廃墟と化した街に集められた何も知らない人々
そこで彼らを襲う仮面をつけた者たち
ここは一体どこなのか、何故自分がこのような目に遭っているのか
それすらも分からないまま、人々は助け合い、殺し合う
彼らはこの街で、生き残ることができるか?
…………
………
……
…
貴方は気が付けば見ず知らずの場所にいました
手に持っているのは、いつどこで手に入れたのかすら分からない武器
この、廃墟としか言いようのない巨大な街で貴方はただ、生き残ることだけを考えてください
助け合うでも、殺し合うでもいいでしょう、“生き残り”が少なくなれば、きっと答えが見えるはずです
――キャラクターテンプレ
名前:
年齢:
性別:
性格:
容姿:
武器:
長所:
短所:
一言:
――その他
GM:あり
決定リール:なし
3日ルール
版権・越境:なし
敵役参加:あり(要相談)
参加人数目安:3人〜8人
[名前]木下楓
[年齢]23
[性別]男
[性格]物静かだが仲間を大切にする
[容姿]まつじゅんとアンガールズ田中を足して2で割った感じ
[武器]スナイパーライフル
ハンドガン
[長所]仲間を大切にする
[短所]自分を犠牲にする
[一言]…生き残れたらそれでいい
ルール説明求む
スナイパーライフルなのに自分を犠牲にするってどうやってw
すまん、なんでもない
>>1 テンプレに職業欄があるといいと思う
参加者全員ここがどこでなぜ、どうやって連れてこられたかわかってないでOK?
入手経路が不明な武器だししかたない
>>3 シナリオはターン制で進めていく予定です
開始時の場所はどこでも構いません
その他疑問があれば質問してください
>>4 はい
プレイヤーは世界設定の下二行以外の情報を何も所持していないと考えてください
職業欄は……いりますよねwww
完全に私のミスです、必要があれば足してください、ごめんなさい
7 :
名無しになりきれ:2012/03/12(月) 23:29:40.49 0
たのしそう
8 :
名無しになりきれ:2012/03/12(月) 23:34:38.26 0
名前: 斉藤 涼
年齢: 28
性別: 男
性格: 冷静
容姿: 若白髪 眼鏡
武器:ボウガン アーミーナイフ
長所: 医術の心得有り
短所: 体力がない
職業: 学者
一言: 足手まといにならないように努めよう。
こんなかんじでいいの?
TRPG初心者だけど大丈夫?やさしくしてよね
名前: 冬城 りんご
年齢: 16
性別: 女
性格: 臆病
容姿: 腰まで届くような長い黒髪、学生服
職業: 無職(学生だったが入院中に退学)
武器: 日本刀
長所: 他者の痛みが分かる
短所: 病弱
一言: え、えっと……皆で、生きて帰りましょう、よろしくお願いします
ヒロインキターーーー!よろしくりんごちゃん
おっぱいもみもみ
トリップ付け忘れていました。申し訳ない。
別に強制じゃないけど、希望としては
猪突猛進タイプのリーダー格キャラがほしいところだな。
男でも女でもいい。
>>14 コテ潜伏で無いなら
つ 言いだしっぺの法則
>>15 ごめんね潜伏なの・・・。
>>15は私に恥掻かせたんだから、せ、責任とってよねっ!
面白そうだ。参加してみようかな。
18 :
名無しになりきれ:2012/03/13(火) 02:20:48.80 O
ぜひとも!
仲間は多い方がいい
名前:空木 現(うつろぎ・うつつ)
年齢:17
性別:女
性格:男勝り。竹を火にくべたような性格。
容姿:造作はいいのだが、手入れせずに台無し。
髪は乱れた短髪。やや赤。
職業:曲芸団見習い団員
武器:バフヘッド
長所:運動能力が高い。痛みを無視するのが得意。
短所:他者の痛みが分からない。
一言:あたしに任せりゃなんとかなるって。ついてきな!
猪突猛進型一丁お待ちっと。はっはあ。
あと、酉がググったら一発で割れそうなんで変えてくる。ちょっと待ってな。
テスト
よしよしっと。じゃ、後は開始まで浮いたり沈んだり気まぐれに、だな。
空木さんのおかげでバランスがとれたメンバーパラメータになった気がする。
武器から考えて、女性陣に接近戦を強いてしまうのが心苦しいがね。
GMさんに質問。
・これって現代日本の人間が廃墟にやってきたの?
それとも架空の世界から?
・後何人くらい集まったら始まる?
今度、敵として出てもいいる
訂正
いいる→いい?
…スペックの前に、敵役は世界観についてしってるって設定でいいのかな?
GM不在につきわかんないねー。
もし知っている設定なら
GMが敵役へ、他メンに知られないような方法で情報提供しなくちゃいけなくなるね。
その分参加者が不利になる。
ようするにGMの影分身的存在になってしまうのかなあ
せっかくなのでGMさんにもっと質問
これって、あまりに人間離れした非現実的行動はさすがにだめ?
あと3日ルールって、現実世界での3日って事?
むしろ作中世界での3日ルールって何だよ
3日ルールって3日で終了するって意味じゃないですよね?
GMのレスを3日以内にレスするんだろ
三日wwwなげえよwww
そもそもGMってなんですか
そりゃおめぇアレだよ
ジムさ
いたいけな
>>36にそんな淫らな嘘教えないで!
Game Master の意
一回はGeneral Motorsの略ってボケなさいw
それはそうと冬城りんごタンの「学生服」が、
ブレザーなのかセーラーなのかで、今後のゲームのモチベが大きく変わって来るんだが。
学ランだろ?
>>41 このスレは終了しました。
ばかやろぉおお!日本刀にはセーラー服って決まってんだろぉおがぁ!!
機関銃より日本刀!
こんにちは
質問にお答えします
>判定はコンマダイスか?
プレイヤー間についてはお任せします
お互いの相談の上どういう判定を取るかお決めください
GMが管理するNPCに対しては
戦闘の都度決定いたします、プレイヤーが相手にダメージを与えられないイベント戦等ありますのでwww
>今度、敵として出てもいい?
>敵役は世界観についてしってるって設定でいいのかな?
GMが管理するNPCは全ての情報を持っています
また、敵側として登場するキャラクターも全ての情報を持っているのが原則です
ただし、他プレイヤーを狙う街をさまよう人々についてはこの限りではありません
世界についての情報の共有方法は捨てアドによるメールでお知らせします
>あまりに人間離れした非現実的行動はさすがにだめ?
そうですね、世界が世界ですからある程度(初めて使うはずの武器を使いこなす等)はフォローできますが
空飛ぶとかは無しでwww
>3日ルール
プレイヤー間あるいはプレイヤーGM間におけるやりとりでのルールです
例えばAさんが行なったアクションに対し
Bさんが3日以内にリアクションを返さない場合、そのリアクションはAさんの一存で決めることができます
ただ、事情などで返せない場合、予めスレでその旨について話していればこの限りではありません
>これって現代日本の人間が廃墟にやってきたの?
現代の人々ですが日本とは限りません
>開始時期
猶予期間を取り、15もしくは16日からの開始を予定しております
ですが、参加人数が八人を超えた時点で新規参加の受付は終了します
ご了承ください
>>43 詳しくアリガトウ。 PLが開始前にしておくべきこととかはない?
以前にGMやったことってある?
名前:野時 輪(のとき りん)
年齢:19
性別:男
性格:「温厚で善良な優しい少年の様に見える」性格
容姿:中肉中背、少し長めの黒髪に、眼鏡。
「どこにでもいそう」という言葉が異様に似合う容貌
職業:大学生
武器:バールのようなもの
長所:前向き、思い切りがいい
短所:殺人鬼
一言:「力を合わせて、全員無事に脱出しよう!」
参加希望だよ!よろしくね!
>>45 殺人鬼が力合わせるって矛盾じゃないかな?
>>47 ん?僕はただの善良な大学生だぜ?
だから、仲良くしようよ
仲良くね
5人揃ったな。
野時君のキャラいいな。ゲームのジョーカー的役割になりそう。
このTRPGは期待できる。
正直16日まで待ちきれないから早く定員埋まってゲームがスタートしてほしい。
名前:寺下さえか
年齢:17
性別:女
性格:馴れ馴れしい
職業:患者(元・学生)
容姿:肩までの黒髪、左目に縦一本の傷跡、Fカップ
服装:淡いピンクのパジャマ姿
武器:兄直伝の格闘術
長所:第六感・状況判断能力に長けている
短所:病気持ち、体力がない
一言:えっと、足引っ張っちゃうかもだけど頑張るねー
さえかたぁあああんっ!待ってましたぉパジャマ枠!
武器が格闘武術ということはメリケンサック所持でおk??
連絡手段がメールというのは、全員捨てアドとらなきゃいけないし煩わしい。
それよりも避難所を立てて、そこで連絡や相談をしたほうがいいように思う。
あと2枠・・・ゴクリ
今のところ男:女=3:3
か。合コンができるな。
>>52 さえかはメリケンサックなんて怖いもの持ってないよぉ〜……
あと今ログ読み返して気づいたんだけど、冬城さんと設定が被っちゃってる所があるね……ごめんねー……
スレ民の他の女性陣への反応とあたしへの反応の温度差について。
>GM
上でちょっと話に出てるけど、捨てメルアドってあたしらも用意しといた方がいいのか?
敵NPCだけかと思ってたんだけど。
後2枠か、興味あるからやりたいがTRPG未経験でも大丈夫かい?
勝手に描いてごめんね。
本当は全員メンバー決まったらアップ使用かと思ったんだけど、あまりの人の少なさにかっとなってやった。
後二枠については、武器確認次第、順次画像にねじこんでいく。
絵師が来てくれたら美麗なイラスト付のキャラ紹介とかしてくれるかもしれないが俺にはこれが精一杯だ。
ていうか体力ない奴多すぎワロタwwww
後から変更はきかないのか・・・?
神様仏様GM様、私達の願いをどうか叶えて!
>>61 そ、そうか
GMさんの言ってたサイレンも知らんがキャラ作ってくる
遅くても明日の昼までに投稿する
ちなみに今作ってる最中の人もいると思うから性別は男と先に宣言しとく
名前:犬吠崎 基哉(いぬぼえざき もとや)
年齢:26才(見た目はおっさん)
性別:男
職業:古物商
性格:冷静沈着、争いを嫌う
容姿:ぼさぼさの髪にあごひげ、鳶色の落ち着いた瞳、ワイシャツにロングコートを羽織っている
武器:手榴弾6個、バタフライナイフ
長所:五感が鋭く気配を読むのが得意
短所:戦闘はからっきし駄目
一言:やれやれ・・・お手柔らかに頼むよ
これで7人・・・宣言している人も居るようだからちょうど定員の8人かな。
とりあえずよろしく頼むよ。
あと、上にあるとおり避難所が欲しいかな。
>>63 あ、もしよければ先に何の武器使うか教えてほすぃ・・・
いぬぼえざきさん ちーぃっす!!
これで明日の昼までにはゲームスタートですか?!ヒャッハー!!
宣言した瞬間にこれだよorz
男女比5:3でいいならこのまま作るよ
>>66 男のだと斧か鉈を考えてる
女なら遠距離にしたい
メンバー一覧
木下 楓(23)男
>>2 武器:スナイパーライフル、ハンドガン
職業:衛兵
斉藤 涼(28)男
>>8 武器:ボウガン、アーミーナイフ
職業:学者
冬城 りんご(16)女
>>10 武器:日本刀
職業:無職(元学生)
空木 現(17)女
>>19 武器:バフヘッド
職業:曲芸団見習い団員
野時 輪(19)男
>>45 武器:バールのようなもの
職業:大学生
寺下 さえか(17)女
>>51 武器:兄直伝の格闘術
職業:患者(元学生)
犬吠崎 基哉(26)男
>>65 武器:手榴弾6個、バタフライナイフ
職業:古物商
女多すぎたらラブコメ多発するから男のままでいいんじゃね?
>>69 それもそうだな
まあ女にしても恋愛展開はする気はないけどな
でも男のままで問題なさそうだし男にするよ
>>71よしじゃあ斧な、斧。
鉈で検索かけてもシルエットださかったから斧にしよう。
男は黙って斧。斧一択。
重さで頭すらかち割れる斧。
斧いいよ斧。
むさい男がふる斧も、美少女がふる斧も、どれも猛々しく美しいよ斧。
とうとう来るんです??
後はGMさんの光臨まつだけー!!
名前:新都 風太郎(にいと ぷうたろう)
年齢:25
性別:男
職業:ニート
性格:根暗
容姿:テンプレなキモオタ
武器:斧
長所:容姿とはかけ離れた身体能力と運動神経。斧を片手で扱える
短所:他の人、特に異性と話すのが苦手
一言:はやく一人になりたい…(ボソ)
>>75 うはwテラカッコヨスw
>>64 ひとつ訂正
苗字のよみがなは「いぬぼうさき」な
うろ覚えとは困ったもんだ
>>76 新都くwwwんwww
妄想の中でくらい、現実忘れろよ・・・。
でも使えそうなキャラだ。
つーこたぁ
戦闘員主力:木下/空木姐さん/野時/さえかちゃん/ニート
知識or情報戦略:斉藤/犬吠崎
ヒロイン枠:りんごタン(もしかすると後々キーパーソンになるかもしれない・・・)
でおk?
なかなかバランスいいじゃん。
名前: 鈴鹿 霧
年齢: 21
性別: 女
職業: 大学生(という名の引きこもり)
性格: 基本的に無気力でめんどくさがり
容姿: ぼさぼさのショートカットに死んだ魚のような目
武器: ダブルデリンジャー、スタングレネード
長所: 多少の事じゃ動揺しない
短所: 興味を持った人に対して依存しやすい
一言: ……めんどくさい、早く帰りたいし眠りたい……
まだ参加おkか?
参加したかったけど間に合わなかった…
一応、キャラは作ったんだけど
名前:如月 沙咲(きさらぎ ささき)
年齢:14歳
性別:女
職業:中学生。でも…?
性格:厨二病
容姿:薄ピンクの髪と黒のリボン、様々な箇所が汚れて破けているドレス、垂れ目
武器:チェーンソー
長所:痛みに強い、怖いもの知らず
短所:身体能力は人並み以下、自分の行動に歯止めをかけない、協調性がない
一言:これが…私の憧れた世界…この素敵な世界の支配者になりたい…
【とりあえず貼っときますね。
参加は出来たらでいいです。味方じゃなくてもいいです。】
名前:香具師 撃(やし うちる)
年齢:25
性別:男
職業:ピアニスト
性格:飄々として斜に構えた性格
容姿:黒スーツ。黒髪ロングの一本三つ編み。常に目を瞑ってタバコを咥えている
武器:シングルアクションアーミー
長所:耳が極めて良い、手の動きがやたら早い、戦闘時のみ動きが迅速
短所:盲目なので普段は動きが遅い、気が付くと歌を口ずさんでいてやかましい、ヤニ臭い
一言:誰かライター持ってない?
保守
定員漏れのやつもかなり魅力的なキャラだ。
GMさんの意向によるけど敵役としてでも出演させてほしいな
敵役で参加OKなら参加したいが…
余裕で定員オーバーだよね
これだけ人気ならもう一つスレを立ててあぶれた奴らでやったらどうだ?
>GMやったことってある?
初体験です(/Д`///)
至らない点も多いと思いますので、やらかした時はそれとなく正して下さいwww
>>79 >>81 >>82 >>86 ターン回しの効率の関係でこれ以上多くのプレイヤーを抱えると破綻しかねませんし
残念ですが今回の参加はお断りさせてください、申し訳ない
現在参加されている誰かがロール内で死ぬ等空きができましたら参加してくださると嬉しいです
>捨てアド
敵役として参加するプレイヤーの方(いませんでしたがwww)だけでいいですよ
では、人数が揃いましたのではじめたいと思います
まずは街の状態から説明します
街の全容
・東端から西端まで、また北端から南端まで大体車で10分ほどの正方形の範囲のみ移動可能
・そこから先に行こうとすると見えない壁に阻まれる
・電気やガス、水道は生きている
・中央には高いビルがある
・北と西は住宅街、南と東は商業街になっている
・車やバイク等の乗り物は存在しない
・街にある店などには食料や生活必需品が置かれたままになっている
第一シナリオの導入は今から書きますので少々お待ち下さい
>>87 私はこのスレで手一杯ですので勝手なことは言えませんけど
どなたかが主導してするのであれば良いと思いますよ
【一日目】
「……来たか」
私は、自らが“管理棟”と呼ぶ巨大な建造物の中で
今回呼ばれた“放浪者”たちの姿を見ていた
――男が五人、女が三人
彼らがこれから始まる、約一ヶ月間のゲームのプレイヤーであり、廃墟の放浪者であり、被捕食者なのだ
チラリと横目で確認する、ああ、そうだ、こちらの準備は整っている
ここで彼らがどの様に生き、死ぬのか、じっくりと見させて貰おう
そうそう、まずは最初の仕事だ
捕食者の中の一体に指示を出し、放浪者たちにルールの説明をしよう
そう思い、管理棟の外部スピーカーを点け、街全体に響き渡るように設定した後、淡々と語ることにした
「プレイヤーの諸君、ようこそ廃墟の街へ
君たちが今どこにいるのか、私は知っている
君たちは今は一人だ、まずは他のナカマと合流することをお勧めする
さて、君たちに言いたいことがある、いいか、よく聞け
それはこの世界におけるたった一つの簡単なルールだ
――命令だ、この廃墟の街で生き残れ」
そこでブツっっという音と共にスピーカーは機能を停止した
【一日目 1stセクション 『他の放浪者と合流せよ』 1ターン目:開始】
なんで避難所でやるの?
