時はネフティス歴845年、時の精霊ネフティスに、感謝の意を込めて制定された暦も、800年以上の時を刻んだガイネア
その西部に位置するエウロペア大陸。
西部にある神聖ローガンブリア帝国と東部にあるティルネラント王国との間では、数年前から小競り合いが頻発していた。
両国間の関係は悪化の一途を辿り、本格的な戦争が始まるのも時間の問題ではないかと、ささやかれ始めたころ。
帝国内では王国軍の侵攻に対して、精霊兵器で構成された義勇軍が結成された。
物語は、とある没落貴族の少年が戦争で名を挙げて、過去の栄光を取り戻そうとするため、義勇軍に参加しようと、義勇軍本部がある街、ロンデニオンにやって来たところから始まる
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舞台は人と精霊が存在する世界、ガイネアの西方に位置し
神聖ローガンブリア帝国、ティルネラント王国、ファールデル教国の3国が存在するエウロペア大陸が舞台
簡単なルール
決定リールあり、後手キャンセルあり
名無し参加なし、敵役のみの方歓迎
途中参加大歓迎!
バランスは考えてください
テンプレ&設定
人物設定
名前
年齢
性別
容姿
体格
性格
身分
所属 (神聖ローガンブリア帝国義勇軍、ティルネラント王国軍、ファールデル教国傭兵隊、それ以外)から選択してください
説明
機体設定
機体名
精霊の種類
精霊の名前
精霊力(エネルギー)一般的な精霊兵器が2000程度
耐久力 (S〜すごい、A〜結構いい、B〜いい方、C〜普通、D〜ちょっと苦手、E〜苦手、G〜最悪)
運動性
装甲
武装
機体&精霊説明
世界設定
人と精霊が存在する世界、ガイネアにある
文明としては精霊文化以外は中世地球文明に準じる
精霊設定
精霊は世界中のありとあらゆるものに存在し、宿っている
契約することによって使役することが出来る。契約した精霊を物に宿すことによって、機械を動かすエネルギーとしての面もある
精霊兵器は精霊のそういった部分を活用している
人工物には精霊は誕生しにくい、ある程度の時が経ったものや、人の思いが集中したものには、物の精霊が誕生する
精霊にも、ランクが存在し、下位の精霊は一般人でも多く使役出来るが上位になればなるほど、使役出来るには、ある種の心の強さが必要になってくる。自分の限界を超える量やランクの精霊を操ろうとしたら、心に異常をきたし、最悪、死に至る
しかし、精霊の方から協力してくれる場合はその負担は少なくなる
また、精霊を使役することによって精霊魔法とよばれる能力で超常現象を起こすことができる
舞台
神聖ローガンブリア帝国、ティルネラント王国、ファールデル教国の3国が存在す
るエウロペア大陸が舞台
世界にはほかにも大陸や島国が存在している
国設定
神聖ローガンブリア帝国
皇帝アーネス3世が統治する、エウロペア大陸西部にある国
建国から400年以上経ち、豊かな国土と温暖な気候とで平和な国として栄えて来たが、最近ティルネラント王国との小競り合いが絶えない(味方)
ティルネラント王国
ペネロペ女王が統治する大陸東部の新興国家、小国が散在し群雄割拠の大陸西部を十数年で武力により統一した軍事国家
最近、帝国に小競り合いを仕掛けている(敵)
ファールデル教国
教皇タチバナノスクナが治める宗教国家、大陸南部に位置する
正義の精霊セイティスを信仰するセイティス教の総本山がある国、国を挙げて傭兵稼業をおこなっている
初代教皇ファールデルにちなんでファールデルを国号にしている(中立)
質問待ってます
飛陽に対してルーデルは自分の名前を教えると警告とともに新たな攻撃を繰り出す。
それは車両型には効かずムラキの機体にのみ効果が見られた。太鼓の音が響く度に
まるで風化するように装甲がひび割れていく。
(振動波まで出してくるとは、案外ハッタリ言ってる訳じゃないかも知れんでござる)
先程の光線でさえ充分な火力と言えるがこれはそれ以上に厄介だった。数で押そうとしても
型が同じなら全員まとめて今のラドムームのようになる。言い換えれば「振るい」にかけられるのだ。
ムラキが痺れを切らして飛び出そうとするが部下たちから連絡が入る。地盤沈下から地下道が
見つかったということだった。見れば3両目が掘っていた大穴の壁に大きめの穴が開いている。
だがその上を見れば壁面もひびだらけで何時崩落するかも分らないような有様だった。
(よおし!後はあそこに潜り込んで入り口を崩せば)
そう考えなら全員で退避するとムラキが一芝居打ち始めたので飛陽も乗ることにした。
>「メドラウトの…ガ…手に渡るぐらいなら死ね飛陽!!」
「あ、待つでござる!もうちょっと、もうちょっとで助けが!」
そこで台詞を切ると煙幕切れの迫った2両目を順次自爆させる。爆発の振動で地下道の入り口も
少し崩れて程良く隠れたのは幸運だった。
何とか距離を置けたことを確かめると一同は一目散に地下道を進み続けた。
>「とりあえず飛陽。今のお前は我々の捕虜だ。そこの所は重々肝に命じておけ…」
憔悴しきったムラキから何か言われるが飛陽は気にしないことにする。
「しかし文字通り弱ったでござるなあ、武装なんていくらも残ってないでござるよ」
車両隊はコクピットである1両目と落下した3両目が、飛陽にいたってはまた1両目しか残っていない状態だ。
遠距離へ対応できるのは車両隊の機銃とラドムームのライフルくらいだが後者のダメージも軽くはない。
「これでなにか出たらたまんねえな!」「よさねえか、本当に出るぞ」
トムとディックが喋っているが実際にロンデニオンでは何かが出たという話だ。用心したほうがいいだろう。
「そういえば」とどちらからともなく声があがる。
「飛陽よお、おまえなんであっち行かなかったんだよ」
質問の意図が分らず疑問符を浮かべているともう片方が補足する。
「いやだってよ、そっちのが儲かりそうじゃねえか、メジャーになるっつうか」
言わんとしていることがわかると「ああ」と返事をする飛陽。
「そりゃ拙者の機体じゃなくて頭の話でござる。拙者は別に支配がしたいわけではござらん」
こともなげに言う。アジトの人々も彼にとってはあくまで宣伝販売のための人足に過ぎない。
「拙者のおつむを使えばそりゃあ気の利いた無人機ができるでござる。しかしそれは拙者であって
拙者ではござらん、個人の第1条件は同一人物がいないことでござる。全員が異なる人格でなければ
拙者は拙者で在るために同士討ちを始めるでござろう。」
飛陽は続ける。
「友軍ということでそれをできないようにすれば必ずどこかで破綻し、人格をオミットして戦闘用に使い回す
というのなら拙者は御免でござる。お主達、先程味方を射線に入れた時、安全装置がかかったでござろう。
あれは良いデキでござった。拙者にはないものでござるよ」
地下道を進みながら続ける。
「撃つ撃たないの判断は人格一つで行っているのでござる。人と同じようなものでござるが兵器がそれでは
話にならんでござろう。それにもしも無人格で使えば、そのうち合理的な判断で命令を曲解しだすのが
眼に見えているでござる」
「合理的な判断とはなんだ、飛陽」
それまで黙って聞いていたムラキが口を開く。
「なに、敵も味方も無くそうってんでござるよ」
それを聞くと、しばらくの間皆考えるように押し黙ってしまう。彼らがどのように受け取り、そして考えたのか
飛陽には分らなかったが自分がこうである以上平和的なものではないだろう。
「さて、あれだけの奴を相手取るとなれば拙者もバージョンアップが必要でござるが、ああ〜
また高くつくんでござろうなあ・・・」
一行は出口を求めて地下道を進んでいたが、まだまだ目処は立たなかった。
【飛陽一行、現在転身中】
>1ー3乙でござる。またよろしくでござる。
ほとんど丸一日地下道を進んだ一行は昼と夜ともわからない闇の中、目処も立つこともなく一日を終えた。
「つまりは…人がおらねば争いはおこらん、ということか?ぞっとさせてくれるな…飛陽…」
一日の終わりにラドムームの操縦席でムラキは酒を煽りながら呟いた。
隊の者たちはそれぞれの操縦席で水晶モニターの淡い光を浴びまどろんでいる。
ムラキは言葉を続ける。
「確かに敵がおらねば敵は生まれん。だがそこまでいきついてよいものか。
生まれてすぐにどうせ死ぬのだと棺桶に入る馬鹿がいるか?
今、このガイネアでは数多の民が生き抜こうともがき苦しんでいる。
だがその一人一人の苦しみを生きながらにして解放することが出来る御方がいる。
病床にふせられておられるペネロペ女王、その人だ。
我らは女王のためなら剣となり盾となろう。理想の王道楽土を建設するためには己の血肉も肥やしにしよう…」
ムラキ隊のトムとディックは酔っ払いおやじムラキの言葉に胴を震わせ奮い立ったが
死闘を繰り広げてきた疲労からあっさりと夢の世界へと落ちていった。
数日後。一行はついに外界を目にする。
古びた町の外れに横たわる巨大な怪物の石像の口から戦車隊が空を仰げば雷鳴が轟き大地に滝のように落ちる雨。
町のあちこちには寂れた精霊機用の鍛冶屋。奥には巨大な煙突が林立し、吐き出された黒い煙が黒雲と同化していた。
様相はどうであれ久しぶりの外界に歓喜するトムとディック。
「おっと浮かれている場合じゃねー。ここはどこだ?おう?雷の影響か電磁波が強すぎて現在地が確認できませんぜ。
パッと見油臭い町ですね。発掘都市ドリランドあたりでしょうか?」
トムにディックが言葉を返す。
「ドリランドっつったら年がら年中、雷と雨がふる街。それと発掘兵器が掘り出されるって噂の街じゃねぇかよ。
昔っから剣や防具をこさえてきた街だから精霊機の修理工場も充実してるって聞いたぜ」
ムラキたちと飛陽は煉瓦積みの年季の入った工場に足をむけた。そこでムラキたちが機工士たちから聞いたことは耳を疑うような事実。
話によればアレス将軍の軍が義勇軍に敗れストロベリーフィールズから撤退したということだった。
義勇軍の中には鬼神の如き活躍する漆黒の精霊機があったという。恐らく正体はマハーカーラ。
混成部隊の義勇軍に味方として紛れ込むことなど造作もないことだったのだろう。
肩を落し逡巡していたムラキであったが、現段階では王国には戻らないという意を皆に伝えた。
何故なら今の自分たちもルーデル王子と同様一度死んだ身。亡霊には亡霊のやりようがあるというものだ。
「トム。ディック。貴様らの命、俺にあずけろ。メドラウトに目にものを見せてくれる…」
ムラキは顔面を紅潮させ、両眼には怒りの炎を宿す。
『コンニチハ』
場の空気とは正反対。無機質だが少し心地よい女の声がムラキたちの鼓膜を振るわせる。
修理工場の奥から現われたのはカラクリ人形のような女。否、カラクリそのものだった。
「アナタ…機械ネ…私モ機械……」
機械人形は飛陽の機体に飛び乗り装甲の上を慈しむように這い回っている。
【地下道を抜けて発掘都市ドリランドに到着。年季の入った修理工場で機体を修理中】
【アレス軍は義勇軍に敗れ撤退。フィリップさんは行き違いで無事かと思います】
>フィリップさん
フィリップが白亜の塔へ到着したのは飛陽たちが地下道へと逃げ隠れた後だった。
フィリップの駆るシュバリエは無人のはずの白亜の塔から着陸許可の信号を受け取り塔の天辺に着陸する。
彼を出迎えたのは修道服を纏った幾人もの美少年たち。
彼らはフィリップを監視するかのように取り囲むと塔の奥へと案内した。
塔の奥。案内された客間は聖拝堂のようであり、天井から降り注ぐ光がステンドグラスを透し床に色鮮やかな影を落している。
その七色の影の手前に男はいた。メドラウト卿本人だった。
「これはこれはフィリップ殿。血相を変えて何事でごじゃりますかな?」
傍らに猫のようにたたずむ少年の髪を撫でながらメドラウトはワインを飲みほす。
メドラウトの背後には白い仮面をつけた小柄な少女と一匹の龍。
「どうですかな?一杯。毒など入ってはおりませぬぞ」
長いテーブルに収まっている椅子が少年によってひかれフィリップが座るとグラスにワインが注がれる。
「ガイネアのすべての民に平等なる祝福を!」
メドラウトの皺の刻まれた白い顔は笑顔をたたえていた。
【メドラウト卿。白亜の塔内でフィリップさんとワインで乾杯】
修道院や、大寺院に貴族の子弟を預かる寄宿学校が付随していることは珍しくない。
フィリップ自身も十歳からローガンブリアの帝都に留学するまで、そのような学校で過ごした経験がある。
しかし、フィリップをここまで案内してきた美少年たちはただの寄宿学校の生徒とは思えなかった。
まず、何らかの訓練を受けて身につけたであろう,隙のない動き。
そして彼らの顔は端整ではあったが皆一様に生気がなかった。
(ここは騎士修道会の秘密訓練所ではないのか?)
「閣下の栄光に」
湧き上がってくる疑問や不安をできるだけ顔にださないようにして、当たり障りのない乾杯の言葉を述べてから、グラスに口をつけた。
【フィリップ、少年たちに対して不信感】
一日の終りに皆が睡眠を取る中で、眠りを必要としない飛陽は番をしていた。追撃の手がないこと
を確認しながら、ムラキ達の声に耳を傾ける。
ムラキは酒の力も手伝って何やら力説していたがすぐに眠ってしまう。ガイネアの民に王道楽土、
飛陽はそれを聞くと、誰が聞いているわけでもなかったがぽつり、と呟いた。
「兵器にとってはそっちの方がぞっとするんでござるよ」と
そして夜が明けてからまた逃避行を繰り返し、出口と思わしき場所から飛び出ると、そこは街だった。
もしもこれが戦地のど真ん中だったらどうしようと内心で不安だったがどうやら
杞憂で済んだようだ。
とりあえず人心地つくために修理工場に入って修理を依頼する。とはいっても修理が必要なのは
ラドムームくらいで他は体が足りないこと以外はそれほどダメージはない。しかし戦力の低下は
否めないので替えの機体も探すようだが。
「なんだか、調子が、悪いというか、頭が重たいというか」
街に出てから電波の入りが悪いせいか飛陽は不調をきたし始めた。この場に慣れるのは時間が
かかりそうだった。外に出ていたムラキ達が仕入れた話によると「アレス将軍の」王国軍が
例の黒い新型を加えた義勇軍に敗退したそうだ。
「むーん。日数が経ってしまったでござるが、客人やセラ殿は無事でござろうか。
もしも追って来ていたらアレと鉢合わせすることになったかも知れんでござる」
今度ばかりは彼らが弱干薄情であることを願ったほうがいいかも知れない。
そんな風に思う一方でこの土地について考える。発掘都市ドリランド、文字通り大昔の精霊機を発掘、
復元することを生業とする特殊な都市で、発掘された機体の様々な権利はこの街に帰属する。
飛陽も興味がないわけではなかったのだが、ただ年中通して飛陽とジェニファー双方にとって
歓迎しがたい天候なので敬遠してきたのだ。
(まさかこんな形で来る羽目になるとは、ここがどの辺なのかも分らぬし、いはやは全く・・・む?
ということはあの地下道は聖霊機を発掘するための穴だったのでござろうか、人ん家の墓まで
潜るとはバチ当たりでござるな)
などと思っていると何者かが徐ろに飛陽の車体に飛び乗る。確認すればそれはどうやらカラクリの
ようだったが妙に飛陽を撫で回して来る。
>『コンニチハ、アナタ…機械ネ…私モ機械……』
バラす前から正体を気づかれることは稀だったので飛陽は感心と警戒を半々に驚いた。
「こんにちわでござるお嬢ちゃん、拙者に何か用でござるか?」
とりあえずいきなり攻撃してくるとかそういうことはなさそうだ。
当初の計画がご破算になった以上、次の行動を取らなければならなかったが飛陽は少し休むことにした。
近くには自分の息のかかった地域もないので体の交換もままならないのである。
(なに、おつむの回路の放熱でござるよ。機械にも休憩時間は大事でござる)
上に乗ったカラクリの女は一向に降りる気配がなかった。
【飛陽、修理工場にてラドムームの修理待ち】
>>9 >「閣下の栄光に」
グラスに入った液体を飲み込んだあと、フィリップの意識は遠くなった。
夢か現か。フィリップが見上げた空には無数の蝶が舞っている。目を凝らせばそれは美しいフェアリーの大群。
なんとフィリップが今まで見ていた塔内の風景は消滅し辺りは光り輝く草原へと変化していた。
気がつけば一匹の黒い蝶がフィリップのまわりを飛んでいる。
彼にはその蝶に見覚えがあった。というか知っているという感覚があった。
『イサーム・ガラム』
姿形は違えど、直感した魂の形は明らかにあの男のもの。
ここは死んだ者の世界なのだろうか。だがフィリップの心に恐怖はない。
逆にあたたかさを感じその心は満たされていく。
そして、どれくらいたったのだろう。時の感覚が麻痺したころにフィリップは目覚めた。
目覚めた場所は白亜の塔の寝室。ベッドの周りでは美少年たちがフィリップを無表情な顔で見つめ
部屋の奥の椅子にはメドラウトの姿があった。
「お目覚めでおじゃるか?フィリップ殿。おぬしは酒と精霊界の毒気にやられて数日間眠っていたのでおじゃる。
白亜の塔はもっとも精霊界に近い場所。少しでも気を抜けばあちらの世界に引きずり込まれてしまうでおじゃる。でもでおじゃる。
あちらの世界もよいものでおじゃろう?私についてくるでおじゃる。良いものを見せてあげるでおじゃる」
浮遊する台座に乗りメドラウトとフィリップが白亜の塔の地下深くに到達すると
なんとも形容し難い巨大な装置が広大な闇の空間に浮遊していた。
生物のようであり機械のようでもあるそのものは胎内で体を丸めている胎児にも見える。
「これは古の民が造り出した遺物。これに『意志』を与えれば精霊界への道を開くための儀式が行われるでおじゃる。
つまりは儀式を行うためには魂が必要なのでおじゃる。そう魂。機械の魂。フィリップ殿は機械の魂をご存知でおじゃるか?
…発掘都市ドリランドでは何年かに一体、機械人形が掘り起こされるでおじゃる。
とどのつまりフィリップ殿にはドリランドに行き機械人形を発見してきてもらいたいのでおじゃる。
もちろん報酬ははずむでおじゃる。成功したあかつきにはフィリップ殿が議員になれるようにワシから女王様に推薦状を出してやってもいいでおじゃるよ」
結論を言えばメドラウトは生死不明となった飛陽の代わりに、ドリランドで機械人形を見つけ出してもらいたい。そうフィリップに頼んでいるのだった。
【ワインには麻薬みたいのが入っていました。メドラウトはフィリップさんの思考能力を一時的に鈍らせて勧誘しています。基本的にはなんでもありなのでフィリップさんの判断にお任せです】
>>10-11 発掘都市ドリランドの古い修理工場。
>「こんにちわでござるお嬢ちゃん、拙者に何か用でござるか?」
「ワタシノ名前ハ、ミント。……用ハナイケド…。アナタノ造ラレタ意味ハ…アル?
ワタシハ知リタイノ。自分ガ造ラレタ意味ヲ……」
機械人形ミントは飛陽の上で仰向けになり宙を見つめている。
かたや精霊機ラドムームは機工師たちによってあれよあれよという間に修理されていく。
それを腕組みをしながら見つめるムラキは一人燃えているようだったがトムは冷静に飛陽に質問した。
「飛陽よー。おまえ地下道で逃げる気ならいつでも俺たちから逃げられただろー?
逃げて普通の戦車のふりして生活してけば電脳とかも利用されずに適当に暮らせてけると思うぜ。
たぶん隊長はメドラウトを暗殺するつもりだ。抜けるんなら今のうちだと思う。
正直言って俺たちはお前がいなきゃあそこで全滅してたからな。ここで逃げても俺はお前を見逃してやるぜ」
トムはそう言ってディックにウィンクした。ディックも異論はないらしい。
からくりの女はお嬢ちゃんと言われるとミントと小さく名前を告げ、唐突に飛陽に造られた意味を聞いてくる。
それを用と言っていいのだが、言葉に違和感があるのは造られてまだ間もないのかそれとも
ここの人間の会話パターンがかなり乏しいかのどちらかだ。工場とミントと名乗った彼女の様子からは
どちらとも言えそうで判断が付かない。
「造られた意味、でござるか。なんだか人間みたいでござるなあ。ふむ、機械であるなら用途それ自体が
意味となるのでござるが、拙者が造られた意味というなら拙者は護送車でござるな。まあ元はという
話でござるが」
今は戦車をやってはいるが開発当初の企画や設計はそのまんま要人の護送車だった。
しかし紆余曲折あって今では戦車だ。始めに持っていたとしても今のコレには文字通り意味が無い。
護送車という用途、機械としての意味を早々に無くした飛陽は生き物に共通した意味を模倣するのだが
実のところジェニファーが主人となっているので今のところ護送車の本懐は達成している。
ただジェニファーは人ではないので飛陽はその事に気づかず当のサボテンはどうでもよく思っているので
当面はこのままだろう。分かっても戦車を辞めることはないであろうが。
(ふむ、機械にとっての意味、つまり用途はそのまま存在理由にもなるのでござるがそれが知りたい
ということはつまり)
飛陽は考える。平たく言えば「自分はこの為に生まれてきた」というのを考える手間がないのが機械の売りだ。
それが分らないというのであれば恐らく、製作者が起動間際が直後あたりにお亡くなりになったのでは
ないだろうか。そしてミントには、ミント自身の設定が入っていないのだろう。
どんな機械も使えば機能が作動するがそれと自覚の有無は関係がない。ミントも自分がよく分らないのだろう。
「ミント殿は自分の用途が分らぬのでござるか。御自分をお造りになった方は何か言ってはおりませなんだか」
そう言うと「ちと失敬」と言い横から声をかけてきた男の話を聞く。確かディックとか言ったか。
彼から言われたのは何故自分達から逃げなかったのか、という事と今逃げるなら見逃すという事の二つだった。
視界の端でラドムームが大きな作業音と共に修理されるのを横目に飛陽は答えた。
「何故と言われれば一重に拙者のおつむのせいでござる。一時的にでも友軍になったら助けるよう設定が
されてござる。それに普通の戦車じゃあ人気でないでござるよ」
ミントの人格に難があると考えておきながらコレである。飛陽は続けた。
「まあ見逃してくれるならありがたいでござるが、あいにくこんな街では迂闊に外へは出られんでござる。
もうしばらくはここに逗留しようかと思うでござるよ。電波入らないでござるし」
そう返すと飛陽はまた諸々のことを思案し始めたのであった。外からは雨音がずっと続いていた。
【飛陽、ドリランドに逗留予定】
発掘都市ドリランドの古びた修理工場にて、飛陽はミントに問いかける。
>「ミント殿は自分の用途が分らぬのでござるか。御自分をお造りになった方は何か言ってはおりませなんだか」
「…私タチハ…。機械人形タチハ…土ノ中カラ生マレルノ…。…誰モ生マレル前ノ事ハワカラナイ…。
ダカラ機械人形タチヲ造ッタノガ誰ナノカモ…ワカラナイ…」
強い雨音が古びた工場の壁に反響し飛陽の上で機械人形ミントは硬質な瞳で外を見つめている。
ミントの黒い髪は顎のあたりできちんと切りそろえられており、黒のタートルネックワンピースに黒いブーツ姿。
あぶら臭い工場内にしては割と小洒落た姿をしている。これは工場の機工師たちが買い与えたものだった。
本来、発掘された機械人形たちは他国に高値で売り飛ばされるのが常であったがミントの場合は
言動の異常さが際立ったため売るにも売れずにこの修理工場に引き渡され野良猫のように扱われていたのだ。
機工師たちもミントに面と向かって「お前は人間の奴隷で馬車馬のように働くのが使命だ」
などと言えるわけもなく、ミントはそんなことも露知らず飛陽に自分の存在理由を聞いてみたりしていたのだ。
暇なミントは蓋を開けて飛陽の中を覗いてみた。見えたのはジェニファーの後頭部。
丸い頭になぜかむずむずしてきたミントはジェニファーを機体から引っこ抜いて胸に抱きしめる。
するとミントの力が強すぎてジェニファーの体からはパキパキ音がして青い汁が少し垂れてきた。
「…コレ…何?」
ミントは無表情でさらに締め上げる。ほんのりとしたピンチがジェニファーを襲う。
「土から生まれる、でござるか」
飛陽はふうむ、と唸るともう一度ミントを見る。発掘されたという意味なら当然砂と土に塗れていたことだろう。
だが見たところミントは小綺麗な格好をしている。汗と油と埃と火花に塗れる工場には不似合いと言って
差し支えない。これはさては誰か情でも移ったかなどと邪推するとミントは無造作に飛陽のハッチを開ける。
「あ」
ずぼっと音がしたと思うと鉢植えからジェニファー自体が引っこ抜かれている。出入りしやすいようにと
整えた作りが仇となった。機械の体である為か針をものともせずに抱きしめると逆に針が果肉に刺さり
樹液が垂れる。
「ああー待った待った待った待った待った待った!そのサボテンは触ったらいけないでござるよ!
それ以上はいけないでござる!所謂一つの大事なものでござるゆえ、」
急いであれこれ言いながらミントにジェニファーを離すよう飛陽は訴える。殺したって死なないサボテンだが
それでもこういった事態の罰は自分が受けることになるのだ。飛陽は必死だった。
それに比べてジェニファーは身の危険に対して冷静そのものだった。
自然の中に身を置けばこの程度の危険は慣れっこだ。成長して増えた別の自分になることも
既に何度か経験済みで恐れという程のものもない。
まだ幼い動物や虫に齧られたこともあれば鳥や犬猫の排泄物で枯れたこともあるし
冬の寒さに耐えられなかったこともあれば程度の低い人間に踏まれたこともある。
ジェニファーにとって危機は極めて身近な事柄だった。寧ろ自分に降りかからない災厄など無いと
思っているくらいだ。
故に今、好奇心から自分を持ったモノがたまたま馬鹿力で自分が潰されるかも知れないことも
さしたる問題ではない。
問題ではないがやはり苦痛は伴うので避けられるものは避けることにしている。飛陽もそのために
使っている。そしてジェニファーも自分を手放させるために反撃の準備をする。
「あ」
じゃきん、という音が聞こえそうな勢いで急に膨らむとそれに合わせて針の数も増え太さを増して行く。
最初は普通の鉢植えのサイズだったのが今では一抱えほどもある。いきなりの変化にミントも
ジェニファーを落としてしまう。服には無数の穴が空き針が引っかかっている。
「ああ、ジェニファー、その無事で何よりで、え、埋まってくる?あ、いってらっしゃいでござる」
傷を癒すために工場の舗装されていない地面に転がり落ちるとそのまま水の中にいるような
早さで沈んでいき、見えなくなる。
飛陽は焦った。後で仕置が待っている。何が来るのか分らないのが怖かったがとりあえずミントに
謝ることにした。
「あ〜その〜、大変申し訳ないでござる。服は、その、ぼろぼろになってしまったでござるな。えと、
弁償してあげたいのでござるが生憎今手持ちが・・・」
飛陽に落ち度はないのだがお金とジェニファーが絡んだことですっかり縮こまってしまった。ミントに
傷などないもののこんな形で会話が途切れてしまったので、非常に気不味い沈黙が場に降りてしまった。
(な、何か言って欲しいでござるなあ。というか拙者逃げたい、今なんだか急に出発したい気持ちに
なっちゃたりなっちゃったりなっちゃったり・・・)
本音を言えばこのままジェニファーにも帰ってきてほしくないのだが、それは通らない話だ。
どうしていいか分らないので、ミントの様子を伺うよりほか無かった。
【ジェニファー、土中へ潜る。飛陽、ミントの出方を待つ】
工場に沈黙が落ちる。精霊機の修復作業は明日以降に持ち越されたらしく
今日の作業を終えた機工師たちは工場内中央の巨大な入り口から地下にぞろぞろと消えていく。
「どこ行くんだよ?」
トムが一人の機工師に尋ねれば、機工師はこれから家に帰るのだと言う。どうやら皆、地下に家があるらしい。
ちなみに地下への入り口は精霊機でも入れるほど広かった。
「トム!ディック!飛陽の護衛を頼むぞ!俺は地下街で情報を集めてくる」
とムラキは部下たちにいい残し機工師たちと地下街へ消える。
今のムラキは飛陽のことを強力な戦力として考えているのだろう。
ディックはしばらく雨を見ながら物思いに耽っていたが、飛陽も自分たちのことを友軍と思ってくれているのなら
今はこれでいい。そう思った。
>17
>「あ〜その〜、大変申し訳ないでござる。服は、その、ぼろぼろになってしまったでござるな。えと、
弁償してあげたいのでござるが生憎今手持ちが・・・」
「………」
穴だらけの自分の衣服に視線を落すミントではあったがやはり無表情。
「手持チガナイノナラ、ソノ子(ジェニファー)ヲ私二売リナサイ。
ソレガ駄目ナラ…ハタラキナサイ…地下デ働イテ弁償シナサイ…」
ミントは口元に三日月のような笑みを浮かべる。
一方。地下街のムラキは酒場である噂を耳にしていた。
なぜミントがジェニファーに執心なのか飛陽には分らなかったが一つ言えることがある。
それは今のミントの笑顔が怖いということだ。人間相手に物怖じしない飛陽も
突如本性のようなものの一端のようなものを見せられてたじろいでしまう。
「ええと、う、売るのはちょっと、ジェニファーがいなくなったら拙者精霊機じゃなくてただの戦車に
なっちゃうでござるから。あ、でも働くと言っても何をするのでござろう。今ドリル(3両目)が
ない故コレを熊手代わりにするくらいしか・・・」
爪を動かしながら飛陽は「まずった」と思った。発掘手伝いとかその辺ならまだいいが
どうもそれで済まない気がする。何もこんな表裏まで再現しなくてもいいではないか。
これだから女性型は厄介なのだ!
「地下には拙者も入れそうでござるけど、その、なるべくなら人型と同じ作業は遠慮したいというか、
いやほら拙者の車高が足りないと無理でござるからして」
延々と言い訳を並べる飛陽。ミントがジェニファーを欲するのは子ども心みたいなものなのだろう。
だがそこからの行動や表情の振れ幅がその限りでない。機械の人間ではない所以、
所謂「歪みの谷」とでも言うべき部分が少し顔を覗かせた瞬間だった。
(いや完成度の高い女性型だと拙者の思い過ごしでここもまだ女性の人格で機械の部分じゃないって
いう怖い場合もあるんでござるが、いったいどっちでござろうか。いや辞めとくでござるか)
以前流れていた際にとある技術者たちの暇つぶしに「怖い女」と「とても人に近い人格をもった機械」の
どっちが怖いかという話があったがいつも区別が付かないというオチだった。今では分らなくもない。
飛陽としてはほとぼりが冷めたらこの街のジャンク店や廃材置き場等を漁り3両目をこさえたら一度アジトへ
引き返そうと思っていたのだ。だが今発生してしまった問題によってその予定は見直さざるを得ない。
いつの間にか夜になっていたらしく地下街から夜の喧騒が聞こえてくる。雷と雨の街とはよく言ったものだ。
「夜になったでござるから拙者たちも明日に持ち越すとか・・・駄目でござるか?」
何も好転しないが飛陽がミントに言えたのはそこまでだった。
【飛陽、ミントに時間稼ぎの打診】
>「夜になったでござるから拙者たちも明日に持ち越すとか・・・駄目でござるか?」
ミントの顔からは笑みが消え、ただただ飛陽を見つめている状態となった。
機械人形と人間の感覚は違うらしい。
ミントのよくわからない意識は時間によって流されることもなく一つの場所にとどまり続けている。
「ハイ…。持チ越シタワ…」
ミントが動かなくなってから一言発するまでに朝となっていた。
「デ、ドウスルノ?ナンダカ穴グラデハ働キタクナイミタイネ…。ソウヨネ。アナタ戦車ナンダモノ。
…戦車ガ働クノハ戦場。ソレナラ何処ヘデモ行クガイイワ。私ヲ連レテネ。私モ、ソノ子ト一緒二旅二出ルカラ」
ミントは飛陽によじ登り砲座に腰をかけると足をぶらぶらさせる。
************************************************************
一方、ムラキは地下街の情報屋から、ある情報を手に入れていた。
その噂というものは最近ドリランドから出荷された機械人形があちこちの街で行方不明になってしまうということ。
飛陽の模擬人格システムのこともあったのでムラキはすぐさまメドラウトの仕業と睨む。
そしてドリランドの地下深い採掘場にはメドラウトの女スパイ、リーフイがフィリップより先に先行していた。
「いつものアホみたいに採れる赤茶色の錆びた機械猿ならいらないある。あれは何体も試したけどクズだったある」
仮面をつけたリーフイは採掘の責任者に強い口調で言った。
もともと飛陽の人格システムが存在するという情報を手に入れる前までは、
メドラウトたちはこの地下の採掘場で採れる四角くレトロな形をした機械猿たちの電脳を利用しようとしていたのだったが
みな儀式の途中で電脳が焼ききれてしまいすべてが失敗に終わっていた。
幾度の失敗を繰り返してメドラウトたちが得た情報、それはロボットの意識というものが
人に近ければ近いほど儀式時に電脳が壊れるまでに時間がかかるということ。
赤茶色のレトロの機械猿たちはどうやら奴隷使用のようで馬鹿の一つ覚えのように一つの命令しか聞くことが出来なかった。
「メドラウト様は女の形の機械人形が欲しいって言ってたあるよ。
あれはなかなか採れないあるけどなかなか我慢強いと言ってたある。
術式に対するメドラウト様ご自身の熟練度はレトロの機械猿を実験台にしたお陰で上げることが出来たあるから
もう一度、上質の女型の機械人形を使えば儀式を成功させることが出来るそうあるね」
リーフイは調子に乗って発掘の責任者にべらべらと喋っていた。
それを聞いた発掘責任者は何かに気がついた様子でおずおずとリーフイに言葉を返す。
「リーフイ様。女型の機械人形ならば東のバルック修理工場に一体いるはずです。
電脳に異常があるのか妙な言動が目立つ機械人形でありましてメドラウト様の使用人としては
相応しくないと私どもが独断で判断したものですからお伝え出来ませんでした。
儀式というものがどういうものかはわかりませんが、いちおう女型の機械人形でございます」
「はあ!?あたしが機械人形を使用人として使うといつ言ったあるかーっ!?」
リーフイは責任者の腹部を蹴り上げると使役精霊であるシャウロンの背に乗って飛陽たちがいる修理工場にむかった。
採掘場では機械猿たちが機械猿たちを黙々と掘り起こしている。
地下街にいたムラキは龍の背に乗った中国風少女が地上の工場に飛んでいくのを目にして嫌な予感がした。
使役精霊である月の精霊ムチマロも唸り吠えている。ちなみにムチマロは銀色の狼の子の姿をしており額には三日月。
小さい銀狼は舌を出しながらムラキと一緒に修理工場にむかって大急ぎで走っていく。
いっぽう地下出口から飛び出したシャウロンに乗ったリーフイはというと広い工場内の空中でグルグルと回転しながら
辺りを観察したあと工場の中央に華麗に飛び下りる。
「こんにちは。あたしの名前はリーフイある。ここに機械人形がいるはずある。出すあるね」
リーフイが腰に手を当てふんぞり返っている後ろをムラキとムチマロが走ってきて
気づかれないように遠回りをして飛陽の傍により囁く。
「やつは多分メドラウトの間者だ。狙いは機械人形。
飛陽、お前がいなくなったことで奴らは当初の計画通りに機械人形を狙い始めたらしい。
機械人形を狙う理由はお前を狙った理由と同じ。世界を平和に変えるとかそんな甘いものではないだろう。
ここでお前の存在をばらすわけにもいかんし、お前は大人しく戦車のふりをしていろ」
言い終わりムラキは飛陽の砲台に乗っている少女を二度見した。
(機械人形ではないかーッ!?)
