【TRPG】★スターダストヴィル★【ファンタジー】
1 :
名無しになりきれ:
スターダストヴィルは、ファンタジー世界のとある村です。
人間の他にもドワーフやエルフ、ゴブリンなど、様々な生き物が住んでいます。
魔法使いや、人間に化けたモンスターも住んでいるかもしれません。
村の周りには、まよいの森やしんぴ的な泉、こわいドラゴンの棲む山など、いろんな地形があります。
少し離れたところには、この辺りの地域を統治するお城もあります。
たまにお城の人たちが村に視察に来ます。おうさまの遣いは、最近はマオウが平和を脅かしていることに頭を痛めているようです。
しかし、スターダストヴィルの住民にはそんな事はあまり関係ありません。
そのうち、ゆうしゃ様か誰かがポッと出てマオウをやっつけてくれるんじゃないでしょうか。
村のみんなにはそんな事より、今年の秋は豊作かどうかとか、誰かと誰かの恋愛話とか、今日の晩御飯は何を食べようとか、
そういうもっともっと大事なことがあるのです。
はてさて、今日は、村にどんな出来事が起こるでしょうか?
キャラテンプレ
名前:
年齢:
性別:
身長:
体重:
スリーサイズ:
種族:
職業:
属性:
性格:
利き手:
魔法:
特技:
長所:
短所:
装備品右手:
装備品左手:
装備品鎧:
装備品兜:
装備品アクセサリー:
所持品:
髪の毛の色、長さ:
容姿の特徴・風貌:
趣味:
恋人の有無:
好きな異性のタイプ:
嫌いなもの:
好きな食べ物:
最近気になること:
将来の夢(目標):
簡単なキャラ解説:
短縮バージョン
名前:
種族:
性別:
職業:
外見:
身長:
体重:
好きなもの:
嫌いなもの:
キャラ解説:
スターダストヴィルが一年で一番盛り上がる季節がやってきた。
そう、天下一武道会だ!
今年も世界中からツワモノどもが集まってくる!
こいつ一人で何やってんの?w
「ここがスターダストヴィルか!ずいぶん辺鄙なところでござるな!」
と東方出身の剣士は言った
7 :
名無しになりきれ:2009/07/26(日) 00:39:52 0
芸者さむらい
名前:ケヴィン・フォン・ド・ローゼス
種族:人間
性別:男
職業:騎士
外見:カールした金髪が特徴、全身甲冑
身長:166
体重:66
好きなもの:自分の髪
嫌いなもの:魔術師
キャラ解説:ちょっとナルシスト気味の騎士。常に櫛を常備していて、
髪型を整えている。この村の武道会に合わせて王都から派遣されてきた。
女好きである。
追加:外見は25歳程度
人数が有る程度揃ったら参加します
まんまほしふり村のパクリだね
>>12 >>1もしくは最初に参加した奴がスレ主というのは当然だと思うが?
違うってんなら誰を主と呼ぶんだよ
やりたい奴ややれる奴がスレ主になればいい
おのずと決まるもんだ
順番とかで無理矢理押しつけるもんじゃない
>>15 それはGMなり進行役なりの話だろ?
スレの主はそれとは別に自ずと最初からいた奴を指すだろ
>>16 それがそもそもの間違いだ
だから衰退するんだよ
やりたいけど見合った能力がない奴はいっぱいいる
そゆ奴が気軽にスレをたてやりたいことをやれる
そんな土壌が必要なんだよ
そのために、やりたい奴はどんどんやればいい
やれる奴がちゃんとやってくれる
できる奴はどんどん要望に応えてやれ
そ
だ
や
そ
そ
そ
や
で
ちょwどもりすぎwww
>>17 やりたいけど能力に見合ってないならまだやるべきじゃないって事だろ?
他のスレに参加して下積みで能力付けてからやらんと廃スレ量産するだけだよ
参加は自由でも新しく立ち上げるならスレ主やるくらいの責任は持とうぜ
別にGMやれって話じゃないんだからさ
そもそもスレ主って2ちゃんではスレ立てた奴を指すだろ
携帯同士は雑談所で話せばいい
21 :
レイザー:2009/07/26(日) 15:37:20 0
名前: レイザーラモンN.S(にしおかすみこ)
種族: 人間?
性別: 女?
