民間騎士は、仕事をとらねば糊口も凌げない。
借金のかたにする看板すらもないが為に、社会的な信用は皆無と言えた。
様々な事情で領地も家も爵位も全てを剥奪され、それでもなお一握りの矜持で騎士という職に縋りつく者。
民間騎士という生き方は、大戦を終えたこの時代、珍しくもないものであった。
夜更けに戸を叩くのは礼を失する行為だが、こちらも歩きづめで疲労困憊している。
『彼女』の引き渡しは翌日にするとしても、一宿一飯の恩義に自分もまた与りたいものだ。
それに簒奪されたとはいえ、己もまた高貴なる身分だ。平民風情に拒否権などない。
などと図々しく考えながら、コントレイルは長い思索を終えて、小屋へ向けて一歩踏み出した。
>「止まれ! これ以上近付いたら、発砲するぞ!!」
すると、闇の向こうから警告の声が聞こえてきた。
小屋の方だが、既に相手も外に出ているらしい。声はよく通ってこちらに届いた。
夜目が効くらしく、まだこちらが相手を視認する前から声をかけてきている。
コントレイルは警告どおり足を止め、そしてじっくりと目の前の闇を観察した。
動力甲冑の面頬には、星明かり程度の光源でも夕暮れぐらいの明るさに補正する『星光管』が嵌められている。
夜の森の中をまっすぐ歩いてこれたのもこれのお陰だし、遠目から小屋を観察できたのも同様に仕込まれた望遠レンズの恩恵だ。
ゆっくりと、闇の陰影を判別して、その奥にある輪郭を浮かび上がらせていく。
人影だ。背格好は人類種の平均的なサイズ、外套を着ているため細部の体型は判断できない。
だが、声の質からして男、それも老人ではないことは分かる。
そして、月明かりを鈍く反射する長銃が、こちらに向けて構えられていた。
(鹿撃ち用の長銃か)
この国の猟師が最も多く持つ種類の銃だ。
ボルトアクション式で信頼性と精度が高く、通常弾薬のほかに鳥撃ち用の散弾も装填することができる。
コントレイルも遊興としての狩りで使ったことがあるが、よく馴染みよく応えてくれる名銃だ。
有効射程も長い。この至近距離ならば板金鎧など紙のように貫けるだろう。
・・・この甲冑に対して有効かどうかは、また別の話になるが。
コントレイルは最初、両手を挙げて敵意のないことをアピールしようとした。
自分は通りすがりの民間騎士で、危害を加えるつもりはない。
ただちょっとその小屋に招いておられる客人を連れ戻しにきただけだと。
だが、敵意を向けられているという事実には猛烈に腹が立った。
・・・山猿が、誰にその豆鉄砲を向けている?
そりゃこんな夜更けに不審な鎧騎士が森の中にいたら誰だって身構えるにきまっているだろうが、
それでもコントレイルは貴族である。平民ごときにやすやすと銃を向けられて良い身分ではない。
本当ならば、こんな小屋など更地に変えてから『彼女』を連れて行ってもいいぐらいなのに。
下出に出ていればいい気になりやがって。これは男の矜持の問題だ。
「・・・川の傍にあった解体痕は貴様のものか。なかなか腕の良い猟師と見える。
だが、人を撃ったことはないんじゃあないかァ?どこを狙って良いのかわからないだろう。
ほら、今も頭と胸とで照準が彷徨っているぞ」
どちらも不正解。頭だろうが胸だろうが、そこを覆う分厚い鋼はライフル程度じゃびくともしない。
どうせ民生用の狩猟銃、弾も最も普及しているモーゼル弾といったところだろう。
コントレイルは大戦の時、同じ口径の尖頭弾で銃撃されたことがある。
その時3ミリほど弾が食い込んだ部分は、今でも腹甲に跡として残っている。
銃撃者は5.6発撃ちこんできたが、全て受け切って近づいて殴り殺した。
「攻撃は最大の防御なりって言葉があるよなァ。でも防御は最大の攻撃っていうのも聞いたことがある。
ならば攻撃も防御も最大の場合はなんて言うんだろうなァ〜〜〜?」
コントレイルの背部排出弁から一際大きく蒸気が吹き出した。
背嚢の中に飼っている水精霊が、主の戦意に呼応して昂ぶっているのだ。
右腕の指を小指から順に、蒸気を吹きながら折り曲げて威嚇するようにギシギシと軋ませる。
「――俺はそれを『無敵』と名付けよう。
圧縮蒸気による比類するものなき剛力!全鍛鋼製の滑空砲すら通さぬ装甲!!
その程度のチャチな玩具でこの俺が殺せるかッ!?」
コントレイルはもう一歩踏み出した。
闇の向こうの狙撃手が、『超えれば撃つ』と警告したラインを容易く踏み越える。
何故なら彼は、撃たれたところで絶対に死なない自信があるからだ。
そしてその自信は、決して過剰な自惚れではない。
たとえ猟銃でまともに撃たれたとしても、コントレイルは一歩たりとも下がることはないだろう。
「さあ撃ってこい、勝負をしようじゃないか。
狙いは脳か?心臓か?腹や、腿なんかも急所としてはお勧めだ。それら全て、例え大砲で狙われたって弾き返してみせよう。
だがあまり時間をかけさせるなよ?今日はずうっと歩き通しで疲れているんだ、流石に砲声のなか熟睡はできん」
一歩ほとに、身体の各部から蒸気が吹き荒れる。
水を補給したばかりなので精霊も調子よく働いてくれる。
やはりマナはこのような単純な動作をさせるのに向いている。
コントレイルの動力甲冑『トラクションエンジン』は、同じ機械兵装の中でも珍しい『蒸気動力』だ。
例えば大戦時に活躍した動力甲冑で最もポピュラーな動力は『マナ動力』。
動力背嚢にマナを充填し、四肢各部に憑依させた精霊にマナを供給して動きの補助を行わせるものだった。
これは動作の自由度が高く静粛性に長け製造も比較的簡単なのだが、精霊に複雑な動きを命令するのには骨が折れた。
例えば『走る速度を強化せよ』という命令の場合、『四肢の精霊それぞれに』『装用者の動きを記憶し』『高速で再現せよ』という、
複雑な命令を送る必要がある。戦闘中にいちいちそんなことを精霊言語に翻訳して指示することは困難だ。
甲冑騎士としての戦闘技能はもちろんのこと、高度な精霊使いとしての技術も要求されるのである。
しかもマナ動力の場合、マナは鉱物を伝導しない為、多くの部分を精霊樹材と呼ばれる木材で構成する必要があった。
これでは肝心の防御力が心もとない。実際、申し訳程度の板金補強など容易く貫かれて多くの英雄が戦死した。
それらの反省点を改善したのがコントレイルの駆る蒸気の動力甲冑である。
精霊は動力背嚢に一種類。それも水精霊に水の生成と蒸発という単純な動作を無制限に行わせるだけだ。
そうして生成された高圧の蒸気を、パイプを伝わせて四肢と指のシリンダーへ供給して動作させる。
そうすることで精霊から安定して動力を引き出すことができ、しかもパイプもシリンダーも金属での製造が可能。
堅牢な構造から生み出される人越の膂力は、その拳で巨岩すらも砕き散らすほどであった。
反面、機敏な動作には向かないのが蒸気動力の欠点である。
また、事あるごとにブシュブシュ蒸気を吹くし、全金属製のあおりで動く度にギシギシ各部が悲鳴を挙げる。
つまり、非常にやかましい。静粛性が皆無というわけだ。
駆り手であるコントレイルは、自分の身体から発せられる騒音と周囲の音を正確に聞き分ける訓練を積んでいた。
その分解能に特化した聴覚が、山小屋の向こう側から物音を拾った。
パキリ、と。
小動物ではない一定以上の大きさの何かが、枯れ枝か何かを踏む音。
しかもその後慌てて誤魔化すように後ずさる気配も捉えた。
「なるほどなァ、貴様は時間稼ぎか?あの娘はこっそりと裏口あたりから逃がそうという魂胆がモロ出しだな。
ここで俺を釘付けにしておけば、裏口には回りこまないと辿りつけない――とでも思ったか、愚平民がァ!!」
コントレイルは膝を折り、爆発的な加速でもって駈け出した。
膝と足首のシリンダーが高速で伸縮し、足裏からは蒸気を噴射して加速力に変えてさえいる。
そうして160キロの巨体は猪のように山小屋へ向かって一直線に疾走する。
山小屋との間にはこちらに銃を向けている家主がいるが、構わず轢殺し、速度を緩めず奔るつもりだ。
この巨体、この重量が尋常ならざるスピードで山小屋に激突した場合、その衝撃は滑空砲の至近砲撃に等しかろう。
掘っ立て小屋程度のこの家など、容易く破壊し突っ切っれるはずだ。
あとは、『彼女』を轢き殺してしまう前に逆噴射で停止し、捕縛して帰投すれば良い。
平民が一人無残に磨り潰されて死ぬことに目を瞑ってしまえば、とても簡単な仕事である。
【コントレイルはブレットを轢き殺しカルカを強引に引きずり出すつもりで山小屋へ突進します。
>カルカさん 愛称嬉しいです。どうぞそのようにお呼びください】
天使ちゃんの中の人は疲れているのかな?
もはや成り立ってないんだよな
天使のネーミングセンスはいいんだけどな____
あと鎧のヒトは頸動脈をガードしているのかな
______ガン!!
「ふぅ……こいつはあと柄(つか)を付けるだけか………」
彼女は少々疲労していた
ただでさえ体力を使う鍛冶仕事に、更に魔力を消費する
常人ならば過労で意識を失うであろう力量をこなしていたが、3/4が天使であるが故にかなりエネルギー効率が良い
彼女は周囲の湿度が上がっている事に気付いた
「………蒸気か?」
ブレットの小屋と同じ山に職場を構えていたので、色々とプライベートな事が流れつく事がままある
恐らくスープでも作っているのだろう
彼女はそれをたかろうと自衛用にたった今拵(こしら)えた刀を腰に4本携えて職場を後にした
何故だろう、嫌な気配がする
それに何やら耳が痛い
金属の軋む音だ
「大いなるヴィズトゥルよ、我の刃に神の加護があらんことを」
そう言うと彼女は、その場に座りこみ、砥石を取り出し刀を磨ぎ始めた
1分もせず内に彼女は刀を研ぎ終え、雷を纏いし刀を右の手に、氷を纏いし刀を左の手に、それぞれ持ち構えて飛んで行った
(
>>70で書き忘れたこと)
【コントレイルさん、デュルフォニックが小屋の上空に到着後、急降下→蒸気を凍結 みたいな流れで行きたいんですけどよろしいでしょうか?】
>>61 【申し訳ありません、一応設定上OKが出るか分からないのでロルを書いてから絡むという事にします
もしも通るようでしたら、こちらの両親と守り人の関係者がヴィリンドウさんのお父上と
やり取りがあって、ユウキ自体は会った事が無くて金を出せばなんでも出せば作ってくるってことを
聞いて見習いのお使いってことでもよろしいでしょうか?いやなら別に構いません】
>>72 【ごめんなさい、やっぱりはっきり言わせて貰いますね】
【荒らし紛いの意見に便乗するみたいで嫌だったんですが、正直俺もユウキさんの設定は最強厨にしか見えないです】
【魔物の倒し方に精通しているというのも、今後そういう敵が出て来た時の興醒め要素になりますし、そのキャラでの参加は遠慮して頂きたいです】
>>73 【そうですか…まぁそう言われるのであれば仕方ありません
デュルフォニック及び皆様に大変ご迷惑をお掛けしました、
ありがとうございました失礼します】
【私ってば凄い伏線付きのキャラ演じているのね……
特に父親関係
>>50は伏線の塊】
噴煙を吐き出しながら迫り来る甲冑は、こちらの警告に従って立ち止まった……ように見えた。
思わず銃を向けてしまったものの、あんな奴と戦いたくなんてなかった。
ブレットはライフルのスコープ越しに相手の姿を眺めながら、そのまま素直に立ち去ってくれと心の中で祈る。
ちなみに彼が手にしている、このボルトアクション式ライフル――
これはブレット達が住むアルビオン連合王国とは海を挟んだ位置にあるグロースクロイツ帝国で、20年近く前に生産されたモデルであり、
現在も様々な改良が施されながら、帝国軍では主力小銃として使われ続けている名銃だ。
ブレットはそれとほぼ同一の物を馴染みの職人に作らせ、最新鋭の3倍率スコープまで搭載し、狙撃銃仕様に改造したタイプを愛用している。
口径は7.92mm。装弾数は5発で、ライフリングは4条右回り。威力も射程も優秀であり、それこそ生半可なプレートアーマーなどなら容易に撃ち貫くことが可能だ。
相手が何者であっても、武器の差で自分が有利だという思い込みはあった。
それはそうだろう。ライフルと鎧のどちらが強いかなんて、現代に生きる者なら誰だって分かることだ。
しかし、そうであるにも拘らず、目の前の甲冑は銃口を向けられても全く怯まないどころか、
むしろ更に闘志が燃え滾ったと言わんばかりに、こちらへの威圧と挑発を一層ヒートアップさせる。
――不意に、小屋の裏手から枝の割れる音が聞こえた。
恐らくカルカだろう。そしてどうやら、相手もそれに気付いてしまったようだ。
そこで今まで抱いていた疑念が、唐突に確信へと変わる。
やはりこいつの狙いは、最初からカルカだったのだ。
ブレット自身、こんな奴から訪問を受ける心当たりなど全くなかった。
となれば考えられる事情は、カルカ絡みでしかあり得ない。
彼女を連れ去るつもりなのか、或いは始末するつもりなのか――その真意は分からないが、最早考えている時間はない。
そして次の瞬間、奴の背後で爆発が起こった。
少なくとも、ブレットからはそんな風に見えた。
「クソッ、警告はしたからな……!」
凄まじい蒸気を噴き出しながら、あの重装備ではあり得ないようなスピードで、猛然と襲い来る甲冑。
人を撃つなんて初めてのことだったが、既に是非もない。
ブレットは相手の右脛辺りに狙いを定め、ライフルのトリガーを引き絞った。
銃口から発射された弾丸は綺麗に右旋回しながら、鎧の脚を貫通する。かと、思われたが――
「嘘だろ……弾かれた!?」
ライフル弾は確かに相手の脛を捕らえることには成功したが、その装甲を貫くには至らず、
無残にも明後日の方向へと弾き飛ばされてしまう。
あいつは一体、何なんだ?
鎧の頑強さも、そして突進の速度も、全てがブレットの想像を超えていた。
このままアレの直撃を食らえば、間違いなくただでは済まない。
眼前に迫る明確な『死』のビジョンに、思わず足が竦む。
今すぐここから逃げろと、脳が全力で信号を飛ばしているのに体が動かない。
頼む、一瞬だけでも動いてくれ。
――動いた。
鎧の体当たりが炸裂する寸前、ブレットは殆ど転がり込むようにして、右方へと身を投げ出し、
目と鼻の寸前のところで、何とか敵の衝突を回避した。
背負ったマントの先端が、奴の肩を掠めて千切れ飛ぶのを横目で眺めながら、
その一秒後、ブレットは更に信じられない光景を目撃する。
奴の突進を受けて、山小屋の左半分ほどが吹き飛んだのだ。
冗談みたいな破壊力に目を疑う。まさかあんな方法で、強引にカルカへの道をこじ開けるとは思わなかった。
そうだ、あの裏にはカルカが――
「――――しまった……! 逃げろ、カルカッ!!」
ブレットは声の限りに叫びながら、それでも何とか敵の進行を食い止めようと、ライフルを握り直す。
もう一度コッキングレバーを引いて、薬莢排出。――次弾装填。
奴を直接撃っても効かなかった。ならば、どこを撃てばいい?
