【年齢】 45(独身、離婚暦あり、娘がいる(現在18歳))
【性別】 男
【職業】 世界征服を目論む悪の魔王
【魔法・特技】悪魔の化身を宿らせた強靭なる肉体、冷静な頭脳
【装備・持ち物】 きびだんご(8個)、謎の小袋180袋、ブラックテイル(ナイフ)
【身長・体重】 185cm、80kg
【容姿の特徴、風貌】 金髪のオールバック、黒のサングラス、黒いコート
【性格】 陰険、自己中心的、若干厨2秒的思考
【趣味】 手芸、ペット(愛犬のプリトニーちゃん♀)
【人生のモットー】 人類滅亡
【自分の恋愛観】 俺にひれ伏すがいい
【一言・その他】 世界最強の悪は私だ
3 :
名無しになりきれ:2009/09/28(月) 02:02:41 0
これは期待
【年齢】 22歳
【性別】 男
【職業】 さすらいの騎士
【魔法・特技】 剣技、光・炎・風魔法を操る。短時間なら魔法で空に飛べる。
【装備・持ち物】 古びた細見の剣 旅人風の服
【身長・体重】 172cm 64kg
【容姿の特徴、風貌】 金髪で青い瞳。後ろ髪がやや長めだが、そう長髪では無い。
【性格】 いつもは落ち着いているが、何かあると燃えるタイプ。
基本的には優しい、というよりも甘い。
【趣味】 旅先の町やダンジョン等の散策
【人生のモットー】 人生なんとかなるんじゃないかな
【自分の恋愛観】 性格が穏やかな人となら大丈夫だろう
【一言・その他】 「俺の持っているこの剣に実は、片割れが存在しているらしい。
それを、俺は探している。」
本格的に参加者が出てきたら名前付けて参加するよ
時代はどうなってん?
カイザーとかが活躍した時代の未来?
カイザー関係なしの別世界
世界観もこれから構築
>>6 別世界なら騎士スレの名前出す必要ないじゃん
半端に過去のスレ出すから人が集まらないんだよ
つうかオールドファンタジーならダークで間に合ってるし
9 :
名無しになりきれ:2009/09/30(水) 19:12:52 0
ってか、騎士スレならスレタイは「騎士よ、今こそ立ち上がれ」だろ
こっちが本格稼働したらどっちにしろ浸食してくるだろ
13 :
名無しになりきれ:2009/10/04(日) 17:18:34 0
じゃあ本格稼動しようじゃないの
つまり、完全新規で始めるのか?
前どんなのがあったのか知らんが
15 :
ヤム飯:2009/10/04(日) 17:42:22 O
警告する
完全新規でやるならスレも新規でやれ
騎士スレとは無関係なのに騎士スレの看板を使うな
>>15 お前が本物なら、騎士スレが終わった時に明かすと言っていた
衝撃の事実とやらを明かしてからモノを語れ
ってか、カイザーがいた時代の未来でもいいんじゃね?
200年後以上未来なら一部の過去コテ以外は生きちゃいないだろ
>17
昔黒刃スレは300年後に設定したが普通に過去のコテが参加してたぞw
知らんスレだな
黒刀スレとかの後手キャンセルがどうも受け付けないんだよな
それならスルーしろよと
レスした人間からすりゃどっちも無かった事にされたのには変わりないしな
じゃあドラゴンボール探しに行こうぜ!
よし、ファルコン呼んで来い
24 :
名無しになりきれ:2009/10/12(月) 23:18:51 0
参加者募集中age
今なら新シリーズ新規参加可能
25 :
名無しになりきれ:2009/10/13(火) 19:28:35 0
コテよ、今こそ立ち上がれ!!
テックなパワーで世界征服だ!
テックって何さ!
振り返らないことさ!
古いネタだな
30 :
名無しになりきれ:2009/10/18(日) 21:23:51 0
さぁいこうか
投下しても平気?
どうぞ
こっちも支援する
さて…どうしたものか
【名前】ロウム
【年齢】17
【性別】女
【職業】風騎士(エアリアルナイト)
【所持魔法】風魔法
【戦術・戦法】一撃離脱、撹乱
【装備・右手】風剣・ウィンディア
【装備・左手】嵐剣・ストーミナ
【装備・頭】風羽(髪飾り)
【装備・鎧系】風衣シルフィス(羽衣)
【装備・服】ミニワンピース(緑色)
【装備・アクセサリー】リボン、風のアミュレット
【装備・持ち物】ダガー(投擲用)
【身長・体重】127cm 22kg
【容姿の特徴、風貌】緑色の髪と瞳、更に着ているもの全てが緑色で統一されており、風の精霊を連想させる。
…が、所詮見た目が小さい少女なので一笑に伏される
【性格】気まぐれ
【趣味】風見
【人生のモットー】自分らしく生きる
【自分の恋愛観】…ほっといて
【備考】風の精霊の加護を受けており、少しなら空を飛ぶ事も可能
精霊と契約して不老になったが、幼い頃に契約したせいで体の成長は止まってしまった
山椒は小粒でもピリリと辛い。を体現
【一言】小さいからと馬鹿にしていると、剣の錆にするからな
>>33 グッドラじゃん
キャラ設定の流用はよくないぞ
というかもう越境だろ
>>34 グッドラって誰?略した名前?…それにしてもこの子と設定がかぶってるキャラがいたんですね
しかも間違えられるって事は、相当酷似しているって事ですかね…キャラメイキング失敗って所かな…出直してきます
>>35 その手のヤジに反応するな。スルーで可
設定の流用なんてよくあるしこの場合単なるエスパー
>>36 わかった、スルーしとく。でもこの子はこれから何をしていいんだろう?
とりあえず仲間が出来るまで一人で何かしていていいのかな?
>>37 一人で何かしていていいというか出来ればそれがベスト
もしくは酒場等の人が多い場所を想定して参加者が来るまで質雑風の事をやる方法もあります
街をパトロールしていると街の人がゴブリンに襲われている!
街人「ひぃいいいい! た、助けてー!」
>>34 どこをどうみたらこれがグッドラに見えるのか
>40
>精霊と契約して不老になったが、幼い頃に契約したせいで体の成長は止まってしまった
この設定はなかなか被るのはないんじゃね?
どんだけ一つのスレでキャラ作ってたんだあいつ。
ともあれ風騎士さんは気にすることないよ。グッドラってのはTRPG界の生んだ膿だ
…(年端もいかない少女が酒場の隅のテーブルに座り、不機嫌そうにコップに入った飲み物を飲んでいる)
まったく!私はもうお酒を飲める年だと言うのに誰も信じないとは…一体どういう了見だ!(少女は風貌にそぐわないしゃべり方で怒りながらコップの飲み物を飲んでいる)
むう…飲み物が無くなってしまったか…仕方がない、巡回がてら外に出てみるか…(少女はコップが空になってしまうと、任務…仕事?で酒場から出ていく)
【
>>38助言ありがとうございます。とりあえず始めてみますね】
>>39 ?(街を歩いていると何だか一角が騒がしい。向かってみると街の人間が魔物に襲われているようだ)
…何故街中に魔物が入っている?一体ここの門番は何をやっているのか…(一つ溜め息をつき)
当たり前だが放っとく訳にもいかんな。(少女はそう呟くと、街人と魔物のいる方向へと疾走する―その走りを見た人間は後に語った、あれは疾風ではなく神風だと―)
はあっ!(走っている速度そのままに、ゴブリンに飛び蹴りを浴びせる。蹴りを食らったゴブリンだけが吹っ飛ぶ、そのはずだったが)
わわっ!?(自身のウェイトが少ないせいか自分も弾かれてしまい、予測出来なかった事態に。はしたない格好で地面に転がってしまう)
いつつ…(頭を擦りながら起き上がり、立ち上がると既にゴブリンはこちらに向き直り臨戦態勢になっていたのだが)
…〜っ!おまえは大きすぎるのだ!もう少し小さくなれっ!軽くなれ馬鹿者っ!(酒場での一件もあり、気が立っていた少女は自分の思い通りにならなかった魔物に対し、指を差しながら文句を言い放つ)
『ハア?ナニイッテルンダコイツ?』(突然逆ギレされたゴブリンの目が点になる。緊迫した周囲の街人も、少女の可愛さに思わず笑顔がこぼれた)
五月蝿い!さっさと消えろ三下め!来い!ウィンディア!(少女は剣の名前を呼び、跳躍。ジャンプの到達点に着く頃には少女の右手に一振りの剣が握られていた)
一撃で決める!(明らかに不自然な急降下でゴブリンへと突撃。一瞬の後、ゴブリンが真っ二つになってしまう)
『おお〜!』(声を発する事も無く息絶えたゴブリンを見て、周囲が感嘆の声をあげる)
ふん…(事を終えた少女は周りを気にする事無く、街の巡回へと戻っていく)
【※少し街中を歩いてから酒場に戻ります】
46 :
名無しになりきれ:2009/10/20(火) 17:50:59 O
iニニニi
/ ./ヽ_
/|農||/
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iニニニi
/ ./ヽ
|農||_
/|協||/
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iニニニi
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|農||
|協||_
/|牛||/
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
iニニニi
/ ./ヽ
|農||
|協||
|牛||_
/|乳||/
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
【名前】チャールズ・グリーンマン
【年齢】27
【性別】男
【職業】紋章騎士(エンブレムナイト)
【所持魔法】紋章魔法、水魔法
【戦術・戦法】速攻、とにかく速攻
【装備・右手】魔剣ブルー・シェイブ
【装備・左手】
【装備・頭】エンブレムヘルム
【装備・鎧系】エンブレムアーマー
【装備・服】レザークロス
【装備・アクセサリー】エンブレムネックレス
【装備・持ち物】ボウガン、ナイフ等
【身長・体重】177cm 70kg
【容姿の特徴、風貌】非常に精悍なエンブレムナイト。しかし実際のところ傭兵上がりである。
【性格】大雑把でせっかち
【趣味】農作業
【人生のモットー】楽しく生きる
【自分の恋愛観】色々だし様々
【備考】本国から来たエリートなのであちこちで顔パスになる可能性あり
【一言】適当にやろうや
「とりあえずミルク」
普段酒を飲まないチャールズは、酒場で牛乳を注文すると、一気にそれを飲み干す。
今日は外出許可がでている。まだ夕食までは時間があるということで、
街の方に出て食べ歩きをすることにした。
エンブレムアーマーは予想以上に気を引くらしく、人々が振り返るのが分かる。
(ナイトに昇格したのはいいけど、慣れねえもんだなあ…)
考え事をしていると、角から何かが飛び出し、思い切りぶつかった。
相手が思い切り吹っ飛ぶ。
「いてて…どこの子供だよ、まったく…」
緑色の服を着た少女が倒れている。鎧に当たってしまったので少々心配だ。
「おい、大丈夫か?」
チャールズが声をかけるが返事がない。
「どうしたもんかね?」
とりあえず少女を背負うと、近くにいる親にでも引き渡そうとあたりを見渡した。
さすらいの騎士。
他人に職業を聞かれた時、フェイジは自分の事をそう呼んでいる。
理由を聞かれた時は、実際にさすらってるからだ。と、言う。
だが、むしろ彼はさすらっていると言うより、さまよっていた。
数年前、「この剣の片割れを見つけない限り、二度と家の門は潜らせんぞ!!」と冷酷に言い放った家族。
それから彼は住所不定のままである。
「くっそお。こんなに世界が広いってのに、一本の剣なんて見つかるわけねえだろうが…
アハハハ、バカヤロー。」
大野原で笑い怒る青年の姿がそこにはあった。
しかし、彼は旅を続ける。
いつか剣の片割れを見つけ、再び住所を獲得するために。
と、そんなこんなでとある街い到着したフェイジ。
(さあって、この剣の片割れを知ってる奴を探すとするかな。
ちなみに、今まで片割れとやらを知っていると答えた人間は詐欺師と盗賊だけだ。ふざけんな馬鹿野郎)
>>48 子供を背負っている男の姿を見つけた。
外見から察するに騎士だろう。つまり同職だ。
それならば剣の片割れを知っている人間である可能性がある。
(まあ、可能性とか1%もあれば万々歳だけどなぁ…)
ダメ元で、声を掛けてみる。
「よお、そこ行くパパさんよ。」
フェイジには二人が親子に見えたのだろう。
「おっと、怪しいもんじゃないぜ。
俺はフェイジって言うさすらいの騎士だけどさ、コイツの片割れを知ってたら教えてほしいのさ。」
と、自分の背にある鞘に入った剣を親指で指さす。
>50
志村ー!メル欄!
>>50 フェイジ「あ、すいません。申し訳ございません。
>49のコテ欄に書きましたんで、参照してくださいませ。将軍様。」
フェイジは突如現れた大将軍風の男にペコペコし始めた。
権力に弱い男である。
フェイジ「コテ欄?はい、
>>51閣下の言うとおりメール欄の間違いです。はい。」
何か一人で暴走している。
権力に弱い男である。
>>46 街中に魔物が入ってきていた事は報告せねばなるまいな…
(ぶつぶつ呟きながら歩いていると目の前の地面から何かがせり上がってきた!)
!敵か!?…なんだ?これは?
(突然出てきた見た事もない容器…危険な雰囲気は無いにしろ、少女は決断する)
…見なかった事にしよう
(少女は踵を返すと走り出した)
>>48グリーンマン
訳が解らないものには関わらない方が良い。
(呟きながら走っている少女。曲がり角に気付かずそのまま差し掛かると)
っ!?
(声をあげる暇もなかった。最後に見えたのは何やら豪勢な鎧みたいな物…)
(何かとぶつかり、吹き飛ばされた少女の意識は闇の中へと引きずり込まれた)
(…次に目覚めた時は、誰かの背中の上だった。いつの間にか背負われたらしい)
(だがこの鎧の紋様…先程ぶつかった物に酷似している…おそらくぶつかった者に背負われてるのだろう)
(まだ頭がくらくらしている。そして、自分の服は下の着物が見えるようにずり上がっていた。もはや恨み言の一つや二つ、言わなければ気が済まない)
…淑女を背負うとは女性の扱いがなっていないな、お前も一応、騎士なのだろう?
(突然の悪態。無意識に人を怒らせるのが得意な少女の口撃である)
私から見れば0点だな。ダメダメ君だ。とりあえず下におろしてもらえないか?…下着が見えてしまっているのでな
(取り急ぎ下ろしてほしかった。身体は小さくても立派なレディ、もちろん羞恥心もある。)
>>49フェイジ
(また変な奴が来た。パパさんだと?私とこの男を親子と見ているのだろうか、冗談じゃない!)
お前の目は節穴か?何処をどう見たら私とこの男が親子に見えると言うのだ!
(いいえ、何処をどう見たって親子です。100人いれば98人はそう言いそうな反論でした)
それに、私は騎士だ!気まぐれな自由騎士と言ったところだがな
(身形からこの二人も騎士だと解る。なので自身も騎士だと言う事を打ち明けた。信じてもらえるか解らないが)
ちなみに私は剣の在処なぞ知らん。お望みとあれば風の精霊に訪ねてやるが…
(フェイジが指差した剣を一目見たが、そんな剣は今まで見たことが無い。素直な気持ちを言う)
【
>>48>>49御二人とも、よろしくお願いします。】
>>49 「よお、そこ行くパパさんよ。」
「おっと、怪しいもんじゃないぜ。
俺はフェイジって言うさすらいの騎士だけどさ、コイツの片割れを知ってたら教えてほしいのさ。」
若者に声をかけられた。冒険者だろうか。
パパというのは、おそらくこの子供を背負っているからだろう。
「パパじゃねえ。こいつはそこに転がってただけのガキだ。剣の片割れだあ?
んなもん、好きで片割れでいるんだからそっとしといた方がいいんじゃねえか?」
そこまで言ってハッとする。そういえばナイトになる際に「他人に対しては
言葉遣いは紳士的に」と団長から注意されたはずだった。
「ああ…それより、この子の親を探しているんだが、心当たりはないか?」
我ながら堂々とした紳士的な物言いだと思いながらそう言った。
>>54 【よろしくお願いします】
「…淑女を背負うとは女性の扱いがなっていないな、お前も一応、騎士なのだろう? 」
後ろから女の声がした。振り返ってみるが、特にそれっぽい人間の姿はない。
「あれ?」
「私から見れば0点だな。ダメダメ君だ。とりあえず下におろしてもらえないか?…下着が見えてしまっているのでな」
チャールズは驚いた。なんと声の主は背負っていた小さな少女だったのだから。
「な、何だぁ…!お前は」
あわてて、「小さい子におしっこをさせる時のような」抱っこをしながら
地面へと少女を下ろす。勿論、無意識のうちに、である。
そしてまくしたてる少女から少し離れた。
「私は騎士だ!気まぐれな自由騎士と言ったところだがな」
「…えぇ!?こいつが俺と同じ…騎士ぃ!?」
しばらく間を置いてから叫ぶと、つい指をさして驚いてしまった。
>49>54>55
三人が話していると、どこからともなく異様な匂いが漂ってくる。
本能的に嫌悪感を引き起こす臭い。
決闘や通常の戦いのみをしてきたのであればその臭いがなんであるかは気づけないだろう。
しかし、凄惨な戦場を渡り歩いてきた者にはかぎなれた臭い。
それは人が殺され、焼かれる臭いだった。
臭いの元を辿り、裏路地に入れば目の当たりにする事になるだろう。
十体以上のゴブリンと人間の骸の中心に立つ女の姿を。
女の周囲はまるで澱んでいるかのような錯覚を引き起こされる。
女はおもむろに倒れた男の胸に赤く焼けたフランベルジュを突き立てる。
ジュッと言う嫌な音共に小さく煙が立ち、先ほどの臭いを発生させている。
剣をつきたてたまま、女は三人に視線を向ける。
光を宿さない死んだ魚のような双眸は醸し出す雰囲気異常に不気味だった。
「あら、ごきげんよう。」
笑みを浮かべるが、気味が悪いという印象しか残らない笑み。
そしてそれ以上に言葉には陰鬱な響きが宿っていた。
【名前】禍剣(本名不明)
【年齢】20歳くらい
【性別】女
【職業】剣士
【所持魔法】付与魔法
【戦術・戦法】剣術
【装備・右手】フランベルジュ
【装備・左手】
【装備・頭】
【装備・鎧系】ボロボロのマント
【装備・服】ナイトドレス
【装備・アクセサリー】耳飾・首輪・指輪(取り外すと剣になる)
【装備・持ち物】マントの内側に数本の剣
【身長・体重】165cm 55kg
【容姿の特徴、風貌】澱んだ目・艶のない肌と髪・幽鬼のように青白い
【性格】気だるい戦闘狂
【趣味】斬殺
【人生のモットー】修羅の道
【自分の恋愛観】剣を帯びる者、強ければ尚良い
【備考】本名不明。邪剣と呼ばれる剣士。通り魔のように殺戮を繰り返す。
目撃例は少ないが、その焼き切られた様な犠牲者から禍剣の出現を噂する。
【一言】よろしくお願いします。
>>49>>55 >「パパじゃねえ。こいつはそこに転がってただけのガキだ。剣の片割れだあ?
>んなもん、好きで片割れでいるんだからそっとしといた方がいいんじゃねえか?」
「俺もダンナの言葉を実家の人間に言ってやりたい。
それはもう小一時間と言わず日中いや深夜まで。」
パパじゃないらしいから呼び名をダンナヘ変更。
(つまり、この剣の片割れは知らないってこったな。
まー、今まで情報一つ得られやしないんだから、トーゼンだけど。)
剣の事はそれほど期待してなかったため、特に気にしてはいない。
>「ああ…それより、この子の親を探しているんだが、心当たりはないか?」
「親か…うーん、俺もこの街に来たばっかりで全然分からないなぁ。
まあ、探すなら手伝うぜ。暇だし。どーせ剣の片割れなんて見つからないし。どーせ俺なんか…」
>…淑女を背負うとは女性の扱いがなっていないな、お前も一応、騎士なのだろう?
突如、グリーンマンに背負われていた少女が声を出した。
自分の背後のためグリーンマンは気付いていないようだが、対面にいるフェイジには分かった。
(淑女ねぇ…最近の子供は精神年齢が高いこって。)
冗談半分にその言葉を受け入れ、二人の会話を聞き流す方向にする。
>お前の目は節穴か?何処をどう見たら私とこの男が親子に見えると言うのだ!
(やべえ、会話を聞かれていた。めっさ怒ってる。)
「いや、まあ、ほら、淑女の父親は若いってことわざがあるだろ?」適当にごまかす。
>私から見れば0点だな。ダメダメ君だ。とりあえず下におろしてもらえないか?…下着が見えてしまっているのでな
相手は子供だが『下着』の単語に、悲しいかな男フェイジはチラッと下着を見てしまった。
一瞬後に自己嫌悪したのは言うまでもない。
(だがまあ下着は淑女だな。)謎の弁護を始める。
>私は騎士だ!気まぐれな自由騎士と言ったところだがな
>「…えぇ!?こいつが俺と同じ…騎士ぃ!?」
>しばらく間を置いてから叫ぶと、つい指をさして驚いてしまった。
グリーンマンが驚いているお陰か、フェイジは逆に冷静であった。
>4のテンプレに書かれている「いつもは落ち着いている」が発動された。
(騎士…なわけねーよなぁ。)
もちろん心の中では、なわけねーよなぁで埋めつくされている。
>ちなみに私は剣の在処なぞ知らん。お望みとあれば風の精霊に訪ねてやるが…
(ほら、このレディも知らないだろ。世の中そうなってるんだよ。)
「と、待てよ。最後…なんて言った……風の精霊?」
ピンと、ひとつ引っかかる単語があったので、そこに食い付く。
「レディよ。おそらく、このダンナは君を騎士と認めていないようだ。(俺もだがな。だが、怒りそうだから言わない。)」
ロウムの呼び名がレディに決定された。
「とすると、答えは一つ。風の精霊を呼び出してみるんだ。
精霊を操る姿を見ればここのダンナも君を騎士と認めるし、そして俺は剣の在り処を知る事が出来る。(かもしれない)
まさに一石二鳥だ。さあ、呼び出すんだ。」
>>56 「…なーんて話もどうやら後回しになりそうだな。」
やれやれといった感じでフェイジは匂いの発する方向へ向き直す。
旅先で何度も経験した嫌悪感を発生させる臭気。それが強く感じられた。
>「あら、ごきげんよう。」
「全然ごきげんじゃない、むしろ不快前回だ。バカヤローめ。」
右手で鞘から剣を抜き、構える。
「さあって、美白のお譲さんよ。悪ふざけにしちゃちょっと度が過ぎてるなぁ。
君の目的を聞かせてもらおうか。
返答次第によっちゃ…いや、どっちにしろぶっとばすな。この場合。」
口ではふざけているが、眼差しは真剣そのものである。
>>55グリーンマン
(こいつとは一回話し合わなければなるまい。おろす時に屈辱的な格好をさせられた)
(剣の錆にしてやっても良いくらいの所業だ、だが私は優しいから土下座させて頭を踏むだけで許してやる。そう思っていたが)
(私が騎士だと言った後の反応、これがまた腹が立つ反応だった。私を指差し)
「…えぇ!?こいつが俺と同じ…騎士ぃ!?」
(こいつ呼ばわり、そして心から驚いているように叫んでくれた。…もう勘弁ならない)
悪かったな?見た目がまるで小さい子供だから信じられないのだろうが…私は成人した女性だ(※16才で成人な設定で)
(スカートの裾を直し、腕を交差させて仁王立ちでグリーンマンを見据え…見上げながら言い放った)
>>57フェイジ
(この男もまた言葉に発しないだけで私を子供扱いする。無理もないのだが、やはり腹は立ってしまう)
「いや、まあ、ほら、淑女の父親は若いってことわざがあるだろ?」
「レディよ。おそらく、このダンナは君を騎士と認めていないようだ。」
「とすると、答えは一つ。風の精霊を呼び出してみるんだ。
精霊を操る姿を見ればここのダンナも君を騎士と認めるし、そして俺は剣の在り処を知る事が出来る。(かもしれない)
まさに一石二鳥だ。さあ、呼び出すんだ。」
(この喋りから推測するに、この男は事なきをえるような方向に話を持っていきたいようだ)
(だがまあ、信じてもらえるのなら精霊を呼び出しても構わないだろう)
確かにそうだな。お前の言う通りここで精霊を呼び出せばお前達に私が騎士だと言う事を認識させる事が出来る
(この男は私が気付いてないと思っているのか。私を何の躊躇も無くレディと呼んだ時点で何ら代わりが無い事を)
>>56 !!
(突如ではない、異臭が漂ってきた。風の精霊に耳を傾けていれば最初に気付けたはずだ。我ながら理性を失いすぎた、やや自己嫌悪する)
(幼い頃両親を失った戦場で嗅いだ、肉が焼け焦げたような臭い…当時の事を思い出してしまう)
…
(昔の事を思い耽っている内にフェイジが走り出す。どうやらその場所に向かうようだ。)
話は後だな…異常事態のようだ。行くぞ、豪勢な騎士様
(まだ名前が分からないのでグリーンマンを豪勢な騎士様と呼んだ)
(二人とほぼ同じタイミングで臭いの元へと着いた少女は凄惨な現場を目撃する)
(何体もの死体の真ん中に立つ女性…その女性が持つ赤い剣。死体?に突き刺すと嫌な臭いが更に辺りに立ち込めた)
(その女性が此方に視線を向ける―瞳に光が無い…それでも心を突き刺すような威圧感がその視線にこもっていて)
「あら、ごきげんよう。」
(微笑み〜だろうか〜を浮かべ開いた口から放たれた言葉。その二つは、少女の身体から戦意を奪うのに十分すぎた)
…っ!
(力が抜け、その場に座り込んでしまう。まだ戦場に出たのが少ないせいもあり、ここまで死を連想させる相手に会うのは初めてだった)
(他の二人はどうなのだろうか。普段ならそんな思考も巡るのだが、目の前の恐怖にすっかり飲み込まれていた)
【よろしくお願いします】
「悪かったな?見た目がまるで小さい子供だから信じられないのだろうが…私は成人した女性だ」
その子供…もとい女が明らかに体格差のあるチャールズを腕組みしながら見上げる。
そんな姿は滑稽だった。
「あのなぁ、大人の女ってのはもっと… 大体、お前その体で子供は産めるのか?」
頭をポンポンと撫でるようにして叩く。
「レディよ。おそらく、このダンナは君を騎士と認めていないようだ。とすると、答えは一つ。
風の精霊を呼び出してみるんだ」
少女の怒りが沸騰する前に若者がそう言った。
「おぉ、そりゃナイス・アイディーア、だ」
手をポン、と叩くとチャールズは納得した。その時だ。
人の死臭と思われる臭いが漂ってきた。
幾つもの戦場を経験したチャールズにとっては、これが戦闘モードへのスイッチとなった。
「おい、行くぞ。お前ら、騎士なんだろ?俺はチャールズってんだ」
軽い自己紹介をしながら駆け出す。
そこにいたのは、今まさに殺戮を終えんとしていた剣を持った女だった。
焦げたにおいは炎の付与魔法のためだろう。
「さあって、美白のお譲さんよ。悪ふざけにしちゃちょっと度が過ぎてるなぁ」
若者が剣を構える。こちらも剣を抜くと構えた。
辛うじて後ろから付いてきた少女はというと、現場を見て腰を抜かしたのか、座り込んでしまったようだ。
「女は斬りたくないんだが、仕方あるまいよ」
素早く動くと、これ以上の殺戮を止めるべく、
水の付与魔法を剣にかけ、武器を落とさん女の右腕に斬りかかった。
>57>58>59
フェイジに剣を突きつけられた女はほんの少し・・・ブルッと震える。
それが恐怖によるものではないのは一目瞭然だろう。
濁った目を潤ませ、口を開いた。
「ねえ・・・この剣を見て。
フランベルジェ・・・。美しくうねる刀身はただ切りつけるだけで相手の肉をズタズタにする・・・。
更に高熱を付与すればズタズタの傷口は焼け、通常の剣の何倍もの苦痛を与え、治療を困難にするの・・・。」
その言葉通り、女の持つ剣は特殊なものだった。
異様な刀身は単なる装飾ではなく、言葉通りの実用性を持つ。
突立てた剣を引き抜くと、その通りの酷い傷口となっていたのだから。
そこまでいうと、女は悲しげに目を伏せ言葉を続ける。
「私だってこんな事はしたくなかったわ・・・。
この男は戦いで致命傷を負い、トドメを望んだ・・・。」
その言葉が意味することに気付くだろうか?
ゴブリンも、人間も・・・。十を超える骸は全て同じ切り傷によって倒されている事に!
そこまで応えたところでグリーンマンが動いていた。
剣に水の付与魔法を書け、女の右腕に切りかかったのだ。
だが女は動かない。
ギリギリまでひきつけ、腕を斬られる刹那。
伏せていた目を見開き素早く動く。
「本当ならばもっと弄りたかったのよ!!」
その言葉と共に剣を立て、グリーンマンの剣を受け止める。
炎と水、それぞれの魔力を付与された剣の激突は爆発するような衝撃と辺り一帯に広がる水蒸気を生み出す。
立ち込める靄の中、女の姿は消えていた。
「あなたは9点。いきなり斬りかかれるのは褒めてあげるけど、殺す気じゃない所が減点対象よ。」
グリーンマンの耳に囁きを残して。
女が現れたのはフェイジの前だった。
水蒸気を突き破り、一気に間合いを詰めるとフェイジの持つ剣を打ち上げ、懐にまで踏み込んだ。
フェイジの視界にドアップで移る女がニタリと笑いながら囁く。
「あなたは5点。口上に走りすぎよ。」
その言葉を残して女は消えた。
実際には懐に踏み込み、そのままステップターンを決めて通り過ぎただけなのだが、視界を女の顔で塞がれていたので消えたように見えただろう。
フェイジの懐で華麗なターンを決めてすり抜けた女は、その遠心力を利用して剣を振り下ろす。
「あなたは0点よ。剣を帯びながらも戦えない者はイラナイわ!」
恐るべき速度でグリーンマンとフェイジを抜けた女は、後ろでへたり込むロウムの首に狙いを定めていた。
戦闘の空気。
フェイジがそれを感じる時、風はいつも強く吹いている気がする。
だが、実際に風が強くなっている訳では無い。
感覚…とでも言うのだろうか、神経が強く張り巡らされているのだ。
戦場とは、普段とは違う自分、そんな自分を見つけられる場である。
(…つーか、この剣を手にしてから厄介事に巻き込まれてる気がする。
絶対、この剣呪われてるって。俺は生贄に捧げられてもう一つの剣を召喚させるんじゃねえの?)