職業: 魔女
外見: 長い黒髪にボンテージファッションに鞭
身長: 163.5cm
体重: ひ・み・つ
好きなもの: いいオトコ
嫌いなもの: お笑い芸人と言われること
キャラ解説:スターダストヴィルにいつからか住んでいる魔女
22 :
レイザー:2009/07/26(日) 15:38:57 0
>9
セイセイセイ! YOU! はじめちまいなYO!
>10-20
武道会前の混乱フゥ――――――!!
23 :
レイザー:2009/07/26(日) 22:27:21 0
>6-7
(芸者の格好をしたサムライがやってきた)
>「ここがスターダストヴィルか!ずいぶん辺鄙なところでござるな!」
セーイ! 大正解! ここはスター☆ダスト☆ヴィル!
訳して……腰振り村フォ――――――!!
>5
>こいつ一人で何やってんの?w
(芸者さむらいは失笑しながら逃げ出した!)
24 :
名無しになりきれ:2009/07/27(月) 22:04:54 0
別名ラモン2世
25 :
名無しになりきれ:2009/07/27(月) 22:30:11 O
キモすぎる
26 :
レイザー:2009/07/27(月) 22:49:35 0
どうも〜西尾 霞子だよ〜〜〜!!
ここは過疎村かだって? そんなの関係ねぇ! そんなの関係ねぇ!
おっと、これは別の魔法使いの口癖だYO!
>24
オッケ〜!!
MEは偉大なる大魔法使いラモン様の名を受け継いでいるのだYO!
武道会の準備に大忙しフ――――!
魔法薬の調合だよ――――!! 3分クッキングフゥ――――!
♪チャララッラッラッラッラ、チャララッラッラッラッラ、チャラッラッラッラッラッラッラッラッラッラッラッラ♪
まずは大釜を用意して〜〜おっさんの使用済み靴下投入!
続いてじいさんの使用済み入れ歯投入!
腐ったバナナと熟れすぎたトマト投入!
>25
>キモすぎる
(窓の外を通った通行人は言った)
激同フー!
だがしかし魔法薬は往々にしてキモすぎるものからでーきるーんだよーーーーーー!
(大釜を火にかける)
28 :
レイザー:2009/07/28(火) 23:27:05 0
>27
(村の自警団員がやってきた。広場の掲示板に悪戯した者がいたらしい)
>犯人は名乗り出なさいw
村長戦選挙ポスターへの落書きだって?
MEじゃないよ―――――! 冤罪セーイ!
忙しいので失礼します。
天ぷら揚げる時は目を離したらいけませんよー!
完成フォ―――――!!
(も○じまんじゅうのような物が登場)
誰ですか? も○じまんじゅう言ってるのは!
名物スターまんじゅうフォ―――――!
食べるとHP全回復!
(が、スターまんじゅうは逃げ出した!)
アーーーーーーーーーーーー!!
まんじゅうの分際で逃げるとは!
待たんかコラーーーーーーー!!
(スターまんじゅう追跡開始)
29 :
名無しになりきれ:2009/07/29(水) 09:36:40 0
ふーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
頑張ってくれ
見てて面白い
31 :
レイザー:2009/07/30(木) 00:42:55 0
>30
(村の住民とすれ違う)
あ、クラウドさん。応援ありがとうフォ―――――!!
>29
見つけたぞー! スターまんじゅう!
(武道会のために設置したステージにてまんじゅうを発見。
ひゅんひゅんひゅん! 捕獲のためにムチを回し始める)
む!?
(ある事に気づいてやめる)
そう言うことだったのか……男の戦いを邪魔するわけにはいかない!
(スターまんじゅうは“ふ”と戦おうとしていた! みそしるに入っているアレである!)
がんばれスターまんじゅうーーーーーーー!! みそ汁の具に負けるんじゃないよーーーーー!
(よく分からないけど食糧同士の対決が幕を開けた!)
名前: スターまんじゅう
種族: まんじゅう
性別: 無し
職業: スターダストヴィル銘菓
外見: も○じまんじゅうもどき
身長:5cmぐらい
体重: 10gぐらい
好きなもの: まんじゅう好きな人
嫌いなもの:高温多湿
キャラ解説:意思を持ったまんじゅう
名前: ふ
種族: ふ
性別: 無し
職業: みそ汁の具
外見: 円柱形
身長: 1cmぐらい
体重: 1gぐらい
好きなもの: ふが好きな人
嫌いなもの: 湿気
キャラ解説:意思を持ったふ
1ターン目:
スターまんじゅうの攻撃!
スターまんじゅうは体当たりを放った! ふはひらりと身をかわした!