「ぐおあ!!」
ムラキは悲鳴をあげひっくり返る。ムラキの大きな体と入れ替わり片足をあげ立っているのはリーフイ。
リーフイはなんと片足でムラキの尻を蹴り飛ばしたのだ。
「こそこそするなある。それ機械人形あるね?」
リーフイはミントに指をさした。その背中では龍が口を開き目を爛々と輝かせている。
ミントは何も言わなくなるとその場にじっと佇んでいた。どれくらいの間じっとしていたかと言えば
日付が変わって夜が開けるまでである。機能が落ちている訳ではないので逃げることもできず
ただ長時間そこに居続けるだけの状態を強いられた飛陽は動揺していた。
>「ハイ…。持チ越シタワ…」
ミントの発した呟きを理解した瞬間飛陽は「ヒぃー!」と悲鳴をあげた。たまに回路を休ませるために
機能を落とすことはあっても、基本的に機械は眠らない。
主に人間相手の応対をしてきた飛陽は同種故に発生する齟齬に慄いていた。
不覚にも衝撃を受けているとミントは労働の方法を提示してくる。不味いことになったと
飛陽は思った。掻い摘んで言えば戦車なんだから戦って稼げ、ということなのだが
言い換えればそれはつまり強制的にどこかで一戦やらかさないといけないということだ。
おまけにミントも付いてくる始末、おとなしく従った方がいいことが世の中たくさんあるが、その選択を間違えた
のだと飛陽が気づいたのは案の定手遅れになってからだった。
(不覚・・・!よもやこんなことになるとは、機械相手の交渉なんてやったことないから抜かったでござる!)
2両目の砲台の上に腰掛けるとミントは何か、いや件のサボテンを待っていた。
仕方がないのでムラキ達が乗り捨てる予定だった戦車を譲ってもらおうと思った矢先に空から
派手な精霊機が降りてくると、乗り手と覚しき少女が飛び降りてくると周りに聞こえるように用件を言う。
恐らくミントのことを指しているのかと思えばムラキが血相変えてやってくる。見覚えがないが犬も一緒だ。
このおっさんは犬派だったのかと思っていると目の前の少女がメドラウトの関係者である可能性があること。
そして狙いがやはり彼女だということを告げる。
忠告の途中でムラキが蹴り飛ばされて入れ替わりに少女、リーフィが前に出る。次第に空気に剣呑な気配が
満ちてくる。ミントは不思議そうにリーフィを見ている。当人だけが何処吹く風だ。
(後ろのあの機体、まだ誰かいるでござるな。まあ基本的に精霊機は精霊と乗り手の二人組でござるからなあ)
下手に動けば攻撃してくるのだろう。リーフィはといえば自信たっぷりにミントを見ている。飛陽としては
ほったらかしにしてこのまま知らぬふりを決め込みたかった。飛陽の主人もまだ帰ってきていないのだ。
しかし自分は既にミントに対して負債があるのだ。踏み倒す訳にはいかない。となれば支払いが済むまでは
身の安全を確保しなければならない。ムラキの部下も今はおらずどさくさというのも期待できそうになかった。
(ツキはフィーバーする時は連チャンすると思ったがそんなことはなかったでござるな)
これまでに何度経験したか分らない"運の尽き"を感じながら飛陽は考える。下手に動けば攻撃されるし
普通の戦車のフリもしなければならない。どうすればいいかと。とりあえず一つ閃いた。
「オイ!テメエ何すんだ!」「隊長大丈夫ですか?」
二つの野太い声がリーフィに噛み付くように放たれる。それはこの場にいないはずの者たちの声。
「いきなり随分じゃねえかよ」「危険ですんで隊長は下がっててもらえますか」
聞こえてくるのは戦車の中、飛陽に残された1両目と2両目の中から聞こえてくる。飛陽が二人の声を真似て
各車に備え付けられているスピーカーから交互に喋っているのだ。
言うなれば自分を使った腹話術とか人形劇とでも言ったところか、ムラキが付いてこれない危険もあったが
とりあえず先程の彼の話し相手を偽装することはできる。
>「こそこそするなある。それ機械人形あるね?」
リーフィに問われて応対することにする。
「そうだけどよ、このお嬢ちゃんは今うちのなんだ。欲しかったら他の買ったらいいじゃねえか」
「見たとこ俺たちよりも金持ってそうじゃねえか。そんな立派な機体で脅かさなくても、もっとイイ奴買えんじゃねえか?」
一人芝居で相手に二、三言葉をかける。こういう展開に慣れているのか荒い言葉遣いに
リーフィは気に止めた風でもなくこちらの言い終わりを先程から尊大な素振りで待っている。
「他当たってくんないかね。でなきゃせめて後ろの奴の照準落としてくんない?」
「商談で済ませる気なんかないって言うならそれも構わねえが」
敢えて好戦的な体で話しているが二人と付き合いというほどの時間も無いため、トム達を知る者が聞けば違和感に
気付くのは容易いだろう。飛陽は二人の乗った戦車を装った。
【飛陽、人の乗った戦車のフリ、そしてジェニファー接近中】
>「オイ!テメエ何すんだ!」「隊長大丈夫ですか?」
飛陽はトムたちの声マネをして自分を有人機に偽装している。
砲台の上のミントは人形のように微動だにせず視線だけをスピーカーに落している。
スピーカーの声に違和を感じているのかも知れない。
「…う…ぐ…ぐ」
飛陽の前でもんどりうっていたムラキだったが立ち上がると恐る恐る尻に手を当て尻の肉を弄った。
何故ならリーフイの蹴りが強すぎて尻が吹きとんだと錯覚してしまっていたからだ。
だが尻の肉は痛みを伴いながらもきちんと自分の腰についている。胸を撫で下ろしムラキは飛陽にむかって叫ぶ。
「ああ、大丈夫だ!トム、機械人形は死んでもこいつに渡すな!」
ムラキは普通に会話していたが本物の部下たちと会話しているものだと錯覚している。
勿論、結果的には飛陽の作戦に乗ったことになっている。
>「他当たってくんないかね。でなきゃせめて後ろの奴の照準落としてくんない?」
>「商談で済ませる気なんかないって言うならそれも構わねえが」
「ふん…。商談で済ませるのは簡単ある。でも、力ずくで済ませるのはもっと簡単あるよ!出でよ!リーシェンローン!!」
出でよ、と言っても精霊機はすぐ後ろにいるのだがリーフイが叫ぶと龍の形をした精霊機が口を開け
リーフイを丸飲みしたかと思うと自分の胸郭の操縦席へと誘う。
そして広い工場内の中央でパーツごとに四散し操縦席のパーツを中心として再び合体。人型へと変貌した。
龍型から人型へ。精霊機シェンロンが真の姿を現したのだ!
シェンロンはムラキの精霊機、ラドムームよりも一回り小さいが速さと格闘戦に長けたようなフォルムをしている。
「機械人形はいただくあるよ!!」
シェンロンがミントを捕まえようとして手を伸ばすとミントは座ったままの姿勢で横に跳ぶ。
それは足を使った跳躍ではなく片手を使っての跳躍だった。そして跳んだ先にはジェニファー。
ミントはジェニファーを抱きかかえ雨が降りしきる街の外へと駆け出した。
「逃がさないあるよ!!」
ミントたちを精霊機に乗ったリーフイが追う。
ムラキのラドムームは装甲の修理と平行して精霊炉のメンテナンスも行っていたので追うことは出来ない。
リーフイの追撃は必然的に飛陽に託されることになった!
いったい何が起きたのかジェニファーには分らない。飛陽からの緊急の電波を受けて
駆け戻ってみれば何かに捕まえられてしまった。相手の力は思いの他強く、自分をしっかりと
捉えたまま高速で動きつづけていた。
>「逃がさないあるよ!!」
人型へと変形したリーフィの機体もまた彼女をミントを追って外へ出る。飛陽は僅かに出遅れた格好だ。
「くっ、二人とも!なんとしてもあの奇怪人形を取り返せ!それとそいつが飛陽であることはなるべく
伏せておけ、いいな!」
ムラキから指示が飛ぶと飛陽は自分を含めた三人の声で返事をする。早くも一人三役に慣れだしたようだ。
近くに停めてあったトムとディックの機体を使いたかったがセキュリティが意外にしっかりしていたために
乗っ取れず、しぶしぶ二両のままリーフィとミントの後を追うことにする。
(ああ、でも不味いでござる。ジェニファー不在だと拙者の出力も落ちるし術にも制限がかかるでござる)
見たところ相手の機体は格闘戦に長じているようで、また外見から想像した限りだと火の一つも
吐いてきそうである。シュバリエ程ではないが空も飛べるとなれば相性は悪いとしか言えない。
(頼みの綱が相手の技量が拙者より下か否かとは、骨が折れるでござるなあ)
無理使いがきく体ではあるが連日の強行軍で車体はぎしぎし音を立てている。整備の順番がこんな形で
影響してくる飛陽も思ってはいなかった。
「待てやお前等ー!」「精霊泥棒ー!」
声を上げても直線での速度はシェンロンに分があるらしく差が徐々に開いてゆく。このままでは遠からぬ内に
ミントとジェニファーは捕まってしまうだろう。ただミントの捕獲が狙いであるせいか威嚇攻撃さえしない
のは不幸中の幸いと言える。
(しかし足止めもしないとは、もしかしてそういう事ができる武器は積んでないってことでござろうか、
それはそれで厄介でござる・・・)
雨の中先へと逃げるミントを見ればずぶ濡れになっているが特に不調な面は見られない。それよりも飛陽は
ミントの逃げ足に感心していた。機械人形と言われる物は相当に身体機能を高く造られているのか
リーフィの手を上手く避けている。
(このままでは埒が明かないでござる。こうなっては彼奴がミント殿を捉えた所を狙うのが確実か)
攻撃を仕掛ける為に飛陽は敢えてリーフィが二人を捕まえるのを待った。
【飛陽、二人を追跡、攻撃の為にミントを泳がせる】
発掘都市ドリランド。一年のほとんどが雨の街。
黒雲の下では、ぼろぼろの黒い服を纏った少女が雨に打たれながら暗い街はずれを走っている。
遠い地平のむこうには雲間から太陽のひかりが見える。
ミントはジェニファーから汁がでないように優しく抱きかかえながら逃げていた。
>「待てやお前等ー!」「精霊泥棒ー!」
ミントたちを追いかけるリーフイの後ろで変声された飛陽の声。
「男ども五月蝿いあるね!お邪魔虫は踏み潰すある!!」
リーフイが叫び返すと飛行していた精霊機シェンロンの頭部と脚部が火を噴いて体から分離。
頭部は石造り建物の裏に消え、残りの脚部は飛陽に体当たりを仕掛ける。
【精霊機シェンロンの両足が分離して飛陽さんに体当たり攻撃】
********************************
「ゴメンネ…」ミントは囁いた。
数メートル先の地面からは蒸気が立ち昇っている。そこは発掘品を地上へ運ぶための地下鉄への通風孔。
機械人形よりも小回りのきかない精霊機との距離を計算しても、蓋を剥がして地下へ逃げる時間は充分ある。
そう考えたミントはジェニファーを石畳の上に置き通風孔の鉄枠に指をかけ蓋を剥がしにかかったが
ミントの死角、狭い路地裏から精霊機の頭部が突然飛び出しミントに体当たり。
弧を描き宙に舞った機械人形にリーフイの精霊機は余裕で手を伸ばすと乱暴に握り締める。
「きゃはははは!機械人形を捕まえたある!フィリップとか言う貴族のあまちゃんなんかより、あたしのほうが役に立つあるね〜!」
脚部のない精霊機は空中で姿勢を維持する為にノズルから精霊力を帯びた火を吐きバランスを保っている。
地上の石畳の上ではジェニファーがシェンロンの頭部と対峙。
胸郭内の水晶モニターでジェニファーを見つけたリーフイはサボテンが何者かの精霊だと考察していたが
「小さい精霊は可愛過ぎてムカつくあるね!この世で可愛いのはこのリーフイ様だけでいいあるよ!」
と無茶苦茶なリーフイ理論を吐き、シェンロン頭部を操るとノズルから精霊力を噴出させ風圧をジェニファーに浴びせた。
「きゃはははは!この機械人形は世界を変えるある!このリーフイが世界を変えるある!」
雨音が強さを増し滝のように天から落ちる雨に辺りは夕方のように暗くなる。地平線に見えた太陽の光も暗雲により深く閉ざされた。
そろそろ私の出番のようですね
(自慢の尻を磨きながら最終兵器がアップを始めたようです)
飛陽がリーフィを追って雨の中を急いでいたその頃、先程の騒音がよもや自分たちと
関係があるとはつゆも知らない本物のトムとディックは昨日の地下の酒場で見たコメディに
ついて歓談していた。
「それにしてもよお
>>27が出てきた時は参ったなあ」とトム
「ああ、こっちに向けたケツを拭きながら滑るように入ってきた時は吹いたよ」とディック
流しの芸人のショウを見てあれこれ言いながらムラキの元へとやってくると二人は挨拶をする。
「ぬお!お前等どうしてここにいる!奴を追っていたのではなかったのか!」
ムラキは二人を見て目を丸くすると次いで怒号を発する。対照的に二人はきょとんとしているが。
「隊長、酒が抜けてないんじゃないですかい。俺たちゃ今来たところでさあ」
ディックもコクコク首を振る。
「ぬ、それでは先程出撃していったのはお主達ではないというのか・・・?」
顔に疑問符を浮かべるムラキにディックが気付いたことを言う。飛陽はどうしたのかと
「飛陽、いやだからそれはお主達が乗って・・・あ!」
ムラキが修理工場で大声を上げて気付いた頃、飛陽はリーフィとミントに近づいていた。
曇天の空に見失いそうになりながらもミントを捕捉し続ける。いつリーフィが仕掛けて来るかと
身構えているとシェンロンの竜を模した頭と足が分離して脚が飛んでくる。
(来た!頭はともかく脚まで取れるとは、ここは拙者引けぬでござるな)
飛び来る脚に向かい寧ろ真っ向から飛陽は突っ込んでいく。
「そんなにぶつけたいならぶつかってやるでござる!」
急に減速して車体を直角に曲げると1両目を脚にぶつけて二両目を勢い良く前へと放り出す。
乱回転する二両目の前で見失っていた頭部がミントをはじき飛ばすのが見える。次いでリーフィの高笑い
が聞こえたことから察するとどうやらミントは奪われてしまったようだ。
「おのれぇ、このままでは返さないでござるよ!」
一両目についた鉤爪で掬った足元の泥を、切り離されたシェンロンの脚の接合部に嫌という程盛り込むという
嫌がらせじみた攻撃で地面に落とすとそのまま泥を盛って埋めていく。
その一方で二両目はシェンロンに照準を合わせている。撃てるのは補給を済ませた煙幕だけだがこの雨の
中でなんとかシェンロンの滞空している辺りへ着弾することができれば足止めはできる。問題は
命中と雨の威力で射出の力が弱まって色々と心許ないことだった。
そんな時である。ミントが持っているとばかり思っていたジェニファーが転がってきたのは。
リーフィが風で煽って吹き飛ばしたのだが急いで小さな投網を放ち彼女専用の収納スペースへと非難させる。
「ジェニファー、無事で何よりでござっはぁ!?」
自分の中に入る前のジェニファーの姿をちらりと確認したが、その姿はぷっくりと肉厚に膨らんで小さな花を付け
しかも色が黒々としている。明らかに怒っている。攻撃色だ。
ジェニファーの苛立ちは全身に満ちていた。針の先まできっちりと。こんな雨の中連れだされた挙句
あの不遜な機体に鼻息でいいように転がされてまさに踏んだり蹴ったりだ。できるものなら攻撃したい。
そう、できる。
追ってきた自分の手足に戻ると飛陽の全身に力を送り砲塔の角度合わせをする。飛陽はいまいち事態が
飲み込めていないがとにかくジェニファーが珍しくやる気になっているのありがたい限りだった。
「さーて!TPOを弁えた攻撃って奴を拝ませてやるでござる!」
照準はジェニファーに任せて飛陽は精霊力を煙幕弾にありったけ込めると、
勝ち誇って高笑いを続ける相手へと砲塔を向ける。
「水遁!虹霧隠しの術!」
豪雨の中を突っ切って放たれた弾は空中で破裂し大気中の雨を取り込んで、以前のものとは比べ様もない程
広範囲に極彩色の霧をぶち撒ける。
「問題はここからでごさる、てあれジェニファー、止めるでござる!もういいでござるよ!」
怒り心頭のジェニファーはミント毎、というよりミントが握られているであろう手の辺りを重点的に攻撃し続けた。
【飛陽、一両目、衝突の衝撃で中破、「脚止め」中。二両目、ジェニファーがミントへ向けて煙幕打ちっぱなし】
どす黒い雲が厚く垂れ込め不気味な鳴動を続けている。
地上では泥で噴口を塞がれた精霊機の脚が、くぐもった音と煙を吐きつつ泥濘に埋没。
一方、飛陽と合流を果たしたジェニファーは怒りに任せ煙幕弾を連射し戦域を極彩色の煙幕で装飾していく。
「あいや〜煙幕あるか!?煙ったいやつある!」
リーフイが飛陽の煙幕弾が飛んできた方向に向け精霊機の左腕を応射すると
煙幕から躍り出た龍型の左腕は噴口から咆哮をあげ猛烈なスピードで飛陽に疾走した。
空を切り裂き右へ左へうねりくねる様はまるで龍そのものだ。
「えいやぁあああああ!!平常無敵流!龍翔撃ぃーっ!」
砲撃を繰り返す飛陽とシェンロンの左腕が交錯する。これは奇妙な現象である。鉄の左腕は飛陽の側を通過し空に上昇しただけ。
つまりリーフイの攻撃は飛陽の装甲を掠めたにすぎなかったのである。その理由はリーフイが攻撃する刹那、飛陽に対しある疑念を抱いたからだ。
「…あいつ…からっぽ…ある…」
リーフイは飛陽の戦車型の機体に人の気配というものを感じなかった。
もともと精霊機は精霊を宿した武器、剣や盾の発展した道具のため使役している精霊の力も大きく影響する。
リーフイのシェンロンには自身の五感を高め敵兵の「気」を感じる能力もあったのだが煙幕のむこうの戦車にはそれを感じない。
「誰かが戦車本体を遠隔操作しているあるか?…いや、ちがうある!戦車からは怒りの精霊力を感じるある!
まさか精霊だけが暴走しているなんてそんなことはありえないし…。あいや!あいつまさか!?」
少女の疑念は確信にかわりつつあった。
視界不良の煙幕の中、シェンロンはゆっくりと飛陽とは反対方向に逆進する。
そして空中に散華する無数の煙幕弾を見つめているミントの双眸には激昴の色が現われ始めていた。
そう、ミントの自我が爆発するまでにはそれほど時間がかからなかったのである。
ドリランドの地下から列車の走る音が響いている。
貨物列車の四角い暗闇で大量に運搬されている機械猿たちの目は妖しい点滅を始める。
【リーフイ:煙幕内をゆっくりと後退】
31 :
飛陽代理 :2011/02/12(土) 14:12:01 0
予定よりも随分多めに煙幕を打ち出したせいで辺り一帯の見通しは最悪と言って良かった。
もとより豪雨で視界は悪かったが今では曇り空とは正反対の目によろしくない蛍光色がかなりの
広さに広がっている。相手はこちらを目指できないだろうがこちらも同様である。
(あーあーあんなに撃つからすっかり空が汚く・・・)
一しきり撃ち続けるととジェニファーが攻撃をやめる。煙たいという言葉が手緩く思えるほど
弾をばら蒔いたのでここからは探知盤頼りとなる。もっとも飛陽にはそれは苦にならないが。
(今のうちに一両目の爪を回収して、む!)
次弾の為に動けなくなった一両目の元へ行こうとすると汚い雲の中から何かが飛び出してくる。
どうやらさっき切り離したもう一方らしい竜の口が飛陽へ突っ込んでくる。
「間に合うか!」
咄嗟に残りの煙幕を迫り来るシェンロンの腕へと放ち砲撃の反動を足しにして回避行動を取る、
済んでの所で避けられそうだったが泥にキャタピラが滑り僅かに足をとられる。
金属を思い切り引っ掻くような音が聞こえたかと思うと二両目の車体が勢いに押されて傾く。
組み付かれたことで追撃が来るかと思ったが来ない。自分の装甲が噛み砕けないような機体とは
思えず怪しんでいると互いに動きがないまま時間だけが過ぎてゆく。
「・・・む?これはなんの信号でござろう、あの機体から発せられているようでござるが命令の形を成していない
でござる。暗号、いやそれにしてもバラバラすぎるでござる。何かのあまりみたいな」
互いに姿の見えない中で睨み合っているといきなり流れだした信号を感知する。
人間で言うところの不吉な予感に相当する予測を立てた飛陽は急いで爪の回収に向かう。距離はあまり離れていない。
キャタピラが泥を蹴散らす音と雨音が混じり名状しがたい騒音が発生する。シェンロンの脚を封じることには
成功したようだ。なら後は本体の番だ。
(突如こんなことしてきた理由は気になるでござるがそれで仕留め損なうほど拙者甘くないでござる)
探知盤の上からリーフィが後退しつつあることを知った飛陽は次弾を装填するとシェンロンが霧を抜ける瞬間を待つ。
現在の貧弱この上ない武装で戦うにはこれくらいしか方法がなかった。
(それにしても何故でござろう。先程の攻撃、拙者を仕留めようと思えばできたはず、妙でござるな)
相手の思惑には気づかないまま、飛陽は狙撃体勢へ移った。
【飛陽、煙幕の中でリーフィへ狙撃用意、またリーフィの行動に疑問】
煙幕から抜け出たシェンロンの中でリーフイは頭をふった。
「迷っちゃだめある。あの戦車が飛陽タイプでも飛陽そのものだったとしても今は関係ないある!
今のあたしは、この機械人形をメドラウト様のもとへ届けるだけあるよ!!」
シェンロンは再び空中で分離し龍型へと変形を始める。飛陽のことはさておき逃走するつもりなのだ。
煙幕内の頭部、飛陽に掠り空に飛んだ腕がまず胸郭部に結合される。残りは脚部だけだったが泥で噴口を塞がれているために戻ってこない。
「なにか足に細工したあるね!?しょうがないある!足は自爆ある!!近くにいるの死ねある!!」
ボゴーーーンッ!!
轟音と一緒に火球に包まれるシェンロンの脚部。
おかげで龍タイプのシェンロンの胴は短くなってしまうがそんなことは問題ではなかった。
ミントを掴んでいる右腕部分が足の変わりに最後尾に結合するとシェンロンは身をくねらせながら雨雲にむかって飛翔する。
「タスケテ…。戦ウ機械ヲ…破壊シテ…」
豪雨にさらされているミントの声にならない声が天から機械たちの電脳に降り注ぐ。
一方。修理工場ではミントの声を聞き地下から湧き出して来た機械猿たちが暴れ出していた。
トムとディックの戦車を奪い、めちゃくちゃに砲撃をしている。
ムラキのラドムームは戦車に精霊炉を破壊され爆音をあげて修理工場の屋根を吹き飛ばす。
「……」
絶句するムラキたちを尻目に
機械猿の操作する戦車二台は「兵器」を破壊するべく街に繰り出す。
そして地下鉄の入り口からも無数の機械猿たちがゾロゾロとあふれ出し飛陽に襲い掛かってきた。
鋼鉄の身体を持っている彼らだが飛陽に比べれば攻撃力は皆無。
しかし黙視していたら、ネジを食いちぎったりとジャングルに生息する肉食のアリのようにじわじわと損害を与え始めるだろう。
【シェンロン:煙幕から抜け出しミントを捕獲したまま上昇中(尻尾部分にミント)】
【地下から機械猿たちの無差別攻撃。と機械猿に奪われた戦車が2台接近中です】
33 :
飛陽代理:2011/02/14(月) 01:22:17 P
「出た!ドンピシャでござ、う!?」
雲海を抜け出たシェンロンを撃とうとすると、飛陽がよくやるモノよりも一段強力な爆発が一両目を
容易く吹き飛ばし更に誘爆の煽りを受けて二両目の車体が激しく揺れる。
(ちいぃ!分離したからもしやと思ったでござるが、案の定自爆しやがったでござる!)
自爆特攻は戦闘において非常に効率的な攻撃であるが、人的な被害が伴うものである。ならばその
損害を出さずに行えるのならば使わない手はない。自動操縦でなくとも分離ができる部分には
自爆装置が仕込まれていると思って良い。今回はまんまと相手にしてやられた形だった。
(かけ上手はかけられ上手とは良く言ったもんでござるな)
大分位置がズレたがまだ飛陽の射程内から外れた訳ではない。照準を定め直して再度砲撃の準備を
していると、それは起こった。手近な穴から地下の坑道で発掘作業をしていた機械猿たちがワラワラと
出てきたのである。街を出たと思っていたがどうやらここはまだ郊外の辺りらしい。
思ったよりも広いドリランドの街と隅々まで行き渡った地下道に感心するが今はそれどころではない。なんと
手近な穴から出てきた彼らは飛陽を見るなり群がってきたのだ。
34 :
飛陽代理:2011/02/14(月) 01:27:14 P
(厄介でござるが今しばらくは大丈夫でござる、工具でも持って来られない限りは・・・)
そう思った矢先に溶接道具や簡単な工具を持った猿が穴から出てくるのを確認する。すぐさまこちらへやってくる。
(猿に道具の使い方教えた奴がいたなら絶対許さないでござる)
組み付かれてしまえば後は解体まで秒読みだ。ミントを取り戻すためにはシェンロンを地に落とさなければ
ならずその為の弾は煙幕がせいぜい、にも関わらず押し寄せる猿の大群、このままでは全てが手遅れになるだろう。
これらをこなすには如何すればいいのか、答えは直ぐに出た。
「イイトコに来たでござるな猿ども。いきなりで何でござるが鳥になってこい!」
言うやいなや先程の爆発で吹っ飛ばされた鉤爪の内なんとか無事な二本で工具を持った猿達を両手で
掬うように持つと、そのまま手を閉じて二両目の砲台に手首を挿し込む。合わさった二つの手首は一つの円筒形
となりカッチリと砲台にハマる。
「目標敵精霊機上空、弾よし、角度よし、行くでござる!」
弾丸として打ち出された鉤爪はシェンロンへと向かっていくと、手に持っていた物を思い切り投げつける。
怪しげな光を目に宿した作業機械達はついには空を飛ぶ竜にも飛び火した。
一方で飛陽も破損した腕で散らしたり轢いたりして機会猿を避けるが、徐々に追い詰められていく。
そうこうしてる内に探知版に新たな機影が二つ確認される。飛陽は自分がいよいよ危機に立った事を知った。
【飛陽、リーフィに機械猿をお裾分け、及び接近する車両を確認】
35 :
名無しになりきれ:2011/02/15(火) 12:06:18 O
立て逃げ糞コテ晒しage
地に落ちる雷雨。天に昇る龍。水墨画のような街はずれに轟く鈍い砲声。
ドォウンッ!
地上からは飛陽の罠を内包した鉤爪がシェンロンに放たれ
火花をあげ開口した鉄の手からは無数の機械猿たちが空に散った。
「機械猿!?」
ゴン、ゴン、ゴゴン!気味の悪い衝撃音がシェンロンの操縦席に鳴り響く。
無数の機械猿たちがシェンロンに取り付いたのだ。
「くっついて、気持ち悪いやつらある!はなれるあるーーっ!」
シェンロンが身を捩じらせ宙で回転すると機械猿たちも負けじと
持っていた工具で精霊機の装甲を切開し、生じた亀裂に手を入れ内部の管を引き千切る。
切断された管からは精霊力が噴出し猿を粉々に吹き飛ばしたが、大動脈を傷つけられたと同義な精霊機は
出力を失いつつゆっくりと地上に落下。おまけに精霊力を失った右腕からはミントが逃亡してしまう。
あれよあれよというまに形勢を逆転されてしまったリーフイはというと下唇をぷるぷるさせながら
涙目で操縦桿を上下に揺り動かしているが泥濘に落ちたシェンロンはぴくりとも動かない。
兵器としての機能を失ったシェンロンのまわりでは目標を失った機械猿たちが同士討ちを始めている。
「むぎゃあああああ!!」
泣き声のような奇声と一緒に人影が龍の胸郭から飛び出し機械猿の頭を蹴り飛ばす。
「くず猿たちよくもやってくれたあるね!機械人形はぜっったい逃がさないある!!」
リーフイは逃げるミントを超人的なスピードで追いかけ背中にしがみついたが
ミントはリーフイの体重など気にもしないでそのまま飛陽のいる方角にむかって走っていった。
******************************
一方、機械猿の搭乗した戦車たちは探知板で飛陽を捕捉するなり自動でチャフランチャーを射出する。
これでは飛陽然り、双方の戦車とも電子の目を奪われてしまうことだろう。
豪雨と煙幕とジャミングの海と化した戦場で今だ暴れ狂う機械猿を轢き潰しながら飛陽に迫る戦車隊。
ミントの「戦ウ機械ヲ…破壊シテ…」というささやかな願いは機械猿たちの胸に突き刺さったままなのだ。
トン!
突如、飛陽の上に何かが乗った音がした。それはミントだった。ミントの背中には怒った顔のリーフイがしがみついている。
「タダイマ…」
ミントの無表情の挨拶のあと風が鳴り背後で爆発が起きる。戦車隊が突撃しつつ飛陽に砲撃を開始したのだ。
幸いなことに戦車隊がオートで働かせたジャミングシステムが今は飛陽たちを救ったわけだったがこの次はどうなるかわからない。
いくら機械猿たちの下手な手動操作でも鼻の先まで接近されたら砲の直撃は避けられないだろう。
機械猿の操縦する戦車隊は砲撃をしながら飛陽に猛進している。
砲撃で風穴があくか前面のドリルで引き裂かれるかその他か、飛陽に選択が迫られた。
【シェンロン墜落後、ミントはリーフイをおんぶして飛陽さんの背中の上】
【豪雨、ジャミング、猿の渦の中、戦車隊が砲撃しながら飛陽さんに突撃戦術】
37 :
飛陽代理:2011/02/19(土) 00:30:11 0
視界が悪い中でシェンロンの状態を確認することはできなかったが、鳴り響いた轟音と地響きから
どうにか落とすことには成功したようだと飛陽は判断する。あとは近づいて砲台をチラつかせて
追い返せばいい。実弾は出ないがハッタリとバレなければ問題ない。
そう思い、詰めに入ろうとするが何かに足をとられる。また泥かと思ったがそうではないらしい。
踏みしめる地面に違和感を覚えると残った機械猿達が群がっている。指の欠けた鉤爪にも張り付いており
猿の側もこの場の詰め、即ち飛陽と残りの自分たちの処分へと移ったようだった。
「ええい此奴ら!折角捻り出した好機だと言うに!」
シェンロンの落下した時から経過した時間を数え焦っていると探知盤の反応が無くなる。
正確に言えば反応はあるのだが周囲の状況を取り込めなくなっているのだ。状況の成り方から故障ではなく
電波妨害を受けたのだと分かったがそれだけだった。
ー見えない、何も見えない、なにもー
煙幕が晴れたかと視界を切り替えるが煙幕は未だ残り続けている。当然だ、さっきの攻撃は水があれば
有るほど長続きするという攻撃なのだから。次に自分に向かい接近してくる車両があったことを思い出す。
確かに自分が量産した飛陽タイプにはそういった装備を搭載できる作りの物もある。
以前のマハーカーラ戦で使わなかったのは相手の火力が高すぎたことと接近しすぎていて効果が
見込めなかったからだろうが、今はこれ以上ない危機を作り出している。
(つくづく拙者は機械に縁がないでござる)
目が見えず立ち往生していると何かが自分に飛び乗って来る、猿かと思ったがそれは聞き覚えの
ある声でただいまを告げてくる。ミントだった。
「おお!自力で戻られるとは、ご無事で何よりでござる!」
本当はリーフィも張り付いているのだが今の飛陽では気付くことはできなかった。
そして安心したのも束の間、車体の後方へ何かが飛来し直後に爆散する。機械猿が盲撃ちをしながらの
突撃を敢行したのだ。
(マズいでござる、ここまで来といて・・・!)