>58>59>60
>「ねえ・・・この剣を見て。
>フランベルジェ・・・。美しくうねる刀身はただ切りつけるだけで相手の肉をズタズタにする・・・。
>更に高熱を付与すればズタズタの傷口は焼け、通常の剣の何倍もの苦痛を与え、治療を困難にするの・・・。」
(うわぁ、何だこいつ…)
背筋にゾクッとした冷や汗が流れる。
フェイジは霊現象に遭遇したかのような錯覚に陥っていた。
>(力が抜け、その場に座り込んでしまう。まだ戦場に出たのが少ないせいもあり、ここまで死を連想させる相手に会うのは初めてだった)
>(他の二人はどうなのだろうか。普段ならそんな思考も巡るのだが、目の前の恐怖にすっかり飲み込まれていた)
>「女は斬りたくないんだが、仕方あるまいよ」
>素早く動くと、これ以上の殺戮を止めるべく、
>水の付与魔法を剣にかけ、武器を落とさん女の右腕に斬りかかった。
(チャールズのダンナは大将狙いか。んなら俺は援護射撃でも…
……っと、そんな場合じゃないようだな。)
座り込み震えているロウムの姿を見つけ、踏みとどまる。
「こーいう時、レディを護ってあげるのが騎士ってもん……と、うおッ!?」
>「あなたは5点。口上に走りすぎよ。」
>実際には懐に踏み込み、そのままステップターンを決めて通り過ぎただけなのだが、視界を女の顔で塞がれていたので消えたように見えただろう。
(ちッ、よそ見して油断していた!つーかビックリした、顔こええ!)
足元に風魔力を集中させ、渦剣の行方を探る。
>フェイジの懐で華麗なターンを決めてすり抜けた女は、その遠心力を利用して剣を振り下ろす。
>「あなたは0点よ。剣を帯びながらも戦えない者はイラナイわ!」
>恐るべき速度でグリーンマンとフェイジを抜けた女は、後ろでへたり込むロウムの首に狙いを定めていた。
「ハハハ、残念だったな美白!俺は始めからそこの娘を守る予定だったのさ!!
だって俺は、騎士だからなぁ!」
足元に集中させていた風魔力を解放する。
解き放たれた力。
その速度は正に風。
―――ガシイィィィィィィイィイイイン!!!!!
渦剣が振り下ろした剣と、フェイジの振り払う剣がぶつかり合い、鍔迫り合いの形になる。
「(クソっ、何だか分からねえがコイツと鍔迫り合いはマズい気がする!)
おい!自由騎士のお譲!さっさと逃げるんだ!
いくら俺でも、子供を守りながらコイツ相手はちとしんどい!」
もはやロウムが怒るとかそんな事を気にしている状況では無いようで、
さらりと子供とぶっちゃけているがフェイジはまったく気づいていない。
ふと渦剣の顔を眺める。
「ってか、近くで見たら美白どころか微青だな。
ん?…そもそも、てめえ!俺の質問に答えてねえじゃねーか!俺はどーせ5点だから目的言えよ!
そうだ、おい!お前ならこの剣の片割れ知ってるだろ!それでいいから答えろ微青!!」
若干挑発アンド捲し立てつつ、攻撃の対象を自分に変えるよう仕向けている。
>>59>>60>>61 >「さあって、美白のお譲さんよ。悪ふざけにしちゃちょっと度が過ぎてるなぁ」
>「本当ならばもっと弄りたかったのよ!!」
(少女が放心している間に戦闘が始まった。剣と剣がぶつかる音が辺りに響き渡る)
>「あなたは0点よ。剣を帯びながらも戦えない者はイラナイわ!」
>「ハハハ、残念だったな美白!俺は始めからそこの娘を守る予定だったのさ!!
だって俺は、騎士だからなぁ!」
>―――ガシイィィィィィィイィイイイン!!!!!
遠くで女の声とフェイジの声が聞こえ、再び剣と剣のぶつかる音がした時、少女は我にかえる
!!
(目の前でフェイジと女が鍔迫り合いの様に剣を交差させていた。おそらくは庇ってくれたのだろう)
>「(クソっ、何だか分からねえがコイツと鍔迫り合いはマズい気がする!)
おい!自由騎士のお譲!さっさと逃げるんだ!
いくら俺でも、子供を守りながらコイツ相手はちとしんどい!」
>「ってか、近くで見たら美白どころか微青だな。
ん?…そもそも、てめえ!俺の質問に答えてねえじゃねーか!俺はどーせ5点だから目的言えよ!
そうだ、おい!お前ならこの剣の片割れ知ってるだろ!それでいいから答えろ微青!!」
(フェイジが子供呼ばわりしながら逃げろと言ってきた。更に相手の注意を逸らすために挑発までしてくれている)
(不思議と腹は立たなかった。それより、護ってくれた男が手酷い傷を負うかもしれないと、何故か思った少女は奮起する…)
誰が…逃げるか…
(呟くように一言。そのままよろよろと立ち上がり)
…すまなかった。少々昔を思い出して放心してしまっていたようだ
(目をしっかりと開き、誰に言うとは無しに言葉を発する)
それと騎士様、風の魔法は私の得意とする物。先に使われてしまうと私のシルフがヘソを曲げてしまうので勘弁願いたい
(打って変わって冗談めいた事を言う少女の周囲に風が巻き起こり始める)
…まあ、そのおかげで駄々を捏ねられずに魔法を使えそうだがね。そこは感謝する
(少女は印を組む。使わんとする魔法は空の一撃、圧縮した空気を相手目掛けて撃ち出す中級風魔法)
さて…
(不意に少女の姿が消える。立っていた場所には優しい風が吹いていた)
…生憎と、高速移動は私も得意な方なのでね
(次に少女が現れたのは鍔迫り合いをしている二人の真横だった)
遅くなってすまない、不意討ちのような形になるが…ほんの挨拶代わりだ。受け取ってくれ
(少女はにこやかに微笑み、物騒な風の塊を禍剣目掛けて二つ、撃ち出した)
女にあっさりと受けられ、横をすり抜けられたが、少女に振り下ろされた剣を
若造がすばやく受けてから、形勢が逆転した。
少女から突然風の魔法が紡がれ、若造と競り合っている女を巻き込んだ。
「マジだ…」
チャールズは一瞬、呆気に取られていたが、すぐに現状を振り返る。
「ちょーっと待て、俺を忘れてもらっちゃ困るなあ!」
すばやく術式を展開しながら駆け出す。
「とりゃあ!」
女を三方向から挟み込むようにして、魔剣を腹めがけて突き刺すように
鋭い一撃を放った。
>61
耳をつぐざむ金属の激突音。
ロウムの首を狩ろうとする刃は寸前のところで止められた。
その速さに少々驚きの表情を浮かべた後、女はニタリと笑う。
波打つような刀身を利用し、フェイジの細身の剣を絡めるように起こして鍔迫り合いの体勢に持ち込む。
「んふ〜。こういう身体を張って誰かを庇う死亡フラグって好き〜。
そして助けたものの目の前で無残に殺されるのはもっと好き〜。
い・つ・ま・で・・・もつかしらぁ?」
ギリギリと力比べを楽しむかのように笑う女の顔がフェイジに迫り、生暖かい息が吹きかけられる。
片手にも拘らずその膂力は恐るべきものがあり、押し切ろうとしている。
だが、それ以上にフェイジを追い詰めるものは・・・女の剣に付与された高熱だった。
重なる刃を通して熱は伝わりフェイジの手を焼いていく。
「頑張るから教えてあげるわ。」
女はそういいながら首輪に手をやると、それは鎌の様な剣、ショーテルに姿を変えた。
焼かれる手が限界を迎えた瞬間、それは振られ首を刈り取るだろう。
フェイジの苦境を楽しむかのように言葉を続ける。
「私はサヤ。目的は食材選びよ・・・!」
>62>63
そこまでいった時、女はロウムの異変に気付く。
ロウムに集まる風の精霊が打ち出す圧縮空気。
とっさにショーテルを投げつけ相殺するが、そのとき既にロウムは一陣の風を残してその場から姿を消していた。
次に顕れたのは二人が鍔迫り合いをしている真横。
正に必殺の間合いから繰り出される二発の圧縮空気。
更には別方向からグリーンマンの刺突。
腕や顔を狙っていたのならば身体を捩ってでも躱す事ができただろう。
しかし狙いは胴体。
今までフェイジを絡み取っていた鍔迫り合いが今や禍剣の回避を遮る枷となる!
避けられない・・・!
刹那に悟った禍剣はふと力を抜き両手を挙げる。
結果、ロウムの圧縮空気弾を二発まともに胴に受け吹き飛んだ。
逆に言えば吹き飛んだお陰でグリーンマンの刺突の一撃を躱す事に成功したともいえる。
主を失ったフランベルジェはフェイジによってその場に叩き伏せられ、付与された魔法も途切れる。
当の禍剣は数メートル吹き飛ばされて三回転ほどして漸く止まる事になる。
だが・・・それでも禍剣は立ち上がる。
よろよろと立ち上がったとき、マントから砕けた刃が零れ落ちた。
「うふふふ・・・これは・・・楽しいわ・・・。」
ゆっくりとマントを脱ぐと、禍剣がなぜ立ち上がれたかわかるだろう。
マントの内側には数本の剣が仕込まれており、それが鎧の代わりとなって圧縮空気弾を防いでいたのだ。
ナイトドレス姿になった禍剣のボディラインははっきり見て取れ、完全に丸腰のように見えたがそうではなかった。
両腕を交差させ耳に当てると、耳飾を取り外す。
耳飾は取り外される事により本来の姿、カタールとなって禍剣の両腕に装着されていた。
ゆっくりと構えを取りながらフェイジに視線を向ける。
「あなた・・・何も知らずにその剣を持っているの?
だからそんなに痩せ細ってしまって・・・可哀想に・・・!」
台詞を言い終わるのと構えを取りきるのは同時。
それと共に周囲の空気が一変した。
それは強烈な殺気で凍りつく、というわけではない。
まるでどろりとした沼に足を突っ込んだかのような嫌悪感が周囲の空気を包み込んだのだ。
決して速い訳ではなく、むしろゆっくりと漂うような速度。
にも拘らず捉えられぬ独特な歩法でぬるりと間合いを詰めていた。
そして振るわれる両腕。
その場面だけコマが落ちたかのように速く。
速さと遠心力故に、腕に仕込まれていた部分もせり出し、カタールの刃は到達間合いを広げて迫る!
>>62,63,64
>重なる刃を通して熱は伝わりフェイジの手を焼いていく。
ジュウウウ…!!
「ぐ……ぁ……!!」
剣を握る右手が熱に焼かれ、激しい激痛が走る。
だが、今剣を手離せば、背後にいるロウムに再び危険が及ぶ。
だから手を離さないように、右手を包むように左手を握り締める。
>「頑張るから教えてあげるわ。」
>女はそういいながら首輪に手をやると、それは鎌の様な剣、ショーテルに姿を変えた。
>焼かれる手が限界を迎えた瞬間、それは振られ首を刈り取るだろう。
>フェイジの苦境を楽しむかのように言葉を続ける。
>「私はサヤ。目的は食材選びよ・・・!」
「ぐ…そんな目的に、付きあわされるこっちの身にもなりやがれ…!!
お前、何人前召し上がるつもりだよ…!!」
右手の感覚が無くなり始めてきた。
(ちぃ!…やばい!サヤとか言う変態の食料にされてしまう!)
このままでは押し切られてしまうかもしれない。
そう、フェイジが危惧した瞬間…
>誰が…逃げるか…
>…すまなかった。少々昔を思い出して放心してしまっていたようだ
>それと騎士様、風の魔法は私の得意とする物。先に使われてしまうと私のシルフがヘソを曲げてしまうので勘弁願いたい
>…まあ、そのおかげで駄々を捏ねられずに魔法を使えそうだがね。そこは感謝する
>64,65,66
>重なる刃を通して熱は伝わりフェイジの手を焼いていく
「ぐ……ぁ……!!」
声にならない声を発し、右手に走る激痛に耐える。
咄嗟に引きそうになった右腕に力を込め、手を離さないように左手で右手を包み込むように握り締める。
>「頑張るから教えてあげるわ。」
>女はそういいながら首輪に手をやると、それは鎌の様な剣、ショーテルに姿を変えた。
>焼かれる手が限界を迎えた瞬間、それは振られ首を刈り取るだろう。
>フェイジの苦境を楽しむかのように言葉を続ける。
>「私はサヤ。目的は食材選びよ・・・!」
「ぐ…ふざけるな…!
…そんな目的、他所でやりやがれ…!!
そもそも、何人前召し上がるつもりでしょうか…!?」
すいません、>65-66はミスです。
今から作り直します
>>62,63,64
>重なる刃を通して熱は伝わりフェイジの手を焼いていく。
ジュウウウ…!!
「ぐ……ぁ……!!」
剣を握る右手が熱に焼かれ、激しい激痛が走る。
だが、今剣を手離せば、背後にいるロウムに再び危険が及ぶ。
だから手を離さないように、右手を包むように左手を握り締める。
>「頑張るから教えてあげるわ。」
>「私はサヤ。目的は食材選びよ・・・!」
「ぐ…そんな目的に、付きあわされるこっちの身にもなりやがれ…!!
お前、何人前召し上がるつもりだよ…!!」
右手の感覚が無くなり始めてきた。
(ちぃ!…やばい!サヤとか言う変態の食料にされてしまう!)
このままでは押し切られてしまうかもしれない。
そう、フェイジが危惧した瞬間…
>誰が…逃げるか…
>…すまなかった。少々昔を思い出して放心してしまっていたようだ
>それと騎士様、風の魔法は私の得意とする物。先に使われてしまうと私のシルフがヘソを曲げてしまうので勘弁願いたい
>…まあ、そのおかげで駄々を捏ねられずに魔法を使えそうだがね。そこは感謝する
「へ…?」
先程のグリーンマンでは無いが、一瞬、誰がその言葉を発しているのか分らなかった。
そして、それが先程まで恐怖で動けずにいた少女と分かった時…
>遅くなってすまない、不意討ちのような形になるが…ほんの挨拶代わりだ。受け取ってくれ
>「ちょーっと待て、俺を忘れてもらっちゃ困るなあ!」
>すばやく術式を展開しながら駆け出す。
>「とりゃあ!」
>女を三方向から挟み込むようにして、魔剣を腹めがけて突き刺すように
>鋭い一撃を放った。
三方向からそれぞれの力が禍剣に加わり…
>結果、ロウムの圧縮空気弾を二発まともに胴に受け吹き飛んだ。
(ふう…ようやくあの高温地獄から解放された…。)
安堵のため息をつき、ロウムの方へ振り向く。
「自由騎士様の到着が遅かったらどうなっていた事か…感謝するぜ。
いや、これは冗談じゃなくてマジな気持ちだ。ありがとよ。」
相手を騎士と認め、フェイジはロウムが自分と対等な立場であると認識を変えた。
>耳飾は取り外される事により本来の姿、カタールとなって禍剣の両腕に装着されていた。
禍剣の動作を見て、グリーンマンの方向へ視線を移す。
「チャールズのダンナ!あいつ、武器を至る所に隠し持っているらしい!
接近戦に持ち込む時は警戒するんだ!」
…と、言い終わった瞬間。突如として、思いもよらない言葉が聞こえた。
>「あなた・・・何も知らずにその剣を持っているの?
>だからそんなに痩せ細ってしまって・・・可哀想に・・・!」
「なッ!?…知っているのか、お前…この剣の事を!?」
咄嗟に声を張り上げてしまったが、今は戦闘中だ。
これ以上追及するには戦闘を終える他無いだろう。
>速さと遠心力故に、腕に仕込まれていた部分もせり出し、カタールの刃は到達間合いを広げて迫る!
迎え撃とうと剣を握り締めるが…先程の鍔迫り合いの影響で右手の握力が戻らない。
「ちっ!悪い、ここは任せた!!」
跳躍し、後方へ移る。
勿論逃げるわけでは無い。
フェイジは後方から魔法を放つべく、呪文の詠唱を始めた。
>>63>>64>>68 >「ちょーっと待て、俺を忘れてもらっちゃ困るなあ!」
>すばやく術式を展開しながら駆け出す。
>「とりゃあ!」
>女を三方向から挟み込むようにして、魔剣を腹めがけて突き刺すように鋭い一撃を放った。
(少女の撃ち出した風にやや遅れてグリーンマンの刺突が禍剣に迫り―)
(次の瞬間、禍剣が風の塊によって吹き飛んでいた。正直当たるとは思っていなかったため、少々面食らうが)
>「自由騎士様の到着が遅かったらどうなっていた事か…感謝するぜ。
> いや、これは冗談じゃなくてマジな気持ちだ。ありがとよ。」
(不意にフェイジからお礼の言葉が聞こえた。助けてくれたお礼のお礼なのだが、少々こそばゆい)
…う…いや、その…こ、これで貸し借りは無しだな
(気恥ずかしさから少々頬を赤く染め、そっぽを向きながらやっと言葉を紡ぐ)
>「うふふふ・・・これは・・・楽しいわ・・・。」
>ゆっくりとマントを脱ぐと、禍剣がなぜ立ち上がれたかわかるだろう。
>マントの内側には数本の剣が仕込まれており、それが鎧の代わりとなって圧縮空気弾を防いでいたのだ。
…ふん、上手く防ぐとはさすがだな
(何故風を受けたのか、合点がいった。グリーンマンの一撃を回避するために利用されただけに過ぎなかった訳だ)
(瞬時にここまで考えるとは恐ろしい女だな。少女は心で呟く)
>両腕を交差させ耳に当てると、耳飾を取り外す。
>耳飾は取り外される事により本来の姿、カタールとなって禍剣の両腕に装着されていた。
暗器か、また厄介な武器を使う奴だな…
(前に見た事のある武器。主に暗殺者と言われる者達が好んで使うとか―)
(そう考えている内に周囲の空気が一変した。風使いにはより一層不快に感じるこの空気)
(傍らにいる(※普通の人間には見えない)シルフも不快感を露にしてロウムにこの状況の打破を促す)
少し待っていろ。一筋縄ではいかぬ相手なのだ
(少女はシルフに言っているのだが、独り言のように聞こえた)
>決して速い訳ではなく、むしろゆっくりと漂うような速度。
>にも拘らず捉えられぬ独特な歩法でぬるりと間合いを詰めていた。
>「ちっ!悪い、ここは任せた!!」
>跳躍し、後方へ移る。 勿論逃げるわけでは無い。
>フェイジは後方から魔法を放つべく、呪文の詠唱を始めた。
(女が突撃を仕掛けてくる。だが何やら考えがあるのかフェイジは後退し、魔法詠唱を始める)
解った。私達に任せてくれ
(とは言ったものの…少女の力では女の剣を受けた瞬間、吹き飛ばされてしまうだろう)
>>63…と言うわけだお兄さん、力仕事と言うことでこの場をよろしく頼む。援護は任せてくれ
(少女の戦法は体格の都合上ヒット&アウェイ。まともに剣を受ける事など出来はしない)
(少し悔しいがグリーンマンに頼る他無かった。少し後ろに下がりロウムも魔法詠唱を始める)
すばやく繰り出した突きだったが、その前の風魔法の影響もあってか、寸でのところで
かわされた。しかし、吹き飛ばすのには成功したようだ。
「私はサヤ。目的は食材選びよ・・・!」
「食材…だと?まさか、こいつらが…?」
考えていると、サヤと名乗る女がカタールを構え再び襲い掛かってくる。
「ちっ!悪い、ここは任せた!!」
「…と言うわけだお兄さん、力仕事と言うことでこの場をよろしく頼む。援護は任せてくれ」
若造と少女が後方支援のために後ろに下がった。止むをえない。
「まあいいさ。確かに俺が一番の重戦士だからな」
チャールズは少し考え、やや後ろに下がりながら挑発し、構えた。
なるべくひきつけるためである。
サヤがチャールズに向けて斬りかかろうとしたところで
後ろに下がり、それをいなすように避ける。
そして、若造の魔法がサヤを襲うと同時に、剣を突き上げると、再び下ろし、
サヤの体を肩から袈裟斬りにした。
>68>69>70
間合いを詰めきる前にフェルジとロウムが後ろに下がる。
だが禍剣のやる事は変らない。
蛇のように近づきグリーンマンに両腕を振るう。
その速度ゆえに腕に仕込まれていた部分もせり出し刃の間合いを変化させての斬撃。
ギリギリのところまで引き寄せてグリーンマンがいなすように避けるが、更なる追撃はなかった。
躱された時点で標的は後方で呪文の詠唱に入っている二人へと変ったのだから。
「させないわ!」
突き出した手をそれぞれフェルジとロウムに向けると、握る柄を強く引く。
それが引き金であった。
カタールの刃はクロスボウのように射出され、二人へと飛んでいく。
刃を射出した事により、グリーンマンの間合いにて丸腰になった・・・かのように見えたが、そうではなかった。
素早く右手を振ると、指輪が瞬く間にサーベルへと交わし、その手に握られている。
「この骸たちが食材・・・?まさか・・・。」
ニタリと笑いながらサーベルを振りかぶり、言葉を続ける。
「あなたたちはどうかしらね・・・!」
【フェルジさんの魔法発動描写がない。魔法の効果が不明な事。
という事で、後半二行後手キャンセルさせていただきました。】
>71
呪文の詠唱を開始しようと口を開いた直後…
>「させないわ!」
>突き出した手をそれぞれフェルジとロウムに向けると、握る柄を強く引く。
>それが引き金であった。
>カタールの刃はクロスボウのように射出され、二人へと飛んでいく。
(くそっ、呪文を唱える暇は与えないってか…)
「気を付けろ、お譲!今回は援護できそうにねえ!」
ロウムの呼び方がレディからお譲へ変化した!
迫る刃は簡単に処理できないと判断し、今、魔法を放つ事は諦める。
目の前に迫る刃に神経を集中させ、右手に握る剣を上段に構える。
「だが、こんなもん…どうにかなる!!」
カタールの刃へ自身の剣を叩きつけるように振り下ろす。
ガキィィィィィィンン!!
と、再び金属音が鳴り響き、ドサッと刃が落ちる音が『2回』聞こえた。
見ると、禍剣の放ったカタールと、自身の細見の剣が地面に落ちている。
激突の衝撃でフェイジの右手は痺れているのであろうが、その事すら分からないほど右手の感覚が無かった。
(剣を取りに行く!
…って、言いたい所だが、右手の握力が元に戻らない事には意味がないな。
ここは、魔法でダンナを援護する方が有利になる筈だ。)
剣は自分の握力が戻ってから再び入手した方が得策と判断したフェイジは、呪文の詠唱を再開する。
>>70>>71>>72 >「まあいいさ。確かに俺が一番の重戦士だからな」
(グリーンマンは文句も言わず前に出てくれた。壁…と言うと失礼だが、正に壁の様で頼もしかった)
>チャールズは少し考え、やや後ろに下がりながら挑発し、構えた。
>だが禍剣のやる事は変らない。 蛇のように近づきグリーンマンに両腕を振るう。
>ギリギリのところまで引き寄せてグリーンマンがいなすように避けるが、更なる追撃はなかった。
?…やけにあっさりして―
>「させないわ!」
突き出した手をそれぞれフェルジとロウムに向けると、握る柄を強く引く。
>カタールの刃はクロスボウのように射出され、二人へと飛んでいく。
…あれって、飛ぶんだ…
(風を切り裂き飛来するサヤの凶刃、感心してる場合ではない。)
(だが、飛ぶとは思っていなかった物が飛ぶのを見た少女はポツリと呟いていた)
>「気を付けろ、お譲!今回は援護できそうにねえ!」
(フェイジの言葉で我にかえる。とりあえずは詠唱を諦め回避行動に移らねば)
>「だが、こんなもん…どうにかなる!!」
(フェイジは刃を叩き落とし、回避…同じ事をしようとした少女はまだ剣を召喚していない事に気付いた)
…忘れてた
(とにかく回避しなければ。そうこうしている内にもカタールの刃はどんどん迫ってくる)
まあいい。回避方法は他にもいくらでもあるからな
(呟く少女は右足の周囲に風の防壁を展開させ、腰を落とし構えた)
はあっ!
(気合い一閃、サマーソルトの要領でカタールの刃を蹴り飛ばす)
(風の防壁で足は防御してある。少女は何の心配もせずに刃を蹴った)
(主無き刃など恐るるに足らず。一部例外もあるが―これが例外では無いと願う―)
>ここは、魔法でダンナを援護する方が有利になる筈だ。)
(フェイジが詠唱の構えをとったようだ。それなら今度は私が盾になろう)
来い。私の相棒…
(宙に手を掲げ、二本の剣を召喚する少女。それぞれの手に握り、フェイジの前に出る)
……邪魔をさせん。
(もし回避され突破されても禍剣より先にフェイジの元へと行ける自信はある。剣を構え、禍剣―サヤ―のいる方向を見据えた刹那)
高速を超えた神速、貴様にも見せてやる!
(言うと同時に目にも止まらぬ速度で禍剣へと突進、そのまま右の剣で左腕、左の剣で右肩を狙った高速の突きを放つ)
サヤの攻撃はフェイントだったようだ。
カタールは後ろの二人に向かって投じられ、かろうじて二人はそれを処理した。
で、次は指輪が変形したサーベルである。
転じて攻撃に移る若造と少女であったが、若造の方はまた呪文の詠唱に入り後ろから動かない。
(ったく、最近の若い奴は貧弱だ…「積極的に前に出る」ということがねえ…)
少女もそうするだろうと思い、再び剣を構えて時間稼ぎをしようと思ったその時、
少女が素早く剣を抜き、高速の突きをサヤに向かって放った。
「おぉ!」
ふと閃いたチャールズは一旦後ろに下がると、若造と同じように詠唱に入った。
必ず隙があるはずだ。
>72>73>74
カタールの刃を射出した後、禍剣は後方の二人を見ていなかった。
命中しようが失敗しようが良かったのだ。
この攻撃により詠唱がワンテンポ遅れさえすれば。
必殺の間合いにいるグリーンマンを邪魔される事なく斬る事が出来る。
指輪をサーベルに戻し振り下ろそうとした瞬間、グリーンマンは後ろに下がる。
そして入れ替わるように両手に剣をもったロウムが突きを繰り出してくる。
「・・・迅い・・・!!」
下がるグリーンマンを襲う事すら許さぬその速さに咄嗟にサーベルを横に構え突き上げる。
ギィッギャリィィ!!
甲高く響く刃の激突とこすれる音!
「けど・・・それだけなのよっ!!」
高速を超えた神速。
だが、その刃には重さが足りていない。
そしてその速さ故に、側面からの衝撃の影響をもろに受けるのだ。
禍剣は身体を捻りながら身を沈め、サーベルで右肩を狙う剣を払い上げる。
それと同時に突進し刺突を繰り出すために伸びたロウムの腹を巴投げのように蹴り上げたのだ。
ダメージを与える為の蹴りではなく、神速の勢いを利用してロウムを突き飛ばす為に。
結果、ロウムは身を沈めた禍剣の上を飛び越えていく。
禍剣の方はと言うと、左脇腹のドレスが切り裂かれ、回避する為にかなり無理な体勢となっている。
いうなれば限界のリンボーダンスをなし終えた状態である。
強力な腹筋で尻餅をつく事無く起き上がろうとするが、正に無防備な状態を後方で呪文を詠唱する二人に晒してしまっていた。
>73,74
>(ったく、最近の若い奴は貧弱だ…「積極的に前に出る」ということがねえ…)
(なーんか、ダンナから嫌〜な視線を感じるが…元気そうだし、多分問題なしだろ。)
>来い。私の相棒…
>(宙に手を掲げ、二本の剣を召喚する少女。それぞれの手に握り、フェイジの前に出る)
(ありがてえ、これなら邪魔はされない!)
詠唱に集中し、禍剣の足元に目線を送る。
(詠唱はもう少しで完了……いや、いま完了した。
後は放つタイミングだ。奴の足が一瞬でも止まれば、何とかなる!)
>75
ロウムが突出し、禍剣とぶつかり合う。
両者はそれ程のダメージを受ける事無く、そのぶつかり合いは終了する。
…が、戦闘はそれで終わるわけがない。
>強力な腹筋で尻餅をつく事無く起き上がろうとするが、正に無防備な状態を後方で呪文を詠唱する二人に晒してしまっていた。
体制を崩した禍剣の姿を確認し、フェイジは詠唱の完了した魔法を解き放つ。
「(よし、今だッ!)
サヤとか言ったな!
焼くのが好きなら、焼かれる方の気持ちを理解しやがれ!!
喰らえ!ファイアーウィップ!!」
禍剣の足元の床が赤く染め上がる。
刹那、その床から木の幹ほどの太さもありそうな炎の塊が飛び出す。
炎は途切れる事無く床から続々と連なり、一つの個体のように動き始める。
狙いは、禍剣の脚を捕らえ、そのまま渦を巻いて全身を燃やす事である。
炎の温度は先程の禍剣の付加魔法を上回る。
全長はまだ見えてはいないが、3メートル弱だ。
「逃げれると思うなよ!この炎は自動追尾だ!」
勿論、戦場から離れれば追尾も解除されるが、範囲は約50m。簡単に逃げられる距離では無い。
更に、速度も最初に禍剣が見せた動きの最高速度と同程度だ。体制を崩している状態でその動きは不可能に近い。とフェイジは判断した。
「ダンナ!お譲!お前らはその炎を警戒しなくていい!
味方は燃やさないようになっているからな!」
二人に呼び掛ける。
>>74>>75>>76 >「・・・迅い・・・!!」
(ロウムは内心微笑んだ。若干の禍剣の焦り、致命傷は与えなくとも多少の不意はつけたはずだ)
>ギィッギャリィィ!!