ふの攻撃! しかしスターまんじゅうはダメージを受けない!
2ターン目:
スターまんじゅうは誘う香りを放った! ふには効かなかった!
ふはメガンテを唱えた! ふはバラバラに砕け散った! スターまんじゅうに1のダメージ!
33 :
レイザー:2009/07/31(金) 23:39:35 0
♪タタタターンターンターンタッタターン!
スターまんじゅうの勝利フォーーーーー!!
(しかしその時!)
34 :
メアリー:2009/07/31(金) 23:40:42 0
名前: メアリー・シュー
種族: 不老長寿の人工種族のハイブリッド
性別: 女装美少年
職業: シュークリーム屋
外見: 超美系、身体的な特徴が異常に多い
身長: 160cm
体重: 45kg
好きなもの: シュークリーム
嫌いなもの: シュークリームを冒涜する輩
キャラ解説:スターダストヴィルの謎に満ちたシュークリーム屋
35 :
メアリー:2009/07/31(金) 23:50:10 0
(一人の女装美少年が立っていた。シュークリーム屋のメアリーである)
ククク……まんじゅうごときがこの村の銘菓とは……笑わせるな。
ってもお笑い芸人は笑わせるのが仕事か。これは失礼。
とにかく! 村を代表する銘菓には妾の“流星のシュークリーム”こそがふさわしいのだ!!
今年の武道会の土産物はシュークリームで決まりだ!
行け! 我が忠実なるしもべ!
(一個のシュークリームをスターまんじゅうの前に投げた。
シュークリームの周りですさまじくヤバげな暗黒波動が渦巻きはじめる!)
レイザー:貴様のシュークリーム……暗黒波動を習得しているだと!?
メアリー:そうだ。これはただのシュークリームではない……
漆黒のビターチョコレートクリームをふんだんに流し込んだ
チョコシュークリームなのだああああああ!!
レイザー:……バカめ! その程度で勝ったと思うなアーーーーーーーー!
MEのスターまんじゅうは丹精込めて練り上げた純白の高級白餡入りフゥーーーーー!
行け! 光の波動!!
(シュークリームの暗黒波動とまんじゅうの光の波動が激突する!)
メアリー:フハハハハ!! ここがお前の墓場だあ!
レイザー:アフォーーーーー!!
(永遠に続くかと思われた暗黒波動と光の波動の戦いはついに決着がつこうとしていた。
シュークリームに亀裂が走る!)
メアリー:バ、バカな!? なぜだああああ!!
(シュークリームはチョコクリームをまき散らして爆発した)
レイザー:貴様が負けた理由はただ一つ……死亡フラグを立ててしまった事だアーーー!
メアリー:妾としたことが……! またやってしまった!
(がっくりと膝をつくメアリー)
こうして、スターダストまんじゅうは銘菓の地位を守り抜いたのであった!
今年も武道会の土産物にはスターダストまんじゅうがずらりと並ぶ事であろう!
エピソード1「銘菓争奪戦」完
こいつ一人で何やってんだ?ww
最強の味噌汁の具は何か!?
ここスターダストヴィルでは日々選挙戦が続いていた。
最大勢力を誇る豆腐党!
豆腐党に付き従うはワカメ党!
豆腐ワカメ連立政権の覇業に異を唱える大根党!
その他にもコボウ党、豚肉党などが選挙戦を繰り広げる!
しかしそんな味噌汁連合を虎視眈々と狙うもの達もいた!
その名はお吸い物連合!
うなぎの肝党を筆頭にエノキ党、フ党などが参戦する!
味噌汁連合はお吸い物連合の陰謀を退けられるのか!?
(>27 の掲示板から原案をもらいました。原案者さんありがとうございました)
ふB:大変です! ふAがメガンテで自爆しました!
うなぎの肝:何!? 選挙前だと言うのに自爆だと!?
今年こそは味噌汁連合から天下を奪うのだ! 肝に銘じよ!
エノキ:肝はアンタじゃん
>38
ふB&うなぎの肝&エノキ:我々は一丸となってお吸い物の天下を取ると誓ったのだ!
一人じゃない!
エピソード2「村長選挙戦」開始
化学調味料「愚かな・・・所詮は具か。我が掌でせいぜい踊るが良い」
豆腐「村人の皆様!食卓には味噌汁!そして豆腐とわかめのコラボレーション!よろしくお願いします!」
豚肉「村人の皆様!よく考えてください!味噌汁はただの汁でよいのでしょうか!