>>93 質問・代行依頼等を避難所で行なってもらい、こちらをロール専用にします
これはロール内容をわかりやすくするためと、スレの消費を軽減するためです
説明不足でした、申し訳ない
気がつくと俺は寝ていた
「昨日は飲み過ぎて…家に帰って…それ以上思い出せない…」
記憶がとんでしまっているこれではどうやって帰ったらいいのか皆目見当もつかない
その時
>プレイヤーの諸君…
「はぁ?ふざけんな 隊長に殺されるわ」
街の外に出ようとすると見え無い壁にはじかれた
「何だこれは?…出れないとなると仲間とやらを探すか…」
[楓 北端からスタート]
・・・ぽたっ・・・
微かな水音で目が覚めた。
水道の閉め方が緩かったのだろうか・・・そう思って目を開ける。
いつもの自宅ではない、事務所でもない。ここはどこだ、私はこんな場所で何をしている。
慌てて周囲を見渡す。やはり見覚えはない。
とりあえず起き上がり、周囲の観察に努める。どうやら狭い和室のようだ。当然見覚えはない。
なぜか胸の上に乗っていた重い鞄を横に押し退ける。
・・・一体何が起こっている・・・。
腕時計を見る、午前中だ。昨晩帰宅してからの記憶が途切れている。
見知らぬ部屋、途切れた記憶。まだ情報が不足している。
窓があったので、そこから外を見渡す。人影はない、まるで廃墟のようだ。
見下ろした通りは商店街らしい。ここは二階の一室だ。おそらく下階は店舗なのだろう。
「すみません、どなたか居ませんか?」
少し大きな声で呼びかける、返答はない。耳を澄ませても、微かな水音以外何も聞こえない。
少々失礼なのを承知で、周囲を探索することにした。
呼びかけながら、各部屋を覗いて回る。どうやら小さな文具店のようだ。
誰も居ない。否、この家からは生活臭がしない。
まるで最初からそうであるように、人の気配を感じないのだ。
店から表にも出てみた。そこにも人の気配はない。廃墟のよう・・・ではない、これは廃墟だ。
「何が起こっている・・・。」
ひとりそう呟いて、最初に居た部屋へ引き返す。
ふと、そこで最初に胸に乗せられていた鞄へ目を留める。
まるで餞別のように置かれた鞄。見た目より重いが、一体何が入っているのだろうか。
「なんだ、これは・・・。」
鞄に入っていたのは、手榴弾6つとバタフライナイフだった。
パイナップルに例えられる独特の形には見覚えがある。
以前仕事で渡米したとき、軍の関係者に見学をさせてもらったのだ。そのときに軽くレクチャーを受けている。
玩具か?それにしては重量がリアルだ。一体何故こんなものがここにあるのだ。
そのとき、外からスピーカーの鳴る音が聞こえた。
>「プレイヤーの諸君、ようこそ廃墟の街へ
>君たちが今どこにいるのか、私は知っている
>君たちは今は一人だ、まずは他のナカマと合流することをお勧めする
>さて、君たちに言いたいことがある、いいか、よく聞け
>それはこの世界におけるたった一つの簡単なルールだ
>――命令だ、この廃墟の街で生き残れ」
「生き残れ、だと?」
まるでゲームの解説をするような声を訝しげに聞き終えた後、呟く。
ふと、サバイバルゲームという単語を思い出す。この状況はまさしくその通りではないだろうか。
しかし、ひとつ分かったことがある。この街には、他にも人間が居る。
勧められたとおり、合流するのもひとつの手だろう。
少し迷ったが、先ほどの物騒な鞄も持って行くことにした。これがゲームなら、何かの役に立つかもしれない。
鞄を片手に、商店を出てあてもなく歩き出した。
時折「おーい、誰かいるかー。」と呼びかけながら。
「…そう言えば」
肩に掛けてあるスナイパーライフルをみた
「………」
楓は言葉を失った
見たこともないタイプのスナイパーライフルだったからだ
いつもの癖で銃を肩に掛けたがどこから手に入れたのか見当がつかない
「とりあえず歩くか…」
今来た道を真っ直ぐもどる
圧倒的なノイズ音に私は目覚めさせられる。
見知らぬ地に、倒れていた。
慎重に体を起こす。外傷はない。所持品も盗られていない。
「よかった。」
困惑しつつも、そう呟いた。
しかしスピーカーから発せられる異常なアナウンスが再度私を凍りつかせる。
『――命令だ、この廃墟の街で生き残れ』
今は真昼というのに店には客寄せの声もなく、道路には通行人も車もない。
それらが放送された内容の信憑性を高めている。
明らかにおかしい。
意識を自分自身に向ける。白衣にワイシャツ、ネクタイ、そしてスラックス。
眼鏡のレンズにもヒビは入っていない。
いつも通りの私の姿。
体内を巡回していた動揺は、すぐに失せた。怯えている暇などないことは確かだ。
大体の状況も把握できたところで、行動に出る。
この街の支配者の指示通り、まずは仲間を見つけなくては。
それまで、手にあるボウガンが私の命綱であり親友だ。
私が気絶している間もひっそり傍に控えてくれていた、頼もしい殺し道具。
使い方は把握している。
学者とはその外聞より危険な職業で、紛争地帯で研究の為の試料を採取することも間々ある。
以前、護身用にと渡されたあの重みを今まさに思い出す。
さて、懐旧にふけるのも大概にすべきかな。
私は慎重に探索を始める。
スタート地点:商業街(南)
「ふむ」
しばらく歩くと、拠点に素晴らしく丁度いい建物を発見した
「ここはいい。水道も電気も通っている…」
拠点にするには快適だが、食料がない
「困ったな…」
しばらく悩むと楓は結論を出した
「しばらく進もう」
外に出た楓は落ちていた木の棒で行く方向を決めた
棒は南を指していた
「行くか…」
スナイパーライフルを肩に掛け直し、南に移動を開始した
「ん……ぅ」
瞼を開くと、灰色の天井が見えた
えっと……私は確か
……久しぶりに家に帰ることができたから、なんとなく制服を着てみて、あの頃を懐かしんでたんだ
でも、私の家の天井はあんな無機質な色じゃない
……じゃあ、ここはどこ?
私の心に僅かな不安が根付く……と
「ひぁっ!!」
ふと見た私の右手には、漫画や時代劇でしか見たことのない刀が握られていた
咄嗟にそれを手放し、投げ捨ててしまう
徐々にぼーっとしていた意識が覚醒してくる
全く知らない場所、知らない建物の中に私はいるらしい
どうやらどこかのアパートみたいだ
現状を確認して、改めて思う
ここはどこで、私はどうしてこんなところにいて――何であんな物があるの?
頭の中が恐怖と疑問符で埋め尽くされそうになった頃、どこからか、声が聞こえてきた
>「プレイヤーの諸君、ようこそ廃墟の街へ
> 君たちが今どこにいるのか、私は知っている
> 君たちは今は一人だ、まずは他のナカマと合流することをお勧めする
> さて、君たちに言いたいことがある、いいか、よく聞け
> それはこの世界におけるたった一つの簡単なルールだ
> ――命令だ、この廃墟の街で生き残れ」
到底、信じられない
でも……さっきの疑問の答えを全部、さっきの人のせいにしたら、すっきりする気もする
何も、何もわからない、恐怖心に押しつぶされそうで、苦しい
私はただ、刀に縋り、その場で泣き崩れることしかできなかった
「うーん。やっぱり、どう考えても廃墟だよね。だって誰も居ないし」
肩を竦めながら呟く言葉も、空しく響く。
・・・
公明にして正大。勇猛にして博愛。
強きを挫き弱気を助ける伊達男。
そして何より根っからの正義感である僕こと野時輪は、
現在、見知らぬ町の中で一人立ち尽くしていた
そう。「見知らぬ」町で立ち尽くしていたのだ。
僕が数十分前に目覚めた町でもあるにも関わらず、ここは見知らぬ町なのである。
勿論、僕が精神的な理由の記憶喪失を罹患している訳でもなければ、
海馬の機能に疾患があり記憶するという人体機能を喪失している訳でもない。
単純に、見覚えが無いという意味でここは知らない町だった。
そもそも僕の記憶の上では、僕は現在大学の講堂で講義を受けていた筈であり、
そこでうつらうつらと睡眠を摂っていた筈なのだが……現実はこの通り。
持ち物はバールの様なものと、ポケットに入っていた幾つかの雑貨のみ。
そんな状態で、数十分歩き、ついでに家捜しをしても人の気配一つ無い謎の町。
そこに僕は立ち尽くしていた。
……ああ、ダメだ。思考が纏まらない。
自分でも何を考えてるのかわからないぞ。
もし僕が小説の作者なら、この辺りで駄作だと担当にダメ出しされそうな混乱具合だ。
オーケー。落ち着いて考えろ。僕。
「とにかく、僕はこの廃墟みたいな町に何らかの理由で……迷惑な話だけど、
多分無理矢理連れてこられたんだろうなぁ。
そして、現在は観察か、あるいは何かをやらされようとしているって所かな」
一度深呼吸をして言葉にしてみると、先ほどまでの思考の混乱は嘘の様に解決した。
冷静に考え、原因を意図的に無視してみれば、僕が今呟いた理由以外でこんな状況に陥るというのは稀だろう。
要するに、現在は絶賛異常事態中という事だ。
壁に寄りかかり、名探偵が如く目を瞑りそう思考を纏めていた最中、
どこにあったのだろう。今まで沈黙を保っていたスピーカーから、突如として声がした
>「プレイヤーの諸君、ようこそ廃墟の街へ
>君たちが今どこにいるのか、私は知っている
>君たちは今は一人だ、まずは他のナカマと合流することをお勧めする
>さて、君たちに言いたいことがある、いいか、よく聞け
>それはこの世界におけるたった一つの簡単なルールだ
>――命令だ、この廃墟の街で生き残れ」
「……うわぁ。なんだよそれ、怖いなぁ」
驚くべきことに、放送内容は僕が推理していた内容とかなりの部分で似通っていた。
やはり僕は何者かにここに連れてこられて、「生き残る」事を意識して行わなければいけない状況に晒されるらしい。
全く、ドッキリ企画か、或いは愉快犯の犯行。もしくは僕に何か恨みでもあるのだろうか。
これほどの素敵な好青年の僕に恨みがあるとしたら、そいつはとんでもない奴に違いない。
……ただ、放送でいい事も聞いた。
「……けど、そうか。ここには僕以外にも生きてる人がいるんだな。
いやー、良かった。一人は寂しいからね。何をするにせよ、他人がいるに越したことは無いよ」
胸に手を当て、安堵した笑顔でそう呟いてみる。
そう、人がいる事は僕にとてとてもとても嬉しいことだった。
繰り返し言うけれど、「何を」するにしても人手は多いに越したことは無いのだから。
「よーし!それじゃあ早速、仲間を探してみるとしようなかっ!」
僕はバールの様なものを着ている私服のベルトに上手く引っ掛けると、
とりあえずは現在居る場所を虱潰しにするべく、声を出しながら歩き出した
「おーい、誰かいるかい!僕と同じく誘拐されたっぽい人がいたらあつまれー!」
【S地点:西区住宅街】
宙返りってしってるよな?
ほら、テレビとかで偶に見るあれ。ねんしょーけーって、笑っちまうよな、はは。
あたしはあれが好きだ。見るのが、じゃない。やるのが。
失敗なしで出来るようになるのはそこそこ時間かかったけどな。
世界がくるりと回る、一種の酩酊感。
酒を好きなやつとかなら、感じ分かるんじゃないかい? あたしは呑んだ事ないけどさ。未成年だぜ。
んで、こいつは、鍛練を少しでも怠ると、一発で出来なくなる。
だから、毎日朝早く起きて、ちょっとした空き地でこいつを練習するのがあたしの日課になってる。
前置きが長くなったな。ともかく、あたしは今日も宙返りを始めたわけだ。
んで、いつも通りに、
くるりと世界がま
わ
っ
て
着地したら、そこは見知らぬ地だった。
……はい?
「なんだこりゃ」
実際に発音すると限りなく間抜けな6文字だが、そいつは嘘偽りなくあたしの心境を語っている。
周囲を見渡す。左方向には住宅街、右方向にはバカでかいスーパー。正面には、やたらとでかいビル。
自分の体を見下ろす。適当に引っかけたTシャツとジーンズ、これだけは履きなれたスニーカー。
そして、右手に何かを握る感触。
視線をやる。……わあお、バフヘッド。
バフヘッドというのはナイフの一種で、バッファローの首を落とすためとかいう目的で作られた明らかにナイフとしては何か間違った一品……。
いや、何滔々と説明してるんだあたしは。
しかし、そのリアルな重み(振る時スナップを利かせたら手首が折れるそうだ)は異様な現実感を持ってあたしに迫ってくる。
とりあえず、もう一回転してみる(バフヘッドはそこそこ離れた地面に置いた)。
着地しても、今度は視界は変わらないままだ。
適当に自分の体をつついてみる。いつもと変わらない感触。
どうも、夢ではないらしい。となると、馬鹿をやっている暇はないということか。
概ね認識したあたりで、どこからか……いや、あのビルから、声が響いてきた。
>「プレイヤーの諸君、ようこそ廃墟の街へ
>君たちが今どこにいるのか、私は知っている
>君たちは今は一人だ、まずは他のナカマと合流することをお勧めする
>さて、君たちに言いたいことがある、いいか、よく聞け
>それはこの世界におけるたった一つの簡単なルールだ
>――命令だ、この廃墟の街で生き残れ」
「馬鹿言ってんじゃないよ」
何年目でも浮気は許さないあたしだが、この声の相手も何年たっても許せる気はしなかった。
とりあえず、こいつを何とかするのが最後の目的、となるようだ。
最初の目的は? 決まってる。あいつの言うとおり生き残る事、そしてナカマとやらを探すことだ。
さて、どこに行こうか。
少し考えた末、あたしは……まずバフヘッドを回収し……、向かって左側、つまり住宅街に向かうことにした。
そっちの方が人に会えるような気がしたからだ。なんとなくだが。
【空木 現:南西、住宅街と商業街の境からスタート、住宅街に移動中】
その日は頭痛と共に起きた
暫く寝呆けていたが、脳が覚醒してきた時に異変を感じた
ここは自分の部屋ではないという事だ
「トーチャン!カーチャン!風子!」
確認の為、家族の名前を呼んでいくが案の定返事はなかった
とりあえず自分の状況を確認をした
何故か上着とズボンを履いていてスニーカーも履いていた
寝る時はTシャツと下着だけだったはずである
部屋を見渡すとパソコンがあった
試しに電源をつけてみる。電源はついた
しかし、このパソコンのパスワードは知るはずもなく起動は出来なかった
その前にネット環境があるかどうかもわからないので自分がしたい事が出来たかは不明である
これからどうしようかと思案しようと思ったところに放送が始まった
>「プレイヤーの諸君、ようこそ廃墟の街へ
>君たちが今どこにいるのか、私は知っている
>君たちは今は一人だ、まずは他のナカマと合流することをお勧めする
>さて、君たちに言いたいことがある、いいか、よく聞け
>それはこの世界におけるたった一つの簡単なルールだ
>――命令だ、この廃墟の街で生き残れ」
まだ頭の傷みが残る中、今の放送を頭の中で何度も反芻させていく
つまり自分は廃墟の街にいてこれから仲間を探して生き残るのが目的と?
しかし、人と付き合うのが苦手でこの容姿だ
いじめられる心配をしたがこの状況を打開したいという思いが勝った
そうと決まれば合流だ、という事で外に出る事にした
外に出る為別の部屋に移動した
そこで斧を見付けたので拾って素振りした
他に武器らしきものはなくこの斧も扱い易かったので金太郎スタイルで肩に担いだ
外に出ると廃墟の街という名の通り誰もいなかった
とりあえず歩き出したがすぐに見えない壁に当たった
「いてぇ!何だこのふざけた壁は!?」
斧を一旦地面に置き見えない壁を殴り始めた
暫く殴ったが壊れる様子もなく諦めて斧を拾い別の道を探すのだった
「ふぅ、いい運動だった。生きて帰ったら壁殴り代行社に就職するか」
と、冗談混じりに住宅街を東に歩き始めた
【スタート地点:住宅街(北西の端)】
物心着いたときから、寺下さえかの知る景色は3つだけだった。
ひとつ、病室の白い天井と壁。病弱なさえかが動ける最大限の範囲。
ひとつ、窓から見下ろすミニチュアの街。あそこに彼女が立てた日はない。
ひとつ、たった1日だけ過ごした市内の高校。唯一少女らしい青春を過ごせた、忘れられない景色。
ぼおっと夕日に照らされた街を眺める。さえかは学校に通えないため、単位を全て病室で、課題をこなし取得していた。
今日で自動的に高校を卒業する。
なんだかな、私の青春とは何だったのだろうな。
私はずっと、この四角くて白い部屋で過ごし続けるのかな。
兄が一足早く持ってきた卒業証書の筒を、さえかはこの世の全てを潰すみたいに強く握った。
固くて円筒形の黒い筒は、空気で出来たように軽く感じた。
全部、夢だったら良いのにな。さえかは枕に顔をうずめて、大きく息を吸い込んだ。
私は病弱なんかじゃなくて、あの街の商店街を友達と食べ歩きしたり、学校に通って部活をしたり、
小説やドラマみたいなんじゃなくても恋をしたりして、この卒業証書を受け取るんだ。
「………さえか、ファイトオー、さえか、ファイトオー……」
夢物語を脳に思い浮かべながら、沈みゆく意識の中で小さくいつもの魔法の呪文を呟いた。
「…………あれ?」
目が覚めると、何時もの白い天井はなく、窓越しでした見たことがない青い空が広がっていた。
重い体を起こすと、病室はすっかりなくなっていて。代わりに、見慣れない景色がさえかを囲っていた。
「あのー……誰かいませんかぁー……?」
声をかけてみるも、人気はなく答えをくれる者はいない。
人がいない場所というものは、病室で暮らしてきたさえかにとって不慣れなもので、少し肌寒く感じる。
「うー…………くちゅんっ!」
くしゃみが出た。パジャマ一枚で靴も履いていないのだから当然だ。
建築物の並びを見るに、さえかがいる場所は商業街の一角らしい。
なんだか夢を見ているようだ。ほっぺを抓ったら凄く痛かった。夢じゃないらしい。
右も左も分からない状況は非日常的で、さえかは静かに興奮しつつあった。
「どうなってるのかな…?まずは誰かいないか探してみよう。そうすれば何か分かる!はず!」
少し頼りない。
「さえかっファイトオー!」
ほっぺをぱちぱち叩くと、立ち上がって拳を突き上げた。
その時、ころんと何かが落ちていた。卒業証書の入った筒だ。
「…………」
さえかはそれを少しだけ眺めると、拾い上げて歩き出した。
「あのー、誰かいますかー?いたら返事してくださーい!」
箱入り娘の探索が、今始まった。さえかの幸先や如何に。
【スタート地点:商業街(南)】
【眠っていたので放送を聞いていない。テラ無謀】
「誰かいないのかー」
大声を上げながら商業街を歩く。人気はない、車も一台も見かけなかった。
やはりこの街は何かおかしい。注意して進むべきだろう。
と、歩いているうちに街の南端に出たようだ。
いっそこのまま街を出てしまうか。そう思って歩を進めた瞬間
「痛っ、何だ・・・壁か?」
見えない障壁にぶつかり尻餅をつく。
手で触れて確認する。壁はどこまでも続き、切れ目などないようだ。
叩いてみると鈍い音がした。非常に丈夫そうで、手持ちの手榴弾でも壊せないように感じる。
どうやらこの壁で街に監禁されているということか・・・、これがゲームだという意味が分かった気がした。
命を賭けたゲーム・・・生き残れという指示を考えるに、どうもそういうことらしい。
だとすると、このゲームにはエネミーが存在する・・・そういうことになるだろう。
歩きながら、先ほどの放送の内容を吟味する。
生き残れとはどういう意味だろう・・・ある程度の日数を乗り越えるのか、それとも最後の数人になるまでゲームは続くのか。
そこまで考えた時だった。
「・・・足音?人がいるのか」
音のするほうへ、忍び足で急ぐ。
角を曲がったところで、足音の主を発見した。
白衣姿の男性だ、手には服装に似つかわしくないボウガンを構えている。
敵か・・・それとも味方か。角に身を潜め、しばらく観察を続ける。
動きから察するに、どうやら無警戒に周囲を探索しているようだ。こちらに気づく様子もない。
あれはエネミーの動きではない。そう判断する。
ひとつ溜息をついて、身を潜めていた角から出て前へ進み、声をかけた。
「やぁ。待った、撃たないでくれ。私もこの街に閉じ込められた人間だ。君もそうなんだろう?」
両手を挙げて前へ進み出る。
敵意はない、というゼスチャーのつもりである。
「私は犬吠崎基哉という。君も『プレイヤー』なのかい?良かったら一緒に行動させてはくれないか」
【商業街南、斉藤涼と合流】
【一日目 1stセクション 『他の放浪者と合流せよ』 1ターン目:終了】
【一日目 1stセクション 『他の放浪者と合流せよ』 2ターン目:開始】
意味わからん
男の両手は高々と空に上げられていた。一見して、武器の類は持っていない。
ワイルドな風貌。同年代。その外見に反してとても穏やかな声を出す。
「やぁ。待った、撃たないでくれ。私もこの街に閉じ込められた人間だ。君もそうなんだろう?」
矢をつがえたままに、私は構えかけたボウガンを下ろした。
「・・・ええ。」
反省すべき点は二つ。
一つ目は、白黒判別つかない人物に接近されてしまったこと。
二つ目は、それにも関わらず安堵している自分の楽観的思考。
彼の表情もほっと緩んでいるのを見たところ、どうやら今回は幸運だったようだが。
「犬吠崎さん、よろしく。斉藤と申します。」
信用しきっていないのは互いにおあいこかもしれない。
微妙な雰囲気を引きずりながら私達は必要な情報を交換し合った。
当たり前だが、一般人である彼は戦闘がまるでダメ、到底前線で張り切る役柄ではない。
自分だって他人に偉そうに言えるほど武術に長けている訳ではなく、せいぜい己自身を守れるくらい。
うむ、前途多難。私は頭を掻く。
今持っている武器以外にも護身用に身につけられるものはないか。
幸いここは商業区だ。デパートもあればホームセンターもある。
沈黙の平日ショッピング、商品はALL100%OFF。
後ろめたさに神経がとがった。
探索の後。
先の見通しがついたかと思いきや、私達はまたも絶望の淵に立たされていることに気づく。
探しに探した。店頭はもちろん、ダンボールの中の在庫品まで。
それでも、包丁はおろかアイスピックの一本すら見つけられないのだ。
(・・・甘い見通しだったのは最初から分かっていたつもりだけど)
この徹底振りには目を見張る。複数犯なんてものではない、人外の仕業である。
役立ちそうなアイテムはとりあえずまとめたが、やはりこころもとない。
「これ以上は無駄ですかね。」
私は犬吠崎さんに向かって肩を竦めた。
「ほんっとに誰もいないなぁ〜……」
てこてこと裸足で歩くパジャマ少女寺下さえか。
外に出れたことが興奮に繋がり、勢いで飛び出したは良いものの、実は結構やばい状況なのではないかと不安になる。
まず、道を歩く最中ずっと声を掛け続けたが、誰かが反応する気配はない。
それにかれこれ10分は歩き続けたが、街中を歩いているにも関わらず1人として人間と出会っていない。
不気味な静けさが周囲を支配していた。さえかの項を冷たい何かが通り抜ける。
さえかを突き動かしていた熱がだんだんとクールダウンし、代わりに疑念や底知れない不安感にかられる。
「もしかして、私……一人ぼっち……?」
こんな街に来た覚えは一切なく、また眠りについてから此処に来た一切の経緯も分からず。
足の裏も徐々に痛みを訴え始め、お腹もくきゅうーと切ない声を上げている。
「何か食べるものないかなぁー」
衣類や靴も探さなくてはならない。パジャマ一枚は自分の体に毒だと判断。
最初にまず腹ごしらえしたい所だが、この街に食べ物はあるだろうか。
無礼を承知し、人捜しも兼ねて幾つかの店の敷居を跨いだ。
しかし人も食べ物も中々どうして見つからない。戦利品はキャラ物の黄色いリュックサック(コロ付き)ひとつだけ。
「あら、何かしらこの店……?」
視線を巡らせて探し続け、辿り着いた先は。
世間で一般的に、コンビニエンスストアと呼ばれる場所だった。
「ふぅっ。まさか食べ物屋さんに当たるなんて、さえかってばツイてるぅ!」
コンビニエンスストアは果たして食べ物屋さんという括りで正解なのか。世間知らずは恐ろしい。
三大欲求の1つと非日常的なシチュエーションを前にすれば倫理も道徳も塵芥の一粒だ。
少々躊躇いはしたものの、お金も人もない異常な状況下で常識は通用しないとさえかは判断。
病院では滅多に食べさせて貰えなかった菓子類を、お腹とリュックサックいっぱいに詰め込んでご満悦の様子。
重くなったリュックサックはトランク型に変形させ、再び探索を続ける。その時だ。
ころんっ!ころんころんっ!
