スターデストロイヤーの船員です

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1帝国兵
普段は暇だ
2名無しになりきれ:2012/03/23(金) 16:42:16.79 O
皇帝にそう申し上げるがよい。
3名無しになりきれ
ゆっくりと、音もなく、闇の中にかすかな光を煌めかせ、ヴィクトリー・スター・デストロイヤー<ストライク・ファスト>は
宇宙空間を滑るように進んでいく。
何もない空間を。うんざりするほど暗い空間を。銀河に浮かぶ最寄りのちっぽけな星系からさえ何光年も離れた、
アウター・リムとして知られる空間を漂っていく。このあたりはまさに共和国……そして新たに興った帝国のはずれだった。

「普段は暇だ」
「なるほど中尉、すると君は小惑星帯に隠れていた敵の戦闘機がブリッジに魚雷を撃ちこむ寸前、
あるいはシールドを破って敵の強襲シャトルが我々のハンガーに到着してから叫ぶのかね?『敵だ!』と」

パークは上官が隣に立っていることに気が付いた若い中尉の典型的な反応を一瞥した後に低い声で毒づきながら、
CICの空中通路を大股に歩いて行った。普段から備えをしておくことを怠る能無しの士官と戦艦の能力を過信して
単艦で行動を取らせたがる司令本部のお偉方揃いでは、艦隊の質は落ちるばかりだ。
だが、それは間もなく変わる。ほんの一週間ほど前、パルパティーン議長が再編された帝国の皇帝となり、
この惨状に変化をもたらすべく個人的に努力すると宣言したという知らせが、アウター・リムにも達していた。
軍の司令官達の一部には、この状況に遺憾の意を表明している者も居るが、
パーク自身は、パルパティーンが政治家としての辣腕を振るい、まもなく事態を改善してくれることに望みをかけていた。