一瞬だけ考えた後、ブレットが撃ち抜いたのは、棚の上に置かれた銃整備用オイルの缶だった。
装薬に引火したオイルは見る間に燃え上がって、甲冑の周囲へと飛び火する。
こんな火では目眩まし程度にしかならないだろうが、それでもカルカが逃げる時間さえ稼げれば――
【アルビオンはイギリス、グロースクロイツはドイツがモデルとなっております】
【それと銃の描写について踏み込んでこられたので補足しておくと、ブレットの武器はコルトSAAとマウザーGew98という銃を使っているイメージです】
ナルシストの方ですか?
あ 78は75へのレスね。
(……何故燃えている?)
彼女は上空から赤橙色の光を目にした
それに今、爆発のようなものも見えた
(燃えているならばこいつは使えん、使えそうなのはこいつだけか___)
彼女は雷の劔(つるぎ)のみを構え、全速力で小屋へと向かった
今、ちらりと金属特有の光が見えた
彼女は特別な時に流れる小さな雫を、その刀に一粒湿らせて空から小屋に急降下をした
(さぁ、これが吉と出るか凶と出るか 奴は恐らく全金属製だ、互角がいいところだ)
【デュルフォニックがコントレイルを足止め→ブレットはカルカ救出 という流れも考えたのですがいかがですか?】
あなた 浮いてる
世界 間違えてる
ここ 居場所ない
あなた車売る?
私高く買うわ
―――まず、ポットに、グラグラの熱湯をいっぱいまで入れて、フタが熱くなるくらいまで、ポットをしっかり温めるの。
紅茶の抽出は、温度管理が大切なのよ。
美味しい紅茶を淹れるためには、面倒くさがらず、ポットをしっかり温めなくっちゃね。
ポットがしっかり温まったら、熱湯を捨てて、ティースプーンいっぱいの茶葉を入れます。
ここで本当は私お得意のロイヤルミルクティーにしたいところなんだけど、ミルクはないみたいだから仕方ないわね。
茶葉を入れたら、グラグラの熱湯を注いで。
少し蒸らしたら完成よ。
あ、カップを充分に温めることも忘れないでね。
―――私が紅茶の用意をほぼ終えたタイミングで、物凄い地響きのような物音がして山小屋の壁が一瞬で半壊した。
飛び込んできたのは、山のように巨大な体躯の鎧の騎士。
「あら、思ったよりもワイルドな御方ね。
レディの前よ。ノックぐらいなさったらいかが?」
騎士はかなり面食らっているようだ。
それはそうだろう。
捕まえにきた当のターゲットが、てっきり逃げ出す算段をしているかと思い慌てて飛び込んでみれば、当の本人は呑気にも紅茶の用意をしながら、歓迎ムードなのだから。
「遠路はるばるご苦労様。
……えーと、サー?」
とテーブルの前に椅子を2つ並べて勧める。
後から慌てて飛び込んできた人も、面食らっているようだ。
「お客さまはどうぞ遠慮なく席にお掛けになって。
ブレット、粉ってどこに置いてあるの?
お客さまにスコーンをお焼きしたいのだけれど」
今は亡き母から教わった自慢のスコーンを焼き、紅茶に添えた。
お菓子づくりと紅茶の淹れ方は貴婦人のたしなみよ。
スコーンと紅茶だけは外した事がないの。
私お得意の必殺のコンボよ♪
【ここで、カルカのプロフィールを一部を解放します。
未だ迷走中なので使いにくければ弄って頂いても構いません。
ヒュンカース公爵家三女。(正式な名前は考え中)
父は大公。義理の兄は宰相・ブリストル侯爵。
女王は叔母。王女とは従姉の間柄。
謎の婚約者はハインケル伯爵(仮)。
ただし、コントに直接指示を出したのは配下の私兵隊長(未定)。】
【デュルさんはお好きにどうぞ。ブレットさえよければの話ですが。
順番に関しては討論の必用ありかもしれませんね】
>>83 【お名前候補、考えてきました
「ルッツェン」「プラティナ」「ナタリー」「ニコール」「ケイティ」「フェルマ」「コーディ」
いかがでしょうか?】
かなり浮いてるし
空気も読めてないよな
「ぬぅ――ん!!」
コントレイルの渾身のタックルが山小屋へと殺到する。
銃手はギリギリで横っ飛びに回避したようだったが、既にコントレイルの眼中には存在していなかった。
先ほどすれ違いざまに足に一撃くれていったようだが、やはり装甲を凹ますことすらできなかった。
ライフル弾の相応の衝撃は確かな痛みとして伝わったが、こちとら少年将校の頃から何百発も受けているのだ。
今更足を止める鎧騎士ではない。
着弾した160キロの猛チャージは、木製の扉を容易く吹き飛ばした。
扉どころか、その周囲の柱や梁までもが巻き込まれ、めくれ上がるようにして崩れてしまった。
この実に大雑把な体当たり攻撃によって、長年の風雪を耐えた山小屋は半壊してしまったのである。
「ノックは済ませた・・・非礼とは言うまい?」
ダイナミックな室内へのエントリーを果たしたコントレイルは、木片や家具の残骸を踏みつけながら上体を起こした。
くたびれた革靴や干した肉、街で替えたのだろうわずかな現金までもがめちゃくちゃになって足元に散っている。
室内はやはり暗かった。星明かりすらも差し込まない屋内では星光管による暗視も心もとない。
>「――――しまった……! 逃げろ、カルカッ!!」
背後で再び銃手の声がした。
室内へ向けて何かを心配した言葉を投げる。カルカという名前の誰かへ。
「か、る、かぁぁ〜〜〜?珍妙な名だ、犬でも飼っているのか?」
コントレイルの中で、カルカという呼称と人物の名前が結びつかない。
カルカとは、先込め式の銃の炸薬を突き固めるための棒のことだ。
なるほど、銃の扱いに長けた猟師が猟犬につける名前としてはなかなかに小洒落ている。
だが今はそんな犬畜生のことなどどうでも良い。
甲冑騎士は山小屋に体当たりしてなお歪んですらいない鎧をガシャガシャ言わせながら小屋の奥を目指す。
背後で長銃のボルトを引く音がした。
コントレイルは振り向かない。足を止めることすらしない。
動力背嚢は特に分厚い金属で覆われ、また内部に飼っている水精霊は実体を持たないため銃弾では傷つけることができない。
背後から撃たれたところで、このトラクションエンジンに有効なダメージを与えられるとは思わない。
銃声。
だが想像していた背後への衝撃は訪れなかった。
代わりにカァン!と快い音と共にはじけ飛んだのは、コントレイルの脇にあったオイル缶であった。
貫通した弾丸によって引き裂かれるように空いた大穴から、淡黄色のオイルがどばどば溢れだす。
それは装薬の火花に引火すると、瞬く間にコントレイルの周囲を火の海に変える。
なるほど、直接銃撃が効かないならと搦手に切り替えてきたか。
良い読みだ。だが――
「猪口才なッ!」
単なる甲冑騎士であれば、鎧の表面を炙られただけで悲鳴を上げながら武装を解いたであろう。
板金の熱伝導は、その中に篭った人間を蒸し焼きにするには十分すぎるからだ。
コントレイルの甲冑もその例に漏れず、全金属製の数ある弱点の一つがまさに熱攻撃だ。
しかし、炎の中にまともに立っていればの話である。
コントレイルは両の手甲を燃え盛る床へ向ける。
手甲の掌部分にはスリットが開いており、コックの開閉で指のシリンダーとこのスリットとで蒸気の供給を切り替えられる。
つまり、掌部分から高圧の蒸気を噴出することが可能なのだ。
噴出した。
蒸気が掌から超高速で吹き出し、床を舐め洗い、部屋中を一瞬で白く染め上げる。
その霧が晴れたとき、炎はオイルごと吹き飛ばされ床は生ぬるい水びたしになっていた。
「夜中の火遊びはお勧めできんな。よく俺もおねしょをすると咎められたものだ」
コントレイルは余裕の表情で再び歩き出す。
しかし、いまの銃撃、あの撃たれたオイル缶の銃創・・・
「尖頭弾・・・軍用銃だと?」
尖頭弾はライフルの弾薬の中でも明確に『戦闘用』のものである。
単純に獲物へのストッピングパワーを期待するなら、先頭の丸い弾丸の方が威力は高い。
先端が尖っていると、対象物を貫通してしまい、弾体のもつエネルギーの大部分が対象物に残らないからだ。
では尖頭弾はどういう場合に使うかというと、それこそ甲冑の装甲を抜いたり騎馬の足を貫いたりするのに使うのだ。
つまり、あの猟師の持つ長銃は軍用・・・あるいは、軍用銃弾をクリップ単位で所有していることになる。
尖頭弾自体の入手はさほど難しくもないが、現金収入に乏しい猟師がわざわざ使い道のない対人銃弾を購入するだろうか?
(森での隠遁生活に不釣り合いな軍用銃と、それを扱い切る技術・・・この猟師、何者だ?)
最も高い可能性として考えられるのは、大戦期に活躍した猟兵から銃と弾を受け継ぎ、指導を受けたことだ。
猟兵の殆どは都で厚遇された為元の狩猟生活には戻らなかったが、例外もわずかに存在する。
その子孫、あるいは師弟であっても不自然ではない。
とはいえ、その尖頭弾をもってしてもコントレイルの装甲は穿けやしないのだ。
現時点では放置で良いだろう。向かってくれば今度こそ確殺するだけのこと。
それよりも今は『彼女』だ。轢き殺してはいないようだが、姿も見えない。
>「あら、思ったよりもワイルドな御方ね。レディの前よ。ノックぐらいなさったらいかが?」
ぼっ・・・と燭台に明かりが灯されて、小屋の奥に広がる闇に色彩を流し込んだ。
陰影の中から浮かび上がったのは、栗毛を柔らかく巻いた少女の姿だった。
その碧の双眸がろうそくの小さな炎をちろちろと反射して、吸い込まれそうな小宇宙を瞳の中に抱えている。
そんな印象を見るものに持たせる、冗談のように美しい少女だった。
『彼女』だ。
何故か紅茶の用意をしている。
謎の甲冑男が小屋を半壊させて押し入ってきたのに、まるで小鳥が迷い込んできたかの如き応対だ。
>「遠路はるばるご苦労様。……えーと、サー?」
コントレイルは面頬を上げ、何も言わず膝をついて深く一礼した。
「夜更けにお目にかかる非礼をお赦しください、殿下。
私はコントレイル。かつては子爵を戴いておりましたが、いまは廃爵の身、お好きな様に及び下され」
"彼女"は陽だまりのように暖かく微笑むと、紅茶の手配を再開した。
コントレイルは再びゆっくりと立ち上がり、勧められた椅子には座ろうとしない。
座ったら確実に壊れそうな華奢な椅子だったからだ。
>「お客さまはどうぞ遠慮なく席にお掛けになって。ブレット、粉ってどこに置いてあるの?
お客さまにスコーンをお焼きしたいのだけれど」
ブレット?
彼女の問いかけが小屋の外へと向けられていたことから、コントレイルはおおまかに類推する。
あのライフルの主の名前であろう。猟師ブレット、猟犬カルカ、なんとも興のある取り合わせではないか。
そういえば犬はどこだろうか。ひょっとして先ほどの戦闘で驚かせ、逃げ出してしまったのだろうか。
「殿下、私はあなたを都へお連れしに参ったのです。
このような僻地で山猿と卓を囲むような御身分ではないことは、あなたが一番ご存知でしょう。
伯爵が都でお待ちです、街道に馬車を待たせてあります。
さあ、僭越ながら私コントレイルが、鉄道までエスコートを致しましょう」
コントレイルはパイプをブシュブシュ言わせながら、右手を"彼女"へ向かって差し出す。
甲冑をつけたままというのは非礼にあたるが、手だけ裸になることはできないのだから多めに見てもらおう。
「ああ、後ろの山猿ですかな?殿下を薄汚いねぐらに案内したのは万死に値する愚考ですが、
そのドレスの様相を見るに、森の中でご遭難されていたところに出逢われたということでしょう。
その間の殿下の身をお護りしたことについての報酬は、経費として伯爵からお預かりしております」
コントレイルは腰にぶら下げた革袋をはずすと、その重みに若干の未練を残して後ろに放った。
「拾え、平民。家の修理代にでも充てるんだな」
ブレットとやらがそれを拾えば、中身が金貨で満ちていることがわかるだろう。
こんな僻地の山小屋など、十は余裕で建つ額だ。
それは、"彼女"が尋常ならざる高貴な身分であることの証明。
そして、金を受け取ればそれがブレットからコントレイルへ"彼女"の身柄が引き渡った証明となる。
また、この少女がこの森に存在したことに対する口封じ代としての意味もあった。
「さあ殿下、森の夜は冷えます。お風邪を召される前にお戻り致しましょう」
【ブレットに手切れ金を渡し、強引にカルカを連れて行こうとします】
【>デュルフォニックさん ブレットさんの判断を待ちたいのであえて今回は絡みません。
どこからでも合流可能なようにはしてありますので、よろしくおねがいします】
【敵役のコントレイルさんがOKなら、お好きなように参戦して頂いて構わないです】
【ではちょうどいいタイミングなので、デュルフォニックさんはここから入って来て貰ってもよろしいでしょうか?】
【以降はデュルフォニック→ブレット→カルカ→コントレイルの順でお願いします】
空気を切り裂く音が聞こえる
空気抵抗を極限まで減らした結果だ
彼女は9.8m/sの事象に従って加速して行った
「そこの小娘ぇ!! どけえぇぇぇ!!!!!」
彼女は銀の粉を辺りに撒き散らし、約60km/hで落下を続けた
2秒後、鎧の騎士に接触した。うまい具合に結合部分に挟まってくれて助かった
彼女が体に力を込めると、刀及び鎧に電流が流れる
「どうだ?! 50000000Vの電流は!!! あぁ、ここまでに仕上げるまでに3ヶ月掛かったさ!!!!!!」
彼女が言い終える前に電流は収まった
その継続時間、およそ2秒
それがせいぜい限界だと思う
どうやらあの白服の女は間一髪で避けたらしい
あの短時間でよく逃げられたものだ
「いいか?! ブレット! 小娘! 俺の半径750m以内に近寄るな!!!」
【コントレイルは電気ショックを受け、短時間ですが動けません】
【デュルフォニックは「殺し」を目的としておりません ですから刀そのものに殺傷能力が在ろうと、能力に殺傷能力はありません】
【結局ブレットと仲良し設定は有りですか?】
(短時間=1分強)
92 :
名無しになりきれ:2014/07/24(木) 22:21:26.82 0
そろそろageの時期だろう
公>侯>伯>子>男だから
カルカ(公爵令嬢)×公爵
が血筋至上主義のあの時代らしいっちゃらしい
公爵同士は結婚できないし
(↑は爵位継承しない前提)
(あれは、水蒸気か……?)
ブレットがオイル缶を撃ち抜いて焚き付けた炎は、
鎧が吹き出した白い霧によって、見る間に掻き消されてしまう。
――が、同時に一つ気付く。
奴が放出した霧――あれは恐らく水蒸気だ。
そして仕組みは分からないが、先程目にした爆発的なパワーや推進力の秘密は、そこにあるのだろうと直感的に思う。
何らかの方法で生成した大量の水を蒸発させ、その圧力を用いて鎧を動かしているのか?
よくよく見てみれば、何やら鎧の全身を這い回るように、パイプらしき物も取り付けられている。
背嚢から伸びるあのパイプを通して、蒸気を伝達しているのだとすれば、奴のアキレス腱はもしかしたら――
ブレットは様々な考えを巡らせながら、敵の姿を観察するが、
視界に入った信じられないものに意識を奪われてしまい、それらの思考は中断される。
「って……カルカ!? 何やってるんだ、そんな所で!!」
敵の狙いがカルカだということに勘付き、せめて彼女が逃げる時間だけでも稼ごうとしたつもりだが、
その当人は、逃げもせずに紅茶の準備などを始めていたのだ。
あいつは一体、何をやってるんだ?