この後予想される事態に対して今の状況を整理する。
ジェニファーが戻りシェンロンを落としてミントが帰ってきた、ここまではいい。問題は自分に乗る猿の
突撃により窮地に立たされており、シェンロンを落とすために使った煙幕と相手の使ったチャフのせいで
状況がまるで分らないことだった。
音が近い。すぐそこまで来ているのだろう。猿を踏んだ時、或いはミントが乗った時に足を止めるべきではなかった。
真っ直ぐ突っ込んで来ている以上、こちらも動きつづけていれば少なくともこの状態は回避できた。
38 :
飛陽代理:2011/02/19(土) 00:33:28 0
(どうする、どうすればこの状況を打開できる、どうすれば)
車体の頭上でリーフィの悲鳴が上がる。この時になってようやく彼女も一緒にいるのだということに気付く。
しかし却ってそれが飛陽の行動を制限することになる。
今から急発進しても回避は恐らく間に合わないだろうし上の二人を振り落としてしまいかねない。
「モウ、イイカラ、モウオワッタワ・・・」
ミントが呼びかけるが動き出した歯車が止まることはなく、眼前にはただ接近する車体の影が見え始めていた。
自分とこの場の全員の安全を確保できる方法が見つからない、答えが、出ない。
保護の対象がこの場に増えた、皮肉にもただそれだけの事が飛陽を追い詰める。二人を見捨てられない。
(最早これまでか)
身の危険を覚えてかジェニファーが車体の外へ飛び出す。しかしその鉢植えにはいつも付いている
飛陽の人格回路がついていない。それを見て飛陽はミントにも同じように車体の来ない方へ飛ぶように言う。
ミントの目は見えているのだ。避けるのは簡単だろう。
「ワカッタワ」と言うとミントもまたリーフィを貼りつけたままジェニファーが逃げた方へと飛び去る。
二人が去るのを見届けた直後に音が聞こえた。方向がはっきりと分かるほど間近で、次いで影が映り、最後に
衝撃が飛陽の最後の一両を襲う。
(南無三!)「うぅおおおおおおおああああぁぁーーーーーーーーーーー!!」
自分が付けたドリルが自分の体に喰い込み、自分に付けられた砲台が自分を穿つ。
この期に及んで飛陽はふと思う。自分の記録はドリランドに入る前で途切れておりこういう壊れ方はした事がなかったな、と
しかしそんな考えももう一台の車両がぶつかると同時に霧散してしまう。
車体全体がひしゃげると飛陽は周りを巻き込むように爆発した。そして辺り一帯には轟音、閃光、そして・・・
【飛陽全機撃墜!飛陽の人格回路はその辺に落ちてます。】
落ちている人格回路に気がついたミントが、人格回路を優しく持ち上げ胸に抱きしめると
ジェニファーがスカートの裾をひっぱった。ついて来いというのだろうか?
「ワカッタワ…ツイテ行ク…」とミントが答えるとジェニファーはどこかへ走り出す。
「ちょっと!どこにいくあるか!?」すっかり存在を忘れられたリーフイ。
怒り心頭の中国風娘はミントの肩に手を乗せると背中から前方へ飛び出して二人を通せんぼ。でも…。
「ジャマシナイデヨ」
と体当たりをされて跳ね飛ばされ、道端でしばらく気絶することになる。
***************************
数分後。爆心地ではムラキたちが黙祷をしていた。
まわりには同士討ちをして果てたおびただしい数の機械猿の遺骸がある。
「死んじまったなんて、うそだろ飛陽…」「だからあん時逃げときゃよかったのに」
トムとディックが号泣していると、一人離れた位置から雨雲を見つめムラキが独語する。
「…飛陽。じきにオレもにそっちへいくぞ。機械と人間の魂があの世で会えるかはわからんが…。
その時はメドラウトの首を肴に一杯やろうではないか」
**************************
10日後。とある街道を闊歩するサボテンと機械人形。
青い空に白い雲。快晴だった。
遥か遠くで馬の足音が聞こえる。人には聞こえない音もミントには聞こえるらしい。
木陰に隠れて様子をうかがえば案の定メドラウトの手の者。白亜の塔にいた仮面の美少年たち。
塔に帰ったリーフイがミントのことをメドラウトに伝えていたのだ。
ドリランドをあとにして5日目の朝に仮面の美少年たちには一度見つかっている。
その時は運良く逃げることが出来たのだが、それがあってからミントたちは近づいてくる者すべてに警戒していた。
今日はそれが功をそうしたようだ。
馬が走り去るとジェニファーを先頭に再び歩きだすミントたちであった。
【飛陽さん大破から10日後。どこかへ歩いていくジェニファーとミント(人格回路はミントが持っています】
ジェニファーはミントと連れ立って街道を進んでいたが、特にアテがあった訳ではない。
ドリランドを離れたまでは良かったが、この辺りには来たことがないので土地勘が全く働かない。
今までに蒔いた自分の種の近辺の情報は入っても新天地となればただのサボテンである。
飛陽を修理してもまた周囲の状況が分らないのは危険だと思いここまで来たのだ、がしかし電波が
入る場所まで出ても飛陽の人格回路を移植できそうな廃品の類は見つからず、また現在地も
判然としないのでアジトまで戻ることも難しい。
どうしたものかと考え倦ねた末に街道をまた進む、街道ということは分かっているのだから
手近な街まで辿りつければそこで目処を立てられるだろう、ジェニファーはそう思うとミントを促す。
恨みが消えた訳ではないが今の自分は自由になる手足が失せたせいでかなり非力だ。
近頃妙な追手も現れて危険度も増している。早く飛陽を直さなければ自分の旅もままならないだろう。
彼女たちは黙々と歩いている。もとより片方は喋れず片方は話さなくても全く平気だった。ただ進むだけなので
二人の進行は常人の徒歩に比べてかなり早かった。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」『・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・』
ここまでの道にとりあえず種を蒔いておいたのでまた何か有れば分かることだろう。追手が精霊機の一つも
使ってくれれば奪えるのだが生憎彼らは馬を使っており連絡も密にしている。
10日、自分の物である飛陽が久しぶりに全滅してから10日が経った。今にして思えばやや迂闊であった。
自分が熱くならなければあの事態は避けられた、それに飛陽も乗っていた連中を気にしなければ
何とかなったかも分らない。庇う対象の細分化ができない事が裏目に出たなとサボテンは考察する。
しばらく行く内に馬車の停留所へ差し掛かると、そこでは何やら話し声が聞こえる。見たところ
何人かが井戸端会議に熱中しているようでこちらには気づいていない。
「それでさ、帝国軍は王国軍をなんとか撃退したらしいんだよ」
「ああそうなの、始まってみるとどっちがどっちなんて区別付かないからねえ」
「ついこの間までそこで戦争してたんだよな、なんでもまだ戦場はそのままらしいぜ」
まだまだ会話は続いているが、どうやらこの近くまで戦火広がっていてこの街道もしばらく封鎖されるらしい。
直接聞くことはせずに彼らの身振りや仕草から見当をつけるとジェニファーとミントはどちらからともなく
話題の戦場跡へ向かうことにした。もしかしたら使える精霊機があるかも知れないと思ったからだった。
【ミントとジェニファー、精霊機を求めて噂の新しい戦場跡地へと向かう】
フィリップとメドラウトが白亜の塔で邂逅した日から数日後。
いのちをかけたフィリップの行動によりメドラウトの陰謀は明るみに出る。
その後、王国議会と分裂し孤立無援と化したメドラウトは王国に宣戦布告をするという暴挙に出た。
メドラウトの私設軍の規模は不明。白亜の塔の地下に古代兵器を隠しているという噂もある。
水面下で不気味に蠢動するメドラウト軍に対抗するべく王国軍は大規模なメドラウト討伐作戦を展開したが
それに呼応するかのように敵対する義勇軍がロンデニオンを拠点として本格的に王国に進軍を開始した。
混沌とした状況にセラは沈思したものの、事態を重くしているのはアレス軍を打ち破る要因となった
義勇軍の漆黒の精霊機と考え、それを追うことにした。
*********************************
東の空より戦場跡地へと近づく一つの精霊機。鳥も昇れぬ高みを矢よりも速く飛翔している。
それはティルネラント王国の第四王女、セラの駆るセラフィーだった。
東部域のジパングを発ってからすでに一時間が過ぎていた。途中までは何もなく順調に飛行してきたのだが
戦場跡に近づくにつれ飛行が不安定になってゆく。
「乱気流…。でも大気じゃなくって精霊力の。すさまじい力を放つ者が私の行く手にいるみたい。
…アルスは国に帰して正解だったわね…」
眼下には静けさを取り戻した草原。地上に立っているものはなく、
戦闘後の残滓とも言うべき精霊機の残骸があちらこちらに横たわっている。
セラが戦場跡地に精霊機を降下させ辺りを見回していると
遠くに豆粒のようなものを発見した。それはジェニファーとミントだった。
「あのこ、もしかして飛陽さんのサボテンじゃない?それにもう一人の子は…」
呟いたあと、セラは二人に急接近。突如飛来する精霊機にミントは草むらに身を隠したが…
「あなた飛陽さんのサボテンでしょ?こんなところで何をしているの?
それに草むらに隠れている子。むだよ、隠れていないで出てきなさい」
精霊機の胸郭部の操席から身を乗り出しセラが叫んでいる。
42 :
名無しになりきれ:2011/02/25(金) 19:40:25.47 0
ビーム
43 :
飛陽 ◆fLgCCzruk2 :2011/02/28(月) 00:23:10.15 0
飛来した精霊機にジェニファーは見覚えがあった。以前アジトで捕まえたことのある物と同じ機体、
搭乗者の腕もそうだが機体性能も大きく飛陽を上回っていたのと何より空を飛んでいる姿が印象的だった。
悪い相手と当たったと思い咄嗟に身を隠したがその甲斐はなかった。
中から身を乗り出してこちらに声をかけてきたのが少女だと分かると、ジェニファーは鹵獲の機会が
出たかとも思ったのだが乗り手の方にもまた、見覚えがあった。
どうやらそっくりそのまま前にアジトにいた少女のようだった。
敵ではないらしい相手に出会いサボテンは地面からいくらか露出する。恐ろしい早さで大地に
出入りする様は間近で見ると怪現象の類である。
警戒を緩めてセラの前に歩み出たジェニファーを見てミントもそれに倣う。
ジェニファーは喋れないのでミントが説明するかと思ったがセラとは初対面であったことからしばらく
黙ったままであった。ジェニファーもミントを促すことが出来ない。
どうしたものかと気不味い空気が流れ始めるとジェニファーが再度地面にどっかと植わる。
すると不思議なものでその辺の地面の草が生えたり枯れたりし始めた。上から見ると大地に字が浮かんでは
消えることを繰り返しているように見えることだろう。ちなみに今書いたのは
>>42『ビーム』である。
(以下地面に浮かぶ草文字の入れ替わり)
「説明」 「飛陽 全滅」 「アジト 遠い」 「代えの体 ない」 「探しに来た」
ゆっくりと文字を入れ替え、内容を手短に説明する。曲がりなりにも植物の精霊であることを
示す行動だが実はかなり重労働だったりする。今度から書く物を何か携行すべきかとサボテンは思案する。
「これ ミント」 「持ってるの 飛陽」
手らしき部分でミントを、ついで彼女が持っている箱を指差す。箱はあまり大きくなく10センチ四方程度で
白い本体の中央に赤い菱形の石が付いている。
「これ 取り付ける 他のに」
その文を最後にジェニファーは返事を待たずに戦場跡を歩き出す。もっとも移動はあまり早くはなかったが。
ミントもセラをちらとだけ見ると他の機体を物色し始めた。
【ジェニファー、セラに簡単に事情を説明後、ミントと探索開始】
44 :
名無しになりきれ:2011/03/01(火) 22:56:30.21 0
ちんこ全開!!!!
しっとりとした大気の中からしぼり集めた露が、草原で眠る巨人たちの鎧を光り輝かせている。
機械少女は、主人を失い虚脱したかのように鎮座する巨人の胸郭を仰ぐ。胸に開いた大穴からは青い空が見える。
敵によって投擲された光槍によって、精霊機の主は閃光とともに天に召されたのであろう。
多くのいのちが失われた戦場で、機械少女の白い肌は光に触れていた。
動き始めた草原の風は陽光と機械少女の黒髪を弄び
天使たちが戯れに天の野原から摘んできた篭一杯の光りの花が静かに降りそそぐ。
空の深みから沸き上がる雲は手に届きそうな高さをちぎれながら散華し
風にゆれる緑草たちは、静寂のなかに存在感を放っている。
ジェニファーの草文字のおかげでことの経緯を知ったセラは
無言で操縦席に座り直すと水晶盤で周辺の探索を始めた。もちろん飛陽をたすけるためである。
当然と言えば当然なのだが車両型の精霊機というのは人型主流の昨今では、
というより精霊機の歴史の中でこれといった陽の目を浴びたことはない。たまに博物館
あたりに珍品の一つとして置かれるぐらいである。
それに加え飛陽たちの手売りに近い売り方のせいでアジト近辺以外ではまず見ることはない。
故にこの戦場跡で飛陽タイプが見つからないのも無理のない話であった。
残骸の中でとりあえずは足の動きそうな物を探す。移動手段が第一なのだから動けなくてはいけない。
破壊された機体は皆一様に戦える状態で残ってはいなかった。手足がないもの、足だけないもの、
中々腕だけもしくはコクピットだけ破壊されているというのは無いものだ。逆にどこか一部分だけという
のならそこら中にあるのだが。
もしかしたら既にこのあたりを他の誰かが漁った後なのかも知れない。もしそうならお手上げである。
上手いこと乗り捨てられた機体でもないかと思ったがない。こちらの意図が通じたのかセラも探して
くれているのだが、「使える程度に壊れた機体」という虫のいい話はないものだ。
だがそんな中比較的キレイな状態で戦場の外れで大の字になって横たわっている一つの機体を見つける。
傷が少なすぎて逆に怪しい。中に誰か入っていないかを確かめるが誰もいない、一体なんであろう。
警戒しつつもミントを呼んで中の探知盤を外させると、空いた接続口に小箱の底についた端子を繋ぐ。
サイズが合わなかったのでやや浮いているが問題はなさそうだ。人格回路はもともと飛陽の機体に
備え付けられる部品であり機能の一つである。その為他の機体に取り付けるにはこうやって他の部品の場所を
間借りして成りすまさなければならない。
「再起動シマシタ。人格回路、初期名『飛陽』、記録のバックアップを仕様しますか?」
ジェニファーの代わりにミントが答えると人格回路の赤い石が点滅し何かの処理を始める。
やがて点滅が落ち着き恒常的に光るようになるとサボテンにとって聴き慣れた声が辺りに響く。
「おはようございますでござる。いやあ何があったか分らぬでござるが助かったでござる。」
黄色いマネキンのような機体から飛陽の声が響くとジェニファーはミントと共に搭乗席に乗り込む。
精霊力を流しこみ早速動かそうと試みるが上手くいかない。
「力が入らないでござる。内部診断だとどうも配線周りに異常があるでござる。ん?おおセラ殿までご一緒で
ござったか。うーむ、拙者どうやら記録が録れない状態でやられたみたいでござるな。それはそうとお主はいったい」
どうやらこの機体が打ち捨てられたのは動力部に生じたトラブルが原因らしい。
事情が飲み込めない飛陽はセラに挨拶を済ませるとジェニファーにミントの事やこれまでの経緯を聞く。電波障害のせいで
記録が録れなかったのでドリランドへ入った後のムラキ達のその後やミントの事は知らないのである。
「順ヲ折って説明シマス」
ミントはそう言うとジェニファーと共にこれまでの経緯を話し始める。ちなみにジェニファーは喋れないので
実質副音声のミントが元の音である。
「ふむふむ、拙者があのルーデルとかいうのから逃れたあとそんなことが」
微妙に彼女たちが気にしていなかったムラキ達のことは省かれていたが、なんとか事情が飲み込めると
今度は飛陽がセラと別れてからの経過を報告した。
「マハーカーラとかいう黒い機体が帝国側についたようなのでござるが、化物染みた力でござった。出来れば
会いたくない手合いでござるが、さてどうしたものか」
とりあえずここで話しているのも何なので移動しようとするが、やはり力が入らない。
「まずはどこかに移ろうと思ったのでござるが、この機体、全然動かんでござるな」
どうやら細身の中に異なる種類の小型動力炉を複数積んでいるようだが、その設計にミスがあるようだ。
やむを得ずに精霊炉の力だけで動かそうとすると、ひどく緩慢な動きで起き上がると普段と違う視点の高さに
飛陽は少々戸惑ったようだ。
「うう、この高い視点って落ち着かないでござるなー」
スラリというよりものっぺりとした感じの機体を動かしてのろのろと歩き始める。これでは二人だけで移動していた
方が早かったようにジェニファーは思う。思うようには行かないが、ミントはまんざらでもないらしい。
「兎に角、近くの宿場街まで行くでござる。こういう場所にはどういう人物が来るか分からんでござるからして続きは
そこで話すのはいかがでござろう」
そう言って飛陽はセラに場所替えを促すと
「では改めましてお三方、またよろしくお頼み申すでござる」
飛陽はもう一度軽く挨拶をしてのろのろと歩き出した。
【飛陽、一応の復活、セラに塔での戦闘とドリランドでの一件(これはミントから)を説明】
機体設定
機体名 ヴォーチカ
精霊の種類 木
精霊の名前 ジェニファー(続投)
精霊力700(動力部に欠陥があるようだ)
耐久力D
運動性E
装甲D
武装 ロトンヴォーチェ
アンジーライト
機体&精霊説明
とある戦場跡に動力部の欠陥により乗り捨てられていた機体で黄色いカラーリングの全体的にマネキン人形の
ようなひょろ長い奇妙な機体で高さは標準的な精霊機の1.5倍程で横幅は3分の2程度というかかしを彷彿とさせる
出で立ちをしている。精霊の力を必要としない独自の動力を複数積んでいたのだが構造として上手くいかなったらしい。
「ロトンヴォーチェ」は人間が生理的に嫌うような音を衝撃波と共に相手にぶつける武装で使用時は顔のない
頭部に口のようなものが現れる。「アンジーライト」は頭部に鳥おどしに似た模様が浮かび人の精神に
異常を引き起こすパターンで激しく明滅する。
精霊は飛陽の主人であるジェニファーが継続して務める。
単純な攻撃力のみに特化した機体であり誰かの試作機。全ての動力を起動して同時稼動させることが
できれば少ない精霊力でも安定してそれなりの馬力を出せるはずだったのだが、同時稼働はおろか
現状では積まれている他の動力を動かすこともできない。
動きが遅く撃たれ弱いこともあってなるべく当たらないようにということでこの姿となった。しかしその異容から
すぐに狙われて動けなくされたらしい。現在は飛陽の仮の体となっている。
>「兎に角、近くの宿場街まで行くでござる。こういう場所にはどういう人物が来るか分からんでござるからして続きは
>そこで話すのはいかがでござろう」
>「では改めましてお三方、またよろしくお頼み申すでござる」
「ええ。よろしくね」
一通り、飛陽の身のまわりで起きた出来事を聞いたセラはその後、沈思黙考。
巨大マネキンの足が、ぐうんと風を切る。続けて、どこんと大地を踏みしめる音が鳴る。
ぐうん、どこん。ぐうん、どこん。
まるでおじいちゃんのように、ゆっくりと草原を進む精霊機ヴォーチカ。
追従していたセラは沈黙を破り、歩む飛陽(ヴァーチカ)に話しかける。
「さっきの話だけど、そのマハーカーラっていう漆黒の精霊機は
義勇軍に加勢してアレスの軍を追いやったものと同じ精霊機ね。
シュバリエ隊を殲滅したりアレス軍を打ち破ったり、
そんなことができる機体なんて滅多にあるものじゃないもの。
敵の敵は味方。きっとメドラウトが裏で糸をひいているんだわ」
セラは言葉を続ける
「あ、そうそう。それとメドラウトは私たち王国に表立って謀反を起こしたから。
飛陽さんも名をあげるのなら今がチャンスよ。メドラウト討伐には賞金もかけられてるしね。
王国軍も動きたいのはやまやまなんだけど義勇軍が進軍してきてそれどころじゃないの。
近々、傭兵たちを集めた混成部隊でメドラウト討伐を行う予定みたいだけど…」
ここまで話してセラは口を噤む。
メドラウトは戦力を隠蔽している。得体の知れない謎の力。そのトリガーとなるものは飛陽と機械少女。
ルーデルが、じつの兄だということもセラは隠した。
50 :
フィリップ ◆i3/u6CmHbc :2011/03/09(水) 23:04:20.08 O
【戦場跡近くの傭兵部隊の野営地】
悪臭と喧騒の渦巻く野営地を、人目を避けるように歩く黒髪蒼眼の青年。
銀髪に水色の瞳を持つ美女とも美少女ともつかぬ年齢不詳の美しさをもつ女性精霊が彼に従う。
黒髪蒼眼の青年-フィリップ・アルザスは人目を避けているつもりでも、フィリップに彼の精霊-ネージュの二人は、この野営地ではとにかく目立つ存在であった。
自分たちの村で食い詰めた貧困者や、零落した下級貴族や騎士の子弟。
こういった、お世辞にも育ちがいいとは言えない者たちが野合したこの傭兵団ではフィリップのような身ぎれいな青年自体が珍しい。
それに、どちらかといえば整った顔だちに、きちんと整えられた黒の短髪、意思の強そうな蒼い瞳という容姿は、傭兵というよりも、怜悧な参謀将校といったほうがしっくりくるであろう。
ネージュはネージュでその年齢不詳の美貌を隠そうともしないものだから、より一層、彼らの存在は浮き上がることになってしまった。
そもそもなぜ彼らはこのような場所にいるのだろう。
ティルネラント王国議会での告発により、フィリップはメドラウト派から命を狙われるようになった。
さらに、メドラウト卿の謀反に伴う粛正人事は、メドラウト卿の息子であるアレス将軍の失脚につながり、
公式にはアレス将軍を身元保証人としていたフィリップは後楯を失い、軍内での立場も微妙なものとなったため、ある議員のはからいで、一旦軍務を離れ、傭兵団に身を寄せることになったのである。
【フィリップ、傭兵団に身を寄せる】
「メドラウトとかいうのを討つことはやぶさかではござらぬが、問題はあの黒い奴でござる」
のろのろと歩きながらセラの言葉に返事をする飛陽。
「あの機体の持っている攻撃の中には装甲を自壊させるような音波兵器と強力な熱線があるのでござる。
装甲を売りにする機体ではあれで『振るい』にかけられ、速さが強みの機体は奴の持ち前の
力の前に潰されるのでござる」
いったいどれほど資金を注ぎ込んだのかと飛陽は気になって仕方がない。不経済な、と零すと更に続ける。
「分かっているだけでもこれでござる。弱点らしい弱点も見当たらなかったとなると攻撃の一つ一つに
対策を講じる以外に手はなさそうでござるよ」
遠方を焼き払う熱線、近距離で劣らぬ地力、そして1対1をで猛威を振るう振動波と隙がない。頼みの綱の
搭乗者の技量も言いがかりをつけられそうにない。それに何より
「あ奴は世界を破壊する、と言っていたでござる。それが拙者どうにも気になっているのでござるよ。
本丸を討った所で止まるとは思えぬ」
対策を考えながら平静にそう言い放ったルーデルを思い出す。アレが屈するとは思えない。
メドラウトを狙えば避けられそうもない戦いだが、このままでは結果は火を見るよりも明らかだった。
(熱線は近づけば簡単には撃てない、しかしあの機体と正面きって戦える機体が近づくにはあの太鼓を
なんとかせねばならぬ。まずはここが最初の難関でござるな)
そうこう考えている内に街が見えてくる。わざわざ横断幕がかけられ精霊機は野営所へ止めるように、
傭兵の志願はそこで管理をしている者に言うようにと案内が書かれている。
「おや、話は後でと言ったのにあら方終わってしまったでござる。面目ない」
ヴォーチカの遅い歩みのせいか目的地に到着してから言うはずだった内容は道中でほぼ喋ってしまった。
「何だか申し訳ないでござる。そういえば拙者ばかり話してしまったでござるがセラ殿は如何なさるおつもりで?
拙者は、取り敢えずこの募集に乗って野営地に向かうつもりでござるが」
そう言うと飛陽は横断幕に書かれた方へ機体を向けつつセラにこれからのことを聞いてみた。
以前話した時はもう少しやかましかった印象があったのでこちらも気になっていたのだ。
【飛陽、街へ到着後野営所へ向かう前にセラに質問】
>「何だか申し訳ないでござる。そういえば拙者ばかり話してしまったでござるがセラ殿は如何なさるおつもりで?
>拙者は、取り敢えずこの募集に乗って野営地に向かうつもりでござるが」
「そう。私も野営地へ向かうわ。そして傭兵たちと共にメドラウトを討つ…」
飛陽に、今後の目的を尋ねられたセラは、静かに強い口調で言う。
青い空に、ひつじの群れのように流れる白い雲。
ヴォーチカの操縦席からはミントが身を乗り出して体いっぱいに風を浴びている。
空を仰ぎ見る機械少女はどことなく笑っているようにも見えた。
歩みの遅いヴォーチカに間を開けられっぱなしのセラだったが、
おもむろに意味もない質問を飛陽に投げかける。
「…あのー…。飛陽さん。はじめて私を見たとき…
どう思った?イヤなやつだと思ったでしょ?」
悪臭と喧騒の渦巻く野営地に飛陽たちとセラは到着する。
傭兵たちは昼間から酒を飲んでいる。むさ苦しい一人の男がベルトをカチャカチャさせたかと思うと
ズボンを脱いで道の真ん中で用をたし、腕相撲をしていた者たちは白熱し殴り合いの喧嘩。
かたや妖艶な半裸の踊り子を中心に輪になって踊り狂う集団もあった。
「おうあーーーッ!おうあーーーッ!」
突然、意味不明の叫び声。飛陽の背後で王国の軍服に身を包んだ男が手で来い来いと合図している。
誘導してくれているのだろうか。男の先には数機の精霊機が停めてあり、
ちょうどヴォーチカの入れるほどのスペースが空いている。
「…だいじょうぶかしら…」
誘導員は王国の軍服姿ではあるが身のこなしからして軍人ではなさそうだ。
軍人不足のために無理矢理軍服を着せられた役人。そんなところか。
「あ!ごめんなさい!私たち傭兵志願者なのー!責任者の方はどこにおられますかー?」
セラが誘導員に尋ねると…。
カンッ!ギギギギ…。金属同士がぶつかり合う音に軋む音。
音の方向に目を移せば30メートル先の野営地内で精霊機同士が取っ組み合っている。
拡声器からは酔っぱらった男の声。
「臆病風に吹かれてるんじゃねぇぞゴルぁッ!!」
「貴様のやりかたじゃあ犬死するだけだ!この能無しやろう!」
それは傭兵同士の喧嘩だった。取っ組み合っていた二機の精霊機はお互いに体勢を崩し
並んでいる無人の精霊機たちを薙ぎ倒す。
次々と折れ重なるように倒れていく精霊機はドミノのようにこちらへ近づいてくる。
「おうあーーーッ!おうあーーーッ!」
誘導に夢中の役人が、倒れてくる精霊機に気がついたのは、倒れてくる精霊機の影に入った時だった。
55 :
名無しになりきれ:2011/03/14(月) 20:47:28.64 0
ここも残ってたか
そろそろ諦めろks
お?
