人間とエルフTRPGスレ

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157マイノス代理
>「気が付いたみたいだな少年。此れしきの事で気を失うとはな……。情けないぞ。」
「いぃだぃ!あ"あ"あ"でも通り抜げなぐてよがっだああ」
心配した矢先に相手の方から拳骨が振ってきてマイノスの頭に突き刺さる。良かった彼女は元気だ。
実際のところイーネのやろうとしている事にも、カナの心配することにもマイノスは今のところ
あまりよく分かっていなかった。

というのもマイノスには「強力なゴーレム」というものの経験がないことと、相手がゴーレムならという
油断とも余裕ともとれる気持ちがあったからである。ゴーレム、古くから魔法使いとは縁の深い土人形たちの
ことだ。体力がない、背が低い、必ずと言っていいほど心身のどこか病んでいる魔術士たちの活動のお供には
彼のような存在は必要不可欠だ。現に魔術師ギルドや魔法を習えるような場所では倉庫整理や授業の一環
としてゴーレムを作ることもある。

簡単に作れるものでもないがその実績から国の戦力として迎えられる程のゴーレムだが、製作者にもよるが
概ねゴーレムを操っている術士が弱点というのは今も中々改善されないという弱点がある。現に今も
いくつかの国でゴーレム製作のコンテストが開かれるなど製作競争が行われているくらいだ。しかしそのたびに
対策が練られるのは対術師のものばかりである。そしてマイノスも一応はそのノウハウは習っている。

ここのエルフ達から教えてもらった「悪ふざけ」や攻撃手段の乏しい自分でもなんとかできるという事からマイノスは
すっかりゴーレムには油断していた。そんな彼の懸案事項は鉱山で戦った犬やその術士との直接対決に絞られて行った。
「ああうう、すいませんん、でも、相手がゴーレムなら、術士倒しちゃえばお仕舞いなんじゃないんですかかかかか」

なおも頭をぐりぐりされながらそんなことを言う。マイノスはついでに、犬のほうが怖いと言うとやっと開放された
頭を大事そうに擦り始めた。