豆腐やわかめに任せていては何時までも汁のままです!
我が豚汁党に任せていただければ味噌汁は汁物からおかずへと変貌できるのです!」
うなぎの肝「豆腐さん、豚肉さん、どちらもどんぐりの背比べという事を皆様お気づきでしょうか?
濁った味噌汁に隠れて裏ではどれだけ汚いやり取りをしてきたか!
その点我々お吸い物連合は隠すところ無く澄み切っております!
今こそ清き一票を我々に!」
豆腐・豚肉「笑わせるな!お吸い物なんて白湯に味付けした程度のものだろうが!」
牛蒡「やれやれ、小汚い舌戦だな。我々けんちん汁党は清濁併せ持つ中庸!おかずにもなり適度に濁り適度に清い!
彼らの醜い争いを割け我等に一票を!」
こうして選挙合戦は激しさを増していく。
そんなやり取りの裏でもう一つの戦いが始まろうとしている。
化学調味料「ふふふ、具どもめ、せいぜい踊っていろ。」
天然粗塩「そういうお前は笑っていられるのかな?
高級志向の料亭ではお前のような化学調味料は門前払いだというのになあ!」
化学調味料「馬鹿め、一部ブルジョアにしか受け入れられない本物志向がどれほどの力があるというのだ。
より安く!より美味く!流通力学、経済力学の申し子として生まれたこの俺の力を見てみるか?」
天然粗塩「やれるものなら見せてみろおおお!」
42 :
カツヲ:2009/08/06(木) 00:54:26 0
名前:カツヲ
種族: オス
性別: 擬人化したカツオ
職業: 小学生
外見: サ○エさんに出てくるカツオに酷似
身長: 同上
体重: 同上
好きなもの:カツオ
嫌いなもの: 化学調味料
キャラ解説:化学調味料の野望を阻止するため立ち上がった若き候補者
カツヲ:化学調味料に負けてたまるかぁあああああ!! 最強のだしで有権者のハートをつかむぞ!
(熱湯風呂につかっている)
ワカムェ:お兄ちゃん、すごい情報を仕入れたわ。
カツオとコンブを合わせると最強の天然だしができるんだって!
44 :
名無しになりきれ:2009/08/09(日) 21:20:44 0
必要あげ
>44
カツヲ:コンブ揚げゲットー!!
(家に連れ込み一緒に熱湯風呂に入る)
カツヲ:さあ、出汁をとれ!
ワカムェ:わかったわ、お兄ちゃん!
(熱湯風呂の湯を“高級天然出汁”というラベルを貼った大量の瓶に入れ始める)
ワカムェ:早速味見するわよ! ゴクゴク。
(バタ! ワカムェは気絶した!)
47 :
フダつきのワル:2009/08/15(土) 02:54:48 0
自演きしょ
自演はよくないぞ
49 :
名無しになりきれ:2009/08/21(金) 23:15:57 O
晒しあげ
50 :
カツヲ:2009/08/26(水) 16:01:18 0
カツヲはワカムェの首筋にナイフを押しあてて叫ぶ。
「自演…自演だと!貴様らに俺の気持ちがわかってたまるか!ええっ?分かるのか!
俺は全て村のためにやったんだよ!全てだ!貴様ら俺無しでやっていけると思ってんのか!
俺は正義だ…ハハ…ヒャーハハハハッ!アヒャハヒャハヒャハァー!
さあ、こいつの命が惜しければ俺を村長にしろぉぉ!俺を認めろぉぉぉぉぉ!!」
狂い笑うカツヲを札付きの悪が侮蔑する。
「自演きしょ 」
そこに王国から暴徒鎮圧のために派遣された騎士ザルバッグが到着した。
「カツヲとやら自演はよくないぞ。貴様がいくら喚こうと王国の法が曲がる事は無い。
我々は決して犯罪者の言いなりにはならないのだ!皆、国法に従って賊を人質もろとも討て!」
ピュンピュンピュンピュン!
カツヲとワカムェには無数の矢が射かけられ、二人とも針鼠の様になる。
ザルバッグは罪人の首を王国に持ち帰ると晒しあげた。
……楽しい?