>甲高く響く刃の激突とこすれる音!
何っ!?
(だが禍剣はこの速度に反応、高速の突きを防御した)
>「けど・・・それだけなのよっ!!」
>禍剣は身体を捻りながら身を沈め、サーベルで右肩を狙う剣を払い上げる。
>それと同時に突進し刺突を繰り出すために伸びたロウムの腹を巴投げのように蹴り上げたのだ。
くうっ!
(剣を払われ身体を蹴り上げられた少女。自速と禍剣の上手い力の加え方でそのまま飛ばされてしまう)
(地面に激突する前に何とか受け身を取り、怪我を回避するも凄い速度でゴロゴロと地面を転がっていく)
このっ!よくもやっ…たぁ…?
(回転が止まった刹那、少女は飛び起き立ち上がるが…そのまま後ろに倒れ、尻餅をついてしまった)
…しまった…回転しすぎたか…
(頭を抑える少女、先程の超連続回転で目を回してしまったらしい)
(すぐに頭をぷるぷるふって無理矢理目眩?を治して禍剣を見ると)
>「(よし、今だッ!) サヤとか言ったな! 焼くのが好きなら、焼かれる方の気持ちを理解しやがれ!!
喰らえ!ファイアーウィップ!!」
>「おぉ!」
>ふと閃いたチャールズは一旦後ろに下がると、若造と同じように詠唱に入った。
…次は炎の魔法か!
(禍剣が炎に包まれるのを見た少女はそう叫んでいた)
(確かこの男は先程風魔法を使っていた。となると複数の元素魔法を使える事になる)
(純粋な風使いのロウムには少々羨ましく思えた訳で)
と、ボーッとしている時間は無いな…
(今はまだ戦闘中だ。グリーンマンも魔法詠唱を始めたらしいので援護を含め追撃しようと思ったが…)
(…熱かったらやだな…と、炎の中へ行くのを少し躊躇してしまう)
>「ダンナ!お譲!お前らはその炎を警戒しなくていい!
>味方は燃やさないようになっているからな!」
え、そうなの?
(ちょっと意外だったのですっとんきょうな可愛い声を出してしまった)
コホン…ではもう一度行くか
(まだ少し頭がクラクラしているが大丈夫。そう自分に言い聞かせて剣―ウィンディア―を構える)
てやぁーっ!
(気合いを込めた声をあげ、再度禍剣目指して突進。しかし禍剣の眼前で突如跳躍)
(かなりの高度まで浮上する少女。空中でピタリと止まった後、禍剣に向け急降下を開始する)
くらえっ!
(次の一撃は一本の剣で右の肩を狙う刺突。剣を両手で持ち、渾身の力を込め急降下しながら禍剣に突きかかる!)
【ちなみにこの攻撃を回避してもロウムは地面にぶつからずに着地します】
【年齢】 20代後半
【性別】 男
【職業】 旅人
【魔法・特技】 手裏剣、クナイ、質量を持った残像、俊足なる動き、妖術
【装備・持ち物】 細身の剣(元は両刃の剣だったようだが詳細は不明)
【身長・体重】180CM、74KG
【容姿の特徴、風貌】黒衣、喉輪付き面頬
【性格】 冷静
【趣味】 食事
【人生のモットー】立身出世
【自分の恋愛観】 不明
【一言・その他】 よろすこ
少女の剣撃はサヤにバランスを崩させ、十分な隙を与えた。
蹴り飛ばされる少女だが、思った以上に強靭らしい。
「喰らえ!ファイアーウィップ!!」
追尾式の炎魔法がサヤに向け、放たれていく。かなり高度なものだろう。
これなら確実に当たる。
一方で少女が素早く起き上がり、跳躍すると、サヤに真上から襲いかかった。
無意識のうちにチャールズは駆け出していた。
(これを食らえば…あいつは、死ぬ…!)
水の術式をすぐさま発動しつつ二人の横を駆け、サヤの元に向かう。
「ちょっと待てえぇぇッ!」
サヤの前まで来たチャールズは、剣を振り上げて水の膜を作ると
まず、若造の放った炎魔法を受けた。
ジュウゥゥゥ…
「ぐおっ!」
予想以上に強力な炎魔法が水膜を蒸発させ、チャールズを襲った。
そして少女の一撃をそのままサヤの頭上で受けたが…
ガイィィン!!
剣があまりの勢いに手から飛ばされ、さらに腹部を直撃した。
アーマーが傷つき、血が滲み出す。
「うぅッ!…」
チャールズはあまりの痛みに腹を押さえつつ、サヤの方に振り返った。
「…ってな訳で、俺ら結構強いからさ、とりあえず大人しく捕まってもらえるか?」
>76>77>80
無理な体勢から身体を何とか引き起こした時には全てが終わっていた。
迫る炎の大蛇。
降下するロウムの刃。
そして駆け寄るグリーンマン。
防御しきれぬ攻撃に最早回避も不可能。
にも拘らず、禍剣の気は萎える事はなかった。
それどころか、何か今までの雰囲気とは異質なものがドロリと溢れ出すかのように。
宙を見上げ、迫るロウムと禍剣の濁った瞳が交錯した瞬間・・・
ロウムの耳元に呟きが風と共に運ばれる。
「素晴らしいわ・・・!三人合わせてだけど・・・10点をあげる!」
急降下を開始してからぶつかるまではほんの数瞬。
だが間延びした時間感覚の元、確かにその声はゆっくりと、侵す様にロウムの耳に入ったのだ。
それと共に強烈に叩き込まれる【死】のイメージ。
まるで実体験したかのように己の腕ごと首が切り飛ばされる様を!
だが、どろりとした異質な気も、イメージも唐突に消え去る事になる。
迫る炎の大蛇をグリーンマンが水の膜とその身で防ぎ、ロウムの剣を防いだのだから。
身代わりになったグリーンマンは傷に呻きながら禍剣に振り返り言葉を開く。
>「…ってな訳で、俺ら結構強いからさ、とりあえず大人しく捕まってもらえるか?」
その様子に呆気に取られたかのような表情の後、禍剣はにっこりと微笑む。
しかしその口から綴られる応えは降伏の言葉ではなかった。
「・・ありがとう・・・。折角の食材を味わう事無く食い散らかすところだったわ・・・。」
穏やかな応え。
が、穏やかなのはそこまでだった。
「でもそういう台詞はせめて私の両腕を切り落としてからにするべきだったわね!」
次の瞬間、禍剣は大きく剣を振り上げる。
必殺の間合いで傷ついたグリーンマンを逃すつもりはなかった。
死の刃が振り下ろされる瞬間、禍剣の握ったサーベルが宙を舞う。
その代わりにその腕には数本のクロスボウの矢が突き刺さっていた。
「ぎゃ!!」
短い叫びと共に更に両足にも矢を受け崩れ落ちる禍剣。
「ようし!お前が噂の禍剣だな!完全に包囲した!大人しく縛につけ!」
いつの間にかフェイジの後ろには完全武装した男が部下を連れ立っていた。
それだけではない。
言葉通り屋根の上、通りの向こう側、果ては家の中まで。
重武装の兵士と弓兵が完全に路地を包囲していたのだ。
「包囲に手間取ってしまい申し訳なかった。
相手は近隣都市で有名な連続辻斬り犯だからな。
我々が来たからにはもう安心してくれ。
そちらのお三方、ご同行願えるかな?
傷の手当てをしよう。事情も聞きたいしな。」
テキパキと部下に指示を出し、話しかけてくるのは守備隊長の男だった。
槍を携えた守備兵たちが禍剣を囲んでいく。
武器を失い、手足を矢で射られた禍剣は抵抗する様子はない。
このまま守備隊長の言葉に従えば禍剣は捕縛され、三人も守備隊の詰め所まで行くことになるだろう。
>77
>くらえっ!
>(次の一撃は一本の剣で右の肩を狙う刺突。剣を両手で持ち、渾身の力を込め急降下しながら禍剣に突き
(良し!お譲の攻撃はまず間違いなく当たる!
なんせ、俺の援護だからなぁ!ハハハハ!!)
と、ロウムの攻撃が直撃する事を半ば確信した直後…
>78
>サヤの前まで来たチャールズは、剣を振り上げて水の膜を作ると
>まず、若造の放った炎魔法を受けた。
>ジュウゥゥゥ…
>「ぐおっ!」
>予想以上に強力な炎魔法が水膜を蒸発させ、チャールズを襲った。
「な!?何やってんだよダンナ!!
落ちつけファイアーウィップ!…ちぃっ!!」
慌ててファイアーウィップの自動追尾を解除し、手動式に切り替える。
(OK、なんとか制御出来た。)
直後、フェイジはファイアーウィップを自分の近くまで誘導させる。
『味方』を燃やさないが、今の行動は明らかにファイアーウィップの『敵』。
このまま自動追尾を続行していれば、グリーンマンを標的に変えていたところだろう。
>剣があまりの勢いに手から飛ばされ、さらに腹部を直撃した。
>アーマーが傷つき、血が滲み出す。
>「うぅッ!…」
>チャールズはあまりの痛みに腹を押さえつつ、サヤの方に振り返った。
>「…ってな訳で、俺ら結構強いからさ、とりあえず大人しく捕まってもらえるか?」
(あらら、相手はほとんど無傷なんだぜ?
そう簡単に降伏するとは思えんぜ〜。実はダンナ、俺より甘いんじゃねえか?)
と、心のうちでは思っているが、これで禍剣が収まれば願ったり叶ったりだ。
フェイジは警戒しつつ様子見をする事にした。
>79
>「でもそういう台詞はせめて私の両腕を切り落としてからにするべきだったわね!」
>次の瞬間、禍剣は大きく剣を振り上げる。
>必殺の間合いで傷ついたグリーンマンを逃すつもりはなかった。
「そうはイカのキン……」
ファイアーウィップを再び操作しようと手を振り上げた瞬間…
>死の刃が振り下ろされる瞬間、禍剣の握ったサーベルが宙を舞う。
>その代わりにその腕には数本のクロスボウの矢が突き刺さっていた。
>「ぎゃ!!」
>短い叫びと共に更に両足にも矢を受け崩れ落ちる禍剣。
>「ようし!お前が噂の禍剣だな!完全に包囲した!大人しく縛につけ!」
「ん…?」
と、フェイジが振り向くと、兵士の集団らしき一団が立っていた。
(こりゃ、トリはこいつらに奪われちゃったって感じかな。)
守備兵達に囲まれた禍剣を見て、フェイジはそう思った。
臨戦態勢を解き、ファイアーウィップの発動を解除する。
>「包囲に手間取ってしまい申し訳なかった。
>相手は近隣都市で有名な連続辻斬り犯だからな。
>我々が来たからにはもう安心してくれ。
>そちらのお三方、ご同行願えるかな?
>傷の手当てをしよう。事情も聞きたいしな。」
「ああ、そりゃありがたいんだが…ちょっと待ってくれよ。」
そう言うとフェイジは近くに落ちていた自分の細見の剣を拾うと、禍剣の近くまで歩み寄った。
守護兵達が間に立つような場所を選んでいるため、不意打ちされても反応可能な距離である。
「サヤと言ったな。最後に聞いておきたい事がある。
お前、俺の剣について何か知っているのか?」
直接話をするのは最後になるかもしれないので、これだけは聞いておきたかったのだ。
>>80>>81>>82 (少女の剣が禍剣を捉えるまでの数瞬の時だった)
>宙を見上げ、迫るロウムと禍剣の濁った瞳が交錯した瞬間・・・
>ロウムの耳元に呟きが風と共に運ばれる。
>「素晴らしいわ・・・!三人合わせてだけど・・・10点をあげる!」
…っ!?
(突如女の声が聞こえた少女に死のイメージが叩き込まれる)
(突然の事にパニックを起こし、何が何だか解らなくなってしまう少女。)
>「ちょっと待てえぇぇッ!」
>「ぐおっ!」
(フェイジの炎を防いだグリーンマンがロウムの剣の先に立ちはだかる。普通なら剣を反らすのだが)
(パニックを起こしていた少女は、訳が解らなくなったままに剣を向けたそのままグリーンマンに特攻)
>ガイィィン!!
(結果、グリーンマンの腹部のアーマーに損傷を与え、更にはその下にある体さえも傷付けてしまった)
(グリーンマンへ剣をあびせた後、着地―と言っても地面に転がるようになったが―した少女)
(地に仰向けになったまま動かない。先程のイメージをまだ振り払う事が出来ず)
(武装した兵士達が禍剣を撃退した事も解らず、その守備隊長の言葉も、少女の耳には届いていなかった)
(ただ、光が無い目を開けたままその場に倒れているだけ。その様は人形のよう…)
>「包囲に手間取ってしまい申し訳なかった。
>相手は近隣都市で有名な連続辻斬り犯だからな。
>我々が来たからにはもう安心してくれ。
>そちらのお三方、ご同行願えるかな?傷の手当てをしよう。事情も聞きたいしな。」
(放心状態の少女に抗う術は無く、詰所へと運ばれていく)
【一足先に詰所まで行かせてもらいますね。目を覚ます(我に返る?)描写は次の書き込みで】
【そして、何だか戦線離脱しそうな雰囲気に仕上がりましたが、すぐに復帰します;】
【
>>78よろしくお願いしますね】
「でもそういう台詞はせめて私の両腕を切り落としてからにするべきだったわね!」
武器が振り上げられる。やっちまった、とチャールズは思った。
やはり話の通じる奴ではなかった、と思ったそのときである。
「ぎゃ!!」
サヤが悲鳴をあげ、崩れ落ちた。
「何者だ!?」
見ると、どこから張っていたのか、城兵と思われるアーマー兵と弓兵が
武器を構えていた。
サヤは両手、両足に矢傷を受け、ぐったりとしている。
「相手は近隣都市で有名な連続辻斬り犯だからな。
そちらのお三方、ご同行願えるかな?
傷の手当てをしよう。事情も聞きたいしな。」
若造はそれに応じる。少女は気絶しているようだが、戦闘に慣れていなかったのだろうか?
「ああ、助かったよ」
そうチャールズが言いながら腹を押さえ、ようやく起き上がると
アーマー兵たちが容赦なくサヤを取り囲んだ。
「ちょ…ちょっと待ってくれ!ちなみに俺は一応エンブレムナイトだ」
紋章を強調するように指差して前に出ると、一般兵たちはとりあえず引いたようだ。
「だから何だというのだ?こいつは凶悪犯だぞ」
隊長らしき大柄な男がずいと前に出て言った。
「ああ、分かってるさ。でも一応女なんだから丁寧に扱ってくれよ」
チャールズがサヤの体を抱える。青白い肌に艶のない髪。既に気絶しているのか、
瞳は閉じられていた。とても先ほどの戦闘能力を持っている相手とは思えない弱弱しい姿に、
チャールズは心を打たれた。
矢傷からはまだ血が溢れ、一部はまだ刺さったままだ。
とりあえず太股や二の腕を押さえながらゆっくりと矢を引き抜き、
マントを切り裂いてそれで止血措置をした。息もまだあるし、強い女だ。命に別状はあるまい。
一瞬、傷薬を塗ろうか、水の鎮痛魔法をかけようかとも思ったが、慌てて首を振り、
それ以外は一切手を付けずにすぐに兵士たちに引き渡した。
これから処刑されたり、拷問を受けたりして命を落とす可能性は高いだろう。
(だが、できるなら生きてまた会いたいもんだな…)
そう思いながら、倒れたままの少女を抱えると肩に担ぎ、
若造と共に詰め所の方に向かった。
「詰め所に言ったら、とりあえず傷の手当て頼むぜ」
傷で割れたエンブレムアーマーが目立つ。傷からはまだ出血しており、痛んだ。
見ていて思ったんだが
ロウム→緑→剣→若造
より
ロウム→剣→若造→緑
の方がよくね?
それぞれの書き込み時間的にこれだと一日一サイクルになる
ちょうど幕間だし変えるにはいい機会だと思う
>82>83>84
「聞きたい事があるならば後で時間を設けよう。
今は速やかにこいつを牢にぶち込ませてくれ。」
禍剣に問いかけるフェイジを隊長が険しい顔で制する。
手足を矢で打たれ、取り囲んだ兵の乱暴な扱いの為、気絶したのかぐったりしている。
問いかけは無意味であるが、それでも守備兵たちは緊張を崩していなかった。
近隣都市を恐怖の底に叩き落した殺人鬼の捕縛なのだ、無理はない。
慌しく禍剣を拘束し、連れて行いった。
そして数時間後。
簡単な回復魔法と医療行為で治療を終えた三人は禍剣について守備兵から聞いていた。
近隣4都市で50人を越える人間を殺していると見られているが、恐らくそれ以上だろうと。
簡易尋問では目的を「食材探し。」と応えたという。
人間だけでなくモンスターも多く殺している事に対しては
「剣を帯びるものに人も魔も区別しない」と。
闇の勢力との繋がりは無い戦闘狂と見られる。
三人からの事情聴取は明日となり、先に禍剣との面会を許可された。
薄暗い地下牢で、牢番の他重武装の兵士二人を伴うことを条件に。
そして三畳ほどの狭い独房の鉄格子越しに三人は禍剣と再会していた。
両手両足を枷で繋がれ、椅子に座る禍剣の顔は腫れ上がり口には乾いた血糊が着いている。
簡易な尋問がどういったものだったかを物語っていた。
手足にはグリーンマンが巻きつけたマントがそのままあり、赤く染まっている。
この扱いから、明日からの本格的な取調べとその先にある運命は見て取れるだろう。
しかし、禍剣にはその運命への絶望の表情は見られない。
「あら・・・やはりきてくれたのね・・・。」
三人に気付いた禍剣はニタリと笑い視線を向ける。
ジャラリと鎖を引きずりながら立ち上がる。
「あまり近づき過ぎないように・・・。」
その動きに守備兵がすっと檻の前に立ち注意を促す。
両手両足を枷に繋がれており、檻の隙間から手を伸ばすことも出来ないがそれでもそうせずにはいられない。
そんな言い知れぬ雰囲気が牢の中から醸しだされているのだ。
だが禍剣は意にも介さず、いや、三人以外の存在を認識すらしていないかのように言葉を続ける。
「その剣の片割れのこと、ね。
私はその剣の片割れを知っているわ。
でも、その前に、あなたはいつ、どこで、どうやってその剣を手に入れたの?」
幽鬼のような笑みと濁った瞳でフェイジを見つめながら問いかける。
保守
>83>84>86
>「聞きたい事があるならば後で時間を設けよう。
>今は速やかにこいつを牢にぶち込ませてくれ。」
>禍剣に問いかけるフェイジを隊長が険しい顔で制する。
「(ちっ、仕方ねえか)
ちっ、仕方ねえか。」
思った事を口に出してみた。
>「ああ、分かってるさ。でも一応女なんだから丁寧に扱ってくれよ」
>とりあえず太股や二の腕を押さえながらゆっくりと矢を引き抜き、
>マントを切り裂いてそれで止血措置をした。息もまだあるし、強い女だ。命に別状はあるまい。
(ダンナ…良く今まで生きてこられたなぁ…)
先程から敵に対して、隙を見せすぎる行動を見せるグリーンマンに対する感想。
悪い感情を抱きはしないが、心配にはなる。
ともあれ、フェイジはここで情報を引き出すのは諦め、グリーンマン達と共に詰所へ向かった。
数時間後、3人は守備兵から先程の敵について話を聞き終えた。
「(目的はさっき俺達にも言っていたが…)殺人鬼の戦う理由なんて、分かりたくもないぜ。」
それだけが感想である。
禍剣と面談に事が許され、地下室へ向かった。
>両手両足を枷で繋がれ、椅子に座る禍剣の顔は腫れ上がり口には乾いた血糊が着いている。
>簡易な尋問がどういったものだったかを物語っていた。
>手足にはグリーンマンが巻きつけたマントがそのままあり、赤く染まっている。
>この扱いから、明日からの本格的な取調べとその先にある運命は見て取れるだろう。
>しかし、禍剣にはその運命への絶望の表情は見られない。
(ひでえ……なんて思う訳にはいかないな。
こいつのせいで、何人もの人間が命を落としてるんだ。)
そう心で思うも、やはり心の中ではすっきりとしない感情を抱く。
>「その剣の片割れのこと、ね。
>私はその剣の片割れを知っているわ。
>でも、その前に、あなたはいつ、どこで、どうやってその剣を手に入れたの?」
>幽鬼のような笑みと濁った瞳でフェイジを見つめながら問いかける。
不意な問いかけに対して意図がつかめなかったが、フェイジは答える。
「俺がガキの頃から実家にあっただけだ。他に手に入れた理由なんてない。」
と、それだけ言って黙る。
「…………」
会話は終了したかと思われたが、フェイジは再び口を開く。
「この剣は誰も手に取る事が出来なかった筈なんだ。
実は、俺も小さい頃に持とうとした事があるが、全身に電流が走るような痛みがあってすぐに手を放しっちまった。」
ま、そんなこんなでただの飾りとして扱われてたんだ。
ちなみに、移動させる時は鞘を持った。」
「もう何年も前になるが、俺の家…まあ、少し大きい家なんだけどな。
何匹もの悪魔に襲われたんだ。
悪魔達の目的はこの剣だったらしい。
庭は燃えるわ、友人は殺されるわで荒れ放題だったし、俺も殺されかけた。
と、そんな状態で目に付いたのがコレだったのさ。」
腰に携えている剣の取っ手部を軽く握ってみせる。
「もう一か八かでコイツに手を伸ばしたら、あら不思議。まるでガキの頃が嘘のように簡単に手に取る事が出来たんだ。
んで、なんやかんやで悪魔を撃退したんだ。
その後で、家族が古文書やらを探って、この剣に片割れが存在している事を調べたんだ。
それで、悪魔の再来を防ぐためとか、剣が一つになれば隠された秘密が見つかるとか、これはお前の運命だとか、
訳の分からない事を並べられて、俺はこの剣を持って旅に出ざるを得なかったってわけだ。おわり。」
言い終え、腕を組む。
「さあ、手に入れた理由は言ったぞ。
今度はお前の番だ。」
禍剣の瞳を、やや鋭い目つきで見据える。
89 :
名無しになりきれ:2009/10/30(金) 23:07:44 0
ほ
【グリーンマンは規制中ですので適当に動かして
進めてしまってください】
【年齢】不明
【性別】男
【職業】武道家
【魔法・特技】武術
【装備・持ち物】武道着、各種ホイポイカプセル
【身長・体重】170・60
【容姿の特徴、風貌】黒い逆立った単発、オレンジ色の武道着
【性格】ヘタレ
【趣味】修行
【人生のモットー】かませ犬にはならず、自分の限界を突破する
【自分の恋愛観】ブルマが好き
【一言・その他】初心者だけどよろしく
動かないな
ロウムも規制中か?
>>93 労務は携帯だから規制は関係ないだろ
もう五日になるし
つまりはそういう事
よくある話さ
禍剣はフェイジの話を黙って聞いていた。
しかし、その間微妙に禍剣に変化が起きていた事に気付くだろうか?
話が始まってから徐々にだが顔の晴れが引き、濁った目に光が宿り始めている事に。
そして話が終わった時、ロウムは風の精霊を通じて別の変化に気付くだろう。
室内に風が吹き始めている事に。
小さな通気口しかない地下の牢にも拘らず、室内の空気が動いているのだ。
禍剣に吸い寄せられるかのように。
「・・・それだけ?」
フェイジの話が終わると、禍剣は笑いをかみ殺すかのような声で尋ね返す。
その表情は以前とは変らないのだが、確実に何かが変っていた。
云うなればかもし出す雰囲気。
まるで不気味な幽鬼だった表情が今は・・・禍々しい悪魔のように・・・!
「くくくく・・・その剣を携えながら、それだけしか知らないとは・・・!
まだ応える刻ではないようね。」
堪えきれなくなった笑いと共に、カシャンと乾いた音が響いた。
それは禍剣の手枷足枷が外れ、手足をくるんでいたグリーンマンのマントと共に落ちた音だった。
鋼鉄製の手かせ足かせは恐ろしいほど鋭利な切り口を見せ転がっている。
マントが落ちた手足には既に矢傷の跡すらなかった。
慌てる兵士を余所に、禍剣は牢内で手を翳す。
「まあいいわ。あなたたちはサヤを退けたのだもの。合格の印をあげなきゃね・・・!」
フェイジの質問を無視し、翳す手からは剣の切っ先が生えていた。
切っ先は更に伸び、刀身を顕にしやがては一本の剣として禍剣の手に収まる。
それはまるで血で出来たかのような真っ赤なクレイモア。
刀身は鏡のように輝き、禍剣よりも禍々しさを醸し出す。
「ふふふふふ!動くんじゃないわよ!剛化剣乱!!屍獅風刃!!」
振り上げる剣に室内の風は暴風となって纏わりつき、怨嗟の如き風斬り音と共に魔獣の姿をとる。
そして振り下ろすと共に風の魔獣は地下牢を駆け巡り上空へと駆け上る!
その最中、三人は感じただろう。
己の右手が切り取られた事を。
数秒の後、風がやむと地下牢には月明かりが差し込んでいた。
周囲には寸刻みに切り取られた瓦礫が散乱するのみで、天井はなかった。
怨念と真空刃の集合体である魔獣が守備隊詰め所を切り刻み吹き飛ばしたのだった。
そして己の右手がまだ繋がっている事にも気付く。
あまりの剣閃の鋭さに細胞が斬られた事に気付かず、そのままくっついたのだ。
だが斬られた事に間違いない。
その証拠に三人の右手首には五本の赤い筋が入っていたのだから。
「これで合格の印はついたわ。
私は禍剣パルティニアス!あなたたちを敵として認めるわ。
ただし、まだあなたたちはただの食材に過ぎない。
私を満足させられる食料になるように、存分に足掻く事ね!」
月明かりの中、高笑いと共に宣言したパルティニアスは一陣の風と共に消えていった。
三人以外の全てを切り刻まれた守備隊詰め所から・・・。
その言葉の意味は語られずとも三人は理解できるだろう。
手首についた五本の呪いの筋が理解させていたのだから。
禍剣パルティニアス。
正体は禍々しい剣そのものであり、人間部分は人鞘と呼ばれる柄と鞘が変化したものに過ぎない。
普段は正に鞘に納まるように休眠し、殺戮を繰り返す。
その中で鞘を打ち負かす人間を見つけては印をつけ、そのものが強くなるのを待つのだ。
そう、今まで三人が戦っていたのは本体ではなくサヤ・・・そのまま鞘だったのだ。
呪いを解く方法は二通り。
一つは禍剣パルティニアスを打ち負かす事。
もう一つは、同じようにパルティニアスに呪いの印を付けられた者を5人倒す事。
一人倒すたびに赤い筋は一本消える。
倒された者の力は現存する印を受けた者達に均等に配分される事になる。
パルティニアスはより強いものとの戦いを渇望しているのだ。
印を付けたもの同士が共に戦いあい、殺しあう事でより強い敵が育つ事になる。
そう、正により強い敵を生み出すための調理というわけなのだ。
印を付けられた者同士は引き合うことになる。
お互いの存在は筋の疼きで感じられるのだ。
これより先、三人の前には同じような哀れな犠牲者が現れるだろう。
お互いに己の呪いを解く為に戦いあう同病の者が・・・!
【名前】禍剣パルティニアス
【年齢】20歳くらい
【性別】女
【職業】魔剣
【所持魔法】風系 ・闇系
【戦術・戦法】剣術
【装備・右手】禍剣
【装備・左手】
【装備・頭】
【装備・鎧系】ボロボロのマント
【装備・服】ナイトドレス
【装備・アクセサリー】
【装備・持ち物】砥石
【身長・体重】165cm 55kg
【容姿の特徴、風貌】妖艶・金瞳・黒髪
【性格】戦闘狂
【趣味】斬殺
【人生のモットー】修羅の道
【自分の恋愛観】剣を帯びる者、強ければ尚良い
【備考】意思を持つ魔剣。
普段は人間の姿をしているが、戦闘になると身体の中から剣が出現するように見えるが、実は剣の方が本体。
人間部分は人鞘と呼ばれる鞘が変化したもの。本体は剣の方。
剣はクレイモアのような幅広の大剣で赤黒い刀身は鏡のようになっている。
強い敵との戦闘を渇望している。
【一言】登場と同時に一旦退場ですが、よろしくお願いします。
【名前】ガルダ・オズリック
【年齢】32歳
【性別】男
【職業】極道騎士(マフィアンナイト)
【所持魔法】無し
【戦術・戦法】極道流実戦的戦術
【装備・右手】ポントウ・セイバー
【装備・左手】ガジェットシールド
【装備・頭】アイアンメット
【装備・鎧系】アイアンアーマー
【装備・服】耐魔法仕様の極道スーツ上下
【装備・アクセサリー】親分の形見の「ロケット」
【装備・持ち物】ドス・ブレイド、テツクギ・バット、チャカ・シューター
【身長・体重】189cm、89kg
【容姿の特徴、風貌】顔を含め、全身にはかつて潜ってきた死線により被った傷跡がある
筋骨隆々とした野性的な精悍さを持ち、ザンバラの黒髪が特徴
【性格】義に厚いが、冷酷な一面を持つ
【趣味】常に牙を研いでおくこと
【人生のモットー】亡き親分への忠義を果たし、最期はその後を追う
【自分の恋愛観】わしに惚れた女は不幸になるから、恋愛はせんことにしとるんじゃ
…まあ、大抵怖がられて敬遠されるがのう
【備考】どんな手段を使っても、勝利を得る事を何よりの信条とする極道騎士の巨漢
かつて仕えていた「親分」が居たが、別の「子分」に裏切られて非業の死を遂げている
現在は、親分の仇を探しつつ傭兵をしながら旅をしている
【一言】わしは騎士道なんて甘っちょろい世界には生きとらん
更に過酷な極道騎士道じゃ
>>99 だったら騎士を名のんなやっていうツッコミ待ち?