「あっ!(卒業証書が!)」
リュックサックのサイドに突っ込んでおいた卒業証書の筒が転がり落ちた。
さえかは慌てて追いかけるが、黒い筒はさえかをおちょくる様に何度も手から滑り抜ける。
「成る程、ホシは逃げ切ろうってハラね……!そうはいかないわよ!」
何かしらの妙なスイッチが入ったか、勝手に盛り上がる。
彼女の脳内BGMは刑事物ドラマのオープニングが流れ、気分は完璧に逃亡犯を追いかける熱血派刑事だ。
やがて長く続くかと思われた追いかけっこにも終止符が打たれる。障害物にぶつかり筒が停止した。
「今だ、確保ぉー!」
ぱっしとトランクを持っていない方の手で筒を押さえ込んだ。さえかは荒い息を押さえようと必死だ。
「へへっこの鬼の刑事、寺下さえか様から逃げ切ろうってのかい?細い癖に良い度胸だね」
もはや何キャラか分からない。
「たっぷりムショで反省することね、神妙にお縄につ……け……?」
少し冷静になり、障害物の影を見て言葉が止まった。
2人分の人影。見上げればこの街で初めて遭遇した見知らぬ男二人。
間違いなく男達の目には、さえかは黒い筒相手に息を荒くさせるおかしなパジャマ女だ。
そしてパジャマ女はというと、夕日が差す病院の廊下で知らない大人から分厚い封筒を受け取る父の背中を思い出していた。
無表情で黙って筒を拾い上げ、トランクに押し込む。代わりにトランクから2本のチョコバーを出し、2人に差し出した。
「これ差し上げますから今見たことは黙ってて下さい!!」
人を発見した喜びより、自分の恥ずかしい挙動を見られてパニックになるさえかだった。
【2人に接触】
どのくらい泣いていたのだろうか
1時間? 2時間? いや、もしかしたら10分にも満たないくらいの短い間だったかもしれない
正確な時間は分からないが、なんとか気持ちが落ち着いてきた頃だった
「何か……聞こえる」
>「おーい、誰かいるかい!僕と同じく誘拐されたっぽい人がいたらあつまれー!」
外からそんな声が聞こえてきた
誰かいるのだろうか?
そうだ、さっきの声は言っていた『仲間を探せ』と
つまりは今、外で大声を出しているのが仲間、なのだろう
「行ったほうが、いいのかな……」
得体の知れない人間と顔を合わせることの不安はあったが
こんな所で独りでいるよりは幾分もマシに思えた
私は無人のアパートを飛び出して、声のする方向に走り、一人の男を見つけた
どこにでも居そうな、それが彼の第一印象だった
「え……えっと、あの、貴方も、ここに、連れて来られた、ん、ですよね?」
久しぶりに走ったことと、初対面の人間と話すことの緊張で、言葉が時々詰まる
それでも私は彼に尋ねた、自分と同じ境遇の人なのか、と
一振りの刀を抱えたままで
このスレにオナニー学園の生徒がいない事を祈る
名前: ピエロ
年齢: 不明
性別:男
性格:躁気味
容姿:極彩色のスーツに緑の短髪、白塗りの顔
武器:
長所:明るい性格
短所:残忍なところ
一言:敵役で参加可能でしたらお願いします
敵役ってメールできないとダメなんだっけ?
どれだけ声を張り上げて求めただろう。
無人。閑散。空虚。廃墟。
誰も居ない、映画のセットの様な、廃れたテーマパークの様なそんな町。
健気にも誰とも知れない放送の声を信じて仲間を求めていた僕だったけれど、
いい加減に喉が痛くなって来て、行為自体が面倒になってきていた。
全く、シャイボーイな僕にこれだけの面倒ごとを任せるなんて、
誘拐犯はきっと気分で人を殺す様な最低の人間に違いない。
最後にもう一度「誰か居ませんか」と言ってからアスファルトの上を歩く僕だったが、
それでも響くのは、僕の靴音だけ……おや?
「ううん?……これは、ひょっとして」
うん!違いない!音が聞こえるぞ!
階段を下りる音。パタパタという足音。
この音の軽さからすると、子供か……ひょっとして女の子かもしれない!
僕は、僕の趣味の副産物として鍛えられた、足音による年齢判別術を実行しながら笑顔でガッツポーズを取る。
足音は僕から見て右斜め前のアパートから聞こえる。
……よし、女の子だった時の為に身だしなみを整えよう!
>「え……えっと、あの、貴方も、ここに、連れて来られた、ん、ですよね?」
ビンゴ!やったね僕!
アパートから出てきたのは、長い髪の女の子だった。
結構かわいいぞ!そして、清楚な長い黒髪が僕のタイプだ!
女の子はちょっとおどおどした様子で僕に話しかけてきた。
警戒してるのかなぁ。とりあえず、不安を取り除いてあげないといけないよね!
「やあ!うん、多分そうだよ!気が付いたらこの街に放置プレイされてたから、
寂しくてさっきの変な放送にあった通り仲間をさがしてたのさ!
おおっと、自己紹介がまだだったね。初めまして!僕の名前は野時 輪。
『のっくん』でも『りん』でも好きに呼んでね?個人的には後者の方が恋人感覚で嬉しいな!」
鏡の前で練習した事もある笑顔を浮かべてそう言ってから、
僕は両手を上げて降参のポーズを取りつつ女の子に近づいていく事にした
うん?なんで降参のポーズかって?それは勿論
「ところで『貴方も』って事は君もここに連れてこられたって事だね?
それなら僕達は、仲間って事だから……そんなに怯えた感じで日本刀抱え込まないでほしいなぁ。
僕は紳士だから、可愛い女の子を襲うなんて真似はしないぜ?むしろ君を守るポジションさ!」
なんで持ってるのかは知らないけど、日本刀なんて物騒なもの持たれたら、いくら僕だってちょっとは怖いからね!
とりあえず、抵抗の意思をみせずに仲良くなる事に決めたんだ。
……。
……ああ、それにしてもこの子の首とかうなじ、白くて綺麗だなぁ。
触りたいなぁ。あの白い首を彼女の黒い髪をつかって■■■■たいなぁ。
きっと、可愛らしい■■■をするんだろうなぁ……。
……おおっと!危ない危ない!女の子の首を触ろうとする所だった。
誘蛾灯に誘われた蛾じゃないんだから。自重自重。
(業務連絡:避難所の「空木 現 ◆Z.CoJFlr3U」=本スレの「空木 現 ◆WnJolnC5NpEZ」(トリップ化け))
あたしは緊張しながら周囲を油断なく警戒し歩みを進めていた、
なんて言うと、半分以上嘘だ。
ほんとは、
あたしはほとんど緊張を解き、素人同然に辺りを見渡しながらぶらぶらと街を歩いていた、
ってのが正解。
馬鹿丸出しとかいうな。これはあたしなりに考えがあるんだっての。
ビルの声の主は「生き残れ」って言った。
それはつまり、「生き残ろう」と思わなければ、「死ぬ」って事だ。
それが具体的に何を指すのか、あたしには想像しきれない。
次の瞬間にあたしの頭がパーンって弾け飛んでも文句は言えない、女子供はすっこんでろ、な状況な可能性もある。
……。
やだね、それは展開として微妙すぎる。
そうならない事を祈ろう。なーむー。
命の危機。
当たり前だが初体験だ。
曲芸は一歩間違えれば死ぬ可能性もあります、なんてのとはおそらく次元が違う。
唯一打開策として用意されたらしい、右手のバフヘッドだってどこまで頼りになってくれるやら。
そんな状況であたしみたいな素人が下手に緊張したところでどうなるもんでもない。
ようするに、いつものあたしのスタイルだ。
自然体自然体、ってね。
自然体、っていっても、限度がある。
目的も何もない散策に飽きが来て、なんとなく十字路を曲がろうとしたところで
「! あれは……! おーいっ!!」
咄嗟にあたしは声を張り上げて、走った。
バフヘッドを持った状態で手を傷めないように走るのは難儀だが、それは角度とか工夫して何とかする。
走り終えた後、距離にして50mほどを走ったところで、あたしは止まり。
「いやー、やっと他の奴に会えたわ。柄じゃないがほっとするね」
といって、にこりと……にやぁ? にまり? まあなんでもいいや、とにかく笑いかけた。
その先には、その辺に転がってそうな男と、日本刀を抱えたあたしと同年代ぐらいの少女がいる。
(日本刀を抱えた、ってひどい枕言葉だが、事実だからしょうがない。多分あたしのバフヘッドと似たようなもんなのだろう)
「ああ、持ってるもんは物騒だがあたしに敵意はない。安心してくれ信じろとらすとみー。
あたしは空木 現っていう。どう呼んでもいいが鬱とか鬱々とかいうのは禁止な」
口をひたすら回しながら、二人の状況をみる。
……気のせいだったか?
さっき確かに、この男が少女の首筋に手をのばして、何かしようとしていたように見えた気がしたんだが……。
(空木 現(2ターン目):西側住宅街にて冬城りんご、野時 輪と合流)
進路を東に取ってどれくらい経っただろうか
この誰もいない閑散とした住宅街にも慣れてきた頃、ふと思った
ここも廃墟だが探索するのにワクワクしないと
いきなり連れて来られたのもあるが、電気ガス水道などのライフラインが生きているからでもある
しかし、一番は自分が来る前…例えば昨日まで生活していたようにも思えるこの景色だ
だから廃墟らしい雰囲気もしないし瓦礫などもなく綺麗な街並みである
そうこう考えている内に住宅街の端まで来たので足を止めて周囲を見回す
このまま進んでも何もないところしかないし人の姿も確認出来ないので真っ直ぐはやめた
次に右手を見る。ぽつぽつと家がある先に高い建物が見える
しかし、ビルのような建物の周囲は何もなく怪しさ満点である
その先に街らしきものが見えるが何もない区画やビルを抜けないといけない
例えば例の放送の主が刺客を放っていたとしてそんな何もないところで戦うのは不利と判断した
なので右手に直進も断念した
残りは来た道を戻るか住宅街の縁を進むかである
縁は斜め方向になっている為、未探索エリアもあるし、何かあれば家に隠れられる
だが不安もある。刺客と会ってしまったら命の取り合いになる
「人を殺すのも殺されるのも恐いお…」
恐怖のあまり声に出てしまった
それに、現在一人なのでこれ以上考えるとどんどん鬱になるのが分かっていたので考えるのをやめた
そして住宅街の縁を歩き出した
【現在位置:北端、進行方向:南西】
>>117 ターン回しの効率の関係でこれ以上多くのプレイヤーを抱えると破綻しかねませんし
残念ですが今回の参加はお断りさせてください
現在参加されている誰かがロール内で死ぬ等空きができましたら参加してくださると嬉しいです
【一日目 1stセクション 『他の放浪者と合流せよ』 2ターン目:終了】
街の中央にそびえるビルから一人の男が出てくる
彼の姿は闇を写したかのように全身黒く染まり、彼の所作は夜の如く静かで、不気味だった
彼はこのゲームの主催者に“捕食者”と呼ばれる存在、プレイヤーに対するエネミーである
「ふむ、どこへ行きましょうか……」
彼の前には3つの選択肢があった
一つは西、こちらには3人のプレイヤーがいる
一つは南、こちらも同じく3人
そして北、この方角には2人
少し迷った末、彼は北に向かうことを決めた
「今回はただの示威行為である、殺すまではしなくてもいい、ですか」
それは先ほど彼が主から与えられた指示であった
彼はやれやれ、と肩を竦め、街の北方に向かい歩き出した
背中に片手で扱えるかどうかと思えるほど大振りの剣を背負って
【一日目 1stセクション 『他の放浪者と合流せよ』 3ターン目:開始】
【捕食者(黒)が行動を開始しました】
合流した斉藤という男と、私は話し合った。
見えない障壁で閉じ込められた私達、生き残りをかけたゲーム。
それについて議論を交し合ったが、当然答えなど見つかるはずもなく。
これ以上議論しても仕方ないと判断した私達は、斉藤の提案で物資の確保に向かうことになった。
街に人は居ないが、不思議なことに店の品物などはそのままなのだ。
どうやらライフラインも生きているらしい。サバイバル生活には困らないだろう。
小一時間程だろうか、私達は探索を行った。
まずは身を守るための武器を揃えようとしたのだが、これが全く見つからないのだ。
おそらくはこれも主催者の仕業だろう、やることが徹底している。
>「これ以上は無駄ですかね。」
その言葉に黙って頷く。
これ以上の探索は体力の無駄になるだろう。
そもそも見えない障壁なんて不条理なものを扱う連中だ。何が起こっても不思議ではない。
「あと必要なのは食料だな、店を変えよう」
そう声をかけ、私達はホームセンターを後にした。
一人暮らしの身の上だ、料理は得意である。せめておいしいものでも作らないと気が晴れない。
そのときだった。
何かを転がすような音と、女の声。
「静かに。誰か居る」
斉藤に合図をし、音を立てないように音源へと向かう。
果たして、そこに居たのはパジャマ姿の少女だった。
全く無警戒に何か黒い筒のようなものを追い回している。
一見して敵ではない。私達は安心して少女の前へ進み出た。
黒い筒は私の足元で止まり、少女はそれに飛びつく。
>「たっぷりムショで反省することね、神妙にお縄につ……け……?」
どうやら見てはいけないシーンに出くわしてしまったようだ。
少女の顔が朱に染まる。
>「これ差し上げますから今見たことは黙ってて下さい!!」
チョコバーで買収されても困る。
どうやら、見るからに彼女もここに閉じ込められた人間のようだ。
「安心なさい、私達もこの廃墟に閉じ込められたんだ、君もそうなんだろう?」
やさしく声をかけ、手をさし伸ばす。
いや、ここは素直にチョコバーを受け取ったほうが良かったのだろうか。
妙なところで逡巡してしまった。
ひとまず、状況を全く理解していないらしい彼女(寺下というらしい)に一通りの説明を行い、私達は行動を共にすることにした。
まずは裸足の彼女に靴を用意しなければならないだろう。
それと、できれば上着も…正直パジャマ姿は目に毒なのだ。
その旨を二人に説明し、斉藤に寺下の付き添いを頼んで、一度分かれて行動することにした。
斉藤と寺下は靴の確保を、私は食材を入手すべく。30分後に再集合することになった。
たまねぎ、にんじん、ガラムマサラにチリペッパー…今夜はカレーにしよう。
数日分の食料を確保した私は、こんもりと食材を放り込んだカートをがらがらと押しながら集合場所へと向かった。
どうせ民家の台所からも包丁が消失しているだろうが、こっちにはバタフライナイフがある。調理に支障はない。
電気は通っていても街灯が点く保障はない。日が暮れる前に拠点を定める必要があるだろう。
私達はひときわ大きな民家を見つけると、そこを当面の拠点として行動することに決めたのだった。
【商業街南、寺下と合流、同地点に拠点確保】
つまらん
「…ヤバいだろ」
奴を見ながら俺はそう思った
明らかに敵と思える黒い人物が前から歩いて来る
「…」
俺は無言のまま、スナイパーライフルを構えた
当たっても倒せるか分からない
だが
やってみる価値はあるだろ!