――いや、或いはあの甲冑男を敵だと思い込んでいたのは自分だけで、最初から戦う必要なんてなかったのかもしれない。
現に二人は訳知った様子で話しているし、そんな状況に気付いた時、ブレットは安堵と同時に強い落胆を覚える。
何ということはない。あの鎧はカルカを引き取りに来ただけの使い走りで、その姿に恐れた自分が一人で慌てていただけだったのだろう。
そして鎧はこちらへ向けて、何かが詰まった革袋を放り投げて来た。
地面に落下した時に、ジャラジャラと響いた金属音。中に大量の金貨が詰まっていることは、開けてみないでも分かる。
ブレットはそれを拾おうかと悩みながら、一瞬だけカルカの方へと視線を送る。
――これでいいんだな?
視線を交わしたのも数秒、さてブレットが金貨を拾って一件落着かと思われた時、
またしても人影らしきものが、遥か上空から落ちてきた。
一日に二度も空から降って来る人を見ることなど、彼の人生において、今日が最初で最後であろう。
落ちて来たものの姿を確認してみると、それはデュルフォニック――デュルだった。
山の麓に住んでいる技師であり、ブレットとはよく知った仲で、何を隠そう愛用のライフルも彼女が作ったものだ。
何故か普段は男装をしているが、実は女であるらしく、更に言えば見ての通り人間でもない。
そんなデュルがどうしてここに居るのかは分からないが、非常に間の悪いところにやって来てしまった。
ブレットと対峙している甲冑男の姿を見やり、それが危険人物だと判断したのだろう。
デュルは手にした刀を振り放ち、いきなり強烈な放電攻撃をブチかました。
「あいつ……っ、相変わらず滅茶苦茶だ! 750メートルなんて逃げられるわけないだろ!?」
ブレットは悪態をつきながら、とにかく木の影に身を隠して、デュルの電撃に巻き込まれないよう退避する。
あの一撃で、鎧はどうなったのだろうか。そして、カルカは――
木から顔だけを乗り出して状況を確認しようとしてみるが、この位置からでは家の中の様子をよく窺うことができない。
【ごめんなさい、回答してなかったですね】
【ブレットの友人だという設定は特に問題ないです】
>>93 血筋至上主義……
すげぇ表現の仕方だな………
亀レスごめん
>>13 steam locomotiveだよ
(スチーム・ロコモティブ)
元子爵で、今は廃爵の身?
私は少しばかりコントレイル卿の正体がわかったような気がする。
廃爵じたいは、貴族社会ではそう珍しい事じゃない。
蹴落とし、蹴落とされが当たり前の陰謀渦巻く貴族社会では、ちょっとした醜聞が命取りとなる事もある。
爵位は、上の地位にあるものの気紛れにより、品位を疑うといった程度の理由でもとりあげられる事があるの。
爵位を失ったとはいえ、腐っても貴族は貴族よ。
貴族社会のコネも少しは残ることでしょ。
コントレイル卿はコネで今回の仕事をとってきたに違いないわ。
実は廃爵といっても、一生爵位が戻らぬと決まってはいないの。
何か大きな手柄をたて、権力者にその有用性を認めらさえすれば、爵位復活も有り得ない話ではないの。
恐らく、このコントレイル卿にも、そういった野心がおありなのだろう。
ならば、その事につけ込み、うまく立ち回りさえすれば、逆に私の有為に働くかもしれない。
問題は……なぜか私に自分や伯爵に関する記憶がごっそりと消えている事だ。
とはいえ全て消えてるわけでもなく、ほぼ固有名詞がごっそり消えてるのよね。
今の今まで、私の記憶が無いのは、単に疲れているからだとばかり思ってたわ。
だけど、自分の名前すら思い出せないのはあまりにも不自然過ぎよ。
この世には、記憶を奪う手管がいくつも存在しているときくし。
卿のいう、私を迎えに来させた“伯爵”という人物が私に何かを謀ったのは火をみるよりも明らか。
残念ながら私の婚約者どのは、余り信頼のおける人物ではないようね。
今思えば、私が持っていたウェディングブーケの花束にも妙な点があったし。
普通ならば結婚式には使わぬような幻覚物質を含む花が、幾つか紛れ込んでいたのよ。
ブレットは気付いてたかもしれないわね。
私の頭を覆っていた浮遊感の原因はたぶんそのせい。
花束の花は窓際の花瓶に活けといた筈よね。
あとでよく確かめてみようかしら。
でもそれだけなら私が記憶を失った理由としては弱いわ。
たぶんこういう事よ。
私は伯爵の、何かとんでもない秘密をきいてしまった。
私を信用できない伯爵が口封じの為に私の記憶を奪いに走った。
私は記憶を奪われまいと逃げた。
これが多分、事件の概略。
でも、まだ何もわかってないに等しいのよね。
【続く】
ブレットとアイコンタクトをとる。
大丈夫、私に任せて。
―――今日1日行動を供にして気付いた事。ブレットはやたらと勘がいい。
―――だからこそ、私が記憶喪失であると知られるわけにはいかない。
朴訥で人のよいブレットは、危険に捲き込まれるのも承知で私を助けてくれるだろう。
だがこれ以上彼を捲き込むわけにはいかない。
でないとブレットは今度こそ死ぬ。
現にコントレイル卿に殺されかけ、屋敷も半壊した。
―――元はといえばこの事態は私個人の問題。
貴族たる私が自力で解決しなければ。
しかし、肝心要の記憶がポッカリと抜けてる以上、私に不利である事は否めない。
味方が誰かすらわからぬ以上、誰かに救いを求める事すら困難だから。
騎士に恭順するふりをしつつ、何とか有用な情報を引き出さなくちゃ。
だが、ここにきて騎士はとんでもない事を言い出す。
「コントレイル卿!正気ですか?私に今から山道を歩けと?」
作戦云々とは別に、それだけは避けたい。
なぜならば、私の体力は既に限界を越えていたからだ。
私は必死に食い下がる。
「夜更けの足元は昼よりも更に危険です。
山には危険な獣も出るとききます。
群れで襲いかかってきた時、貴公はたったひとりで私を庇いきれるのですか?」
「……恥を偲んで率直に申しましょう。
今、私は貴公に対して礼を失することなきよう気力で立っています。
ですが体力面の限界はとっくに越えているのです。
私はこの場から逃げも隠れも致しません!
明朝、必ずやこの地より出立すること約定しましょう。
しかし今宵はこの地に逗留します。これだけは譲れません。
何が、何でもです!」
―――その時、不意に頭上から雷槌が落ちてくるような爆音が降ってきた。
今度はナニよ!?
『そこの小娘ぇ!! どけえぇぇぇ!!!!!』
「……え?誰かくるの?え?エーーッ!?」
青天の霹靂とはこのことよ。
「避けるだなんて。無理無理無理ムリムリムリムリーーッ!
だって私、体力の限界だしーーっ!」
気がつくと私は天よりの衝撃波により、風に舞う木の葉のように、華麗に宙を舞っていた。
今日1日、わけわからなかったけど、今が一番わけわかんない。
―――もう、いいかげんにして。
【
>>84tnx.参考にしつつ模索中です】
コントレイルはちゃんと謝罪しとけよ
「無知のくせに銃器描写で張り合おうとしたらアホ晒してしまってすみませんでした」って
『彼女』は、コントレイルの提案に対して頓狂な声を挙げて頭を振った。
例えるなら、台所の隅で捕獲した鼠を素揚げして夕食の一菜にしようと言われた婦人のようだ。
>「コントレイル卿!正気ですか?私に今から山道を歩けと?」
極めて常識的な突っ込みが『彼女』から入った。
コントレイルは鷹揚に頷くと、ギュインと右腕を唸らせて芝居がかった一礼をした。
「ご心配召されぬよう。既に"道"はつけて御座います・・・獣道よりも広く平らな道を」
この巨体、この超重量の鎧騎士が通った轍は、大人一人が快適に遊歩するのに十分だ。
なにせ木々は倒され地面は均され、歩行の妨げになるものの一切を排しているのだ。
コントレイルは道無き道を測位しながら進んでいた為半日かかったが、帰りはスイスイ半刻ほどで帰れるはずだ。
>「夜更けの足元は昼よりも更に危険です。山には危険な獣も出るとききます。
群れで襲いかかってきた時、貴公はたったひとりで私を庇いきれるのですか?」
「ふぅむ・・・」
それを言われると弱いコントレイルである。正直、この森のどんな獣にも野盗にだって負ける気はしない。
が、同じだけの守護を同伴する『彼女』にも与えられるかといえば疑問が残る。
蒸気動力は機敏な動きが苦手なのだ。いざという時に即座に盾となる覚悟はあれど、身体がついていける保証がない。
>「……恥を偲んで率直に申しましょう。(中略) 何が、何でもです!」
「しかし殿下、この通り小屋は半壊状態、吹きさらしの中お休みになられては病を召されます」
半壊状態にしたのはコントレイルその人なのだが、彼はその問題を思い切り棚に上げた。
「それに、十分な防衛設備のない中眠るというのは、無防備のお姿を森中へ晒すということ。
殿下がここに御座せられることを知った賊が、襲撃をかけにくる可能性だって――」
――噂をすれば影。
『彼女』とコントレイルが帰る帰らないの論争を繰り広げているそのはるか頭上で、人の声がした。
>「そこの小娘ぇ!! どけえぇぇぇ!!!!!」
高く、澄んだ、若い声。
はっと上を仰ぎ見たコントレイルの視界一杯に映ったのは、刀を携えて自由落下してくる何者かの姿だった。
「殿下、お逃げを!」
コントレイルは咄嗟に『彼女』に覆いかぶさるようにして庇う。
その背中へと、襲撃者が弾むようにして着地。叩きつけられた衝撃を各部のシリンダーが必死に吸収する。
吐き出された蒸気が周囲を再び白く染め上げるなか、甲冑の関節部に刀を差し込まれる感触があった。
何を――関節部は確かに板金の間隙だが、無防備のまま放置するコントレイルではない。
間接の部分をカバーするように細い鎖を編み込んだインナーを、鎧のなかに着込んでいる。
この鎖帷子は打撃に対しては無力だが、刀のように鋭利な切れ味を威力の元としている武器には有効だ。
だから一般的に甲冑に対して有効とされる鎧通し(スティレット)なんかに対しても、トラクションエンジンは防御力を持っていた。
「効かん、効かんぞその程度の刺突ッ!逆に関節部で挟み込んでその刀、へし折ってくれる!」
だが、襲撃者の攻撃はそれで終わらなかった。
背嚢の中で水精霊が強烈に警告を出す。マナの気配を機敏に感じ取ったのだろう。
だがコントレイルの必死の振り払いもむなしく、それは発動した。
「がっ・・・!?」
初めにあったのは、舌の奥に感じる『痺れ』。
香辛料を山盛りにした料理を口に入れたときのような、喉の奥を泡立させる感覚が、コントレイルは襲う。
次に手と足の先に感じる鋭い痛み。
それは肉の中を乱反射しながら一気呵成に身体の中枢まで駆け上がる!
「あががががががががががががが!!??」
身体の自由の一切が失われ、ふくらはぎが不随意に硬直。
バランスをとれなくなり、膝をつこうとするが、膝間接も固定されながら痙攣していた。
その現象――感電。
>「どうだ?! 50000000Vの電流は!!! あぁ、ここまでに仕上げるまでに3ヶ月掛かったさ!!!!!!」
(雷の魔術――だと!?)
世界に満ちている目に見えない第三のエネルギー、自然素(マナ)を用いた現象励起技術――『魔術』。
精霊を介さない、人の手のみで練り上げられたその技術体系の中には、確かに雷を操る魔術も存在する。
ただし起雷術はその威力の強大さが為に扱いが極めて困難で、優れた魔術師が長年の修行の末に習得するようなものだ。
かつての大戦ですら、起雷術を使う魔術師など戦場で殆ど見かけなかったというのに。
いま背中にしがみついている襲撃者は、声から判断して年若いにも関わらず、見事な雷を呼び起こしている。
(そうか・・・全金属製のこの甲冑が、誘雷源となって――!)
無論、それだけが理由ではなかろう。半端な鍛錬で至ることのできる領域ではない。
雷が体中を駆け巡り、命こそ落としはしなかったものの、きっかり二秒の間――コントレイルは身体の自由を奪われた。
>「いいか?! ブレット! 小娘! 俺の半径750m以内に近寄るな!!!」
背中で襲撃者が声を張り上げる。
ようやく指先を動かせるようになったコントレイルは、歯を食いしばりながら上体を起こした。
「貴様がここから離れろォォーーッ!!」
鎧を軋ませながら襲撃者の胴体へ右の掌を押しこむ。
そして、先ほど山小屋を消火したときのように、掌のスリットから高圧の蒸気を吹き出した。
襲撃者が胴に蒸気をまともに受け、踏ん張りがきかなければ、このまま20m近く森の方へふっ飛ばされるだろう。
「ッ ――殿下は!」
下を見る。いない。周囲を見回す。いない。
確かに庇ったはずなのに、襲撃者の巻き起こした衝撃派は、『彼女』のいたはずの床をすざずたに引き裂いていた。
コントレイルは絶望的な面持ちとなって天を仰いだ。
――いた。
『彼女』は衝撃によってふっ飛ばされたのか、月明かりを背に夜空のさなかへ放り出されていた。
このままでは数秒とたたずに地面へ叩きつけられてしまう。
「殿下!!」
コントレイルは絶叫しながら、蒸気を全開にして加速する――その途端、ブシュンと気の抜ける音とともに甲冑が停止した。
新しい蒸気が供給されない。動力背嚢が沈黙している。あの雷撃により、水精霊もまた行動不能に陥っていた。
実体を持たない精霊は、それゆえに魔術による影響を受けやすい。電気のよく通る水の精霊ならなおさらだ。
水精霊が回復するまで10秒?20秒?待ってる間に『彼女』は地面に叩きつけられることだろう。
たとえ木々や土がクッションとなったとしても、大怪我を負う可能性は高い。
そこでコントレイルははたと気付いた。あの方向には捨て置いてきた猟師――この家の主がいたはずだ。
ここからでは姿が見えない。もしや逃げ出したのか?いずれにせよ他に頼れるものはない。
鎧騎士は面頬を挙げて、あらんかぎりの声を振り絞って叫んだ。
「平民ッ!殿下をお護りしろォー!!」
【デュルフォニックへの反撃として蒸気噴射で吹き飛ばします。動力不足でカルカを助けに行けません】
「………ッ 間に合わなかったのか彼奴は……」
焦茶色の髪の女が宙を舞う
今からでも間に合うか?
様々な計算がぐるぐると頭を回る
しまった 油断していた
下の鎧が反撃を開始した
>「貴様がここから離れろォォーーッ!!」
鎧の騎士が手から何やら気体を放出した
どうやら水蒸気の様だ
しかしほぼ毎日鉄跳ねを浴びている彼女にはドライミストの様にも感じられた
「甘いんだよッ!! こちとら鍛冶屋やってんだ 今度俺の職場来るか? 冷却しなければ80°Cはザラに超えるがなぁ!!!!」
しかし、彼女は後方へと押し退けられる
恐らくは圧力による物だろう
彼女は空中に舞い上がり、体勢を建て直した
地上からブレットの声が聞こえる
>「あいつ……っ、相変わらず滅茶苦茶だ! 750メートルなんて逃げられるわけないだろ!?」
冷静に考えればその通りだ
そこで彼女は補足を付けた
「いいか!? よく聞け!! 750m圏外は生命が完全に保証される範囲だ!!!
こう言えば解るか!!? 100m圏内は「不保証生命」だ!!! 今すぐ逃げろォ!!!!!」
「俺はこのまま残る! お前はその女を連れて俺の家に行け!!!