安い設定だな
これで面白いとか思ってやがるのか
>>101 どうせテンプレだけのピンポンダッシュみたいなもんだろ
自己紹介、手当てを済ませ、守備兵に連れられてチャールズは地下牢にやってきた。
まさかサヤとこうもあっさりと再会できるとは思ってもいなかった。
「う…お…」
それは予想通りとはいえ、酷い姿だった。おそらく拷問でも受けていたのだろう。
全身に新たな傷を作り、戦闘での傷口からは更に血を滲ませた痕がある。
「辛いか?」
チャールズにはそれだけしか言えなかった。
「あら・・・やはりきてくれたのね・・・。」
サヤの顔はどこか余裕があるかのようにも見えた。そしてフェイジとなにやら話している。
「うわっ!」
突如としてサヤの手枷足枷が外れた。
「ふふふふふ!動くんじゃないわよ!剛化剣乱!!屍獅風刃!!」
手から新たに真紅の刃を作りだし、サヤは叫んだ。
「な…何だこれは…?」
チャールズは右手を見た。ない…のだ。それが。
しかし、次の瞬間、右手はいつの間にかあるべき場所に収まっていた。
「これで合格の印はついたわ。
私は禍剣パルティニアス!あなたたちを敵として認めるわ。
ただし、まだあなたたちはただの食材に過ぎない。
私を満足させられる食料になるように、存分に足掻く事ね!」
謎の言葉を残し、サヤが消え去る。チャールズは口を開けたまま、何も言えなかった。
そして自分を悔いた。今後は女でも容赦なく接しなくては、と心に誓ったのである。
再び二人を連れて酒場に向かうことにした。
話を終えたフェイジは相手の出方を待っていた。
そして、答えは・・・?
>「・・・それだけ?」
>フェイジの話が終わると、禍剣は笑いをかみ殺すかのような声で尋ね返す。
>その表情は以前とは変らないのだが、確実に何かが変っていた。
>云うなればかもし出す雰囲気。
>まるで不気味な幽鬼だった表情が今は・・・禍々しい悪魔のように・・・!
>「くくくく・・・その剣を携えながら、それだけしか知らないとは・・・!
>まだ応える刻ではないようね。」
「へ?ちょ、おい!お前、そりゃないだろ!」
予想外の返答につい動揺してしまう。
そのまま近寄ろうとした瞬間…
>「まあいいわ。あなたたちはサヤを退けたのだもの。合格の印をあげなきゃね・・・!」
>フェイジの質問を無視し、翳す手からは剣の切っ先が生えていた。
>切っ先は更に伸び、刀身を顕にしやがては一本の剣として禍剣の手に収まる。
>それはまるで血で出来たかのような真っ赤なクレイモア。
>刀身は鏡のように輝き、禍剣よりも禍々しさを醸し出す。
>「ふふふふふ!動くんじゃないわよ!剛化剣乱!!屍獅風刃!!」
「―――ッ!?」
フェイジが違和感を感じた時。
それは、実践ならば命取りになっていただろう。
>「これで合格の印はついたわ。
>私は禍剣パルティニアス!あなたたちを敵として認めるわ。
>ただし、まだあなたたちはただの食材に過ぎない。
>私を満足させられる食料になるように、存分に足掻く事ね!」
>月明かりの中、高笑いと共に宣言したパルティニアスは一陣の風と共に消えていった。
「待て!…ちっ、もう話も聞きゃしねえか。」
追撃を諦め、2人の安否を確認する。
「お嬢もダンナも無事か…まずは一安心だな。
(くっ、だが不意打ちを食らう程油断してるとは、俺もまだまだ甘いって事か…)」
自分の右手首を見つめ、心の中で悔やむ。
>103
>再び二人を連れて酒場に向かうことにした。
「あ、すいませーん。このポイテットのカットフライと、あとビルンワインをお願いします。」
とりあえず酒と食べ物を用意。
すぐに料理と酒は届き、フェイジは飲食を始める。
「もぐもぐ…」
1分ぐらい食べ、空腹状態から脱する。
「俺は明日にでもサヤ…じゃなくて、パルなんとかを追おうと思う。
二人とも、今日は一緒に戦ってくれてありがとな。」
唐突に切り出す。
フェイジの見たところでは、二人ともこの街に縁がある人物だろう。
だから、『一緒にアイツを倒そうぜ!』などと軽々しく誘う訳にはいかない。
「この剣の片割れを知りたいってのもあるけどさ…
それ以上に、アイツを一発ぶん殴ってやりたい気持ちの方が強いんだ。今は。」
そう言い、酒を口に含む。
「そういや、自己紹介がまだだったな。
出会い頭にダンナには名前を言ったが、仕切り直しだ。
俺はフェイジ。
所持する細身の剣の片割れを探すため旅を続けているさすらいの騎士だ。
故郷はここから海を渡った遥か北西だ。
騎士を名乗っているが、一応魔法もそれなりに使えるぜ。
(旅を続けたお陰か…明日には別れる人間に自己紹介するってのも結構慣れたなぁ。)」
不思議な感覚に捉われながらも、とりあえず自己紹介を終える。
まだ残ってる奴いるのか?
オォォォォ…!!
重武装した兵士が騒がしく終結する。
「何ィ!?女が逃げたぁ?」
三人はあっという間に取り囲まれた
「こいつらを入れてからおかしくなったんだ!やっと捕まえたと思ったのに…!」
めいめいに武器を抜き、構えはじめる。
「こんな事ならさっさと殺しておけばよかったんだ!」
「手当てをした奴もいたな?おい!誰だ?」
つめよる兵士たち。チャールズは前に出るしか方法がなかった。
「あぁ、俺だ。他のこいつらは関係ない。俺が独断でやった。
俺が責任を取る。この二人は女に指一本触れてない。保証する」
しばらくしてフェイジとロウムは釈放され、街に出ることができた。
チャールズはあっという間に取り囲まれ、そのまま牢屋に閉じ込められる。
バシィ、バシィと容赦なく鉄の鞭が浴びせられる。
強力な鎧を脱がされ、丸裸になったチャールズは、皮肉にもサヤが付けていた
足枷と手枷をはめられ、拷問を受けていた。
まだ僅かにサヤの匂いが残っている。しかしそれもあっという間に自分の血の匂いで消された。
体は脆いもので、すぐさま床は血溜まりになる。
ついにチャールズは痛みと苦痛で気を失った。
男の肉体などこうなってしまえば価値のないものである。
まるで先ほどの恨みを晴らすかのように何人もの兵士たちが刃物を浴びさせ、
容赦なくチャールズを切り刻んだ。
息も絶え絶えになったチャールズは、最後に斧によって斬首された。
一回では首が落ちず、血しぶきを上げながらダラリと首が釣り下がった。
二度目の斧で、チャールズの首は宙を舞い、そのまま彼の名は闇に葬られた。
チャールズ・グリーンマン ここに死す
>106
お疲れ様でした。
>フェイジさん
さて、二人になってしまったわけですが、どうしましょうか?
一応、蒸し返すようで申し訳ないですが、
>>70の補足説明をします。
まず、
>>70で自分が一番やりたかったことは、唐突に始まった戦闘を早く終わらせることです。
フェイジ→ロウム→グリーンマン→サヤ→フェイジ
この順番で回っており、フェイジさんが詠唱で次ターンにまわしてしまっている以上、
自分のレスを見てサヤさんが戦闘を終わらせるのはどう考えても不可能であり、
そこでフェイジさんが放った詠唱を決定リールとさせていただきました。
ここでサヤさんに期待したのは、魔法の効果をご自分で書いていただいて(決定リールの連携)
「二人の同時攻撃が決まった」という事で何らかの形で戦闘を終わらせてほしかったのです。
ところが後手キャンセルが入り、次のターンでもフェイジさんは「詠唱を続ける」にしてしまった。
これじゃ、戦闘はまた次のターンまで持ち越しになってしまうので、自分は
>>74で一歩引いて無理矢理
連携に繋げて戦闘終了の意思表示をしたという訳です。
以上、種明かしでした。
>108
ですねい。
早めに終わらせたい意図は読めていましたし、こちらも早目に終わらせるつもりでした。
>75で少々後悔入っている通りで。
ただ、技や術の発動って戦闘における華な訳じゃないですか。
それを決定リールの連携で塗りつぶしてしまっていいものか、と思ってしまいましてね。
それならそこでレスを投下せずにフェイジさんに先に書いてもらうのも有だったかな、と今思うと、ですけどね。
種明かしありがとうございます。
勉強になりましたですよ。
翌日―――
フェイジは、平原を歩いていた。
昨晩、グリーンマンが兵士にとらわれた後、ロウムに別れを告げた。
通常なら殴りこんででもグリーンマン助けに行ったかもしれないが、ロウムに危険が及ぶかもしれないし、
何よりグリーンマンが望んで捕まったのだ。もう、自分の入る余地はなかった。
その後、宿に泊まり眠った。
戦いの疲れもあってか、眠りに就くのはとても早かった。
晴々とした青空の中、全然いい気分になれないながらも、歩くことはやめない。
「やっぱり、この剣が災いを呼び寄せているのかもな」
腰に帯刀している細身の剣を見つめ、呟く。
この時のフェイジには知る由も無かった事だが、この剣は災いを呼び起こしているわけではない。
ただ、剣にあの街へ連れてこられただけなのだ。
剣の本来の力である、未来を導く力…半分になっても僅かに残った力がフェイジを外敵へと導いたのだ。
「ああ、もうどうでもいい!
とにかく、この剣のことを知っている奴がいたんだ。
パルをぶっ飛ばして、聞きだしゃ全部解決だーーー!!」
無性に叫びたくなったので心の赴くまま行動する。
(あいつは確かに強い…でも、)
「でもな、俺は諦めねーんだよッ!!」
青い空の下、緑一色の平原で、一人の青年がそこには存在していた。
やがて来る運命に向けて…
――――――騎士は、今、立ち上がったばかり。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
以下、中の人
>>108 お疲れ様です。またどこかで会える事を願ってます。
>>107 ほかの参加者が現れない限りは停止する他無いですね…
久々の騎士スレの参加だったので、残念です。
人が集まったらまた参加します。
願わくば、また会いましょう。
それまで、皆さんさようなら。ノシ
111 :
名無しになりきれ:2009/11/08(日) 22:09:09 0
アレだな
悪役の設定にちょっと無茶があったんじゃないかな?
ん〜残念。
皆さんお疲れ様でした。
最初に圧倒的な力で因縁をつける。
この後、ルーキー狩りの敵を出して、呪いを逆探知してパルティニアスの出現場所を探れるようになる。
リベンジ戦
片割れの剣について・・・
といった流れを考えていました。
私としても騎士スレは久々だったので、懐かしさも相まっていましたですよ。
楽しかったです。
ありがとうございました。
どうせならこの機会に
新しい設定で再スタートしてみない?
だが断る
115 :
名無しになりきれ:2009/11/11(水) 21:50:40 0
まだ終わらんぜえええええええええええええええええ!!!!!!!!!!!!
116 :
名無しになりきれ:2009/11/12(木) 18:40:26 0
OKKKKKKKKKKKKKKKKKKKKKKKKKKKKKKKK
つか、まだ終わってねえし
118 :
名無しになりきれ:2009/11/13(金) 17:48:29 0
あげ
誰か一人がキャラ投下すれば三人は集まると予想
フェイジはまだ参加するらしいし、案外いけるかもな
122 :
名無しになりきれ:2009/11/14(土) 18:48:09 0
募集AGE
>>122 募集するならまず自分が参加しろhage
124 :
名無しになりきれ:2009/11/15(日) 03:35:32 0
募集中
125 :
名無しになりきれ:2009/11/16(月) 18:49:32 0
ダレモコナ━━━━(゚A゚)━━━━イ !!!!!
126 :
名無しになりきれ:2009/11/18(水) 20:46:08 0
どうした騎士
127 :
名無しになりきれ:2009/11/19(木) 21:16:51 0
(´・ω・`)ショボーン
ショボーンするのは勝手だが、復活させようや
一人キャラが入れば続くぜ
129 :
猫:2009/11/19(木) 21:26:02 0
我輩は騎士である
名前はまだ無い
猫じゃねえか
死ねばよい
131 :
猫:2009/11/19(木) 21:40:21 0
>130
失敬な!
この白銀に輝く鎧が目に入らぬか!
消えろ
133 :
猫:2009/11/19(木) 21:46:15 0
>>132 何ひとつ行動しない奴に、曲がりなりにも騎士の我の行動を止める権利なぞ無いな
誰かを罵倒するだけでなく、おのれで再建する気概を見せるなら考えよう
とりあえず続けるならテンプレ頼む
>>133 自分でははじめる気がなく他人を挑発してはじめさせようというところがあざとぐ下品だな
136 :
名無しになりきれ:2009/11/20(金) 18:03:31 0
だな
137 :
名無しになりきれ:2009/11/21(土) 16:00:36 0
再開マダァ-? (・∀・ )っ/凵⌒☆チンチン
だからまともなキャラを一体投下すればいいだけだよ
140 :
猫:2009/11/21(土) 17:44:05 0
今色々準備しとるから待っとれ
今から始めるとしたらパルちゃんの続き?
いや、完全新規
ややこしい話しなしで問答無用、絶対悪の魔王を倒しにいくぞでいいよ
連絡もせずに遅れてすみません…ちょっと訳ありで入院してました…
…私が来ないせいもあって話が終わってしまったのですね…本当に申し訳ありません…
入院(笑)
>>144 新スレ別キャラでやる気ある?
体の調子も込みでできる?
また入院するだろうしやめとけよ
148 :
名無しになりきれ:2009/11/22(日) 20:55:57 0
>>144 携帯持ってるなら一報ぐらい入れろよ
黙って首吊れや蛆虫
猫はマジな話し騎士スレ再起動させるつもりなの?
それなら待つけど、再起動するつもりがないならなんか投下しようかと思ってる
全く同じこと考えてた
俺もそう思ってる
◆3lyIMkq6Poもこの機会に新キャラとして心機一転してやってみれば?
152 :
猫:2009/11/22(日) 23:14:03 0
【名前】エイトゥリム=トランシル=セレウキアソウェト(通称:エイトリー)
【年齢】50歳
【性別】男
【種族】ハーフエルフ
【職業】正規軍騎士
【所持魔法】精霊魔法
【戦術・戦法】遠距離攻撃がメイン
【装備・右手】魔弓ウィンドブレイカー
【装備・左手】
【装備・頭】正規軍の帽子
【装備・鎧系】特注のナイトレザーアーマー
【装備・服】エルヴンシャツ
【装備・アクセサリー】様々
【装備・持ち物】申し訳程度のショートソード、ハンドアーチャー(自作の片手弓)
【身長・体重】171cm 51kg
【容姿の特徴、風貌】童顔のハーフエルフ。パッと見た感じ少年風だが、実は結構な歳である。
【性格】軽めだが、実は結構深刻に考える方
【趣味】弓などの飛び道具の作成
【人生のモットー】楽しむこと
【自分の恋愛観】既に子も孫もいるが、慈愛の精神は忘れない
【備考】エルフの部族の生まれ。村では隠れて育ったが、成人とともに村を飛び出し、
人間の街で家庭を作る。人間の妻、息子や娘に囲まれて生活していたが、ある日突然妻を殺され、
それが元で人間の世界で騎士になることを決意。数年後、晴れて騎士に取り立てられる。
【一言】飛ばしていきましょう。
>>152 OK
>>150 気が合うなw
お互いどんなネタ考えていたか出し合ってよさそうなほうやればいいっしょ。
融合させてよりいいネタが生まれるかもしれないし。
>>154もキャラ出すくらいだから何かネタ持っているだろうし。
みんな簡単にネタ出し合おうや。
まず俺は単純な勧善懲悪魔王討伐話し。
戦乱の世で一発逆転狙った国家が魔物軍団召喚。
そしたら魔界そのもの召喚しちゃってその国アボーン。
魔界世界律が広がって世界混乱、魔物うじゃうじゃ。
半分くらいの国がアボーン。
残った国は防備にて一杯。魔界に降参する国も出る。
そんな中逆転の発想で魔王倒せば一気に世界統一!
コネも財力もない個人が国を持てるチャンス到来!と考える奴も出る。
さあ立身出世+人類救済+復讐+強い奴に会いに行く!
何でもいいからやってやるぜの冒険者ブーム到来!
ラスボスは極悪非道。悲劇や酌量すべき理由なんて介入しない奴くらいがいい。
>>155 せっかく騎士スレなんだから
神聖王国あたりが魔王を倒すために騎士を派遣とかも追加で
そういえば騎士だったなw
各国が防衛にて一杯だから法王庁が聖戦を発動。
個人単位で騎士を募集って感じでどうよ?
実際に参加する奴って何人くらいいるの?
敵希望か味方希望かもあわせて
ノシ
どっちでもいいよ
過去のキャラと繋がりのある奴で良かったら味方で参加するぜ。
味方で参加しようかと思っている
>>146>>151 優しいお言葉ありがとうございます。…ですが、やる気があっても
>>147>>148のような事を言われますとモチベーションも下がりますし
何より体の方の自由が効かなくなってるので今回の参戦はやめておきます
また次の機会があったら参戦させていただくかもしれません。その時はよろしくお願いしますね、では失礼します
>>160 ネームバリューでかすぎだろw
スレ主やGMやるならそれでやってくれ
いや、むしろそれで頼む
ストーリーはそのまま使ってくれていいから
>>162 残念だが仕方がないな
元気になったら来てくれ
国家なら
魔王軍…魔物の領域、どんどん侵食してくる
法王庁…主人公たちが所属、他の友好国に守られている
王国…歴史ある味方の国家
共和国…新興国家、弱小勢力の連合
帝国…かつてから敵対している大国
エルフ連合…エルフの自治体
北方…あらゆる点で謎の広大な領土を持つ勢力
もっとシンプルでよくね?
魔王軍対法王庁とその他の国
国とかはPCのバックグラウンドで自由に決める程度で
だが
>>155のストーリーだとこのぐらいならあってもいいと思うなぁ。
んじゃ採決はカイザーさんたのんます!
>>163 すまん、俺にスレ主やGMの才能は無い…
過去の参加で自覚はしてる。
参加出来そうになければ今回はやめておく。
>>164 その設定でいいんじゃないかな。
法王庁以外は話の展開によって立ち寄る可能性のある場所として存在していれば。
その他の国で
>>165のように独自で自分の出身地や縁のある地を設定できるようにすればいい。
あとは話を進めていくうちに決めるぐらいでいいんじゃないかな。
あまり設定に気を配りすぎると動きにくくなる。
と、
>>167に言われたまま自分の意見を言ってしまったが、どうだろう。
気に入らない部分があれば修正してくれ。
>>168 気に入らないのはその自己過小評価だな
才能なんていらない
経験と努力、そしてやる気が大切なんだから
どうしてもスレ主を蹴るなら完全新キャラで参加しなよ
参加自体取り止めってのはあまりにも自分勝手だぜ?
まぁそうだな、ネームバリューがある以上他からどうしても頼られるのは仕方ないし
それが嫌なら己を隠して新キャラで1から参加した方がいいだろうね
>>169が良いこと言ったついでに質問
基本日参でないとだめ?
分かった。
新キャラで参加する。
分からないように
鳥も変えて完全に別人でやってくれよ
>>169 いや言ってる事おかしいぞ?
なんでカイザーが来たというだけで自動的にカイザーがGMになるんだよ。
カイザーのままで普通に参加しちゃいけない理由を教えてくれよ。
頼らせてくれないならカイザー名乗るなはあんまりじゃないか?
同意
スレ主やGMにしなくてもただの過去のスレにもいたキャラという扱いでいいじゃん
進行中のスレから越境するのは騒ぎの元だが過去スレのキャラ再利用は問題ないだろ
んなどうでもいいことで議論するのが一番の問題
本人が新キャラで参加するって言ってんだから別にいいんじゃね
>>178 いや新キャラに「させられた」んだろ。
それが一番の問題じゃないのか?
実績のあるコテにスレ主やGMを「お願いをする」のが正しい在り方なのに、
断ったら酉まで変えさせるとか変な前例を作らないでくれよ。
いいよいに踊らされているなw
そもそもカイザーは
>>160で過去キャラとつながりのある奴で良かったら参加するって言ってるのに、GMやれとかおかしくね
>>179 まずGMとかなしでやってみようや
動かしてみてからそういう事は言え
OK、155だ。
まず整理しておこうか。
155=157
それ以外は155じゃない。
この前提で話をしたい。
そもそも
>>155でネタを持ち寄ってと言っているだろ?
>>150や
>>154のネタも見たいし、まだ何も決まっていない。
ただ俺のネタを出しただけで練りこんでもいないのに決定というのもどうよ?
大元スレ主やGMなしでもいいんじゃねえのと思っているから、みんなでネタを出し合っていきたいんだ。
>>160 リアルタイムで見てはいないけど、伝説として話しは聞いている。
個人的には新規のキャラでやって欲しい。
正直過去のキャラの戦友とか子孫とか出されても判らないし、判らないだけでなく過去のキャラの世界観までどうしてもついて回るわけだし。
ややこしくて仕方がない。
シンプルな構図、世界観でやりたいので、世界も新規なものにしたいからだ。
これは個人的な意見だから、従う必要はない。判断は任せる。
>>164>>165 >>168で上手くまとめられているからいいんじゃね?
>>174 参加は嬉しいが、
>>155でいいのか?めっちゃ殴り書きレベルなんだけど。
>>ALL
なんかいいようにプチ祭りになりかけているけど、あまり熱くならずに行こうぜ。
俺だってネタは出すけどスレ主やGMって器じゃないし。
これから先先導して行こうとは思っていない。思っていてもできないし。
足りないところはみんなでネタ出し合って流すとこ流して埋めていけばいいんじゃね?
誰かが一手に責任負ってやるんじゃなくて、もっと軽い気持ちでネタ出し合おうや。
>>183 設定を持ち寄ると言う前提と矛盾しとる気がするぞい
古いものを全て捨てて、自分達だけのまっさらな世界もいいじゃろ
だが過去の伝説と、現在の新たな世界観を結びつける遊び心くらいあっても良いと思うぞい
そうすれば新旧両方の騎士住人が楽しめるからの
まあ当のカイザーはもう新キャラでやると言っているが
>>184 じいちゃん、勿論それもアリだ。
昔の設定を覚えなきゃいけない手間を嫌がった俺個人の意見だから。
聞かれなきゃわざわざ言うこっちゃないもんだ罠。
元々許可を取って参加するもんじゃないだろ?
言っちゃったからには否が応でも影響与えるからずるいとは思うが、判断は任せるよ。
さぁ早速キャラ投下といこうか
その戦いは1000年乱世と呼ばれていた。
アカマガ大陸で永遠とも思える1000年乱世は唐突に終わりを告げた。
滅亡間近だった小国の一つが起死回生の大陸制覇を行う為に禁断の術に手を伸ばしたのだ。
それは魔界の悪魔の軍勢の召喚。。
それまでも世界にはモンスターや魔物はいたが、人間世界とのバランスは取れていた。
しかし召喚は失敗し、魔界そのものを呼び出してしまったのだ。
小国は一瞬にして魔界となり、魔界の領域は広がっていく。
溢れ出た悪魔達は人間世界を蹂躙し、数多くの国々を滅ぼした。
最早人間同士ではを争っている場合ではなくなったのだ。
魔界の強力さに各国家は防御に手一杯で反撃の余力はない。
そこで法王庁は『聖戦』を発動し、全世界から救世の騎士を募る。
法王庁の聖騎士。
各国騎士団から選抜された者。
強者との戦いを求める者。
世界の危機に立ち上がる者。
一攫千金を目論む者。
あらゆる者がそれぞれの野望を胸に聖都へと向かう。
聖都には人があぶれ、郊外にまで天幕が張られている。
未だ軍の編成のどころか登録の最中である。
既に待ちきれず戦いに先走る者、酒場で仲間を集う者と、混沌としていた。
基本勢力図
魔王軍…魔物の領域、どんどん侵食してくる
法王庁…主人公たちが所属、他の友好国に守られている
王国…歴史ある味方の国家
共和国…新興国家、弱小勢力の連合
帝国…かつてから敵対している大国
エルフ連合…エルフの自治体
北方…あらゆる点で謎の広大な領土を持つ勢力
その他…なんでもOK
【名前】
【年齢】
【性別】
【職業】
【魔法・特技】
【装備・持ち物】
【身長・体重】
【容姿の特徴、風貌】
【性格】
【趣味】
【人生のモットー】
【自分の恋愛観】
【一言・その他】
まとめてみたけどどうよ?
良けりゃはじめちゃおう
さぁ早速キャラ投下といこうか
>>184 おじいちゃん、久しぶり!前に世話になったからちょっとウケました
【名前】エイトゥリム=トランシル=セレウキアソウェト(通称:エイトリー)
【年齢】50歳
【性別】男
【職業】正規軍騎士
【魔法・特技】精霊魔法、弓による遠距離攻撃
【装備・持ち物】魔弓ウィンドブレイカー、レザーアーマー、ショートソード、ハンドアーチャー(自作の片手弓)
【身長・体重】171cm 51kg
【容姿の特徴、風貌】童顔のハーフエルフ。パッと見た感じ少年風だが、実は結構な歳である。
【性格】軽めだが、実は結構深刻に考える方
【趣味】弓などの飛び道具の作成
【人生のモットー】 楽しむこと
【自分の恋愛観】既に子も孫もいるが、慈愛の精神は忘れない
【一言・その他】飛ばしていきましょう。
あと最低三人はいたはずだがどうした?
理屈だけで動かない馬鹿には用はない
カイザーはどこ言ったんだ?
やるやる詐欺でネームバリュー落とすためにわざわざ顔を出したのかな?かな?
カイザーは全力でウケミンなんだよ
だからみんなが話を始めて軌道に乗るのを待っているのさ
カイザーは協力するつもりで参加希望出しただけだろ
言い出しっぺが動かずカイザーが始めちまったら、それはそれで叩くくせにw
スレ主なしなら言い出しっぺもないだろ
やりたい奴がやればいい
乗っかりたい奴は待てばいい
その結果立ち消えしたとしても仕方がないだろうよ
>>197 ダラズが
テンプレすら出さない事を言っとるんよ
【名前】ホライゾン=ヴィップ=ナイトゥ(通称:ブーン)
【年齢】14歳
【性別】男
【職業】共和国騎士
【魔法・特技】肉体強化魔法、両手剣による剣術
【装備・持ち物】双剣テラワロス、レザーアーマー、トンファー
【身長・体重】162cm 52kg
【容姿の特徴、風貌】( ^ω^)←こんな顔
【性格】テンションに流されがちで割とチキンな性格、優しい、やや変態
【趣味】春画の収拾
【人生のモットー】 目の前の餌には全力で釣られる
【自分の恋愛観】ババァと非処女以外なら何でもおk
【一言・その他】それがVIPクオリティ
こうですかわかりません><
>>200 お前が今、騎士スレを殺した
くだらないお前のレスがだ
携帯ちゃん達、お昼はもう済んだのかい?
まだならばあちゃんのところおいで。
今日は、けんちん汁と、ほうれん草の胡麻和えと、豚肉の生姜焼きだよ。
あーあ
ヴィッペルは死ねよマジで
ガキはどうしようもねえな
ばあちゃんスレ間違ってもたよ。
騎士様達、大変失礼しました。
>>202 携帯厨を煽ってんのかとwww
ばあちゃんけんちん汁ちょうだい
どう見ても野良VIPPERの釣りなレスなのに、これだけ釣られる今のTRPGスレ住民って・・・
>>206 お前はわかってないな
やりたいけど自分が始めるのは嫌だ
責任も負わず誰かの作った話に乗っかっていたい
なんか始まりそうだから英雄凱旋のごとく降臨してみた
そしたら責任背負わされそうになったから全力で逃げた
でもこのままだと逃げたと思われるから、煽りテンプレ投下してスレ全体の雰囲気を悪くする
このまま立ち消えしたら逃げたのではなくスレが始まらなかっただけだから俺被害者!
という事情があるのだ
このまま自然消滅…1.2
参加者三人以内で開始…1.5
参加者三人以上で開始…2.0
カイザー出落ちFO…1.5
カイザー新キャラ参加…3.5
べらべら理屈こねてるだけでキャラすら投下できない無能が
一番の荒らしだよ
正体が分かるとまずいから、新規参加者が2,3人集まるまでは様子見中
おそらく参加はスレが本格稼働してからになると思う
控えめなつもりの行動が
致命的なミスを生むことを忘れるなよ
【名前】 アイセル=ロード
【年齢】 24歳
【性別】 男
【職業】 帝国の傭兵
【魔法・特技】 剣、土・風・炎・闇魔法
【装備・持ち物】 邪剣ダークエメラルド、黒鋼の鎧、赤マント、予備の剣
【身長・体重】 180cm、77kg
【容姿の特徴、風貌】 赤髪赤眼、背中まで伸びた長髪
【性格】 冷めている。
戦う事に興味を示しており、傭兵業をしつつ各戦地を転々としている。
【趣味】 戦地へ観光
【人生のモットー】 スリリング
【自分の恋愛観】 死ぬ覚悟があればついてこい
【一言・その他】 おそらく敵キャラになるだろう、宜しく頼む。
最初は帝国所属で話に絡む予定。
スレが稼動してから参入してくる新規
そいつがカイザーだ
皆覚えておけよ
稼動中に新規が来たらカイザーだと思うんだ
あと一人もしくは二人ほしいな
【名前】エレンシア・ホプキンス
【年齢】22
【性別】女
【職業】王国の騎士団員
【魔法・特技】剣術、格闘術、炎魔法、回復魔法
【装備・持ち物】プレートアーマー、ロングソード、ハルバート
【身長・体重】167p・55s
【容姿の特徴、風貌】金髪碧瞳。つり目でキツそうな雰囲気
【性格】生真面目で正義感が強いが空回り気味
実力はあるが少し傲慢
【趣味】訓練、読書
【人生のモットー】清く正しく正々堂々
【自分の恋愛観】あまり男に興味はない
【一言・その他】お手柔らかに頼む
これで明日には始動できそう
大いに期待だな
【名前】 レーラ
【年齢】 19
【性別】 女
【職業】 炎術師
【魔法・特技】 発火能力・具現化
【装備・持ち物】 各種可燃物
【身長・体重】 155・42
【容姿の特徴、風貌】 金髪ロングのアップ・青瞳・整った顔立ち・古びたメイド服
【性格】上昇志向
【趣味】 家事全般
【人生のモットー】成り上がり!