^q^;
野営所に入る少し前のことだ。先を行く少女が突然自分の事をどう思ったかを飛陽に聞いてきた。
人という者が唐突な言葉を告げるときは何かを隠そうとするか或いは何かに思いを馳せている時だ。
少なくとも今のセラの問いかけは、飛陽がこれまでの短い活動期間の中で発見した人に固有の
行動パターンと近似していた。
(恐らくは、心根とやらを出そうとすると鳴き声の方がノイズ化するのでござろうなあ)
面倒な、と思わないでもないがそれでも飛陽はセラに初めて会った時のことを思い出していた。
アジトでボディの換装後に聞かされて見に行ったのが始まりだったか。
>「…あのー…。飛陽さん。はじめて私を見たとき…どう思った?イヤなやつだと思ったでしょ?」
「金ヅルだと思ったでござるな」
身も蓋もない事をサラリという飛陽。事実お供の少年も合せれば結構な額になったのではと
彼は考える。とはいえセラが止ん事無い身分の者らしいことが分かってからは諦めたが。
「次に元気だなあと思ったでござる。生憎、拙者人の善し悪しにはあまり頓着はせんでござるよ。
余程じゃなければ印象を持ったり毛嫌いしたりはしないでござる」
むしろ逸れ者を蒐集する飛陽の活動方法は、真っ当な見方をしたら真っ黒な事この上なく自分の
立場や管理体勢を危うくしそうな人物でもない限りは敵対的な反応は返さない。何よりそれが最も
厄介事を回避しやすかったからだ。
「セラ殿、人のサガ等は変えようと思って変わるものではござらん。偉人が元より偉人の性根を
しているように、腐った輩が性根を腐らせっぱなしのように。気を揉むだけ損でござる。少なくとも
拙者はお主を嫌と思ったことは今のところはないでござるよ」
セラの問いを、自分の印象を気にしているのだと額面通りに受け取りその範疇で返す。
相手に配慮して黙るくらいの事ができないのか往々にして気の利かない所が飛陽の泣き所である。
先行く少女に遅ればせながら通信で返答をするとそれからまた歩き出した。心なしかミントが
不思議そうに二人のやり取りを聞いている。ちなみに今は操縦をやめている。
その後青空の下を歩き続けて、喧騒ひしめく野営所内の今に至る。辺りには様々な匂いが
立ち込めて混ざり合い、変にすえた匂いを漂わせていた。
「拙者鼻が無くて良かった気がするでござる」
野営所の中はまともな応対は期待できそうにないのが一目で分かるくらい混沌としていた。
まずは待機場所に止まろうとすれば模擬戦、というよりケンカで弾き飛ばされた機体がこちらに
飛び込んで来る。咄嗟に機体を受け止めようと飛陽は割って入ったが力不足なのか支えきれずに
倒れてしまう。ただ甲斐はあったのか役人は難を逃れたようだった。
「あー、貧弱を通り越して貧相な機体でござる倒れた拍子に体が折れて、ん?折れる?」
ヴォーチカの状態を確認してみると地面に両足を伸ばしてペタンと座り込んでいる。だがそれよりも
胴体の上半部がくっきりと折れて機体がコの字を描いていたのだ。
「本格的に修理が必要でござるな。こんな機体初めてでござるよ」
「待っテ、コノママデ、合っテルワ」
身を起こそうとするとミントから待ったをかけられる。言われてみれば何かこちらの方がしっくりくる。
ミントが操縦席で何か操作をすると頭が折れて、コの字の中心に点が打たれたようになり、だらりと下がった
両腕が膝の辺りを掴むと膝から下が回転して裏向きになるとまた折れて肩口にしっかりとくっつく。
傍から見るとべきべきと機体が丸まり壊れていくよう視え、今や最初の膝丈程度にまでコンパクトになった
ヴォーチカがそこにはあった。ロの字になったヴォーチカの中心に頭がありコクピットは半回転して胴の中間だった
場所から正面を見るようになっていた。その姿は老人から精霊機が一抱えできるくらいの箱と化していた。
「あ、悪趣味な機体でござる」
というかよくよく調べてみればコレは精霊機ではないことが分かった。自分から移動できる砲台とか武装
と言えばいいだろうか。この小さく四角い物体が自ら、或いは他の機体に持ってもらい攻撃するのが
本来の用途のようで、動力部の欠陥はこの形態になることで解消される仕組みになっていたのだ。
(変形できるけど人型のメリットが全くないでござる。だから捨てられてたんでござるな。逃げようと人型になり
出力が落ちて遅くなってと、い、意味ないでござる)
ひょんな事からヴォーチカの本来の姿を知る事ができたが気味の悪い光景に辺りが一瞬静まり返る。
そんな中飛陽も傭兵たちの中で目立っているフィリップたち
>>51に目を留めた。
それが誰あろう一度はアジトで会い見えた敵対者だとは、飛陽には分かるはずは無かった。
「恥ずかしいのであまり見ないで欲しいでござる」
【飛陽、ヴォーチカの本来の姿(外見は四角い箱)に。フィリップ達を見かける】
そうでつね
^^:::::::::::::::::::::::::::::::::::::
60 :
名無しになりきれ:2011/03/17(木) 16:51:11.54 0
/ ̄ ̄ ̄\ .\─┐||┌─┐ l ─ ‐┼‐ /ご冥福をお祈りします
//・\ /・\\ \ 日 フ 口 メ / _____
|  ̄ ̄  ̄ ̄ | \ .六 ↑ .田 (_/. ./ \
` _⊥ (_人_) | .\ ./ / /・\ /・\ \
|))) \ | /_ \∧∧∧∧/ . |  ̄ ̄  ̄ ̄ |
|||| \_| ///) <お ご> | (_人_) |
/ 二) ////) , <折 .> | \ .| |
ご冥福をお祈りします <り 冥> \ \_| /
─────────────<し >─────────────
7 /ノ ヽ\ <ま .福> / / ̄| \
l ,/) / /゚ヽ /゚ヾ\ .<す > | / | |
レ' / / ⌒ ⌒ \ l< ° を> . | ( ̄人 ̄) . |
〈 | (____人__) | |/∨∨∨∨\ | __ __ . |
ヽ\ |lr┬-l| / / /△ △\ \. \ \・/ \・/ /
 ̄ ̄ノ ゙=ニ二" / | (⊥) | \ \ /
─┐||┌─┐ l ─ / \ \| / .\  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
日 フ ./ ご冥福をお祈りします \ご冥福をお祈りします
【野営地】
野営地のなかを談笑しながら歩くフィリップともう一人の青年。
フィリップは仕立ての良さそうなティルネラントの士官服を身に纏っているのに対して、青年の方はよれよれの兵士用の軍服を着ていた。軍服を着ているというより、着られている、といったほうが正しいかもしれない。
青年の名はシュリーフェンといい、フィリップの友人である。
彼は両親を早くに失い、役人をしながら法学者を目指していたのだが、伯父が軍人であったために軍に徴用され、この野営地でフィリップと再会することになった。
毎日、多くのヒト、モノ、カネ、そして精霊機が出入りする、野営地の門は、丸太を組んだだけの粗末なつくりである。
この門から出入りする精霊機を所定の場所まで誘導し、それに関する記録をつけるのが、シュリーフェンの目下の任務である。
もっとも、慣れていないせいもあって、彼の誘導に対する傭兵たちからの評価は最悪なのだが。
その日も、何を思ったか、新しく来た精霊機をケンカが起こっている方へと誘導してしまったうえ、倒れてきた精霊機の下敷きになるところだった。
通りがかりの精霊機が間に入ってくれなければ、精霊機の下敷きになって死んだ間抜けな役人として、傭兵たちの笑いものになったことだろう。
任務に向かうシュリーフェンと別れたフィリップは、ふたたびネージュと行動をともにしていた。
どこかでケンカががあったらしく、辺りがざわつきはじめる。
フィリップとしては、これ以上目立つことをさけるためにも、人ごみに近づきたくなかった。
ただ、ネージュは傭兵同士のケンカとはどんなものなのか、興味があるらしく、ケンカ現場へと歩きはじめる。
フィリップはこの自分の精霊の行動を苦々しく思ったけれども、荒くれ者ばかりの野営地で(精霊とはいえ)女性を一人にするわけにももいかないので、いやいやながらもネージュのあとを追う。
案の定、ケンカの現場に集まったヤジ馬たちの間でも、二人は周りの注目を集めた。
いまでは、ケンカそのものより、彼らのほうに注目が集まっているといっても過言ではない。
ヤジ馬たちの誰かが、叫び声をあげた。
そちらの方に目を向けると、倒れる精霊機が、誘導の役人、―シュリーフェンを押しつぶそうとしたのを、どこからか、乱入した精霊機がおし止めたところだった。
フィリップは友人を救ってくれた精霊機の乗り手に礼を述べるため、ネージュを従えて、衝撃でいびつなかたちになってしまった精霊機の前に進み出た。
【フィリップとネージュ、飛揚の前に姿を現す】
63 :
名無しになりきれ:2011/03/17(木) 20:28:05.98 0
/ ̄ ̄ ̄\ .\─┐||┌─┐ l ─ ‐┼‐ /ご冥福をお祈りします
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日 フ ./ ご冥福をお祈りします \ご冥福をお祈りします
飛陽はセラと初めて会った時、金蔓と思ったらしい。
そして嫌と思ったことはないと言った。
(女は腹黒いんだからね)
セラはそんな思いを隠しつつ野営地にいる。
喉をこきゅと鳴らすセラ。
間一髪。精霊機同士の喧嘩で精霊機の下敷きになりかけたシュリーフェンは
ヴォーチカ(飛陽の仮の体)によって助けられた。
と、一度に複数の情報がセラの目に飛び込む。
目の前で箱型に変形しているヴォーチカ。ネージュを従えて現われるフィリップ。
「お久しぶりねフィリップ。ここの責任者は貴方だったのね」
セラは声だけ。精霊機の拡声器で問う。
すると空から旧式の航空精霊機隊数機と、地上から通常の精霊機よりも
ひとまわり大きな、しかしこれも旧式の精霊機が現われた。
地上を走って来た一機は隊長機らしい。ボロボロの王国旗が背中でなびいている。
「うぉい!シュリーフェン!なんじゃいその馬鹿でかい箱は!?
どけんか!まともに誘導も出来んのか、役立たずめが!なんじゃこのガラクタはー!!」
茶色に錆びた隊長機からは年老いたガラガラのしゃがれ声。ヴォーチカを精霊機の足で蹴る。
続けて空から旧式の航空精霊機隊も木の葉のように降りてきて言葉を発した。その声も年老いていた。
「待て待て。乱暴なぁ。その箱はたぶん兵器じゃろ?調べてみようぞ」
「勝手にしろイスルギーン!わしは街で整備中の列車砲の様子をみて来るわい!」
「まーまー。ちっとは休んだらどうじゃグラハ?おぬしはレールの点検で疲れておるはずじゃ」
「余計な心配は無用!王国の危機に休んでいる暇などないわい!」
老兵グラハたちの登場で野営地の空気は静まり返った。酔って喧嘩をしていた者たちも大人しくなっている。
「決戦まえのひと時の馬鹿騒ぎくらいは多めにみるが、やりすぎはいかんぞ!ばか者どもが!」
グラハは傭兵たちを一喝すると踵を返し街へとむかう。
「あの巨躯の精霊機。本物のグラハ?ドルガンの師。生きていらっしゃったの?」
セラの教育係りドルガンの師匠でもある勇者グラハ。ドルガンの師匠ということはかなりの高齢だ。
彼らは作戦の下準備で忙しいらしい。
「兎にも角にも情報交換が必要みたいね。フィリップ、作戦会議を開きましょう」
広めのテントの中で、長身、白髪のイスルギーンはメドラウト討伐作戦について語る。
作戦内容は列車砲で貨物車両を牽引し搭載した傭兵部隊による突撃作戦。
ドリランドを経由すれば白亜の塔の中央にある駅に到達できるはず。
それと同時に展開させるのは列車砲による超遠距離からの砲撃。
しかし作戦上、一つだけ問題があった。
それはほとんど地下を走る列車砲が谷や盆地を走行するときと
砲撃ポイント到達時に空からむき出しになることだ。
もしも作戦遂行が困難な場合はそのまま傭兵たちの突撃作戦となるだろう。
「……(いやな予感がする)て言うか、白亜の塔は破壊するつもりなのね…」
セラはフィリップに耳打ちして鬼神の如き強さを誇る漆黒の精霊機マハーカーラの存在を知らせた。
「…飛陽さん。フィリップさん。もしもの場合は私たちがどうにかするしかないのかも…」
「みな。異論や質問はないかね?」イスルギーンは傭兵たちに問う。
66 :
ちんぽ:2011/03/18(金) 20:41:19.43 0
飛陽はセラと初めて会った時、金蔓と思ったらしい。
そして嫌と思ったことはないと言った。
(女は腹黒いんだからね)
セラはそんな思いを隠しつつ野営地にいる。
喉をこきゅと鳴らすセラ。
間一髪。精霊機同士の喧嘩で精霊機の下敷きになりかけたシュリーフェンは
ヴォーチカ(飛陽の仮の体)によって助けられた。
と、一度に複数の情報がセラの目に飛び込む。
目の前で箱型に変形しているヴォーチカ。ネージュを従えて現われるフィリップ。
「お久しぶりねフィリップ。ここの責任者は貴方だったのね」
セラは声だけ。精霊機の拡声器で問う。
すると空から旧式の航空精霊機隊数機と、地上から通常の精霊機よりも
ひとまわり大きな、しかしこれも旧式の精霊機が現われた。
地上を走って来た一機は隊長機らしい。ボロボロの王国旗が背中でなびいている。
「うぉい!シュリーフェン!なんじゃいその馬鹿でかい箱は!?
どけんか!まともに誘導も出来んのか、役立たずめが!なんじゃこのガラクタはー!!」
茶色に錆びた隊長機からは年老いたガラガラのしゃがれ声。ヴォーチカを精霊機の足で蹴る。
続けて空から旧式の航空精霊機隊も木の葉のように降りてきて言葉を発した。その声も年老いていた。
「待て待て。乱暴なぁ。その箱はたぶん兵器じゃろ?調べてみようぞ」
「勝手にしろイスルギーン!わしは街で整備中の列車砲の様子をみて来るわい!」
「まーまー。ちっとは休んだらどうじゃグラハ?おぬしはレールの点検で疲れておるはずじゃ」
「余計な心配は無用!王国の危機に休んでいる暇などないわい!」
老兵グラハたちの登場で野営地の空気は静まり返った。酔って喧嘩をしていた者たちも大人しくなっている。
「決戦まえのひと時の馬鹿騒ぎくらいは多めにみるが、やりすぎはいかんぞ!ばか者どもが!」
グラハは傭兵たちを一喝すると踵を返し街へとむかう。
「あの巨躯の精霊機。本物のグラハ?ドルガンの師。生きていらっしゃったの?」
セラの教育係りドルガンの師匠でもある勇者グラハ。ドルガンの師匠ということはかなりの高齢だ。
彼らは作戦の下準備で忙しいらしい。
「兎にも角にも情報交換が必要みたいね。フィリップ、作戦会議を開きましょう」
「まーったくエラいものを拾っちゃったでござる」
ぶつぶつと文句を言っているとフィリップとネージュが飛陽の前に進み出る。
どうやら先程つぶれかけた案内人の知り合いらしい。彼ら(正確にはフィリップが)例を告げる。
「なになに良いってことでござる。拙者は飛陽、一応は今度の募集を見て来た傭兵にござる」
けったいな姿勢で挨拶をすると機体の状態のチェックに入る。まだまだこの機体は知らないことが
多すぎる。だがその作業は何者かの攻撃により中断してしまう。
>なんじゃこのガラクタはー!!
後から現れた大型の精霊機に蹴り飛ばされた飛陽は横倒しになりそうだったが、何とかこれを免れた。
文句の一つも言いたかったが蹴り飛ばした当人は凄まじい剣幕で怒鳴り散らすと街へと行ってしまう。
残ったのはイスルギーンと呼ばれた老人だけだ。
この時セラが誰かと会話しているらしいことに飛陽は気付いたが、それは自分の知らない人物だったので
気にしない事にする。今はこの移動手段のない「変形できるだけの砲台」をどうやって使い物にするかを
考えるのが先決だった。
イスルギーンは集めた傭兵に作戦の説明をするため搭乗者達をテントへの招集を告げた。
とは言え飛陽はテント内に入れないので今はミントとジェニファーに見てきて貰っている。話の内容は
二人からヴォーチカの中に残されていた通信機で聞けばいいだろう。
それぞれの様子を見届けると飛陽は先程どやしつけられた、危うく圧死しそうであった青年、
気落ちしているシュリーフェンへと声をかけた。
「すまぬが案内殿、この機体を修理・・・したいのでござるがここか街にそれを行える施設や部品は
あるでござるか。最悪ジャンクでもいいのでござるが」
声をかけられるとシュリーフェンは慌ててこちらに向き直る。落ち込んでも職務を忘れられない辺り
生真面目そうだなと飛陽は思う。
「はい!この後も近隣の戦場跡で使用できそうな部品は回収されここに運び込まれます!れっきとした
修理工なら街にいますが今は作戦の準備にかかりきりですので、傭兵の方はあちらをお使いください!」
そう言われて告げられた方を見ると、良くて年若い整備工、悪くて胡散臭い誰かなど今一つ不安になる
面子がそこにいた。シュリーフェンが言うには有志の者達らしい。
「背に腹は代えられぬでござるか。それにしても、ううむ」
とりあえず修理の名目で彼らに声をかけると、海の者とも山の者ともつかない有象無象共は嬉々として
廃材や作業用者を用意する。ソレを横目に不安を覚えつつも飛陽は作戦会議の内容に耳を傾けた。
列車砲での砲撃と精霊機での突撃による攻撃を仕掛ける作戦らしい。問題点も分かっているようだ。
(恐らく敵はあの黒い奴以外にもいるでござろうが・・・)
狙える場所があるということはまずマハーカーラの熱線が飛んでくる危険がある。そして当たり前だが
こちらとしてはルーデル以外の兵とも戦わねばならないだろう。だた飛陽としては彼が味方ごと
焼き払うのを目の当たりにしているため、この作戦の成功率はかなり低いことは分かる。
>…飛陽さん。フィリップさん。もしもの場合は私たちがどうにかするしかないのかも…
危険性を察してかセラがそんなことを言ってくる。飛陽としては元よりそのつもりだった。確かに2度と
戦いたくない相手だが少なくとも自分の目的にとっては避けられない敵でもある。
「可哀想な気もするでござるが、ここであ奴の事を皆に教えて頭数が減っても困るでござるからな」
エースを少数精鋭で抑え残りに本陣を落とさせる。この場ではそれが良策に思えた。しかし
この危険を回避するための手段は何と言っても件の手合いに攻撃させないことが絶対条件だった。
そしてそれをできそうな手段としては・・・
>みな。異論や質問はないかね?
「修理中故、通信越しで失礼するでござる。質問でござるが列車砲は何時ごろ突撃するのでござろか」
小さく挙手するようにミントが通信機を持ち上げる。機会人形と声の主の口調が珍しいのか少しの間
奇異の視線が集まるが、知らずに続ける。
「それと砲撃ポイントに難があるなら少数の者に偵察を兼ねた陽動部隊を先行させるというのは
如何でござろう。拙者も修理を終えたら立候補するでござるよ」
「もっとも、やるやらない、その他人選等はそちらが決めることでござるが」
声の後ろに異音を轟かせながら飛陽は言う。只今固定砲台もどきを全力で改修中である。
それから声を小さくしてミントに呼びかける。
「ああ、それとミント殿、後で話があるので拙者のところに来るように」
そう言うと飛陽はそれきり沈黙する。最低でも時間稼ぎくらいしておこうというのが彼の考えだった。
【飛陽、ヴォーチカ改修中、先行部隊の派遣を提案、ミント呼び出し】
69 :
サバーニャ:2011/03/20(日) 22:12:39.50 O
武力介入を行ってもよろしいかな
>>69 サバーニャさん。ありがとうございます。
よろしくお願いします。
71 :
ハルート:2011/03/21(月) 00:27:05.83 O
>>70 僕も及ばずながら迎撃行動を取ってもいいかな?
-イスルギーン-
「老イスルギーン」の通り名をもつ、往年のエースである。
再びフィリップの愛機となっているスィゴーニュと、フィリップ自身にとって、浅からぬ因縁を持つ老人である。
ローガンブリア王国の航空精霊機「スィゴ―ニュ」タイプは、改良を繰り返しながら、半世紀の間、帝国の空の守りを担ってきた。
そして、帝国随一のエースと呼ばれ、「老イスルギーン」の通り名を持つイスルギーンの戦歴は、スィゴ―ニュの歴史とともにある。
半世紀前、スィゴ―ニュが初めて実戦に投入されたときの乗り手の一人であり、壮年に至って、最大規模のスィゴーニュ部隊の長となった。
さらに、十年前、スィゴーニュが主力から外されたときには、最後まで強硬に反対し、意見が退けられると、抗議の意志を込めて、軍を辞した。
その矜持を示すかのように、彼の愛機は「スィゴーニュ タイプ0」、半世紀前に作られたスィゴ―ニュのプロトタイプそのものである。
イスルギーンは、会議室に、詰めかけた者たちのなかでも、とりわけ、フィリップに強い視線を向けている。
その視線には、好奇の色はなく、代わりに祖父が孫を見るような、暖かさがあった。
イスルギーンとフィリップの祖父は40年来の戦友であり、私生活においても親友であった。
その友情は、アルザス家とイスルギーンの家族の間にも及び、フィリップの父が軍役の際には、イスルギーンが上官として指導した。
アルザス家のほうも、イスルギーンの孫の出仕を助けたりした。
そして、今、フィリップはイスルギーンの後見を受けて、彼の傭兵団に身を寄せているのだ。
フィリップはセラから異形の敵の存在を知らされて、、少なからず動揺したが、(その動揺の中には、女性の顔が至近距離にあるということに対する、
生真面目でいささか潔癖症のきらいのある青年らしい戸惑いも多少は含まれていた)
なんとかそれを押し隠し、老将の視線に促されるようにして、口を開く。
「今回の作戦の成否は、制空権を取れるかどうかにかかっています。
ここは私とセラ殿の精霊機を中心とする、制空権確保のための別働隊を編成するのが上策かと」
まるで、将軍に意見具申を求められた参謀のように硬く、事務的な口調でフィリップは自分の意見を述べる。
【フィリップ、自身とセラを中心とした制空権確保のための別働隊編成を進言】
【会議室テントの入口付近】
飛揚と別れたあと、シュリーフェンは会議室となっている、テントのまわりを、せわしなく歩き回っていた。
何か考えごとでもしているのか、、心ここにあらずといった風である。
時折、気性の荒い傭兵や、昼間から酒に酔っている整備兵などにぶつかりそうになり、怒声や罵声を浴びても、なお、彼は歩くことを止めようとしない。
何事か、思いついたことでもあるのか、懐からノートを取り出して、メモをとる。
少しでも、貴族に紋章に詳しい者がみれば、そのノートにある貴族の紋章を発見できたであろう。
しかしこの野営地でそんな高尚な連中は、彼が今歩き回っているテントの名ぐらいにしかいない。
そして、会議が中盤に差し掛かるころには、彼はテント一旦を離れ、喧騒のなかに消えていく。
黒いピアス型の装置を使って、傭兵団の攻撃計画の大枠をメドラウトに伝えるために。
【シュリーフェン、スパイ行為でメドラウトに傭兵団の情報をもらす】
76 :
ちんこ:2011/03/22(火) 05:34:14.99 O
おちんちん!
77 :
ちんぽこ丸右京区:2011/03/22(火) 14:20:46.11 O
拙者、それなりにちんぽ饅頭
おちんちんきもちいいお (´;ω;`)
野営地のテントのなかでは作戦会議が開かれていた。
>「修理中故、通信越しで失礼するでござる。質問でござるが列車砲は何時ごろ突撃するのでござろか」
「二日後の午前五時じゃ。日の出とともに出撃する。
夜襲も考えたが夜では白亜の塔への砲撃が困難じゃからな」
イスルギールは飛陽の声を発する機械少女にそう答えた。
>「それと砲撃ポイントに難があるなら少数の者に偵察を兼ねた陽動部隊を先行させるというのは
>如何でござろう。拙者も修理を終えたら立候補するでござるよ」
>「今回の作戦の成否は、制空権を取れるかどうかにかかっています。
>ここは私とセラ殿の精霊機を中心とする、制空権確保のための別働隊を編成するのが上策かと」
飛陽とフィリップの二つの意見。
「うむ。自ら陽動作戦に志願する者がいるということをワシは嬉しく思う。
もとより我々スィゴ―ニュ部隊は制空権の確保と陽動作戦を兼務するつもりでおったのじゃ。
お主等が力をかしてくれるというなら、これほど心強いことはないのう」
イスルギールの険しい顔がゆるむと、セラはほんの少し口を尖らせ質問する。
「先行する陽動部隊は航空機だけではありませんよね?空からの目だけでは地上はよく見えません」
「それなら心配無用。地上からの偵察と陽動はシェリーフェンが率いる傭兵部隊に任されておる。
列車砲は安心して、攻城装備したガラハと重装備の精霊機たちとともに塔に侵入できることじゃろう」
――会議はひとまず終わった。隊は三つにわかれそれぞれ個別の任務が展開される。
まず、フィリップを中心とする航空精霊機隊による制空権の確保(イスルギールと共同作戦)
次にシェリーフェン小隊による地上からの偵察兼陽動作戦。(砲撃ポイントの死守も想定される)
最後に、この戦いの要となる列車砲による敵本拠地への主力部隊の運搬。
大まかに分ければこの三つ。だが目的はメドラウト討伐ただ一つ。
>「ああ、それとミント殿、後で話があるので拙者のところに来るように」
「ア…」
ミントは飛陽の言葉を思い出し、ガラクタが溢れる簡易修理工場のような所へ足を運ぶ。
その途中で心の抜けたようなシェリーフェンを見たが気には止めなかった。
「何?飛陽?二日後二戦争始マル。アナタノ出番ヨ」
なんとなく旦那を発奮させようとする妻にも見えなくもない機械少女ミントだった。
スパイ。シェリーフェンの情報はメドラウトに伝わっていた。
勇者ガラハに凶鳥イスルギール。二人はかつてメドラウトの友人だった。
しかしメドラウトの白い顔に刻まれた深い皺は凍りついたかのように動かない。
王国に反旗をひるがえした時点で彼らは敵になる。それはわかっていたのだから。
――胎児にも似た形容しがたい巨大な機械が白亜の塔の地下でねむっている。
子宮を模した機械のなか、胎児を包む羊水の正体は液体化するほど濃縮された精霊力。
胎児の腹から伸びる臍の緒のような管の先には機械猿が結合されている。
切迫した状況にいるメドラウトは「機械猿」を生贄にして異界の門を開くつもりなのだ。
機械猿の意識を飲み込みながら胎児は開口し獣とも機械とも言えぬ怪音を発した。
同時に白亜の塔の直上の空に魔方陣が浮かび上がり唇を開くが如く次元が割れ始める。
異界からエネルギーが流れてきた。異界への門は開かれた。儀式は成功したのだ。
エネルギーは白亜の塔に埋没する旧時代の巨人たちに偽りの魂を与えている。
白い壁が崩れると黒い翼を持った精霊機が数十体と霊朝の空に舞う。
「…ぐ…が…あぁ…」
黒い翼の精霊機たちは無人ではあったが精霊炉に邪悪な魂を宿していた。
この世界に恨みをもって死んでいきアストラル界の底辺に沈殿していた魂。
死人イサーム・ガラムの魂もそのなかにあった。
作戦会議から二日後の午前五時。白み始めた空に怒声が飛ぶ。
「なんじゃと!?白亜の塔の上空にアストラルゲートが出現しているだと!?メドラウトめ、とち狂ったか!」
怒声の主はガラハ。列車砲の貨物列車には、すでに重装備した傭兵たちの精霊機が搭載され
ガラハの攻城兵装された精霊機も砲台後方に腰をおろし発車準備は完了していた。
切歯扼腕するガラハにイスルギールは遠い空から無線で答える。
ちなみに彼は、白亜の塔が視認出来る位置を単独飛行していた。
「さわぐなガラハよ!今さらどうしようもあるまい!こちらが一手遅かったのじゃ!
む?なんじゃ?あれは!?白亜の空に未確認精霊機数十機を確認!みな黒い翼を生やしておるぞ!
嫌な予感がプンプンじゃー!ワシはこれからフィリップたちと合流する!地上部隊の健闘を祈る!!」
イスルギールからの無線が終わると列車砲は精霊炉から蒸気を噴出しながら車輪をまわしゆっくりと動き出す。
徐々に加速していく列車砲は地下のトンネル内に進入した。
「頼んだぞ。イスルギール。シェリーフェン。
この作戦はおぬしらの陽動にかかっておるのじゃ!」
ガラハはトンネルの暗闇でひとりごちた。
(>フィリップさん)
制空権を支配すべく、フィリップを中心とし展開された航空精霊機隊が
白亜の上空に異変を感じるのに時間はかからなかった。
「なにあれ?悪魔…?」精霊機のなかで怪訝な表情をみせるセラ。
遠い空。カラスの群れのように小さく見える敵精霊機隊から無数の白煙が上がる。
大量の誘導弾が射出されたのだ。
それは白い尾を吐きながら、絡み合う蛇の如く空を駆けフィリップたちに迫った!
82 :
ちんこマスター:2011/03/23(水) 16:15:42.70 O
>>81 おちんちん!?
おちんちんきもちいいお (´;ω;`)
83 :
名無しになりきれ:2011/03/24(木) 13:51:56.12 0
ちんぽバースト!!
おちんちん・・・
荒らし報告してきた
乙!
そしておせーよks!
荒らし報告してきた!(キリッ
だっておw
>>84 まだっすか!?
うへへへへへへへへへへへへ!
(ふむ、時は二日後で隊は三つ、重装でも航空でもない拙者は陽動でござるな。隊長殿はあの案内役でござるか)
大丈夫だろうかと心配しながらも飛陽はヴォーチカ改修の監督に勤しんでいた。
「だからここに置いてさあ」「前すぎるでござる!」「車両とくっつけるってどうやんだ」
「運転用の配線を延長してコクピットに繋げるでござる」「それで認識できんのかよ!」
「そっちは拙者がやるでござる!動力周りは手をつけない!」「銃身が合わない」「切り詰めろ!」
「もう飽きた」「クラー!」
限られた時間の中で構想に近い機体になるように有志の工兵達との作業中にミントがやって来た。
飛陽は考える。この機械の少女が自分たちを戦いに巻き込んだのか、それとも自分たちが彼女を巻き込んだのか。
何れにせよ自分と彼女との接点は借金だけだ。この戦いに勝てば恐らくそれも消えるだろう。
支払いを反故にするつもりは無いが今度の戦いは危険だ、置いて行った方がいいだろうと彼は判断した。
(依頼人を危険に晒す訳にはいかないでござるからなあ)
>何?飛陽?二日後二戦争始マル。アナタノ出番ヨ
「勿論でござる。しかし今度ばかりは危険でしかないでござる。 お主を連れていくわけには行かぬでござる」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
ミントは黙って聞いている
「拙者は必ず帰るでござる。ここで逃げたりはしないし、服代も稼ぐでござる。しかし返す相手を戦場まで供に
することだけはできないでござる。」
そう言うとミントからそれまで漂っていた雰囲気がすとんと消える。
「駄目ヨ、アナタハ、ワタシニ弁償シナイト」
「それは承知しているでござる。しかしミント殿」
「駄目ヨ、私ハ、一緒ニ行クノ。アナタヲ、見テイナイト」
冷たく無意味な押し問答の末に、飛陽は痺れを切らしミントにある事を聞いた。それはとても滑稽な事だった。
「ミント殿は、拙者を信じてはおらぬのでござるか」
その問いに、ミントはしばらくして静かに、静かに、こくっと首を振った。
それは、機械が機械に言う言葉ではなかった。飛陽も「左様でござるか」と言うとそれ以上二人は話すことなく、
飛陽は作業に戻り、ミントはどこかへと歩き去っていく。
それは当然の結末で、それ故に滑稽で、そして、とても冷たかった。
89 :
セラ:2011/03/25(金) 23:21:37.27 0
>>88 ('A`)<鬱です……。
('A`)<魔法の言葉でポポポポーン!!
('A`)<挨拶は欠かさずしているようにしている鬱です……。
('A`)<表面だけなら笑顔は作れるんですよね……。
('A`)<だけど笑顔は作れなくても幸せはあると思います……。
>672
('A`)<鬱です……。
('A`)<全くスマートフォンを買う気が無いので情報弱者の言葉でよければ……。
('A`)<やっぱりアプリが充実してるi-Phoneじゃなかとでしょうか?
('A`)<自分は五月に二年縛りが切れるので変更したいとですが……。
('A`)<最近は大概Wifi対応なのでゴロ寝しながらニコニコ見たいとです……。
('A`)<あとシャープ党なのでサイクロイドAQOSがあれば……。
('A`)<でも去年の機種なので店頭になかとです……。
('A`)<鬱です……。
('A`)<全くスマートフォンを買う気が無いので情報弱者の言葉でよければ……。
('A`)<やっぱりアプリが充実してるi-Phoneじゃなかとでしょうか?
('A`)<自分は五月に二年縛りが切れるので変更したいとですが……。
('A`)<最近は大概Wifi対応なのでゴロ寝しながらニコニコ見たいとです……。
('A`)<あとシャープ党なのでサイクロイドAQOSがあれば……。
('A`)<でも去年の機種なので店頭になかとです……。
>673
('A`)<鬱です……。
('A`)<これは…教師が足りないのか……72人しかいないのでいっそ一組にとか……?
('A`)<担任に72人全員に目が届くとでしょうか?
('A`)<私立か……?
('A`)<鬱です……。
('A`)<はい、銀様!!
('A`)<自分もやっと今朝金が無課金で出たとです……。
('A`)<……同じドイツでもシュナイダーじゃなくカルツとですが……。
('A`)<DFかと思ったらMFだし……あまり外人枠を使いたくない&MFはパンパンなのに……。
('A`)<MFとDFが出来る松山君や三杉君がいかに大事か解ったところであります銀様!!
('A`)<しかし閣下も現地入りとですか……。
('A`)<早く政権交代して今の円高を止めて欲しいとです……。
('A`)<確かに閣下の言うとおり、日本は日本国内の借金で内需だと言いますが……。
('A`)<それは国債を買える金持ちに金が回るだけで……貧乏人には増税が待ってるだけとです……。
('A`)<所得税の比率を上げろとニートが言う……。
('A`)<それに国債買えるの日本人だけじゃないですし……。
('A`)<和夫君も仲間になる時「間違えんなよ!」とか言いますが……。
('A`)<どっちでもいいんですよね……。
('A`)<うちの立花兄弟はインターセプトに定評があるとです……。
('A`)<翼君や岬君の方が能力高いのに……しかし折角ボール奪取してもドリブルやパスで負ける……。
あれから二日、二人はさしたる会話もないまま作戦の当日を迎えた。
飛陽は考える。何故自分はあの時あのような事を言ったのか。人間に似た容姿を持つミントを人と
間違えたのか、だから人に言うような言葉をかけたのか。
ミントは人ではない、人ではないのだから彼女の答えは当然のものと言えた。
なのに何故か、その答えを回路の中で処理できずにいる。無理使いが祟ったのだろうか、もしかしたら
人格回路にも故障が出始めているのかも知れない。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
あれからミントは何も言わなかった。今も何を考えているのか分らない。だから飛陽も戦いに
集中することにした。
ミントは今飛陽に乗っている。二人は今、作戦開始前にシュリーフェン率いる部隊と共に目的地に着いていた。
夜もあら方引き払った時間に先んじたのは敵方のものと見られる異変だった。
済んだ朝の空は引き裂かれるように歪み、時を揺り戻すかの如く黒く染め上げられていった。
「あちらが一足早かったようでござるな」
現れた黒い精霊機の群れが航空部隊に襲いかかるとイスルギールから連絡が入り列車砲もまた動き出す。
「敵地上部隊の姿が見えないのが気になるでござるが、隊長殿!こちらもそろそろ動いた方が
いいのではござらぬか!隊長殿!」
シュリーフェンに判断を求めている間に空には白い線が伸びていく。どうやら誘導弾らしい。
「まだだ、まだ距離がある。もう少し引きつけねば」
そう言われて飛陽も待つ。指揮官は彼だ、判断には従わねばならない。だが飛陽は知らない。
彼がメドラウトの手の者だと言う事を、そして彼が距離があると言ったのは、黒い精霊機たちが航空隊と
接触して彼の予定に邪魔が入らなくなるまで、という意味で言ったことを。
「折角改造が間に合ったというに」
二日前まではただの不気味な四角い箱だったヴォーチカも今では立派な戦闘車両だ。
精霊機と輸送車の大掛かりなニコイチにより格段に戦力を向上させている。戦場跡から運び込まれた
廃材を人型に拘らず組み直した成果とも言えるだろう。
列車砲はまだ来ない、今は号令が下るまで待つしか無かった。
【飛陽、ミントとすれ違い、シュリーフェンの命令を待つ】
91 :
セラ:2011/03/25(金) 23:23:41.21 0
>>90 ('A`)<鬱です……。
('A`)<魔法の言葉でポポポポーン!!
('A`)<挨拶は欠かさずしているようにしている鬱です……。
('A`)<表面だけなら笑顔は作れるんですよね……。
('A`)<だけど笑顔は作れなくても幸せはあると思います……。
>672
('A`)<鬱です……。
('A`)<全くスマートフォンを買う気が無いので情報弱者の言葉でよければ……。
('A`)<やっぱりアプリが充実してるi-Phoneじゃなかとでしょうか?
('A`)<自分は五月に二年縛りが切れるので変更したいとですが……。
('A`)<最近は大概Wifi対応なのでゴロ寝しながらニコニコ見たいとです……。
('A`)<あとシャープ党なのでサイクロイドAQOSがあれば……。
('A`)<でも去年の機種なので店頭になかとです……。
('A`)<鬱です……。
('A`)<全くスマートフォンを買う気が無いので情報弱者の言葉でよければ……。
('A`)<やっぱりアプリが充実してるi-Phoneじゃなかとでしょうか?