52 :
チュニー:2009/08/28(金) 19:19:42 0
「……楽しい?」
その男は聞いた。だから俺は答えてやったね。
「ああ、最高にハイさ!この村だけだぜ…こんなにハイになれるのはな!」
「おっと…自己紹介を忘れてたぜ。
俺の名はチュニー・ヴョース・グラウベルゼ。
魔眼の剣鬼の二つ名を持つ皇国一の剣の使い手にして、冥界の大賢者の称号を受け継ぎし者。
いや、お前たちには聖龍皇国の第三皇子といった方が通りが良いかな?」
俺は村の男に名乗るとあの噂について聞いた。
「俺はこの村に神剣スターダストがあると聞いてやって来たのさ。
神の魂すらも打ち砕くという神器を手に入れにな…。
…奴らより先に見つけなければ、この世界は終わる…。
―――いや、済まない…今のは聞かなかったことにしてくれ。
どんな些細な事でもいい…スターダストについて何か知らないか?」
」
53 :
フダつきのワル ◆wwwwwwwwWw :2009/08/30(日) 00:14:43 O
覚醒剤って気持ちいいの?
神剣スターダウト!
今なら3980円でご提供いたします!
55 :
チュニー:2009/09/06(日) 00:34:28 0
「覚醒剤って気持ちいいの?」
「さあな…人生を踏み外させるぐらいには気持ち良いんじゃないか。」
フダつきのワルに答えると俺はその場を離れた。
その足で村の入り口の商店に入る。
「神剣スターダウト! 今なら3980円でご提供いたします!」
威勢の良い声が聞こえ、神剣が売られていた。
見上げると太陽は眩しかった。
じっと見ているとだんだん緑色に見えてくる。
俺はケースの中のスターダウトを手に取ると、店主の胸に刺し込んだ。
店主の胸からは紫色の蛭が無数に吹き出てきた。
蛭は空中でたちまち蛾に変わり景色が紫の花吹雪に変わる。
一匹の蛾がベトリと肌に纏わりつき、不快感が募る。
それは悪夢の光景だった。
蛾が肌を這いずり回る感覚に俺は笑った。
村人が集まる。
いや村人ではない…怪物だ!俺を殺そうとしている!
「うぁあーああー!」
俺は逃げた。この村は怪物の住まう地獄だ。
走る。やたらめったら神剣を振い、怪物を切り刻む。また走る。
髑髏の顔を持つ騎士が俺の行く手を阻んだ。
「撃て。」
冷徹な声が響き、胸に激痛。紫の蛭が俺の胸から吹き出てくる。
そして倒れる俺の耳に何かが聞こえた。
「覚醒剤の蔓延は酷いものだ…一刻も早く組織の拠点を潰さねばならん。」
ノースとの差別化に実験的に色々するスレとして生まれ変わってみないかね?
まずはゲームブック的リレー小説な感じで。
ソロTRPGというか…TRPGではなくなりそうだが。
まず文を書いた後、選択肢を3つ出す。
次の奴は選択肢3つの中から1つを選んで、次の展開を書きまた選択肢を3つ出す。
流れを掴んでもらうために少し自演してみる。
57 :
アリル:2009/09/06(日) 13:04:01 0
「ここがスターダストヴィルか…随分と田舎の村だな。」
村の入り口に一人の少年が立つ。
名前はアリル。大魔法使いベリルドーンの弟子…いや弟子見習いだ。
金色の髪に青い目で年の頃は14、5と言ったところだろう。
手に持つ短いワンドと茶色い麻のローブが正式な魔法使いではないことを示す。
アリルの師匠ベリルドーンは魔法使いになるための試練と称して、この村に弟子見習いを派遣したのだった。
その試練とは…。
1【ドィールゼランタを退治する事】
2【ティーマ・プランを探す事】
3【ヤック・ナップを建てる事】
58 :
アリル:2009/09/06(日) 13:05:11 0
2【ティーマ・プランを探す事】
「ティーマ・プランを探すのが試練だっけ?でもティーマ・プランって何だろう?