生きる為
そして何より
まだ見ぬ仲間の為
やってやろうじゃないか
楓は引き金を引いた
[補食者に発砲]
>「やあ!うん、多分そうだよ!気が付いたらこの街に放置プレイされてたから、
> 寂しくてさっきの変な放送にあった通り仲間をさがしてたのさ!
> おおっと、自己紹介がまだだったね。初めまして!僕の名前は野時 輪。
> 『のっくん』でも『りん』でも好きに呼んでね?個人的には後者の方が恋人感覚で嬉しいな!」
男の人……野時さんが自然な笑顔を浮かべて、にこやかに語りかけてくる
野時さんは続けた
>「ところで『貴方も』って事は君もここに連れてこられたって事だね?
> それなら僕達は、仲間って事だから……そんなに怯えた感じで日本刀抱え込まないでほしいなぁ。
> 僕は紳士だから、可愛い女の子を襲うなんて真似はしないぜ?むしろ君を守るポジションさ!」
彼に言われて、初めて自分が刀を強く胸に抱いている事に気が付いた
刀を抱いていても気づかない自分の意識の鈍さに驚きつつも私は慌てて彼の言葉に答えた
「え……あっ、その、すみません
わ、私も、貴方のことをどうしようとか、そういう気はなくて……ええと……
あっ! 名前、その、私、冬城です、冬城りんごと言います
よ、よろしくお願いします野時さ、ん……?」
どうしたのだろう?
野時さんがじっと私を見ている……?
と
>「! あれは……! おーいっ!!」
少し遠くから女の人の声が聞こえてくる
声のした方に目を向けると、大きな何かを持った女性がこちらに走ってきていた
「ひぃぅ!」
彼女の所持している物が何か分からないが
大きな武器、であることを確認して、思わず小さな悲鳴を上げてしまう
でも、私の声は小さすぎて聞こえなかったようだ彼女は切り貼りしたようなぎこちない笑みで語った
>「ああ、持ってるもんは物騒だがあたしに敵意はない。安心してくれ信じろとらすとみー。
> あたしは空木 現っていう。どう呼んでもいいが鬱とか鬱々とかいうのは禁止な」
そうだ、私の手中に日本刀なんてものがあったのだから、空木さんのあれも、いつ手にしたのか分からない物なのだろう
とすると、私は悪意がない、と思われる人に対し、一方的に怯えてしまっていたわけだ
そう思うと、申し訳なさと恥ずかしさで顔を覆いたくなってしまった
顔を彼女に向けられないまま、話す
「ふ……冬城りんごです、空木さんも、えっと、その、仲間……なんですよね?」
自分で言っておいて無責任だけど
私にはあの放送が言ったナカマ、それが何を指すのか分からない
だから卑怯な私は、その分からないことの確認を初対面の彼女に託してみた
ねえねえ、メール出来るんだったら敵としてなら参加してもいいんでしょ?
したいんだけど…
名前:ルニャ(ペンネーム)
年齢:46
性別:女
職業:ニート
性格:傲慢
容姿:かなり太っていて、醜い顔。酷い体臭を放つ。
武器:火薬入りコンドーム
長所:プライドがかなり高い
短所:精神病で頭がおかしい、基本的な能力も極め低い
一言:みんな嫌いみんな帰さないわよ
あ、楽な方へ逃げたな。
私は笑顔を崩さないながらも、はっきりそう感じた。
賞状筒とコントが出来る少女こと、寺下さん。
一見して夢遊病者の呈だが、特にダメなのは靴を履いてないという点。
素足で外を歩くのは実に危険だ。
ガラスの破片や石の角で足裏が傷ついてしまったら、彼女は走ることもままならない。
それはつまり。
「かなりのお荷物だ。」
彼女ではなく、その傍のリュックを見つめるようにして私は微笑んだ。
―そうならないためにも、私か彼が寺下さんを運ばなければいけない。
簡単かと思いきやそうは問屋が卸さぬ、この街に車やバイクがないからだ。
うん、つまり。
本人を目の前に、どうぞどうぞとダチョウ倶楽部を再現するのも失礼な話だし、ここはこちらが折れるべきなのだが。
・・・私、あんまり体力に自信無いんだってば。
寺下さんに向かって、やけくそ気味に笑った。
「その黄色いリュックはここにおいてしまおう。誰もいないから盗まれる心配は無用だ。
――それから、嫌かもしれないけど私に負ぶさってくれるかな。足に怪我したらいけないからね。
まったく、今まで無傷だったのが不思議なくらいだ。」
女性の靴と服ならデパートに行かなくてはならない、それがまた結構遠い。
しかも制限時間30分と来た。
犬吠崎殿、この恨み、今生だけでは済ましませんぞ。
さっさと行ってしまう冷血漢にトランシーバーの電源をONにしといてくれとお願いした後。
比喩でなく、私は重い腰を上げる。
寺下さんに好きな品を選んで貰った後、私はレジの方へごめんなさいねと会釈した。
金を払わないで商品を頂く行為に、あれほどちくちくしていた良心だったが
二回目となればその痛みもかなりマイルドだ。
お目当てのものは無事に見つかって、時間の余裕が出来た。
待ち合わせ場所に向かいながら仕返しと予行演習を兼ね、私はトランシーバーのスイッチをひねる。
「あー、あー、てすてす。こちら斎藤、首尾は上々であります。犬吠崎さん、夕食の材料は全て揃えましたか?
もちろん納豆はあるね?カレーに納豆をかけたら意外と美味しいことを貴方は知っていますか、どうぞ。」
そんな馬鹿なことにいちいち連絡をかけるな!真面目な彼ならそう思うに違いない。
恐ろしい怒声が私の耳に届く前に、寺下さんに協力してもらおうか。
「さえかちゃん、基哉おじさんに何か頼むものない?あるならトランシーバーでお願いしてご覧。
きっとおじさんは張り切って買ってきてくれるんじゃないかな?」
彼女もこれの使い方は予習済みだ。
うん、そうそう、何事も実践するに限る。
堅苦しいのは好きじゃないんだ。私のペースがようやく本調子に戻っていく。
「こちら斎藤、婦人服売り場に潜伏しておりますが、エプロンの類は置いていないようです。
犬吠崎さん自身で調達願います、どうぞー。」
さえかちゃんの天真爛漫な笑顔を目の前に。
そしてトランシーバー越しの苦み走った顔を想像して。
堪えきれず、私はふきだした。
初対面のぎこちなさが薄まっていく、温かい心地。
笑顔を作るのは得意だけど。
こんなにも腹の底から笑いがにじんで来るのは、今日が初めてかもしれない。
【商業街組、特に進展なし!】
>「安心なさい、私達もこの廃墟に閉じ込められたんだ、君もそうなんだろう?」
二人の男の内の一人が手を差し伸べて来た。
顎髭を生やしたワイルドという形容詞が似合いそうな男だ。
言っている意味が良く分からないままにさえかはその手を握った。チョコバーはスル―された。
爪先に賞状筒が当たったワイルドな男は犬吠埼、若白髪の男は斉藤と名乗った。
二人は事情を一切知らないさえかにこの街について教えてくれた。さえかが聞けなかった放送、不可視の壁、無人の街。
廃墟の町で生き残れと放送は言っていたらしい。何の情報も武器も無いさえかが二人に会えたのはかなり奇跡的だ。
でも何故。さえかはふと疑問に思った。目の前の二人は兎も角、病弱で病室に籠もっている自分まで連れてこられたのだろう。
さえかの些細な疑問は犬吠埼の提案によって脳の隅に追いやられた。
靴(と、出来れば上着も)を調達してはということだった。確かに裸足は移動するには少々危険だ。
犬吠埼は食糧を確保するからとすたこらさっさ。あっと言う間に取り残される斎藤とさえか。
「………………」
しばらく流れる沈黙。さえかはおずおずと斎藤を見上げた。
犬吠埼の背中を見送る顔が引きつっている気がした。
さえかは居たたまれず視線を地面に落とす。
正直な所、斎藤の外見はさえかの実父を彷彿とさせ、会話もしといないのに苦手意識が芽生え始めていた。
>「かなりのお荷物だ。」
「はっはひっ!?お荷物?」
斎藤の視線を辿ると、パンパンに膨れた黄色のリュックサック。確かにお荷物だ。
一瞬自分の事を指されたのかと思ったので、未だに心臓が喧しい。
>「その黄色いリュックはここにおいてしまおう。誰もいないから盗まれる心配は無用だ。 」
確かに、今の所周囲にさえかのリュックサックを盗みそうな輩は見当たらない。
言われるがままにリュックサックから手を離した。後で回収するつもりだが。
>「――それから、嫌かもしれないけど私に負ぶさってくれるかな。足に怪我したらいけないからね。
まったく、今まで無傷だったのが不思議なくらいだ。」
次の瞬間、さえかの思考回路がフリーズした。
「…………………へっ?」
補足だが、さえかは生まれてこのかた異性との恋愛は皆無。友人すら居ない。異性と顔を合わせた事すらない。
兄と父はノーカウントとする。
「だっ……駄目駄目駄目ッ!!嫌です!18にもなっておんぶなんて……恥ずかしいです!!」
顔の前で両手を振って拒否のジェスチャー。恥ずかしいの項目には「異性に触れる」も入っているがさて置き。
かなり譲歩して、渋々斎藤が耐えきれるまでの間だけ背負って貰うことになった。
道中、色々な恥で真っ赤な顔で不機嫌全開だったさえかだが、デパートに到着した途端ご機嫌マックス。
>「あー、あー、てすてす。こちら斎藤、首尾は上々であります。犬吠崎さん、夕食の材料は全て揃えましたか?
>もちろん納豆はあるね?カレーに納豆をかけたら意外と美味しいことを貴方は知っていますか、どうぞ。」
斎藤がトランシーバーで連絡を取る横で、さえかは星の模様をあしらったピンク色のスニーカーに足を通していた。
>「さえかちゃん、基哉おじさんに何か頼むものない?あるならトランシーバーでお願いしてご覧。
>きっとおじさんは張り切って買ってきてくれるんじゃないかな?」
爪先で地面をトントン叩いて履き終えたところで、斎藤からトランシーバーを渡される。
きょとんとした表情から一転、電球が点いたかのような笑顔に変わった。
「あっあの!カレーにチョコバーは合いますでしょうかであります、どうぞー!」
>「こちら斎藤、婦人服売り場に潜伏しておりますが、エプロンの類は置いていないようです。
犬吠崎さん自身で調達願います、どうぞー。」
「こちら寺下、日用品売り場にてワンちゃんエプロン発見したでありますです、どうぞー!」
動かないエスカレーターを逆走し(※真似するべからず)、可愛らしい犬がプリントされたエプロンを見せる。
そのせいかどうかは定かではないが、斎藤がぷっと噴き出した。ちょっとだけ驚いたさえかも、すぐに釣られて一緒に笑う。
笑いながら、さえかは斎藤の横顔をちらっと見た。重なって見えた父の顔は払拭されて消えていた。
「あの……斎藤さんって何処に住んでたんですか?職業は?趣味とかあるんですか?」
集合場所へ向かう道すがら(リュックサックは回収した)、さえかは色々と尋ねた。
病院の外で初めて出会った人間に対しての興味プラス、三人の間に共通点があるのではないかという無意識の推察からだった。
民家に到着した後も、夕食を作る犬吠埼の周りを子犬のようにはしゃぎながら質問責めしたのは言うまでもない。
【ピンクの星柄スニーカー+動物柄エプロンゲット】
【男性陣に質問責め
主に・職業は? ・住んでいた場所は?等、共通点探し(という名の推理もどき)】
住宅街の縁を歩いてどれくらいか経った頃、腹の虫が空腹を叫び始めた
仕方がないので適当な民家から拝借する事にした
とは言え、勝手に家に入ってなおかつ食べ物まで取るのは良心が痛む
しかし、ここは廃墟である。だから盗んだところで警察に捕まる事はないはずだ
それに家の主もいない訳だし、こちらは空腹だ
もし食べ物があるのならば自分に食べられなければこれから先も食べられる事もないだろう
そう思い玄関のドアノブを回した。鍵はかかってなかった
家の中を物色していると大きめのリュックを手に入れた
これで食べ物を詰められるので台所に向かった
しかし、その時銃声のようなものが聞こえた
誰かが敵と遭遇したのか、それとも敵の威嚇射撃か
それはわからなかったので怖くなって気が付いたら外に出ていた
「お、俺はまだ死にたくないおー!」
そう叫びながら一目散に南西に走る
【現在位置:北と西の中間 進行方向、南西】
>「え……あっ、その、すみません
>わ、私も、貴方のことをどうしようとか、そういう気はなくて……ええと……
>あっ! 名前、その、私、冬城です、冬城りんごと言います
>よ、よろしくお願いします野時さ、ん……?」
「あはは。大丈夫だよ、君が僕を襲うなんて微塵も考えてないさ。
……へぇ、りんごちゃんって言うんだ。美味しく食べられそうでいい名前だよねっ!
僕も色々迷惑かける事もあるかもしれないけど、よろしく頼むぜりんごちゃん!」
基本的……というには比較対象が僕しかいないから少々違和感が
あるかもしれないけど、それでも、基本的に僕は女の子には紳士な少年だ。
だから、いくら回りに人がいなくて眼前に可愛い女の子がいても、見境無く手を出したりはしない。
そもそも、そんな風に本能に流されるまま行動するのは動物の所業であるからして、
人間の人間たる所以は理性を用いて本能を制御出来るからであって、
つまり何が言いたいかといえば――まあ、妄想の中で無茶苦茶にするくらいはいいよね!って事だ。
……だって、りんごちゃん可愛いから仕方ないだろっ!!
とまあ、そんな感じでりんごちゃんと会話する事に成功していたそんな最中。
突然、僕の後方から声がしてきた。
>「いやー、やっと他の奴に会えたわ。柄じゃないがほっとするね」
どうにもフレンドリーな会話内容。どうやら危害を加えられる事もないだろうと
りんごちゃんとの会話を切り上げ、笑顔を浮かべながら振り向いてみるとそこには
「うわっ、リアル八つ墓村!?」
そこには何やら大きな刃物を手に走ってくる女の子がいた。
なんだよこのホラー、ホラー映画よりもよっぽど狂気的なんだけど!
……さっきの会話を信じれば多分大丈夫だろうけど、
とにかく僕はりんごちゃんを後ろに庇うような体制をとりながら女の子を待ち受けたのであった。
けれど、緊張は空振りに終わった様で、こちらに辿り付いた女の子は少し呼吸を乱しながら自己紹介を始めた。
>「ああ、持ってるもんは物騒だがあたしに敵意はない。安心してくれ信じろとらすとみー。
>あたしは空木 現っていう。どう呼んでもいいが鬱とか鬱々とかいうのは禁止な」
空木現と、なんだか下を噛みそうな名前を名乗ったその赤みがかった髪の女の子。
どうやら快活な性格らしく、よくみれば顔も可愛い。
肉が硬くて切り辛そうだし、髪の長さとか僕のストライクゾーン的にはりんごちゃんの方が一枚上手だけど、
それでも十分僕のタイプの女の子だった。なので、彼女の紹介も僕も紹介を返す事にしたのである。
「じゃあ現って親しい友人か恋人的な名前呼びをさせてもらうね!
勿論、要請があれば仲間として「現たん」って呼ぶのもやぶさかじゃないよ?
……おっと、その前に。僕の名前は野時輪、りんごちゃんと同じ誘拐被害者(?)だよ
輪君でも輪お兄ちゃんでも好きに呼んでいいからね」
そこまで言って、僕は一度二人の顔を見比べる。
……。
いやー、見事に可愛い女の子だよね。両手に花だよ!やったね僕!
……じゃなくて、そろそろ冷静に状況を考えないと。
中々遭えなかった他人に二人も遭えたのはありがたいけど、
状況把握をしないと何か大変な事になりそうな気がするし。
僕は、とりあえず路上に突っ立ってるのは危険だから塀の裏にでも隠れようと二人に提案した後話を切り出す。
「さて……話は変わるけど、りんごちゃんと輪も、おそらく僕と同じく
知らない間にここへと連れてこられたんだよね?だったら、状況把握の為にお互いの素性公開とかどうかな?
なにか共通点とかが見つかれば、犯人のアテとか目的が判るかもしれないしね。
あと、今後の指針とかがあればそれも聞きたいな」
僕の個人的な趣味……というのもあるけど、情報が欲しいのは本当だ。
この奇妙な状況では、少しでも誘拐犯に関する事を特定出来そうな要素があって損な事は無い。
といっても、この状況で二人から話を切り出すのも恥ずかしいだろうから、
僕から、とりあえずはシリアスな表情で口を開くことにする
「じゃあ、改めて。僕は『野時 輪』。19才の現役の大学生だ。
ここに連れて来られたのは多分、大学の講堂で講義をBGMに肉体と脳の休息を図っていた時だと思う。
趣味はエロいゲームをする事。家族は、今は全員死んでいないよ。
持ち物は……何か目が覚めたらこのバールが腰にかかってた。
スリーサイズは、計った事ないから判らないなぁ……とまあ、僕の持ってる情報はそれくらいかな」
そう言って、腰にかけたバールを僕は指差す。
……ん?何か二人の僕を見る目が冷たくなった気がするけど気のせいだよね。
【野時輪:とりあえず、何か起きるまで情報の共有がてら本格的な自己紹介をしようよ!】
男が一瞬少女を庇うような体勢をとる。
それを確認して、あたしはようやく、自分が全力疾走する姿が非常に危険が危なかった事に思い至った。
そりゃリアル何とかとか言われるよな……たはは。
とりあえず、誤魔化すように左手で頭を掻いておく。
(……そういえば八畑村ってどこだ? ダムとかあるとこだっけか?)
と、あたしの軽やかな喋り(笑)に緊張をほぐしてくれたらしく、
二人は相次いで自己紹介をしてきた。
まず、少女がおずおずと口を開く。なぜか目をそらされてる。なんでだ。
>「ふ……冬城りんごです、空木さんも、えっと、その、仲間……なんですよね?」
「りんごか。よろしくな」
にこっ、と笑いかける。
さっきの即席の笑いに比べてちょっとは緊張がほぐれてる感じがした。自己評価だがな。
「仲間かどうか、ね。難しい問題だが、多分そう言って間違いはないんだろうさ。
というより……仲間じゃなかったら、つまり敵だったら」
視線を動かす。
りんごちゃんの日本刀。男の腰のバールのような物。そしてあたしのバフヘッド。
一通り見まわして、肩をすくめて苦笑い。
「困るだろ? お互い、さ」
りんごがそれに答える前に、男が口を開く。
>「じゃあ現って親しい友人か恋人的な名前呼びをさせてもらうね!
> 勿論、要請があれば仲間として「現たん」って呼ぶのもやぶさかじゃないよ?
「たんとか言うな」
とりあえず釘を刺しておく。
なんだ、こいつ、なんとかたん萌え萌えー、とか言っちゃう奴なのか?