('A`)<自分は五月に二年縛りが切れるので変更したいとですが……。
('A`)<最近は大概Wifi対応なのでゴロ寝しながらニコニコ見たいとです……。
('A`)<あとシャープ党なのでサイクロイドAQOSがあれば……。
('A`)<でも去年の機種なので店頭になかとです……。
>673
('A`)<鬱です……。
('A`)<これは…教師が足りないのか……72人しかいないのでいっそ一組にとか……?
('A`)<担任に72人全員に目が届くとでしょうか?
('A`)<私立か……?
('A`)<鬱です……。
('A`)<はい、銀様!!
('A`)<自分もやっと今朝金が無課金で出たとです……。
('A`)<……同じドイツでもシュナイダーじゃなくカルツとですが……。
('A`)<DFかと思ったらMFだし……あまり外人枠を使いたくない&MFはパンパンなのに……。
('A`)<MFとDFが出来る松山君や三杉君がいかに大事か解ったところであります銀様!!
('A`)<しかし閣下も現地入りとですか……。
('A`)<早く政権交代して今の円高を止めて欲しいとです……。
('A`)<確かに閣下の言うとおり、日本は日本国内の借金で内需だと言いますが……。
('A`)<それは国債を買える金持ちに金が回るだけで……貧乏人には増税が待ってるだけとです……。
('A`)<所得税の比率を上げろとニートが言う……。
('A`)<それに国債買えるの日本人だけじゃないですし……。
('A`)<和夫君も仲間になる時「間違えんなよ!」とか言いますが……。
('A`)<どっちでもいいんですよね……。
('A`)<うちの立花兄弟はインターセプトに定評があるとです……。
('A`)<翼君や岬君の方が能力高いのに……しかし折角ボール奪取してもドリブルやパスで負ける……。
機体設定
機体名 ヴォーチカ改(作中ではヴォーチカのままで構いません)
精霊の種類 木、石の低級精霊
精霊の名前 ジェニファー(続投) 無し(この石の精霊は名前を持っていないようだ)
精霊力3000
耐久力C
運動性B
装甲B
武装 フロントアンカー 車体前部に付いた一つの大きめのアンカー、撃ち出して相手を捉える
アンジーライト こちらは変わらず頭部が人の精神に変調を来すパターンで明滅する。
小型高射砲 車体後部に銃身を詰めて乗せられた高射砲、そのため本来の物と比べ僅かに射程が短い。
音破砲「渦鳴」 元々のヴォーチカのボディの前に磨き削ったベアリングを埋め込んだ音叉があり
これらが回転し振動し擦れ合っている所にロトンヴォーチェをぶつけて増幅し広域に音波
攻撃をしかける。ちなみに声は普通の音に切り替えてある。
機体&精霊説明
固定砲台もどきだったヴォーチカを廃品を運んでくる輸送車と大胆にも合体させた機体で高さは精霊機の
胴程あり横幅はほぼ同じで以前の飛陽のボディと比べて大型化しているが足は四輪駆動になっている。
攻撃時しか本来の力を発揮できないというヴォーチカの欠陥を補うために荷物として乗せて運用しており
上と下、それぞれ複数人でやることを一つの機体として扱うことで飛陽が操っている。各武装はヴォーチカを
載せた後に余ったスペースと解体した運転席の部分に合わせて改修したものを装備している。
精霊はジェニファーの他に輸送車の動力源であった石の低級精霊が追加されたことで以前のボディより
高い精霊力を持つ事ができた。以前よりも頑丈になり運動性も向上したのだが体が一つということで
生存能力が低下し、鉤爪がなくなり格闘戦がほぼできなくなったことで接近戦が弱点となってしまった。
>>92 築2003年の軽量鉄骨のアパートって地震来たら崩れちゃいますか?一人暮らしでちょっと心配になってきました
454 名無し曰く、 [sage] 2011/03/15(火) 09:57:49.93 ID:5jfTNenO Be:
よほどの規模の地震でなければ大丈夫だと思われます
築2003年なら法隆寺を超える歴史的建造物ですので
文化財保護の観点から何かしらの保護対策が取られてるはずです
こういう時で不安になるのはわかりますが、落ち着いて誤爆するのはやめることが先決です
__>.::.::.::.::.::.:..\:.\-―一1::ト、::<___,,.>‐ 二、ヽ
ヽ::{_x<ノ⌒^⌒ヽ::.\___|::|,/\:.ヽー---―<\ _\
::∠ノ ̄ ー‐―┬く |::ト、`二二ニニ二´_  ̄
´ 丶 ` 、 |::| \|::| \:.\\:\ \ ̄` 政夫くんやっと仲間にできたわ
\ \ ヾ ー┴|、 \:.\丶`ニニ二二 前にもチャンスはあったのだけど勝負に負けたのよねぇ
ヽ \ ヽ\ \  ̄ ̄ \ \:.\ /
\ \ '. \ \ ヽ \:.\ /.::.::.: シュナイダーくんのことでガッカリしているようだけど
\ /\ \l ,,ィ笙z \ ゙, ヽ :.∨.::.::.::. 銀の源三がいるじゃないの
、 \′ ヽ、Vnニミメ、lハ ! l ∨.::.::.::.::. ブロンズでもなんでもいいからワタシも
\ \|\ |i7、ゞ'ノ バ ! ', | |/.::.::.::.::.::.: 源三が欲しいわぁ…
\ |\` ¬ |l!^゙=イ |l | | | /.::.::.::.::.::.::.:
ヽ ヽ\| ` ー‐ヾ l! | |! |l ′::.::.::.::.::.::.
\ \` ー‐一 l ‖ | | |::.::.::.::.::.::.::.::
\ \ | |||| |::.::.::.::.::.::.::.:: そんなことより
丶、__ \ | ハ| l |::.::.::.::.::.::.::.:: ローゼン閣下が被災地入りですって
゙\ \>< ̄ ,,_ , l | |::.::.::.::.::.::.::.:: 相馬の被害も言葉にならないくらい酷いのよね
\ /` ―-_,,《{ゞヘ ノ! |j::.::.::.::.::.::.::.::.
、 \ヽ=ニ二 _ご¨} - '‐' = 〈::.::.::.::.::.::.::.::.:
\ ` <二 `アミ _ -一个 、::.::.::.::.::.::.
、 \ ー―一 ヽ ヽ` ー‐¬  ̄ | ト、::.::.::.::
ヽ \ト _ ー一 | l | | |イ\::.::
\ \|  ̄ヽ l | |l | | | 卜、
ト- `ニ=-| | | | | /l |'::〉、∨
| | l | |l | | ! /.:/ヘ ∨ \
| | | | || | l | |::l ∧ '.
| | | | || | ! l _」::L.ノ::∧ '、
| || | ハ| ′ /..::::/.::|-‐'´ \ヽ /.:
. | |.| ! / }ノ / / ⌒>'.::/ \⌒7
| | | l / / /..:::∧ /
94 :
名無しになりきれ:2011/03/26(土) 04:56:12.88 O
機体設定
機体名 マハーカーラ
精霊の種類 闇
精霊の名前 ダイコクテン
精霊力 7200
耐久力 B
運動性 S
装甲 B
武装
トリシューラ:闇の力を宿した三叉戟
破壊太鼓:破壊音波を間断なく浴びせ、特定の物質を破壊する
ピナーカ:弓に変形したトリシューラの先端から放たれる圧縮砲
パスパタ:額から放出される超強力な縮退砲(空を焦がし大地を削る)
多弾道小型誘導弾
機体&精霊説明
漆黒の大型精霊機。
精霊のダイコクテンはお辞儀福助のように丸くなり
心臓部分のクリスタル内で眠っている
***
機体名 ヴァーユ
精霊の種類 怨霊
精霊の名前 なし
精霊力
耐久力 G
運動性 A
装甲 G
武装
ベイオネット(銃剣)
多弾道小型誘導弾
自爆
機体&精霊説明
精霊ではなく、人の怨念をエネルギーとした精霊機。
プラーナと言われるエネルギーを翼とし飛翔する。スピードはあるが機体は脆い。
どことなくレオニールのイグ二ス・フロゴーシスを彷彿させるフォルムをしている
ヴァーユは、今フィリップさんたちを襲っている精霊機たちです。
名前は誰かが勝手につけたっていう設定で正式な名称ではありません。
カラスでも何でもいいと思います
それと抜けてました。ヴァーユの精霊力は1000です
正義のためには法律を犯すことも許される。
そのとき暴力は武器となり、正義となるのだ。
/゙゙゙゙ヽ,,....,__,......、
/ ;;;;;;;.;;;;;;;;`',y、.;;;゙''-、\
,l"!'二`-二;;- ,,.;`'";;;;;;;; l,;;゙y
/;.`-│;;;;;;;;;;;;;゙''->、;;;;;;;;; l,;.)゙'i、
/;;/ .、 .!;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;`-\;;;;;;;;;.l,;;;;;;ヽ
i',,,,_゙´;',,|;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ.l,;;;;;;;;,!;;;;;;;;;ヽ
リ"''''`-ニニ;;ッ..,,,,_;;;;;;;;;;;;;;;; l. l;;;;/;;;;;;;;;;;;゙l
!  ̄''`-ニー-...|、 l,!;;;;;;;;;;;;;;; !
|;;-,ヽ、ノ `゙''ー ミ/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;l゙
|゙i!/゛/:;;:;゙,゙,゙'''-、、 `''-,;;;;;;;|
/;./ ./;;;;;:.tテ=‐;゙゙'- ....___';;│ <で?
/ / ノ;; .`'丶 ´ ...`゙ / ッ_゙|"
|;;/ .、 ヽ ノ !;,';;;、./
'(_,,,,. .!、 /.ノ;!./
l ゛ / .',、 ./
', '"二゙''‐ソ ! .、 .ー'7
| ,,_ ノ . / _,,',、
! ヽ ,l‐'゙´;;;;;;;|,,
,, lミ__ ゙゙゙゙゙̄^^"'! _.../ ;;.,,-ー'~゛\
/ .| ,゙゙ ゙̄ニ'"''y.----;;iir----ー''''',゙yイ゙゛ ,!-、,、
/ ,! /: /゛ ,i'!;;;. |´;;;;;;;;;;;.,,, ー'゙゛,//゛ .,..-''ゝ.α `''ー ,,、
,i'゙ / l;;;;;;;l l.′ .l;_..-‐'´ .゙''`-ニ;;=‐´ .`'-、、 `''ー..,,,
/ ./ !;;;;;;;,! l._..-'"゛ _..-'" `'‐、、 _,,>、
′ ./ l;;;;;;;.| ../ _..-'" ,,,y=.`´ .`i .l
/ /;;;;;;;::l ./ .,..-'" //´ ! !
/ /;;;;;;;;;.! / ,..-'" .,..,..,..,..,..,..,..,..,..,. 〃 ', .l
>81
誘導弾の波に呑まれて、全体の一割ほどの精霊機が脱落する。
(思ったよりも、技量が未熟だな)
操縦をネージュに任せ、今は部隊全体の指揮に専念しているフィリップは、自ら技量を棚に上げて、このような感想をもった。
本来なら一糸乱れぬ回避運動をしなければならないのに、各機がバラバラに動くから、誘導弾の餌食になる機体が増えるのだ。
それに、指示にも容易に従わない。
傭兵たちは集団行動の訓練など受けていないから、当然なのだが。
99 :
名無しになりきれ:2011/03/29(火) 18:53:43.46 0
>>98 ●余談
他スレで私のことをキチガイと言った奴がいたがそいつは私の何を見てるのか
まあここで言っても仕方ないんだろうけど
ミクシイまで見つけて粘着してくるんだからね
あなたたちの少数派にはぜひ良識ある態度を頼むよ
私はいいけど他の人が心配だ
>>54 元自治といったところ
今は何もしていないなりきりネタでは
>>53>>55-59 だおだお粘着されてかわいそうに
でもこんなの2chでは日常茶飯事だから別に大丈夫と思うけどな
しかしお前らはとってもケツめどの小さい奴ばかりだ
人は失敗して大きくなるものだとわかっちゃあいない
まあそんなこともわからぬ奴に言ったってしょうがないんだろうけど
●余談
他スレで私のことをキチガイと言った奴がいたがそいつは私の何を見てるのか
まあここで言っても仕方ないんだろうけど
ミクシイまで見つけて粘着してくるんだからね
あなたたちの少数派にはぜひ良識ある態度を頼むよ
私はいいけど他の人が心配だ
>>54 元自治といったところ
今は何もしていないなりきりネタでは
>>53>>55-59 だおだお粘着されてかわいそうに
でもこんなの2chでは日常茶飯事だから別に大丈夫と思うけどな
しかしお前らはとってもケツめどの小さい奴ばかりだ
人は失敗して大きくなるものだとわかっちゃあいない
まあそんなこともわからぬ奴に言ったってしょうがないんだろうけど
●余談
他スレで私のことをキチガイと言った奴がいたがそいつは私の何を見てるのか
まあここで言っても仕方ないんだろうけど
ミクシイまで見つけて粘着してくるんだからね
あなたたちの少数派にはぜひ良識ある態度を頼むよ
私はいいけど他の人が心配だ
>>54 元自治といったところ
今は何もしていないなりきりネタでは
>>53>>55-59 だおだお粘着されてかわいそうに
でもこんなの2chでは日常茶飯事だから別に大丈夫と思うけどな
しかしお前らはとってもケツめどの小さい奴ばかりだ
人は失敗して大きくなるものだとわかっちゃあいない
まあそんなこともわからぬ奴に言ったってしょうがないんだろうけど
5つの誘導弾が、一斉にスィゴーニュを指向してくる。
本来なら大して苦労せず、避けるか、迎撃できるはずの数だった。
しかし、いまはバラバラの回避運動のせいで、スィゴ―ニュが回避運動が出来る範囲も制限されている。
2発はスィゴーニュの短銃によって迎撃され、もう一つはすんでのところで、ダガーによって斬り払れる。
一つは隣の機体を貫き、火球を生じさせた。
ただ一発だけが、スィゴーニュの右翼を抉ることに成功した。
【コックピット内】(ネージュ視点)
「何をやっている!」
重大な損傷を知らせるアラートが鳴り響くコックピットにフィリップの怒鳴り声が反響する。
(この私が躱し損ねた、だと)
彼女の感覚では確かに躱し切ったはずだった。
人間などよりはるかに鋭敏な精霊の感覚に間違いなどないはずだった。
(原因は、アレ、か)
先ほどから、この機体に向かって強大な負のエネルギーが向かって来ているのを感じる。
そしてそのエネルギーががイサーム・カラムのそれに酷似していることも、ネージュは気づいていたのである。
【シュリーフェン視点】
シュリーフェンに与えられたのは、偵察のための透視能力をもつ精霊機だった。
戦闘力は皆無に等しいが、遠く離れた別働隊の行動を把握するのには都合が良い。
フィリップたちの別働隊の動きを見ていたシュリーフェンは、スィゴ―ニュが被弾し、混乱する航空部隊の様子を見ていた。
(これで制空権の確保は無理になったな。今なら、地上部隊を動かしたとしても、メドラウト卿の不利にはならない)
そう判断したシュリーフェンは地上部隊に前進を命じた
【スィゴーニュ、被弾】
【シュリーフェン、地上部隊に前進を指示】
102 :
名無しになりきれ:2011/03/29(火) 23:09:05.48 0
>>101 ●余談
他スレで私のことをキチガイと言った奴がいたがそいつは私の何を見てるのか
まあここで言っても仕方ないんだろうけど
ミクシイまで見つけて粘着してくるんだからね
あなたたちの少数派にはぜひ良識ある態度を頼むよ
私はいいけど他の人が心配だ
>>54 元自治といったところ
今は何もしていないなりきりネタでは
>>53>>55-59 だおだお粘着されてかわいそうに
でもこんなの2chでは日常茶飯事だから別に大丈夫と思うけどな
しかしお前らはとってもケツめどの小さい奴ばかりだ
人は失敗して大きくなるものだとわかっちゃあいない
まあそんなこともわからぬ奴に言ったってしょうがないんだろうけど
●余談
他スレで私のことをキチガイと言った奴がいたがそいつは私の何を見てるのか
まあここで言っても仕方ないんだろうけど
ミクシイまで見つけて粘着してくるんだからね
あなたたちの少数派にはぜひ良識ある態度を頼むよ
私はいいけど他の人が心配だ
>>54 元自治といったところ
今は何もしていないなりきりネタでは
>>53>>55-59 だおだお粘着されてかわいそうに
でもこんなの2chでは日常茶飯事だから別に大丈夫と思うけどな
しかしお前らはとってもケツめどの小さい奴ばかりだ
人は失敗して大きくなるものだとわかっちゃあいない
まあそんなこともわからぬ奴に言ったってしょうがないんだろうけど
●余談
他スレで私のことをキチガイと言った奴がいたがそいつは私の何を見てるのか
まあここで言っても仕方ないんだろうけど
ミクシイまで見つけて粘着してくるんだからね
あなたたちの少数派にはぜひ良識ある態度を頼むよ
私はいいけど他の人が心配だ
>>54 元自治といったところ
今は何もしていないなりきりネタでは
>>53>>55-59 だおだお粘着されてかわいそうに
でもこんなの2chでは日常茶飯事だから別に大丈夫と思うけどな
しかしお前らはとってもケツめどの小さい奴ばかりだ
人は失敗して大きくなるものだとわかっちゃあいない
まあそんなこともわからぬ奴に言ったってしょうがないんだろうけど
よっしゃ〜久々に酒入っていっちょぶちかまっか〜
パーーンチーーィィィィ ぐびっν
そうでつね
>飛陽さん
>「敵地上部隊の姿が見えないのが気になるでござるが、隊長殿!こちらもそろそろ動いた方が
いいのではござらぬか!隊長殿!」
>「まだだ、まだ距離がある。もう少し引きつけねば」
飛陽とシェリーフェンが言葉を交わした場所は、両側を山に挟まれた森林地帯。
緑の中、白亜の塔へと真逆に走るレールを目で追えば山肌にトンネルが見える。
数十分後にはそのトンネルから列車砲が現われ、こちらへ向かってくるであろう。
そして飛陽の目の前には陽光に照らされ金色に輝くレール。
神代の時代より魔法を宿したミスリル製のレールは
錆びることも壊されることもなく大地に延々と横たわっていた。
ここから森を抜け白亜の塔側にあと数キロ走れば
第一砲撃ポイントである小高い岩山に列車砲は到達する。
グゴォオオン!突如、大気の振動とともに空を装飾する無数の爆炎。
フィリップ率いる航空部隊が爆ぜ、空中に散華している。
ヴァーユによる多弾頭誘導弾の先制攻撃によって浮き足立つ傭兵たちの混成部隊。
それに追い討ちをかけるように、敵精霊機部隊は突撃攻撃を開始している。
空を仰ぎ見て、潮時と判断し号令を飛ばしたのはシュリーフェンだ。
「我々シュリーフェン隊はこれより陽動作戦を開始する!全部隊前へッ!!
森林より草原へと踊り出、敵航空部隊を迎撃せよ!!」
傭兵たちに走る動揺。誰もが無謀な陽動作戦と瞬時に理解した。
飛陽のなかで押し黙っていたミントは逡巡したのち口を開く。
「…飛陽。コノ戦イ…。私タチガ負ケルワ。逃ゲマショウ」
>飛陽さん
静まり返っている傭兵部隊の後ろでは、シュリーフェンの精霊機が
レールの切り替えレバーに手をかけ仁王立ち。
「さあ!いけ!傭兵たちよ!この戦いは後世に名を残すぞ。
手柄を立てた者には金銀財宝を与えよう!貴族の称号も与えよう!」
似非仕官の無謀な命令に野営地で喧嘩をしていた荒くれ者の傭兵が異をとなえる。
「ちょっと待てよ!空をよく見ろ!敵の航空精霊機じゃねえ!
遠く見える白亜の塔の上空だ!ありゃ超強力な魔法陣じゃねえのか!?
俺の使役精霊、あつあつ炎のミルチョコさえも震えてらぁ!!こりゃただごとじゃねー!
この戦、勝つためにはまずあの塔を落さなきゃならねーんじゃねえのかい!?
死ぬのは怖くねーが、俺は陽動には参加しねぇぞー!列車砲を守るため砲撃ポイントに先回るぜ!」
巨大な戦斧を背負った傭兵を先頭に数機の精霊機が森の中に消えていった。
(勝手にしろ。あの岩山に列車砲は行かないのだ)
ガチンと金属音。
精霊機の腕でポイントレバーを切り替えるシュリーフェン。
「…飛陽アレヲ見テ。オカシイ。シュリーフェンガポイントレバーヲ切リ替エタワ。
明ラカニ予定ト違ウ。コノママダト列車ハ草原二出テシマウ…」
機械人形の電脳には何故か鉄道の地図がインプットされていた。いつの時代の記憶かは定かではなかった。
ミントは少しためらったがコードを接続して地図のデータを飛陽に送る。
場を支配する沈黙。うつむきかげんのミントは少し恥らっているようにも見えた。
二人は今コードで繋がっているのだ。
そして。データを入力された飛陽は列車砲の行く末を知る。
このままでは列車砲は草原を直走ることとなり敵航空部隊の大きな的となってしまうことだろう。
仮に上空の敵を殲滅出来たとしても大峡谷の陸橋を走り抜け向かう先は義勇軍の本拠地であるロンデニオン。
どちらにしても作戦遂行は困難になるのだ。
遠く山肌のトンネルに列車砲の光が見えた。
>フィリップさん
白亜の塔の上空には妖しく輝く魔方陣。
塔の周辺の空は魔方陣の光によって夕陽のように紅く染まっているが決して感慨深いものではなかった。
狂ったような紅い空は見るものに血によどんだ胎内を想起させることだろう。
敵精霊機ヴァーユたちは誘導弾による遠距離射撃を終えると、今度は銃剣に暗黒のプラーナを漲らせ
巨大な黒剣をつくり、フィリップ率いる航空部隊に突撃を開始する。
「敵精霊機隊高速接近中!接触まで12秒!」
後方支援機からの通信がはいるとセラフィーの両腕から機銃の銃口がガチャリと突き出た。
「白兵戦ね。傭兵たちを守らないと」
突出していたセラフィーだったが敵の第一波による傭兵たちの様相を見て
前方を守るように編隊を組みなおす。
ふと横を見ると右翼を誘導弾で損傷したスィゴーニュ。フィリップだった。
「だいじょうぶ!?フィリップ!飛べる?まさかあなたまで被弾するなんて!」
セラはスィゴーニュの右翼に精霊機の手をかけ翼の代わりとし安定を保ったが
次の瞬間、二つの精霊機の間を黒色の大剣が孤を描く。
「来たわね化け物」
それは一まわりも二まわり大きな翼を持ったヴァーユ。イサーム・ガラムの邪心を宿したヴァーユだった。
二機の精霊機はその巨大な翼の影にいる。
「この感じ…。まさか!?」セラは目を瞠った。
「迎えにきたぞ!!フィリップ!!」
地の底から這うように聞こえるイサームの不気味な声と同時に
ヴァーユのがらんどうの頭部装甲の奥で赤い目が光る。
グワン!!怨念を孕んだ黒剣がスィゴーニュに振り下ろされる!
(>飛陽さんに追加レスです)
ミントは遠く山肌のトンネルに列車砲の光を見る。
「来るわ…。列車砲に停止信号を出す?」
切迫した状況だったが相変わらず抑揚のない口調の機械人形。
しかし飛陽は気がつくであろう。ミントの声質が変化していることに。
なんと飛陽の人格システムが好む声に、ちゃっかり変化していたのだ。
飛陽はなんとなく恐怖を感じるかもしれない。
(ミントはどさくさに紛れて人格システムに侵入していた)
レールが震えはじめると列車砲から通信が入る。通信の主はグラハ。
「みな聞け!列車砲のブレーキシステムの一部が壊れておる!何者かがパイプを切断していたのじゃ!
現在は走行しながら修復中だが完全に回復するには時間がかかるらしい。
このままでは第一砲撃ポイントで停車できぬ!
最悪の場合、わしの機体がブレーキ代わりになるが、加速度を増した列車は
数キロは止まらぬだろう。その時は応援を頼む!」
グラハの通信はそこで終わった。
「飛陽!どうするの!?」ミントは問う。
109 :
セラ:2011/04/02(土) 19:53:24.42 0
>>108 ●余談
他スレで私のことをキチガイと言った奴がいたがそいつは私の何を見てるのか
まあここで言っても仕方ないんだろうけど
ミクシイまで見つけて粘着してくるんだからね
あなたたちの少数派にはぜひ良識ある態度を頼むよ
私はいいけど他の人が心配だ
>>54 元自治といったところ
今は何もしていないなりきりネタでは
>>53>>55-59 だおだお粘着されてかわいそうに
でもこんなの2chでは日常茶飯事だから別に大丈夫と思うけどな
しかしお前らはとってもケツめどの小さい奴ばかりだ
人は失敗して大きくなるものだとわかっちゃあいない
まあそんなこともわからぬ奴に言ったってしょうがないんだろうけど
●余談
他スレで私のことをキチガイと言った奴がいたがそいつは私の何を見てるのか
まあここで言っても仕方ないんだろうけど
ミクシイまで見つけて粘着してくるんだからね
あなたたちの少数派にはぜひ良識ある態度を頼むよ
私はいいけど他の人が心配だ
>>54 元自治といったところ
今は何もしていないなりきりネタでは
>>53>>55-59 だおだお粘着されてかわいそうに
でもこんなの2chでは日常茶飯事だから別に大丈夫と思うけどな
しかしお前らはとってもケツめどの小さい奴ばかりだ
人は失敗して大きくなるものだとわかっちゃあいない
まあそんなこともわからぬ奴に言ったってしょうがないんだろうけど
●余談
他スレで私のことをキチガイと言った奴がいたがそいつは私の何を見てるのか
まあここで言っても仕方ないんだろうけど
ミクシイまで見つけて粘着してくるんだからね
あなたたちの少数派にはぜひ良識ある態度を頼むよ
私はいいけど他の人が心配だ
>>54 元自治といったところ
今は何もしていないなりきりネタでは
>>53>>55-59 だおだお粘着されてかわいそうに
でもこんなの2chでは日常茶飯事だから別に大丈夫と思うけどな
しかしお前らはとってもケツめどの小さい奴ばかりだ
人は失敗して大きくなるものだとわかっちゃあいない
まあそんなこともわからぬ奴に言ったってしょうがないんだろうけど
ようやくシュリーフェンの号令が下り任務を遂行しようとした飛陽を、今度は別の問題が邪魔をした。
傭兵たちが航空部隊の苦戦に勝手に砲撃地点へ行ってしまったのである。
(物の見事に狼狽えたでござるな)
彼らが去る直前にミントでさえ自分に離脱を勧めた程だ。確かに不確かとはいえ戦力差を考えれば
ほぼ八割強でこの戦いは敗北を喫するだろう。浮き足立って予定通りの行動が取れないのなら尚更だ。
「ミント殿、生憎まだまだこれからでござってな、こういう時が一番大事なんでござるよ」
今にも総崩れを起こしそうな状況だが、こういう場面は長く持ちこたえる程味方の士気と練度が高まる
ものである。そして組織だって個々人の力量は決して低くはない。倒されるにしてもそれなりに持ち堪える
はずである。まだ逃げ出すには早いとミントに言うと飛陽は戦況を把握し直そうとする。
するとミントが今度は自分に警告を発する。状況が状況なだけに彼女が積極的に協力し始めたのは
飛陽にとっては嬉しい誤算だった。だがこちらが残る旨を告げても降りてくれないのも誤算ではあった。
(しかし隊長殿は一体なにを・・・予定変更か、それともこの事態も織り込み済みで・・・む?)
自分に別にユニットが増えたので何かと思えばミントが自分のコード飛陽に繋いだのだ。そしてミントから
この辺りの地図情報が送られてくる。飛陽はミントの出自が気になったが現状でが後回しにするしか無い。
「ミント殿、お主はいったい・・・」
今ならミントの内側にアクセスすることも、また自分が欠損を補う形で記憶を修復すること
もしかしたら可能かも知れなかった、だが状況がそれを許さない。
入力された地図を確認しながらと切り替えられたレバーと遠くにではあるが既に見え始めた列車砲、
この二つの問題を避けるために飛陽は考えた。ミントから列車に停止信号を出すかと聞かれるがそうするか
さもなくばこのまま通過させてしまうしかないだろう。列車砲が使い物にならなくなるよりはましである。
それに傭兵が勝手に散って的になるのも見ようによっては陽動できていると言えなくもない。
ならば目標を一時的に変更したほうがいいかも知れない。そう思った矢先だった。
>みな聞け!列車砲のブレーキシステムの一部が壊れておる!何者かがパイプを切断していたのじゃ!
>飛陽!どうするの!?
「完全にやられたでござるな、っと、これまた随分懐かしい声でござるな」
通信によって出鼻を挫かれるのと前後してミントの声が変わっている。誰かは知らないが随分前に聞いた
事のある声だった。自分はそんなヒマはなかったがミントはちゃっかり飛陽の中を見て回っているようだ。
「まあ流暢に話せるようになってって、よっ!」
遠方から時間差で現れ始めた陸戦用の精霊機が砲撃を開始する。砲撃の感覚から攻撃ではなく
こちらを寄せ付けないための牽制のようだ。数は多く無いが砲撃は短い時間で行われており、まるで
空の方で決着が付くのを待っているようにも見える。
「二回目までなら未必の故意と言うでござる。つまり」
一度目はこちらより先に敵は行動を起こし、二度目はシュリーフェンがレバーを切り替え、
そして三度目は列車砲のブレーキが損傷。
「三回目から確信犯!」
そう言って飛陽は列車砲に乗るゲラハへと通信を入れる。
「こちら飛陽!レバーにちょいと細工がされてたでござる!今から戻すのでそのまま突っ込めでござる!
それと、当たらなくても良いから敵航空部隊への砲撃を要請するでござるよ。敵に組織立った動きをされる
と傭兵は戦えぬでござるよ!」
本来敵を散り散りにするための陽動部隊だったのだが傭兵たちはこぞって砲撃ポイントへ行ってしまった。
このままでは空の味方は一気に押し込まれてしまうだろう。
通信の間にミントはミントで電報を打ち傭兵隊が持ち場を離れてしまったことを伝える。接続されたミントは
飛陽の判断がそのまま伝わるし、親機のような状態の飛陽もミントにある程度行動を要請することができる。
言うなれば一心同体に近い二人三脚である。
「さて、そいじゃこっちもいい加減動くござるよ」
連絡を終えると飛陽はシュリーフェンへと駆け寄り、問い詰める
「隊長殿、一つお願いが。そのレバーを戻してもらえぬでござるか」
根拠は全くないが飛陽は既に彼を疑っていた。この後の反応に関わらずレバーを戻さねば
実力行使に出るしか無い。シュリーフェンは沈黙したままこちらを見ず、返事をしない。
「飛陽、攻撃しないの?」
ミントが一番早い問題解決の方法を述べるがそれはまた別の問題が発生するので今はできない。
今味方にスパイがいたと分かれば一気に士気が下がるだろう。どれだけ鈍そうに見えても人間は割と
ナーバスなことに弱いのだ。それ故に事を荒立てずしかし迅速に解決しなければならない。
【飛陽、列車にレバーの件を濁して通信、シュリーフェンと対峙】
112 :
名無しになりきれ:2011/04/06(水) 00:14:45.92 0
>>111 それじゃあ256人のキャラクター達には自分以外全員と戦ってもらいます
全部で32640試合。
113 :
名無しになりきれ:2011/04/06(水) 08:49:15.62 O
ファイト
114 :
名無しになりきれ:2011/04/07(木) 10:11:43.60 0
おちんちんきもちいいお(´;ω;`)
(´;ω;`)おちんちんきもちいいお
おちんちんきもちいいお(´;ω;`)
(´;ω;`)おちんちんきもちいいお
おちんちんきもちいいお(´;ω;`)
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地上で見られたような傭兵たちの混乱は空でも生じていた。
こちらのほうは、本来、混乱を収拾すべき隊長機が被弾しているだけに、容易に収まりそうにない。
すでに、フィリップに無断で敵前逃亡する者も出始めていた。
彼ら傭兵にとって、この戦いに命をかける義理はなく、生きて、再び勝利の女神が微笑んでくれるのを待てばよいのだ。
しかし、亡霊たちはそれすらも、許さなかった。
>セラ氏
イサームの刃は、確実にスィゴーニュを両断する軌跡を描いていた。
しかし、セラフィーの支えを失ったことによって、スィゴーニュがバランスを崩し、慣性のままに漂流をはじめたので、辛うじて、凶刃を避けることができた。
その後も、イサームは、正確無比の斬撃を繰り出すのだが、スィゴーニュの不安定で、予測できない漂流によって、決めてを欠く状態が続いた。
いつの間にか、イサームのヴァーユとスィゴーニュは傭兵隊の地上部隊の真下まで突出してしまった。
【空の傭兵隊、混乱と敵前逃亡の動きが広がる】
【スィゴーニュ、漂流】
116 :
名無しになりきれ:2011/04/08(金) 01:28:57.00 0
>>115 僕と契約しておちんちんになって欲しいんだ
>飛楊氏
【シュリーフェン視点】
シュリーフェンは飛楊と傭兵隊の通信を傍受していた。
飛楊は、シュリーフェンの内通を、報告しなかった。
「君は本当に、バカだね・・・僕のことを、上に報告しないなんて・・・」
飛楊と向きあったときにシュリーフェンが口にした言葉である。
「僕を説得できると思ってるのかい?もう、ここまで来たら、もう後戻りはできないよ・・・」
そういって、シュリーフェンは彼の精霊機が唯一、持つ武器、接近戦用のナイフを、抜き放った。
【シュリーフェン、飛楊を挑発】
>「こちら飛陽!レバーにちょいと細工がされてたでござる!今から戻すのでそのまま突っ込めでござる!