2階の廊下に引き出しがある 上から3段目にタングステン製の散弾があるから敵襲があればそれを使え!!!!」
「雷」「気圧」「温度」「酸」
それが今現在の切り札だ
父親の形見は危険過ぎて使えない
1nmずれただけで何が起こるかわからないからだ
【ブレットとカルカに避難指示を出します 親父の形見ははっきり言って大量破壊兵器です】
向こうの状況はどうなったのだろうか。
ブレットは家の方の様子を窺いながら、持って来た銃弾の予備を確認する。
ちなみに彼が使用している弾丸だが、当然ながら軍用のフルメタルジャケット弾ではなく、狩猟用のソフトポイント弾だ。
これは前者に比べて貫通力には劣るものの、着弾時に弾頭が激しく変形・破砕し、
目標内部で運動エネルギーを効率的に伝えることにより、致命的なダメージを与えることができるという性質を持つ。
人道的な理由などから軍用としての使用は制限されているが、これをもし人間相手に撃ち込んだら――という邪悪な想像が、ブレットの脳裏をよぎる。
>「平民ッ!殿下をお護りしろォー!!」
そこで不意に、甲冑男の叫び声が聞こえる。
見ればカルカが風に吹かれた木の葉のように、為す術もなくこちらへ飛んで来る姿が目に入った。
「――カルカ!? やばい、このままじゃ……!!」
ブレットは直ぐ様手にしていたライフルを担ぎ直し、吹き飛ぶカルカを受け止めるべく、両手を前へと投げ出す。
二人の位置関係が良かったということもあり、最初に彼女と出会った時よりかは、上手くキャッチすることができた。
カルカの体を揺すって声を掛けてみるが、意識が定かなのかどうかはよく分からない。
>「俺はこのまま残る! お前はその女を連れて俺の家に行け!!!
>2階の廊下に引き出しがある 上から3段目にタングステン製の散弾があるから敵襲があればそれを使え!!!!」
ブレットがカルカの具合を見ている時、今度はデュルの大声が耳に届いた。
どうやらあいつもかなり動転しているらしい。ブレットの銃は普通のライフルなので、散弾やバックショット弾の類はそもそも撃てないのだ。
しかし、デュルの家へ向かうかどうかはともかく、山の麓へと逃げるという指示そのものには一考せねばならない。
自分は本当にカルカを連れて逃げ出すべきなのか? それともここで、彼女を引き渡した方がいいんじゃないだろうか?
先程カルカが見せた行動や、甲冑男の言葉が、ブレットの思考回路を泥沼へと導く。だが――
――ブレットは逃げた。
――脱兎の如く。
これが正しい行動なのかどうかは、ブレット自身にも分かってはいない。
しかし、カルカと視線を合わせた一瞬、彼女は怯えているように見えた。
ならばやはり、ここであの男にカルカを渡してはならないと、本能的な部分で強く感じる。
デュルの足止めは、どれくらいの時間を稼いでくれるだろうか。
とにかく森を抜け出すことができれば、付近には小さな田舎町もある。
流石に人目のあるところでは、こうも派手な襲撃はできない筈だ。
ブレットは両手にカルカを抱えたまま、一目散に山道を駆け降りて行く。
―――夢を見ていた。
迷える私の前に、突如、眩い雷槌とともに、天よりの御遣いが降臨した。
天使は私の想像したのよりも優しく。猛々しく。雄々しく。美しかった。
その美声は天上の調べ。
嗚呼!主よ。
私は今から、天使に導かれ、天国へいくのですね。
それはこの世のものとは思えぬ程の歓喜。
天使は六枚羽根をつけ、空を優雅に翔んでいた。
私はといえば、天空の神殿から地平の彼方を眺めていた。
「―――ほら、みてごらん。
ここから下界を見下ろすと、人びとが黒山にたかる蟻のようだ。
町や村は、さしづめ、蟻の巣といったところだろうか」
―――この声は……伯爵?
「―――あの頑強にして強大なる王都でさえ、いとも簡単に踏み潰せるのではないか。
城塞など、砂上の楼閣に過ぎない。
そんな気さえするのだよ。」
―――なんだか、嫌な予感がする。
「―――さあ、ぼくたちの天空結婚式に相応しい、新時代の幕開けだ!」
地上に、何の脈絡もなく巨大なる光の御柱が立ち昇る。
町は一瞬にして焔の中に包まれた。
人びとの生活が、笑顔が、一瞬にして焔に包まれ灰塵と化す。
―――やめてよーーっ!
私はうなされながら、意識を取り戻した。
「 」
最悪の寝起きね。
気が付くと私は見知らぬ場所で寝かされていた。
―――今のは単なる夢?
それとも……?
私はすぐ、大切なことを思い出した。
「―――ブレット!ブレットはどこ!?ブレットは無事なの!?」
何があったかまだよく把握してはいないが……。
ブレットはまだ生きているのだろうか?
私は不安と心細さにより、泣きそうになった。
【カルカの本名:ツェツィーリア・アントーニア・レーネ・ガルデ・クリスティナ・ルッツェン・モルゲン・グレ―ス・ハイネン・ケイティ・ヒュンカース。
(愛称はツェツィーといったところ。
ツェツィーリアはドイツ語読みで、英語だとセシリア。
貴族ということなので、わざと庶民にはいいにくい言葉を選びました。
無理に喋ると舌を噛むかも?)】
【ちなみに、カルカの持つ金属の棒こと、カルカ(槊杖(さくじょう))はキーアイテムです。
伯爵はとある事情により、カルカ本人に加えこれも欲しがっています。
ただし、コントには伝えられていません】
嵐の中の木の葉のように夜空を滑空する『彼女』。
それを追うようにして、どこに隠れていたのかブレットと呼ばれた男が疾駆する。
山馴れした狩人の足捌きは木々の中を魚のように縫い、落下予測地点へ先回りして両腕を掲げる。
そこへ、脱力した『彼女』の肢体が吸い込まれるようにして収まった。
「よし!」
コントレイルはだらりと提げたままの腕でグッとガッツポーズを握った。
『彼女』は無事だ。ブレットとやらはどうにも降ってくる人間を受け止め慣れているらしく、完璧な挙動で衝撃を吸収する。
鎧騎士はそれを確認して人心地、そしてすぐに双眸を澄ませて前方を向く。
夜空の中から彗星の如く現れた襲撃者。『彼女』を危難に晒した張本人。
>「俺はこのまま残る! お前はその女を連れて俺の家に行け!!!
> 2階の廊下に引き出しがある 上から3段目にタングステン製の散弾があるから敵襲があればそれを使え!!!!」
襲撃者がブレットへ向けて声を張り上げる。
コントレイルは泡を食ったように再度振り向いた。
「なっ、馬鹿な気を起こすな平民!殿下をこちらへお連れしろッ!」
だが、祈るような懇願も虚しく――
ブレットはカルカを抱えたままこちらへ背を向けると、そのまますたこらさっさと遁走を開始した。
「おのれ、山猿が――ッ!」
コントレイルは踏みだそうとした。
しかし、それを阻むようにして襲撃者が回りこんでいた。
数度瞬きをこらえるような沈黙・・・遅れて、背嚢の中で溢れた蒸気がパイプからブシュウと噴出する。
起雷術によるダメージから水精霊が回復し、甲冑への動力供給が復帰したのだ。
(方位磁針があれば殿下は見失っても再追跡できる・・・ここはこの露払いを始末してから追うべきか)
コントレイルの持つ方位磁針は、『彼女』が肌身離さず所持しているある物体の方角を示し続ける魔法の道具だ。
その物体が何であるか、コントレイルは知らされていないが、いずれにせよ『逃げ切られる』心配は薄い。
ならば、背後から挟み撃ちにあう危険を排除する意味で、露骨なしんがりに残ったこの襲撃者の撃滅を優先すべきだろう。
こいつは十中八九、逆賊・ブレットの仲間。生かしておく道理などない。
「100m以内の生命は保証できないとか言っていたな。まったく末恐ろしいことだ。
それに比べれば俺の攻撃など、精々が1m範囲程度しか殺傷できないのだから、力の差は歴然だな」
コントレイルは対峙した敵を見る。面頬のスリットの間から観察する。
やたら袖の長い、帯によって留めるタイプの東方衣装。
男にしては線が細く、女にしては荒々しさを持った、しかし精緻にして凄絶な美貌。
武器は、腰に佩いた四振りの太刀――それぞれが質の異なるマナの気配を放っている。
「民間騎士・コントレイル。貴様を殺す者の名を、覚えて冥府へ行くが良い」
瞬間、コントレイルは飛翔した。
動力の殆どを腰と脚部から伸びるパイプに注ぎ込み、蒸気噴射によって160キロの巨体を砲弾の如く飛ばしたのだ。
その超高速で超質量の『一歩』で、襲撃者の眼前へ肉薄する。
「さあ、1mだ。――殺傷するぞォォォッ!!」
右腕部のシリンダーに蒸気が叩き込まれ、鉄塊と化した右拳が唸りを上げながら襲撃者の右反面へと叩き込まれる!
【デュルフォニックの顔面にパンチします】
「___やるねぇ……」
額から血を流す彼女がいた
体を宙に浮かし、極限までダメージを軽減していた
(中々の者だ、しかし……)
「さて…お引き取り願おうか 命が惜しくないのであれば」
彼女は刃渡り30cm程の小刀を取り出し、近くの樹に切りかかった
刹那、樹齢170年はあるその樹が消え去った
「こいつはあらゆる物体を素粒子レベルにまで分解する
俺の親父は何かの間違いでこいつを作っちまった 親父はこいつに分解されたよ……」
「俺はこいつの破壊に全力を尽くしたが…不可能だった せいぜい時間をコントロールする鞘での一時凌ぎしか出来ない それでも1ヶ月が限界だ」
「さぁ、俺は無益な殺生は嫌いなんでね
それに俺は優しい
その鎧をある程度破壊しておけば、向こうも深く追求しないって事だ
『向こう』が人間の心を持った者ならばの話だが」
「それでも行くと言うのなら、喩え此処から750m圏外であろうと生命はないと思え」
(あの樹には悪い事をしたな……後で供養をしなくては)
【以上、お父さんの悲惨な死亡原因でした】
【説明しておきますが、「酸」はある意味一番のチートアイテムです。酸素の特性も王水の特性も両方兼ね備えています。主に酸素の方向で使っています】
>>109 私はねぇ
物事を暗い方向に考えることには自信があるんだよ
どういう事かわかるね?
ポジティブに考えると悉く悪い方向に行くんだよ
逆に最悪のパターンを想定しておけば大抵の事は「あれよりはマシか」で流せる
わかるだろ?
自閉症やアスペルガー症候群や注意欠陥多動性障害じゃなければの話だけど
つーか書き込み止まってる時点でもうデュルはダメだったことに気付けよ
>>110 いや、
お前まさに自閉症やアスペルガー症候群や注意欠陥多動性障害だから
>>115 >アスペ常用者
変な日本語ですね
それが日本語能力のないあなたの必死こいて考えた言い訳ですか
せめて「精神安定剤服用者」が日本語としては正しいのでは?
私が服用しているのは鼻炎薬ですけどね
更にあなたは自分が医者でもないのにその様な診断を行い、尚且つ自分が医者でもない事を隠蔽しようとしている
あなたにはコンサータ27mgを朝晩2錠ずつ服用することをお薦めします
>>116 だから荒らしにレスすんなってば
増長させるだけだっつの
【レスが遅くなって大変申し訳ありません】
【デュルフォニックさんの件についてかなり悩んでたのですが、やっぱりその能力はどう見ても度が過ぎてると思います】
【強敵が出るたびに、何でも分解したり溶解したりする刀で暴れられたらゲームにならないので、】
【キャラの削除ないし変更か、最低でも大幅な弱体化をして頂けるようお願い致します】
>>119 了解
では何時しか左腕不随にして「魔力の宿った」武器製造を終了させます
引き続き、「魔力を宿らせることが出来る」武器製造を開始します
弟子キャラ募集中です
帝国軍が現れればお父さんの伏線が書けそうです
すげえ!なにも伝わってねえ!
>>121 その
魔力を宿した武器 と
魔力を宿せる武器 の違いはなんなの?
後者の方が下手したら汎用性ありそうなんだけと
名無しがこんな口出しするのは差し出がましいと思うけど
彼にはTRPGの一般的な楽しみ方とパワーバランスという概念ついて
一から教えてあげないとどうしようもないように感じるよ
名前:トレドロ・ヴィ・スヴァータ
種族:ドワーフ
性別:男
年齢:23歳
身長:158cm
体重:87kg
容姿:頭が大きい、腕や脚が太い、筋肉質、髭面(総じて平均的なドワーフの特徴を備える)
服装:鉄に特殊な希少鉱物を微量に混ぜて練成した重装鎧、兜(多少の魔法耐性を備える)
性格:普段は強気だが、実は臆病な面もある
職業:傭兵、盾鍛冶
能力:我流盾闘法、盾の練成を主とする鍛冶術、鉱石の目利き
所持品:トレドロ式攻性武装盾「ガッツィ8」、簡易鍛冶道具一式、家宝のミスリル製金槌
概要説明:
代々名のある盾鍛冶として、ドワーフ族に名を知られてきたスヴァータ家の長兄。
しかし、弟たちよりも盾鍛冶としての才能に劣り、伝統の手法ではなくオリジナリティを求める節が強かった。
そのために家を勘当されて以降、傭兵をしながら究極の「攻撃にも使える盾」完成のため、日夜修行に励んでいる。
使っている装備は全て自身の手製だが、家出する時に盗み出したスヴァータ家宝のミスリル製金槌に頼るところが大きい。
備考:
※トレドロ式攻性武装盾「ガッツィ8」
トレドロが究極の「攻撃にも使える盾」の完成のために造り上げた試作品。
ガッツィ8の「8」とは、今までに改良や武装の追加・変更などを行っているという意味である。
一見するとただの大きな分厚いラウンドシールドだが、内部に複数の隠し武器を備えている。
しかし、未だその実態は「盾の形をした武器庫」に過ぎず、名前負けしている。
・投擲用ダガー(中から直接取り出して投げるが、何れ自動で飛ばすようにするつもり)
・ドワーフアックス(ドワーフ族が好んで使う戦闘用の斧、予備用含め2つ内蔵、やはり取り出して使う用)
・まきびし(撤退用や牽制などに使用、盾からの操作で自動でばら撒かれる、モノ自体は一般流通品)
・トレドロ砲(使用回数1度限りの切り札、ノームの魔力を凝縮した魔法弾を発射する)
※ミスリル製の金槌
スヴァータ家に代々伝わってきた魔法金属ミスリル製の鍛冶用金槌。
ミスリル純度100%であり、練成した武器に魔力を与えるとされる。
しかし、完全に力を発揮するためには使う者にも相当の技量が求められる。
トレドロ程度の力では、ごく僅かしか使いこなせない。
武装盾の機構やトレドロの鎧など、本来は彼の技量で製作できる代物ではないが、これのお陰で練成することが出来ている。
>>124 違いは
「使用者によるパラメータの変化」
宿済→不変(リミッターあるけど後者よりは使い勝手が良い)
宿可→使用者の能力値に比例(しかし、能力を使役する力が弱い者は能力を宿す段階で、己の宿した能力に喰われる可能性あり)
購入後は自己責任でお願いします
>>126 わぁい♪
弟子キャラだぁ弟子キャラだぁ弟子キャラだぁ♪
左腕不随の事故原因も増えそうだぁ♪
弟の如く可愛がってやろ♪
は?
誰がお前の弟子になるって言ったんだ?
>>128 名無しで悪いが、分かってないようだから言うわ。
問題なのは作れるか作れないかじゃなく、今持ってる装備があまりにもチート過ぎるって事だよ。
「何でも消せる剣」と「何でも溶かせる剣」とか、どう考えてもチートだから。
多少なら許容されるけど、こういう場では「相手も楽しませる」事を忘れちゃいけないよ。
おまえら両者ともいい加減にしろ
いつまでもごちゃごちゃとうるせーんだよ
おまえらが揉めてたらそもそも何も始まらんだろうが
>>130 では、「酸」は彼女自身が超高アルカリ溶液に落とします(phで言うと…15位かな?!)