御師匠様は行けば分かる。それを探す事から試練の始まりじゃって言ってたけど…。」
アリルは宿に着くと宿の主人に挨拶する。
「こんにちは、ここは良い村ですね。」
「そうだろう!良い村だとも!」
「ところでティーマ・プランを知りませんか?」
「いや、悪いが噂にも聞いたこと無いね。村の年寄り連中なら色々知っているかも知れんが。
村長やまじない師辺りを回ってみてはどうかね?」
荷物を置き、宿屋を出たアリルは…。
1【村長の家に向かった】
2【まじない師を探しに出かけた】
3【宿屋に戻り、昼食を食べ始めた】
59 :
アリル:2009/09/06(日) 13:06:16 0
3【宿屋に戻り、昼食を食べ始めた】
「そういえば、お昼御飯がまだだったな…ティーマ・プランを探すのは食事の後でも良いよね。」
アリルは踵を返して宿に戻った。
宿の一階は食堂になっている。
食堂では村の人たちが食事しており、焼き魚とキノコのソテーを食べていた。
(そうだ、村の人の中にもティーマ・プランについて知っている人がいるかもしれない。)
「ティーマ・プランについて何か知っている人は居ないかな?」
「…!」
村の人たちにティーマ・プランについて聞くと急に一人の男がそわそわして、そそくさと宿を出て行った。
と、同時に湯気を放つ出来立ての昼食が運ばれてくる。
「この村のキノコはとっても旨いんだ!食べなきゃ絶対に損だよ!」
アリルは一瞬考え込むと…。
1【食卓に着き、キノコのソテーを食べ始めた】
2【宿を出た男の後を付け始めた】
3【村長の家に向かった】
最初の実験は失敗だったようだな
めげずに次いってみようか
1【食卓に着き、キノコのソテーを食べ始めた】
キノコは幻覚作用のあるものだった。
とっても旨いとはそういう意味だったのだ。
アリルは楽しい夢の世界へ旅立った!
夢の中に出てきたのは……
1【謎の老人】
2【謎の美女】
3【謎の幻獣】
63 :
アリル:2009/09/08(火) 22:36:07 0
3【謎の美女】
夢幻の世界で神秘的なの美女がアリルに語りかけてくる。
「私は時の女神ユ―ウィール。この村は近く流行り病で滅びます。
しかも病を治すための薬草は、すでに100年前に失われてしまいました。
どうか時を遡り、薬草を見つけて村を救ってください。」
女神の言葉を聞いたアリルに目覚めの時が訪れると…。
1【100年前の酒場で目を覚ました】
2【血まみれの老人の前で目を覚ました。】
3【ベッドの隣に知らない女が寝ていた】
3【ベッドの隣に知らない女が寝ていた】
明らかにサキュバスです
明らかにサキュバスです
1【襲う】
2【とりあえずこの場から逃げる】
3【これはきっと夢だ…もう一度目をつぶる】
66 :
アリル:2009/09/10(木) 01:39:16 0
2【とりあえずこの場から逃げる】
「サキュバスなんて夢魔が、どうしてこんな村に…!」
アリルは、部屋からまろび出て力の限り駆けた。
気づくと蝙蝠が行く手を阻むように体にまとわりつき、夢魔の笑い声が暗い廊下に響く。
「アタシから逃げられやしないよ!魔法使い!」
「そうだ、こんな時のためにお師匠様からもらったものがあったはず…!」
アリルは懐を漁ると…。
1【破魔の鏡をかざした】
2【性転換薬を飲んだ】
3【残念ながら荷物の袋は破れていた】
2【性転換薬を飲んだ】
「な、んだと・・・・わたしのわぁいが・・・」
サキュバスは百合には興味がなかった
68 :
名無しになりきれ:2009/09/12(土) 00:57:03 0
コマンド?
1戦う
2道具
3逃げる
悪くない試みだと思う
ただ、やるならノベルゲみたいな選択肢方式より、相手68みたいなゲームコマンド風が好きかも
あくまで行動のみに限定しないと後々苦しいし
>>66で例えるなら
【アイテム・破魔の鏡】
【アイテム・性転換薬】
【アイテムを選択しない】
70 :
名無しになりきれ:2009/09/15(火) 21:19:47 0
で?
>69が ていあん を しかけてきた!
1【無視する】
2【提案に従う】
3【冒険に誘う】
ふむ…そろそろ最初の実験の結果も見えてきたか。
残念ながらあまり成功とは言い難かったが。
次の試みとして、シムシティー的な街づくり的なものがよぎったが具体的にこれというのが思いつかんな…。
最初は荒れ地みたいなスターダスト地方の一か所に橋や宿屋や時計塔やらの建造物を造っていき、建造物が1つ完成すると一月経過。
12個造ってスレ内時間で一年経つと村が一つ完成とか………いや、いまいちか?
まず
>>72が開拓者になればよくね?
0から村を造り上げるみたく開拓仲間募集みたいな
74 :
名無しになりきれ:2009/09/19(土) 18:09:02 0
そうと決まればさっそくキャラクター紹介だ!