【自分の恋愛観】 恋は狩り!チャンスがあれば逃がさない!
【一言・その他】
人間に見えるが女系戦闘種族グリムという妖精の一種。
その中でも7姫と呼ばれる地位にあったが政争に破れ追放される。
平民出から7姫第5席まで上り詰め叩き上げの女。
上昇志向が強く、世故にも通じる。
よろしくお願いします。
>>210 スゲー逃げだな
やり始めないし軌道に乗せるのに協力もしない
後からの参入だからと言い訳作って参加しても空気を貫く
でも大御所だからいるだけで存在主張になる
まったく変わってないな
そういうのを老害というんだぜ?
やるなら逃げずにちゃんとやれよ
【名前】フリード=エンペラ
【年齢】17
【性別】男
【職業】共和国の学生剣士
【魔法・特技】剣術、高魔法抵抗力
【装備・持ち物】レザーメイル、ロングソード、高価な腕輪
【身長・体重】171p・62s
【容姿の特徴、風貌】短い黒い髪に黒い瞳。どこにでもいそうな青年。
【性格】優しいが、やや流され易く、子供じみた部分もある。
【趣味】読書、料理
【人生のモットー】諦めなければ道は開ける
【自分の恋愛観】いろいろあって、もう恋愛はしないと決めている。
【一言・その他】
共和国の学生で、剣術の腕は学生の中ではトップクラス。出生は孤児である。
宜しくお願いします!
あとでテンプレの書き方の癖からこの中にカイザーがいないかチェックするか
始動後も本文の文体の癖で随時確認していく予定だ
バレないように気をつけるって言ったのは自分だからな
バレたらキャラ削除して最初から参加し直せよ?
>>220 もう黙っとけ
カイザーからエンペラーの時点でもう何も言えねえだろ?
参加しない人がどうのこうのと言うのもどうかと思います
おまいらそんな分かりやすい粘着君に釣られるなよw
聖都モナスカスフィルの市街地中心近くに位置する酒場…
すっかり陽は落ち、今日の業を終えた人々ですっかりごった返している。
共和国の都市の一つ、魔王軍への最前線に位置する城砦都市サイグントゥムに派遣された
法王庁の騎士団が、味方の裏切りにより包囲され、全員が殺されるか捕虜となったという
悪い話ですっかり場内は暗い雰囲気に包まれていた。新たに魔王領が拡大してしまったのだ。
そんな中、「猫の足音亭」という奇妙な名前のついたこの場所に、変わり者の客が現れた。
「とりあえずエールで」
その童顔の男は騎士ではあったが、騎士にしては小柄で細身、何より浮いたのは
彼の鎧である。他の者と違い、明らかに軽装の格好だ。申し訳程度に貧弱な
ショートソードを腰にさしている。彼がハーフエルフの騎士、エイトリーである。
ウェイトレスがエールを運んでくると、エイトリーはなにやら小難しそうな顔をして
エールの入った器をグルグルと回し、ため息をついたかと思うと一気に飲み干した。
「この聖都は、どれぐらい持ちこたえられると思う?」
誰にでもなく、かつ、わざと周囲に聞こえるように大き目の声で語りだす。
ここモナスカスフィルはまだ魔王領からはほど遠く、敵対国である帝国とも
境を接していない、比較的安全な都市であった。
「どのぐらい持ちこたえられるか、と聞いている」
誰が聞いているかも知らず、話が続けられる。
「そうなった時、立ち上がるのは…誰だ!?」
熱弁をふるい、強く拳を握り締めた。
確かに、「聖戦」の発令により、一時的に法王庁の権威は広がり、
周辺諸国は結束し、魔王軍を押し返すこともあった。
しかし…しばしの時が経った今、国家単位だけではなく諸侯単位で、
挙句の果ては家単位で人々の結束は解れつつある。
この地に危機が迫るのも時間の問題…
白い目をしていた周囲の人々の目が、次第に真剣味を帯びていった。
【名前】クリス
【年齢】2年半
【性別】男
【職業】北方出身、魔法生命体
【魔法・特技】各種四大元素魔法、回復魔法
【装備・持ち物】全身を覆う黒いローブ、先端に銀色の宝玉がついた身の丈ほどの杖
【身長・体重】140p・35s
【容姿の特徴、風貌】見た目は10歳ぐらいの少年。金髪、褐色肌
【性格】子供
【趣味】食事、観察
【人生のモットー】やりたいことはやる!
【自分の恋愛観】それって美味しいの?
【一言・その他】
北方での実験により生まれた、造られた生命。
込められた魔力は膨大で、そのため高位魔法も難なく使える。
カイザーが来たか?
クリスかエンペラかどっちかな
帝国は、これからの動向を探っていた。
強力な魔物の出現により法王庁や王国との戦争は中断せざるを得なかった。
戦争の継続を断念したかと思えば法王庁は『聖戦』なるものを発動させ、聖都で騎士を集っているのである。
対象が魔物であるため、聖都はこちらに攻撃しないだろうが、単純な戦力ではこちらが劣ってしまう。
だが、今さら法王庁と協力など出来るものかと、帝国は聖戦に関与しない方針だ。
戦場近くのとある陣屋。
魔物と交戦したのは僅か数回の地点であり、最前線ではないが戦闘の可能性は低くはない。
陣屋の中で一番大きなテントの中。
帝国の将軍の前でアイセルは腕を組んでいた。
「聖都と魔物が交戦し、消耗した隙を俺を含む大軍の帝国兵が狙う・・・要は漁夫の利か。
・・・フン、なかなか面白い。
劣勢でも諦めないところが気に入った。
了解だ、貴様達に傭兵として雇われてやる。」
返事も聞かず回れ右、そしてテントから出て行く。
陣屋の中で人気が少ない場所を発見し、木に寄り掛かって座る。
(狙った通りに事が進むとは思えんが・・・まあいい。
興味は、聖都に集う強者が俺を満足させてくれるかどうかだけだ。)
月と星の光が照らす山道をレーラは歩いていた。
明かりもつけず、ただ一人で。
その姿は古びたメイド服。
だが、レーラを見てメイドと言う者は少ないだろう。
左足には鉄球付きの足枷。
両手には無骨なガントレットが装着され、首枷で両手と首を固定されている。
故に少女を見て多くの者は逃亡奴隷というだろう。
鉄球を引きずり、首枷で戒められながら辿り着いたのは小高い崖。
眼下に見えるのは聖都モナスカスフィルの灯り。
あと少し・・・というところだが、実はここで行き詰っていた。
前方は崖。
後方には・・・執念深く追って来た狼の群れが暗闇の中から姿を現したのだから。
レーラの消耗と崖という地理的条件を見て、追跡をやめ狩りに出たのだ。
月明かりを反射し光る目がじわりじわりと包囲を狭めていく。
あとづさるレーラだが、すぐ後ろは崖なのだ。
この状態で落ちれば受身を取ることもままならない。
「くっ・・・この私が狼ごときに・・・!」
ギリリと奥歯を噛み締め戦う覚悟を決めた。
大きく息を吐き体内の魔力を練り上げる。
全身の魔力が高まった瞬間・・・首枷の中央に時計が浮かび上がる。
その針が指すのは0時5分。
時計が浮かびあたっが瞬間、レーラに漲っていた魔力は雲散霧消してしまった。
魔力の高まりを感じ一瞬怯んだ狼の群れであったが、それが途切れた瞬間レーラに襲い掛かる!
「くそおおお!やっぱり駄目なのっ!?
義母様!お願いよ!!」
魔力が霧散するを予見していたレーラは悔しさに歯軋りをしながら左足で蹴り上げる。
義母様と呼ばれた左足についた鉄球は正面から飛び掛ってきた狼の牙を折り顎を砕き吹き飛ばす。
吹き飛んだ狼は隣で飛び掛ってきた狼も巻き込み転がっていく。
しかしレーラを襲う狼は二匹ではなかった。
蹴り上げた体勢のレーラは後ろからの衝撃を支えきれずに突っ伏して倒れる。
その上に圧し掛かる狼の牙を首枷が防いでいた。
咽喉を噛み窒息させようとする野生の合理と、レーラを無力化させる首枷が命を救ったのだ。
皮肉な状態に舌打ちをしながら転がり狼を引き剥がすことに成功した。
が・・・情況が好転したわけではない。
夜陰に紛れる光る眼はまだ十を越えているのだから。
参考資料・首枷
http://image.blog.livedoor.jp/madcap17/imgs/b/b/bbbd921f.jpg
すいません。参加しようと思ったのですが、さっき内定が決まって
これから忙しくなりそうなので今回の参加は取り消します。
本当にすみません。
これだから糞ガキは…
いちいちそういう発言をするところからして社会性ないわ
どうせそう言っといて毎日午前3時までネトゲエロゲ三昧だろ?
つーかお前絶対試用期間で切られるから
内定決まったという言葉に荒れるスレ・・・なんか目から汗が出てきた・・・。
>>232 荒れるも何も2レスしかついてないんだが、
雑談や報告を避難所でやるように
リンクを貼ってもらったのも荒らしに数えてるよな?
お前どんなコクハだよ
さあ盛り上がって参りますた
まさかあの馬鹿にここのリンク教えたのか
余計なことしやがって
これはもうコクハっぽい奴は容赦せずに対処するしかないな
恨むンならこことダークをリンクさせた馬鹿を恨め
大量削除
そして名無し達のアク禁
何故か同時期から代理投稿依頼だらけになる本編
翌朝、エイトリーは朝も早くから城壁の周辺を警備していた。
「まったく…偉くもなるとこういった仕事も一人でやることになるとは…」
昨日は結局、話を聞いてくれた者は多かったものの、彼について行く、という者は
殆どおらず、さっさと酔いつぶれて宿舎で短い睡眠時間をすごした。
まだ辺りは暗く、ようやく朝日が差そうというところ。
エイトリーは崖の近くの茂みになにやら人のようなものが落ちているのを見つけた。
「おわっ…人か!」
メイド服を着た女のようだが、服はボロボロで血が滲んでいる。
死体だろうか?恐る恐るその体に触れ、体温を確認し、脈をみた。
「温かい…まだ息があるぞ!」
見たところ、武器を持っている様子はないが、不自然だと思ったのは
首枷が付いたままになっていることだった。手も塞がれている。
「ん!?」
持ち上げて詰め所に運び込もうとしたが、思った以上に重い。
エイトリーは自分の非力さを恥じた。…が、ある物に気づく。
「なぜ…こんなものが?」
鉄球だった。明らかにこれが重みになっている。ショートソードを取り出し、
鎖を断ち切ろうとしたが、全く歯が立たない。
「仕方あるまい…」
風の魔法を剣に纏わせ、思い切り振り下ろした。
ジャギィン、という音と共に鎖がはち切れ、ようやく鉄球は離れて地面を転がった。
しかし困ったことに、剣から出たカマイタチが女の衣服を切り裂いてしまった。
「しまった!」
大きな傷はついていないが、うっかりしたミスだった。
とりあえず知らぬ振りをして、塗り薬を傷に塗りこんで応急処置を施し、
かついで詰め所まで運んだ。
それでも予想以上に重かったというのは、恥ずかしいことに事実である。
「よいしょ…と、さて、どうしたもんかね」
詰め所のベッドの上に女を横たえる。
辛うじて首枷を外し、傷には応急処置を施したので命の別状はないだろう。
あとはもう少しして交代が来たら報告するだけだ。
女の寝顔を見ているうちに、家にいる娘を思い出した。既に婿を取っており、
今は孫と一緒に暮らしている。
(娘の寝顔をこうして見ることももうないのだろうな…)
次第にエイトリーもうとうととしてきた。
雪が降る。
常冬の大地、北方。
「35号、通称"ディーン"は素晴らしいですね」
「内包魔力、開放魔力、身体能力、情報処理能力。全てにおいて超一流だ、非の打ち所がない」
「"クリス"は?」
「34号か。奴も魔力に関しては非凡なものがあるが…性格が人間的すぎる」
「つまり、使いものにならない可能性がある、と?」
「命令には絶対服従であることが第一条件だからな。少し、人間に近づけすぎた」
「それに34号は身体能力的にも弱いところがありますからね」
「何にせよ35号がある以上、34号にはもう用はないな」
――"パパ"達の声が聞こえる。34号は、ボクのことだ。
「く、くく、ははははは!完成だ。35号さえあれば世界を我が物とすることさえ容易い」
「残りの試作品はどう致しますか?最初に人間の形をとった26号以降は全て残してありますが」
「『処分』、だな。利用価値はない。生かしておいて外部に漏れては困る」
「はっ」
「ほら、こっちへ来い!」
「31号はどこだ?…おや、こんなところに隠れていたのか」
「処理は滞りなく進んでいるか?」
「ええ。次は…34号」
――やめて。やめて!
「34号が逃げたぞ!」
「『空間移動(テレポーテーション)』か…忌々しい」
「探し出せ!必ず、息の根を止めろ!」
「…ふむ、それほど焦る必要もないのでは?」
「所長!」
「たかが10歳児程度の頭脳しか持ち合わせていませんからね。生き延びられるはずもなく」
「魔物に喰われてしまうだろう、と?」
「そういうことです。皆さん、研究に戻ってください。…完成品、35号はどこです?」
「はい、こちらへ…」
――ボクは、ボクは…。
常冬の大地、北方。
雪が降る。
しんしんと、降り続いていた。
そして。
聖都にある広場。1人の少年が、行き倒れていた。
息も絶え絶えに。
>239
うとうととしたエイとリーの頬を熱風が撫でる。
その異変に目を覚ませば行き倒れていた少女が鬼の形相で首枷を踏みつけている姿が目に入るだろう。
そして耳にもドスの利いた唸り声とも形容できるような怨嗟の声。
「スノオォオォォ!みてろよクソがああぁ!」
夢か現か、踏みつけられた首枷は炎を発することもなくケシ炭なって砕け散った。
次の瞬間、エイトリーに気付いたレーラの顔が変る。
先ほどまでの鬼の形相は何処へやら。
少々慌てた少女の顔となっていた。
それと同時に室内に充満していた熱気も消えうせている。
「あら、気付かれましたか?私はレーラ。
助けていただきありがとうございました。」
流れる声は涼やかな少女の声。
恭しくお辞儀をしながら足で消炭を後ろに蹴飛ばすレーラだった。
その姿にエイトリーは違和感を覚えるだろう。
なぜならば、断ち切ったはずの鎖は繋がり鉄球は足枷についたままであり、切り裂いてしまった衣服は元通りになっているのだから。
>240
その直後だった。
詰め所に行き倒れの少年が運び込まれてきたのは。
「スノオォオォォ!みてろよクソがああぁ!」
ドスの効いた声にエイトリーはビクリと肩を反応させて目を覚ました。
見ると、女が外された首枷は粉々の炭となっており、少女が怒っている。
「起きたか。む…!何か気に障るようなことでもしてしまったかな?」
一瞬後ずさりながら問いかけてみる、
「あら、気付かれましたか?私はレーラ。
助けていただきありがとうございました。」
すっかり普通の穏やかな女の顔になっていた。
「む…!」
驚いたのは、先ほど外した鉄球が元の位置についていたことだ。
(私はとんでもない娘を相手にしているのかもしれん…交代はまだか?)
「そうか。レーラ…可愛らしい名前だな。私はエイトリー。この聖都を守る騎士だ。ところで…」
適当に世間話をしていると、後ろの扉を独特の拍子でノックする音が聞こえた。交代が来たのだ。
エイトリーはほっと胸をなでおろした。
「エイトリー殿、朝早くからお勤めお疲れ様であります」
「おぉ、ご苦労さん。さっさと替わってもらえるかね。こっちは…」
レーラの話をしようと思った矢先のこと。
「いや、それが…広場でこいつを見つけましてね」
「むぅ…」
その少年は金髪褐色肌で、何よりもその体から溢れる魔力の量に驚いた。
普通の子供には見えない。それで内部の詰め所で取り扱わず、術師であるエイトリーのところに
運ばれてきたのだと納得がいった。
「命に別状はない。そろそろ目を覚ますだろう。だがこの子は…とても私には手に負えんな」
それだけ言うと向こうからレーラが来るところだった。
「そうそう、この娘を向こうの崖の方で発見した。この通り元気に動いてるよ」
そう言って今度は少年を、詰め所のベッドに横たえた。
見覚えのない天井。
一番最初に視界に入ってきたのはそれだった。
意識が覚醒するまで、そう時間をかけることもなく。
傍目には何も問題はないように見える。外傷はなく、脈拍、呼吸、支障はない。
だが起きあがろうとして、満足に体が動かないことに気付く。
魔力生命体であるその体は、魔力そのものを源として動いている。
その魔力が、涸渇している。
あの研究所からここまで、どうやって来たか。
北方からこの聖都まで、途方もない距離があるのだ。
通常の空間移動では想像つかぬ距離、それは魔力の過剰暴走。
大量の内包魔力を一度で空にしてしまうほどの空間転移。
行き倒れていたのも、そのためだ。
ともかく性急な魔力の回復が必要だ、このままでは生命維持にも関わる。
内臓を動かすだけの魔力はまだ残っているようだが……、
このままではそれも涸れ果ててしまうだろう。
普通の人間と違い、寝れば回復するというものではない。
エネルギーを魔力に変換する機構が組み込まれている。
すなわち、即刻エネルギーの摂取が必要となる。
つまりは――。
目を覚ましたことに気づき、そこにいた人物が何事か喋りかけているようだが、耳には入らない。
聞いている余裕すら、そこにはないのだ。
「……おなか、すいたよぅ……」
瞳には涙が溜まっている。
蚊の鳴くような、弱々しい、声で。
>242>243
「こういう詰め所は男所帯ですし、やりがいがありますわ。
私家事全般、特に料理は得意ですの。」
詰め所の厨房を見回してレーラはにこやかに笑った。
そこからレーラの超人的な動きに、そして能力にエイトリーたちは驚く事になる。
次々と具現化される厨房器具の数々。
鉄球付きの足枷を引きずり、ガントレットをして不自由そうなのだが、それでも手際よく食材は料理へと変っていく。
ただ問題は、数日分の備蓄食材が一気に消費されていく、という事なのだが・・・。
次々にテーブルの上に並べられる皿にはどれも見事な料理が載っている。
詰め所のテーブルは大きい。
鎧を着たままの食事も想定している為、通常のテーブルよりもかなり広いのだ。
にも拘らずテーブルを埋め尽くすまでそれほど時間はかからなかった。
「さあ、皆さんお待たせしました。
いろいろお話もあるでしょうし、まずは食べながら。」
他の者達をテーブルに促し意気揚々とクリスの前に最後の皿をおいた。
それは他の皿に比べてあまりにも貧相な。
殆ど透明なスープが入っているだけだったが、これは薬膳スープ。
衰弱した内臓でも耐えられるようにという気遣いだった。
「改めまして。私はグリム七姫が第5席【灰燼の】レーラよ。
魔王を倒す為に聖都までやってきたのだけど・・・想像していたような物々しさがないようね。
今の状況を教えていただけますか?」
食事を取りながら自己紹介と目的を明かし、状況説明を求めた。
グリムとは妖精の一種で、主の構成を殆ど女性体でなしている。
固体ごとにそれぞれの法則に基づき戦闘能力を有するため、女系戦闘種族とも呼ばれる。
社会は7姫と呼ばれる頂上会議による合議制。
しかしその存在の発見は近年であり、未だ謎の多い種族である。
「……おなか、すいたよぅ……」
少年がそれだけつぶやくと、レーラはすぐに厨房で料理に取り掛かった。
エイトリーは「救助された奴同士で何勝手なことを…」と言いかけたが、
止めるのをやめた。自分も腹が減っていたのだ。
「改めまして。私はグリム七姫が第5席【灰燼の】レーラよ。
魔王を倒す為に聖都までやってきたのだけど・・・想像していたような物々しさがないようね。
今の状況を教えていただけますか?」
大量の食事が目の前に並んでいる。あきれながらも、他の兵士一同喜んで
それらに食いついた。なかなか美味い。
「ふむ。七姫?お前はお偉いさんなのか?まあいい…それにしても
『魔王を倒す為!』なんて言ってる割には情けない倒れ方だったな。
…状況は緊迫している。最近では共和国に裏切り者が多発し、魔王の領土に
日に日に侵食を受けていると聞く。我が法王庁の騎士たちもやられた…
我々は今すぐにでも立ち上がるべきだと思っている…!どう思う?
ああ、そういえばお前の名は…」
少年の方を見て名前を聞こうと思ったその時である。
「アァァァァァ!!」「ギャァァァァァ!!」
味方の兵士と思われる悲痛な叫び声が離れた場所から響いた。
慌ててエイトリーの近くにいた二人の兵士が槍を構え、詰め所を飛び出していった。
それに遅れてエイトリーも装備の確認をすると、後ろに続く。
どうやってここまで進入したのか… それは、オークの群れだった。
十はいるだろう。オークの巨体と棍棒によって詰め所の兵たちは
次々と頭をかち割られ、胴体を叩き潰されていった。
聖都の城壁までは数分の距離がある。ここは自分たちだけで防ぐしかないだろう。
>>244-245 目の前に出された皿しか、もう見えない。礼も言わず、首の力だけで皿の端に口を付けて。
中のスープを口含し、嚥下し、食道から胃袋へと落とし込んでゆく。
エネルギー摂取、魔力に変換。体全体の筋肉の稼働に廻す。
体が動くようになったところで皿に手を伸ばし、一気に飲み干す。
「…ぷはぁ!」
先程の息も絶え絶えな姿が嘘のように、精力に漲ってくる。
しかし、まだ足りない。魔力を蓄えるに越したことはない。
スープにしか目がいってなかったが、元気になるとそこには大量の料理があることに気づく。
なんという巡り合わせか。クリスは満面の笑みを浮かべると、料理にむしゃぶりつく。
礼儀もマナーも何もない。酷い勢いで。
見る者を唖然とさせるような、その食事。勢いも、量も、到底見た目にはそぐわない。
摂取、変換、蓄積。摂取、変換、蓄積。少しずつ魔力が補われてゆく。
一心不乱に食べているところを、一人の騎士風の男に、名を問われそうになって。
答えようとしたところで、外から叫び声が聞こえた。
中に居た人物が何人か声が聞こえた方へ駆け出してゆく。
十分なほど魔力の充填が完了したクリスも、何事かと後を追う。
詰め所の外で行われていたのは、オークの群れによる一方的な虐殺。
襲われている、ならば手助けせねばならない。こちらは、助けられた身だ。
クリスは前に立ち、魔術の詠唱を開始する。わざわざ出てきたのは、自らを誇示するためだ。
しかし悠長に詠唱などしていたらすぐにミンチにされてしまう。
だから詠唱は途中で省略、完結。これぐらいはお手のものだ。
「助けてくれてありがとう!自己紹介!姓もなし、名もなし!ただの"クリス"だい!」
振り返り、顔を上げ。尊大に言い放った瞬間。
オークのうち数体の頭部に紋章が浮かび上がり。
内側から、弾けた。
>245>246
テーブルに着きながらエイトリーの言葉に耳を傾ける。
情けない救助の事を言われレーラの柳眉がピクリと上がった。
そして続けて流れる不利な戦況に眉間にしわがよる。
漂い始める不機嫌なオーラ。
一言発しようと大きく息を吸い込んだ瞬間。
>「…ぷはぁ!」
先ほどまで衰弱して瀕死だったクリスが皿を手に取り一気にスープを飲み干したのだった。
そこから始まった怒濤の食べっぷりにレーラは目を丸くし、言葉を失ってしまった。
暫くして
「ぷっ・・・・く・・・あはは・・・。スープはコップに入れるべきだったわね。」
思わず噴出してしまい、肩を竦めるのだった。
話を切り裂いたのは突然の悲鳴。
反射的に飛び出していくエイトリーをはじめとした衛兵達。
それについて走っていくクリスの背中を見送りながら、レーラも席を立った。
詰所の外では十を越えるオークの群れが衛兵達を襲っていた。
駆けつけたクリスが自己紹介をしながら数匹のオークの頭を吹き飛ばすのを見て、レーラは高々と叫んだ。
「ヒロインは遅れて現われるのがお約束!」
芝居がかった口調で現われたのは詰所の屋根の上だった。
「グリムグリモアール!艱難辛苦受容の時は過ぎ武闘会が開かれた!」
掛け声と共に足枷とガントレットが光り輝きレーラを包み込む。
光が収まった時、そこには青と白を基調とした美しいドレスに身を包んだレーラが飛んでいた。
「あなたが親玉ね!私の靴がなぜガラスヒールと呼ばれているか教えてあげる!!」
ふわりと飛び、着地したのは群れの奥にいた一回り大きいオークの頭の上だった。
オークの頭に黒い粉を捲き、レーラの靴が触れた瞬間・・・体中の穴から火を噴き、肌は炭と化し溶けていく。
灼熱の赤の領域はレーラを中心に広がり、最初に犠牲となったオークの近くにいた三匹のオークが火柱となり同様に溶けていった。
身を翻しエイトリーたちの所まで戻ったレーラの背後では先ほどのマグマは急速に冷え色を失っていく。
地面で一瞬で溶かしガラス質に変容させる灼熱の業。
これがレーラの靴がガラスヒールと呼ばれる所以であった。
「もう大丈夫よ。残ったオークも碌に動けないでしょうし。」
その言葉通り、残っているオークの動きがおかしい。
先ほどのオークの頭に巻いた黒い粉がガラスヒールによって毒ガスを発生させたのだった。
少量ではあるが至近距離ですってしまったオークの運動能力は大幅に奪われている。
後の掃討は任せたといわんばかりにエイトリーに胸を張り、言葉を紡ぐ。
「情けない倒れ方したのは事情があるのよ。
それより、「我々は今すぐにでも立ち上がるべきだと思っている」って言ったわよね?
だったらなぜあなたは立ち上がっていないの?
少なくとも私は、立ち上がってここまで来たわ!」
【規制・その他用事によりエイトリーは9日以降まで動けません
適当に進めてください】
>>247 実際のところ、クリスは全てのオークの頭を吹き飛ばしたつもりだった。
10体程度など、楽に弾き飛ばせるはずだった。
しかしながら…詰めが甘い。
だが本人は全く気づいていなかったので、すでに終わったとでも言いたげな表情であり。
レーラと言っていただろうか?さっきの女性が現れた詰所の屋根を、ポカンと口を開けて眺めていた。
そのままクリスの頭を飛び越えていくのに視線を合わせて、振り向くと。
そこにあった、燃えるというより、熱で溶けているオークの姿と。
こちらに戻ってくるレーラの姿の対比を見て。
唖然としてしまったのが、正直なところだ。
おそらくこの詰所のリーダーであろう、耳の尖った騎士に何か怒っているようにまくし立てるレーラ。
それに騎士が答える前に、クリスは口を開いた。
「とりあえず!」
腰を下ろして片膝ついて。二人に向けて、顔を上げて。
「ボクは助けられた身だし、もっと言うなら帰る家もない!
何に向かって立ち上がるのかはわからないけれど、
今から立ち上がるのなら、僕も一緒に立ち上がらせてもらうよ!
それが、拾ってもらった恩返しになるしね!
だから、」
食事に夢中だったので話を聞いていなかったのは確かだが。
馬鹿正直に『何に立ち上がるのか』なんて言ってしまう。
前を見据え、顔を上げて。
「ここに置いて貰えない…かな?」
「姓もなし、名もなし!ただの"クリス"だい!」
同時に強大な魔力が動き、オークの頭がはじけた。
クリスが使ったのは紋章術のようだ。
「グリムグリモアール!艱難辛苦受容の時は過ぎ武闘会が開かれた!」
レーラも動く。これらの攻撃によってオークはほぼ全滅させることができた。
「情けない倒れ方したのは事情があるのよ。
それより、「我々は今すぐにでも立ち上がるべきだと思っている」って言ったわよね?
だったらなぜあなたは立ち上がっていないの?」
そんなレーラの質問に、エイトリーは行動で答えた。
魔弓ウィンドブレイカーを引き絞る。エイトリーの手に矢は握られていない。
そう…精霊魔法を放つためだ。
ハープを弾くような緩やかな右手の動きは緑色の光を紡ぎ出し、
それはもの凄い速さで弱ったオークたちの首を切り裂いた。
「ギェェェェ…」
ドサドサと、残りのオークが鮮血を吹きながら崩れ落ちる。
「私はずっと前から立ち上がっていた…だが、この世界を変えられるほど
強くはない。一人で先走っても良いことはない…
団結し、皆で守るのだ。この世界を。何故なら…我々は騎士なのだからな!」
高らかに叫んだエイトリーであったが、戦闘は終わってはいなかった。
遠くでまだ悲鳴が聞こえる。郊外の方だ。
見ると、逃亡しようとした一部の兵たちが、数体のプレート・アーマーに身を包んだ
オークによって、八つ裂きにされるところだった。
その奥からは更に巨大な一つの影…
トロールであった。魔王軍の紋章を付けているところからすると、部隊の将なのだろう。
その巨体は背丈だけでも人間のゆうに二倍以上はあり、巨大な鉄の鎧とハンマーで武装している。
何やら考えるような動作でニヤリと笑うと、オークたちを引き連れて森の方に引き上げていった。
「奴らは…魔王軍の斥候だったのか…急いで城に報告に行こう」
僅かに生き残った兵たちの手当てを済ませると、エイトリーは城内へと急いだ。
なんか燃えてきたアゲ
>250
レーラの怒気のこもった質問にエイトリーは冷静に行動で応えた。
矢の番われていない弓で何をするつもりかという疑問と疑念を吹き飛ばす強烈な攻撃。
オークの首から吹き出る鮮血以上に鮮烈にレーラの心に刻み込まれる。
二の句の継げないレーラにエイトリーは高らかに叫んだ。
騎士なのだからな!と。
その叫びにレーラの表情は塊り、顔は急速に赤くなっていった。
唇を噛み、怒りと羞恥と悔しさの交じり合った表情で拳を握り締めていた。
口を開く事も動く事も出来ぬレーラの膠着を打ち破ったのは遠くから聞こえてきた悲鳴だった。
レーラにとってはいい理由付けだった。
今の気持ちは一旦置いておく、という大義名分。
振り払うように悲鳴の聞こえた方向へと走り出す。
郊外で見たのはオークの残党とトロール。
鉄の鎧とハンマーはただでさえ巨大なトロールの威圧感を更に増している。
そして八つ裂きにされている兵士達。
「何で殺されちゃうのよっ!