> ……おっと、その前に。僕の名前は野時輪、りんごちゃんと同じ誘拐被害者(?)だよ
> 輪君でも輪お兄ちゃんでも好きに呼んでいいからね」
「輪な。だれがあんたの妹になったんだ」
気安い奴だな。まあ、やりやすくもある、が。
その後、輪の提案にしたがって塀の裏側に隠れる事にした。
下心とかは……なさそうだ。今はまだ。
それでも念のため、あたしは外に出るときの入口にあたるところに陣取る事にする。
何か悪い事が起きた時、すぐ対応できるように。あるいは、あたしが矢面に立つように。
>「さて……話は変わるけど、りんごちゃんと輪も、おそらく僕と同じく
> 知らない間にここへと連れてこられたんだよね?だったら、状況把握の為にお互いの素性公開とかどうかな?
> なにか共通点とかが見つかれば、犯人のアテとか目的が判るかもしれないしね。
> あと、今後の指針とかがあればそれも聞きたいな」
輪の言いだす事は概ねもっともだった。
役に立つかどうかは分からんが、これから付き合っていく仲間の事、少しでも知っておくに越したことはないだろう。
が。
>「じゃあ、改めて。僕は『野時 輪』。19才の現役の大学生だ。
> ここに連れて来られたのは多分、大学の講堂で講義をBGMに肉体と脳の休息を図っていた時だと思う。
> 趣味はエロいゲームをする事。家族は、今は全員死んでいないよ。
> 持ち物は……何か目が覚めたらこのバールが腰にかかってた。
> スリーサイズは、計った事ないから判らないなぁ……とまあ、僕の持ってる情報はそれくらいかな」
ネタか。
ネタなのか。
ネタじゃしょうがないな。
三段活用で視線の温度を低下させ、ため息を1つついてあたしは言葉をつなげた。
「先に言っとくがスリーサイズとかは教えねーぞ。意味ないし。
あたしは『空木 現』。たまに親を恨みたくなるが本名だ。17歳。
学校は中卒で、今は曲芸団で見習いやってる。趣味は運動全般、特に曲芸。趣味と実益を兼ねるって奴だな。
両親は健在で曲芸団の団長と花形やってる、兄弟姉妹なし。
持ち物は服と、このバフヘッド……牛の首落とし用の見ての通りバカでかいナイフだけだ。
ここに連れて来られた時は……なあ」
ため息もう一つ。
くるり世界が回る瞬間に、とかいう感じのあれ。
あれをどうやって説明しろって言うんだ。
「ちょっと長い話になるが……宙返りってしってるよな?」
しょうがない。
あたしは腹をくくって、ありのままを語った(
>>103-104)
おお、長くて現実味のない話に二人がガンガン引いていってる気がするぜ……。
そして、ちょうど話し終えたところで。
「……? なんか、遠くで音がしなかったか?
かんしゃく玉か何かが破裂するときみたいな……」
あたしは何かを聞いた。
(空木 現(3ターン目):西側住宅街にて冬城りんご、野時 輪と情報交換。
銃声
>>128を聞くが何かは気が付いていない。)
次誰のターン?
GM
【一日目 1stセクション 『他の放浪者と合流せよ』 3ターン目:終了】
五分も歩かないうちに、捕食者は一人のプレイヤーに遭遇した
……とはいえ、その時点ではまだ彼は自身を狙うプレイヤーに気がついては居なかったが
彼がスナイパーの存在に気がついたのは、彼を狙うスコープが太陽光を反射し、キラリと輝いた瞬間だった
そして、次の瞬間には、楓によりライフルの引き金が引かれ、弾丸が超音速で飛翔する
その弾薬は真っ直ぐに捕食者の黒い仮面へと伸び、そして――
気が付けば捕食者は楓の首にバスタードソードを突き付けていた
楓は彼が歩いてこちらに来るまでの間、三発撃った
だが、その尽くを捕食者は躱してみせたのだ
ここに至ってようやく、捕食者は仮面の下で口を開いた
「駄目じゃないですか、私を撃ちたければ、私に見えない場所で狙いをつけないと」
彼はバスタードソードを下ろし、続ける
「どうぞ行って下さい、西と南に貴方の仲間たりえる人々がいらっしゃいます、私のことを皆様にお話いただけると嬉しいですね」
捕食者は主の言いつけ通り、目の前のプレイヤーを見逃したのだ
【一日目 1stセクション 『他の放浪者と合流せよ』 ラストターン:開始】
この歳にもなって年頃の少女との会話など、全く想定すらしていなかった。
気恥ずかしさからつい斉藤に面倒を押し付けて来てしまったが、内心を読まれてないか冷や冷やモノである。
あの二人、うまくやってれば良いがと、腰に下げたトランシーバーを見やる。
とはいえ、そんな事の確認にわざわざ通信する必要もないな。そう思った時、
>「あー、あー、てすてす。こちら斎藤、首尾は上々であります。犬吠崎さん、夕食の材料は全て揃えましたか?
>もちろん納豆はあるね?カレーに納豆をかけたら意外と美味しいことを貴方は知っていますか、どうぞ。」
向こうは思いの他ノリノリだった。
「こちら犬吠崎、私は納豆は食べられない。かけたいなら買っておくから好きにするように。どうぞ。」
父母が納豆嫌いだったためか、そもそも食卓に納豆が上がったためしがない。
あんなねばねば、本当においしいのかと首をかしげたいところだ。
>「あっあの!カレーにチョコバーは合いますでしょうかであります、どうぞー!」
この娘まで何か不穏なことを言い出したぞ。
せっかくのカレーを闇鍋にしたいのだろうか?
「試したことはないが止めたほうがいいように思うぞ。とりあえずチョコバーが欲しいなら確保しておこう、どうぞ。」
なんにせよ、ふたりがうまくやってるなら何よりだ。
こんな何一つわからない異常な状況でも、お互い笑いあえるのならそれ以上のことはない。
心からそう思った。
台所には、手伝いを断り一人で立った。
料理は私の数少ない趣味であり、腕前にも自信がある。
友人には、さっさと結婚して主夫になればいい、と言われる程である。
まぁ、残念ながらそんな相手は居ない訳であるが。
私は子犬のようにまとわりつく寺下を「その話はあとでゆっくり」といなしつつ、台所へ向かった。
それにしても、ワンちゃんエプロン姿に(断りきれなかった)バタフライナイフ片手といういでたちで台所に立つ男とは、はたから見るとどれだけ滑稽なのだろう。
「さて、改めて自己紹介と行こう。今はお互いに情報が欲しいだろうしな。」
食後のお茶を出しながら、私はそう口火を切った。
正直なところ、自己紹介をしたくらいで今の異常な状況を打破できるヒントが見つかるなどとは思っていない。
しかし今は、お互いがこの状況に立ち向かう仲間だ。信頼を得るために、そのくらいの挨拶は必要だろう。
「私は犬吠崎基哉、老けて見られるが26歳だ。千葉県在住、仕事は実家を継いで古物商をやっている。
仕事の関係でよく海外に出掛ける事もある。趣味は料理だ。そしてもちろん・・・誘拐される覚えはない。」
プロフィールなど、口にしてみたらこのくらいのものである。
全く、面白みのない人生だなとつくづく思う。
それから私は、覚えている限りのさらわれる直前の様子を語った。
とはいえ、仕事を終え自宅に帰った。ただそれだけである。
「それから、私が目を覚ましたとき、一緒にこれが置いてあった。」
そう言って、懐から手榴弾を取り出す。
その数6つ、一体主催者はどのような状況を想定してこんなものを用意したのだろうか。
私には使いどころが想定できないし、使う気もない。
出来ることなら捨ててしまいたかったが、どういうわけだか捨てられずにいた。
これを使うような機会が訪れなければ良いが・・・と願わずにはいられなかった。
「少なくとも相手は、こんなものやクロスボウを用意して持たせるような連中だ。注意しておくに越したことはないと思う。」
このゲームには敵がいる。私にはその直感が正しいように思えて仕方がなかった。
「!?」
俺は驚いた
まさか三発全ての玉が避けられるとは思わなかった
「ひっ」
気がつくとバスターソードを突きつけられている
俺は死ぬのか?
死を覚悟していると
>>「どうぞ行って下さい…
俺は勝ち目は無いと判断し、言われた通り西へ向かった
走っているとまた銃声が聞こえた
「もうこんなの嫌だおー!帰りたいおー!」
そう叫んでいるうちにもう一回銃声がした
更に走る速度を上げて銃声から逃げ続ける
しかし、それから4発目以降は聞こえてこない
撃った人が殺されたのか、それとも仕留めたのか、またはただの威嚇射撃なのか…
だが状況がわからない自分はひたすら走る事しか頭になかった
逃げのびて生き残る…それしか考えられなかった
だからか、全力疾走を続けていても疲れはあまり感じない
このままどこまでもいける…!そう思った時だった
「ぶべらっ!」
そう、街の端にある見えない壁である
生き残る事しか考えられなかったため壁の事はすっかり忘れていたのである
そのため、見事激突してしまった
そして、頭を打ったらしく意識が遠のいていく…
その刹那、家族の顔が見えた気がしたがすぐに何も見えなくなった
【現在位置:西端 状態:見えない壁に激突して気絶】
「う、うまい。・・・犬吠崎さん、インド人か貴方は!」
顔に似合わず、犬吠崎さんは料理がお上手だった。
即席麺やコンビニ弁当に毒されている私とはまるで人種が違う。
さらに、断るかと思ったワンちゃんエプロンまで着こなし、ギャグ要員にまで対応しているとは・・・
>「さて、改めて自己紹介と行こう。今はお互いに情報が欲しいだろうしな。」
犬吠崎さんの仕切り直しに、私は口に近づけた湯のみをしばし止めた。
>「私は犬吠崎基哉、老けて見られるが26歳だ。千葉県在住、仕事は実家を継いで古物商をやっている。
仕事の関係でよく海外に出掛ける事もある。趣味は料理だ。そしてもちろん・・・誘拐される覚えはない。」
「26?私より2つ下か、驚いた。てっきり年上の方だと思ってたけど。」
彫りの深さや顎鬚のおかげで、その実年齢より軽く10歳は年上に見積もっていた。
「私は斎藤涼と言う、涼でいいよ。今年で28歳。でも顔は結構若いでしょう?
苦労が全部髪の色に来てしまったようでね。
こんな格好だから一目瞭然だろうが、研究者です。日がな一日研究室に篭って実験かと思ったら、
次の拍子にはアマゾンの奥地で試料採取してたり、飽きの来ない仕事さ。
実家は京都だけどこの頃はご無沙汰してる。
趣味は調査先で写真を撮ること、夢は庭付き一戸建てに自分だけのラボを持つこと。
職業柄、ピンセットなんかをよく扱うから細かい作業には自信がある。これが特技かな。」
これからのことを考えて自身の武器の説明も交えようか。
どっこらせとすっかり身に馴染んだ重さを、テーブルに託す。
「それでこれが私の身を守る術だ。
犬吠崎さんが言うようにクロスボウが正しい名称だけど、
ボウガンの方がどことなく頼もしいから、私はそう呼ぶよ。」
なんといっても『bow+gun』である。当たったら物凄く痛そうだ。
銃のように、トリガーを引くだけなので力は入らないし、
弓のように、使用した矢をもう一度つがえることができる。
形状的にも機能的にも、この武器の特徴をダイレクトに捕らえているではないか。
手榴弾とボウガンが置かれたテーブルは極めてものものしく、
今まで和気藹々とカレーを頂いていたとは思えないどんよりした空気をまといだす。
気分を変える為にも、私は努めて明るく、学生時代に興じた合コンの乗りでバトンタッチを行った。
「それでは皆さんお待ちかね、このチームの紅一点、さえかちゃんです、自己紹介をどうぞ! さ、立って立って!」
>「りんごか。よろしくな
>仲間かどうか、ね。難しい問題だが、多分そう言って間違いはないんだろうさ。
> というより……仲間じゃなかったら、つまり敵だったら
>困るだろ? お互い、さ」
空木さんは笑顔で私の質問に答えた
それに対して私が何かを言う前に野時さんが空木さんに挨拶をしたので
その後、私から彼女に何かを言うことはできなかったけど……
野時さんの提案で私たちは身を隠した後で本格的な自己紹介をすることにした
>「じゃあ、改めて。僕は『野時 輪』。19才の現役の大学生だ。
> ここに連れて来られたのは多分、大学の講堂で講義をBGMに肉体と脳の休息を図っていた時だと思う。
> 趣味はエロいゲームをする事。家族は、今は全員死んでいないよ。
> 持ち物は……何か目が覚めたらこのバールが腰にかかってた。
> スリーサイズは、計った事ないから判らないなぁ……とまあ、僕の持ってる情報はそれくらいかな」
え、えっと……
いくつか想定外の情報があったから、どう答えていいのか分からなかった
隣の空木さんもちょっと呆れているようだ
そして、今度は小さくため息をついた彼女が話はじめた
>「先に言っとくがスリーサイズとかは教えねーぞ。意味ないし。
> あたしは『空木 現』。たまに親を恨みたくなるが本名だ。17歳。
> 学校は中卒で、今は曲芸団で見習いやってる。趣味は運動全般、特に曲芸。趣味と実益を兼ねるって奴だな。
> 両親は健在で曲芸団の団長と花形やってる、兄弟姉妹なし。
> 持ち物は服と、このバフヘッド……牛の首落とし用の見ての通りバカでかいナイフだけだ。
> ここに連れて来られた時は……なあ」
空木さんはそこで言葉を区切り、またため息をついた
どうしたのだろう? 話したくないことでもあるんだろうか?
私は少し心配になったが、それは杞憂だったみたいだ、彼女はそのまま何事もなかったかのように続けた
>「ちょっと長い話になるが……宙返りってしってるよな?」
そこから先の彼女の話は、到底信じられるものではなかった
……私がこんな場所にいなければ、だけれども
そもそも、私がこんな場所にいることが現実味のない話なのだから、それを考えれば彼女の話も信じられる
なんて、一人で納得していると、二人の視線がこちらを向く
そうだ、順番で言えば次は私の番である
人前で話すのはあまり得意ではないけど、仕方がない……
私がちょっとした覚悟をして、口を開こうとした時
何かの音がした、等間隔で三回
大きなビルのある方からだった
>「……? なんか、遠くで音がしなかったか?
> かんしゃく玉か何かが破裂するときみたいな……」
どうやら、空木さんも聞いたみたいで、それが私の幻聴でないことを証明してくれた
……大きな音がしたということはあちらに人がいる可能性があるということだ
私は、開きかけた口から、別の言葉を出すことにする
「あの、空木さん……私も聞きました
何の音かは分からないけど……人がいるかもしれませんし……お二人とも、行ってみませんか……?」
テーブルを囲んで、突然廃墟に連れて来られた三人は和気藹々と食事を摂っていた。
食卓に並べられるは、犬吠崎特製のカレーだ。大変良い匂いがダイニングに漂っている。
しかしちょっと待ってほしい。仮にも病人であるさえかが刺激物を摂るのは如何なものか。
それに関してはさえかも懸念した。これを食べる事で体調が悪化するのではないかと。
が、目の前にあるのは、今までテレビでしか見た事がなく、一度も口にしたことのない魅惑のカレー。
しかも出来たてホヤホヤ。
「いただきまーす!」
勿論、この少女自分の体調など省みず手を出す事は、容易なことだった。
初めて口にしたカレーに、さえかは感激のあまり宝石のように目を輝かせ頬を赤らめる。
ほっぺがとろける美味しさとはこの事なのか。実際に頬がとけてしまいそうで、頬に手を添えてしまうほど。
ガラムマサラとチリペッパーの香りに、炒めた玉葱のほのかな甘味のアクセント。
ほくほくの野菜たちと肉汁溢れるジューシーな豚の角肉のコラボレーション。
それらをトロリとしたカレールーが包み、更に熱々のライスが口の中で混ざり合って、ピリリと残る辛味が何とも小憎らしい。
あっと言う間に、さえかは犬吠崎カレーの虜となってしまった。
>「う、うまい。・・・犬吠崎さん、インド人か貴方は!」
「んー……美味しいー! 基哉おじさん、きっと良い奥さんになれますよ!」
さらっととんでもない発言を残しつつ、あっという間にぺろりと平らげる。
元々小食なためお代わりは要求できなかったが、それでも一食分を食べきるなどと久しぶりだった。
こうして誰かと食卓を囲むことも、談笑することも、他人の作ったご飯を美味しいと思ったのも初めてだった。
>「さて、改めて自己紹介と行こう。今はお互いに情報が欲しいだろうしな。」
空になった皿から視線をあげ、さえかは人知れず背筋を正した。
言いだしっぺの法則に基づいて犬吠崎から自己紹介を始める。
>「私は犬吠崎基哉、老けて見られるが26歳だ。千葉県在住、仕事は実家を継いで古物商をやっている。
> 仕事の関係でよく海外に出掛ける事もある。趣味は料理だ。そしてもちろん・・・誘拐される覚えはない。」
>「26?私より2つ下か、驚いた。てっきり年上の方だと思ってたけど。」
「わ、私も、てっきり30を越してるかと……」
斉藤が少しばかり驚いて口をはさむ。
若白髪のお陰で斎藤と犬吠崎が同年代に見えた事は胸の内に留めておく。
>「それから、私が目を覚ましたとき、一緒にこれが置いてあった。」
犬吠崎が懐から取り出した手榴弾。数は6つ。斉藤も倣うように、クロスボウをゴトリと置く。
和気藹々としたテーブルが、一瞬にして戦場のような殺伐としたものへ変わった。
明らかにこの場に相応しくない武器が並べられた様を見て、さえかは指先が青白くなるほど賞状筒を強く握る。
>「少なくとも相手は、こんなものやクロスボウを用意して持たせるような連中だ。注意しておくに越したことはないと思う。」
その言葉に生唾を飲んだ。果たしてそのような言葉を真顔で述べる成人男性がワンちゃんエプロンを着用している姿を見て
笑えばいいのか困惑すればいいのか、今のさえかには判断がし辛かった。もっと言うと頬筋が辛い。カレーだけに。別に上手くない。
重苦しい空気を打破するように、斉藤が飲み会か合コンのノリでその場のムードを変えた。
>「それでは皆さんお待ちかね、このチームの紅一点、さえかちゃんです、自己紹介をどうぞ! さ、立って立って!」
「はっはい!えっと、寺下さえかです。本当は伎佳って書くんですけど、さえかで構いません。
今はもう18歳です。東京生まれの埼玉在住、先日高校を卒業して……今は無職でーすっ、えへへっ。
二人とは違って、海外には一度も行った事ないから羨ましいです。読書やテレビ観賞、ネットサーフィンとかが趣味かな。
寝て起きたら街のど真ん中だったから、すっごく吃驚しちゃいました!まるで映画みたいですよね!」
さえかもまた、努めて明るく自己紹介を済ませる。
自分が病人であることや、海外はおろか一度も眼下の街にすら踏み出した経験がないことも隠しておいた。
二人に気を遣わせたくない、気を遣われたくない、足手纏いになりたくない。
もし病弱だと知られたら、置き去りにされてしまうかもしれない。それだけは絶対に嫌だ。そんな想いからだった。
「それにしたって、何で私たちはこんな所に連れて来られたんでしょうか。私に至っては武器も無いし……」
あるとすればこれだけ、と卓上に賞状筒が乗せられる。場違いなアイテムのお陰で重い空気が少しだけ軽くなった気がした。
二人とは違い、何故さえかには武器が無いのか。最も、賞状筒が武器なのだとすれば合点もいくが。
アクション映画やドラマにしか登場しないような物を目の前にし、さえかはつい好奇心に動かされる。
何気なく一番近いクロスボウを指先でつつこうとし……出来なかった。
「あれ?何で触れないんだろう……?」
まさかと思い、今度は犬吠崎のバタフライナイフや手榴弾にも手を伸ばす。結果は同じ。触れることが出来ない。
事態はますます深刻だ。他人の武器に触れられない。つまり、もっといるかもしれない誰かの武器を利用して身を護ることが出来ないということ。
例えば、犬吠崎の指摘した敵。そうなると、一番非常に不利な立場に立たされる人間が1人。
武器もない、武器や護身術はおろか体力すらない。力なし・武器なし・体力なしの三拍子が揃ってしまっているのだ。
つまり、今現在のさえかは、ネギを3本しょった格好のカモ。
「…………私、もしかしてとんでもないことに気付いちゃったんじゃ……?」
顔色を蒼くさせながら、引き攣った笑顔でカモ系少女はそう呟いた。
【自己紹介終了。病人であることは黙秘。他人の武器に触れられないことに気付く】
結局の所、僕が現たんから聞き出した個人情報には、さほど有意義なものは無かった。
宙返りとか、現たんって電波っ娘だったのかなぁ。とかせいぜいその程度だった。
しかも、僕がさりげなく会話に織り込んだスリーサイズに関しても
答えてくれないというガッカリ具合……これから現たんの事を
心の中でがっかりさんと呼ぼうと思うぐらいの期待はずれだよっ!