シムシティーと言うと
GMが市長でPCがクレーマー市民ですねわかります
赤黒い肌の妖魔がスターダスト地方に足を踏み入れた。
辺りは手入れされてない山林に草が伸びるだけ伸びた草原。
吹きすさぶ風は冷たく、心までも凍てつかせる。
「荒れ果ててるな…もうこんなとこしか行くところがないのか。
火龍バデラもダークエルフの長老も魔王ザムエルさえも人間に討伐されちまった。
俺達の居場所はどんどん少なくなっていく。
もうこの世界には俺達魔物の居場所は無いのかもな…。
ふぅ…俺達も人間みたいに街を造れれば、少しは寝たり食ったりも楽なんだろうな…。」
妖魔は自分で言った街を造れればという言葉にハッとした。
「そうか、無ければ造っちまえばいいんだな……魔物の村を!」
名前:ガグ
種族:ゴブリン
性別:オス
外見:小柄で痩せた醜い人型の妖魔
ガグは陽の光を避けるために薄暗い森の中に入った。
妖魔は過ごし易い森の中に村を造る心算であったが、たちまち行き詰ってしまった。
如何に鋭かろうと爪では森を切り開く事は出来ないのだ。
「人間たちの使う斧や剣なら、木を伐れるかも知れないがどうやって手に入れたもんか?
買うわけにもいかないし、作るなんて論外だ。
となると奪うしかないな……良し、人間の村に盗みに行くか。」
妖魔はスターダスト地方に入る時、外れに集落があったのを確認している。
人間に見つからないように移動していたので近づきこそしなかったが。
もし人間に見つかれば、戦いになるかもしれない。
人間を殺す様を思い浮かべたガグの眼に暗い光が灯った。
拾った太い枝を爪で削った棍棒を手に握り、二三度振って感触を確かめる。
ガグは薄暗い森の獣道を辿って村へと向かう。
ガグは日差しの強い昼は藪の中や木陰で休み、心地良い夜に歩いた。
途中、野鼠や兎を捕えて腹を満たしつつ歩く事三日。前に見かけた名も無い集落を再び見つけた。
陽が落ちるのを待ち、人通りが途絶えた頃にそろそろと村に近づく。
「流石に村の真ん中に入るのは危険だな…村外れの家を狙うか。」
村の周りを大きく旋回して、他の家から離れて建っている家を探すと程無く一軒の小屋が見つかった。
住人は寝ているのか中から明かりは漏れていない。
ガグは扉を開けようとしたが、鍵が掛かっていた。
虫の音を聞きながら、家の周りをグルリと回ると小さな窓があった。
当然ながら田舎の農村にガラスの嵌った窓は無い。板を繰り抜き、つっかえ棒で開けておくタイプの窓だ。
「ここからなら何とか中に入れそうだな。」
棍棒を置くとガグは窓枠に手を掛け、よじ登って窓から入り込む。
窓から頭を入れると夜目の利く妖魔の目に一人孤独にベッドで眠る老人が映る。
ガグが小さな窓に体を押し込むとつっかえ棒が床に落ちた。
棒はガランガランと大きな音を立て、老人を浅い眠りから現へ引き戻してしまった。
「誰だ…誰かいるのか?もしかしたらディランか…?家に帰ってきたのか?」
闇の中で老人がしわがれた声を発する。
だが、妖魔であるガグに人間の使う新王国語は理解できなかった。
何か不思議な呪文の様なものとしか聞き取れない。
相手も同様にこちらの言葉は、唸り声としか聞こえないだろう。
立ち上がりかけた老人が違和感に気づく。酷い匂いに低い唸り声。闇に目が慣れると魔物の姿。
「ま…魔物が入り込んだのか…!」
しかし妖魔の体躯が同じぐらいだった事は老人に勇気を取り戻させた。
老人は魔物に一撃喰らわせ、敵が怯んだところで助けを呼びに外に逃げる事を考える。
修道士でもなければ寝る時まで服を着たりはしないので裸にボネを被っただけの姿。しかし命には代えられない。
「逃げられたら騒がれて面倒だ。こいつは殺すしかない…。」
ガグは棍棒を振るおうとしたが、窓をよじ登るのに邪魔だったので置いて来てしまったのに気づいた。
死に物狂いになった老人が突進してくる。もはや拾いにはいけない。
「チ…こうなったら俺の鋭い爪と牙を武器にしてやる!」