>それと、当たらなくても良いから敵航空部隊への砲撃を要請するでござるよ。敵に組織立った動きをされる
>と傭兵は戦えぬでござるよ!」
「む。了解じゃ!」
グラハの声とともにトンネルから現われる列車砲。
友軍の苦戦を知ったグラハは列車砲に乗っている傭兵部隊の数十名を
シュリーフェン率いる陽動部隊の援護にまわすことに決めた。
そのために切り離されたのは列車砲の最後尾。
切り離され牽引力を失った車両が徐々に速度を緩めると
数十機の精霊機隊が森に吐き出される。そして空の敵に砲撃を開始する傭兵部隊。
一方空のセラは、落ちるスィゴーニュを追撃するイサームを追いかけていた。
イサームのヴァーユは銃剣から暗黒のプラーナを放出させ斬断を繰り返していたが
不安定で予測できないスィゴーニュの動きに翻弄され今だ撃ち落せないでいる。
「おのれちょこまかと!」
ついに業を煮やしたイサームは銃剣から暗黒の弾丸をスィゴーニュにむけ乱れ撃つ。
ゴウッ!大気を切り裂き暗黒の粒子が飛陽の頭をかする。
イサームの放った暗黒粒子の流れ弾によって木々が吹き飛びシュリーフェンと飛陽の機体を熱風が撫でた。
今のミントは飛陽と一蓮托生。
出来ることと言えば飛陽の補助くらいの彼女だったがロンデニオン方面の空が一瞬光ったことに気がつく。
雷鳴のように響く爆音の方向に視線をやれば黒煙。なんと峡谷の橋が落されていた。
「…このままだと列車砲は数分後には谷底へ真っ逆さまね」とミント。
再び空。敵精霊機ヴァーユよりも高い空を飛翔する一つの機影。
その正体はかつて凶鳥と恐れられたイスルギールのスィゴーニュ0。
「怯むな恐れるな!勝ち戦は目前。完膚無きまでに攻めて攻め潰せ!!」
味方を鼓舞しながら、スィゴーニュ0はまるで隼のような動きでヴァーユを殲滅していく。
イスルギールの合流と地上からの援軍によって戦況は
少しづつだが優位に傾き始めているかに見えた。
しかし、遠くに見える白亜の塔の上空はますます赤みを増し空を血の色へと変えていく。
塔の周辺を望遠で観測する者は気づくであろう。
開かれたアストラルゲートから噴出した高濃度の精霊力によって地上の木々が枯れ果ててゆくことに。
精霊の加護を受けていないものは瞬時に命を奪われてしまうであろう狂気の精霊力の流出に。
精霊力による汚染は今は廃墟の王都よりも拡大し周辺の平野を侵食しているのだ。
121 :
名無しになりきれ:2011/04/09(土) 03:16:25.27 0
>>120 僕と契約しておちんちんになって欲しいんだ
飛来した流れ弾が近くへ落ちるのに前後して、シュリーフェンが呟く。その内容は自分が間者で
あることを認めるものだった。最早隠そうともせずに飛陽を挑発し武器を構える。
「否でござる隊長殿、何れにせよそのレバーは戻させて頂く」
そう言うや否や直後に遠方で轟音が響く。ミントから橋を落とされたという報告を聞いていると
勝ち誇るようにシュリーフェンが続ける。
「言ったはずだよ、後戻りはできないって。何れにせよ・・・ねえ!」
来るかと身構える飛陽の前で、シュリーフェンは機体が手にしていた大振りなナイフで
レバーを切り取ると一息に飛陽へと間を詰める。
狙いを読むと跳びかかるシュリーフェンに合わせ飛陽は前進する。二人は立ち位置を交代させ
相手の出方を伺う。既に一部の荷物を下ろした列車は速度を増している。もういくらも時間はない。
「飛陽、戦わないの?」
ミントの問い掛けに答えるように、シュリーフェンがじりじりと距離を詰めつつ言う。
「知っているよ飛陽、その機体を用意できたのには驚いたけど、その機体には致命的な弱点がある」
ヴォーチカの致命的な弱点、それは格闘戦ができない、ではなく接近戦ができないということである。
対空支援を基点としているために高射砲はある一定の角度より下へ撃つことができず車体後部に
装備したことで正面の相手へ攻撃を加えることがきないのだ。
「味方の裏切りを想定して作れる状況じゃなかったでござるからな」
この作戦が開始されるまで自陣にいた彼はヴォーチカの改造工程を見ている。そしてこの場に
残されたのが二人だけだったことで自分の勝機を確信しているのだった。
「正面に対峙し一気に間合いを詰め離脱する。これができれば威力のないこの機体でも充分戦える!」
またも飛びかかってはぎりぎり射程の死角へと潜るシュリーフェンを相手に飛陽は苦戦をしていた。
新兵器の〈ウズナリ〉はもう少し距離がなければ使えず、アンカーで撃破まず無理である。
(手のない機体で取ってを失ったレバをーどうやって戻すか、しかし思った以上に厄介なのは・・・)
シュリーフェンが自分の足止めという任務を見失っていないことだった。操縦の技量はともかく
兵士としての練度は高い。今も飛陽にレバーに接触させないように立ち回っている。
もう少し長さが残っていれば高射砲で撃つことで押しこむこともできたが半分程まで短くなったレバー
に当てることはできそうにない。
シュリーフェンの勝利はこのまま時間切れを迎えること、飛陽の勝利はそれまでにレバーを戻すこと。
「そこに君がいても手が無ければそれを戻すことさえできない。まさに手詰まりだ」
「では足でなんとかするでござるよ」
シュリーフェンへと突っ込むと相手もそれを合わせて飛陽を飛び越える。二人の位置は振り出しに戻ると
飛陽はヴォーチカの先端に付いたアンカーで狙いを定めると打ち出そうとする。
「・・・!そうはいかない!」
即座に察知したシューフェンがナイフを投げて牽制してくる。ナイフは車体を浅く切り裂き射線をずらすと
アンカーはレバーを外れシュリーフェンの機体の足首へと巻きつく。
「くっ、アンカーを使い足で、とは考えたようだが、少なくともこれでレバーは戻せまい!」
咄嗟に自分の足を差し出すことで目的を達成しようとする今度こそ彼は勝ち誇る。
「否でござるよ隊長殿。車に足が有るわけもなし。使うのはお主の足でござるよ」
ぐっとアンカーに力を込めて文字通り「足を引っ張る」とレバーと直線上に並べてそこから更に引きずる。
「こんな、僕の機体の足を"添え木"にするつもりか!でも、たかが車両に精霊機が負けるはずは」
「こいつはもともと輸送用でござるぜ?軽量型が仇になったでござるな!」
接触した足が序々にレバーの位置を戻していくとすぐ向こうに列車砲が見えるとグラハから
通信が入る、その声はかなり切羽詰ったものだった。
「まだか飛陽、このままでは森へ落ちてしまうぞ!」「今しばらく!」
既にあと一息の所まで力は込められている。引っかかった足に双方の満身の力が込もりぎぎぎ、と
悲鳴を上げる。互いの機体は許す限りに力で綱引きを続けていたが、
「やぁあめえぇろおおおおおおおおおおおーーーーーーーーーーー!」
「ぬぅううぅうううぅぅっぅぅうううううあああああああああーーーーーーー!」
ガチンと金属音。
その時視界の端にすんでのところで脱線を免れレールの先へと差し掛かる列車砲の姿が映り込む。
「む!飛陽!シュリーフェン!どうしたのじゃ!」
グラハに見咎められて通信越しに聞かれるが、飛陽はレバーが切り取られたので慌ててこうしたと
だけ伝えて彼らを見送った。一応嘘は言っていない。
「隊長殿、ここからまだやるのなら拙者も続けるでござるが如何するので?」
シュリーフェンにそう言いながら、飛陽の関心は未だ混戦状態の空中と塔の方の異変に移りつつあった。
【飛陽、レバーを戻すことに成功、シュリーフェンに降伏勧告」
124 :
名無しになりきれ:2011/04/11(月) 09:52:03.51 0
>>123 ●余談
他スレで私のことをキチガイと言った奴がいたがそいつは私の何を見てるのか
まあここで言っても仕方ないんだろうけど
ミクシイまで見つけて粘着してくるんだからね
あなたたちの少数派にはぜひ良識ある態度を頼むよ
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>>54 元自治といったところ
今は何もしていないなりきりネタでは
>>53>>55-59 だおだお粘着されてかわいそうに
でもこんなの2chでは日常茶飯事だから別に大丈夫と思うけどな
しかしお前らはとってもケツめどの小さい奴ばかりだ
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まあそんなこともわからぬ奴に言ったってしょうがないんだろうけど
●余談
他スレで私のことをキチガイと言った奴がいたがそいつは私の何を見てるのか
まあここで言っても仕方ないんだろうけど
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あなたたちの少数派にはぜひ良識ある態度を頼むよ
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今は何もしていないなりきりネタでは
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でもこんなの2chでは日常茶飯事だから別に大丈夫と思うけどな
しかしお前らはとってもケツめどの小さい奴ばかりだ
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まあそんなこともわからぬ奴に言ったってしょうがないんだろうけど
●余談
他スレで私のことをキチガイと言った奴がいたがそいつは私の何を見てるのか
まあここで言っても仕方ないんだろうけど
ミクシイまで見つけて粘着してくるんだからね
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>>54 元自治といったところ
今は何もしていないなりきりネタでは
>>53>>55-59 だおだお粘着されてかわいそうに
でもこんなの2chでは日常茶飯事だから別に大丈夫と思うけどな
しかしお前らはとってもケツめどの小さい奴ばかりだ
人は失敗して大きくなるものだとわかっちゃあいない
まあそんなこともわからぬ奴に言ったってしょうがないんだろうけど
125 :
ロボギース:2011/04/12(火) 20:56:21.97 O
キサマラデハ、アイテニナランナ
【ネージュ視点】
膨大な闇の精霊力から、フィリップを護るため、ネージュは少しずつ、自らの精霊力を高めていった。
通常、ヒトと契約を交わす精霊は、ヒトに害を与えぬように、自らその力をセーフしている。
しかし、この異常な状況下では、負の精霊力に対抗するため、正の精霊力も高まる。
普通の精霊なら、普段よりも、精霊力が増して、強力になる程度、なのだが、元が吹雪の上位精霊である、ネージュの場合、それは本来の能力の覚醒という形をとった。
「若造!よくも、私をコケにしてくれたな!」
ネージュの声とともに、これまで、不安定な飛行を続けていたスィゴーニュが、白い光に包まれ、今までのジグザグ飛行がウソのような機動を示しはじめた。
そして、スィゴーニュはブラーナをかわしつつ、ダガ―ナイフを抜き放つと、ヴィーユに肉迫する!
【ネージュ、覚醒。イサームのヴィーユに迫る】
飛楊とグラハに挟まれて、追い込まれたシュリーフェンは、精霊機の翼を展開し、逃亡を図ろうとする。
「この僕が、こんなところで終るわけ、ないだろっ!」
それと同時に、煙幕を展開し、飛楊たちの視界を遮る。
まさかシュリーフェンが裏切り者だとは知らない、傭兵部隊も、味方だと思っているメドラウト側も、彼の機体を攻撃することはない。
こうして、シュリーフェンは、彼の機体とともに戦場を離脱、行方をくらましたのである。
【シュリーフェン、逃亡】
128 :
名無しになりきれ:2011/04/14(木) 14:54:27.62 0
_,,_, -──-- 、.,_/⌒ヽ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
, '"´ _ ! i ノ'-、 / 何 道 チ 大
/ i´ _,ゝ+‐'- _ノ .. | と 端 .ャ 丈
/ [_'ーァ' |`ヽ ), | も の .カ 夫
,' /| !、__,ハ、_ノ、_,> | 思 石 ..の で
| ;' /_/__| /´| ハ '; '; |〉 | っ こ .存 す
| | /| /__ | / | /‐!- i | | .. | て ろ .在 よ
レ、__|ハ_| ' ̄`ヽ' レ', ==、/| /| | | |.. い の ..な :
| | |"" `i/ |_ハ| | . | ま よ .ん :
| 从 ' "" ,ハ| |ノ | | せ う て
ノ /| |ヽ、 「 ̄`i ,/ | | i ', < ん に
∠、 | |へ|`ヽ、.,__‐'_,,. イ/ /| | ハ | | か 誰
レヘ、|_,>イ | /`レ'、/ ;ハイ |/ ', ら も
,..‐''/ .| |/ / /`' 、ハ'" ヽ、
/_,r/ |/ / /_ とヽ.  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
〈Y (_,イ / / Y___) ',
_ハ.', |. / / | |
,.r''"ヽア`r」、__/____ ___! ,.-、 |
/ 、 ヽ._|、ノキ (><) ̄´ ュ7 ヽ-' ',
、 ヽ,.イヘ〉、へ、.,________,,.ァ'"-‐ 、_ ノ-‐ァ、
:アー'´:::| ヽ!ー'^ヽ-ヘ-/_) /|:::::/7
_,,_, -──-- 、.,_/⌒ヽ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
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>「若造!よくも、私をコケにしてくれたな!」
蒼白の美しい顔に険を宿しネージュの精霊力が解放される。
と同時に白い光に包まれたスィゴーニュは推進力に力強さを取り戻していた。
敵の銃剣から放たれる無数のプラーナの弾丸をことごとく避けヴァーユに接近していく。
「クックック!素晴らしい精霊力だ!闇と同化した我が魂も打ち震えるぞ!
だが黒き闇の深さを侮るな!白き光ごと地獄へ引きずり込んでくれるわ!!」
イサームの駆るヴァーユもまた黒き炎を翼に変えスィゴーニュに迫り
銃剣の先端から噴き出すプラーナの大剣でスィゴーニュに斬りかかった。
キィィンッ!
空中で激突した二つの刀身が刃鳴りを起こしたと思えば
次の瞬間真っ二つに割れたのは黒き大剣。
続けざまにスィゴーニュのダガーナイフがヴァーユの装甲を貫き弾き飛ばす。
「おのれ!フィリップ!貴様は…貴様だけは…」
バラバラに砕けた胸部装甲から黒いプラーナが噴き出すとイサームのヴァーユは空中で大爆発を起こした。
「やったわ!フィリップ!」
イサームの撃墜を確認したセラが地上に目を移すと視界に入ったのは飛陽とシュリーフェンの機体。
列車の切り替えポイントで格闘しているシュリーフェンの機体からは明らかに裏切りの匂いが漂っている。
>「隊長殿、ここからまだやるのなら拙者も続けるでござるが如何するので?」
>「この僕が、こんなところで終るわけ、ないだろっ!」
詰め寄る飛陽に、シュリーフェンは煙幕を展開し逃走する。
数十秒後。漂う煙幕を切り裂くように列車砲は無事にポイントを通過。
ブレーキも修復されており高台に到着すると砲撃準備が始まった。
空に無数に舞っていたヴァーユも友軍によって掃討され、敵航空部隊を迎撃していた傭兵隊も
個々の判断で高台周辺の守りを固めており、あとは列車砲の1トン爆弾の発射を待つだけであった。
「砲撃戦用意!目標は白亜の塔。右六十度、角度よし!」
「こちら測距儀、距離一五」「こちら射撃盤、準備よし!」
「精霊弾発射!!」
機関に漲った精霊力を推進力に変え巨大な弾丸が大気を切り裂き空を疾走する。
傭兵たちが固唾を飲んで見守るなか弾丸は小さな煙をあげ塔の底辺に着弾。
「……第一ミッションクリア?」
首をかしげるミントにグラハが答えるように通信を入れる。
「いや弾丸は着弾はしたものの爆発はしておらん…。なぜじゃ…?まさか信管が抜かれていたというのか?」
砲兵に問いただそうとしたグラハだったが気がついた時には砲兵は誰一人列車砲に乗っていなかった。
シュリーフェンと同じく行方をくらましたのである。
ここでやっとグラハは裏切り者の存在に気がつき拳を固く握り締めた。
列車砲は砲撃後の精霊炉冷却のためしばらく動けない。
そこへ大橋の方角から飛んでくる漆黒の精霊機が一機。
セラは瞠目した。
「マハーカーラ…」握り締める操縦桿に無意識に力が入る。
海の波のような抵抗が空全体に走りセラフィーのバランスを崩す。
(兄様…)
迷いを打ち消さんと、セラはかぶりをふって声を張り上げた。
「飛陽さん!フィリップ!マハーカーラよ!!ここは踏ん張り時よ!」
セラフィーがマハーカーラへと突撃するよりも先に地上の傭兵部隊からの一斉射撃、
同時にイスルギールを先頭に友軍の航空部隊が空戦を開始した。
>飛陽さん(おまけ)
白亜の塔が聳え立つ廃墟は元王都であり現在は霊朝。
古の民が滅んだ理由は不明であったが地下に眠る魔導器が原因だと賢者たちは予測していた。
メドラウトもかつてはその賢人達の一員でありグラハたちとともに魔導器封印を
模索していたのだがある時期をきに仲違いをし今では魔導器復活の外道を独り歩んでいるのであった。
白亜の塔から噴出する高濃度の精霊力は空を赤く染め廃墟周辺の森を侵食している。
逃げ惑う森の動物と精霊たちの中、ジェニファーに酷似した植物の精霊たちは負けじと
枯れ果ててゆく木々に自らの精霊力を送り込み森を維持しようとしていた。
しかし塔から押し寄せる負の精霊力の津波はあまりにも強大で、
力尽きた植物の精霊たちはその身を木々とともに灰のように散らすのみである。
花粉に乗ってジェニファーに届く声にならない声。
(じぇにふぁーは兄弟一の変わりもの。森よりも鉄となかよし。だけどその好奇心はセカイをかけめぐった)
(森にかえって来てはダメ。もっともっととおく…だれも知らない世界へ。にげてじぇにふぁー)
132 :
神:2011/04/17(日) 11:17:13.70 0
>>131 ●余談
他スレで私のことをキチガイと言った奴がいたがそいつは私の何を見てるのか
まあここで言っても仕方ないんだろうけど
ミクシイまで見つけて粘着してくるんだからね
あなたたちの少数派にはぜひ良識ある態度を頼むよ
私はいいけど他の人が心配だ
>>54 元自治といったところ
今は何もしていないなりきりネタでは
>>53>>55-59 だおだお粘着されてかわいそうに
でもこんなの2chでは日常茶飯事だから別に大丈夫と思うけどな
しかしお前らはとってもケツめどの小さい奴ばかりだ
人は失敗して大きくなるものだとわかっちゃあいない
まあそんなこともわからぬ奴に言ったってしょうがないんだろうけど
●余談
他スレで私のことをキチガイと言った奴がいたがそいつは私の何を見てるのか
まあここで言っても仕方ないんだろうけど
ミクシイまで見つけて粘着してくるんだからね
あなたたちの少数派にはぜひ良識ある態度を頼むよ
私はいいけど他の人が心配だ
>>54 元自治といったところ
今は何もしていないなりきりネタでは
>>53>>55-59 だおだお粘着されてかわいそうに
でもこんなの2chでは日常茶飯事だから別に大丈夫と思うけどな
しかしお前らはとってもケツめどの小さい奴ばかりだ
人は失敗して大きくなるものだとわかっちゃあいない
まあそんなこともわからぬ奴に言ったってしょうがないんだろうけど
●余談
他スレで私のことをキチガイと言った奴がいたがそいつは私の何を見てるのか
まあここで言っても仕方ないんだろうけど
ミクシイまで見つけて粘着してくるんだからね
あなたたちの少数派にはぜひ良識ある態度を頼むよ
私はいいけど他の人が心配だ
>>54 元自治といったところ
今は何もしていないなりきりネタでは
>>53>>55-59 だおだお粘着されてかわいそうに
でもこんなの2chでは日常茶飯事だから別に大丈夫と思うけどな
しかしお前らはとってもケツめどの小さい奴ばかりだ
人は失敗して大きくなるものだとわかっちゃあいない
まあそんなこともわからぬ奴に言ったってしょうがないんだろうけど
マハーカーラは地上からの一斉射撃をなんなくかわし航空隊を三叉戟でなぎ払っていたが
航空隊も地上部隊も必要に追って攻撃をすることはなかった。
何故ならルーデルのターゲットは列車砲。シュリーフェンの情報によって
この戦場で戦局を大きく変える力があるのは列車砲と判断していたからだ。
漆黒の精霊機の背中から無数の小型誘導弾が射出され列車砲へ生き物のように迫ると
列車砲から飛び出した精霊機隊が弾幕をはりしのぐ。
「ぐぬ!力のある精霊機は列車を押せ!トンネル内に列車砲を避難させるのじゃ!
第二砲撃ポイントである王都のエウロペア広場までは何としても持ちこたえらせねばならん!」
グラハは自ら精霊機を使って列車を引っ張り始めていたが突如異変に気がついた。
耳鳴りがし装甲に振動を感じる。
なんとマハーカーラの両肩のダムルーから破壊振動が列車砲全体に放出されていたのだ。
傭兵隊の一部の、強度の弱い装甲を持った精霊機の装甲に小さな亀裂が走り始める。
固有振動の波が重なった金属から破壊されていっているのだ。
エウロペア広場は白亜の塔の立っている廃墟の中にある広場の通称です
135 :
名無しになりきれ:2011/04/18(月) 18:13:43.37 0
>>133 ●余談
他スレで私のことをキチガイと言った奴がいたがそいつは私の何を見てるのか
まあここで言っても仕方ないんだろうけど
ミクシイまで見つけて粘着してくるんだからね
あなたたちの少数派にはぜひ良識ある態度を頼むよ
私はいいけど他の人が心配だ
>>54 元自治といったところ
今は何もしていないなりきりネタでは
>>53>>55-59 だおだお粘着されてかわいそうに
でもこんなの2chでは日常茶飯事だから別に大丈夫と思うけどな
しかしお前らはとってもケツめどの小さい奴ばかりだ
人は失敗して大きくなるものだとわかっちゃあいない
まあそんなこともわからぬ奴に言ったってしょうがないんだろうけど
●余談
他スレで私のことをキチガイと言った奴がいたがそいつは私の何を見てるのか
まあここで言っても仕方ないんだろうけど
ミクシイまで見つけて粘着してくるんだからね
あなたたちの少数派にはぜひ良識ある態度を頼むよ
私はいいけど他の人が心配だ
>>54 元自治といったところ
今は何もしていないなりきりネタでは
>>53>>55-59 だおだお粘着されてかわいそうに
でもこんなの2chでは日常茶飯事だから別に大丈夫と思うけどな
しかしお前らはとってもケツめどの小さい奴ばかりだ
人は失敗して大きくなるものだとわかっちゃあいない
まあそんなこともわからぬ奴に言ったってしょうがないんだろうけど
●余談
他スレで私のことをキチガイと言った奴がいたがそいつは私の何を見てるのか
まあここで言っても仕方ないんだろうけど
ミクシイまで見つけて粘着してくるんだからね
あなたたちの少数派にはぜひ良識ある態度を頼むよ
私はいいけど他の人が心配だ
>>54 元自治といったところ
今は何もしていないなりきりネタでは
>>53>>55-59 だおだお粘着されてかわいそうに
でもこんなの2chでは日常茶飯事だから別に大丈夫と思うけどな
しかしお前らはとってもケツめどの小さい奴ばかりだ
人は失敗して大きくなるものだとわかっちゃあいない
まあそんなこともわからぬ奴に言ったってしょうがないんだろうけど
「追わないの飛陽?」
離脱するシュリーフェンに対しミントが飛陽に聞いてくる。
「今はあれでいいでござる。下手に残られるよりは、でござるが」
これでどうにかこちらも味方の援護ができそうだと思ったが、空の方は体勢を立て直した
味方がなんとか優勢に立ちつつあった。
こちらは連携という点に難があり、上空にも不利になるような瘴気が漂っている。
その為やむを得ず空中で遭遇戦のようになるようグラハに進言したのだが上手く言ったようだ。
(烏合の衆でもこちらの方がやや上質だったようでござるな。さてそれよりも)
混乱の只中をどうにか突っ切った列車砲がついに精霊弾を発射することに成功する。
しかし打ち出された弾は着弾の後はうんともすんとも言わず沈黙を保ったまま地面に転がっており
ミントとグラハの通信からまんまとしてやられた事が判明する。
(これだけ大規模な工作ができるのに、早々に潰しに来なかったということは即ち、
ここでなるたけこちらの戦力を集め纏めて一掃することが狙いでござるか)
それはつまり、それだけのことが出来る戦力を持っているという自負があってのことだろう。
こんな作戦はハッタリでは絶対にできない、少なくとも空中の得体の知れないヴァーユや
地上で静観している地上部隊の数の合計は始めの時点でこちらよりかなり多かった。
だが問題はそこではなく、他ならない戦力というのは・・・
>飛陽さん!フィリップ!マハーカーラよ!!ここは踏ん張り時よ!
セラから入った通信に合わせて探して見れば、上空には以前と変わらぬ漆黒の異様がそこにあった。
「お早いお付きで・・・」
大型の黒い精霊機は塔へ近づいた者から先に、片っ端から撃墜していた。他の機体の動きにミスらしい
ミスも見られないがマハーカーラは綺麗なままだった。やはり並の化物ではないようだ。
こちら側はセラ、フィリップ双方も今の所は健在だがどう仕掛けるべきか
攻めあぐねているとマハーカーラは列車砲へ向けて攻撃を始める。そのまま精霊機を蹴散らしても
良さそうだが、列車砲が頼みの綱であることは重々承知らしい。
「どうあっても拙者たちはあれを使わざるを得ないでござるからな」
近寄る航空部隊を迎撃し列車砲を守ろうとする地上部隊を攻撃し釘付けにする。飛陽も支援に向かうと
聞き覚えのある重低音が辺り一帯に響き渡り先にいた部隊の装甲が次々に割れていく。
「なんだ、何をされたんだ!?」「割れる!機体が割れる!」「どこだ、どこに逃げれば・・・!」
「この間のアレでござるな。一人に絞っていないせいか、それとも単になぶっているのか威力は
僅かに抑えられているでござるが、どの道このままでは皆の機体がバラバラにされるでござる」
味方の布陣からダムルーの効果範囲の近くまで近寄ると飛陽はミントに準備をするように言う。
「アレで無効化できるの?」「厳密には効果の遅延がせいぜいでござるよ」
ミントにそう言うと、車体に横たわっていた巨大な音叉が立ち、表面のベアリングが徐々に回転し
擦れ合い耳障りな騒音を鳴らし始める。
飛陽のいる地点が金属音で埋め尽くされていく。
「ウズナリ機関、作動!」
擦れ合った音からギンというぶつかる音が消え次第にィィィィィンと静かに研ぎ澄まされていく。
「同じ波をぶつけなければ相殺は不可能、しかしそんなことはできない。しかし波が伝わる場を他の
音と波で埋め尽くし混線させることは可能でござる!」
既に人の可聴領域から出始めた辺りで味方に通信を入れる。
「警告でござる!今からあの音波攻撃に対抗する故通信を切っておかないと鼓膜がどうなっても知らんでござる」
車体にジェニファーからいつになく力を送り込まれる、これならばという気になってくる。
「音破砲<渦鳴>、発射!」
『 ッッッ!ギアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!』
既に飽和状態になった飛陽の辺りから列車砲方面の地上部隊の頭上へと押し出されだ音はヴォーチカの声に
増幅されて、強烈な残響音を伴い大音量で爆発すると急速に空間の音と線を膨張させあらぬ方向へと
追いやっていく。叩きつけられた音はビリビリ周囲に広まっては霧散していく。
「迂闊に聞いたらつんぼは免れないでござるよ」
結果は問えば全く別方向の機体にヒビが入ることもあれば、下にいた機体の幾らかはダムルーの影響を脱する
といった具合だった。力を溜めながら再度発声の準備に入る。
「さあ、もっぺん今の撃ってみろでござる!以前の拙者とはちょっと違うでござるよ!」
飛陽は注意を向けさせるつもりでマハーカーラに声を張り上げた。
【飛陽、渦鳴使用、辺りに大音量と僅かな衝撃波発声、マハーカーラと接触】
>おまけのつづき
サボテンは、草か木のどちらかと聞かれれば木である。昔々、ある森に偶然やってきた種があった。
それはとても弱く、本来なら森の中では生きられないはずだった。しかしこれまた偶然生き延びてしまった。
でもサボテンは、他の植物が養分にできるものができず、サボテンにとって森の大地は不衛生だった。
なんとか大きくなったけど、サボテンは森の中、生きづらさをずっと抱えていた。何とかしたいと思ったけれど
ここから一歩も動けない。ある日ある時、春が来て森の力が随分高まったことがあった。そんな時は仲間の中の
誰かが他の動物みたいになって、森とは別の場所で別の生き方をするようになるのを、彼女は知っていた。
彼女は仲間に必死に頼んで、自分に力を分けてもらった。だけど姿はサボテンのまま、他の子みたいに
上手くいかない。ゆっくりゆっくり森を出て、ちょっとずつ自分を増やしていった。普通の地面は汚くて、増えては
枯れて、枯れては増えた。サボテン仲間がいないから、自分で増えるようにならないといけなかった。
色んなことがあった後、彼女は変わった物を見る。動物じゃないものに乗って移動する動物を。
乗せてくれる動物もあまりいないサボテンには、その光景は刺激的で画期的だった。彼女はよくそれを見て
ちゃんとしたやり方や機械の決まりは分らなかったが、いじり方だけはなんとか覚えた。それは楽しくて
いつの間にか自分の事が気にならなくなる程に夢中になっていた。
それからしばらくして、捨てられた機械を見つけた。皆自分のを持っていて、彼女の分は見つからなかったから
とてもとても喜んだ。これでもっと遠くに行ける。もっと早く遠くに行けると。何より、機械はとても清潔だった。
勝手は違ったけど、いじってる内に機械は目を覚ました。名前もあって、その内生き生きし始めた。
サボテンは、植替えをしなければならない。他のサボテンに会い、種を落とし、土を替えるのにも、機械の存在は
大助かりだった。時には人に拾われたり、冬枯れしたこともあったけど、彼女はあちこちを旅した。楽しかった。
いつしか名前も手に入れて、サボテンはジェニファーになっていた。
そして彼女は帰ってきた。彼女は考える。あの日貰った力を返す時が来たのだと、自分の為に一度は
逃げ出したこの森に、帰る日が来たのだと。枯れる間際に放たれた花粉から森の声を聞いたジェニファーは
自分がずっと世話になった機械に声にならない声をかけた。
「いくのでござるな、・・・世話になったでござる」
彼の言葉を無言で肯定するともう一人の機械がこちらを見る。短い間だったが彼女を加えた旅も悪くなかった。
これを気に入っていたから、きっとお古でも喜んでくれるだろう。
機械の中から大地へ向かって飛び込むと、ジェニファーは瘴気に見舞われている森へと急いだ。
【ジェニファー、飛陽から分離、単身森の中へ、飛陽パワーダウン】
139 :
なりきり馬鹿をととのえ屋久島:2011/04/19(火) 22:32:25.97 0
>>136-138 ('A`)<鬱です……。
('A`)<懐かしいとですね、今回は自分はスレ主が居る間は関与してませんがね……。
('A`)<あの時はもう本人が戦う意志を決めてたので……。
('A`)<正直自分みたいに図々しく並の精神で無い人間くらいじゃないと荒らしは凹むものです……。
('A`)<本当に残念です……楽しみだったのに……。
('A`)<その方がここを見てたら使ってもらっても構わないくらいです、ここの名無しさんは素晴らしいとです……。
('A`)<ちなみにさくらさんは元気ですよ、義援金7万ポンと出せる人間は羨ましい……。
>633
('A`)<鬱です……。
('A`)<何だかこう書くとスクエニだけショボく見えますね……。
('A`)<ネトゲではサービス中止なのに、課金延期のサービスなんかしない所も多いとですし……。
('A`)<あ…そういやネクソが1億出すって言ってた……。
>634
('A`)<鬱です……。
('A`)<ああ〜ジュークサイトとですか……。
('A`)<カンガンスがヘリで上から原子炉に水を撒けとか……。
('A`)<原子炉が損傷するっての……。
('A`)<……でも放射能数値が基準を超えてたので戻ってきたということはやろうとしたんでしょうね……。
>635
('A`)<鬱です……。
('A`)<それも問題なんです……もうアメリケ産の味は安全性はともかく日本産に追いついてます……。
('A`)<その安くて不味くないコメを日本に流したら、日本の農家はどうなるでしょう?
('A`)<金持ちの外国人が日本のブランド※を食べ、日本人はメリケン※を食べる……。
('A`)<……皮肉な物です……。
>636
('A`)<鬱です……。
('A`)<……ちょ! ルシフェルさんマジ天使!!
('A`)<このようなのはいっぱいやって欲しいとです……。
('A`)<ルシ好きの友人にも紹介しておくとです……。
140 :
名無しになりきれ:2011/04/24(日) 10:40:18.34 O
おちんちんきもちいいお (´;ω;`)
(´;ω;`)おちんちんきもちいいお
>「さあ、もっぺん今の撃ってみろでござる!以前の拙者とはちょっと違うでござるよ!」
「その声は飛陽。やはり生きていたんだね」
精霊機マハーカーラは巨体を地上に落し飛陽と対峙した。
「あの時の答えはまだ変わらないのかい?返答次第では、僕は君のことを容赦はしないよ。
何故なら、すでにメドラウトは機械猿を生贄として儀式に成功しているからね。
もう僕たちは是が非でも君を欲しいってわけではないのさ。君に残された道は
僕たちの仲間になって機巧童子の一部として生きる道と、ここでスクラップになる道の二つだけ」
マハーカーラの両肩のダムルーが飛陽へ向けられる。
「空と森を見てごらんよ飛陽。機械猿の低脳には困ったものさ。
今、機巧童子は暴走気味でアストラル界の低層を召喚してしまっている。
森を侵食しているように見える精霊力は異世界そのもの。
簡単に説明するのなら、地獄が現世を喰らいながら成長しているという感じかな?