……まあいいや。次はいよいよ期待のりんごちゃんの個人情報公開だからね。
僕の心臓も胸の中でバクバク言ってるぜ。さあ、カモン――――
>「……? なんか、遠くで音がしなかったか?
>かんしゃく玉か何かが破裂するときみたいな……」
……。現たん!君は本当にがっかりだな!?
今はそういうタイミングじゃないだろ!りんごちゃんの自己紹介が最優先だろ!?
仕方ない、何とか会話の軌道修正を
「へー、そうなんだ。僕には聞こえなかったよ。それより、りんごちゃんのスリーサイズ」
>「あの、空木さん……私も聞きました
>何の音かは分からないけど……人がいるかもしれませんし……お二人とも、行ってみませんか……?」
……ジーザス。神は死んだ。僕無宗教だけど。
こうなってしまっては、もはや流れに従うしかないんだろうなぁ。
第一、その音って実は僕も聞こえてたし……というか、あの音は銃の発砲音だよね。
一時期趣味でネットのそういう動画を閲覧しまくってた僕には流石に判る。
かんしゃく玉なんかじゃあ、決して無い。
……。
んー……どうしようかな。
悩むなぁ……まあ、今回はいいか。りんごちゃんと現たんが知らない誰かに殺されるのはNTRみたいで嫌だし。
とりあえず僕は、りんごちゃんの前に手を突き出して、二人を静止する姿勢を取る事にした。
「おいおい、いくらりんごちゃんの意見でも、僕は反対だぜ。
音のする場所になんて『絶対に行くべきじゃない』。
むしろ、出来るだけ早く音のした場所から逃げるべきだと思うよ」
何か言いたげな二人に人差し指をピンと立てて、笑顔を浮かべながら続ける。
「だって、考えてみてよ。仲間を集めろっていう指示の後にいきなり聞こえてきた特徴的な音。
……普通に考えれば、僕たちをその場所に引き寄せようとしてるか、
誰かが助けを求める……もしくは『何か』への抵抗の為に出した音だろ?だから、行く価値なんて無いよね」
つまり僕は、二人にこの場から離れる事を提案したんだ。
音がした場所に集まるのは、平和ボケした人たちの悪い癖だよね。
海外では、銃声がしたのに伏せずにキョロキョロしてる間抜けな旅行者の話を聞くことがあるけど、それと同じだ。
……勿論、何か情報がある可能性もあるけど、自分の命をベットする価値があるとは思えない。
「まあ、もし現たんもそっちに行きたいっていうなら流石に僕も従うけどね。
ただしその時は僕は現たんを一番前に置いて歩かせてもらうぜ。
――――現たんか、りんごちゃんがおっぱいを揉ませてくれるなら前を歩くけど」
どうも、自己紹介を始めた辺りから妙に視線を感じる。輪からだ。
何だろうな? あたしが話してるからあたしを見るのは普通と言えば普通なんだが、どうもそれ以上の何かを感じる。
まあ、あえて口にするほどじゃなかったから言いたい事は言っちまったが。
さて、問題は音だ。
>「へー、そうなんだ。僕には聞こえなかったよ。それより、りんごちゃんのスリーサイズ」
>「あの、空木さん……私も聞きました
>何の音かは分からないけど……人がいるかもしれませんし……お二人とも、行ってみませんか……?」
>……ジーザス。神は死んだ。
輪が抗議の姿勢を見せたり絶望を謳ったりしてるのは無視する。
そういうことかよ、スケベ。
ま、このまま話が進んでてもりんごが言ったとは思えないが。
さて、りんごは音の場所に行こうという。手がかりも何もない現状、あたしも同感だった。
一先ず頷いて同意し、立ちあがろうとして……輪の奴に止められる。
出鼻をくじかれて鼻白むあたしに、輪は滔々と語りかけた。
>「おいおい、いくらりんごちゃんの意見でも、僕は反対だぜ。
> 音のする場所になんて『絶対に行くべきじゃない』。
> むしろ、出来るだけ早く音のした場所から逃げるべきだと思うよ」
>
>「だって、考えてみてよ。仲間を集めろっていう指示の後にいきなり聞こえてきた特徴的な音。
> ……普通に考えれば、僕たちをその場所に引き寄せようとしてるか、
> 誰かが助けを求める……もしくは『何か』への抵抗の為に出した音だろ?だから、行く価値なんて無いよね」
どうも言う事が癇に障るが、一応筋は通っている。
つまりこいつは、自分の身の安全を第一に考え、この場を離れようとしているって訳だ。
「自分」、に、「達」とつくかどうかは……微妙なところだ。こうやって危惧を口に出すって事はつけてくれてるのかね?
>「まあ、もし現たんもそっちに行きたいっていうなら流石に僕も従うけどね。
> ただしその時は僕は現たんを一番前に置いて歩かせてもらうぜ。
ふむ。
あたしは、返答しようとして……。
>――――現たんか、りんごちゃんがおっぱいを揉ませてくれるなら前を歩くけど」
「そうか、黙れ」
笑顔で人が殺せたら、今のあたしは世界も滅ぼせるだろう。
「あたしは音の方の行くのに一票な。
どうせ、拐われた時点でどこも危ないのは一緒だろ?
だったら、あたしはちょっとでもなにかありそうなとこに行く」
別に、輪の奴にムカついて反発した訳じゃない。
反発した訳じゃないか?
「んじゃ、あたしとりんごは行くからな、輪は帰っていいぞ」
……ま、ちょっとは覚悟しておけ。
そういう訳で、あたしたちは音のした方に(半分以上勘で)移動し始めた。
【一日目 1stセクション 『他の放浪者と合流せよ』 ラストターン:終了】
“管理棟”の中で私は満足気に捕食者と接触したプレイヤーの姿を見ていた
捕食者はプレイヤーが去ったことを確認すると、南へ進み始める
恐らくは未だエネミーの存在を知らないプレイヤーに接触しに行くのだろう
空を見れば、大分日は傾き夜が広範囲を占めている
そう、夜である
ふむ……そうだな、見知らぬ街で一夜を過ごすことになる彼らに、少しプレゼントをあげようか
そんな考えが浮かび、私はスピーカーのスイッチを再び入れた
「プレイヤーの諸君、元気かな?
君たちにいくつか伝えていないことがあったのでね
その内の一つを教えてやろうと思う
このゲームの参加者は8名だ
諸君が今何名で行動しているのかはこちらでも大体把握しているが、今見える範囲にいるプレイヤーが全てではない、ということだな」
無論、こちらの手駒はこの人数には数えていないが
それは言わなくともいいだろう
「さて、そろそろこの街にも夜が訪れる
諸君も“安全な”寝床の確保をした方がいいだろうな
では、ご機嫌よう」
【一日目 2ndセクション 『寝床の確保をせよ』 1ターン目:開始】
「年上か、やれやれ。予想通りの反応どうもありがとう。」
年齢より上に見られるのはいつものことだ。今更どうとも思わない。
むしろ実年齢を当てられる人に会ってみたいものだ。
>「あれ?何で触れないんだろう……?」
「さて、今後の事だけど・・・おや、寺・・・さえかちゃん、どうかしたのか?」
テーブルの上に置かれた武器に手を伸ばし、不思議な動作をしている。
まるでパントマイムで、そこに壁があるような。
「武器に触れない?そんな、馬鹿な。」
さえかに倣うようにテーブルのボウガンに手を伸ばす。
しかし、その手はまるで反発する磁石のように弾かれてしまった。
「参ったな、これは・・・。」
そう呟いて頭を掻く。
本当はこの手榴弾を二人にも配っておこうと思っていたのだ。
作戦が端から丸つぶれである。どうしようもない。
どこか不自然な廃墟となった街、車や武器の取り除かれた環境。不可視の壁、そして今回の件。
一体このゲームの主催者は、こんな不可思議な力まで使って何をさせようというのか。
まるで説明の付かないこれらの事象を思い、ため息をつく。
そのとき、ブツッというスピーカーの起動音に気づいた。
思わず立ち上がり、体を硬直させる。
>「プレイヤーの諸君、元気かな?
>・・・・・・。」
「参加者は8名、か。私たち以外にもこの街にはあと5人も人間がいるということだな。
どう思う?斉藤さん。私は出来ることなら合流したほうがいいように思うが。
とはいえ、今日はもう遅い、日も落ちてしまった。
今日はここに泊まり、他の参加者を探すのは明日のほうがいいように思う。」
放送を聴き終え、そう意見を述べる。
少なくとも夜間に動き回るのは得策ではないだろう。
問題は、他の参加者が同じ境遇なのか、ということくらいだろうか。
境遇が違えば立場も変わる。同じ境遇であることを祈るばかりだ。
結局暗い雰囲気のまま終わってしまった食事の片付けを済ませ、私は腰を落ち着かせた。
夜はまだ長い。手持ち無沙汰になった私は、何気なくそばにいたさえかに話しかけた。
「なぁ、さえかちゃん。調子はどうだい?
若いとはいえ、今日の出来事は体にこたえたろう。先に休んでもいいんだぞ?」
そう言いながら、大きく背伸びをする。
私自身も少々疲労している。だが、まだ十分に動けるだろう。
さて、夜は長い。これからどうしよう。
などとぼんやりと考えていたときだった。
がさがさと、荒々しく植え込みを踏み越えるような音が聞こえた。
変だな、庭になにかいるのか?
そう思った次の瞬間。
派手な音を立てて、居間の窓ガラスが破られた。
【とりあえず接敵させてみました】
第一声、謎の人物は愛想よく『元気かな?』と声をかけてくれた。
つづいて親切に状況の説明、結びには泊まる場所の心配まで!
抑揚無いしゃべり方の癖に愉快げな雰囲気が滲み出ており、
いいように遊ばれております、という私達の状況がさらに浮き彫りになっていく。
その苦々しさに、私は少し唇を噛む。
>「参加者は8名、か。私たち以外にもこの街にはあと5人も人間がいるということだな。
どう思う?斉藤さん。私は出来ることなら合流したほうがいいように思うが。
「私達、バリバリの後衛陣ですもんね。
アタッカーを補助する役割の人間が近距離戦はきついだろうなあ。」
>・・・とはいえ、今日はもう遅い、日も落ちてしまった。
今日はここに泊まり、他の参加者を探すのは明日のほうがいいように思う。」
「ええ、そうしましょう。万が一の為に見張り役、決めときます?
さえかちゃんに夜番は酷だよね。今日はぐっすりおやすみなさい。
犬吠崎さんもお疲れでしたらどうぞ遠慮なく私に任せて。5日くらいぶっ通しで起きとけますよ。」
犬吠崎さんには美味しい夕食をご馳走になった訳だし、寺下さんには皆の雰囲気を和やかにしてもらった。
私もなにか役に立てればと思った。
労う意味も兼ね、顔から疲れを拭いきれていない二人を半ば押し切るかたちで休ませた。
ああいうのは慣れと精神力の問題だから、自分の場合、睡眠時間には割りと融通が効く。
「そうと決まれば歯磨きとシャワーか。ちょっと探してきます。」
他人様宅で勝手がきかない間取りをふらふらし、私は脱衣所を見つけた。
不透明なガラスの引き戸を開ける。大きめの浴槽がある。
コックをひねって湯を出し、まだぬるいその流れにぼんやり指を遊ばせる。
ここは案外リビングから近いらしく、
二人の会話をうっすら聞き取ることが出来た。
寺下さんに出合ったときの犬吠崎さんの横顔から、
女性が苦手なのかな、もしくは子供嫌いかな、
との推測は、思い過ごしだったのかもしれない。
だけど、おずおず、という雰囲気が拭えないのは確かで、
この調子では5分も会話が持ちそうにない。助け舟を出そうと思う。
お風呂沸きましたよ、
私は彼らを呼ぼうと肺に空気を溜め――
右から左に突き抜ける、甲高い破壊音が、
割れたガラス片を、躊躇なく踏みつける足音が、
――口から発せられる予定だった大声を無理矢理押し止める。
湯を張り終えた私はきっちり蛇口を閉めて、風呂の温度を確認した。
「あっつー。」もうこれ限りなく熱湯に近い。こんなんじゃ誰も入れない。
冷めるまで待とうか?
それとも。
【捕食者から見えない地点で。】
どのくらいの間、気絶していたのだろう
寒さで起きた時には辺りはすっかり夜になっていた
気絶する前はまだ日も高かったはずだ
つまり何時間かここに気絶していたが、命は落としてなかった
運がよかったと一息ついたところで放送が始まった
>「プレイヤーの諸君、元気かな?・・・」
今は一人ぼっちだが他に7人いる事がわかって少し安心した
だがこのまま一人だと就寝時に襲われかねない
そんな不安は行動に出ていた
「おーい!誰かいないかー!いたら返事してくれー!」
半分悲鳴じみたような声が住宅街に響いていく…
【西の端の辺りで他の参加者に呼びかけていく】
「あれが仲間か…」
前方に近づいてくる三人を確認した
本当に仲間なのか?
敵の罠じゃないのか?
そんな事を思いつつ話かけた
「アンタらも誘拐されたのか?」少し話してみると仲間だと分かったので敵の情報(
>>128>>143>>146)を話した
――――>「プレイヤーの諸君、元気かな?」
三人の間に重苦しい空気が流れる中、追い討ちをかけるように無機質な放送が流れてくる。
さえかは無意識に身を固くしたまま、青い顔で放送を黙って聞いていた。
>「参加者は8名、か。私たち以外にもこの街にはあと5人も人間がいるということだな。
どう思う?斉藤さん。私は出来ることなら合流したほうがいいように思うが。」
放送が終わり、口火を切った犬吠埼に視線を向ける。
>「私達、バリバリの後衛陣ですもんね。
アタッカーを補助する役割の人間が近距離戦はきついだろうなあ。」
「で、ですね……あはは……」
そもそも戦闘用員にすらなりえない彼女にとっては耳に痛い話だ。
>「とはいえ、今日はもう遅い、日も落ちてしまった。
今日はここに泊まり、他の参加者を探すのは明日のほうがいいように思う。」
>「ええ、そうしましょう。万が一の為に見張り役、決めときます?」
斎藤が出した提案に、さえかは真っ先に挙手しようとした。役立たずよりかはマシだと思ったからだ。
「あの、だったら私が……」
>「さえかちゃんに夜番は酷だよね。今日はぐっすりおやすみなさい。
犬吠崎さんもお疲れでしたらどうぞ遠慮なく私に任せて。5日くらいぶっ通しで起きとけますよ。」
がっくし。肩透かしを食らった気分だ。挙げかけた手は空振りに終わった。
不機嫌そうに手持ち無沙汰でソファーに座り込み、賞状筒をいじるさえか。
その隣に犬吠埼が腰を落ち着けた。斎藤は浴室を探すべく離脱したため姿が見えない。
>「なぁ、さえかちゃん。調子はどうだい?
若いとはいえ、今日の出来事は体にこたえたろう。先に休んでもいいんだぞ?」
「いえ、まだ起きてます。眠れないです……し……ぅ〜」
かっくんかっくんと船を漕ぎながら言った所で説得力は皆無だ。必死に睡魔と戦っている。
また目覚めて1人だったとしたら……?
ぼんやりと根底に残る言語化しきれない感情が、彼女の意識を夢の世界に連れて行かれないようにしていた。
おそらく2人は、さえかは完全なる非戦闘員と認識しているだろう。
生き残る過程において、戦えない者は足手まといであり、真っ先に切り捨てられる対象だ。
さえかにとって、切り捨てられるとは最大の恐怖だ。
この先、1人だけでは絶対に生きていけないことを身を持って思い知らされているからこそ、孤独が一番恐ろしい。
(寝ちゃだめだ……寝ちゃ、駄目……)
膝を強く抓って眠気を覚ます。
そのような状態だったので、目覚まし代わりに居間のガラス窓を叩き割られる直前まで、その気配に全く気づかなかった。
「ひっ……きゃあっ……!」
咄嗟に自分の口を塞いだ。目の前で起きた強烈な展開に恐怖し、同時にその恐怖を悟らせてはいけないと直感で判断したのだ。
相手は体格からして男か。仮面で顔は分からない。着こなしたスーツと手に持ったバスタードソードがとても不釣り合いだ。
さえかの脳裏に、スピーカーの声の主と犬吠埼の言葉が蘇る――――参加者、敵の存在。
彼が自分達の命を脅かす敵か、或いは自分達と同じ参加者で、錯乱した精神状態であるだけなのか。
判断はつかないが、油断ならない状況であることに変わりはない。
さえかは考える。こんな時、非戦闘員でお荷物の自分に出来ることは何か。
切羽詰まった空気で冷静な判断を下すことに慣れない少女は、短絡的かつ愚かの極みの策に出た。
犬吠埼と黒ずくめの間に割って入り、犬吠埼を庇うように両手を広げたのだ。
「どなたですか?私の知り合いに、散歩のコースに余所様の家の居間を通るような人は居ないんですけど。
もしかして、放送で仰ってた参加者の方ですか?そうでないなら、今すぐ右回れして帰って下さい」
黒ずくめを睨みつけ、震える声で挑発的な態度を取る。よくもまあこんなにポンポン言葉が出るものだ。
さえかは賞状筒を強く握る。目の前の男を敵として認めた場合、それを投げて気を逸らさせるつもりだ。
その隙に犬吠埼がどこかへ避難するなり、武器を手にとってくれればいい。
今のさえかには、これだけしか手段はなかった。
【挑発、おかしな素振りを見せたり敵とみなせば賞状筒を投げる】
>「そうか、黙れ」
……あ、やべ。現たんがキレた。
流石にいきなりおっぱい揉ませてはデリカシーなかったかなぁ。
ん?でも理不尽じゃないか?僕のメインはあくまでりんごちゃんであって、
現たんのおっぱいなんておまけ。ドッキリマンチョコのお菓子みたいなもんなのに。
……そうだよ!りんごちゃんじゃなくて現たんが怒るなんて、そんなのおかしい!