待ちなさい!すぐに消し炭にしてやるんだからっ!!」
レーラが叫ぶがトロールはにやりと笑うと森に消えていってしまった。
追おうとするが、エイトリーの城へ報告へという言葉にその足が止まる。
先ほどのエイトリーの言葉がレーラの頭に繰り返される。
>一人で先走っても良いことはない… 団結し、皆で守るのだ。
一人で先走り、故郷で誰も味方に付ける事が出来ず政争に破れ半ば追放された。
七姫第五席にまでなりながらも情けない倒れ方をし、助けられたのだ。
またしても悔しさと羞恥に涙が込み上げて来るが、ここで泣く訳にはいかない。
自分と同じ考えであり、そして自分より深い考えを持つ者に出会えたのだから。
>249
大きく息をつくと、レーラの身を包んでいたドレスは消えうせもとの古びたメイド姿に戻った。
手には無骨なガントレット、そして左足には鉄球付きの枷。
先ほどまで涙を溜め顔を赤くしていたのだが、それはもう何処にも残っていない。
クリスのほうへ振り返りしゃがみ、目線の高さを合わせながら優しく微笑んだ。
「バタバタして碌に挨拶も出来なかったわね。
始めまして。私はレーラ。よろしくね。
とても大きな力でびっくりしたわ。
さ、行きましょ。お城でこれからの事を決めるでしょうから、ね。」
クリスに手をそっと差し出し、城内へ行くべくエイトリーについていく。
報告をしに行ったエイトリーが戻ってきた。
「喜べ!お前たちが従者として取り立てられることが決まった。
状況によっては騎士への昇格もあるそうだぞ。
詰め所での戦闘が評価されたとのことだ。もっとも、推薦したのは私だが」
レーラとクリスに従者の階級章を手渡す。
「これから騎士団は共和国のアトルムに派遣されることになった。
お前たちも従者として人数には入っているぞ」
アトルムとは、最近魔王軍によって陥落したサイグントゥムのすぐ近くだ。
つまり最前線への派遣である。任務は、最前線の調査。
「すまない。突然で申し訳ないが、私は聖都に残ることになってしまった。
私の分も頑張ってくるんだぞ」
エイトリーは後ろから二人を抱きしめるようにして、別れのあいさつを交わした。
「それでは、私は城に戻るのでな。あ、そうだ…レーラ。無事に帰ってきたら
私の実家にいる息子を紹介しよう。もう20になるが、なかなか良い男だ」
そう言って手を振ると、少年のようなハーフエルフの騎士は静かに去っていった。
【都合により、エイトリーは一旦抜けます。再開時期は不明です。
また機会があればよろしくお願いします。】
>>250>>252-253 返事を聞こえる前に、騎士の放つ技に驚く。
光の矢により次々と首を切り裂かれるオーク達と。
ヒーローよろしく、声高に叫ぶこの耳の尖った騎士。
(さすが騎士だなぁ)
などと脳天気に思いながら、ふと悲鳴が聞こえた気がしてそちらを振り向く。
「で…でっかぁ…」
思わず驚嘆してしまうほどの巨体のトロールが、
数体のオークを引き連れ森へと引き返していくのが見えた。
城に報告しにいったらしい騎士を呆然と見送った。
結局置いてくれるのか返事は聞けなかったが…
否定はされなかったし、たぶん大丈夫なのだろうか。
どうしようか決めあぐんでいるところに、手が差し出される。
「え、あ、はい!さっきも言ったっけ?僕はクリス!よろしく、レーラさん!」
元気に返事をし、差し出された手を握って。
城に向かおうというところで、さっきの騎士が戻ってきた。
どうやらこの2人を騎士団の従者に取り立ててくれたらしい。
2人にアトルムなる地に向かうよう示した後、
どうやら城に残らねばならないらしく、
別れを告げて、城へ帰っていった。
「え…えっと、なんかよくわかんないけど、頑張るぞ〜!」
人の話はあまり聞かないクリスだから、よくわからないのは本音だが。
とりあえず受け取った階級章を身に付けて。
はっきりと、前を見据える。
「だけど、その前に…」
もじもじと、言いづらそうに、顔を俯かせ。
「ちょっと…用を足してくるね」
少し恥ずかしそうに告げて、クリスは草むらに身を隠す。
その瞬間だった。
「!?」
後頭部に鈍い衝撃を感じ、一瞬で意識が混濁する。
最後に見た顔は、自分の…。
「35号"ディーン"です。34号"クリス"の回収、滞りなく完了しました」
『所長は放っておけとは言っていたが…やはり生きていたか。お前を向かわせてよかったよ、35号』
「では、これより戻ります」
そこには何も残らない。
【う〜ん、クリスも一旦退場します、勝手ですみません。
自分の実力不足をはっきりと考えるいい機会となりました、ありがとうございました!】
戦士と兵士の違い。
それは強さの質にある。
戦士は単体での強さを求めるが、兵士は集団としての強さが求められる。
最強の戦士が集まれば最強の軍団になるわけではないのだ。
画一化した能力が一つの意思の元に行動することにより初めて一個の巨大な戦争機械として機能し、最強の軍団は生まれる。
故に突出した戦闘力があっても、いや、突出した能力があるからこそ画一化できないとして組織からは弾かれる。
しかし規格外の戦力を放流する危険性から一つの部隊は作られる。
それが第13独立分隊。通称【銀の矢騎士団】。
態よく騎士団などと名はついているが、その実組織化できない者の寄せ集め。
剣や盾とは違う、文字通り敵に向け放つだけの消耗品としての扱いの部隊なのだ。
しかしこの部隊に配属されるものはその程度の事で動ずるような者はいない。
それどころか組織に埋没するより、己の力を存分に振るえると喜ぶ者たちばかりなのだ。
レーラは間違いなく兵士となるような分類ではない。
当然の如く銀の矢騎士団へと配属され、その詰所の扉を潜る事になる。
最前線の町アトルムの町外れの詰所はそのまま酒場だった。
殆ど規律もなく、気のあった者がパーティーを組み軍からの情報でルートを決め魔界領域へと切り込んでいく。
ある種冒険者や傭兵に近い扱いだった。
「こんばんは、この度こちらに配属されたレーラと申します。とりあえず、ホットミルクをお願いできますか?」
カウンターに座り注文をすると、周囲から好奇の視線と嘲笑う声が集中する。
当然といえば当然である。
軍のはみ出し者の部隊の溜まり場にメイド姿の少女が入ってきてホットミルクを注文したのだから。
暫くして差し出されたのは暖められてもいないミルク。
男の目はそれを飲んでさっさと帰れ、と言っている。
「ネーちゃん、どうやって紛れ込んだかしらねえが、メイドなら俺にご奉仕してくれよ。
上手に出来たら己ホットミルクを飲ませてやるぜ?」
下卑た笑い声と共に二人の男がレーラの両脇に座る。
そんな男に向きかえり、にっこり笑ったレーラが持つコップのミルクが泡立ち始めていた。
次の瞬間・・・
「あちいいいい!!!」
声を掛けた男は顔に沸騰したミルクを掛けられのた打ち回る。
驚いているもう一人の男を足枷の鉄球で蹴り倒すと、レーラは大きく跳躍した。
光り輝きドレスアップをしながら部屋中央のテーブルに着地。
一段高いところからぐるりと見回し
「私グリム七姫が第五席、灰燼のレーラ!
私の目的は魔王の首よ!
そのためにここに来たの。
共に魔王を倒しえる力の持ち主と出会う為に。
単に社会不適格で組織から外されたような輩には用はないわ。
さっさと消えるか、私に灰も残さず焼き尽くされるか好きな方を選びなさい!」
レーラを中心に詰め所の内部に熱風が吹き荒れ、弱い者はそれだけで肌は焼け息は出来なくなる。
あまりの熱量に空気が膨張しレーラの姿が揺らめくように歪むが、その目は本気の光を放っていた。
これより後、魔界領域を引き裂きその最深部に突き刺さる銀の矢。
語り継がれる戦いの幕開けがここに始まったのだった。
【エイトリーさん、クリスさん
お疲れ様でした。短くはありましたが楽しかったです。
また機会があればご一緒しましょう。ありがとうございました。】
もしやこれで完?
自分、参加いいっすか
テンプレよろ!
259 :
名無しになりきれ:2009/12/18(金) 14:33:52 O
参加あるなら俺も入っちゃうよ
今北産業で悪いんだが、こんなスレがあるとは。
参加のためにテンプレ作成しとくかな。
261 :
257:2009/12/19(土) 00:41:40 0
【名前】龍堂 詠羽(りゅうどう えいは)
【年齢】97歳(外見20代半ば)
【性別】男
【職業】魔王軍/基地司令
【魔法・特技】射撃、魔法は使えない
【装備・持ち物】魔法銃、抗魔法マント
【身長・体重】174p・61s
【容姿の特徴、風貌】淡い緑の長髪、二本の角、やや尖った耳
【性格】追い込まれないとやる気が出ない
【趣味】同人誌制作
【人生のモットー】勝てば官軍
【自分の恋愛観】機会があれば、そのうちに。
【一言・その他】「このまま推移すれば戦争は終わるよ。僕らの敗北でね」
城砦都市サイグントゥムの、魔族基準で言えば「若き」司令官。
急激すぎる魔王軍の勢力拡大に、著しい不安を覚えている。
そのため、着任以降、最前線の基地司令でありながら一切の攻勢を停止。
魔王軍大本営の参謀たちのカルシウム摂取励行に一役買っている。
何の前触れもなく魔王側で参戦するでござるの巻。
不甲斐ない敵役にならないように頑張るよ!
「そんな事言われてもなあ」
ため息交じりにぼやきを発したのは、今や魔王軍の手に落ちた城砦都市サイグントゥムの司令官、龍堂詠羽である。
彼は手にしていた書面を、無造作に卓上へ放り投げた。
その書面は大本営から送達されたものであり、内容はいつものように攻勢作戦を促すものだった。
「これ以上は手を広げられない。我が軍のどこにそんな余力があるというんだ」
龍堂はクシャクシャと髪の毛を掻き回した。
これは近頃の魔王軍全軍にとって共通の問題なのだが、彼もまた人員不足に悩まされているところだった。
人類にとってはまったく意外な事かもしれないが、総兵力において、魔族が人類を上回った事は一度もないのである。
個体の能力が人類を上回っていたため、魔族が次々と戦線を突破して人類を敗退せしめていたのだった。
しかしあまりにも快調に勝利を重ねすぎたため、当然に歪みを産み出していた。
龍堂が人員不足に悩まされている背景の一つに、勝ち過ぎた事から生じる複合的要因があったのである。
「おっと、優先して処理しなきゃいけない書類があったっけな。
陳情やら提案やら……そうだ、これをもっと広く募集しよう。
攻勢に出るよりも基地の環境改善が先です、とか何とか言い訳に使える」
この時龍堂は、大本営からの小言を当面無視する事を決意する。
そして大本営通達書類をまとめて机の隅に押しやって、代わりに別の書類の束を正面に配置し、これの処理に嬉々として取りかかったのであった。
その頃、アトルムでは…
と続くんだろうが
騎士側がいないようではな
「雪合戦やりましょう」「雪かきの当番表、早く出して下さい」「こたつ下さい」「みかん下さい」
……実に魅力的な提案・陳情だね。
とりあえず、こたつとみかんは承認、っと。
>263(その頃、アトルムでは…)
そういえば、報告書の中にそんな地名が出ていたね。
なんでも、非正規部隊と思しき連中が集結しつつあるとか何とか。
先日のモナスカフィル急襲に際し、オーク1個分隊を瞬時にして戦闘不能に追い込んだメイドさんがいたそうだけど、
アトルムで彼女の姿が目撃されたという情報も入ってきている。
この噂が事実だとすれば、我々は極めて厄介な敵を抱え込む事になってしまう。
いずれは斥候を出さなければいけないだろうねえ。
基地ないで血の気のおおい兵たちが独断で人間撲滅に先走ろうとしているらしい
>265(独断で人間撲滅)
えーっと。結論から言うと、判ってて放置しました!
とは言え、たまにはガス抜きもしないといけない。
大本営は誤魔化せるにしても、現場の兵に大きく不満を抱えてもらっては困るからね。
という事で、斥候は志願制にしてみようと思う。
指揮は幕僚の一人に任せようかな。
「こちらから仕掛けないように。それ以外の事は任せる」と言い含めておけば大丈夫だろう。
これの意味するところは「攻撃を受けた場合、反撃を許可する。敵からの攻撃を回避する努力を払う事は、特に必要ではない」という事だ。
ま、いつもの事なんだけどね。
時々こうやって斥候(と言うより、その名を借りた威力偵察)を出して、小競り合いをさせているんだ。
みんなもそれは解っているだろうから、うずうずしてる連中はこぞって志願するだろうさ。
場合によっては僕が指揮を執ってもいいかな?
唐突ですが、騎士側で参加したいと思います。
【名前】セラヴィー
【年齢】25歳
【性別】女
【職業】元帝国騎士
【魔法・特技】槍技と剣技を駆使、魔法は使えない
【装備・持ち物】斧槍、長剣、盾、胴当て、手甲、具足、マント(全部帝国の紋章入り)
【身長・体重】166cm 53s
【容姿の特徴、風貌】黒髪に赤い瞳、年齢よりも下に見える
【性格】生真面目、献身的
【趣味】チェスなどの卓上遊戯
【人生のモットー】自分の気持ちに正直に
【自分の恋愛観】何があろうとも共にあり続ける
【一言・その他】『聖戦』に参加するため、命懸けで出奔した帝国の騎士。
現在はある程度の信用を得ていて、アトルムでの部隊再編の
一助を担っている。
練り込みが甘い気もしますが、その辺はシナリオの展開とかに合わせて
上手く肉付け出来ればいいなと思っています。
期待
近いうちに騎士側で加勢したい
同じくだが、年明けから
サイグントゥムに駐留する魔王軍の侵攻が突如停止した。
最前線であるアトルムには多数の騎士やら傭兵やらが集まっているが、
その理由を知る者はいなかった。とは言え、侵攻が止まったのは事実。
体勢を立て直し、進捗状況等々によっては反転攻勢に出る事も視野に入れている。
目下、再編を急いでいるアトルムではどこもかしこも猫の手でも借りたい状況なのだ。
数ヶ月前にアトルムに辿り着いたセラヴィーの姿も、その中にあった。
帝国の出身である事で痛くもない腹を探られ、女である事で侮られ、
年若い事で年長者からの嘲りを受け―――と、決して出だしは順調ではなかった。
しかし今の周囲にはそんな気配はほとんどない。あるとしても一部の連中のものだけだ。
今日も今日とて、各地から続々と集結する人員の割り当てなどが行われる予定で、
セラヴィーの方にも何人か回されるらしい。即戦力としての期待はもちろん、
この過酷な状況下でもへこたれない頑強な精神の持ち主である事を願ってやまない。
「先の侵攻時には多数の死者とそれ以上の離反者で総崩れ寸前でしたものね……
攻勢に出たとしても、押し切れなければ同じ轍を踏む事になりますが、
今残っている面々に限って言えば、そんな心配は不要でしょう。
さて、今度我が隊に着任する方々はどちらに転ぶのでしょうか?」
最近処理する事項が増えたせいか、独り言が多くなった。
頭の中だけで片付けるには物が多すぎるのだ。今も必要書類に目を通しっきりであった。
「揃ったね。それでは、ぼちぼち参ろうか」
結局のところ、斥候隊を率いる事になったのは龍堂だった。
彼の部下は皆多忙を極め、兵のガス抜きに付き合う余裕を与えられていなかったからだ。
志願者は計40名、ちょうど1個小隊に相当する戦力である。
多いか少ないかは意見の分かれるところだが、斥候としてはいささか過剰な兵力だ。
しかしながら、斥候の実態が威力偵察にある事は明白。
となれば、この戦力では少々心許ないところがあろう。
しかし、龍堂は極めて楽観視していた。
彼の元に届いた情報は、アトルムに駐留しているのは非正規部隊であるはずだった。
であれば、差し向ける兵力は1個小隊で充分だろう、との予測である。
陽は既に落ちた。
戦場の主導権は、陽光から夜陰へと徐々に移行している。
この時間帯こそ、まさに魔族の刻というべきであった。
一般的な水準の話だが、夜戦において魔族は人類に優越する。
確固たる自信があったわけではないが、龍堂はほとんど不安要素を持たずにサイグントゥムを進発した。
アトルムで集結しつつあるのが非正規部隊ではなく、再編中の正規軍である事。
彼らの戦闘技量が一般水準で語ってよいものなのか不透明である事。
龍堂は、この二つの要素をまったく考慮していない。
【ややや、ご参加ありがとうございます……と言っても自分はスレ主でも何でもないのですがw】
【騎士サイドが賑わいを見せようかという今日この頃、折れずに最後まで敵でありたいものです】
必要処理事項をあらかた片付け終わった辺りで
交代の旨を申し渡されるセラヴィー。
「ああ、もうそんな時間なんですね……分かりました、すぐに行きます」
そう返答し手早く部屋の片付けを始める。
仮の執務室として用意された部屋は見るも無残な状態で、足の踏み場などなかった。
ある程度中心に近い面々は揃ってこのような有様であり、かと言って丸投げできる
相手もいない事からどうしても整理整頓はおざなりになってしまうのだ。
セラヴィーはまだ要領と手際よく片付けられるからいい。
ある隊長クラスの人物の部屋など、ゴミ捨て場と間違えられた事すらあるのだ。
そんな扱いはごめんと、わずかな時間を使って片付けるようにしているわけであった。
そして、現在のアトルムでは見張りは全員での交代制を敷いている。
雑多な状態で役割分担がしっかりと行き届いておらず、目も回るような
忙しさの中で聞き逃したりするなどしてのトラブルが頻発した事を受けての措置だ。
セラヴィーを含めた隊長クラスも例外ではないが、気分転換には丁度いいと
概ね好評ではある。もちろん、処理の滞ってる一部の者は不満を漏らしているのだが……
今日の担当はサイグントゥム方面西側三番見張り台。
最前線であるアトルムにおいて、微妙にではあるがサイグントゥムに
もっとも近い位置であった。当然、サイグントゥムを進発した
斥候隊からも真っ先に見える場所である。
【どこまでやれるか、どこまでやっていいか分かりませんが】
【できるだけやってみるつもりですので、よろしくお願いしますね】
基地を出た後、龍堂はまもなく気付いた。
「意外とまともな見張り台じゃないか。思ったより拠点化が進んでいるようだ」
龍堂はただちに散開を命じる。
40名の斥候小隊を10名ずつの4個分隊に分け、そのうち1個分隊を自らの直卒とした。
志願制にしたため、それぞれ分隊を構成する種族は多種多様だ。
ゴブリン等の機動分隊、トロール等の打撃分隊、ドルイド等の支援分隊に分類するのが関の山で、
その他分類の難しい者は、全て龍堂の指揮する第1分隊に振り分けられている。
「第3分隊、前へ。第4分隊は第3分隊に続け。第1、第2分隊はその場で待機」
第3分隊とは先の分類における打撃分隊であり、第4分隊とは同じく支援分隊である。
この時、龍堂は斥候小隊が既に敵に発見されているものと考えていた。
アトルムの見張り台の位置からして、こちらの行動が筒抜けである可能性は小さくない。
夜戦に強い魔族の見地からすれば、充分に捕捉可能な距離なのだ。
人類の中に魔族に比肩する夜目自慢がいるかどうかわからないが、いないという保証はどこにもない。
であるならば、より悪い事態を想定するべきだった。
「中隊を連れてきてちゃんと威力偵察に出るべきだったかな。今さら言っても詮無き事だけど」
眉間に皺を寄せて難しい顔をしている龍堂の頭の中には、見張り台の破壊という目的が書き込まれている。
単に小競り合いで終わらせるつもりだったのだが、アトルムの拠点化が進行していた事が彼の予定を変更させた。
サイグントゥムを出撃した斥候隊は、目標を見張り台の破壊へ変更し、徐々にアトルムへと迫っている。
一応は草木の影を伝って進軍しているが、敢えて正面からの進路を取ったのは、敵方の出方を窺うと言った意味合いもあるだろう。
【先制攻撃、どうぞw】
早馬を走らせ、一人の少年風の騎士がアトルムの城砦に入った。
騎士の中でも例外的な軽装備。これでも聖都モナスカスフィルの騎士である。
「残れと言った次には戦地に赴け、とな…何と人使いの荒いことか」
名はエイトゥリム・トランシル・セレウキアソウェト…通称エイトリーである。
聖都での任務を早々と切り上げさせられ、最前線へと行かなくてはならなくなった。
娘夫婦や孫に別れを告げる時間すらなく少々心細いものの、頬を叩いて気合を入れる様子は
ベテランの戦士そのものであった。
「三番見張り台は…ここか」
アトルムの城砦は難攻不落と言われた歴史あるサイグントゥムに比べ、低い作りとなっている。
不意を突かれれば決して安全ではないだろう。
敵には東方出身の智将が猛威を奮っていると聞く。サイグントゥムの陥落を見れば、
早くもこの地が計略にかかっていてもおかしくはない。
エイトリーが到着すると、先に入っていたと思われる味方の若い女騎士がこちらに振り返った。
少年のようないでたちのエイトリーを見ると、早速がっかりしたような表情を見せた。
「やあ、上手くやってるかな?私は法王庁の騎士エイトリーだ。君の名は?」
女騎士の服装をよく見ると、装備にはことごとく帝国の紋章が入っている。
なるほど、仲間から浮いているように見えたのは帝国兵の姿を見た他国籍出身の兵が
警戒しているからなのだろう。エイトリーは彼女の手を取ると、まず握手してみせた。
「君は綺麗な目をしている。だが、勿体無い… そう、騎士だからこそ団結が必要なのだ。
ちょっと失礼… これでよし…と!君もこれで我々の同士だ」
荷物袋から聖章旗を取り出す。そしてそれを女騎士の首に結びつけ、後ろに垂らして
マントの上を覆うようにした。はためく純白の布にはっきりと聖章が浮かび上がる。
念のため締まりすぎていないか首を触って確認し、頭を撫でる。
そして周りの騎士や従者・雑兵たちに呼びかけた。
「騎士よ!兵士たちよ…!今こそ立ち上がれ!…今こそ、魔王軍の奴らに
目に物見せてくれようぞ!国籍や種族など関係ない!まさに今ここにいる我々こそが、
魔王軍を討つ聖なる槍なのだ…!!」
エイトリーは弓戦士であるため、早くも見張り台の前線に立たされた。
周囲に入り混じる過度なほどの期待、嘲笑、好奇のまなざしを見ると、先ほど
目立つ事をしたのを後悔したほどである。
(なんということだ…これでは集中できん)
弓矢の準備はできた。あとは精神力の集中だが、ついでに魔力の探知を無意識のうちにしていた。
「…馬鹿な!」
決して膨大なものではないが、敵意のある魔力が近づいてきているのが分かった。
エイトリーは決して眼が良いわけではなく、ましてや夜であるので、敵のはっきりした位置は分からない。
しかし、確かに夜襲は行われようとしているのだ。目立たないモーションで振り返ると、近くの相手に伝えた。
「夜襲だ。敵はもうすぐそこまで来ている…北の森の方向からだ。
静かに他の見張り台にも知らせろ。敵を引き付けたら一斉に反撃を行う」
いつ敵が現れてもいいよう、エイトリーは弓を構え、精神を集中させた。
【遅くなりましたが再参戦です。よろしくお願いします。】
帰ってきたのは嬉しいが急ぎすぎだら
セラヴィーは執務室まで持つ隊長待遇なのに
部下の一人から聖都からの早馬の報告が入った。
何か良くない報せか、と聞くと最前線への赴任を新たに申し付けられた為、
急ぎ馬を走らせて駆けつけたのだとか。
「そうですか、朗報で安心しました。ではその方には休息を取って頂いて……?」
聖都からの騎士、エイトリーに自身の権限で休息を取らせようと
口にしかけたところで一人の少年のような顔立ちをした人物が見張り台に上がって来た。
セラヴィーは名前はおろか風貌も聞いていなかったため、
その少年兵がエイトリーと名乗るまで聖都の騎士だとは気づかなかった。
「え、ええ……貴方が、エイトリーさm……?」
少々面食らいつつ、自己紹介をしようとしたところでいきなり握手された。
その上なにやら一人合点してあれよと言う間に話が進んでいってしまう。
突然の急展開に、お疲れ気味のセラヴィーの思考はまったくついていけていない。
「え、あ、はぁ……ありがとう、ございます……ではなくて!」
このまま流されっ放しではいけないと、二、三度首を振って呆けた意識を覚醒させる。
虚を突かれて機を逸し。結果名乗れていないのだ。それは礼を失する事になってしまう。
「はじめまして、エイトリー様。私の事はセラヴィーとお呼び下さい。
お気持ちは有難く頂戴しておきます。ですが、今の私にはこれは羽織れません」
そう言うとセラヴィーはエイトリーが誂えた聖章旗を外し、手に持った。
まっすぐにエイトリーの目を見て、凛とした姿勢で自らの思いを語る。
「私は自分の生まれや育ちを隠すつもりはありません。
後々帝国の出身と知れて、私の気持ちを疑われるのは不本意ですから。
それに、私は自分の行いを通じて多くの人に知って頂きたいのです。
帝国の人間が、みな利己的な考えを持っている訳ではないと言う事を。
ゆえに私はこの身を包む帝国の紋章を消さないでおいているのです。
ですから、この旗はこうして……」
手に持った旗を、背負っていた斧槍の柄にしっかりと巻きつけていく。
巻き終ったところで距離を取り、一振りすると聖章旗が見事に開いた。
ちょうど吹いた一陣の風が少しの間だけだが力強く聖章旗をはためかせてくれる。
「いつでも広げられるようにしておきますね。
これならば、いつでもエイトリー様のお気持ちを思い出せますから」
そう言ってにっこりと微笑んだ。
そうしてエイトリーと衝撃的な出会いを果たして数十分が経った。
突如早馬で現れ、騎士団長もかくやという演説を早々に披露したエイトリーは
すっかり注目の的となっていた。さすがのセラヴィーにもフォローのしようがない。
(一目見た時の印象と違って、しっかりとした考えの持ち主のようですね。
熟練の騎士である事は立ち居振る舞いで分かりますし、胆力も問題なし)
エイトリーの哨戒状態を見て、セラヴィーは冷静にエイトリーと言う騎士を分析していた。
そんな時、エイトリーの驚いたような声が耳に入る。続く内容は……敵襲!