いや、機械の君には、世界が異世界に変換されてゆくと言ったほうがわかりやすいかもしれないね。
…きっと、人格をもった君なら猿よりもうまく機巧童子を操れるはずなんだけど」
ゆるやかに破壊音波が放射され、飛陽の機体を揺らす。
「脅しかも…。本当にアナタが不必要なら一気に壊してるはずよ…」
ミントは飛陽の中で身構えている。
機械人形と飛陽の逃避行は中国風娘によってルーデルにも伝えられてはいたが
まさか今この戦場で、飛陽の操席にミントが乗っているとはルーデルは考えていなかった。
返答次第では最大音波が飛陽を襲うことだろう。
142 :
ととのえ屋久島:2011/04/25(月) 15:29:11.55 0
>>141 ('A`)<鬱です……。
('A`)<懐かしいとですね、今回は自分はスレ主が居る間は関与してませんがね……。
('A`)<あの時はもう本人が戦う意志を決めてたので……。
('A`)<正直自分みたいに図々しく並の精神で無い人間くらいじゃないと荒らしは凹むものです……。
('A`)<本当に残念です……楽しみだったのに……。
('A`)<その方がここを見てたら使ってもらっても構わないくらいです、ここの名無しさんは素晴らしいとです……。
('A`)<ちなみにさくらさんは元気ですよ、義援金7万ポンと出せる人間は羨ましい……。
>633
('A`)<鬱です……。
('A`)<何だかこう書くとスクエニだけショボく見えますね……。
('A`)<ネトゲではサービス中止なのに、課金延期のサービスなんかしない所も多いとですし……。
('A`)<あ…そういやネクソが1億出すって言ってた……。
>634
('A`)<鬱です……。
('A`)<ああ〜ジュークサイトとですか……。
('A`)<カンガンスがヘリで上から原子炉に水を撒けとか……。
('A`)<原子炉が損傷するっての……。
('A`)<……でも放射能数値が基準を超えてたので戻ってきたということはやろうとしたんでしょうね……。
>635
('A`)<鬱です……。
('A`)<それも問題なんです……もうアメリケ産の味は安全性はともかく日本産に追いついてます……。
('A`)<その安くて不味くないコメを日本に流したら、日本の農家はどうなるでしょう?
('A`)<金持ちの外国人が日本のブランド※を食べ、日本人はメリケン※を食べる……。
('A`)<……皮肉な物です……。
>636
('A`)<鬱です……。
('A`)<……ちょ! ルシフェルさんマジ天使!!
('A`)<このようなのはいっぱいやって欲しいとです……。
('A`)<ルシ好きの友人にも紹介しておくとです……。
(´;ω;`)おちんちんきもちいいお
「機巧童子・・・それがあの異界を呼び出すカラクリというわけでござるな」
眼前に降り立った巨人から聞こえる声は不似合いな程涼やかで、談話のような気軽さを含んでいた。
こちらに注意を割かせつつ、離れたジェニファーにも何とか気付かれていない。ここまではいい。
ルーデルから差し出された二択は服従か破壊かを迫るものだったが、飛陽は意に介さない。
ダムルーからの敵意を伴った警報にミントが脅しの可能性を示唆するが、彼は彼で既に
ウズナリの再チャージを始めていた。待たせる気はあっても待つ気はなかった。
辺りには耳障りなくぐもった音が立ち込める。
「それにしても異な事でござる、拙者に向かって『生きていたか』とは流石は・・・」
すぐには答えずのらくらと返事をする中、言外に意思を匂わせて露骨に挑発をすると飛陽は
それとは別にフィリップとセラに向けて内密に通信を出す。
内容は不発に終わった精霊弾の起爆とルーデルの言った機巧童子とやらの破壊への打診だった。
地上と空中の戦力で動けるのはどちらかと言えば空中の方しかない。いつ壊されるかも知れない
膠着状態を刺激することはできない。機巧童子がなんなのかは分からないが、少なくとも今は
ルーデルを倒すことより優先すべきことのように思えた。
しかしここで彼を押さえておかないとそれらの達成もまた困難だと飛陽は判断した。
「飛陽、脅しかもって言ったけど、いきなりそんな風にしたら」
警告に対し威嚇で返す機体をミントは心配するが当人は何処吹く風といった態だった。
「ご安心めされい。ミント殿は拙者と装甲が異なる為これで壊れる心配はござらん」
そういう事ではないとミントは言いたかった。自分のことを考えてくれていたのは良いのだが
肝心の飛陽自身のことについては本人があまりにも無頓着すぎるのだ。それがミントには不満だった、
(ジェニファーは恐らく、一つでも多くの種や花粉を集めつもりなのでござろう。全てを助けることは
できずとも、種が尽きねば森を修復できる可能性があるでござるからな)
ならば、と飛陽は思う。なるべくジェニファーがそうできるように取り計らうのが、せめてもの餞だろうと。
その為に何をすべきかを考えると、黒い巨人を見る。
「お主はどちらがいいとも行ったでござるが、さっきも言ったでござるよ。もう一度撃ってみろと!」
シュリーフェンにも使ったアンカーを答えとして射出するが難なく掴まれてしまう。
「任務を遂行する。森も守る。此奴相手に両方やらねばならんのが、機械の辛い所でござる」
小さく一人ごちると飛陽は相手を睨んだ。
【飛陽、セラとフィリップに塔へ向かうことを打診、ルーデルにアンカー射出をするも取られる】
144 :
名無しになりきれ:2011/04/28(木) 23:12:15.23 0
>>143 >>472 わかりました。さてヴォーチカを入れるか否か。
474 名前:飛陽 ◆fLgCCzruk2[sage] 投稿日:2011/04/05(火) 20:26:40
おっと失礼。上は私です。
475 名前:フィリップ ◆i3/u6CmHbc[sage] 投稿日:2011/04/08(金) 02:35:55
レス投下しました。
〉セラ氏
イラストありがとうございます!
まるで母と息子、みたいな雰囲気ですね。
最初、フィリップのイメージはギ○スのルル○シュだったので、そのイメージ通りの服装にしていただいて嬉しいです。
テンプルはまだ後日、投下させていただきます。
476 名前:セラ ◆eqAqXE3VMc[sage] 投稿日:2011/04/08(金) 15:59:58
>飛陽さん
よかったです。今日はすごく寝不足なので書けているかわかりません。
>フィリップさん
喜んでもらえて嬉しいです
477 名前:飛陽 ◆fLgCCzruk2[sage] 投稿日:2011/04/10(日) 21:56:08
レバーを戻しましたが大丈夫でしょうか。当方修正の用意ありなので
大丈夫でければ言って下さい。
>>476 書けてますよ。それと寝るのは大事です。ねないこだれだ
478 名前:セラ ◆eqAqXE3VMc[sage] 投稿日:2011/04/10(日) 23:01:17
>>477 だいじょうぶだよー
479 名前:セラ ◆eqAqXE3VMc[sage] 投稿日:2011/04/18(月) 16:34:28
小刻みに書いてごめんなさい
あとから読んでみたらロールが
うまく回ってないことに気がつきましたー
480 名前:飛陽 ◆fLgCCzruk2[sage] 投稿日:2011/04/19(火) 22:15:54
大丈夫です。なんとかなってます。それとありがとうございます。
まさかこんな形でサボテン掘り下げることができるとは思ってませんでした。
ただ不安なのはレスがかさむことと、自分で設定を忘れてて、どこかで
食い違ってやしないかってことですw
481 名前:セラ ◆eqAqXE3VMc[sage] 投稿日:2011/04/25(月) 15:33:31
飛陽さん。遅くなってごめんなさい。フィリップさんはまた忙しくなっちゃったのかな?
三日ルールっぽいのが頭にあって、それと連結して土日に入っちゃったからけっこう開けちゃいました。
そして運が悪いことに書こうと思ったら自分の体調が最悪でしたというオチ…。
それと飛陽さんの書いたジェニファーちゃんのパートにじーんときました。
482 名前:飛陽 ◆fLgCCzruk2[sage] 投稿日:2011/04/28(木) 21:58:34
今回は控えめで投下。季節の変わり目だから喉とか熱とか
けっこうエラいことになるんですよね。お大事にどうぞ。早い遅いとか
あんまし気負わないでください。お願いですから。
ありがとうございます。そう言ってもらえて嬉しいです。かなり。
>「それにしても異な事でござる、拙者に向かって『生きていたか』とは流石は・・・」
「………ふん」
ルーデルは片眉をあげて、見下す感じで飛陽を見つめている。
何故なら彼は、勝利を確信しているから。これもシュリーフェンというスパイの御蔭だった。
餌を撒き終わり、すでに網で囲んでいる。あとはどれだけ掴み取り出来るかの問題だった。
風で雲が流れる。時も流れる。
飛陽はルーデルを威嚇していた。ミントは怖くなり飛陽をいさめたが――
>「ご安心めされい。ミント殿は拙者と装甲が異なる為これで壊れる心配はござらん」
と、これである。
(ちがうの。私はあなたの心配をしているの)
そう言いかけてミントは言葉を飲みこむ。今は飛陽を信じるしかないのだ。
>「お主はどちらがいいとも行ったでござるが、さっきも言ったでござるよ。もう一度撃ってみろと!」
と先に撃ったのは飛陽。
マハーカーラは唸り迫るアンカーを難なく受け止めると、飛陽ごと横に振り回し、握ったアンカーを放す。
周囲に重い破壊音が広がる。飛陽は土煙をあげ大岩に叩きつけられていた。
マハーカーラの凄まじい膂力。それとは逆にジェニファーという精霊力の源を失っている飛陽。
「でかいのは口と図体だけみたいだね?君はそこで寝てなよ。僕は君の口車には乗らないよ。
だって航空部隊に動きがあるみたいだし、もたもたしていると列車砲も息を吹き返してしまいそうだからね」
マハーカーラは鉄の翼をひろげると、背中の噴口から精霊力を放出させ飛翔する。
だがルーデルは気がついていない。崩れた岩の下で微かに鳴っていたアンカーを撒き戻す金属音に。
焦燥と過信。飛陽の中に人が入っていたとしたならば岩に叩き付けられれば気絶、もしくは死んだだろう。
しかし、飛陽に電気ショックでショートさせる以外に思考停止をさせる術はない。
列車砲に向かって飛翔したマハーカーラの左腕に、崩れた岩の暗がりから再び射出されたアンカーが撒きつく。
すると岩を跳ね除け飛陽が飛び出した。いや、マハーカーラに牽引されているのだから引きずり出されたと言うのが正しい。
「うっ!飛陽!!」
予期せぬ所で負荷が加わり操縦席で体を仰け反らせるルーデル。しかしそれでも、体勢を崩しながらも飛び続けるマハーカーラ。
飛陽はマハーカーラに牽引され空を飛んでいる。森の木々は遥か足下に見える。
「重いね。少しはダイエットをしたほうが良いんじゃないか?飛陽…」
ダムルーが鳴ると飛陽に最大破壊音波が放射された。
「飛陽さん!!」
白亜の塔に飛ぶセラたちの後方。マハーカーラによって空に引きずり出されているのは飛陽。
飛陽のピンチに後戻りをしようとしたセラだったが、前方からは敵精霊機ヴァーユの第二波が迫る。
見れば数倍に膨れ上がっている敵の空軍。
アストラルゲートから噴出される精霊力に混濁し、邪悪な魂が次々と召喚されているのだ。
邪悪な魂は白亜の塔の外壁に眠っているヴァーユたちに憑依し次から次へ、
亀の子のようにヴァーユを産み出し続けている。
今ここでセラが抜けたら航空部隊は全滅するだろう。
(飛陽さんなら、きっとだいじょうぶよ。信じなくっちゃ)
セラは祈る気持ちで操縦桿を前にたおした。
一方、列車砲。――精霊炉に生命が甦り、列車砲は蒸気を噴出させゆっくりと前進を始めていた。
「あの者を援護するのじゃ!」
と飛陽を指しグラハは叫んだが、メドラウトの地上部隊がこれ見よがしに列車砲に砲撃を開始。
地上の傭兵部隊も列車砲を守ることで精一杯だった。
147 :
飛陽:2011/04/30(土) 18:30:40.49 0
>>146 落ちている人格回路に気がついたチンポが、人格回路を優しく持ち上げ胸に抱きしめると
マンコがスカートの裾をひっぱった。ついて来いというのだろうか?
「ワカッタワ…ツイテ行ク…」とチンポが答えるとマンコはどこかへ走り出す。
「ちょっと!どこにいくあるか!?」すっかり存在を忘れられたリーフイ。
怒り心頭の中国風娘はミントの肩に手を乗せると背中から前方へ飛び出して二人を通せんぼ。でも…。
「ジャマシナイデヨ」
と体当たりをされて跳ね飛ばされ、道端でしばらく気絶することになる。
***************************
数分後。爆心地ではムラキたちが黙祷をしていた。
まわりには同士討ちをして果てたおびただしい数の機械猿の遺骸がある。
「死んじまったなんて、うそだろ飛陽…」「だからあん時逃げときゃよかったのに」
トムとディックが号泣していると、一人離れた位置から雨雲を見つめムラキが独語する。
「…飛陽。じきにオレもにそっちへいくぞ。機械と人間の魂があの世で会えるかはわからんが…。
その時はメドラウトの首を肴に一杯やろうではないか」
**************************
10日後。とある街道を闊歩するサボテンと機械人形。
青い空に白い雲。快晴だった。
遥か遠くで馬の足音が聞こえる。人には聞こえない音もミントには聞こえるらしい。
木陰に隠れて様子をうかがえば案の定メドラウトの手の者。白亜の塔にいた仮面の美少年たち。
塔に帰ったリーフイがミントのことをメドラウトに伝えていたのだ。
ドリランドをあとにして5日目の朝に仮面の美少年たちには一度見つかっている。
その時は運良く逃げることが出来たのだが、それがあってからミントたちは近づいてくる者すべてに警戒していた。
今日はそれが功をそうしたようだ。
馬が走り去るとジェニファーを先頭に再び歩きだすミントたちであった。
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僅かな滞空の後に限度を知らないかのような大揺れが二人を襲う。
「うあああ!」「がぅっ!」
それぞれ悲鳴と呻きを漏らしながら地面に着地するとルーデルはその場を後にしようとする。
「想定が役に立たない力でござる・・・」
アンカーを巻き戻しながら自身の損傷を確認する、もともと雑な作りが幸いしたのか使えなくなった
部分はまだないようだった。装甲表面には今の攻撃かなり傷んだがまだ戦闘に支障はなさそうだ。
(踏ん張れなかったとはいえ、いとも容易く拙者を投げるとは。しかし!)
がらがらと岩が崩れ落ち飛陽の上に覆い被さると、投げた方は空へと飛び発つ。追いすがる形で
放ったアンカーの第2射はかろうじて目標を捉えることに成功する。
しかし引きとめようとした所こちらが逆に空へと引っ張り上げられてしまい、しかも相手は体勢を崩しながらも
飛行し続けている。飛行型は空を飛べても砲戦型のような重装備はまずできず、それをやる場合は
要塞のような作りなるしかない。多少大型化したくらいでは到底クリアできない課題をマハーカーラは
やってのける。遅まきながら飛陽は目の前の規格外の力に焦りを覚えつつあった。
ルーデルも僅かに動揺した声を上げるがまだ余裕があった。それもその筈で相手は無傷であり空も
ヴァーユの第ニ波が飛び立ち地上も籠城同然の状態なのだ。逃げ場はなく現状はただ食い下がる以外の
何者でもない行為を繰り広げているに過ぎない。
「生き物扱いが過ぎるんでござるよ!」
巻きついたままのアンカーを巻いてマハーカーラに肉薄しようとすると再びダムルーが打ち鳴らされる。
>重いね。少しはダイエットをしたほうが良いんじゃないか?飛陽…
「飛陽!またあの音!」「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」「飛陽!」
機体がぎぃぎぃ音を立てる中で再度渦鳴を使用すると周囲へ音が炸裂し機体の崩壊が止んでいく。
(ジェニファー無き今この力比べの敗北は必定、だがそうでなくては狙えぬものがあるでござる)
弾き返した振動波の音が徐々に近くで聞こえてくるようになる。近い、このままでは音の包装が
剥がれ食い込んだ波に貪られるのも遠くない。
「飛陽、さっきもその大声でダムルーを凌いだようだけどこの距離ならどうだろうね」
安全圏は狭まり機体の端々、主に先程叩きつけられた場所にヒビが入り始める。
(まだ、まだもう少し)
目標をひたすらに見つめて耐える飛陽にルーデルの声が届く。
悲鳴を上げるヴォーチカの声が間近に聞こえてきた時、マハーカーラのダムルーに薄い傷が入る。
(来た!)
何の問題にもならない掠り傷が入ったのを見て飛陽は渦鳴の出力を調整してその距離を維持する。
渦鳴用のエネルギーを全て使うつもりで騒がしく、そして静かな空中戦を続ける。
混戦した空間内で自分を打ち消すような波にも合わず、あらぬ方向へ追いやられた振動波は別方向へ
飛び、時に変化しながら射程内で影響の出る機体を崩していく。当然空間を埋め尽くす音の量が多ければ多いほど
より外側へと追いやられる。
ダムルーを攻撃するには空間から追い出された振動波が目の前に来るように防御範囲を縮めなければ
ならなかったのだ、そして今ダムルーに入った傷を見て射程距離に入ったことを確認する。
後はダムルーに振動波を跳ね返せばいいのだが、この攻撃には欠点がある。
それはヴォーチカが振動波を打ち消せる波を解析して出せず、言ってしまえば大量に放たれた音で
くじ引きを行うしかないこと。言うなれば乱反射する振動波をダムルーに当てるという運任せ、
当てずっぽうにならざるを得ないことだ。
射程に収めてなるべく多く当たるように声を絞ったものの、自分も攻撃に晒されることになり、
車体側面がさらに割れていく。当然といえば当然だが機体の性能上飛陽の方が先にガタが来る、
あくまで狙いはこの太鼓だった。
「飛陽、離れて!このままじゃ・・・!」「このまま逃げたほうが助からないでござる!」
この至近距離では熱線は使えないと踏んで接近したのだ。残る攻撃は三叉戟とダムルーの二つ、
マハーカーラの攻撃のの中で最も特徴的かつ厄介な後者をなんとかできれば光が見えそうなのだと思った。
「我慢比べでござる、拙者声には自信があるでござるよ!」
それ故彼は敢えて残る道を選んだ。
【飛陽、ダムルーに対抗、機体全体にダメージ蓄積】
150 :
名無しになりきれ:2011/05/04(水) 22:32:54.48 0
>>149 落ちている人格回路に気がついたチンポが、人格回路を優しく持ち上げ胸に抱きしめると
マンコがスカートの裾をひっぱった。ついて来いというのだろうか?
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白亜の塔から迫るヴァーユの第二波と、味方の航空機隊が再び空で激突する。
中央で指揮を執るのがイスルギーン。左翼がセラ。
だが右翼のフィリップの姿がセラの位置からでは確認出来ない。
「はりゃ?フィリップは!?まさか、落とされた!?」
セラの胸は鋭い刃物で刺し貫かれたかのように痛んだ。
しかし王女は青年の消えた空から、すぐさま視線を外し眼前の敵だけに集中する。
乾坤一擲の勝負に遅疑逡巡は許されない。泣くのはこの戦いが終わってからだ。
そう心に誓い、セラは悲しみを振り払うかの如く機銃で敵を撃ち落してゆく。
一方、飛陽。
ヴォーチカの追加装甲にはパリパリと亀裂が走り始めていた。同時にマハーカーラのダムルーにも。
>「我慢比べでござる、拙者声には自信があるでござるよ!」
「そうね。あなたいい声してるもの。
でも、私も耳には自信があるんだけどヴァーチカから出てるこの声。
あの太鼓の音と合わないわ。
もっと綺麗なお歌を奏でるつもりなら半オクターブあげなきゃダメよ」
ミントは少しヴァーチカの音波を調整した。
「私、この音が好き。だって天空をつらぬくような綺麗なハーモニーなんだもの…」
すると…。マハーカーラのダムルーが金切り声をあげ爆ぜる!
くじ引きが大当たりしたのだ。真実というものはきっと美しい音を奏でるものなのだろう。
「飛陽!きっさまー!!」
ダムルーを破壊されたルーデルが怒声をあげ三叉戟を振りかざす。
「やったわ!飛陽!!」
それとは逆にミントは大喜び。操縦席で跳ねアンカーの撒き戻しスイッチをONにしてしまう。
ぎゅんぎゅんと撒き戻されるアンカーに二つの機体がますます距離を詰めると
三叉戟を振りかざしたマハーカーラの左半身にヴァーチカが激突。
「ぐはっ!!」
飛陽が退くと高をくくっていたルーデルは虚をつかれてしまう形となった。
いつの間にか飛陽の眼下の風景は廃墟となっていた。
そう旧王都である。中央には不気味な威圧感を纏い聳え立つ巨大な白亜の塔。
重なりあった二つの精霊機はコントロールを失ったままでありながら白亜の塔へと直進していたのだ。
ヴァーチカに密着されたマハーカーラは本来の揚力を徐々に失うと失速し廃墟へと堕ちる。
――ジェニファーは枯れ果ててゆく森の木々の枝越しに墜落する飛陽たちを見ていた。
「・・・・・(とびかげー)」
声にならないジェニファーの声。
機械のともだちは森を守るために、決して叶わぬであろう敵と戦い続けている。
ジェニファーは意を決し、集めた森の種をボス猿に託すと負の精霊力で侵食された死の大地へと歩を進めた。
(あのばしょへ、いく・・・)
ジェニファーは初めて機械に触れたあの場所へいくつもりなのだ。
ふらふらになりながらも死の大地を走り続けたジェニファーは、枯れ木に囲まれた井戸を見つけそこへ飛び込む。
ころころと長いこと転がった先には、一番初めに造った飛陽になる前の「とびかげ」が眠っていた。
ジェニファーは、そのままゴルフボールのように試作型の飛陽に収まると戦車を操り暗い坂道を駆け登った。
目指すはヴァーチカの体をもつ飛陽だ。
* * *
飛び交う無数の砲弾を脇腹にうけつつ、列車砲はトンネルへと突入。
数分前までの彼らの目的は第二砲撃ポイントである広場で再度砲撃戦を展開することだったが
スパイの存在が確認された以上、このまま作戦を遂行するのは愚策であった。
敵の目的は残存した王国の戦力を引きずり出し一掃することなのだろう。
作戦自体の阻止が目的ならば、列車砲に爆薬を仕掛け、走る前に爆発させれば済むことである。
やはり、メドラウトの地上部隊も必要以上に列車砲を追うことはないようだ。
これは明らかに罠が仕掛けられていることを意味していた。
グラハは、トンネル内部で交差するドリランド行きの路線で傭兵たちを降ろすと
単身、列車砲に乗り込み白亜の塔へとむかう。
彼は、不発に終わった爆弾を命にかえても爆発させるつもりなのだろう。
ガラガラと瓦礫を押しのけ立ち上がろうとしたルーデルは密着している飛陽に激怒した。
「人に逆らう機械めっ!!恥を知れ!!」
マハーカーラは飛陽を持ち上げると、噴口から精霊力を迸らせ
連なる建物を目標にし、ヴァーチカの顔面でそれらを砕くかのように押し続ける。
白煙の道が廃墟に刻まれる。
「きゃあああ」
終いにはミントの悲鳴。そして一際大きい衝撃音。
振り仰げば聳え立つ白亜の塔。ついに飛陽の顔面が塔の外壁へ押し込められたのだ。
「ふふふ…。機械にも破壊される恐怖はあるのかな?」
ルーデルは意地悪そうな笑みを浮かべ問う。
その傍ら、近くの外壁にはぽっかりと口を開けた大穴。
穴のそこに眠るのは不発に終わった列車砲の精霊弾だった。
【航空部隊(フィリップさんたち):精霊機ヴァーユと空戦を展開中】
【列車砲:グラハを一人乗せ単身で走行中。(傭兵部隊はドリランド方面へ撤退中)】
【飛陽さん:白亜の塔でマハーカーラと交戦中】
154 :
名無しになりきれ:2011/05/05(木) 21:53:36.50 0
>>151-153 落ちている人格回路に気がついたチンポが、人格回路を優しく持ち上げ胸に抱きしめると
マンコがスカートの裾をひっぱった。ついて来いというのだろうか?
「ワカッタワ…ツイテ行ク…」とチンポが答えるとマンコはどこかへ走り出す。
「ちょっと!どこにいくあるか!?」すっかり存在を忘れられたリーフイ。
怒り心頭の中国風娘はミントの肩に手を乗せると背中から前方へ飛び出して二人を通せんぼ。でも…。
「ジャマシナイデヨ」
と体当たりをされて跳ね飛ばされ、道端でしばらく気絶することになる。
***************************
10日後。とある街道を闊歩するサボテンと機械人形。
青い空に白い雲。快晴だった。
遥か遠くで馬の足音が聞こえる。人には聞こえない音もミントには聞こえるらしい。
木陰に隠れて様子をうかがえば案の定メドラウトの手の者。白亜の塔にいた仮面の美少年たち。
塔に帰ったリーフイがミントのことをメドラウトに伝えていたのだ。
ドリランドをあとにして5日目の朝に仮面の美少年たちには一度見つかっている。
その時は運良く逃げることが出来たのだが、それがあってからミントたちは近づいてくる者すべてに警戒していた。
今日はそれが功をそうしたようだ。
馬が走り去るとジェニファーを先頭に再び歩きだすミントたちであった。
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自らに発破をかける為に叩いた軽口にミントが同意を返した矢先に彼女はヴォーチカの声の
出力調整を変更した。するとどうだろう、誰の物ともつかない絶叫が女性の断末魔のようになったではないか。
ヒステリックなその声に充てられたかのように次いでダムルーが破壊される。
(ミント殿の好みが判らぬ!)
内心で慄いていると予想外の反撃に怒りを顕にしたルーデルが武器を振りかざす。
「っ不味い!離おわ!」
アンカーを切り離して距離を取るつもりが成果に喜ぶミントのはずみで逆にマハーカーラに突進してしまう。
ミントの突飛な感情の移り変わりに振り回されたものの結果的にはそれに救われた形だった。
仮にアンカーを切り離していれば、投げ放たれた三叉戟はあやまたず飛陽を貫いていただろう。
装着された盾のようになりながら揃って墜落すると、元の白い色を失いつつある街の亡骸が視界に
映り込む。やや外れの位置に落ちたとはいえ計らずも敵の本陣へ近づけたようだ。
体勢を立て直して距離を取ろうとするが先に起き上がったマハーカーラに板が立てかけられるように
車体を起こされて身動きが取れなってしまう。
>人に逆らう機械めっ!!恥を知れ!!
「否だ!それが武器<拙者>の意味なればこそ!」
反論したのも束の間、ルーデルはそのまま飛陽を力一杯押して、あちこちの壁や柱にぶつけ
砕きながら疾走していく。一歩も身動きできなくされたその場所は奇しくも当初の目的地であった。
既に多くの木々が枯れ果てた周囲にはアンカーを固定できる程のものは残っておらず、
残った力で声と機銃で壁を破壊しようとするが、火力と時間が不足しており唯一地面に接触している後輪
の力だけでは引き抜くまでには至らない。
この状態では窺い知ることはできないが、自分に止めを刺そうとしている相手は声から察するに
幾分かの余裕を取り戻していたようだった。
「生憎でござるよ、どちらにしても!」
タイミングを合わせて本体と車体の部分を切り離し、勢い良く突撃させるとその後ろには
あのカカシのようなヴォーチカが立っていた。
ヴォーチカ改は車体部分と変形したヴォーチカを強引にくっつけただけの機体である。
分離して変形しなおした手と白亜の塔で体を支え、車体を思い切り蹴飛ばして牽制に使ったのである。
「でもこれで丸腰よ飛陽、このままじゃ」「今のが最後っ屁でござるか」
進退窮まったその時だった。飛陽が『何か』に気付いたのは。懐かしい気配と、力と、存在を感じたのは。
彼女が来ている、どこかは分からないが近くまで来ていると。
「待て、主人が有る内は、でござるな」「飛陽、何を」
飛陽の言わんとしていることが判らずミントが聞き返すが返事をする前に、ルーデルが車体をどかして迫る。
それに合わせて、食らえと吠えるとヴォーチカの頭部が激しく光りだす。
攻撃用のアンジーライトを目眩ましに使い守勢に徹する。
残された力を光量に集中させることで視界を灼く程の光を放つ。光の中心にヴォーチカがいると
却って分かりやすいが直視できない光の中では致命的な攻撃を放つことは難しい。
できるはずのないヴォーチカ本体でのマハーカーラへの防戦を行うには目を奪う他無い。
彼女が近づいて来ていてもそれが精霊機に乗っているとは限らない。にも関わらず飛陽の頭脳はただ一つの
答え以外決して導き出す事はなかった。それは根拠のある答えでも、経験から来る勘でもない。
何故ならそれは彼にとっては絶対であったからだ。
『マズイぞ!殿下が危険だ!殿下を守れ!』
声色を変える偽りの警鐘を鳴らすと、トンネルの入り口でグラハを待ち伏せていた部隊や
防衛戦を構築していた砲撃部隊の注意をこちらに向ける。
しかし近くの壁には不発弾とルーデルがいる。彼らが援護できる地形ではないのだ。僅かに兵を
引き離そうとすると遠方の廃トンネルから列車砲が飛び出し、二重に虚を突かれた部隊が同乗している
グラハに蹴散らされる。一方でヴァーユはまるで聞こえていないかのように変化はない。
(一人でもいい!来い、集まれでござる!寄れば寄るほど拙者は見えなくなっていく!)
有らん限りのハッタリと小細工を以て二人は足掻いた。
「ジェニファーーーー!拙者はここにござるぞーーーーーーーーーー!」
【飛陽、ヴォーチカ本体に分離後に周囲に目眩ましと偽報、遠方にグラハ確認、ジェニファーに呼びかけ】
157 :
名無しになりきれ:2011/05/08(日) 23:14:13.36 0
>>156 ('A`)<鬱です……。
('A`)<懐かしいとですね、今回は自分はスレ主が居る間は関与してませんがね……。
('A`)<あの時はもう本人が戦う意志を決めてたので……。
('A`)<正直自分みたいに図々しく並の精神で無い人間くらいじゃないと荒らしは凹むものです……。
('A`)<本当に残念です……楽しみだったのに……。
('A`)<その方がここを見てたら使ってもらっても構わないくらいです、ここの名無しさんは素晴らしいとです……。
('A`)<ちなみにさくらさんは元気ですよ、義援金7万ポンと出せる人間は羨ましい……。
>633
('A`)<鬱です……。
('A`)<何だかこう書くとスクエニだけショボく見えますね……。
('A`)<ネトゲではサービス中止なのに、課金延期のサービスなんかしない所も多いとですし……。
('A`)<あ…そういやネクソが1億出すって言ってた……。
>634
('A`)<鬱です……。
('A`)<ああ〜ジュークサイトとですか……。
('A`)<カンガンスがヘリで上から原子炉に水を撒けとか……。
('A`)<原子炉が損傷するっての……。
('A`)<……でも放射能数値が基準を超えてたので戻ってきたということはやろうとしたんでしょうね……。
>635
('A`)<鬱です……。
('A`)<それも問題なんです……もうアメリケ産の味は安全性はともかく日本産に追いついてます……。
('A`)<その安くて不味くないコメを日本に流したら、日本の農家はどうなるでしょう?
('A`)<金持ちの外国人が日本のブランド※を食べ、日本人はメリケン※を食べる……。
('A`)<……皮肉な物です……。
>636
('A`)<鬱です……。
('A`)<……ちょ! ルシフェルさんマジ天使!!
('A`)<このようなのはいっぱいやって欲しいとです……。
('A`)<ルシ好きの友人にも紹介しておくとです……。
(´;ω;`)おちんちんきもちいいお
ヴァーチカの頭部が太陽の如く光り輝き、敵部隊に偽りの情報が流される。
光の中心付近にマハーカーラを補足したグラハは猪突し大剣を一薙ぎ。
マハーカーラは間一髪ズルリと巨体を滑らせ剣撃を掻い潜ると三叉戟を振りかざす。
「来たね勇者グラハ!その剣技もまだまだ衰えてはいないようだ!」
「おぬしは!やはりルーデル!!」
刃鳴りも高く火花が散る。絡み合う刃。ギリリと押し合う。
地に映る影が一つになる。
「何故じゃルーデル!?何故、王国に牙を剥く!!
