なりきりネタ板総合避難所・四軒目

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334黄昏夕日と黎明あけの ◆hqPjKaC066an
容量制限となったので、こちらに投稿させてください。
また、次スレは使いきれるか自信がないので、私から立てる予定はありませんが、
もし立ったらまたお邪魔するかもしれません。他人任せです。

誰かが能力くれるから学校で戦え
http://nozomi.2ch.net/test/read.cgi/charaneta2/1361248412/

(以下よりレス)
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【旧校舎/裏庭】
>>717 入江紅牙

大抵は燕返し2段目の切り上げが金的か、あるいは顎に直撃して必殺であった。
しかしこの度は違ったのだ。

紙一重の見切り。そして間隙を縫う、乱暴ながら強烈な反撃。
刀を振り絞り、伸びきった体に一撃を見舞われた夕日は、その衝撃を殺すことができない。
勢い余って体を横滑りさせた彼女は、倒れこそしなかったが、あばらに受けた衝撃が呼吸を乱れさせた。
【千子村正】は持ち手を剣の達人に変化させるが、その操者である黄昏夕日の体幹は、普通の女子生徒のままである。

(ちっ……)

夕日は舌打ちした。反応が早い。まさに動物並だ。
そして飛び退く間際の一撃は、攻防一体。入江は間合いをとってこちらを注意深く観察している。

……肉薄は避けて様子見というわけか。

こいつは狡猾だ。
どうやら肉体の一部を変化させる能力のようだが……こいつは目の前の敵が"喰いきれる相手"なのか、推し量るつもりなのだ。
夕日とて、このまま力押しを続けて圧倒できるとは思えない。
一撃必殺はお互い様だが、現実にはこちらの攻撃は躱されて、逆襲をもらっている。

ならば奇襲あるのみ。
夕日は村正をその場で2、3回振り抜くと、その切っ先よりいずる疾風が、裏庭の砂埃を巻き上げた。
小型の旋風が視界を砂塵で埋め尽くす。無論、入江も、夕日に至っても、周囲の視界が奪われる。

「これで私が見えるか、入江! だが"我々"には見えているぞッ!」

数秒でいい。動きが止まれば、"2階の彼女"にとっては、それで十分なのだから。
335黄昏夕日と黎明あけの ◆hqPjKaC066an :2014/04/13(日) 23:06:28.17 0
>>334の続き)
【旧校舎/旧物理室前】
>>717 入江紅牙

裏庭が砂塵に見舞われた頃、黎明あけのは、能力で造り出したサーモカメラ(暗視カメラ)で戦況を捉えた。
捕捉の先には対峙する熱源が2つ。
一人は先輩たる黄昏夕日、そしてもう一人は敵たる入江紅牙の姿である。

「……地黒男子をロック」

あけのの頭に埋め込まれたFCS(火器管制装置)が入江のサーモをロックオンする。
これでロック対象の偏差演算(対象の動きを予測して狙いをつけること)など、銃口の補正は全てFCSがやってくれる。
あとはカノンのトリガーを引くだけでいいのだ。

黎明あけのは、こと戦闘に関しては素人である。特段頭が切れるわけでも、運動神経がいいわけでもない。
彼女が生徒会の鎮圧部隊に入隊できた理由は、その肉体のほとんどを機械化して一定以上の水準で成果を残すことができたからだ。
特に彼女の狙撃戦歴は輝かしく、多くの暴れる生徒は彼女の存在を認識しないままに倒されている。
彼女の強さの源泉は、造り出した機械兵器の精密さであり、またその運用にあった。

(うう……頭痛い……気持ち悪い……)

ただし、それは弱点さえも内包していた。機械との融合が、能力者に重金属中毒を発生させる。
それは機械金属と生体の融合と還元が、完璧に制御できないことを示していた。
だが、あけのは能力の使用を止めることができない。黄昏夕日と並び立つ。ただそれだけのために。
そしてその連続使用は、慢性的に彼女の小さな体を蝕むのだ。

(あれ……今、あの男子がこっちを見たような気がする……)

この局所的砂嵐の中、男子生徒が目の前の敵である夕日ではなく、旧校舎2階の窓付近を見ることなど、ありえないというのに。
サーモ(熱源)の顔に相当する白色部分が、ちらとこちらを見る様なそぶりを見せたのだ。

ありえないわ……。

中毒で茫洋となる意識の中、あけのはただ、標的に向かってトリガーを引いた。
ガイィン!
金属が軋む嫌な音を立てる。
廊下に打ちこまれた四脚のバンカーが軋み、カノンのブローバックをぎりぎりで耐える。
カランと空薬莢が乾いた音を響かせて、旧校舎の廊下は、また静かになった。

【黄昏 夕日⇒入江:入江に風砂塵での視界攪乱】
【黎明あけの⇒入江:旧校舎/旧物理室前の窓付近より、入江を狙撃する】