オルグが「みかんの匂いがする」と言っていたからやって来たんだが……
マスター、まずはヴァージンキューヴァリヴレを頼む
もし良ければ従業員として雇っては貰えないだろうか……
【名前】
クリップ
【出身地】
山奥(元ネタは「チキタ★GUGU」です 作品では出身国についての説明はありませんでした)
【性別・年齢・容姿】
男、300歳、金色の長髪に蒼い眼、見た目は17歳やそこらにしか見えない
【得意な得手武器、または兵法、策謀】
(第31話より サデュースとの会話)「やってみせようか? もう一度 人間の脳みそだけを一瞬でぶち壊す音波のようなものを作るんだ 半径1、2km内の人間がいっぺんで倒れる 楽なもんだぜ 保証する どうせいつかは 誰でも死ななきゃならないんだし」
【身の上話】
物心ついた頃から 当たり前のように
私は 人間の肉を口にしておりました
住処は人里離れたけわしい山中の一軒家 長く続いた戦のせいで畑は踏みにじられ鳥や獣の姿もまれでした
だけど兵士達の死体だけは いつも家のまわりに転がっていて
それくらいしか食べられる物はなかったのです
最初の子が飢え死に次の子も育たず 最後に私が生まれた時 両親がどんな思いで気持ちを決めたのか
森に木の実を拾うように 戦の後の死体を持ち帰って 私達は毎日をつないで行きました
そんな暮らしに 私は何の疑問もなく幸せだったのです
年頃になって 山を越える力がついて
初めての友人 初めての恋人の 自分の両親以外の誰かの手を取ったその日まで
私は知らなかった
自分の幸せが
他の人間にとって どんなにおぞましいものかということを
山狩りは凄まじく
私達はまるで すべての人間の敵のようだった
近隣の村人も 戦闘中の両国の兵士達も 誰一人として私達を許さなかった
獣のように何日も山の中を追い回され
父が死に 母も……
一人になって
死を望んでオルグに会い
そして………
そして今日まで……
三百年前 母が 最期に言った
「私を……食べてね クリップ」
「私が死んだら 私を食べて 生き延びてね クリップ……」
だけど
私は母の体を口にすることはできなかった
でも それは愛情や罪の意識なんかとは関係なく
もうすでにその時知っていたからだ
自分が
何かを食べたり飲んだりすることだけで
命をつないでいるわけではないということを
誰だって
他の誰かなしで生きて行くことはできないだろう
/長文失礼致しました