形見は…破壊不能なので「分解された素粒子をもう一度何処かに組み立て直す」物を作らなければ対処法が無さそうです
もしくは「もう一本製造→互いに分解させ合う」
133 :
名無しになりきれ:2014/08/05(火) 23:03:31.61 0
>>132 形見ってなんで柄の部分は分解されないの?
触れただけで分解するなら手に持って戦うこともできないはずだよね?
【色々悩んだのですが、結論を言わせて貰います】
【デュルフォニックさんとまともなコミュニケーションをとることは不可能だと判断したので、勝手ながらここで追放処分とさせて下さい】
【それで今後の展開についてなんですけれど、このままコントレイルさんが彼女を撃退したことにして進めるか、】
【或いは
>>89の時点まで巻き戻すという選択も有りかと思うのですが、どちらがよろしいでしょうか?】
【他の参加者の意見も伺いたいです】
>>126 【歓迎です、よろしくお願いします】
【これからどうなるか次第なのですが、流れを見つつコントレイルさんの後から入って頂けると有難いです】
>>134 名無しの身で僭越だけど、今すぐ避難所どこかに作った方がいい
今後の話がすぐに終わらず、場が荒れる可能性が高いから
急いだ方がいい
すみません、曖昧な部分があったので追記・修正いたしました
よろしくお願いします
名前:トレドロ・ヴィ・スヴァータ
種族:ドワーフ
性別:男
年齢:23歳
身長:153cm
体重:87kg
容姿:頭が大きい、腕や脚が太い、筋肉質、髭面、スキンヘッド(総じて平均的なドワーフの特徴を備える)
服装:鉄に特殊な希少鉱物を微量に混ぜて練成した重装鎧、兜(多少の魔法耐性を備える)
性格:普段は強気だが、実は臆病な面もある
職業:傭兵、盾鍛冶
能力:我流盾闘法、盾の練成を主とする鍛冶術、鉱石の目利き
所持品:トレドロ式攻性武装盾「ガッツィ8」、簡易鍛冶道具一式、家宝のミスリル製金槌
概要説明:
代々名のある盾鍛冶として、ドワーフ族に名を知られてきたスヴァータ家の長兄。
しかし、弟たちよりも盾鍛冶としての才能に劣り、伝統の手法ではなくオリジナリティを求める節が強かった。
そのために家を勘当されて以降、傭兵をしながら究極の「攻撃にも使える盾」完成のため、日夜修行に励んでいる。
使っている装備は全て自身の手製だが、家出する時に盗み出したスヴァータ家宝のミスリル製金槌に頼るところが大きい。
備考:
※トレドロ式攻性武装盾「ガッツィ8」
トレドロが究極の「攻撃にも使える盾」の完成のために造り上げた試作品。
ガッツィ8の「8」とは、今までに改良や武装の追加・変更などを行っているという意味である。
一見するとただの大きな分厚いラウンドシールドだが、内部に複数の隠し武器を備えている。
しかし、未だその実態は「盾の形をした武器庫」に過ぎず、名前負けしている。
大きく重いため取り回しにやや難があるものの、大抵の物理攻撃や並みの魔法攻撃を防ぐことが出来るだけの強度はある。
・投擲用ダガー(中から直接取り出して投げるが、何れ自動で飛ばすようにするつもりらしい)
・ドワーフアックス(ドワーフ族が好んで使う戦闘用の斧、予備用含め2つ内蔵、やはり取り出して使う用)
・まきびし(撤退用や牽制などに使用、盾からの操作で自動でばら撒かれる、モノ自体は一般流通品と同程度)
・トレドロ砲(後述)
※トレドロ砲
ガッツィ8内蔵の武器の中で、最強の威力を誇る切り札。
盾の前面装甲が観音開きに展開され、砲口が現れる。
内蔵のタンクに蓄えたノームの魔力を凝縮し、強力な魔法弾として撃ち放つ魔導火器。
使用時は盾の内部が露になるために防御力が低下するという欠点があり、魔力の凝縮に時間が掛かるので何かと隙も大きい。
また、魔力の補給には魔法に精通した専門家の手を借りねばならず、実質使用可能なのは一度限り。
トレドロがほぼ趣味で搭載したものであり、実用性は低い。
※特製ドワーフ鎧
トレドロが着用しているドワーフ族が好んで使う重装鎧。
特殊な力を持つ希少鉱物を微量に混ぜた鉄で練成された特別製で、多少程度だが魔法耐性を持つ。
鎧としての性能自体は鉱物が強度を下げているため、純鉄製の純正品に比べてやや劣る。
※ミスリル製の金槌
スヴァータ家に代々伝わってきた魔法金属ミスリル製の鍛冶用金槌。
ミスリル純度100%であり、練成した武器に魔力を与えるとされる。
しかし、完全に力を発揮するためには使う者にも相当の技量が求められる。
トレドロ程度の力では、ごく僅かしか使いこなせない。
武装盾の機構やトレドロの鎧など、本来は彼の技量で製作できる代物ではないが、これのお陰で練成することが出来ている。
138 :
名無しになりきれ:2014/08/06(水) 00:16:56.88 0
ミスリルの金槌(笑)を何とかしろよw
それ使い方次第でチートじゃねえか
てんすくんキャラ変えてまで邪魔しようっての?
もうだめだここ
カルカFOで終了だな
めでたしめでたし
めでたくねえよ
従士のせいでまた崩壊だオラァ!
従士まったく関係ねえw
145 :
名無しになりきれ:2014/08/10(日) 23:18:05.17 0
なんかサイパンで時を止める能力が使いたいって長文抗議しまくった奴を思い出した
>>144 従士が監視してなかったら崩れてなかっただろう
従士監視してたの?
どこソースよ
―――私が目覚めたのは見知らぬ工房の中。
直前までその場に誰かが居たような気配はある。
理屈ではなく直観で気付いた。たぶんブレットね。コントレイル卿から逃げてこれたのかしら?
だけど本人は何故いないの?無理をしなきゃいいけど。
私はさっきの夢を思いだし、嫌な予感がした。
こうしちゃいられないわ!
《―――これは泥棒じゃない。借りるだけよ。
緊急時、庶民には火急速やかに貴族に物資を供給する義務があるのだからね!》
と自分に言い聞かせながら工房の中を物色。
部屋の正面奥、壁の高い位置に、この世の者とは思えない綺麗な女の人の肖像画が飾ってある。
サインが添えてあるわ。
《デュルフォニック=ディヴィス=ヴィリンドウ?》
女性みたいだけど、工房主かしらね?
肖像画の下に目をやると、幾つもの武器が金具で壁に固定してあった。
そのうち旧式のマスケット銃を手にとる。
ずしりと重いが、なんとか持てそうだ。
傍には何やら凄そうな剣やら槍やらが飾ってあったが、訓練を受けていない私が扱える代物ではないわね。
その点、猟銃ならたしなみ程度だけど経験あるから扱えるわ。
―――隣の暖炉に目をやると小箱が置いてあった。
もしやと思い手にとり開けてみると、地面に薬莢がばら蒔かれた。
どうやら猟銃用のロングライフル弾のようだ。
そのうちいくつかを無造作に掴みとり、腰のガンベルトに丁寧に挟み込む。
何かの足しにはなるかもね。
ほら、山道で獣が出てきた時に追い払えるじゃない?
「借りるわね」
―――続いて、足元に立て掛けてあった手頃なサイズの鉈を手に取る。
無理にガンベルトに押し込もうと奮闘するも、近くに鞘があるのに気付き、鞘に納めガンベルトに金具で引っかける。
―――工房主のものだろうか?
女性用のブーツがあったので拝借する。
サイズ的にはちょっとキツいけど、なんとか履けたわ。
これで準備完了!万全とまではいかないけれど、
取り合えず山道を歩く準備は出来たわ。
あと、馬でも居てくれれば最高なんだけど。
こんな山奥で贅沢はいえないわね。
―――工房の外に出る。外に出てはじめて気付いたのだけど、工房はブレットの家と同じく山奥にあるようね。なら、ブレットの家も近いのかもしれないわ。
「あの辺……かしらね?」
私が工房の外へと出た途端のことだった。
耳をつんざく物凄い音とともに、大地が大きく揺れた。
私はつんのめり、倒れそうになる。
私はなんとか体勢を整え、地面に片膝をついた。
足元の草にしがみつきながら様子を伺う。
―――地震?いえ違うわね。これは……!?
たぶん、樹が倒れる音?しかも断続的に!?
目で探ると、隣り合わせの山の斜面から濁った白い煙がもくもくと立ち上り、辺りをゆっくりと覆っていた。
鳥や獣がかなり騒がしい。どうやら、あの付近一帯から、生物が一斉に逃げ出しているようね。
いったい、何が起きているというの?
そうこうするうちに、また凄まじい衝撃が大地を震わせた。
私は地面に這いつくばり、草を掴んだ。
―――次の瞬間、私は思わず目を疑った。
私の目の前で、霧のような煙が晴れたかと思うと、森の一角が樹を地面に生やしたまま、森のままの姿で、一斉に斜面に沿って滑り落ちたのだ!
私はその森が完全にふもとへ流れ去るのを見届けるまで、目が離せなかった。
私はその一帯が崩れ去ったあとも、暫くの間、呆然として動けなかった。
先ほどまで豊かな緑の木々に囲まれた森であった山道が、まるで一本の土砂の滝のように変貌してしまった。
―――あそこは危険ね。近づかない方が利口みたいですわ。
私は安全な他の道を探ろうと、辺りをさ迷った。
試行錯誤をしながら、思考を続ける。
―――おそらくブレットは私を護る為にコントレイル卿と戦いにいったのね。
けれども、あの鎧には猟銃程度では相手にならないわ。
コントレイル卿の一方的な虐殺になる事は目にみえてるもの。
早く安全な道を探してブレットを止めにいかないと!
だが私は次の瞬間、踵を返し危険地帯に向け足を速めた。
―――考えてみればうかつでしたわ。
何故すぐに気付かなかったのかしら。
あの土砂崩れはどうみても、普通じゃないもの。
自然災害ではないのなら、あの土砂崩れはおそらくコントレイル卿があの強力な鎧の力で引き起こしたものか、或いは―――コントレイル卿を倒す為に、何者かが大掛かりな仕掛けを動かしたのに違いないわ!
ならばその罠を仕掛けたのは、単身卿を止めにいった――――地元の猟師であるブレットである可能性が高いじゃないの!
私が山をくだろうとした時、麓から何かがやってくる気配を感じた。
急に緊張が走る!
―――ブレット?それともコントレイル卿?
私はとっさに茂みに身を隠し、息を潜めて山道を見やる。
―――やって来たのは、荷物背に乗せたラバを引きつれ、自身もラバに乗る老人だった。
後ろのラバには自分の背丈の五倍はあろう荷物を山高に載せてある。
地元の農夫かしら?
私は安心し、ホッと息をついた。
「―――おんやぁ?誰かいるんかい。こっち出ておいで」
老人はのんびりとした優しい声で呼び掛けてきた。
私は観念して出ていくことにした。
「ごきげんよう」
「―――おんやま。こいつぁ驚ぇた。てっきり熊か何かと思ってたら人だったたぁな」
……別に、私だと気付いたわけじゃあ無かったのですね。
「ところで、こんなとこに何の用だいお嬢ちゃん?先生に逢いに来たんか?」
「先生?……ってどなたですの」
「あんた、先生知らんの?」
「―――ええ。知らないですわ」
「そこの工房の先生さぁね。かなりの美人さんよぉ」
「どなたかわかりました。坂の上の工房主の方のことですのね?」
「そうそう。おれはそこへ頼まれた品を持っていくとこさ。
―――で?あんた誰?何でこんなとこさ来た?」
「―――私は……」
その時、何かが崩れるような音がした。
「―――んだ、今の?」
「山が崩れて、土砂が滝のように流れ落ちているんですわ。
ご存知ありませんの?」
「―――はぁ?そうけ?おれぁ今来たばっかだからなぁ。あんたに言われてはじめて知ったわ。
でも、崩れたのそっちなら、ブレット坊やんちが心配だなぁ」
「ーーっ!?あなたブレットをご存知ですの」
「おら、ここらでずっと行商やってっからなぁ。
坊やんとこも、時々顔だすんだわ」
「お願いします!ブレットのおうちに案内していただけませんか!
あの方が心配なんです」
「―――アッー!?そうゆーことけ!あんたブレット坊やの……そっかそっかぁ。うんうん!そら心配だわなぁ。
ええよ、ええよ。おれが案内しちゃる」
名前:アンサラー
種族:ハーフエルフ
性別:女
年齢:100歳(外見年齢25歳)
身長:180cm
体重:70kg 102/67/96
容姿:黒いショートカット、青い瞳の三白眼、エルフ特有の整った顔立ち
服装: ホットパンツと半袖のシャツ、その上にノースリーブジャケットを着けている。金属製の手甲と足鎧を装着している、全体的にカラーリングは青で統一されている。
性格:大雑把、陽気
職業:剣士
能力:我流剣術
所持品: 五刃一対剣「ソードタイタン」
概要説明:
自身の名を世に轟かす為に、世界各地を転々としている女剣士
彼女の武器はデュルフォニックの父が手がけた物で、ブレッドやデュルフォニックとの面識がある。
五刃一対剣「ソードタイタン」は、その名の通り五本で1セットの剣で
構成はショートソード2本、ロングソード2本、グレートソード一1本となっている。
装備する場合は、ショート、ロングを両腰に一本づす差し、グレートソードは背中に背負っている。
魔力をこめることで組み込まれた魔術回路が発動し真の姿へと変貌するが、魔力体力の消費が激しく最後の切り札として周りには隠している。
人間とのハーフのため、純血のエルフよりも寿命が短く、同世代のエルフと比べるとかなり老けてみえる(ちなみに純血のエルフならば、大体外見年齢が15〜18歳ぐらい)
森の中、かつてブレッドの家があった周辺は、その面影すらのこさずに木も草も無い荒地と化していた。
「親父さんが使いこなせなかった物を抜くとか、つくづくアホな娘だな」
コントレイルの目の前に颯爽と現れた蒼い剣士の手にはデュルフォニックの『形見』が鞘に収まっていた。
その足元には疲れ果て地に伏すデュルフォニックとブレッドの姿がある。
「久々に帰ってきたと思ったらこれだ、なんかトラブルに巻き込まれたってところか
元凶は・・・大方お前さんってことでいいのかな?」
蒼い剣士はふてぶてしくコントレイルを指差した。
「おっと!名乗らないのは騎士道に反するか?私の名はアンサラー!『五剣士』アンサラーって言ったほうがピンとくるかな?」
もう期待してないから
さよなら
名無しになりきれをNG推奨w
地を滑るようにして放たれたコントレイルのフックを、襲撃者は右頬に受けた。
そのまま吹っ飛ぶ――しかし、空中で器用に身を反転させた彼女は足から地面へ激突してショックを殺した。
(身を浮かせてダメージを逃したか……!)