このまま抵抗を続ければ、わしはお主を討たねばならぬ!」
瞬間、轟音が一つ。マハーカーラの巨体が尻餅をついた。
グラハの精霊機が、マハーカーラの胸郭に頭突きを繰り出していたのだ。
「くっ…」
鉄の翼を開き、マハーカーラは空に逃げる。そこへ目掛け遠くの空から迫る熱線。
大気を切り裂き迫る熱線の正体はセラのホーリークルセイド。
空がヴォーチカに負けず劣らず白く輝き、間一髪。
至近距離からのピナーカで熱線を相殺したのはマハーカーラ。
「もうやめて!兄様!!」
セラは、敵の空軍をイスルギーンたちに任せここへ来た。
「セラ」
ルーデルは静かな目でセラを見つめる。
「む!姫君じゃと!?」
瞠目するグラハ。三人と機械二人は、ついに白亜の塔で対峙した。
>「ジェニファーーーー!拙者はここにござるぞーーーーーーーーーー!」
「・・・・・!!(とびかげー!!)」
光源にむかい戦車は直走っていた。そう、太陽を目指して伸びる植物のように。
しかしその光源も近づけば近づくほど弱弱しくなり強さを失ってゆく。
「もう、ヴォーチカはもたないわ。数分で鉄の棺になる…。今のうちに脱出しましょう」
ミントは飛陽のコアとなる箱を手にとって、コードに手をかける。
「あ、そうそう。ヴォーチカにプログラミングして最後に何か自律行動を…。
えっと、そうね…。あの不発弾にしがみついて自爆とかはどう?」
そう言ってミントは飛陽の意識が宿る箱を手に持ち、点滅するヴォーチカの計器類にキス。
そして操縦席から人間離れしたジャンプを見せるとジェニファーに向かって一目散に逃走する。
主を失ったヴォーチカだったがプログラム通りに不発弾を目掛けゆっくりと歩いていく。
「ここよ。ジェニファー」
ミントが手をふると急停止する戦車。ミントは戦車に乗って飛陽を再びセット。
「あとは皆で逃げるだけね」
再び飛陽となった戦車の操縦席で、ミントは一息ついていた。
人間離れした動きをルーデルに見られていたことにも気がつかず。
* * *
「あれは機械人形!?」
ミントの存在に気がついたルーデル。だが背後のヴォーチカには気がついていない。
ミントはセラとグラハにヴォーチカの自爆のむねを内線で伝える。セラが横目で街道を見れば飛陽&ミントがいる。
「ちょっと強引過ぎじゃない?ミントさん」
「時は一刻を争うの。それに誰かが塔に入って不発弾を誘爆するよりもましだわ…」
「くっちゃべっておる暇はありませぬぞ姫君!敵軍も集結しつつあります。
わしが殿(しんがり)を務めますゆえ、撤退いたしましょう!マハーカーラとの勝負はあとまわしですじゃ!」
グラハが大剣を構えマハーカーラの注意をひくと、邪魔をするなとばかりにマハーカーラは三叉戟を構える。
「機械人形を逃すな!戦車だ!あの戦車を止めろ!!」
メドラウトの私設軍が本格的に動き出す。金に物を言わせASLから購入した最新型の精霊機。
宙に浮く箱たちは、分離機能を撤廃しコストダウンに成功した小型のホロウ・クロウラと言ったところ。
やはり手元には強く使いやすい駒を置いていたのだろう。レーザーターレットから無数の光槍が放たれる。
彼らは飛陽の足止めをするつもりらしいが、動きが止まってしまった時点で爆発からは逃れることは困難になる。
つまりゲームオーバーなのだ。
160 :
名無しになりきれ:2011/05/10(火) 21:53:12.17 0
>>158-159 ('A`)<鬱です……。
('A`)<懐かしいとですね、今回は自分はスレ主が居る間は関与してませんがね……。
('A`)<あの時はもう本人が戦う意志を決めてたので……。
('A`)<正直自分みたいに図々しく並の精神で無い人間くらいじゃないと荒らしは凹むものです……。
('A`)<本当に残念です……楽しみだったのに……。
('A`)<その方がここを見てたら使ってもらっても構わないくらいです、ここの名無しさんは素晴らしいとです……。
('A`)<ちなみにさくらさんは元気ですよ、義援金7万ポンと出せる人間は羨ましい……。
>633
('A`)<鬱です……。
('A`)<何だかこう書くとスクエニだけショボく見えますね……。
('A`)<ネトゲではサービス中止なのに、課金延期のサービスなんかしない所も多いとですし……。
('A`)<あ…そういやネクソが1億出すって言ってた……。
>634
('A`)<鬱です……。
('A`)<ああ〜ジュークサイトとですか……。
('A`)<カンガンスがヘリで上から原子炉に水を撒けとか……。
('A`)<原子炉が損傷するっての……。
('A`)<……でも放射能数値が基準を超えてたので戻ってきたということはやろうとしたんでしょうね……。
>635
('A`)<鬱です……。
('A`)<それも問題なんです……もうアメリケ産の味は安全性はともかく日本産に追いついてます……。
('A`)<その安くて不味くないコメを日本に流したら、日本の農家はどうなるでしょう?
('A`)<金持ちの外国人が日本のブランド※を食べ、日本人はメリケン※を食べる……。
('A`)<……皮肉な物です……。
>636
('A`)<鬱です……。
('A`)<……ちょ! ルシフェルさんマジ天使!!
('A`)<このようなのはいっぱいやって欲しいとです……。
('A`)<ルシ好きの友人にも紹介しておくとです……。
(´;ω;`)おちんちんきもちいいお
光を挟んで睨み合っていると、今度は駆けつけたグラハがルーデルと切り結ぶ。
重量型の機体でありながら、それでもマハーカーラの他の長所を封じながら押しこんでいく当たり
接近戦においては相当の手練れであると分かる。
軽量型なら機敏さで翻弄し、重量型なら力ずくで押すというのがそれぞれの基本的な接近戦のあり方だ。
しかし機体の長所がはっきりしている場合それを生かした戦い方をさせてもらうことは難しい。
言い換えれば相手の土俵で戦わないことが重要になってくるからだ。
充分に加速が乗っていたために接敵したグラハはそのまま数合打ち合った末に頭突きでダウンを奪う。
そして空へ逃れたルーデルをセラが狙い撃ちするも空に正視が困難なほどの陽炎が生じる。
(間一髪、どうやら首も繋がったようでござる)
3人のやりとりの隙に逃れようとする飛陽だがヴォーチカの体は軋む音を立てるばかりで動きは遅い
ままだった、このままではミントの言う通りになる。そう思い次の手を考えようとすると意識がぶつり、と切れる。
次に目を覚ました時には視点や感覚が随分懐かしいものに戻っていた。
「!動力切れでござるか!あ、危うく完全に落ちる所でござった・・・」
数十秒の間にこちらと向こう、機体の変更、味方の撤収準備に考察と理解が追いつかないでいると、
ミントからバックログとでも言うべき情報が送信される。説明の手間が省けるのが機械の旨みといった所か
「ジェニファー・・・」
状況が飲み込めると機械は帰ってきた主人の名を呼ぶ。消耗しきった体は今にも枯れ朽ちて
しまいそうだった。できたのか、できなかったのかはこの際問うまい。全く、自愛に欠ける植物である。
そう決めると飛陽は新しい自分の体に火を入れ、自覚し、掌握する。
それは偶然の一致なのか、それともジェニファーに纏わる因果なのか。この機体は飛陽タイプの雛形とも
言える機体だった。森の外で彼女が初めて見た機械。戦闘用として発掘されたいくつかの車両型を元に
通常の、作業用としての車両型が発展していった。その後車両型を戦闘用に改修したとき、この姿へと回帰
したのはある種の必然だったのかも知れない。
三両はないが不思議な力を感じる。ジェニファーからは然程力を送られていないが頼りなさはない。
目の前で這いずり目標へ近づいてゆくヴォーチカを見つつ後退を始める、ミントとセラ達と何やら話しているが
強引だと思うのは飛陽も同意だった。ただ気になったのはルーデルの反応の変わり様だ
「お主は本当にモテモテでござるな」
どうやら目的の器物らしいミントにこぼすと全速で走りだす。本来なら兄妹水入らずの一つもこさえて
やりたいが、それどころではない。歩きの時に比べてヴォーチカの進みがかなり早いのだ。
(最初っからああしていれば・・・)
そうは言ってももう遅い。逃げる先には無数の敵機がひしめいているのだ。
「各々方もお早く!巻き込まれてしまうでござるよ!」
敵の火線が自分に集中することが予想できると飛陽は自分の中の"古くて新しい力"に集中する。
「罷り通る!早速ヤルでござるよ!」
ジェニファーにもう少しだけ力を分けてもらい、状況を打破する為の術を使用する。
「いざ!火木遁、火<ホ>ノ嘘吹きの術!」
埃に塗れ苔生した車体はむしろ生き生きと野を馳せた。その背ににわかにフキの葉が芽吹き
大きな向日葵ほどの大きさに成長し密生する。
レーザーターレットから放たれた攻撃が当たったフキの葉は雨だれにしなるかの様にゆらめき、燃え広がる。
次々に注がれる光線を受け止めた葉は炎上し飛び陽炎を包む。
しかし次の瞬間、火の手が最大まで膨らむと大輪の火花をつけたフキの葉は空へと飛び散り、真っ赤に咲き誇る。
その間にも新たな葉が生えては燃えて、燃えては飛んで爆散するのを繰り返す。
元はと言えばいつかに遭遇したとある相手の使ってきた光学兵器に対抗するために編み出した技であったが
その傾向と対策がここで役立ったのは飛陽にしてもやや意外であった。
あまり高高度までは登らないため攻撃の役には立たないが防御面としての役割は充分にこなしている。
「やっぱりこの体は最高でござる!」「やっぱりこっちの方が似合ってるわね」
取り立てて武装らしき物も無く背中を丸焼けにして追っ手に撃たれながらも飛陽は歓声を上げた。
「自分」にとって全てがあるべき場所に戻った、自然な感覚に。
まだ離脱の済んでいない者の残る戦場を確認するとそこにはセラ達とルーデルの反応も含まれていた
(此奴等を何とかせねば、援護には行けぬか)
自分を追ってくる敵影は徐々にその数を増している。
【飛陽、逃亡中につき追手が多数、味方の状況確認、乗り継ぎ完了!】
163 :
名無しになりきれ:2011/05/13(金) 22:19:08.42 0
おちんちんきもちいいお(´;ω;`)
(´;ω;`)おちんちんきもちいいお
おちんちんきもちいいお(´;ω;`)
(´;ω;`)おちんちんきもちいいお
おちんちんきもちいいお(´;ω;`)
(´;ω;`)おちんちんきもちいいお
おちんちんきもちいいお(´;ω;`)
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おちんちんきもちいいお(´;ω;`)
(´;ω;`)おちんちんきもちいいお
おちんちんきもちいいお(´;ω;`)
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おちんちんきもちいいお(´;ω;`)
(´;ω;`)おちんちんきもちいいお
おちんちんきもちいいお(´;ω;`)
地上で身構えるグラハ。その精霊炉は熱く燃え蒸気が立ち昇っている。
60年来、数多くの修羅場を潜り抜け、老兵の命を守ってきた大盾にはたった今し方、幾筋もの深い亀裂が生じた。
数回斬り結んだだけだと言うのに、敵の三叉戟は鍛え抜かれた大盾を使いものにならなくしていたのだ。
白い髭の奥で口元がゆるむ。血が騒ぐ。勇者だったころ、少年だったころの気持ちが鮮明に甦る。
「さすがはティルネラントの王子。神憑っておる。
もう一撃受けておれば、精霊機ごと胴から上が無くなっておったわい」
グラハは大盾を切り離す。重い音。砂煙の下、自重で砕け散る大盾。
「邪魔をするなグラハ。お前は大人しく地べたを這いずり回っていろ」
グラハを一瞥し、ルーデルは空から視線で飛陽を射抜いた。
老兵は小さく舌をうった。
「流石に地上には降りてこんか。
倒すには爆発の中に放り込むしかないのかも知れぬ…」
独りごちるグラハを尻目に、ルーデルはセラとグラハを無視して飛陽の追撃を始める。
ルーデルの欲しているもの。それは機械人形ミント。
ここにいるグラハと空戦を続けているイスルギーンは機巧童子の秘密を知っていたのだろう。
だからこそ、凶行に走ったメドラウトが何をするのか予想し、この作戦を考えたのだ。
―――すでに兄と交わす言葉は、セラにはなかった。
陰謀と術策の蛇の巣である王宮で育った兄妹の心に差ほどの違いもなく兄の心も痛いほど分かる。
機械人形を土産にメドラウトと協力し、王国の覇権を手中に収める。
今までそんな考えも、幾度と無くセラの脳裏をよぎっていた。ボタンを一つ掛け間違えば、ルーデルは自分だったのだ。
ただ――
飛陽を追いかけるマハーカーラの背が、セラには滑稽にみえた。
「男って、我侭な生き物ね…」
セラはルーデルの死を望んだ。
「グラハ、あなたはトンネルまで逃げなさい!私は飛べる!だからだいじょうぶ!
飛陽さんたちも機械だから、そう簡単には死なないわ!!」
「うぬっ…姫君。……わかりましたじゃ!ご武運をお祈りいたしておりますぞ!!」
グラハは逡巡したのちトンネルへの道へと急ぐ。
* * *
廃墟の道を土煙をあげ疾走する飛陽。それを追いかけるのは量産タイプのホロウ・クロウラ。
背後にはマハーカーラ。飛陽にみるみるうちに追いつく。
ホロウ・クロウラから繰り出される無数の光槍で飛陽の背の植物が飛んでは爆ぜる。
土煙と混濁した植物の粒子が、追いかけるマハーカーラの機体に何度も浴びせられる。
意を決し、セラは背後からルーデルに言葉を投げつける。
「兄様。機械人形の尻を追いかけるのもよいのですが、少しは自分のなさってきたことを振り返ってみてはいかが?
塔に打ち込まれて不発に終わった精霊弾。今はどうなっているのかしら?」
ヴァーチカは、今まさに不発弾に抱きつこうとしていた。
自爆。ルーデルは一瞬で悟る。
ルーデルはマハーカーラの機体が軋むほど急激に反転させヴァーチカに迫る。
その時だった。漆黒の機体に異変が起きたのは。
マハーカーラから蛸の足の如くぐんぐんと生える森の植物たち。
飛陽の背に乗ってやってきた森の命が、機体を包み込み動きを止めている。
「これは?なんだッ!?」
揚力を奪われ地に落ちるマハーカーラ。噴口の炎に焼かれても何度も甦り絡みつく植物たち。
「そんな…。こんなものが!?」
植物の根はマハーカーラの心臓部。クリスタルに眠っているダイコクテンまで達していた。
そして――
ヴァーチカは雄たけびをあげ自爆。続いて精霊弾も大爆発。瞬間、白亜の塔は巨大な火柱に包まれる。
火柱は赤い空を吹き飛ばし、本来の青い空を甦らせ
続いて高エネルギー波が大地を掘削し津波のように廃墟を飲み込んでいった。
166 :
名無しになりきれ:2011/05/14(土) 18:47:14.51 0
>>164-165 ('A`)<鬱です……。
('A`)<懐かしいとですね、今回は自分はスレ主が居る間は関与してませんがね……。
('A`)<あの時はもう本人が戦う意志を決めてたので……。
('A`)<正直自分みたいに図々しく並の精神で無い人間くらいじゃないと荒らしは凹むものです……。
('A`)<本当に残念です……楽しみだったのに……。
('A`)<その方がここを見てたら使ってもらっても構わないくらいです、ここの名無しさんは素晴らしいとです……。
('A`)<ちなみにさくらさんは元気ですよ、義援金7万ポンと出せる人間は羨ましい……。
>635
('A`)<鬱です……。
('A`)<それも問題なんです……もうアメリケ産の味は安全性はともかく日本産に追いついてます……。
('A`)<その安くて不味くないコメを日本に流したら、日本の農家はどうなるでしょう?
('A`)<金持ちの外国人が日本のブランド※を食べ、日本人はメリケン※を食べる……。
('A`)<……皮肉な物です……。
>636
('A`)<鬱です……。
('A`)<……ちょ! ルシフェルさんマジ天使!!
('A`)<このようなのはいっぱいやって欲しいとです……。
('A`)<ルシ好きの友人にも紹介しておくとです……。
(´;ω;`)おちんちんきもちいいお
「ええい、しつこいと言うに!」
狙って火の花を飛ばすことで徐々に追手を減らしてはいたが能率が上がらず飛陽が焦れた声を挙げる。
回避運動を取りながらの迎撃は否応なく退避する速度を遅らせる。それでも到達目標だった白亜の塔を
通り過ぎて大分距離を稼いだはずだった、しかし
「飛陽、来た!」
自分に価値が無くなったかと思えばルーデルは、今度はミントに執着があるようだった。
望みのものが尽く目の前に現れては反抗してくる辺り相当運が悪い。だがそれが逆にこの男に
今日までの執念を育んだのだろう。
多少の被弾は已むを得ないと直線で逃げようとするがそれでも距離が稼げない。
その時排気口から濃い土煙が一気に吹き出す。飛陽はメンテもしていない機体が異物でも吐き出した
のかと思ったが、これはジェニファーが個人的に行なったものだった。
ただその煙を物ともせずに、あと少しという距離まで迫るとマハーカーラが急旋回した。セラが何かを
ルーデルに言ったようだった。飛びついていった先にはヴォーチカがいる。何を思ったかは想像が付いた。
ここで追いつかれるのも不味いがヴォーチカが破壊されるのもまた問題だった。
>これは?なんだッ!?
あと一歩の所で驚愕の声が聞こえ、見やるとマハーカーラに次々と植物が根を張っていくではないか。
少なくともあのような武装は飛陽には搭載されていない。仲間を活かそうとするジェニファーの
苦肉の策だった。
植物は生きることに関しては貪欲なまでにポジティブである。力の正体や聖邪に関係なく自分たちを
活かすための糧としてしまう。マハーカーラほどの力を持った者ならばその勢いも凄まじいものとなる。
ついに動きを止められた漆黒の巨人の前で、老人が断末魔の声を響かせると次の瞬間、その場の
全ての者が押しのけられるような、その空間から追い出されるかのような衝撃波と熱波に打たれる。
「ああああぁぁああああっ!」「くおおぉぉぉおぉ!」
回線が焼ききれそうな中で飛陽は飛ばされないように堪えるのに必死だった。
空中では高度が足りなかった者や上手く対処出来なかった者が次々と吹き飛ばされていった。
正しく視認できたのは火柱が塔を飲み込んだ所までで、その他の事は分からない、
今となってはただもうもうと辺りに黒煙と爆発の余韻が残るばかりだった。
そこには以前の白さ等はどこにも見当たらなかった。
「や、やったでござるか・・・」
飛陽は誰に言うでもなく確かめるように呟いた。
【飛陽、熱波の耐えた後にルーデルの撃破を確認しようとする】
168 :
名無しになりきれ:2011/05/17(火) 22:02:01.01 0
>>167 tyun_kichi .ちゅん吉.
@ @Stripes_WA よろしくぅ!!
5月15日 お気に入り リツイート 返信 ≫
tyun_kichi .ちゅん吉.
11時くらいにプラント収穫しますよ!!
5月15日 お気に入り リツイート 返信 ≫
tyun_kichi .ちゅん吉.
@ @Stripes_WA うぇい!ありがとうさぎ…!
5月15日 お気に入り リツイート 返信 ≫
tyun_kichi .ちゅん吉.
ねぇ待ってwwwwぷりたものついったのプロフィールwwwwつらい!!!!
5月15日 お気に入り リツイート 返信 ≫
tyun_kichi .ちゅん吉.
ちゅんさん今日カラオケから参加でも大丈夫かな…orz 体力がやばい
5月15日 お気に入り リツイート 返信 ≫
tyun_kichi .ちゅん吉.
@ @pplplplpplp がんばってら…\(^o^)/!!
5月15日 お気に入り リツイート 返信 ≫
tyun_kichi .ちゅん吉.
@ @nurunurumuru いびきとか聞いてない聞いてない
5月14日 お気に入り リツイート 返信 ≫
tyun_kichi .ちゅん吉.
@ @nurunurumuru 見事に…
5月14日 お気に入り リツイート 返信 ≫
tyun_kichi .ちゅん吉.
さっき通話入れなくてごめおおお\(^o^)/
5月13日 お気に入り リツイート 返信 ≫
tyun_kichi .ちゅん吉.
@ @pplplplpplp なん…だと…www泣くほど甘いの作ってったるな(^ω^b)グ
5月13日 お気に入り リツイート 返信 ≫
tyun_kichi .ちゅん吉.
@ @pplplplpplp おうお菓子くらいなら作ってくよ冬!…アッ、、なおちゃん甘いのだめだったっけw
5月12日 お気に入り リツイート 返信 ≫
tyun_kichi .ちゅん吉.
パイ生地伸ばすのすげー上手くなったし(白目)
5月12日 お気に入り リツイート 返信 ≫
tyun_kichi .ちゅん吉.
@ @Stripes_WA だいぶ違うなwww
5月12日 お気に入り リツイート 返信
【おちんちんぺろぺろぽん】
とてつもない爆発。セラはセラフィーの光の翼で飛陽を包み込み守る。
>「や、やったでござるか・・・」
「そうね…。やったみたいね…」
爆発で、大地を削った精霊弾は巨大なクレーターを生み出していた。
白亜の塔という電波塔を失ったヴァーユたちも元の石像へと戻り地に落ちてゆく。
溶けかけた白い月が蒼天に浮かびあがっている。
冷たい空を見上げ、王女はかなしい気持ちに包まれた。
もうこの世に兄はいない。メドラウトも。
力の大半を内部抗争に費やした王国も義勇軍に大敗するだろう。
すべては終わるのだ。
「あ。あれを見て」
機械人形が指をさす。目を移せばそこには小さな森。
マハーカーラの残骸から、ダイコクテンの精霊力によって森の木々が芽を吹いていたのだ。
いつの日か森は甦るだろう。遠いいつの日にか。
「昨日の花は、今日の夢…」
誰の言葉か。ミントはつぶやいた。
>>169 スカID:sasimi_rage
寂しいので話し相手なって下さいカス野郎w
光が瞬くまでの僅かな間に多くのことがあった。
「高度を上げよ!負傷している者は肩を貸してやれい!吹き飛ばされるなよ!」
グラハから連絡を受けたイスルギーンが撤収の指揮を執り、味方が去っていくその一方で、
白亜の塔ではメドラウトが静かに機巧童子を見上げていた。
「遅かれ早かれ、こうなるのはわかってたでおちゃる。終わりの形がここに現れただけのこと・・・・・・」
真っ黒な殻の中が真っ白に照らされて行くにつれ、ある男の目が暗く閉じていく。
瞼の裏側に、今日まで景色を繰り返しながら
----------------------------------------------------------------------------------
今を迎えるより少し前、踏ん張りきれずに飛ばされかけた飛陽たちの前に、セラフィーが降り立ち
翼を広げる。車体を固定していた根も何とかちぎれずに済む。
かたじけないと礼を言うと、飛陽があることに気づく。
(・・・・・・ん、これは、あ、明らかに時間が早く進んでいるでござる、いったいこれは・・・・・・!)
白一色の外を窺い知ることはできず、ただ内部時計が本来では有り得ない速度で時を数えていた。
故障かとゆっくり数えようとするが、機械である飛陽の時間も同様に加速してしまい確認できない。
代わってジェニファーがゆっくり数えると一秒あたりにかなり時間が経過していることが判明する。
(と、時がきし、む・・・・・・!)
やがて白い暗幕が開かれると、先程までいた戦場が一介の荒野へと変じており、空には
太陽に代わり月が登っていた。
戦いと爆発の余韻から気付いた者は少ない、というよりそもそもこの場に無事でいる者が極少数だった。
白亜の塔が消えて、それに伴い機巧童子とゲートが閉じた際に元に戻ろうとした世界が
時間までも引き寄せたのだろうか、今となっては分からないことだった。
セラが自分の言葉を受けて戦いの終わりを告げる。
あれもこれもと欲しがった子どもは、結局何を手に入れることもなく最後の眠りに付いたらしい。
何も残っていない地に、石の雨が振ったもののそれも直ぐ止んだ。
ミントの小さな呟きを聞きながら周囲を見渡すと、勝利を感じさせないセラフィーの姿を見つけた。
その理由はこれまでのマハーカーラとの間にあった会話から、なんとなく察しが付いた。
何に答えるでもなく、飛陽もまた、呟く。
「人は一人では生きられぬ、とは良く言うでござるが、あれは事実にござる」
ゆっくりと、淡々と
「一度この世に生まれれば、必ず人から嫌われ、そして恨まれる。
それ故に、人は一人では生きられぬ、人は一人では生きられぬのでござるよ」
ー夢々お忘れあるなー
静かにそう告げると新たな息吹に視線を移す。生き物とは容赦の無いものだ。あれだけの
猛威を振るった相手の亡骸にさえ、遠慮など無しに根を張るのだ。
人気も消えて冷え始めた夜気を車体に頬張りながら、彼は帰り支度をする。
「・・・・・・一応はこれで此度の遠征は完了でござる、これからミント殿は如何なさるおつもりか」
聞けばミントは出撃前と変わらぬ答えを、前よりは温度が感じられる言い方で言ってくる。
容赦がないと思いながら、今度はセラに聞く。
「お主はどうするのでござるか」
聞いてどうする分けでもない。自分は帰るが、彼女はどうするのか、そんな意図さえ含まない
素朴な疑問だった。
戦場跡に流れる風は止むことを知らずに吹き続けている。だがその中に
季節の変わり目を知らせる匂いがあったことに、サボテン以外に気付いた者はいなかった。
173 :
名無しになりきれ:2011/05/21(土) 02:05:38.70 0
>>171-172 ('A`)<鬱です……。
('A`)<懐かしいとですね、今回は自分はスレ主が居る間は関与してませんがね……。
('A`)<あの時はもう本人が戦う意志を決めてたので……。
('A`)<正直自分みたいに図々しく並の精神で無い人間くらいじゃないと荒らしは凹むものです……。
('A`)<本当に残念です……楽しみだったのに……。
(´;ω;`)おちんちんきもちいいお
砕け散った白亜の塔の土台が、水盤の如く零れ落ちる月明かりを集めていた。
今や月の光を浴びた風景は雷光に浮かび上がる一枚の絵のようだ。
明るいところでは輪郭がなく、暗いところだけが不自然な彫刻の群を成す。
>「お主はどうするのでござるか」
戦車の問いに沈黙が落ちる。
何か非常に壊れやすい貴重なものを支えているような沈黙が。
王女は沈思し、自分に言い聞かせるようにゆっくりと答えた。
「王国へ帰ります。メドラウトの反乱で混乱した祖国を鎮静しなければなりません…」
冷淡な声だった。
そこには、世を忍ぶ仮の姿のセラはなく、ティルネラント王国第四王女の姿があった。
ただ―――その心は飛陽たちへの思いであふれている。
政争から逃れたセラが、孤独な戦場で出会った友人たちへの思いが……
彼女は夜空を見上げ、心に浮かぶ言葉を口にする。
「ありがとう」
それが最後の言葉だった。
精霊機セラフィーは光の翼を広げ、風を掴むと東の空へ一瞬で消える。
東の空。星の集団から離れて、一際輝く一つの星がみえた。
東方の占星術によればそれは獅子の牙を司る。
天に輝く獅子の牙は力強く孤高に輝いていた。
――――それから幾許かの時が流れる。
エウロペアではゆるやかな変革が訪れていた。
終戦を契機にエウロペアから離れ東の大陸に渡る者たちがいた。
彼らは開拓民として生きる道を選んだ者たちである。
また、エウロペアに残って生きる者たちもいた。
どちらにしても彼らには一点の曇りもなかった。
戦争は終結し、彼らには無限の未来が拓けていたからである。
176 :
名無しになりきれ:2011/05/25(水) 03:13:15.63 O
>>156 ('A`)<鬱です……。
('A`)<懐かしいとですね、今回は自分はスレ主が居る間は関与してませんがね……。
('A`)<あの時はもう本人が戦う意志を決めてたので……。
('A`)<正直自分みたいに図々しく並の精神で無い人間くらいじゃないと荒らしは凹むものです……。
('A`)<本当に残念です……楽しみだったのに……。
('A`)<その方がここを見てたら使ってもらっても構わないくらいです、ここの名無しさんは素晴らしいとです……。
('A`)<ちなみにさくらさんは元気ですよ、義援金7万ポンと出せる人間は羨ましい……。
>633
('A`)<鬱です……。
('A`)<何だかこう書くとスクエニだけショボく見えますね……。
('A`)<ネトゲではサービス中止なのに、課金延期のサービスなんかしない所も多いとですし……。
('A`)<あ…そういやネクソが1億出すって言ってた……。
>634
('A`)<鬱です……。
('A`)<ああ〜ジュークサイトとですか……。
('A`)<カンガンスがヘリで上から原子炉に水を撒けとか……。
('A`)<原子炉が損傷するっての……。
('A`)<……でも放射能数値が基準を超えてたので戻ってきたということはやろうとしたんでしょうね……。
>635
('A`)<鬱です……。
('A`)<それも問題なんです……もうアメリケ産の味は安全性はともかく日本産に追いついてます……。
('A`)<その安くて不味くないコメを日本に流したら、日本の農家はどうなるでしょう?
('A`)<金持ちの外国人が日本のブランド※を食べ、日本人はメリケン※を食べる……。
('A`)<……皮肉な物です……。
>636
('A`)<鬱です……。
('A`)<……ちょ! ルシフェルさんマジ天使!!
('A`)<このようなのはいっぱいやって欲しいとです……。
('A`)<ルシ好きの友人にも紹介しておくとです……。
(´;ω;`)おちんちんきもちいいお
176 名無しになりきれ 2011/05/25(水) 03:13:15.63 O
>>156 ('A`)<鬱です……。
('A`)<懐かしいとですね、今回は自分はスレ主が居る間は関与してませんがね……。
('A`)<あの時はもう本人が戦う意志を決めてたので……。
('A`)<正直自分みたいに図々しく並の精神で無い人間くらいじゃないと荒らしは凹むものです……。
('A`)<本当に残念です……楽しみだったのに……。
('A`)<その方がここを見てたら使ってもらっても構わないくらいです、ここの名無しさんは素晴らしいとです……。
('A`)<ちなみにさくらさんは元気ですよ、義援金7万ポンと出せる人間は羨ましい……。
>633
('A`)<鬱です……。
('A`)<何だかこう書くとスクエニだけショボく見えますね……。
('A`)<ネトゲではサービス中止なのに、課金延期のサービスなんかしない所も多いとですし……。
('A`)<あ…そういやネクソが1億出すって言ってた……。
>634
('A`)<鬱です……。
('A`)<ああ〜ジュークサイトとですか……。
('A`)<カンガンスがヘリで上から原子炉に水を撒けとか……。
('A`)<原子炉が損傷するっての……。
('A`)<……でも放射能数値が基準を超えてたので戻ってきたということはやろうとしたんでしょうね……。
>635
('A`)<鬱です……。
('A`)<それも問題なんです……もうアメリケ産の味は安全性はともかく日本産に追いついてます……。
('A`)<その安くて不味くないコメを日本に流したら、日本の農家はどうなるでしょう?
('A`)<金持ちの外国人が日本のブランド※を食べ、日本人はメリケン※を食べる……。
('A`)<……皮肉な物です……。
>636
('A`)<鬱です……。
('A`)<……ちょ! ルシフェルさんマジ天使!!
('A`)<このようなのはいっぱいやって欲しいとです……。
('A`)<ルシ好きの友人にも紹介しておくとです……。
(´;ω;`)おちんちんきもちいいお
保守
>>178 177 名無しになりきれ sage 2011/05/29(日) 03:01:37.02 O
176 名無しになりきれ 2011/05/25(水) 03:13:15.63 O
>>156 ('A`)<鬱です……。
('A`)<懐かしいとですね、今回は自分はスレ主が居る間は関与してませんがね……。
('A`)<あの時はもう本人が戦う意志を決めてたので……。
('A`)<正直自分みたいに図々しく並の精神で無い人間くらいじゃないと荒らしは凹むものです……。
('A`)<本当に残念です……楽しみだったのに……。
('A`)<その方がここを見てたら使ってもらっても構わないくらいです、ここの名無しさんは素晴らしいとです……。
('A`)<ちなみにさくらさんは元気ですよ、義援金7万ポンと出せる人間は羨ましい……。
>633
('A`)<鬱です……。
('A`)<何だかこう書くとスクエニだけショボく見えますね……。
('A`)<ネトゲではサービス中止なのに、課金延期のサービスなんかしない所も多いとですし……。
('A`)<あ…そういやネクソが1億出すって言ってた……。
>634
('A`)<鬱です……。
('A`)<ああ〜ジュークサイトとですか……。
('A`)<カンガンスがヘリで上から原子炉に水を撒けとか……。
('A`)<原子炉が損傷するっての……。
('A`)<……でも放射能数値が基準を超えてたので戻ってきたということはやろうとしたんでしょうね……。
>635
('A`)<鬱です……。
('A`)<それも問題なんです……もうアメリケ産の味は安全性はともかく日本産に追いついてます……。
('A`)<その安くて不味くないコメを日本に流したら、日本の農家はどうなるでしょう?
('A`)<金持ちの外国人が日本のブランド※を食べ、日本人はメリケン※を食べる……。
('A`)<……皮肉な物です……。
>636
('A`)<鬱です……。
('A`)<……ちょ! ルシフェルさんマジ天使!!
('A`)<このようなのはいっぱいやって欲しいとです……。
('A`)<ルシ好きの友人にも紹介しておくとです……。
(´;ω;`)おちんちんきもちいいお
ここもう終了してっからやるなら新しくスレ作った
方がいいぞ、荒らしツールも使われてるっぽいし
181 :
名無しになりきれ:2011/06/20(月) 06:35:31.15 O
終了したスレでツール剥がし忘れるとかとんだ赤っ恥だよね
183 :
名無しになりきれ: