人間とエルフTRPGスレ

このエントリーをはてなブックマークに追加
125マイノス代理
暗い夜更けの中、カナの案内で鉱山周辺の森を分け入っていく。段々と森は深くなり
やがて左右はおろか気を抜けば前後さえわからなくなりそうだった。その森は実を言うと
既にエルフの里の一部なのだという。マイノスは奇妙な感覚に目眩を起こしそうだった。
二人とも疲れと夜間ということによる緊張からか口数は少なくなって来ていた。互いに逸れまいと

距離を詰めるが一向にたどり着く気配がない。不安になって聞けばそういう作りで道のり分歩けばちゃんと
着くのだという。途中でどちらともなしに休むかと聞くが一刻も早く寝たかったので結局先を急いだ。
「止まれ!そうだそのままじっとしていろ、こちらいいと言うまで動くんじゃないぞ!」
程なくして二人は唐突に呼び止められる、マイノスは驚いて辺りを見回すが流石に何も見えないが
カナの方は全く動じず「デスポーションは返品されました」と声に応える。

「デスポーション?またお前か・・・」
声の主はすぐ近くの木から下りてきた。ほぼ真上といって良いほどの近さからマイノスは驚いて尻餅を
ついてしまった。相手はどうやら男のようだった、というのもはっきり顔は見えないしエルフは揃って中世的な見た目が
多いので聞いて確認しない限り断定はできないからだ。相手のエルフは続ける。
「随分遅い帰りだな、夜に咲く毒草でも取りに行ったのか?それともこの子供を浚うのに時間がかかったのか?」
と冗談めいた貶し言葉を浴びせてくる。

マイノスは内心ハラハラしたがカナの方は取り合う気はないらしく、手短に鉱山付近で
賊や死霊術士のものと思しき敵と戦い負傷した事と、その手当ての為に里に立ち寄ったことを告げた。
マイノスについては駆け出しの術士でしかし命を助けられたので連れてきたと言う。すると相手の男は血相を
変え付いてこいと言って足早に何処かへ行ってしまった。二人はまず先に休ませて貰いたいと心底思った。