「それは本当ですか?……嘘をついている様子ではありませんね。
分かりました、すぐに他の哨戒員にも声をかけさせます。
……近くに来たら教えて下さい。気取られぬ様にそこの松明を放って
周囲を照らしますので」
先ほどエイトリーの到着を知らせに来て、そのまま見張りについた部下に
伝令を頼みそれと分からぬ様に準備を進める。
「それにしても、このタイミングで敵襲……いつもの小競り合いなのか、
或いは侵攻再開の先触れ? どちらにせよ、気を緩められませんね。
エイトリー様、弓が使えなくなった場合はすぐに下がって武器を持ち替えて下さい。
その間の時間稼ぎくらいはできる筈ですので」
突破された場合、乱戦になる。斧槍は使えないだろうと判断し長剣に手をかけた。
【>龍堂様
先制攻撃、と言うよりも迎撃準備を整える形になった気がします(汗)】
【>エイトリー様
こちらこそ、実力不足の若輩者ですがよろしくお願いしますね】
【>275様
私は気にしていませんから、大丈夫ですよ。
駄目ならば駄目と言いますしね。お気遣い、有難う御座います】
【長くなり過ぎた為にレスを分けました】
「動かないな。なかなか慎重な指揮官だ」
既に第3分隊は、見張り台からの射程圏内に突入しているはずだった。
しかしアトルムからの反撃は未だ実施されていない。
よもや、こちらの動きに気付いていないという事もないだろう。
これ以上、不用意に接近するのは危険だ。
「第4分隊に伝えてくれ。魔法攻撃用意、全属性使用自由」
龍堂は手持ちのハーピーを使って伝令を飛ばした。
空を飛ぶ事で伝令が敵に発見される可能性は高まるが、今は速度を重視しなければならない。
今さら事前の作戦が不徹底であった事を嘆いてもしかたないし、背に腹は代えられないところだった。
龍堂は併せて第1分隊に前進を命じた。
第4分隊と合流し、魔法攻撃中に敵の攻撃を受けた際の援護を容易にするための処置である。
第3分隊にはそのまま前進を続けさせる。
詠唱が完了し、魔法による遠隔攻撃が開始される頃合い、丁度第3分隊が敵の照明圏内に侵入するはずだった。
ほどなくして第4分隊は詠唱段階を終了し、魔法攻撃の用意を整えた。
その報告を受けた龍堂は、大きく首を縦に振って右腕を上げた。
それから一呼吸おいて号令を発する。
「魔法、撃ち方始め!」
火球、氷槍、雷撃等々、種々の攻撃魔法が闇夜に彩りをもたらした。
それらの進路は一様にアトルムの見張り台を目指しており、中でも西方三番見張り台に攻撃が集中した。
これだけの事で破壊されるほど脆弱な構造にはなっていないだろうが、見張り台に配置された人員に対する殺傷力は充分に保有しているはずだった。
この魔法攻撃を合図として、第3分隊が突撃を仕掛ける。
アトルムの照明がはっきりとトロールたちの姿を映し出す間合いから、各々が武器を携えて門へ直進しようとしている。
何者の妨害も受けなければ、彼らは自身の重量と勢いを以って、アトルムの門を突破してしまいかねない。
一方その頃、第2分隊はなりを潜めていた。
龍堂の命令を受け、ひっそりと隠密行動を取って戦場を迂回、アトルムの側面を窺っていたのだった。
【いやっほーう、復帰最高! この年の瀬のクソ忙しい時期にどうもありがとうございます】
【で、とりあえずこっちから仕掛けてみました。適度にぼかして回しましたので、お好きなように受けて頂いて構いません】
「私は自分の行いを通じて多くの人に知って頂きたいのです。
帝国の人間が、みな利己的な考えを持っている訳ではないと言う事を。
ゆえに私はこの身を包む帝国の紋章を消さないでおいているのです。
ですから、この旗はこうして……」
女騎士、セラヴィーは聖章旗を外し、ハルバードの柄に巻きつけた。
一瞬驚くが、その凛とした行動にエイトリーはすっかり感心してしまう。
「これならば、いつでもエイトリー様のお気持ちを思い出せますから」
「ふむ… いい表情をしている。娘を思い出すようだ」
こちらも微笑み返す。娘?という表情をするセラヴィーをよそに、
エイトリーは周囲へと呼びかけを行った。
エイトリーの知らせをセラヴィーが聞き、続いて周囲の兵士が動く。
「エイトリー様、弓が使えなくなった場合はすぐに下がって武器を持ち替えて下さい。
その間の時間稼ぎくらいはできる筈ですので」
「馬鹿な、私が女に盾になってもらうような非道なことを… む?」
その時気付いた。セラヴィーの周囲で兵士たちが指示を受けて動いている。
何とセラヴィーが、この持ち場の隊長だったのだ。
「…すまなかった。馬鹿なのは私の方だったな。セラヴィー、君の言う通りに
無理をせず後ろに下がるとしよう。危険が及ぶようであれば遠慮せずに私を頼るがいい。
そうなれば全力をもって君を守ろう」
こりゃ赤っ恥をかいた、といった感じでエイトリーは頭に手を当て、軽く頭を下げた。
敵の最初の動きは、森の上をハーピーが舞ったところから始まった。
エイトリーはあろうことかこちらに気を取られ、絞った弓に風の魔法を重ねると
そちらに向け放った。
辛うじてそれは仕事を終えたハーピーの腹部を貫き、撃ち落とすことに成功した。
しかし、敵は既にそのさらに前面へと達していたのである。
エイトリーは強力な範囲攻撃をあっさりと消費してしまった。
「魔法、撃ち方始め!」
敵将の号令が上がり、一斉に様々な属性の魔法がこちらに向け放たれた。
「い、今だぁ!撃てえぇぇぇ!!」
上ずったエイトリーの声が上がる。魔法が放たれると同時に敵の位置がはっきりと見えた。
前面に出たドルイドの後ろからトロールの大きな体が現れ、城壁に迫ってくる。
こちらからの弓兵の攻撃によりドルイドの一体が射倒されたのを確認すると同時に
城壁に爆発音が響いた。
「ぎえぇぇぇえぇ!!」「ぐぅぅああ!」
前面にいた弓兵の断末魔の声が響く。少なくとも近くにいた二人は絶望的だ。
「ケイン!殺られた…のか!?」
隣で立っていた若い騎士が、自分の前で弓を構えていた従者が倒れたのを見て、そう叫んだ。
体の半分が魔法で吹き飛んでおり、とうに絶命している。
だが、この騎士は実戦経験が少ないのだろうか。明らかに従者の死に狼狽している。
(何だこの士気の低さは!このままではまずい…)
「弔いは後にするんだ!トロールが来るぞ…その従者のためにも君は
剣を抜いて前に出るべきではないか?私も支援する…!」
エイトリーが矢をつがえ、ドルイドの頭を射抜く。まずは危険な魔法攻撃を
少しでも抑えなくてはならない。
二体目のドルイドの頭を射抜いた頃、城壁にトロールの突撃が行われた。
「セラヴィー!そちらは大丈夫か?」
エイトリーは隊長の様子を見、弓を置くと、今度は剣に手をかけ構えた。
再び精神を集中しつつ敵の動きを見る。
280 :
名無しになりきれ:2009/12/28(月) 21:51:46 0
脳味噌ぐちゃ
娘、と確かに言われた。妹とか姉とかでなく―――。
とすると、エイトリーは童顔なだけで実は自分よりもかなり
年上なのではなかろうか? 気になったが、怖くなったので聞くのを止めた。
申し出を聞いたエイトリーが抗議しかけてすぐに撤回した。
何に気づいたのか大よそ分かったが、追求する気は元より無い。
「いえ、お気になさらず。はい、有事の際には頼らせて頂きますね。
でもエイトリー様、お気づきでしたか? 弓を使える貴方を、
会ったばかりだと言うのに私はもう頼りにしているんですよ」
事実、セラヴィーには弓は扱えない。肉体的にも感覚的にも
修練すればすぐに頭角を現す素養はあるはずなのに何故か使えないのだ。
それを自覚しているセラヴィーにとって、弓兵は尊敬と信頼に値する存在なのである。
むろん、人格面に問題がある場合は無条件に、とはいかないのだが―――。
敵部隊には少なからず魔術を行使できる者がいたようで、多様な攻撃が
自身のいる見張り台を中心に襲い掛かってきた。咄嗟の反応で自分は無事だったが、
今の攻撃で近くにいた騎士の従者がやられてしまった。
なお悪い事に、その騎士アルバは経験が浅くゆえに奇襲と従者ケインの
突然の死に狼狽し身動きが取れなくなってしまっていた。
エイトリーの呼びかけも耳に届いておらず、死の恐怖に支配され始めていた。
「アルバ! しっかりなさい!」
このままでは第二波の攻撃でケインの後を追ってしまうと判断したセラヴィーは、
恐怖で自失しかけていたアルバの頬をひっぱたいた!
「エイトリー様の言うとおりです、そんな有様では貴方に仕えたケインが
胸を張って自分の事を、貴方の事を誇れないではありませんか!
今貴方がなすべき事は、ケインの死に打ちひしがれて
自分の殻に閉じこもる事でも、座して死を待ちケインの後を追う事でもありません!」
ここまでまくし立てて一息。
「貴方は騎士なのですよ……正しき者を守る盾であり、悪しき者を討つ剣。
貴方がケインの事を想うのならば、ケインの無念を晴らす為にも剣を取りなさい!」
鼓舞する内に感情が昂ぶったのか、セラヴィーの目尻にはうっすらを涙が溜まっていた。
それを見たからか、或いは叱咤が功を奏したのかアルバは自分を取り戻してくれた。
「……ええ、それでこそケインが主と認めた騎士の姿です。
ではアルバ、貴方は門の前に行き敵の侵入に備えて下さい。
正門を抜かれれば被害が拡大します。可能な限り持ちこたえて下さい」
命を下されたアルバは、先ほどのうろたえぶりが嘘の様に生気に溢れた返事を残し門へと向かった。
「エイトリー様、これ以上の攻撃を許せばアトルムの防衛線に大打撃を受けてしまいます。
エイトリー様には、このキャットウォークに上っている弓兵の指揮をお願いします。
私は開門し、敵指揮官の捜索に当たります……どうか、アトルムを守って下さい」
そう言ってセラヴィーは見張り台から駆け下り、自身の隊員と合流して門へと向かった。
―――一方、アトルム司令部では―――
城壁周辺での爆音と伝令により、執務中だった司令官にも敵襲が察知された。
司令官「くそッ、奴らめ性懲りも無くまたきおったか!
重装部隊は門の前に陣取り、敵部隊の進攻を止めろ!
その後方に弓兵隊、魔術師団は所定の位置に着き援護を、味方への誤射には注意せよ!
神官団と救護部隊は随時負傷者の搬送と介抱を、護衛部隊は一歩も彼らに近づけさせるな!
私は前線に出て、直接指揮を執る! ……思い上がった魔族どもめ、人間の力を、舐めるなよ……!」
伝令を受け、各部隊の隊長達は当初の混乱を引き摺る事も無く、部隊の配置を行っていく。
その訓練された動きは、先の侵攻を生き延びなおアトルムに駐留する強者達の士気と、
苛烈な経験によって磨かれた錬度の高さを感じさせるものだった。
その様子を見ていた傭兵たちも、誰に言われるでもなく自身の最も得意とする場所へと陣取った。
彼らの心にも火がついたのだろう……負けてられないと言う感情の火が―――。
【何と言うか、決定リールと呼ばれるものを多く含んでいる気しかしないです……
従者に先立たれた騎士の名前を勝手にでっち上げてしまいましたが、良かったのでしょうか?
それに司令官まで出してしまって……】
騎士側参加者多そうだな
ここはいっちょ敵サイドで参戦してみようかしら
いやいや、どう見ても騎士側2人しかいないだろw
敵側はいれば助かるけどどっちかってと騎士側の方が需要あるぜ
あ、いやほら上の方で年明けから〜って言ってるじゃないっすか
だから敵方のが人少なくなるのかなぁと
「拙い事になったぞ。あちらさんを本気にさせてしまった」
渋面を作っている龍堂が受けたのは、城門を攻撃中の第3分隊からの一報だった。
報告によれば、城内の精鋭と思しき部隊が迎撃に出始めているようだった。
そもそもこちらの戦力は僅か40名に過ぎない。
本格的な反撃を受ければ、ひとたまりもないのだ。
「ヒューマン・ボーイズは戦争が出来るのか?」
龍堂がそんな冗談を口にしたのは、初撃を加えた直後の敵兵の動揺を見たからだった。
しかし、今となってはそのような余裕など消え失せてしまっている。
「第3分隊を後退させてくれ。第4分隊は援護……おっと、危ない」
危険を察知して身を屈めた龍堂の頭上を、一本の矢が通過して行った。
この場所は、城壁からの射程にすっぽりと収まってしまっているのだった。
すでに第4分隊は2名の損失を計上しており、これ以上の損害は容認できなかった。
城壁上からの攻撃に対処する必要がある。
そう考えた龍堂は、おもむろに魔法銃を引き抜いた。
慣れた手付きで魔法弾を装填すると、中空へ向けて発砲。
魔力によって構成された弾丸は、第4分隊の上空で炸裂した。
「対物理障壁を展開した。効力は長続きしないが、第3分隊の後退を援護するには充分だろう。さあ、やってくれ」
平素は緊張感の無い顔付で命令を下す龍堂だが、今回ばかりはその表情に緊迫の色を滲ませていた。
上手く第3分隊が後退に成功したとしても、その背後にはアトルム正規軍が追撃のため襲い掛かってくるはずだ。
第4分隊も時機を見て後退させなければならないから、殿軍は必然的に龍堂の第1分隊が担う事となる。
龍堂及び第1分隊は、刻々と死戦の兆候を感じつつあった。
【遅くなって済みません。それとあけましておめでとうございます】
【New Comerも騎士側・魔王軍を問わず絶賛募集中でございます。お気軽にご来店下さい】
「なかなかやるな…あの娘」
セラヴィーがアルバと呼ばれた騎士を立ち直らせ、自分の部隊にそのまま組み込んで門の方に向かう。
「私は開門し、敵指揮官の捜索に当たります……どうか、アトルムを守って下さい」
「了解、無理はするなよ」
ちょっと先走り過ぎではないか、とも思ったがとりあえず頷くことにした。
見張り台の戦力はドルイドの魔法攻撃をほぼ無力化し、
トロールの攻撃を辛うじて食い止めていた。
「ひぃぃぃ!何だこいつらぁ…うわぁあ!」
いきなり兵の悲鳴が上がった。何が起こったのかと思い見てみると、
壁に張り付いたトロールを足場にしたゴブリンがわらわらと城壁の上に上がり、
弓兵たちに襲いかかっているではないか。数人が急所を突かれて倒れる。
「怯むな!相手はゴブリンだぞ…落ち着いてやれば勝てる!」
傍にいた騎士、従者が気を落ち着けて迎撃に向かうが、既にゴブリンの二体は
エイトリーの元に飛び掛ってきた。
「ぬおぅっ!」
慌てて剣を抜き、ゴブリンの一体の首を横薙ぎにする。辛うじてリーチはこちらが上だ。
大きく抜けたモーションにゴブリンの返り血もあり、エイトリーはもう一体に
左側面を取られ、懐に入られたかに見えた。
「ギャァァ!」
上がったのはエイトリーではなく、ゴブリンの悲鳴だった。
「ハンドアーチャー…」
なんと、エイトリーの左手には小さな片手弩が握られていた。いや…正確には仕込まれていた。
エイトリーはそれを自慢げにちらつかせるが、周囲の兵たちは自分の持ち場で夢中で全く見ていない。
下の方が騒がしくなっている。どうやら司令部からの増援のようだ。
前線をこのタイミングで押し返すつもりだろう。セラヴィーも合流するに違いない。
「おや…敵は撤退するつもりのようだぞ」
急に後退し始めたトロールらの姿を見てエイトリーがつぶやく。
耐久力のあるトロールは半数以上がまだピンピンしている。間違いなく撤退だろう。
敵の部隊の上に障壁らしきものが見える。上位の魔術師…おそらく敵の幹部だろう。
司令部の本隊はそのまま追撃に向かうようだ。
「さて、私たちは…一先ず手当てからだな」
生き残った半数以上が怪我をしており、中には重傷の者もいる。
防衛戦は勝利、十分な成果だ。
ポーション類を取り出すと、後ろに下がった仲間の方に放り投げる。
「よし、敵が射程からはずれ、我らの本隊が敵に接触するまで援護するぞ」
無事なエイトリーは、他数名の仲間とともに弓で敵への追い討ちをかけることにした。
セラヴィーの姿はこちらからは見えないが、野戦場かこちらにいずれ来るだろう。
敵突撃部隊の攻撃により多数の負傷者を出したものの、
重装兵たちは敵の猛攻を前に良く耐えていた。合間に反撃をしたために
敵に余計な勢いを付けさせなかったのも大きいだろう。
既に交戦した大よそ10体のトロールの内2体は息絶えており、
残る8体もいずれは包囲分断され、各個撃破されるのだろう。
そう思っていたが、突如敵部隊が後退を始めた。
劣勢を悟り被害の拡大を防ぐためなのだろう。考えなしの
トロールとは思えない手際のよさで、殿もきちんと立てている。
有能な指揮官に率いられている事は疑いようが無い。
司令官「敵の後退を確認したが、第二波の懸念は捨てきれない!
重装兵は引き続き城門前の防衛に当たれ!
……セラヴィー隊が追撃を開始しただと?
クレド隊とホーク隊はセラヴィー隊につき、追撃せよ!
ただし深追いはするな、敵の伏兵の可能性を常に念頭に置くように!
手の空いた者は負傷者を神官団の元に、急げ!」
司令官「城壁部の指揮は……エイトリー? 先ほど着任した聖都からの騎士殿か。
セラヴィーから指揮を引き継いだのか……エイトリー殿に伝令を。
城壁部の状況が安定したならば弓兵隊長に場を一任し司令部へ来る様に、と。
……来て早々戦闘になったと言うのに、果敢に敵に立ち向かい、
突然の指揮委任にも躊躇する事無く任務を遂行したのだ。
司令官である私がその労苦に報いねば、礼を失するだろう? 頼むぞ」
―――一方、追撃を開始した部隊―――
『隊長、クレド隊とホーク隊が追撃に参加する模様!』
「了解しました、両部隊の攻撃に巻き込まれないよう十分に注意して下さい。
歩兵には歩兵の戦い方があります、功を急いて無駄に命を散らさぬよう―――」
『了解!』
クレド隊は騎兵部隊で、ホーク隊は弓兵部隊である。
野戦においてこれ以上の組み合わせは無いだろう。既に敵部隊はセラヴィー隊の
視界に収まっている。直に、援軍もその姿を視認するであろう。
その中、隊に合流した先ほどの騎士アルバに声をかける。
「大丈夫ですか?」
『先ほどは見苦しい所をお見せしてしまいました……もう大丈夫です。
ケインの為にも、仲間の為にも……私はもう迷いません。共に武運を』
「はい、互いに勝利の女神が微笑まん事を。では、また後ほど」
話すうち、殿を務めているであろう敵部隊との交戦距離へ踏み込む。
「現在殿を務めているのが、敵の中核部隊のようです。
個々の力量では敵わないでしょうが、我々には数と兵種の理があります。
落ち着いて事に当たる様に……セラヴィー隊、交戦を開始します!」
『オォーーーー!!!!!!!』
鬨の声を上げ、敵殿部隊へと駆けるセラヴィー隊。
その後ろからは騎兵隊と弓兵隊がそれぞれ駆けつけ、陣を展開し始めている。
【明けましておめでとう御座います。返信が遅れ、申し訳ありませんでした。
これからはなるべく間が空かないようにしたいと思います。
今の所は問題ないようなので、司令官を引き続き動かしています】
【>283及び285様
返信が遅れましたが、是非ともご参加下さればとても嬉しく思います。
どちらの陣営になさるか分かりませんが、その時はよろしくお願いいたしますね】
新規参加おk?
すまん、文章を間違えて投下してしまった
参加したいんだが今騎士側と敵側どっち需要ある?
どっちかってと騎士側だが敵側がしばらく顔出して流れ止まってるし
敵側でもいいと思う
「第3分隊は負傷者を収容して基地まで退いてくれ」
分隊長を務めるトロールの一人にそのように命じた後、龍堂は敵追撃部隊を観察した。
先頭は歩兵部隊だったが、後方に騎兵と弓兵が控えているようだ。
順次予備戦力を投入されるのは、こちらにとってあまり楽しい事態とは言えそうにない。
この問題に対する策について、龍堂は少々思考の時間を経た。
その間にも敵歩兵部隊が接近しつつあった。
第4分隊は詠唱を完了しており、すぐにでも攻撃を加えられる態勢を整えている。
既に敵部隊を魔法攻撃の射程圏内に捉えていたが、龍堂は即座には攻撃を命じなかった。
敵部隊を充分に引き付け、必中距離となった段階で初めて、彼は第4分隊に攻撃命令を下す。
「撃て!」
第4分隊から、魔法攻撃が飛んだ。
使用属性は火を命じてあったから、火球ばかりが敵歩兵を目掛けて一直線に向かっていく。
この一撃を放った第4分隊は、整然と後退を開始した。
彼らは龍堂の命令により、魔法の一斉射の後は一目散に基地へ戻る段取りになっている。
代わって前列に飛び出したのは第1分隊だった。
「総員、突撃に移れぇっ!」
龍堂の号令が下されると、第1分隊は猛然と敵追撃部隊に突入を試みた。
第1分隊には、ワーウルフやリザードマン、キマイラといった非常に好戦的な面子が揃っている。
扱いが難しいために手元に置いておいた連中だが、乱戦に際しては頼もしい戦力となる事を期待してよかった。
龍堂も魔法銃を固定式に設定し、銃身から炎を立ち昇らせて敵中に斬り込んだ。
即席のフレイムソードだったが、弾丸に籠められた魔力が消失すれば、この効果も失われてしまう。
追撃部隊の歩兵隊に対して乱戦状態に持ち込む事は、龍堂にとっては一か八かの賭けだった。
彼は、敵の騎兵・弓兵への対処を、この手段によって解決しようと企図したものだった。
敵味方入り乱れた状況では、弓兵の援護は難しいと踏んでいる(味方への誤射という危険が高すぎるからだ)。
騎兵についても、乱戦となってしまえば、その最大の武器である機動力を活かす事は出来まい。
(これが上手くいったとしても、次が問題だ。どのタイミングで引き揚げたらいいものやら……)
敵兵と斬り結ぶ中、龍堂はそのように考えざるを得なかった。
単に乱戦に持ち込んだだけでは、数に劣るこちらが消耗するだけだ。
個体の能力、夜間戦闘という二点の優位を以って、どこかで状況を打開する一手を放たなければならない。
次の一手を模索しながら、龍堂と第1分隊は死戦の中へ身を投じている。
【む、む。なんだか筆のノリがよろしくない。でも3日を超えて止めていられない。そんな中途半端な出来でごめんなさい。世界に向けて謝罪します】
【魔王軍は野の遺賢を広く募集しております】
魔王軍にエントリーシートを提出してみるでござる。
【名 前】オズライト・フォウル
【年 齢】58歳
【性 別】男
【種 族】人間
【職 業】魔王軍/野戦指揮
【魔 法】戦闘補助系統をいくつか
【装 備】大剣、甲冑
【持ち物】予備武器
【身長・体重】180cm 85kg
【容姿の特徴、風貌】灰色の髪と髭、隻眼
【性 格】豪放
【趣 味】馬の世話
【人生のモットー】恩も借りもしっかり返す
【自分の恋愛観】一生に愛する女は一人で良い
【備 考】ある小国の騎士だったが謀略により失脚。位と領地を剥奪され妻子も失う。
魔王軍に拾われ復讐を遂げた後もそのまま所属。
野戦と機動戦を好む武断派だが年齢相応に老獪。
【魔王サイドで参加しようかと。よろしくおねがいします。】
アトルムを見下ろす丘陵地帯。
戦場と化した原野を一望することの出来るその場所に一体の騎影があった。
「さすがに司令殿といえどこの数の差、それも撤退戦で埋めるは少々骨が折れる仕事じゃなあ…。」
顎を擦りながら重々しく声を発するのはサイグントゥムに駐留する魔軍の部隊指揮官、オズライト・フォウル。混じりけなしの人間である。
齢はすでに老境と言っても差し支えないがその体躯は鍛え上げられ、一線で活躍する若い騎士と比べても勝るとも劣らない。
「斥候部隊を率いて御自ら出陣したと聞いた時はまさかと思ったが。
とは言え、定刻どおり帰還できなんだワシにも非があるのだがの。」
本来なら部隊を率いて矢面に立つのは彼なのだが別件で出ていた任務が予定より長引いたのだ。
その任務も物資調達と言えば聞こえはいいがようは略奪である。
「さて、と…。ここで悔やんでおっても戦況は良くならんしな。動くとしよう。」
愛馬の手綱を引き背後に控えていた部隊へと向き直る。
首の無い馬の牽く戦車に跨った重装の騎士。
巨躯の狼に乗ったゴブリンの戦士。
どこに座るのかと疑問が浮かぶ骨ばかりの馬を起用に乗りこなす骸骨の剣士。
彼が率いる魔物、その全てが騎乗兵であった。
突撃の命を待ちわびるようなその視線に満足げな笑みを返し――
「――これより司令殿の撤退を支援する。
一気に駆け下り、敵の横合いから食い破れ!
小難しいことは考えんでも良い。目の前の敵をひたすらに蹄にかけよ。
後は司令殿が良い様に計ってくれようて。」
引き抜いた大剣を高々と掲げ、馬を棹立ちさせ、その眼はすでに戦場を睨み付けている。
「チャアアァァァジッ!!」
号令一下。オズライトとその率いる騎兵達は土煙を巻き上げアトルム軍へと襲い掛かった。
『オォーーーー!!!!!!!』
勇ましい声が上がり、前線の本隊が駆け出していった。
(おぉ、あれは)
追撃を行う部隊の中に、長い髪を揺らすセラヴィーの姿を確認する。
その姿は遠くから見ても目だった。
そろそろ敵も射程圏内から離脱する。
「防衛戦は我々が制した!見ろ、我が軍が敵を追い詰めていくぞ…!」
高々と勝利宣言をすると、弓を下ろした。
「これは我々の勝利でもあると同時に、神の勝利、明知の勝利でもあるッ!」
エイトリーは傍に刺してあった聖章旗を掲げ、天に向けてそれを掲げた。
こうなるとすっかり止まらなくなるのがいつもの彼ではあったが、
なにせ不意を突いてきた敵のことだ。冷静に考えてみればみるほど、
本隊にセラヴィーの隊までもが前線に出てしまった以上、この場所は危険である。
見渡すと他の防衛隊も死傷者を出していて、勢いに任せて追撃を行った者が多数おり、
手薄になりつつあった。
「まずは怪我をしている者の治療を優先だ。セラ…隊長は敵の追撃に向かった!
我々はこの場所に留まり、隊長が戻るまで防衛任務を続けるとしよう」
先ほどの活躍ぶりを見てか、エイトリーの言葉からやや間を置いて、騎士たちが
黙々と任務についた。
「なにィ!?」
弓の修繕をしながらふと遠くを見ると、夜の闇であまりはっきりとは見えないが、
聞きなれない獣のような声、そして味方と思われる人間の悲鳴などが響いた。
どうやら、敵の一部隊が反撃に出たようである。
エイトリーは慌てて作業を中断し、城壁に張り付くようにして見守った。
【名 前】ラックラー
【年 齢】19歳
【性 別】男
【種 族】カエル
【職 業】騎士
【魔 法】錬金術
【身長・体重】8センチぐらい
【容姿の特徴、風貌】
派手な金の鎧を身にまとった黄緑色のカエル
頭には小さな王冠がのっている
【性 格】
常にハイテンションなおしゃべり蛙
適当人間
ポジティブで自信過剰
【趣 味】おまけ人形集め
【人生のモットー】楽しければおk
【備 考】
謎多き蛙
相棒は真っ白な白馬
錬金術の腕は相当高い
運の良さは一流
【
>>292 回答ありがとうございました。騎士として参加させていただきます。】
【>>龍堂さん、みなさん 次回がもしあったら魔王軍として参加したいと思います。
これからよろしくお願いします。】
敵部隊に迫るセラヴィー隊の先頭に立つのは隊長であるセラヴィーだった。
普通隊長と言うものは、先頭から一歩引いた位置か部隊の最後尾が
基本的なポジションなのだが、セラヴィーは着任してから今に至るまで
決して先頭を譲らなかった。故に、敵部隊の動きに真っ先に気づいたのも―――
「! 敵部隊から魔法攻撃! 後続は回避行動を取りなさい!」
そう叫び、自身も身を屈め火球の洗礼を潜り切り込んでいく。
「うぁぁぁぁっっ!」 「くそっ、ザナクがやられた!」 「ヴェイルもだ!」
後続の様子から二名の隊員が魔法攻撃の餌食となったようだ。
だがしかし振り返るわけにはいかない、既に目の前には新手が迫り出しており
他に気を回せばたちどころに壊滅してしまうのだから。しかしこれも敵の策なのだろう、
魔法攻撃による僅かな隊列の乱れに付け込まれ、敵味方入り乱れる乱戦になってしまった。
「乱戦に持ち込まれた……! これでは後続部隊の援護は望めませんね……
セラヴィー隊、決して孤立するな! 互いに背を合わせて戦うのです!」
指示を受け、隊員は互いを確認すると背を預け合い抗戦する。
そんな中セラヴィーは、刀身が炎でできた剣を振るう魔族と鉢合わせてしまった。
目の前の相手こそサイグントゥムの司令官、龍堂詠羽だった。
一方、クレド隊とホーク隊はセラヴィー隊と敵部隊が入り乱れてしまった為に
当初の予定を変更、乱戦の外周に近い敵を優先的に狙う作戦を取った。
突発的な状況の変化にも、即座に対応する事ができたためセラヴィー隊の
被害は想定よりも少なく済みそうだった……が、手槍での機動戦を
行っていたクレド隊に敵の増援と思わしき騎兵部隊が迫っていた!
「クレド隊長! 我が隊の側面より敵の増援が迫っています!」
「こちらでも確認した!(クッ、まんまと敵の策にかかってしまったか!?)
クレド隊はこれより敵騎兵部隊へと矛先を変える!
ホーク隊には決して近づけぬ気概で臨め! チャージ!」
奇しくも敵騎兵部隊指揮官オズライトと同じ号令でクレド隊は敵部隊へと突撃を開始したのだった。
一方ホーク隊は部隊を半数に分けた。隊長ホーク側は各々の得意とする得物を抜き放つ。
「野郎ども! 陸の化け物なんぞにビビるんじゃねぇぞ!
突っ込んだ嬢ちゃんらの手助けだ、ヘマこいたらゲンコツじゃすまさねぇからな!」
「オォォォーーーー!!!!」
ホーク隊は乱戦に突入、苦戦を強いられているセラヴィー隊と合流しようとする。
残った部隊はクレド隊への、弓での援護射撃を続けるようだ。
―――アトルム司令部では―――
司令官「敵の増援だと!? チィッ、このままでは追撃に出た部隊が……
止むを得ん、重装兵と魔術師団を押し出し前線の兵へ魔法での援護をさせる。
兵団長アダンと師団長アイゼルにはその様に伝えろ!