こうなったら断固抗議して、お詫びに足腰立たなくなるくらい揉みほぐしてや
>「んじゃ、あたしとりんごは行くからな、輪は帰っていいぞ」
「おいおい、冗談が過ぎるぜ現たん。この僕を置いていくなんて、いくら何でも……あ、ちょっと待って!
りんごちゃん連れてかないで!りんごちゃんも僕をスルーしないで!
……ちょ、おま……本当に置いてかないで!フリーズ!フリーズ!僕はここにいるんだっ!!」
オーケー。僕も小学生じゃないからね。妥協と堕落を覚えるお年頃。
多数決には自分の意見を殺して従うさ。揉むのも我慢する。
とりあえず、身振り手振りでナカマダヨーとアピールしながら、二人の後を走って追う僕だったとさ。
……それにしても、現たんは猪突猛進だよねー。
好き好んで危険に突っ込んでいくなんて、よっぽど平和に育ったんだろうなー。
まあ、それはそれで面白いからいいんだけどね。
――――――
はてさて。この世界において出会いとは何時も唐突で、衝撃的なものだとは限らない。
どれだけ乞い願ってもそらから女の子は振ってこないし、曲がり角で転校生とぶつかったりもしないものだ。
つまり何が言いたいかというと、そんな劇的な出会いがあった時は、それが劇の一環だと疑うのが普通な訳で。
>「プレイヤーの諸君、元気かな?
>君たちにいくつか伝えていないことがあったのでね
>その内の一つを教えてやろうと思う
>このゲームの参加者は8名だ
>諸君が今何名で行動しているのかはこちらでも大体把握しているが、今見える範囲にいるプレイヤーが全てではない、ということだな」
さっき主催者とかいう犯罪者の垂れ流した情報を鵜呑みにすれば、
この妙な街には僕たち以外に五人の「被害者」がいる事になる。
そして現在、その情報を裏付けるかの様な状況に僕たちは陥っているのであった。
>「アンタらも誘拐されたのか?」
そう、そんな言葉と共に話しかけてきたその男は、木下楓と名乗った。
何やら僕らを疑いつつ、いきなり現れ話しかけてきたその男。そう、男だ。
もう、時点で僕のテンションゲージはガクッと下がっていた。
だって、男だぜ?僕の大好きなエロいゲームと少年マガゾンでは、
こういう時は男1人女の子沢山のハーレムって相場が決まってるのにっ!
まあ、そんな訳で。僕はこの楓とかいう男が第一印象から嫌いだった。
それ以外にも、ちょっと話しただけでこっちを信頼して
ペラペラ情報を話す所に胡散臭さを感じたりするけど、それはどうでもいい。
んー……どうでもいいけど、流石に僕もホイホイ殺されるのは勘弁だから、
とりあえずこの曲がり角でぶつかってきた男の中身でも調べてみようかな!
「……おいおい、こっちが軽く自己紹介しただけで、何親友気分にペラペラ話しかけてるのさ?
楓くん。言っとくけど君って奴は今、すげー胡散臭いぜ?
君は、一人だけボスキャラの手下に出会ったって言い。一人だけその手下と対峙して情報を得たって言い。
ついでにいうと、一般人であると自称しているにも関わらず、その手下に銃なんて人殺しの道具を
ためらいなくぶっぱなしたっていう最低な事を言った。
まあ、なにが言いたいかって言えば――――君、誘拐犯の内通者じゃね?
違うって言うなら、そのぶっそうな銃を、僕か現たんにでも手渡してくれよ。じゃないと、信用出来ないね。
そうだろ?現たん、りんごちゃん」
一応ちょっと真面目に聞いてみたけど、さて……どういう反応になるかなぁ。
これを期に銃を渡してくれれば、もしくは怪しい反応をみせてくれれば面白いんだけど。
銃って結構便利だしね!
あたしは顔をしかめている。
輪の挙動に、ではない。確かに色々頭が痛いし、いちいち反応していたら日が暮れるほどツッコミ所が多いが、
それは単に気にしなければいいだけの話だ。
だが
>「プレイヤーの諸君、元気かな?
こっちの発言主の方は、気にしないの一言で済ますには色々と問題があり過ぎた。
そして、発言に含まれる内容も。
「さっきもそうだったが、いちいち癪に障る……。
しかし、8人か。思ったより少ないな」
これより少ない事はあっても多い事はないだろう。多かったらいつかばれる。
しかし、少ない事を喜ぶべきか悲しむべきか。
親父の部屋に転がってた漫画じゃ42人だっけか。あれだってまともに機能したチームは3人が限度だったしな。
……3人、ね。いち(あたし)、にー(りんご)、さん(輪)……うーむ。
まあ、あれは漫画だし、な。
「それと寝床、ね。その辺りの家で大丈夫か?
安全な、とか振りをされるのが不安でしょうがないが。
……鍵とか開いてるのか?」
開いてなければバフヘッドで強行突破、という手はないではない。
ただし、それは鍵がかからなくなるという危険と隣り合わせだ。
色々悩んでみたあたしだが、悩んでもしょうがない、とすぐに歩き出す。
……すぐに、それでは済まなくなる問題に直面する事も知らずに。
さて、木下楓氏である。
この、遭遇した男がさきほどの銃声の主、と考えて基本的には間違いなさそうだ。
ちゃんと銃も持ってるしな。でかいの。
輪がいきなり疑ってかかって色々詰問したが、その間にこっちは思考を整理する事が出来た。
極論って言うのは重要だね。思考の線引がしやすくなる。
さて、この状況であたしが取るべき態度は……そうだな、あれだ。警察が取り調べの時にやるとかいうやつ。
つまり、鞭と飴。
>そうだろ?現たん、りんごちゃん」
「だれがたんだ。確かに好きに呼べとは言ったけどな。
ま、それはともかく、楓さん、だっけか。あんまり気を悪くしないでくれ。輪の奴はいつも極端に走るんだ。
いきなり疑ったっていいことなんてないのにな、ったく」
ちょっと芝居がかった口調で言いながらちらりと輪を見る。
即席の目と目で通じあうに挑戦だ。色気はないが。
「ただ、こっちとしても色々疑わないとやってられない状況なんでね。
もうちょっと詳しく話を聞かせてもらいたい所だな。
たとえば、楓さんは銃を普段から撃ち慣れてるのか、とか。
あと、預かるかどうかはともかく、その銃ちょっと見せてもらっていいかい?
いや、あたしみたいな素人が見て分かるもんでもないだろうが、どんな代物なのか興味があってね」
軽く譲歩させることでこっちの狙いを達成させやすくする、と。
何が狙いかというと、とりあえず銃を持ってみる事だ。
いや、銃が好きとか言う子供じみた理由じゃなくてだな。
どのぐらい簡単な、あるいは難しい銃か、って事が知りたいんだ。ようは、あたし(達)が使えるかどうか。
「見せてもらうぐらいならいいだろ?」
言って、笑ってみせる。……ううむ、肉食獣のようになってしまったかもしれん。
【一日目 2ndセクション 『寝床の確保をせよ』 1ターン目:終了】
街の南部
とある民家に灯りが灯っていることを見つけた捕食者は
主の命に従い、その家に住まうプレイヤーへの示威を行うため、お邪魔することにした
「やぁ、どうもこんばんは」
窓を破り長剣に手をかけながら中にいた二人へと語りかける
……そう、二人だ
確かこちらにいるプレイヤーは3人の筈だが、合流していないのか、それとも、見えない位置にいるのか
なんて考え事をしていると、2人の内の女のほうが一歩前へ出る
>「どなたですか?私の知り合いに、散歩のコースに余所様の家の居間を通るような人は居ないんですけど。
> もしかして、放送で仰ってた参加者の方ですか?そうでないなら、今すぐ右回れして帰って下さい」
「勿論、散歩という訳ではありませんよレディ
しかし、弱りましたねぇ……確かに、私はある種プレイヤーの一人と言えなくもないのですが
先ほどの放送で言われた頭数には数えられていませんし、かといって、引き返すわけにも……」
捕食者は、腕を組み、困ったような素振りをして
少しの間も置かずに顔を上げる
「まぁ、私は今すぐあなた方に手を掛ける気はありませんし、少しの間お邪魔させていただきませんかね?」
【一日目 2ndセクション 『寝床の確保をせよ』 2ターン目:開始】
突然の来訪者に驚きながらも、私は状況を冷静に分析していた。
目の前にいるのは、おそらく敵だ。そう判断する。
>「勿論、散歩という訳ではありませんよレディ
>しかし、弱りましたねぇ……確かに、私はある種プレイヤーの一人と言えなくもないのですが
>先ほどの放送で言われた頭数には数えられていませんし、かといって、引き返すわけにも……」
8人に数えられていない参加者。
手にした長剣が光を反射する。
考えが正しければ、目の前の男は私達に危害を加えるためにやってきたエネミーに他ならない。
しかし、この悠長な態度は何だ?
私たちを殺すつもりなら、今すぐ飛び掛ってきても不思議ではない。
不思議なことに、彼からは殺意というものが感じられないのだ。
>「まぁ、私は今すぐあなた方に手を掛ける気はありませんし、少しの間お邪魔させていただきませんかね?」
本当に悠長なことだ。
懐の手榴弾を改める。
いざというとき、この局面では手榴弾は役に立たない。
手榴弾は、半径5m圏内に致命傷となる爆発を起こし、20m圏内に脅威となる破片を撒き散らす。
この狭い室内では、自らの身を危険に晒すことに他ならなかった。
斉藤の持つボウガンなら、あるいは目の前の脅威を退けられるだろう。
幸い彼は風呂に行っていてこの場にいない。
敵の不意を突くのなら、彼に任せるのが適任だろう。
ならば、今この場は口八丁で切り抜ける他にない。
「なるほど、君は私達を狩る 鬼 なのか。把握した。
それで、私達はどうすれば勝ちと認められるのかな?
与えられた武器で君らを撃退すればいいのか、それとも他に勝敗を決する方法があるのかい?」
さえかの背後でまくし立てながら、退路を確認する。
背後にはキッチンへ繋がる通路が一つ。正面、男の背後にあるドアはこの家の中央にある廊下に接している。
幸い廊下へのドアは半開したままになっており、仮に背後から奇襲するなら絶好だろう。
その代わり、私達二人には逃げ場のない状況と言えた。
「私としては、争いは好まないたちでね。できればそんな物騒な剣は捨てて話し合いで解決したいところだ。
ところで君はカレーは好きかな?ちょうど作りすぎてしまったんだ。
君がよければご馳走しよう。いかがかな?」
そう言ってキッチンへ近づく。
包丁はなくとも、キッチンは武器として使える物の宝庫である。
ここから手を伸ばせば、コンロに置かれたままになっているフライパンへ手が届きそうだ。
いざとなれば、これを振り回すしか方法がないだろう。
できれば避けたい方法であったが、目の前にいる得体の知れない男に拮抗するには致し方ない。
「おーい!俺も参加者だー!聞いてたら返事してくれー!」
放送後からこうして他の参加者に呼びかける事どのくらいか
ずっと叫んで疲れてきてしまった
また、起きてから何も食べてないのでお腹も空いていた
「喉も疲れてきたし何か食べるとするか」
そう言って呼びかけるのを一旦中止して民家に入っていく
民家に入り電気を点ける
民家の中の探索する為でもあるが、電気の明かりで自分がいる事を教える為でもある
もしも参加者を狙う敵がいたとしたらその敵にも自分の居場所を教える事になる
だが、それならばさっき叫んでいたのも同じような事である
なので先程敵が現れなかった事に安心して電気を点けた
「さてと…食料食料…っと」
台所に入り食料を探していく
すぐに戸棚からカップラーメンや缶詰などの保存食が見つかったので近くの机に並べていく
また、冷蔵庫を開けたら野菜、肉、魚から卵や飲み物まであった
生憎自分は料理はあまり得意ではなかったので飲み物だけ取り出した
コップを洗い、そこに飲み物を注いで飲む
「ぷはー!生き返るぅー!」
などとおっさん臭い台詞を言う
飲んだ後、やかんを洗ってから水を入れ、コンロに置き点火する
沸騰までの間に箸を洗い適当な缶詰を開ける
最近の缶詰は缶切りがいらなくて便利だ、などと思った
そして缶詰の中身を缶詰から直接食べていく
適当に選んだ缶詰は鯖缶だったが、特に嫌いではなかったのですぐに完食した
鯖缶だったのでごはんが食べたくなったのでレンジで温めるごはんをレンジにセットする
レンジで加熱中にやかんの中の水が沸騰したのでコンロの火を止める
そしてカップラーメンのふたを開けて説明に従いかやくや粉末スープの袋を開けていく
その後、やかんのお湯を容器に注いでいった
注いだら電子レンジでの加熱が終わったので中からごはんを出す
そして今度はさんまの蒲焼きの缶詰を開け中身をごはんの上に乗せて食べ始める
半分ほど食べたところでカップラーメンの待ち時間が終わったのでふたを開けた
そしてカップラーメンも食べていく
―十分ほど経って食事を終えた
少し食後の休憩をした後、缶詰やカップラーメンなどの保存食をリュックに詰めていく
【西端のとある民家で食事して食料をストックした】
>その物騒な銃を僕か現たんに手渡してくれよ
>こっちとしてもいろいろ疑わないとやっていけない状況なんでね
その銃ちょっと見せてもらってもいいかい?
「ふむ 一利あるか…」
銃をぶっ放したなんて正直に言う奴なんか信じないよな
俺は話した後に後悔した
でも、嘘つくよりマシだよネ?
銃を渡さないと信じてくれそうにない
「分かった 銃を渡そう。でもちゃんと返してくれよ? …輪さんだっけ?あんたは信用出来ない。理由?現たんとか言ってキモイから」
そう言って俺は現さんに銃を渡した…
…筈なのだが、銃は地面に落ちた。
「おいおい、ちゃんと受け取ってくれよw」
(おかしい…ちゃんと手渡した筈だ…)
もう一度手渡してみると理由が分かった。
現さんが銃に触れていなかった
「?どうなってるんだ?まさか…他人の武器に触れないのか?」
この世界はどうなってるんだ?他人の武器は触れないのに、始め持っていた武器は触れる
どうなってるんだ?
[他人の武器に触れない事に気づく]
廊下の奥。気配を殺してリビングのドアには極力近づかない。
私はボウガン付属のスコープを覗き、三人の大まかな配置を掴んだ。
窓から飛び出した謎の黒尽くめさんは、獲物を逃がさないようにするためか
半開の扉を背にしていた。
それは私にとって大変都合がよい。動かない相手に矢を下すことが出来るのだから。
足を狙えば追ってきた時の速度は確実に削がれる。
倒すなんて高望みはしない。私は三人が確実に生き残れる方法を探す。
矢が飛んでくれば彼の意識は確実にこちらに向くだろう。
その隙に、黒尽くめさんが空けた窓の大穴から二人を逃がし、
私は玄関からとんずらこく、というかんじで。
犬吠崎さんがしゃべっている、ターゲットがそれに答える。
注意を逸らしてくれているのかな?
全て聞きおわった後、私は引き金を引く。
【物陰から敵の足を撃つ】
空木さんと共に音のした方へと向かい
野時さんも結局着いてきたので、三人でそちらに向かう事となった
が、動き出して間もなく、例の放送が聞こえた
内容については……残念ながら、上手く頭が働かず、まともな判断ができない
というのも
今現在、銃を持った男が物騒な発言と共に
明確な敵の存在を告げてきた恐怖が私を襲っていたからだ
そのせいで、私は空木さんの陰に隠れるようにしか木下さんと向き合う事ができなかった
そんな中、野時さんは木下さんに向かって言う
>「まあ、なにが言いたいかって言えば――――君、誘拐犯の内通者じゃね?
> 違うって言うなら、そのぶっそうな銃を、僕か現たんにでも手渡してくれよ。じゃないと、信用出来ないね。
> そうだろ?現たん、りんごちゃん」
続けて、空木さんも言う
>「見せてもらうぐらいならいいだろ?」
確かに、その通りだ、でも
他人を疑いたくないけど、もし木下さんが本当に内通者であった場合
それの発覚は私たちの死を意味するのではないか?
私は言うまでもなく、野時さんもとりわけ運動が得意そうでもない
空木さんも、運動神経はいいのだろうけど、銃に勝るほどだろうか……?
私の中に巣食う恐怖がそんなことを囁いてくる
>「分かった 銃を渡そう。でもちゃんと返してくれよ?」
どうやら今回はセーフだったようだけど
なんて、私が安堵と、人を疑ってしまった後悔をしていると、木下さんが驚いたような声を上げる
>「?どうなってるんだ?まさか…他人の武器に触れないのか?」
見ると、木下さんの手を離れた銃が空木さんの手に乗る寸前、弾かれたように軌道を変え、落ちた
まさか……
そんなはずは、ない、だろう
ハッと抱え込んでいる刀を見やる
「……の、野時さんこの刀……ちょっと預かって貰っていいです、か?」
>「だれがたんだ。確かに好きに呼べとは言ったけどな。
>ま、それはともかく、楓さん、だっけか。あんまり気を悪くしないでくれ。輪の奴はいつも極端に走るんだ。
>いきなり疑ったっていいことなんてないのにな、ったく」
さて、現たんは僕の巻いた疑心暗鬼の種を刈り取るようにしてそう言うと、ちらりと一度、僕に視線を向けてきた。
その瞳に込められたメッセージは……まあ、現状を考えれば意味は一つしかないか。
本当なら、現たんの意見を押し切ってでも追い詰めて、この楓とかいう奴の本性を露見させたかったけど、
そこまで考えているのなら僕からの反論はやめておく事にしよう。
僕は現たんへとパチンと肯定の意味を込めたウインクを決めて、彼女の行動を容認する事にした。
それにしても『ここは私に任せて!でも、もし傷ついたら責任とってお嫁さんにしてよねっ☆』なんて
現たんも大胆なラブコールをするんだからっ☆
>「見せてもらうぐらいならいいだろ?」
さて、そんな僕との意思疎通はさておき、現たんは楓君との武器確認の交渉に出ていた。
僕の立ち位置からだと彼女の表情は見えないけど、きっと人好きのする笑顔を浮かべているに違いない。
笑顔って他人を信頼させる武器の一つだからね。
……それにしても、現たんの後ろに隠れるりんごちゃん可愛いなぁ。
もふもふぐじゃぐじゃしたいなぁ……
>「分かった 銃を渡そう。でもちゃんと返してくれよ? …輪さんだっけ?あんたは信用出来ない。理由?現たんとか言ってキモイから」
そうして僕がりんごちゃんを愛でている最中、意外にも楓君は武器の確認を許した。
そのあまりのあっさり加減に僕のほうもちょっと呆然としてしまったけど……まあ、結果オーライか。
武器の意味を把握してなければ、この反応が当然な気もするし。何気に悪口を言われた気もするけど許してあげよう。
そして――――
「えっ……何ソレ。おいおい、現たん。君は手品師か何かだったのかい?」
楓君が現たんに差し出した銃は、傍から見て判る程に異常な軌道を描き、現たんの手から漏れ出てしまった。
何度も、何度も。
種も仕掛けも無い怪奇。僕の額に嫌な汗が浮かんでいるのを感じる。
正直、僕はここに来た事に関しては、さほど驚いてはいなかったんだ。
だって、この世界じゃ誘拐なんてもんは実は日常茶飯事だし、僕を逆恨みする様な常識の無い人も沢山いるだろうから。
通常の犯罪行為じゃあ驚く事はないんだけど、だけどこれは……紛れも無く、異常だろ。
驚愕している僕に、か細い可愛らしい声がかけられた
>「……の、野時さんこの刀……ちょっと預かって貰っていいです、か?」
声の主は、りんごちゃん。彼女は自分の武器である刀を、僕におずおずと手渡してくる。
「オーケー、りんごちゃん。君の荷物なら喜んで預かるぜ」
刀に触れる直前、僕は一瞬だけ手を止めてしまったけれど、直ぐに彼女の鞘を掴んだ。
掴もうとしたんだ。けど
「……触れない。これは一体何事なんだろうね?」
カシャンと音を立て、手渡された刀は地面に落ちてしまった。先程の楓君の銃と同じ様に。
……本当に、どういう事なんだろう。
楓君の銃だけが触れないのなら彼が内通者だっていう推測も立つけど、
りんごちゃんの刀までが同じ様に触れないというのは……全員の武器に同じ効果が
かかっている事を想定させられる。
これが『仲間』の殺し合いを防止させる目的なのか、或いは知恵による武器の奪取を阻害する為なのかは判らない。
ただ、この現状はまるで……
僕の頭の中で幾つかの仮説が頭を擡げる。けれど、それが正しいと決定付けるにはどれも材料不足だった。
一度ため息を吐くと、僕はその場の雰囲気を盛り上げるために満面の笑顔で継げる。
思考の迷路は行動を鈍らせるからね。どうせ答えが判らないなら、先送りにした方がマシだ。
「えーと……まあ、とりあえずだ。今のところ楓君が害が無いのは判ったよ。
連動して、この街には敵と判断すべきモノが存在する事。
それから『仲間』の武器には触れられないっていう奇妙な法則も判明した」
「だからさ、とりあえずそろそろ今日の宿を探して、ついでに食料も探して夕食にしようよ!