コントレイルのこの一撃は、体重200キロを超す羆の分厚い毛皮を貫き堅い筋肉をぶち撒けるほどの威力だ。
当然、生身の人間が喰らえば例え絶命せずとも20メートルは吹っ飛んで再起不能となるはず。
それが、たったの5メートルしか退かず、未だ戦意は十分ときた。
おそらく、こいつは人間ではない。
魔術適性の高い亜人種――容貌から見るに、天使か神兵の血が入ってる。
(神兵ならば相手にしたこともあるが……天使ならば厄介だな)
物理攻撃の有効な神兵種であれば大戦の頃何度か渡り合い、二三体ほど肉弾戦で葬ってきた。
だが天使種は戦闘経験がないうえに、飛行能力を持つため白兵専門のコントレイルとはすこぶる相性が悪い。
>「さて…お引き取り願おうか 命が惜しくないのであれば」
襲撃者が抜き放ったのは白無垢の小刀。
それを蝿でも払うかのように無造作にふるうと、刃に触れた側の巨木が跡形もなく消滅した。
「なんだと……!?」
コントレイルは驚愕の声を漏らした。
創傷から消失までコンマ数秒――ほんのちょっぴり傷をつけられただけで、巨大な木が消え去った。
コントレイルがこれまで目にしてきたあらゆる魔術を凌駕する破壊の能力!
>「こいつはあらゆる物体を素粒子レベルにまで分解する
俺の親父は何かの間違いでこいつを作っちまった 親父はこいつに分解されたよ……」
「本当に何の間違いで作っちまったんだそんなもん!」
間違いにも程がある。
毒を出す生物が、自分の毒で死ぬようなものだ。
そして、そんな親の仇とも言うべき代物を当然のように振り回すこの襲撃者もイカれている!
>「俺はこいつの破壊に全力を尽くしたが…不可能だった
せいぜい時間をコントロールする鞘での一時凌ぎしか出来ない それでも1ヶ月が限界だ」
(自分で扱いきれないものを持ってくるんじゃあない……!)
見たところ、彼女自身も強すぎる武器を持て余している。
だが、あの武器はただ振るうだけでも殺人級に強力だ。
敵の練度の低さは勝てる根拠にはならない。
>「さぁ、俺は無益な殺生は嫌いなんでね それに俺は優しい
その鎧をある程度破壊しておけば、向こうも深く追求しないって事だ
『向こう』が人間の心を持った者ならばの話だが」
「向こう?誰のことだ……?」
襲撃者は応えなかった。
>「それでも行くと言うのなら、喩え此処から750m圏外であろうと生命はないと思え」
物騒な小刀を腰だめに構え、襲撃者が地を蹴った。
コントレイルは腰部のパイプを全力で蒸かし、横っ飛びに回避。
ぶちまけられた乳白色の蒸気の中に襲撃者が突っ込み、分解された水が酸素と水素に転じて小爆発を起こす。
すぐ側にあった小岩を動力甲冑の主力で無理やり引き抜き、霧の向こうへ投げつけた。
襲撃者は再び小刀を腰の入っていない動作で振りぬき、小岩を難なく分解した。
「確か生存保障圏は……750メートルだったな――!」
どうする、退くか?
だが『彼女』の回収は最優先任務だ。
これを遂げずして都へ帰還することは、請け負った任務の放棄に等しい。
民間でもコントレイルは騎士だ。騎士には矜持がある。
「俺も命を張ろう……!」
コントレイルは足のパイプを蒸かして跳躍した。
空中で更に噴射を行い姿勢制御、襲撃者の眼前へと高速で着地する。
手前の地面へ、思い切り右足を突き立てた。
同時、出力全開で逆噴射。
巨体の慣性と蒸気の噴射、二つの威力を総身に受けた手前の地面は容易く砕け散り、爆裂。
地面を構成する土と石と草と水が、瀑布の威力をもって前方へとぶち撒けられた。
「この土石流の一つ一つを分解できるか!?」
だが襲撃者もさるもの、器用に身をひねり、迫り来る土石流の大部分を飛び越える形で回避。
避け損なった土砂へ小刀をつきたて、強制的に『分解』して隙間をつくり、自分の身体をそこへ捩じ込む。
結果、ほんの少しのかすり傷を追わせただけで、襲撃者は渾身の土石流を避けきった。
かわされた土石流はブレットの棲む小屋へと殺到し、半壊状態だった小屋にトドメをさす形で押し流していった。
襲撃者が地面へと足をつける、その瞬間。
「ここだ!」
コントレイルの蹴りが、襲撃者の手元に炸裂した。
狙ったのは、小刀の『柄』の部分。分解の力の及ばぬ唯一の場所。
「手に握って振り回せるということは……ここの部分じゃ分解できないってことだよなァ!」
足甲の一部が刃に触れて大きな穴が空く。
同時に、襲撃者は手首をおお振りの蹴りでぶち抜かれ、握っていた小刀を手放した。
宙へとかちあがった刃は、周囲の景色を反射させながら放物線を描き――
>「親父さんが使いこなせなかった物を抜くとか、つくづくアホな娘だな」
シャコン……と小気味いい音を立てて、待ち構えていた鞘の中にするりと収まった。
鞘を持つのは、月光を双眸に映す一人の女だった。
手足を覆うのみの蒼い軽鎧、美しく揃えられた短髪、霊厳とした青の両瞳。
その腰と背には累計五振りの種々様々な剣を携えた――剣士。
長耳種の亜人の血を宿しているのだろう、超然的な美貌を備えている。
>「久々に帰ってきたと思ったらこれだ、なんかトラブルに巻き込まれたってところか
元凶は・・・大方お前さんってことでいいのかな?」
剣士は青の瞳でこちらを睥睨している。
「いや、この惨状の殆どはそこの天使がやったことだが……」
件の襲撃者は、小刀を手放した時点で集中力が切れたらしく、芝生の上で臥せっていた。
剣士はこちらの話を一切耳に入れず、悠然と指を差してきた。
>「おっと!名乗らないのは騎士道に反するか?私の名はアンサラー!
『五剣士』アンサラーって言ったほうがピンとくるかな?」
コントレイルは鎧の中で目を見開いた。
アンサラーとやらが名乗った『もう一つの名』に、覚えがあったからだ。
「五剣士……!ソーサリオ戦役の英雄じゃないか――!」
コントレイルがまだ十代後半の頃に参加した戦で、その姿を見たことがある。
酷い戦場だった。戦端が開かれたのは広い河を挟んだ両陣で、多くの水軍が投入された。
水上戦は敵以上に限られた物資との戦いだ。
戦闘用の船には最低限の装備しか積めない。砲台や全身甲冑などもってのほかだ。
コントレイルは水精霊の加護を受けているために単身で渡河することができたが、
友軍も敵軍も軽装での戦いを余儀なくされ、敵軍――水棲種の亜人の独壇場となった。
こちらは火薬を使う銃器などが軒並み作動不良を起こすのに対し、
敵亜人は水中においては攻撃の届かぬ深度へ紛れ、船上では無防備の相手に一方的に攻撃できた。
作戦に投入されたのは、民間騎士を始めとした使い捨ての傭兵たちだ。
彼らが敵の猛攻に晒されている間に本隊の施設部隊が河に橋を施し、一気呵成に攻め入る算段だった。
コントレイルは敵亜人を動力甲冑で殴り殺しながら、終わりのない戦況に次第に疲弊していった。
血と死体混じりの不潔な河の水では水精霊が満足に動かず、やがて甲冑は沈黙し、死を待つだけとなったその時。
五振りの剣を持つ剣士によって戦は大きくその傾きを変えた――形成を逆転したのだ。
五剣士が敵将を単身打ち取り、その首級を友軍の旗に突き刺して掲げたとき、彼は女神をそこに見た。
慈愛など欠片も持たぬ、苛烈さと清廉さのみを司る戦女神……。
あのときと同じ姿と、同じ名を持つ女剣士が、目の前にいる。
「その節には世話になったな……!だが、今日は貴様と敵対する者として名乗ろう。
――我が名はコントレイル!今は爵位なき民間騎士だ……!!」
アンサラーの足元に転がっている、気絶したブレットを見る。
こいつを早々に縛り上げて『彼女』の居場所を聞き出さねばならない。
そして、アンサラーは明確にブレットを守護する立ち位置にいる。
「武人として手合わせ願おう」
コントレイルは背嚢の下に増設された武装コンテナを開き、中から筒状の装備を取り出した。
右腕のハードポイントと接合させれば、パイプからの動力供給も万全。
蒸気の力によって高速で杭を打ち出す、携行型の破城槌だ。
鉄板と樫の木でつくられた分厚い城門を、こいつで何度もぶち破ってきた。
「参るッ!」
背部から大量の蒸気を吹き、加速したコントレイルはその勢いそのままにアンサラーへ向けて右拳を打ち出した。
ふてぶてしい態度とは裏腹にアンサラーは目の前の敵を観察する。
「(一見するところ重装騎士に見えるが・・・あの蒸気から察するにあの鎧は動力甲冑ってところか
もしそうなら、この二人には荷が重過ぎたな)」
過去の産物となりかけている動力甲冑ではあるが、その脅威は未だに衰えていない
それだけではなく動力甲冑単体だけでも厄介なのに加え、それの担い手の大半は
>「五剣士……!ソーサリオ戦役の英雄じゃないか――!」
戦闘経験豊富な古強者が占めているということだ。
たとえどれ程頑強な装甲があっても、どれほどの馬力を有していても経験の浅いものが装着すれば、十二分に性能を発揮することが出来ずに死んでゆく
その残酷なふるいの中で担い手達は自身の腕を研磨し、今日に至っている。
おそらくは目の前にいる敵もその一つだとアンサラーは確信した。
「へぇ・・・中々シブいチョイスじゃないか」
そう言葉を漏らしながら、これまでの戦闘経験と目の前の敵を照らし合わせる。
>「その節には世話になったな……!だが、今日は貴様と敵対する者として名乗ろう。
――我が名はコントレイル!今は爵位なき民間騎士だ……!!」
コントレイルと名乗る民間騎士は自身の名乗りを済ませると、アンサラーの足元にいるブレットに視線を向けた。
「(どうやら奴の目的はコイツのようだな・・・引き付けている間に逃げろと言いいたいとこだが、まだ動けそうにもねぇか)」
「解せないなぁ・・・傭兵もどきが何の目的でしがない狩人なんか相手にしてんだ?」
そう言い返しながら、アンサラーは手にしていた『形見』を放り投げた。
リスクは大きいが絶大の威力が約束された武器、それを投げ捨てる理由はただ一つ
「邪魔」
こんな矛盾と問題を抱えた武器、ぶっちゃけ存在すること自体間違えている。
いっそ【このまま『形見』が自身の力で分解されこの世から消えてなくなった】ことにしてしまったことにしよう。
ということで、デュルフォニックの『形見』は力に耐え切れず消滅した。
それっぽいの理由をつけるなら、血縁者以外の者が触れたことにより自壊の術式が発動し、『形見』の能力によって『形見』が跡形も無く分解されたと書き足せば最もらしいだろうか?
その間に、コントレイルは自身の武器である破城槌を装備し、本気で戦う準備を済ませた。
「いいねぇ〜相手になってやろうじゃないか」
一方アンサラーはどの剣にも手をつけず無手のままだ。
間髪を入れずにコントレイルが動く、蒸気を噴出し轟音を轟かせてアンサラーめがけ拳を突き出す。
下手に受ければ拳による打撃に加え破城槌による追撃によって致命傷を食らうことは明白だ。
とはいえ、避けてしまえばブレットが無事では済まされない。
アンサラーの選択は―――攻めだった。
突き出された拳をコントレイルの懐に入るように交わすやいなや、突き出した腕に自身の腕を絡ませた瞬間、それを巻き込むように回転する。
アンサラーに向けられていた突進力はその一瞬で地面へと向きを変え、慣性の法則と骨格の妙によってコントレイルの体は本人の意図していない方向へ吊り上げられていく
そして、コントレイルは『投げ飛ばされ』た。
「東洋の国へ言ったことはあるかい?私はあるぜ」
投げ飛ばされたコントレイルに向かってアンサラーは自信満々に話す
「今のは東洋の『柔術』っていう格闘術でな、主に【甲冑をつけた】相手とやりあうのを前提として考えられた格闘術だそうだ
あんたみたいな力自慢にはいらん技術だろうが、私のようなか弱いハーフエルフにはうってつけって分けだ。騙まし討ちみたいだが無手で戦い術も剣術の一つなんでな」
そうコントレイルに向かって話しながら、アンサラーはブレットを引きずってこの場から離そうとする。
【コントレイルを一本背負いで投げ飛ばし、ブレットを戦いの邪魔にならないところへ引きずって行く】
コントレイルは、自分の体が宙を舞っていることに気付くのに、たっぷり二秒を要した。
理由は単純、ありえべからざることだったからだ。
言うまでもなく、己の身体は重い。
鉄板どころか鉄塊と言って良い分厚さを誇る鎧が全身を覆っていて、大人を一人背負っているようなものだ。
だから、どんなに頑張ってもコントレイルは垂直方向に跳躍はできないし、段差を降りるのにも土木工事が必要になる。
ましてや、一秒以上の長時間にわたって空中で放物線を描くなど、これまでの人生で経験したこともなかった。
>「東洋の国へ言ったことはあるかい?私はあるぜ」
眼下、アンサラーがこちらを見上げて不敵に微笑む。
>「今のは東洋の『柔術』っていう格闘術でな、主に【甲冑をつけた】相手とやりあうのを前提として考えられた格闘術だそうだ
あんたみたいな力自慢にはいらん技術だろうが、私のようなか弱いハーフエルフにはうってつけって分けだ。
騙まし討ちみたいだが無手で戦い術も剣術の一つなんでな」
受けた技の解説を聞きながら、コントレイルは必死に頭を回転させていた。
柔術とやらは対甲冑の戦闘術として凄まじく練り上げられている。
なぜなら、この一瞬の攻防で、きっちりコントレイルを頭が下になるように放り投げていたからだ。
このまま頭から落ちるのはマズい。
甲冑自体は地面に叩きつけられたってどうってことないだろうが、中の人であるコントレイルは別だ。
首の部分は動きに干渉しないよう鎖帷子で覆ってあるのみだ。
つまり、丈夫な鉄板で支えられていない。
頭から落ちれば、100キロをゆうに超える首から下の全重量を、首で受けることになる。
鍛えてあるコントレイルとて、そのすさまじい衝撃加速度には到底耐えられまい。
「く、ならば……!」
水精霊を全力で稼働させ、背中から蒸気を吹き出した。
推進力を得た身体は空中でくるりと回転、板金甲冑は頭からではなく背中で地面と接触した。
ドズン……!と眠っている小動物を根こそぎ起こすような鈍い音とともに、
背の低い草と土しか残っていない山小屋の周囲の地面がたしかに揺れた。
「が、は……!」
背中を強打してコントレイルは息ができない。
肺の中身が丸ごと奪われて、すさまじい激痛が身体の内部から発生する。
不可避の行動不能時間、アンサラーは追撃をせず、足元のブレットを脇へ放ることで戦闘から遠ざけた。
おかげでコントレイルはなんとか身体を裏返し、息も絶え絶えに立ち上がることができた。
「東洋の国、か……話だけには、聞いたことが、あるな……」
貴族としての教養の一環で、大陸の外のことも多少の知識はある。
それは地理的なことだけではなく、軍事教練としての知識もまた然りだ。
「たしか、『柔よく剛を制す』なんて言葉があるんだったよな。
貴様の扱うその技が、まさに剛の者たるこの俺をいなし、制す、まさに体現者というわけだ」
コントレイルは膝を曲げ、手甲の指の部分を蒸気の膂力で地盤へと突き刺す。
「だが、その言葉には続きがあったはずだ――『剛よく柔を断つ』となァーーーッ!」
威勢とともに引っ張りあげたのは、土の下にある地盤、すなわち地面そのもの!