城壁部のエイトリー殿には引き続き周辺部と……城内の警備を願おう。
特に兵糧庫と武器庫はアトルムの要……もしここに被害が出れば、
アトルムの城塞機能は大幅に低下してしまうからな」
司令官から伝令を頼まれた従士は、急ぎエイトリーの元へと走る。
敵部隊との交戦場所が城壁外である為に、必然城内は手薄になっており
万が一敵の別働隊にこの急所を衝かれるような事があれば、体勢の立て直しに
更なる時間と人手が割かれるのは明白だったからだ。
【またしても遅くなってしまいました……できない口約束はするものではありませんね……】
【>龍堂様
そんな事は無いと思いますよ。私の方はといえば、どうもやり過ぎな気がする内容ですので……
遅れた事も含めて、私も一緒に世界に向けて謝罪いたします】
【>オズライト様
よくお越し下さいました。敵同士と相成りましたがよろしくお願いいたしますね。
ご都合主義と取られるでしょうが、このまま側面を衝かれると全滅確定なので
騎兵同士でぶつかる様にしてしまいました。申し訳ございません】
【>エイトリー様
と言う事で、僭越ながらネタを振らせて頂きました。
ご自身が担当されるもよし、部隊を分けて人員を回すもよし。
エイトリー様の望まれるままに動かして下さい】
【>ラックラー様
カエルとは驚きの出で立ちですが、こちらこそよろしくお願いいたします。
実はラックラー様に召集をかけようかと思ったのですが、ラックラー様にも
考えがあるのではと思い、今回は見送っています。申し訳ございません】
【名前】ジャック・クラウザー
【年齢】26歳
【性別】男
【職業】傭兵(正規軍側)
【魔法・特技】魔弾:魔力(火・氷・雷など)の宿った球体を放つ特殊技能
【装備・持ち物】魔弾、皮で出来た服とロングハット、愛馬(クリス号)
【身長・体重】180cm、65kg
【容姿の特徴、風貌】長い茶髪
【性格】陽気
【趣味】コイン集め(銭ゲバ)
【人生のモットー】とりあえず、死なない程度に頑張る
【自分の恋愛観】あんまモテないんでどうにもワカラナイ
【一言・その他】魔弾という特殊技能を持つ傭兵。
その日暮らしの為、傭兵の賃金で何とか生活している。
【皆様よろしく】
目の前の女騎士と斬り合った瞬間、龍堂は果てしない後悔の念に襲われた。
なぜなら、明らかに相手の腕の方が上だったからだ。
正直に言えば、体面など気にせずただちに逃げるべきだった。
しかし、相手の技量はそう簡単に自分を逃がしはしないだろう。
たちどころに防戦一方となってしまい、龍堂は早くも死を覚悟しなければならない状況に追い詰められてた。
その状況を打開する切欠となったのは、サイグントゥム基地から出撃した援軍の存在だった。
これは、龍堂にとってまったく計算外の事態だった。
しかしこの状況は、龍堂の構想にとって非常に都合のよい変化と言える。
女騎士と斬り結ぶ中、僅かに隙をついた龍堂は大きく後方へ飛び下がり、彼女の間合いから脱出する。
そして魔法銃の設定を変更し、頭上に向けて射出。
刀身の形をした炎の塊は、天高く舞い上がって大きく炸裂した。
実は、これは信号弾だった。
当初より戦場を迂回して戦闘に参加していなかった第2分隊に、行動を促すためのものだ。
いずれは第2分隊を動かして状況を打開するつもりだったが、時機を図りかねていたところである。
それが、予想外の味方援軍によって天の時を得た。
最後のカードは、今、この時を置いて他に切るべき時はない。
「退却だ! 全軍退却! 基地からの援軍にも引き揚げを伝えてくれ!」
龍堂は即座に伝令を走らせた。
ハーピーはもう使えない。
戦場の混乱を突けば上手く行くかもしれないが、アトルムの見張り台が問題だった。
腕の良い射撃手がいるようで、既にハーピーの他にも損害が出ている。
敵に背を向けようとした龍堂は、ふと思い留まった。
つい先ほどまで斬り合いを演じた相手を、少し気に掛けたためである。
「素晴らしい腕前でした。その技量は、我が軍にとって大きな脅威です。
時に、貴女のお名前をお伺いしてもよろしいでしょうか。
僕は龍堂詠羽。魔王軍サイグントゥム基地司令を拝命しております」
龍堂が呑気に挨拶などしている間にも、第2分隊は今まさに攻撃を開始せんとするところであった。
ゴブリンらの軽歩兵で構成される第2分隊は、敵側面を奇襲すれば、そのまま一撃離脱を図って基地へと戻って行くだろう。
第1分隊には既に負傷者も多く出ている。
基地からの援軍が状況を許すのであれば、騎馬に拾ってもらって撤退する事も、伝令に言い含めてあった。
魔王軍の威力偵察から開始された一つの夜戦は、徐々に終局の様相を呈し始めている。
【何だか物凄い勢いで人が増えてきた悪寒! グゥレイトォ!】
【ひとまず区切りを付けて次に繋げる方向で参りたいような気がしますが、如何でしょうか】
【それとまたまたまた遅くなって済みません。順番を勘違いしてました orz】
「さて…このまま歩兵の側面を突ければ苦も無く蹂躙できるが…。」
アトルム軍へと襲い掛かる人外の騎兵隊。
その最前を駆けるオズライトは異様なほど冷静に戦場を眺めていた。
特筆すべきはその瞳。常とは異なり鮮やかな金色で彩られている。
”梟の眼(オウルアイ)”と呼ばれる夜闇こそを己のテリトリーとする変異魔術。
それを用い漆黒が支配するフィールドを迷う事無く疾走していた。
目当てとする敵追撃歩兵との接触まで残り僅か、こちらの足なら数分で到達できる距離だ。
もとより騎馬と歩兵では勝負にならない。一方的に虐殺して終いである。
既に城壁からの弓による援護も失われた相手ならばなおさらだ。
「ま、そう簡単にはいかんよの。」
敵尖兵の背後から湧き出た騎馬兵がまるで歩兵の側面を覆うように展開する。
乱戦からはみ出た者を串刺しにしようという腹だろうか。
さらに背後には弓兵隊も控えているようだ。
オズライトは手綱から手を離すとハンドサインで部隊を二手に分けた。
自身はデュラハンとスケルトンナイトを従え騎馬兵へ、残るゴブリンライダーは大きく迂回し弓兵の背後を狙わせる。
魔物の中では非力と言えるゴブリンだが種族特有の矮躯は隠密行動に最適であり夜陰に紛れればより効果を発揮できるだろう。
あとは距離を詰めこちらに背を向ける騎兵を打ち倒すだけだが――
「――むう。気づきよったか。」
舌打ちしながら吐き捨てる。せめてもう少し距離を稼ぎたかったが…。
目の前の標的を屠った騎兵隊が反転、突撃。
突撃(チャージ)の声も高らかにオズライトへと肉薄してくる。
「こちらの動きを察した洞察力は褒めてやるがな。騎馬突撃でものを言うのは重さと――」
獰猛な笑みを浮かべ、大剣を振りかぶり
「――速度よっ!」
目の前の騎士へ横殴りに叩きつけた。
幾たびもの戦場を共にした愛馬はオズライトの動きを察し、直前に馬首を下ろしている。
一撃を受け損なった騎士を吹き飛ばし、返す刃で次の標的を馬ごと切断。
並走するように進み出た揮下の魔物たちも同様にその暴力性を撒き散らす。
魔物と人の身体能力差に加え駆け続けた者と駆け始めた者、その差は歴然であった。
数回の衝突を終え、上空に光が灯る。
龍堂が放った信号弾だ。
夜空を照らすのは赤、意味するところは撤退。
オズライトは角笛を咥え、高らかに吹き鳴らすと馬を返し退却準備に取り掛かる。
対峙した騎兵隊は殲滅こそ出来なかったが追討出来ない程度には叩いた。
こちらも死者が出たが戦果としてはまずまずと言えよう。
部下達も負傷者を拾いつつ撤退を始めているようだ。
オズライトも撤退中の友軍の中に龍堂の姿を確認すると馬を走らせる。
だがその近くには抜き身の剣を携えた女騎士の姿もある。
互いに向き合い何かを話しているようにも見えるが――
「――やれやれ、また司令殿の悪い虫が騒ぎ出したようじゃなあ。
まあ人間を見縊らんのは美点の一つじゃが…のっ!」
言い終えると同時、手近にあった槍を投げつける。。
弧を描いた槍は狙い違わずちょうど中間、龍堂とセラヴィーを分断するように大地に突き立った。
意識を逸らすことが目的なのでこれで十分だ。
オズライトはその間隙を突いて龍堂へ近づき、馬上に引き上げる。
「司令殿。老骨の相席で申し訳ないがお許し下されよ。」
「帝国の騎士殿、馬上にて失礼する。
此度の手際実に見事。いずれ別の戦場で相見えることもあろうがその時は我が剣馳走しよう。」
セラヴィーに告げ終えるとオズライトは再度撤退を開始した。
【とりあえず撤退開始。追撃ないならスタコラサッサです】
【セラヴィーさん
お気になさらずw
私もいきなり歩兵の側面突けるとは思ってませんでしたので】
【ラックラーさん、ジャックさんよろしくお願いします】
「うーむ」
次第に激しさを増したと思われる遠方の戦の明かりを見ながら、エイトリーは
唸っていた。
アトルムの兵が持つ松明やランタンの明かりよりも、見慣れぬ魔法の明かりが
徐々に目立つようになってきている。敵の抵抗が激しくなった証拠だろう。
その時、司令部にいたと思われる従者の一人が後ろから現れた。
「司令官閣下よりエイトリー様に伝令いたします!現在、城内の者の多くが
出払っており、各施設の防備が手薄になっております。少しでも多くの人員を
まわし、城塞機能を死守せよとのこと!」
「閣下から…だと?おぉ、そういえば…」
エイトリーは今になって改めて、この場の指揮権が自分に委ねられていることに気づいた。
司令官閣下からの直々の名指しだ。そしてセラヴィーの顔を思い出す。
(私も頑張らなくては!若い者には負けてられん…)
そして思い立ったエイトリーは、近くにある聖章旗を高く掲げ、手振りを加えながら
周囲の兵力に呼びかけた。
「弓兵以外の各員に告ぐ!これより武器庫・兵糧庫・正門付近の防衛の強化を行う!
各自配置につけ!我々弓部隊はここに残って見張りを続行する!これは司令官閣下からの命令だ!
隊長はまだ前線で戦っておられるぞ!我々も良いところを隊長に見せようではないか!」
オー!と掛け声が上がる。死者が何人も出ており、死体を脇に戦っているとはいえ、
士気はまだ十分だ。
エイトリーは戦況がお互いに撤退へと向かったことを明かりの動きから感じた。
「前線は決着がついたようだが…まだまだ油断はできんな」
弓の状態を確かめ、周囲を見渡して前線武器がいきわたっているかを確認した。
出会ってしまった敵とセラヴィーは幾度と無く切り結ぶ。
純粋な白兵戦の力量で言えばセラヴィーの方が上なのだろうが、
経験は確実に相手の方が上だった。押してはいるのだが、後一歩を踏み込ませてくれない。
乱戦で得意とする集団戦法を取れない人間側は、ホーク隊の援軍を受け入れてなお劣勢であり
その事実が焦りを生み、と悪循環に陥らせていた。
またはっきりとは分からないが、敵の増援が到着したらしい事が
近くを走り抜けていったホーク隊の一員から伝えられており、
敵を前に気を逸らすと言う大失敗を犯してしまう。
幸運にもその隙に付け込まれる事は無かったが、敵は距離を取って
何がしかの合図を送り撤退を叫んでいる。初めて気づいたが、
目の前の敵がこの部隊の指揮官だったようだ。
しかしてセラヴィーはこの敵を仕留め損なった事を後に激しく後悔する。
何故ならば、自身で仕留められる可能性を持った相手がサイグントゥムの司令官だったからだ!
「……貴方が、サイグントゥムの……!」
一方、弓での援護を行っていたホーク隊に敵騎兵部隊が襲い掛かる。
迫る敵の気配を、海賊生活で鍛えられた勘で察知した分隊は援護を止め
身をかわす事に専念する。傭兵部隊として多くの戦いを経験した彼らは、
騎兵と真正面からぶつかっても勝てない事を学んでいた。被害を最小限に留める事を
優先した結果、軽傷を負わされる者は出ても死者を出さずに済ませる事ができた。
この結果は、ホーク隊への魔法防御の援護が間に合った事も一因である。
もちろん、敵部隊に損害を与えられてないので一概に喜べないのだが……
クレド隊は二手に分かれた敵騎兵部隊の本隊と思われる方と交戦。
敵隊長らしき大剣使いに先鋒が弾き飛ばされ、次鋒の命が狩られる。
速度と地力の差によって瞬く間に半数が討ち死にし、隊長クレドも
善戦したが魔法援護が間に合わずオズライトの凶刃の前に倒れてしまう。
それでも生き残った騎兵達は怯えを見せずに奮戦し、
アイゼル隊の魔法援護を受けた事も重なって、何体かを討ち取る事はできた。
両部隊に襲い掛かった騎兵部隊は、龍堂の信号弾による合図と
オズライトの角笛の音に即座に反応し撤退を開始する。
馬を駆り逃げる敵に弓は当たり辛く、追討でき得る騎兵部隊は半壊状態。
敵の撤退を妨げられる者はいなかった。
隙を見て斬りかかろうとしていたセラヴィーだが、手槍によって機を逸してしまう。
悔しさを噛み殺しながら、なおもはっきりと名乗りを上げる。
「私の名はセラヴィー……龍堂詠羽、その名と顔は覚えました」
そのまま、敵司令が騎馬の背に揺られ撤退するのを見ている事しかできなかった。
己の無力さと未熟さに、怒りを隠そうともしない顔でサイグントゥムの方を見つめ
「……どこが……どこが、見事な手際か! 預かる部隊一つ満足に指揮できず、
味方の援護も活かせず、敵の司令も仕留められず! 多くの部下や仲間を、
無駄に死なせただけと言うのに! …………………………っ…!」
ひとしきり叫んだ後、生き残った者達の方に振り向くセラヴィーの顔は厳しかった。
「……無事な者は、死者をアトルムへ……」
一言だけ命ずると自身も近くの遺体を背負う。それは、騎士アルバだった……。
―――アトルム司令部―――
司令官「……今回もまた、奴らにしてやられたと言うわけか……っ!!!!」
振り下ろした拳は机を粉々に砕いた。
司令官「部隊の再編と、荼毘の準備を頼む。
遺品はいつもの通りに、引き摺ってなどいられるものか。
……サイグントゥムへの偵察を考えねばならん。
あちらも動きを抑えていたなら、その分軍備が増強されているとみるべきだからな。
セラヴィー、エイトリー殿に伝令。すぐに司令部に来るように、と」
司令官「……さて、人払いも済んだ事。ラックラー、と言われましたな。
カエルの騎士とは、童話の主人公そのものと言わざるを得ない……
貴殿は、何ゆえ我らに助力するのだ? ぜひお聞かせ願いたい」
割れた机の頂点に鎮座する、騎士の鎧を着込んだカエルに司令官は問いかけた。
【ではこの辺で小競り合いは終了に……複数の部隊を運用するのって疲れますね……
それと、また規制されてしまいました。解除されるまでは代理投稿になります】
【>龍堂様
大丈夫ですよ、お気になさらず。
一応次の布石を敷いておきますが、不都合がありましたら仰って下さい】
【>オズライト様
追撃は不可能です。あまり詳しくないので、
弓の件は間違っているかも知れませんが……】
【>ラックラー様
かなり無理やりな繋げ方でしたが、振らせて頂きました。
不都合がおありでしたらその部分は無視して下さい】
【>ジャック様
色々と申し訳ありません、ご挨拶が遅れました。
これからよろしくお願いいたします。ジャック様については真に身勝手ながら
明日お話を振らせて頂きますが、やはり不都合がおありならば無視して下さい】
司令官に呼び出されたセラヴィーは、執務室に入るや否や
自身の不甲斐なさを理由に隊長職を辞任する意向を伝えた。
しかし司令官は
司令官「死んだ者達がそれを望んでいるとは思えん。
それに、お前とエイトリー殿にはサイグントゥムへの偵察任務を
引き受けて貰いたくてな。辞任云々は、この任務が終わるまで保留だ。
……この任務は、今更言うまでもないが非常に重要なものだ。
我々が戦力の増強を図っていたように、相手もただ遊んでいるわけではなかろう」
司令官「セラヴィーと剣を交えたと言う、敵の司令官……龍堂詠羽。
魔族でありながら慎重かつ冷静に戦局を読める、侮れん奴だ。
魔王軍の侵攻が止んだのも、奴の仕業だろう。
足並みを揃え磐石な体制を構築する腹積もりなのは想像に難くない。
今回の襲撃で、奴自身がアトルムの状況を目にしてしまっている以上
こちらもサイグントゥムの現状を把握しておかねばならんのだ」
司令官「エイトリー殿は先の襲撃で敵と直接の交戦はしていない。
つまり顔が割れていない……偵察の為の潜入にはうってつけと愚考する。
セラヴィーは顔を見られてはいるものの……言い方があれだが、
女である事が強力な武器になると思った。化粧一つで女は変わる、そこに賭けたわけだ。
至極適当ですまないが、他に適役がいない。頼まれてくれ」
と新しい任務にかこつけて一蹴してしまった。敵の司令官を討つ絶好の機会を
ふいにしてしまい、残ったのは多くの仲間達の犠牲だけ……その中には、
自分がたきつけた騎士アルバも含まれている。種々の要因が重なり、
表情にこそ出していないが、自責の念が一際大きい状態なのだった。
とは言えそこは戦場に立つ者、気持ちを無理やり切り替え
セラヴィーはアトルムの一角にある酒場『暁の明星亭』へと入っていく。
『暁の明星亭』はアトルム誕生の時から酒場として共に歴史を刻んできた老舗で、
駐留する騎士や町を通る商人、果ては仕事を求める傭兵など実に多くの面々に利用されてきた。
そうした経緯から、酒場側も訪れる客のニーズに合わせて掲示板やら仕事の仲介やら
多くの事柄を請け負っている。故に、ここでの揉め事はご法度となっているのだ。
セラヴィーは戦時下にも拘らず盛況な酒場で、腕が立ち信用できる傭兵を探していた。
日々のノルマや訓練を終えた傭兵はほとんどの場合ここにいるか臨時宿舎に詰めているかしている。
あちこちから上がる口笛や下卑た野次などを聞き流しつつ見回していたセラヴィーの目に、
一人の傭兵が飛び込んできた。特に目立つ風貌ではないのだが……
「失礼ですが、お隣よろしいでしょうか?」
セラヴィーが声を掛けたのは、一部から『魔弾の射手』と呼ばれている傭兵、ジャックだった。
【どうも自分ひとり急ぎ足になっている気がしてなりません。
こんな無茶振りでもよろしければ……駄目ならば無視しちゃって下さい。
あと、二つ名っぽいものは『魔弾』の能力から浮かんだだけです……】
「ひぃ、ふぅ、みぃ……ちぇっ。今日もスッカラカンだな、うん。」
自分の財布袋の中身を数えながら帽子を脱ぎ捨てる男、その名はジャック・クラウザー。
以前は魔弾の射手と呼ばれるほどの使い手だったが、今は面倒を嫌うやさぐれた
傭兵の1人と化してしまっている。
今日もつまらない任務(金持ちの護衛)を終えて酒場で1杯引っ掛けているところだ。
「おやっさん、今日もいつもの頼む。」
果実のジュースをちびちびと飲みながら隣に座ってきた女性の方を見る。
歳は自分と近いくらいだろう。何事かと目を輝かせる。
>「失礼ですが、お隣よろしいでしょうか?」
「あ、俺の隣?いいも何も…どうぞっすよ。」
立ち上がり椅子をセラヴィーの前に差し出す。
身なりからして騎士のようだ。
ジャックはというと様々な装飾が付いたボロボロの皮の服
、そして帽子を脱いだら一際目立つ目の前に突っ張った髪型。
どう見てもそこら辺の浮浪者かゴロツキである。
そんな自分に声をかけたセラヴィーに興味を持ったのか、ジャックは言葉を返した。
「あんた、俺に何のようだい?まさか、今夜ご一緒に…いや、冗談だよ。
…その格好、あんた帝国軍か?」
【いえいえ、全然助かります。よろしくです】
「はじめまして、私はアトルム駐留軍にて
一部隊を任せられている、セラヴィーと申します」
(小声)『今日ここに来たのは(小声に)少人数での任務を遂行するために
頼りになる方を探しに来たからです』
「はい、私は帝国の騎士……だった、と言うべきなのでしょう。
国の許可無く出奔した私は帝国にとっては大罪人、騎士の位は剥奪されているでしょうね。
ですが私は、後悔はしていません。私は私にとっての理想の騎士となるために
生きようと決め、今ここにいるのですから」
「私の様な奇矯者と懇ろになりたいなんて、心の広いお方ですね。
とは言え私も多少は教育を受けておりますゆえ、出会ってすぐにとはいけません。
……こうした事は、もっと互いを知ってからでないと……」
ジャックの質問に一つ一つ丁寧に答えていくセラヴィー。
途中暴走気味になったり冗談を真に受けたりと、誤解を招きかねない事になっているが
当のセラヴィー自身は全く気が付いていない。
「……そう言えば、お名前を伺っていませんでしたね。
よろしければ、お聞かせ願えますか?」
ちょっと荒っぽい性格なら『人に名前を尋ねるならまず自分からだろう』となるものだが、
生来よりの生真面目なセラヴィーが、敵以外に対してそんな事を思うわけも無く
必然ジャックの名前を自分から聞きにいかなければならなかった。
セラヴィーは酒を二杯注文する。一杯は自分の分で、もう一杯はジャックの分だ
こういう話はお酒を飲みながらの方が弾みやすい、
と言う間違ってはいないが合ってもいない思い込みからの行動でまるで深い意味は無い。
【>ジャック様
そう言って頂けると助かります。それでは、よろしくお願いいたしますね】
エイトリーはしばらくの間、勝利の余韻に酔いしれた後、
聖章旗をおもむろに一本抜き取り、それを体に巻きつけながら
数名の法王庁出身の若い兵四人を率いて城を出発した。
ユリウスというベテランの騎士にその場の指揮権を任せて。
伝令が来たときには既にエイトリーの姿はなく、
ユリウスら残存の兵士が何事もなかったかのように守備任務を続けていた。
「エイトリー殿は『我々は戻ることはない』との伝言を残した」と彼は話したという。
フラン・フス・サイグントゥム… かつてそう呼ばれ、古代帝国の植民地であったこの地は
歴史の厚みがまさに、城塞の厚みとなってその姿に威厳を封じ込めていた。
海岸部に立てられたそれは海と急な丘が天然の要塞を形作っており、魔王軍に降伏し奪われるまで
共和国最大の要衝として栄えていた。
サイグントゥムの城下まであっさりと忍び込むことができたのは、エイトリーが
少人数を選び、かつ五名という絶妙な精鋭メンバーで侵入し、風の隠遁魔法で
すり抜けることができたからであろう。
「さてと…」
城内の状態を一通りチェックしたエイトリーは、既に自分の魔法力が尽きかけているのを感じた。
「ここでやる以外にあるまい」
エイトリーが選んだのは、城郭の後方にある巨大な柱のうちの後ろ二本である。
サイグントゥム城は最上部の位置が全体から見て後方に偏っている。
一か八かだが、これ以外の方法はないと言ってもいい。
「さぁ開始だ。…少々、歴史を壊すようで芳しくはないが、いくぞ」
エイトリーの周囲の四人の兵が一斉に展開し、荷物の大部分を占める火薬の展開に入った。
一人が火薬の設置を行い、もう一人が見張りをする。これを二本の柱で同時に行う。
火付け役のエイトリーはその真ん中付近で魔力を溜めつつ隠れる。
「おい貴様!そこで何をやって…ぎゃああ!!」
ついに一人が見つかったらしく、相手の兵を討ち取ったらしき声が響く。ここまでだ。
「そこまで!四人とも作業を中止して私のところに集まれ!」
見つかった側の兵が動いて数秒後、エイトリーの弓から魔法の矢が放たれる。
それはかまいたちのようにうずまきながら摩擦を起こし、火薬に火をつけ大爆発を起こさせた。
同時にもう一発を反対側に放つと、エイトリーは四人を連れて一気に撤退し、
城外へと一目散に駆けた。
「貴様ら!法王庁の斥候か!!?」
囲まれた…
エイトリーは逃げ道がないことを悟ると、無言で巻きつけていた聖章旗をかかげ、
剣を抜いた。亡き妻、娘と息子、孫、セラヴィー、司令官、そして戦った仲間たちの顔を思い浮かべ、
一瞬だけだが感慨に浸った。一斉に敵兵が斬りかかる。
二十名以上を殺害し、エイトリーら5人は全滅した。
包囲した隊長がエイトリーの顔を覗き込むと、ニヤリとして、
「火薬を使ってこのサイグントゥムを落とそうとは、何と愚かな!さあ、死ぬがいい…」
しかし、その笑みはすぐに苦悶の表情に変わった。
隊長の額には深々と矢が刺さり、エイトリーの脇に倒れ伏す。
「…ヘッドアーチャー」
兜に仕込まれていた弓を操作したエイトリーの最期の顔は満足そうだったが、
すぐさま回りにいた敵兵によって、他の4人とともに首を取られた。
その後、地響きとともにおよそ1000年にわたってこの地を守ってきた
最上部「天帝の箱庭」が崩れ落ち、サイグントゥム城では多数の兵が命を落とした。
この話は法王庁やその周辺諸国で「5人の決死隊」として語り継がれることとなった。
【元々送りバントのつもりで参加したので、ここらでリアル事情のこともあり、
抜けさせていただきます。ありがとうございました。】
またかよ
だったら最初からやらないでくれ
【今年に入って一月も経たない内に何度規制されるのでしょうかね?
それはそうと、他の方々はまだいらっしゃるのでしょうか……
もしいらっしゃるなら、どの様に対応すべきかご意見等をお聞かせ願いたく。
私の方は期間が空いた事もあり固まってはいるので。
一応3日ほど待つ心積もりですが、その間一切の反応が無い場合
勝手ながら私の方で〆るつもりです。たとえ尻切れトンボでも、
放置で終わらせてしまうのは気持ちが悪いので……申し訳ありませんが、ご了承下さい】
【人魔戦争記】
これは、先日見つかった過去の戦争に関して極めて詳細な情報を
記した歴史書である。既に伝説とも御伽噺とも言われるこの出来事が、
歴史上確かに存在した事を証明する、有力な証拠と言っても過言ではない。
だがそれは同時に、人間の愚かしい歴史のみを証明する可能性も孕んでいるのだが―――。
ここは、リーザ共和国首都サイグントゥムの歴史研究所。
サイグントゥムは非常に古い都市である。町並みは古代の建築様式及び
技術が使われており、現在の技術よりも優れている点が多い。
歴史書によれば、この研究所はかつて城塞都市といわれたサイグントゥムの、司令部だったそうだ。
サイグントゥムが『魔王』と名乗る何者かに従う軍の一大拠点であったのは……
正確な年代は不明だが、およそ数百年前だろうと思われる。
この歴史書が製作されてから、それだけの年月が経過しているらしい。
故に歴史的観点だけでなく、物品的にも貴重に過ぎる代物だ。
そう遠からぬ内にこの歴史書は世界遺産に認定されるであろう。
そうなる前にこの歴史書の内容の完全複写を終えねばならない。
世界遺産になってしまえば、歴史書を紐解く事……即ち、『空白の歴史』を
埋める機会は永遠に失われてしまうのだから―――。
人間の歴史とは、一言で言ってしまえば『戦争』である。
どの時代の出土品も、人間が戦争をしていたと言う事実はきちんと伝えてくれる。
仕方が無い。人間と言う存在は、この大地に現れた瞬間から戦いを始めていたのだ。
私を含め、この研究所に集まった連中の誰も、それを否定する事は無い。
だが人間の歴史の中に、一切の推測すら許さぬほどの『不自然な空白』が
あった場合、どう思う? 私の様な頓狂な変人はみな、この『空白の歴史』を
解明する事に躍起になった。それも驚く事に、互いが手を取り合って、だ。
集った者達は、世間からは『変態』と呼ばれるほどの歴史学傾倒者。
歴史の証明の為ならばいかなる手段も考慮に入れ、時に実践する。
中には犯罪者と断じられ、獄に繋がれた者もいるほどの、だ。
そうした、狂気に片足突っ込んだバカたれ共の執念がついに実ったのだ。
しかしその程度で小躍りするようなのは一人もいない。
全員分かっているのだ、発見が重要なのではない……事実を知る事が、何よりの褒美なのだと―――。
結果から言えば、『魔王』とその軍勢は実在したらしい。
それも、ゴブリン、オーク、トロール、キメラ エトセトラ エトセトラ ――――
伝承に登場するような『魔物』の存在つきで。
こんなバカげた話、誰が信じるものか。大方、トチ狂った物書きの与太話だろう。
普通ならまず間違いなくそう言う……されど今回の与太話に限っては違った。
地下から、歴史書と共に明らかに人間と異なる生物の骨が見つかったのだ。
半ば化石と化していたそれらの、生前の姿を骨から推測した結果……
上記の『魔物』の外観と驚くほど符合していたのだ。
中には人間のものもある。数は若干人間の方が多い。
しかも、人に近い魔物と人間は例外なく武具を纏っており……
そう、彼らは戦っていたのだ。紛れも無く、過去のサイグントゥムで―――。
私達はその事実を知った時、喜びと同時に別の強い感情を感じた。
それは……『畏れ』。都市の形状は、城塞都市だった時と大きく食い違っている。
夥しいなどと形容するのも憚られるほどの死者の上に建つ、首都サイグントゥム。
そう、サイグントゥムとは、巨大な墓なのだ。
恐らく平和な時代に入った時に、城塞都市を崩しその上に新たな都市を築いたのだろう。
過去の戦争を忘れないように、或いは、無かった事にする為に―――。
内に溜めていた熱は、この事実を知った瞬間霧散してしまった。
表情を見る限り他の連中もそうだろう。私達は、この事実を胸の内に仕舞う事にした。
サイグントゥムは墓である―――そんなキャッチコピー、誰が喜ぶと言うのだ。
だが後悔は無い……熱が引いたのも、半分は私達の欲を満たしてくれたからである。
私達は感謝せねばなるまい……この歴史書を遺してくれた、セラヴィーと言う祖先に―――。
後書:こんな形で申し訳ないが、驚愕の事実が発覚した。
創業云百年を誇る老舗『暁の明星』、世界一の大企業であり
知らぬ者のないこのグループの名前が、歴史書に記されていたのだ。
当時は隣町である第二の都市アトルム一の酒場として、絶大な人気を集めていたのだとか。
一部からは眉唾物と誹謗されていたわけだがさてさて、面白い秘密を知ったものだ。
【後ろ髪を引かれ、ずるずると引き延ばしていたわけでしたが……やはりダメでしたね。
このような終わらせ方で申し訳ありませんが、他のプレイヤーの方々がいらっしゃらないのに
勝手に動かす事に、この期に及んで二の足を踏んだ結果この様な形に収まりました……。
やはり、最大の失敗要因は私の力不足だったのでしょう。自身の未熟さに、ただ恥ずばかりです。
誠に、申し訳ありませんでした……このスレがどうなるか、それは分かりません。
ともあれ、参加して下さった方々には感謝してもし切れません。お付き合い下さり、有難う御座いました。
長々と一人語りしてすみません、それでは―――ご縁がありましたら、いつかどこかで。】
乙
超乙・・・・!
気持ちは察して有り余る。
本当にお疲れ様でした。
これにめげずにまたどこかのスレで楽しんでください。
長文うざす
エイトリーを勝手に主的な立場にするという考え方自体が醜い
318 :
名無しになりきれ:
END