ファンタジーロボット大戦2

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93飛陽代理
傍目には戦闘続行はできそうにない巨人を見遣りながら飛陽はしかし、その様子を不審に思っていた。
(単なる沈黙・・・と考えるわけには行かぬでござるな、あれだけ暴れて撤退でも反撃でもなく沈黙、
ここは様子見もせずに退いたほうよさそうでござる)
飛陽がそう考えマリーウェザーに声をかけようとしたその時、巨人に変化が現れた。

水晶から何か飛び出すかと思えば目玉が除いている。やはりまだ奥の手があるようだが・・・
「・・・!ジェニファー突然何を!?・・・わ、わかったでござる。マリー殿!上昇でござる!
拙者たちの出力を限界まで上げるんでござる!『何か』が起こる前に少しでも上に行けとジェニファーが言ってるでござる!」

飛陽は己の主であるサボテンの警告に従いマリーに自分たちに乗ってなるべく高度まで飛行することを促す。
「これ以上何かあるとしても拙者にいたっては文字通り『撃つ手がない』でござるからな」
逃げるが勝ちでござるよ、と言うと自分の精霊炉の出力を上げ始めるともう一度巨人、アルタイテンを見つめる。

(あの不死身さ、攻略にはいささか手間が必要でござる・・・)
この大型機への対策は自分のカタログとは別途に考えておく必要がある。逃走準備を整えつつ
無人の戦車は巨人の黒水晶に映る眼球の動きを追う。そしてあることに気が付く。
(ターゲットは生き残っている機体ではないのでござるか・・・?)

しかしそれでもジェニファーの命は絶対である。そしてわざわざこのサボテンが口を出してくる
時は決まっていつも重大な危機が迫っている時だけである。そして今回もまたそうに違いなかった。

【飛陽、ジェニファーの警告を受けマリーウェザーに避難勧告及び自身の避難準備】
備考:アイアンクロウ打ち止め