切り取られた地盤はまさに津波のごとく、土と岩を伴ってアンサラーを飲み込まんと迫ってくる。
「人間以外の突進し柔術とやらが通じるかッ!?」
老人はラバの背にある荷物を工房に置いてきてからでないと捜索にいけないと頑なに主張した。
私は急いでブレット捜索にのりだしたかったが、道案内が居なければ山道で迷いやすいことも山狩りの経験として知っていた。
そこで、今は迷う時間も惜しいので老人を急かすことにした。
山頂に近い工房にラボが着くと、老人はのそのそとラバをおり、ラバから荷をおろし始めました。
私も手伝おうと申しましたが老人は、
「急ぎなんだべ?お嬢ちゃんは大人しう待ってな」とすげなく断られました。
プライド的にカチンときたので、こっそり手伝ってしまえと老人の運び入れ作業の合間に地面に置いてある荷物のひとつを持ち上げようと頑張ってみましたが、重くてうんともすんともいいません。
気が付けば、老人が興味深げにニヤニヤと見ていました。
「もうしめぇかい?」
私は顔がカーッと熱くなるのを感じた。
―――それからは老人の作業を邪魔することのないよう、空を見ながら暫くボンヤリしてました。
その間にも、向こうの山の方では、木が倒れる音や、金属が合わさるような音が絶え間なく続いていて気にはなってたんだけど。
気のせいか、さっきよりも激しいような……。
しかし、焦ったって、何かできるわけでもなし。私ひとりじゃなんにもできないし。
私はただ、何も考えないように努めるようにして空を眺めることしかできなかった。
―――こんな時でも、空は青く澄みわたり、鳥が旋回しているのね。鳶かしら?鷹かしら?
「―――いっ!?」
――――突如、背中に生暖かい息が吹きかかり私は本気でびっくりする。
恐る恐る振り向くと、さっきまで放し飼い状態で草を食べていたラバの片割れが私の頭のベールを軽く食んでいた。
「こ、こんなの食べたらお腹壊しますわよ!?」
そのタイミングで、近くで物凄く大きな音が鳴った。
キョロキョロするが、ラバの鳴き声とは違うらしい。
それを聴いた老人が一端手を止め、手にバスケットを持ってやってくる。
「腹へってんのけ?よかったらこれ食いな」
そういわれて、はじめて私は自分お腹の音だったことに気づいた。
私は顔を真っ赤にしながら必死に抗議した。
「―――お心遣い、傷みいりますが……い、今のは私のお腹の音ではありません!たぶんラバさんのですわ。
それより、急いでいただけませんかっ!?」
別に優先してブリットを遠ざける必要は無かった。
衝撃で悶絶しているところに追撃をかけ、そこで止めをさせばいいだけのところをやらなかったのは、武人としての矜持からか、それとも
「(別にこんなところで命の取り合いなんざしなくたっていいだろ)」
乱雑にブレットを降ろすと視線をコントレイルのほうへ向けた。
なんとか立ち上がったコントレイルを目の当たりにして、アンサラーはそうなると知ってたようににやける。
「話だけじゃなく一度足を運んでみるのをオススメするぜ、まぁ近代化が進んで多少様変わりしちゃいるがな」
そう話ながらアンサラーはまた無手のまま構える。
手の内を晒してしまった以上、先ほどのようなカウンターは期待できないだろうが、コントレイルの戦い方、装備では否が応でも接近戦に持ち込まなくてはいけない。
あえて得物に手をかけないのは、このジレンマをコントレイルに与える為だ。
このままでは敵わないと思わせ撤退させるなどという生易しい幻想には毛ほども期待していない。
期待しているとすればそれは、この状況をコントレイルがどう打破してくるかという答えのみ
武人としての好奇心が抑えられずに思わず獣じみた笑みが浮かぶ
そして、コントレイルは解答を出してきた。
津波のように迫る土と岩の波を眼前にして、次はアンサラーが思考を回転させる。
「(凄まじいが・・・恐らくはコイツは布石だ。これで視界と注意を断って、その隙に接近してドン・・・よくある話だな)」
長い一瞬の中、アンサラーはコントレイルから視線を逸らさずに考えを巡らせる。
「(それが狙いなら、後と左右への回避とこの場でいなすことのはアウトだ奴の鈍重さを考えるに、ベストなのは・・・上)」
岩が徐々にお互いの視線を遮っていく、お互いの視線が断たれた瞬間が勝負の分かれ目になるとアンサラーは意気込んだ。
一つの蒼い影が波を飛び越えた、視線を向けたのなら、それはアンサラー本人ではなく
着用していたジャケットと背中に差していたグレートソードであることがわかるはずだ。
「やっぱり狙いはそっちだったか?」
間髪を入れず、アンサラーは土煙を切り裂いてコントレイルに肉薄する。
〈視線が断たれた一瞬、アンサラーは上方への回避を行わずに囮としてジャケットとグレートソードを投げた。
あえて、その選択をした理由は一つ、空中では攻撃の回避、および柔術による反撃が行えないということ
コントレイルの真の狙いが空中への回避だった場合アンサラーに勝ち目はないのは明白だ。
それゆえに囮つくり注意を逸らして、自身は波の中へ飛び込んでいく
体を縮こませ当る面積を減らし、最小限の動きで大小の岩石を交し波を抜けることで、即座に反撃の態勢を整えた。〉
瞬間、アンサラーは両腰のショートソードを抜き、コントレイルの頭部を狙って斬りつける。
斬撃による外部ダメージが狙いではなく、衝撃による内部へのダメージが目的だ。
わずかの差ではあるが左右の剣を振るうタイミングをずらすことで衝撃を増させている。
コントレイルの引き起こした地盤津波が、対峙するアンサラーの矮躯を容易く飲み込む。
これで仕舞ではないだろう。彼女は必ず回避する。そうなるように、隙間を作って津波をぶち当てた。
(さあどちらに避ける?右か?左か?それとも――)
甲冑のスリットの向こうで、大剣を背負った人影が飛び出した。
それは津波に対して右でも左でもなく。
「やはり上空(うえ)だよな、貴様なら!!」
津波を飛び越えるようにして剣士の姿が翻る。
コントレイルはそこまで読みきっていて、既に迎撃の手を打っていた。
右腕に接続された、蒸気圧式の破城槌。
リーチに乏しい【トラクションエンジン】において、唯一中距離へ打撃が可能な武装である。
彼は右腕を掲げ、パイプのダイヤルをひねって蒸気の供給ルートを変更し、外部武装へ動力源を繋ぐ。
狙いは簡易照準だが、この距離ならば目視でも十分当たる。
「穿て――!」
ボヒュ……!と強烈な気圧の変化による膨張音を伴って、鋼鉄製の破城槌が射出された。
要塞の城門を何度も破壊した信頼あるコントレイルの必殺武装は、狙い過たず剣士へと届き、貫いた。
貫いたが――手応えがない。
「デコイだと!」
土飛沫の向こう、破城槌に貫かれ洗濯物のように下がっているのは、蒼に染まった外套。
アンサラーが着ていたジャケットに、更に大剣が括りつけてある。
こちらの視界が兜によって制限されていることを利用した、囮だった。
「ならば本物はどこに――」
コントレイルはすぐに驚愕から立ち直り、津波の左右を警戒する。
上にデコイを投げた以上、反撃が来るとすれば、津波を左右どちらかに回りこんで来るはずだ。
そして、その回り込みに要する時間は、コントレイルが迎撃の手はずを整えるのに十分だ。
極端な話、伸ばしたままの破城槌をそのまま振るえばそれだけでも十分な打撃になるのだ。
>「やっぱり狙いはそっちだったか?」
だが――アンサラーはそのどちらも選択しなかった。
彼女が選んだのは、津波を突っ切って――真っ直ぐこちらへ至るルート。
一軒家を倒壊させるレベルの土石流を、あえてその中に突っ込み、切り開いてきたのだ。
なんという精緻にして烈速なる剣術!
致命傷を前に退かぬ豪胆さと、それを裏付ける己の技術に対する絶対の信頼!!
正面からノータイムで肉迫されたコントレイルに、迎撃を行う猶予は残されていない。
既にアンサラーは腰の二刀を抜き放ち、両翼から挟み込むように打ち込んできた。
コントレイルは間近でその美貌の剣士と目を合わせて、観念したかのように言った。
「"蒼の剣士"――見事なり……!!」
刹那、右から叩きこまれた衝撃が、左の一撃で増幅され、頭蓋をこれでもかと揺らされたコントレイルは失神した。
衝撃で、彼が首元から提げていた方位磁針――"彼女"の持つ『杖』の位置を示すアイテムが地面に転がる。
全身甲冑が仰向けに倒れこむ衝撃と音は、眠りかけていた森を再び起こすのに十分であった。
騎士コントレイルの方位磁針が微妙に揺れ動く。
指し示すのは方角ではなく金属製の得物だ。
――――その方角に、私はいた。
位置を知られていることも露知らず、私は妙な義務感のみで金属製の棒を棄てきれずにいた。
私は山道でラバを駈り、老人の案内でブレットの家を目指していた。
移動中の会話で老人は始終のんきだったが、それは単に事情を知らないからであることがわかった。
老人が言うには安心材料も重なっていた。
ブレットの両親が造った土砂の崩れを留める為の土留めがあり、家まで崩れることはあるまいと思っているのがひとつ。
あと、ブレットはプロの猟師なので、ド素人とは違い山に関する感覚が鋭く、崩れそうな予兆があるなら必ず察知するはずだから事前に避難してるはずだというのがひとつ。
極めつけは、ブレットが良い子なので敵が攻めてくるという発想が全くないということだ。
山奥で争う物好きもいまいという先入観も手伝った。
私は説明を試みようとし…やめた。
どうも老人は平和に慣れきっている。
争いの渦中に飛び込む事を告げるや、案内途中で逃げ出してしまうやもしれない。
そうなれば私はブレットを救うのが間に合うまい。
(説明するのは道筋を見付けてからで充分よね。)
そこまで思考してから、自分がおかしなことを考えてる事にやっと気付いた。
(ブレットを……救う?私が?)
私は自分でも、何を考えてるのかわからなくなった。
(私なんかが行ったところで、はたしてブレットを救えるのだろうか?)
勢いで銃を持ってきてしまったが、正直なところ私の銃の腕は不確かだ。
そもそも、貴族の狩猟はブレットのようなプロとは違い、独りでするものではない。
それぞれの分野別のベテランがいて、チームプレーで獲物をしとめるのだ。
かくいう私も、幾度か狩猟に参加はした。
だが先ず、馬で編隊を組むのが狩りの前提条件だ。ここからして違う。
獲物の巣穴を見つけ追い出す係、獲物を囲む係、獲物を追い込む係、獲物を仕留める係をそれぞれを経験値で割り振り、猟犬も使ってたった一匹の獲物を仕留めるのだ。
私のやった事など、猟犬に追われ飛び出してきた哀れな獲物の前でベテランの合図と同時に皆で一斉に引き金を引く…ただそれだけのことだ。
その場では、誰の銃弾が獲物を仕留めたのかすら定かでは無いのだ。
(―――その後、パーティの席でシェフの手により御馳走に化けた獲物に興じつつ、今日の獲物を仕留めた手柄は誰の物かをみんなで侃侃諤諤に推理し合うのが狩りの一番の楽しみなのですがね……)
つまるところ、私は銃は撃てるが至近距離でしか当てたことはないのだ。
(でも、いざとなれば撃たねばなりませんわね…)
勇敢なブレットの顔を思いだし……次にコントレイル卿の顔を思い出した。
私は現在記憶をなくしている。
自分が何者か、本当のところはまだ何もわかってはいない。
だが、高貴な貴族であることも、貴族としての生活も覚えているようだ。
結局、覚えていないのは自分が何者かということと、それに列なる部分だけみたいだ。
それが証拠に、家族や親戚の、顔も名前も思い出せない。
そこでとある可能性にぶち当たる。
もしや、思い出せないだけで、あのコントレイル卿は私の親類筋か何かかもしれない。
そう考えると、彼と争う事に急激な虚しさを覚える。
それでも、今日見た夢が確かならば投降するのは問題外だ。
けれども、彼は雇われた刺客に過ぎない。
別に個人的に彼に恨みがあるわけではないので、なんとか戦わずに済めばそれに越したことはない。
……だが、その一方でこうも思う。
(――――もし、ブレットが既に殺されてたとしたら…私は彼を殺したくなるでしょうね…)
好きとか嫌いとか…そういう次元の話ではない。
なぜならブレットは、よすがのない私にとって、記憶の始めにいる頼るべき存在だからだ。
暫くラバに揺られ……背後から何者かに追跡されている事に気付いた。
(……誰かしら?)
ラバは人の足よりも遥かに力強く早い。
となれば、恐らく相手も徒歩ではないのだろう。
捕まるわけにはいかない。
こうなった以上は計画を変更せねば……。
「ハイヤーッ!」
私は思いっきりラバの尻を叩く!
だが、ラバは神経が鈍いのか……はたまた叩き方が弱かったのか、全く動じずただ黙々と先導する老人に従っている。
私は思わず激昂した。
気が付けばカルカ棒を手にとりラバの尻を思いっきり叩いていた。
するとどうだろう!?
ラバは仰天したのか前を行く老人のラバを抜き去り、ラバとは思えぬ凄い速度で山道を下りはじめたではないか。
「……な〜んだ。最初っからこうしていればよかったわね!」
「・・・私もまだまだだな」
倒れたコントレイルを見ながらアンサラーは呟く
「まいった言わせるぐらいで十分だってのに気絶させちまったら話もきけねぇじゃねぇか」
愚痴るようにそう言葉を漏らすと、先ほどデコイとして投げた上着と剣を拾い、先ほど木陰においていたブレットの元へ行こうとした時
アンサラーは何かを蹴飛ばした。
「?」
蹴飛ばしたものを拾い上げるとそれはネックレス方の方位磁針だった。
「・・・妙だな?この山が庭みたいなブレットがこんなんつけてるとは思えないし、あのアホにいたっては空を飛べるから関係がない
となると、コイツの持ち物か?」
一瞬倒れているコントレイルに視線を向ける
「方位磁針にも見えるが・・・針が動いているな、何かしらの対象に向けられているのか」
ゆっくりと動く針を見ながら、アンサラーはそう仮定付けると、それをポケットにしまった。
「まぁコイツは後でいいか」
そう言ってアンサラーはまずデュルフォニックを蹴り起こすとさっさと自分の家に戻ってベットと風呂の用意をしろと指図し
ブレットに肩を貸してデュルフォニック宅へ歩き始めた。
次ダレなん?
a
先ほど、休眠をとった際に、私は記憶の一部を取り戻していた。
――――それは王家を交えた、貴族のティーパーティーでの出来事。
記憶の中で私がプリンセスと愉快に歓談していると、突如銃声が轟く。
状況が不確かで、不安な憶測が飛び交う中、プリンセスは浮き足立つ私の手をそっと手にとり御自身の胸に押し当て、柔らかに微笑まれた。
その鼓動は平常通り、微動だにしていなかった。
プリンセスはメイドに紅茶を淹れさせ、毅然とした態度でカップをとりつつ、こう仰有った。
「大丈夫!彼らがいます」
気が付くと、周囲には既に、ロイヤルナイツの重騎士(ヘビィナイト)の一団が展開していた。
プリンセスの彼らへと注ぐ瞳は力強く、厚い信頼感に充ちていた。
「皆様、御安心なさい。
ロイヤルナイツがガードしてる以上、私たちは傷ひとつ付く事はありません。
事件もすぐに解決するでしょう」
まるで確定事項のようにそう言い切りながら、紅茶にそっと口づけるプリンセス。
そして実際……事件を終えてみれば、まさにその言葉通りであった!
ロイヤルナイツは敵の全ての銃弾を受けきり、尚も健在!!
彼らは敵の銃撃が一旦止むや否や、迅雷の如く駆け出し、瞬く間に敵を殲滅した。
彼らに保護されていた私の観点からは、全てを知る事は不可能ではあったが、見てとる事の出来た限りでは凄まじきものがあった。
――――ある騎士は、高い塔の上から狙撃する敵に対し、かなり離れた距離から振りかぶり、巨大な槍を投射した。
敵は塔ごと崩れ去った。
――――またある騎士は、敵が集団で放つ魔法の熱線を右に左に交わしつつ、一瞬で敵に肉薄、抜き放った大剣のたったひと振りで4、5人纏めて叩き切った。
――――またある騎士は、敵のひとりをぞんざいにつまみ上げ、弾丸の如く撃ち出した。
敵の集団は指で弾かれたチェスの駒の如く無様に転がった。
――――事件の片がついた頃、プリンセスはちょうど紅茶を一杯飲み終えたところだった。
まさに一騎当千!
敵に廻せば恐ろしいが、味方であればこれ程頼もしい者たちはいない。
コントレイル卿はそんな彼らと似通った空気を持っていた。
もっとも……コントレイル卿のあれは独自にカスタマイズされた特別製なもののようなので、実力云々は較べようもないのだが……。
ともあれ、いったん走り出したラバは速かった!
迫り来る灌木を右に左に避けつつ、まるで落下しているかのような勢いで山道を掛け降りる。
実際、幾度となく高い段差から飛び降りた。
その度に、私はふるい落とされぬようラバの首に必死にしがみつくのだった。
そうこうするうち、気が付けば斜面がなだらかになっていた。
片手を手放す余裕が出来たので、背後に神経を配ってみる。
するとどうだろう、あれほど迫ってきていた追っ手の気配が綺麗さっぱりと消えていた。
私はホッと一息つくと、手綱を強く握り、次いで手綱を弛めるという動作を繰り返すことで、ラバに速度を落とすよう指示を出す。
ラバは徐々に速度を緩め、やがて徒歩となった。
――――取り合えず追っ手は巻いたみたい。
でも、ここにいるのが追っ手にバレた以上は見付かるのも時間の問題ね。
今のところ不安要素ばかりではあるが、あの工房で少し休んだせいか記憶が戻り掛けているのを実感している。
ブレットの無事を確かめたら、挨拶もそこそこにすぐさま逃走を図る他あるまい。
目下の幸い、私はひとりだけ、頼るべき人物を見い出していた。
プリンセスだ。
あやふやではあるが、私が思い出した記憶の断片によれば、私はこの国の高位の貴族階級の出身で、しかもプリンセスとはかなり親交があったみたい。
プリンセスにさえ逢えば、少なくとも私が何者かぐらいはわかるだろう。
何とかして、私の婚約者たる伯爵に気取られずにプリンセスとコンタクトをとらねばなるまい……。
私が敵の手の内に掛かれば、我が祖国は再び戦乱の時代へと舞い戻ってしまう。
細かな記憶が定かではないので、何故そう思うのはよく分からないが、やたらと確信があった。
女の勘って奴だろう。
不意に目に陽光が差し込み我に返る。
今、下方から光が差したような気がしたが……きっと木洩れ日が朝露にでも反射したのだろう。
何気なく空を見上げると、山頂から土砂が崩れてきているのが見えた。
――――そうか。いつの間にやら、現場の梺まで来ていたようね。
ここまで来ればあと一息ね!
ブレット……無事でいて!
《幕間》
その頃、梺の無限軌道上では、蒸気機関車を本部とする公女追跡の為に編成された一個小隊が陣どっていた
そこでは特殊な方位磁針と望遠鏡により、公女と周囲の人物とを観測していた
責任者である小隊長は、部下に夜目の利く者が居ないが為、夜間の業務は夜目が利くという外部委任という形のコントレイル卿に委せてはいたものの、明け方、日が差してからは、捜索活動を再開していた
「ふぅむ。よもや、小娘ひとりにこうも手こずるとはな……」
小隊長がヒゲを弄りながらひとりごちていると、物見のひとりが慌てて駆け込んできた
「小隊長どの。御報告致します!
一時見失っていましたが、“彼女”は顕在のようです」
「……であるか。
ところで、コントレイル卿の様子はどうだ?」
「動きはありません」
「確かなのか?」
「はい。目下、沈黙したままの模様です」
「あのコントレイル卿の事。止めさえ刺されてさえいなければ、存命であろう
手の空いてる者に、直ちに卿の回収に向かわせろ!
ふぅむ!それにしても、五剣士アンサラー!
何とも厄介な相手よな!
あのような名だたる剣士が、このような片田舎に在るとは……
既に破れたといえ天使も気になる…
ところで、ドラゴンフォースの連中からの連絡はまだか?」
「は」
「ふぅむ…不気味な奴らよ。
連中、何を考えておる?なぜ、さっさと公女を回収せんのだ?
貴奴らは伯爵の手飼ゆえ、よくわからん」
「連中は目下、"彼女”を追跡中のようです」
「貴公、貴奴らを視認できるのか?
わが輩には貴奴らが風景に溶けてしまい、何が何やらわからんのだが?」
「私は監視するのが仕事ですからね
魔法でいくらかき消えようが、風景までは誤魔化せませんよ
それに奴らは巨大な竜馬(ドラゴンホース)に乗ってますからね
奴らの通った後には馬の蹄跡が残ってますよ
奴らもプロですから、よく見ないと判りませんがね……」
「わが輩には皆目見当もつかんがな」
「そこは私もプロですから」
「そういうものなのか……なら、貴公は貴奴らと連絡がとれるのだな?」
「いつでもという訳には参りませんが、一応はとれる筈です」
「……であるか。
必要あらば貴公に貴奴らへの連絡を頼む事もあろう。
では、引き続き観測を頼む」
「は」
私は山上の小屋に向け、とり急ぎラバを登坂させていた。
だが、主要な道は原因不明の大掛かりな土砂崩れで塞がれており、無事な道を散策しながらでなければ行進は不可能。
普段でも、ただでさえ崩れやすい山の斜面が、途方もなく危険な罠へと成り果てていた。
なのでこれまで以上に慎重に行動する必要がある。
これでも山道に馴れたラバがいるからどうにかなっているのだ。
これでラバが居なかったらどうなっていたかと思うとゾッとする。
私ひとりでの移動はとてもではないが、無理だったであろう。
少なくとも度々、落下する危険があった。
まさに、ラバに感謝だ。
ともあれ、際どい崖道では幾度もラバの足元の土砂が崩れ崖下へとこぼれ落ちていき、内心焦ってヒヤヒヤした。
そうこうするうち、私は幾つか奇妙な点に気付いた。
ほんのたまにだが、私のラバが通過していない場所の土砂が、微かにではあるが崩れる音がするのだ。
もしや誰かいるのかと思い、慌てて周囲を見渡すものの、辺り一面誰も見当たらない。
それは私がここまで独りで来ていなかったのなら、恐らく気付かなかったであろう小さな違和感。
だが、その疑心暗鬼は度重なるうちに流石におかしいと思うまでに育っていた。
そうして思い至る。
そうか。さっき追っ手をすっかり撒いたとばかり思っていたのだが、ずっとつけらたままだったのに違いない。
何者か知らぬが、私に気取られぬよう着かず離れず追ってきたのだろう。だとすれば相当優秀なレンジャー技能の持ち主だ。
――――しかしいったいなぜ?
これが私を捕まえにきた追っ手だというのなら、これまで捕まえる機会はいくらでもあったわよね?
私は腰のホルスターに差したカルカ棒を一瞬ちら見した。
これは恐らく何らかの鍵となるキーパーツ。
だけど単純にこれが欲しいだけなら、私ごとかっ拐えばよいだけのこと。
――――?!なら、敵の狙いは別に何かあるというの!?
一か八か。私は適当なところでラバを停め、大きく肩を後方に反らし息を吸い込んだ。
そうしておいて次の瞬間、思いっきり大きな声で叫んでみた!
「隠れても無駄よ!
そこに居るのはわかっているわ。
今すぐ出てきなさい!」
私の言葉がその場にゆっくりと木霊し、次いで辺りを静寂が包み込む。
すると、次の瞬間!!
171 :
名無しになりきれ:2014/12/18(木) 20:03:32.03 0
ヌッ
名前:アーチボルト=スティングレ―
種族:エルフ系スラグ民族
性別:男
年齢:24
身長:189
体重:52
容姿:顔面に赤青の線で精霊を象った隈取りをしている。全身には精霊を象ったタトゥー。
服装: 軽く頑丈なフェイク=ドラゴンスケイル(=竜馬の革鎧)
性格:無口で冷静沈着
職業:竜騎士(ドラゴンフォース) 隊員
能力:気配を消しての隠密行動。
所持品:カービン銃
概要説明:伯爵配下の竜騎士(ドラゴンフォース)の一員。
竜騎士という名称ではあるが、竜は伝説の中にしか存在しないというのがこの世界の常識。
なので、騎乗するのは翼の無い竜馬である。
竜騎士、略称ドラゴンフォースの隊員は、皆全身に彫ったタトゥーと顔に施したペイントで精霊力を体内に採り入れ、風景と同化し気配を断つことができる。
【過疎だから書く】
私はエルフ系スラグ民族である
エルフ系スラグ民族とはエルフを祖先とする民族であり、いわゆる古代種のエルフとは全く違う
古代種のエルフはこの国では少数派であり、その傍系は多数存在こそしてはいたものの、その大体において迫害されていた
少なくとも私と私の部族はそう感じており、異種族に交わると私も幼き頃より手酷い歓迎を受けていたものだ
だからであろうか?
私は昔からどこか醒めたところのある人間ではあった
私はそれなりに裕福な家庭で育ち、子どもの頃から将来は稼げる商人になれと父から口酸っぱく言われながら育った
そこには私の自由意思など介在せず、ただ父の敷いたレールの上に載っかっていただけだった
だが何の疑問も抱かなかった
自分は将来商人になるんだろうなとただ漠然と考えていた
だが、そんな将来はついに訪れることはなかった
今となっては、それが残念なことだったかすら不明だ
近くで戦争があり、気付いたら自分の住む町が戦場になっていた
そして家族が捲き込まれ行方不明となった
・・・ただそれだけのこと。
町を歩けばその辺に転がっている、割りとよくある悲劇だ
他人の不幸話などみんな聴きたがらないので話の種にもなりやしない
私が軍隊に志願したのも、別に家族の敵討ちをしたかったからではない
戦災により通っていた大学が町ごと無くなり、軍隊ぐらいしか雇われ先がなかったからだ
私はそこで簡単なレクチャーを受けただけで、いともあっさりと命懸けの戦場へと送り出された
戦場では毎日欠員が出て人手が足りなかったせいもあるだろうが、私はエルフ系民族なので魔法に長けていると勝手に思われていたのだろう
だが、長年漠然とではあるが、商人を目指して経済ばかりを学んできた私にとっては寝耳に水であった
だが抗議をしても上官に逆らった罰として体罰を加えられるだけなので、渋々泣き寝入るしかなかった
そうして戦場に赴き、初陣からいきなり乱戦となり銃で撃たれた
銃弾は肩口を貫通
私は痛みを堪え必死の呈で逃げまどった
その後も戦地に出るたび逃げるのはもはや日課のようであった
だから・・・であろう。
私には逃げるターゲットである“彼女“の心理が手に取るようにわかった
であるから、ここまで気付かれずに追跡調査ができたのであろう
名前:ピンキー・ハニー(通称)
種族: 人間
性別: 女
年齢: 16才(ただし、もうすぐ誕生日)
身長: 158cm
体重: 50Kg
容姿: 身体つきは小柄。青い瞳、ピンクの髪をツインテールにしてる。
服装: ピンクのロリータファッション(フリフリのフリルと赤いリボンの付いたピンクの服+パニエで膨らませたフリル付きのスカート+ピンクのボンネット(フリル付きの唾広帽子))
性格: 明るく無邪気、かつ自分勝手。猫好き。
職業: 殺し屋
能力: 精霊使い&ガンマン
所持品: ・アサルトライフル&ショットガン&拳銃&トレンチナイフ
・赤いリボンの付いたピンクの猫のぬいぐるみ
・赤いリボンとフリルの付いたピンクの日傘(キャンディ模様)を持っているこれには攻撃を跳ね返すシールドとしての役目の他に、奥の手として隠し銃が付いており精霊力を伴った銃弾を傘の先から放てる
概要説明:五剣士アンサラーを付け狙う刺客。
アンサラーを殺しに来たのは嘗て任務中に顔を見られた上、邪魔されたから。
それとは別に戦場で名のある有名人を始末し名を挙げてやろうという野望もある。
「へぇ〜やっるじゃん!そっれでこそっ!あたしが狙う相手に相応しいってもんよっ!
……ねっ!猫子ちゃんっ♪」
女は腰にぶら下がったフリル付きのピンクのポーチから時折顔を覗かせる頭に赤いリボンを付けた猫の縫いぐるみに話し掛けていた。
全身をピンク色主体のいわゆる――ロリータファッション(ゴスロリではない)――で身を包み、それに似たデザインのピンクのフリル付きの日傘を差したその光景は、まるで山辺に散策に来た淑女の散歩スタイルであった。
しかし、その脇に抱え混んでいるのは余りにも場違いな――――間違う事なき、中距離狙撃も可能な戦闘用のアサルトライフルであった。
「う〜ん。惜っしぃなぁ〜!完璧に当てんにはちょっち遠いかなぁ〜」
山間部で自身のピンク髪のツインテールを撫で付ける女の名はピンキー・ハニー。
だが、これはあくまで自分自身で考えた通り名だ。裏社会で生き抜く為に、実際の経歴と本名は敢えて伏せてある。
そう、齢16という若い身空でありながら、ピンキー・ハニーは殺し屋であった。
ただし、新人の…という但し書きが付くが。
―――あれは、ついこないだの事。
要人暗殺の依頼を承ったはいいが、任務遂行中に顔を見られ任務事態も妨げられるという大失態を犯した彼女は汚名返上を果たすためにこの地へとやってきた。
「けど今を逃す手はないよねぇ〜!なんか知んないけど、アイツ今男脇に抱えて移動してるしぃ…これってチャン〜ス!」
――――女は来た!
目撃者、五剣士アンサラーを消す為に。
「ん〜?気付かれてもいっか!はなっから簡単とは思ってないしィ!
気付かれたら気付かれたでいい挨拶になるってもんしょっ!
それにこの距離で当たりゃ儲けもんよねっ!」
ピンキーは灌木の合間から伏せた状態のままのブローンポジションで、弾をマガジンに込め、手馴れた感じでコッキングレバーを引き、初弾をチャンバーへと送り込む。
ストックに頬を付け、右目でサイトを覗く。
目標の姿がフロントサイトとリアサイトとで重なったところで、
女は「ビンゴォッ!」と叫び、右手人差し指でトリガーを引く。
黒光りする銃口から閃光が走り、炸裂音が山間に木霊する。
「イっけぇ〜っ!イっちゃえぇ〜〜っ!」
――――はたして、五剣士アンサラーを狙った銃弾の行方は如何に!?
>>175 なぁろくすっぽ稼働してないスレの3ヶ月以上も行動していないコテに絡むのって楽しいの?
好きにさせてやれよ
レスポンスが期待出来るコテを無視して放置したコテに絡む意図って何?
それとも、返信が無いことをいいことに俺tueeeeして鬱憤でもはらそうとしているのかな?気違い天使さん
名前: ジョン・ソーン
種族: 人間
性別: 男
年齢: 19才
身長: 196cm
体重: 86Kg
容姿: 金髪、茶色い瞳、そばかす
服装: 騎士の皮鎧
性格: 実直、生真面目
職業: 騎士
能力: 騎士の宣誓:セットアップで名乗りをあげるとその戦闘を終えるまで戦闘力が200UP。重ね掛けはできない
ソーン・バスター:単にナイトソードの平たい部分で力任せにぶっ叩くだけの力技。
所持品: ナイトソード、ショートソード、ナイトシールド、ナイトアーマー、ナイトガントレット、ナイトヘルム、ナイトブーツ、レッドマント、6フィート棒、背負い袋、水筒、コンパス
概要説明:上官の命によりコントレイルを回収に来た若き騎士。
能力は決して高くは無いのだが、任務に忠実で何事にも退かぬ不倶戴天の勇気がある。
若者らしく手柄を立てたいという野心はあるのだが、それよりも騎士としての生をまっとうしたいと願っている。