放送の声と楓君の情報によると、敵は現在進行形で街を徘徊してるみたいだしね。
安全な城を見つけるに越したことは無い筈さ!!」
僕は、手近にある堅牢そうな作りの建物を指差すと、とりあえず休息しようと提案してみた。
「楓君はどうでもいいけど、りんごちゃんも、現たんも、
僕が守ってあげるから安心して僕と一緒の部屋で寝ようよ!」
そうして、ぐへへと満面の紳士的笑顔を浮かべながら、
現たんの背中をバールの側面で押して建物へと押し込もうとする。
……さて、ちょっと強めに押したこのバールは現たんに触れるかなぁ。
さっきは仲間は武器に触れないって言ったけど、僕がこの誘拐の主犯ならそんな事にはしない。
もし『害意』を含んでいるなら、武器で相手に触れられる。
そんなルールがあるとしたら……それは僕だけの胸に秘めておきたいよね!
即席アイコンタクトはなんとか輪に通じたようだ。
楓さん(どう見てもあたしらより年上の彼を呼び捨てるのはあれだよな)と応対しながら、あたしは内心胸をなでおろす。
まあ、「お前を山車にして何とかうまく話運ぶからお前は黙ってろ」ってぐらいだったから、普通は通じるよな。
……しかし、輪のウィンクは微妙だ。
なんか、彼女の出来た事のない軽い男が、女友達と何とか初デートに持ち込もうとして無理やりおどけてるような空気を感じる。
実際に輪がそういう男かどうかは知らんが。例えだ、例え。
そんなどうでもいい事を考えていると、楓さんの方も折れてくれたようだ。
キモい云々は、ま、半分ぐらいはジョークだろ。
「同感だな。ま、あんまり他人の事キモいとかいうと言い返されるぜ?」
そんな軽口をたたきつつ、あたしは銃を受け取ろうとして……
カシャン、と、金属製の物体が地面をたたく音がした。
一瞬何が起こったのか理解できなかったが、自分の掌とご対面して把握する。
どうも、あたしが銃を取り落とした、という事らしい。
らしい、というのは、あたしには銃に触った感触すら無かったからだ。
>「おいおい、ちゃんと受け取ってくれよw」
「ああ、悪い悪い。今度はちゃんと……おお?」
一度目は偶然、二度目は必然、三度目は運命。
なら、三度どころでなくあたしの手から浮かび上がるこの銃はなんだ?
ふと後ろを振り向くと、りんごが輪に日本刀を渡そうとして、そして輪はやはりそれを取り落としていた。
……実を言うと、あたしはあまり驚いていなかった。
宙返りの最中にテレポーテーションをさせるような「何か」だ。このぐらいの事はやってのけるだろう。
問題は、その事の説明。そして意味だ。
>「?どうなってるんだ?まさか…他人の武器に触れないのか?」
前者、説明としては、楓さんのいうような事が一番しっくりくる。
あたしたち「プレイヤー」には固有の武器(あたしにはバフヘッド、楓さんならこの銃、というように)が支給され、他のプレイヤーはその武器に触れない。
では、後者は。意味は、どういう事だろう。
考えがうまくまとまらない。体感時間で無為に時間が過ぎていく。
いつもみたいに、曲芸の練習みたいに、因果が明確なら得意なんだがな。
……それとも、あたしたちの演目でもあたしの得意技とは対極の事象の方が参考になるのだろうか。
そう、それは、あたしの親父の得意とする、奇術の類……。
>「えーと……まあ、とりあえずだ。〜
あたしの考え事は、輪の言葉で中断させられる。
そうだな……確かに、宿は重要だ。
考え込むにしても、それは屋根の下でも十分出来るだろう。
>〜。安全な城を見つけるに越したことは無い筈さ!!」
「そうだな、そんな安全なところが都合よく転がってるかはともかく、賛成だ。
安全性はほどほどに妥協して、後は人力で何とかする、って線が妥当かね」
>「楓君はどうでもいいけど、りんごちゃんも、現たんも、
> 僕が守ってあげるから安心して僕と一緒の部屋で寝ようよ!」
「あたしとりんごが同部屋でもお前は部屋の外だ、安心しろ……っとっと」
いきなり輪が押してきて、あたしは軽くよろける。
「なんだよいきなり……この建物にはいるのか?」
……後から考えると、この時に逃した気づきのチャンスが多すぎた。
輪の行動、そしてその行動の結果の意味すること。
あたしは、だいぶ後までそれに気が付く事は無かったのだ……。
【1日目2ndセクション2ターン目:輪、りんご、楓と同じ建物に入る流れ?
風太郎にはいまだ気が付かず。】
【一日目 2ndセクション 『寝床の確保をせよ』 2ターン目:終了】
>「なるほど、君は私達を狩る 鬼 なのか。把握した。
> それで、私達はどうすれば勝ちと認められるのかな?
> 与えられた武器で君らを撃退すればいいのか、それとも他に勝敗を決する方法があるのかい?」
これは目の前の二人の内の男の方が言った言葉だ
彼は捕食者に問いかけながらも冷静に周囲を観察し、現状の打開を図ろうとしている
捕食者はそんな聡明なプレイヤーの様子に、少し好感を覚えつつ、彼の疑問に答えた
「おや? 貴方がたがどうすればいいのかは既にご存じだと思うのですが
我が主は既に仰られましたよ、『生き残れ』と」
捕食者はそこでクスりと笑い、続ける
「それが主の意向ですので、私から言うべきことはありませんね」
捕食者が仮面の下でこの上ない笑顔を浮かべながら言うと
男はまだ警戒を解けずにいながらも、一つの提案をしてきた
>「私としては、争いは好まないたちでね。できればそんな物騒な剣は捨てて話し合いで解決したいところだ。
> ところで君はカレーは好きかな?ちょうど作りすぎてしまったんだ。
> 君がよければご馳走しよう。いかがかな?」
「遠慮しておきます、主から『知らない人に食べ物を貰うな』と言われていますので」
と、捕食者がそう答えたところで
「ッ――!」
捕食者の背後から飛来したボウガンの矢がその右足に突き立った
背後からの奇襲、突き立った矢に対してそう判断を下した捕食者はスラリと長剣を抜き
男より数歩前へと出ている女の方に突きつけ、言う
「あは、こういう悪役じみたセリフは言いたくないんですがね、後ろのプレイヤーさん
この娘の命が惜しければリビングに来て話し合おうじゃないですか」
【一日目 2ndセクション 『寝床の確保をせよ』 3ターン目:開始】
>「遠慮しておきます、主から『知らない人に食べ物を貰うな』と言われていますので」
「知らない人、ね。これから殺そうという相手を知らない人と言う訳かい」
他愛のない会話、お互いに隙をうかがうための上辺だけの会話だ。
ふと背後を見ると、ドアの向こうからこちらを覗く人影がひとつ。
斉藤だ。どうやら状況に気づきこちらの様子を伺っているのだろう。
ドア越しにボウガンを構える様が確認できた。
背後からの襲撃なら、成功率は高いだろう。
状況を打破するには、彼に任せるのが一番だろう。
その時、何か鋭い音がして、黒い襲撃者がよろめいた。
見ると、足に矢を受けたようだ。
チャンスは今しかない。
襲撃者の気が逸れた一瞬の隙に、キッチンに手を伸ばしフライパンを手に取る。
私は喧嘩など生まれてこの方したことがない。
ましてや、長剣を構えた相手に有効な対処法など分かるはずもなかった。
しかし、相手に隙が出来たこの一瞬、どんな行動をとるのが正しいのかは判断できた。
男は背後に警戒してこちらをろくに見ていない。
今なら当てることが出来るはずだ。
>「あは、こういう悪役じみたセリフは言いたくないんですがね、後ろのプレイヤーさん
この娘の命が惜しければリビングに来て話し合おうじゃないですか」
「剣を構えて話し合いとは悠長なことだっ、なっ!!」
言うが早いか、さえかの手を後ろに引くと同時に、フライパンを顔面目掛けて投げつける。
当たったかどうかなど知らない。ここは逃げの一手だ。
さえかの手を引きながら、割れた窓ガラスから二人で飛び出した。
後ろから飛び道具だなんて卑怯なマネ、大変申し訳ありませんでした。
でも、不満があるなら私じゃなく、こんな状況に陥れた貴方の主とやらを恨んで下さい。
予想通り、犬吠崎さんらは窓から逃げ出したようだ。彼らが履物を所持している事、切に願わん。
そんな風に人の心配をしている暇も、玄関の靴を失敬する余裕も、今の私には皆無だった。二人に遅れをとるまいと、外に飛び出す。
狙った通り、矢は謎の黒仮面スーツの足に命中した。近距離で威勢が殺がれぬまま放ったのだ、傷穴はかなり深いと思う。
もし走れば傷が開く。それは後々致命的な痛手となるだろう。早急に正確な処置を施さねば、壊死すら免れない。
彼は戦闘のプロのようだし、そんな愚かしい選択はきっと取らない。
大丈夫、確実に撒ける。この街に車がないことも、ここに来て吉と出た。
夜の道を走りに走って、私達はとうとう午前中に巡ったデパートまで着いた。周囲をぐるりと見回し、喪服謎仮面が闇に乗じていないことを確認する。
私は壁にもたれかかって息を整え、二人の様子を見た。「皆さーん、平気ですか?」
このゲームの主催サイドの正体を垣間見、あまつさえ話をし、寺下さんなどは剣先を突きつけられたのだ、精神的なショックは大きいに違いない。
私は場違いな雰囲気で笑いかける。あくまで周りに響かない程度に、しかし二人の緊張が解けるよう。
「犬吠崎さん、超カッコよかったですよ!さえかちゃんと手なんか繋いじゃって!
まるでお姫様と王子?うーん、騎士・・・いや、ルパンだ!カリオストロの城見てるみたいでした!」
彼の傍で佇む少女にも惜しみない賞賛を。
「さえかちゃんも!犬吠崎さんを庇ったところ、私ちゃんと見てましたから。君って案外頼もしいんだね!
もしかしてその賞状筒、なにかすっごい殺人兵器だったりするんですか?」
何気ない会話を続け、以前の調子を取り戻したところで、私はようやくゆっくり考えられるようになる。
最初から引っかかっていたこと。捕食者が私達を襲うタイミングが少しでき過ぎているような気がするのだ。
私は、目の前の二人をまじまじと見た。そして次に自分の手や足、服を注意深く観察した。
3人の安全が確認された今、次に気になるものは敵が来ない寝場所だ。しかし・・・
「大変でしょうが、まだ安心は出来ません。あくまで推測ですけど、もしかしたら私達の身体には発信機の類が埋め込まれているかもしれない。
そうなら位置なんて即バレです。・・・撒けたと思ったら大間違いだってこともあるかもしれない。」
実際の時間はそこまで長くなかっただろう。ほんの数分。
そのたった数分が、さえかにとっては途方も無く永遠のように感じた。
生来、まともに敵意すら向けられたことがない少女にとって、目の前の男は恐怖そのもの。
その挙動が、言葉の一つ一つに込められた殺気が、彼女の精神力を削っていく。
嫌だ、怖い、離れたい。今すぐ悲鳴を上げて背を向けて逃げ出してしまいたい。
でもそれを不可能にするのは、内で暴れ回る恐怖心。
初めて経験する恐怖がさえかの足の動きを麻痺させるには充分だった。
>「あは、こういう悪役じみたセリフは言いたくないんですがね、後ろのプレイヤーさん
この娘の命が惜しければリビングに来て話し合おうじゃないですか」
>「剣を構えて話し合いとは悠長なことだっ、なっ!!」
だから。男の背後でボウガンを構える斉藤も視界の中になくて。
気づけば喉元に刃先が突き付けられていて。頭の中が真っ白になって。
かと思ったらフライパンが飛んできて、わけもわからないままに腕を引っ張られて。
「はっ…………はっ…………」
午前中に斉藤さんと入ったデパートの前まで逃げてきた事に気付くまで、かなり時間がかかった。
呼吸をするたびに喉に痛みが走って、手を添えると僅かに血が出ていた。
おおかた、あの長剣の切っ先が、体を引っ張られた時に喉を引っ掻いたのだろう。
それでも生きている。そして自分は、役に立てなかった。恐ろしさに立ちすくんでいただけで。
斉藤さんが空気を軽くしようとしても、さえかの顔は青白いまま、ただ相槌だけを打って。
>「大変でしょうが、まだ安心は出来ません。あくまで推測ですけど、もしかしたら私達の身体には発信機の類が埋め込まれているかもしれない。
> そうなら位置なんて即バレです。・・・撒けたと思ったら大間違いだってこともあるかもしれない。」
「うッ……ううぅぅ…………!!」
また、あんな怖い思いをしなければならないというのか。
そう思うと恐ろしくて仕方なくて、会話の途中、はずみで、緊張の糸が切れる音を聞いた。
途端、さえかは堰を切ったように泣きじゃくり、その場にへたりこんでしまったのだった。
【完全なお荷物】
保守
大 絶 賛 新 G M 募 集 中 !!
我こそはこの世界の神なり!というそこのあなた!
ぜひぜひ手を上げてこのTRPGを盛り上げてくれ!!
GMやってみたいが、初めてが怖い、
世界観を一から築きげるのがめんどい、
そんな方にうってつけ!
ただ途中で投げるのだけはやめてくれ。
>>177 現さん御一行と共に建物に入ると、大量の空の缶詰めを散らかしている人がいた
「………」
俺は無言で、ハンドガンの安全装置を外し銃口を向け
「お前は誰だ?答えないなら撃つぞ?」
と脅し、自己紹介させた
187 :
木下楓 ◆KtZlIMA3xM :2012/07/12(木) 01:04:02.73 0
age保守
…GM帰って来て
188 :
名無しになりきれ:2012/08/09(木) 19:10:03.92 0
もう一度最初から始める気はないか?
仕切り直しで、やってみようじゃないか。
廃墟の中での生き残りを……。
189 :
名無しになりきれ:2012/08/11(土) 08:20:35.55 0
もしするのなら、GMがいなくても話が進められるようなシステムにしねえと。
GM VS PC じゃなくて
PC VS PC にすればギスギスするだろうができるっちゃできる。
バイオはGM無しで結構やってたろ
偶に名無しがイベント投下して、あんな風に出来りゃいいんじゃね?
で…プレイヤーは集まるのですか?
とりあえず手上げてみろ。
いけないこともない
というかやってみたかったりもする
まず一人ゲットー!
さあこの調子で次の人いってみよー!
短期でよければ俺もやってみたいなー
>>193 平気。
短期間やった後に休んで、また参加して〜を繰り返したらいいんじゃない?
さあはよ表れろ三人目ー!
参加する人はルールの提案とかよろしくな
なんかまだゴタゴタしてるみたいだな
再開のメドはまだ立たんのかな?
廃墟と化した街に集められた何も知らない人々
そこで彼らを襲う者たち
ここは一体どこなのか、何故自分がこのような目に遭っているのか
それすらも分からないまま、人々は助け合い、殺し合う
彼らはこの街で、生き残ることができるか?
…………
………
……
…
貴方は気が付けば見ず知らずの場所にいました
手に持っているのは、いつどこで手に入れたのかすら分からない武器
この、廃墟としか言いようのない巨大な街で貴方はただ、生き残る事、脱出する事だけを考えてください。
助け合うでも、殺し合うでもいいでしょう、“生き残り”が少なくなれば、きっと答えが見える筈です。
ラウンド2 スタート
ルール説明
1、参加者は全員、同じ場所からのスタート
2、開始から10分間は移動時間、処刑人、参加者両者殺し無し(ルール違反者以外)
3、全員の首に毒殺首輪装着、端末が外れて1時間後、即死系の毒注入
補足、再び端末を装着すれば毒注入の時間はリセット
4、脱出には端末が2つ必要。2つ揃って脱出地点が表示される
補足 その脱出地点から脱出出来るのは2つ揃えた1人のみ
捕捉2 脱出者の端末、ルール違反者の端末は無効となる
5、端末は任意に着脱可能。
6、廃墟には多数の処刑人が潜んでおり、無差別に生存者を殺害
補足 開始から10分はルール違反者及び進行に害をなした者以外の殺害はしない
補足2 処刑人の殺害は許可されている。
7、ジョーカー端末の存在。ジョーカー端末所持者は端末を揃えても脱出できない。
8、ジョーカー端末は本人以外には分からない。
9、24時間以内に脱出しなければ強制的に首輪の毒を注入
10、端末への指令に違反した、若しくは達成出来ない者は処刑
ルール説明は以上。なお、ルールは随時追加、変更をする可能性あり。
その際は端末にて全員に連絡。
それでは、貴方に幸あれ
『全端末への送信を完了、全員の起床をもってゲームを開始します』
そして誰も起きなかったwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
笑える
203 :
名無しになりきれ:
廃墟スレ廃れちゃって可哀想