突進を受けてガグが倒れる。同時に老人も。ガグが突進を受け止めてしまったためだ。
二人は組み合いになって床を転げまわる。ガグの腕を老人が掴み、老人の腕をガグが掴む。
もみ合う中でガグが上になり、老人の首に齧りつくと老人は今までより強い力でガグを突き飛ばした。
立ちあがって逃げようとする老人は、しかし扉の前で崩れ落ちる。
「うう……ハァ…ハァ…ディラン…。」
ガグは獲物がすでに逃げる事が出来ないほどに弱っていた事を知った。
近づき殴りつける。何度も何度も。やがて老人はピクリとも動かなくなる。
止めを刺す前に老人は低い声で呪文の様な呟きを発したが、やはりガグには意味が分からなかった。
部屋を漁ったガグは隅に立てかけてあった斧を持つ。
他に引出しにしまっていた短剣を一本を見つけたが、床下に隠してあった食糧までは見つけられなかった。
簡素な台所では大きな鍋と包丁が目に付く。
「これはなんだ?何だか人間の戦士が被っていたのに似てるな。
他は刃物以外は訳の分からない物ばかりで、役に立ちそうなものは何もない。
肉も持って行きたいが、斧も持たなきゃいけないし全部運ぶのは無理だな。」
ガグは鉄鍋を被り、包丁を抜き身のまま腰布に挟むと老人の倒れた場所まで戻る。
狙いを定めて老人の足に斧を打ち込むと肉が裂け、血が飛び散った。
何度か振るうと骨も折れて、ようやく足を切断する事が出来た。
「これなら三日は持つな。狩りの必要がなければ早いとこ村から離れられるってもんだ。」
ガグは右手に斧を持ち、左手で老人の足を抱えて村を後にした。
朝になれば村は大騒ぎになっているかもしれないが、ガグにはどうでもよい事だ。
元来た道を辿り、スターダスト地方の中ほどにある森まで戻る。
途中の獣道、森を流れる川でガグが水を飲んでいると背後から唸り声が聞こえてきた。
気が付けば三頭の黒い狼に囲まれている。
「何だ…ダイアーウルフかよ。脅かしやがって。」
思わず出る安堵の声。
ダイアーウルフは普通の狼より一回り大きく、しかも凶暴。
恐るべき猛獣ではあったが、ゴブリンにとっては人間にとっての犬と同じく古くからの親しい友人だ。
訓練すれば背に乗ることもできるかもしれない。
「ん…お前たち、これが欲しいのか?狩りが必要になっちまうが…まあいいか。」
脇に抱えた肉を放るとダイアーウルフたちは肉をガツガツと貪り食う。
たちまち肉は骨だけになったが、三頭ともいつまでもガグの周りから離れようとしない。
「どうやら懐いちまったようだな。付いて来たけりゃ好きにしな。
さて、俺は俺で楽に伐れそうな木が茂った場所でも探すか。」
ガグはダイアーウルフたちを引き連れて森の中を歩く。
さほど太くない木々の群生している場所を見つけると、ガグは斧を振り上げて木を伐り始めた。
ガグは伐り倒した四本の木を四角錐に組み上げる。
「これだけじゃ雨風は凌げないな…少し細い木を横に組むか。」
木を横に組んで壁を作り、丈夫そうな蔦で結ぶと枯れ枝と落ち葉で隙間を塞ぐ。
「出来たぞ、家が!これで完成だな。」
村で見た人間の家に比べれば粗末なものだが、家の中で寝転ぶとガグは結構満足な気分になれた。
ダイアーウルフ達も中に入り込んでくる。
「お前たちもここに住むか?なら、俺が名前を付けてやるよ。
ギメッケ、アルギャ、それにゴラ…ってのはどうだ?気に入ったか?
それにしても動いたら少し腹が空いた…狩りに行くか。付いてこい、ギメッケ!アルギャ!ゴラ!」
川沿いを歩いて行くと二頭の鹿が水を飲んでいた。
一頭は小さめの個体で角も短く、親子鹿なのかもしれない。
獲物を見つけたダイアーウルフ達は二頭が疾風の様に風下に回り、茂みに隠れる。
「ゴラ。俺たちは小さい方を追い込むぞ。」
驚いた鹿が大きく跳ねると狩猟が始まった。
逃げる鹿をガグとゴラが追い立てる。
親鹿に一瞬遅れて逃げる小鹿を標的に樹の陰からアルギャが突進する。
危うくかわした小鹿の尻に反対側の茂みから飛び出したギメッケが齧りつく。
動きの鈍った小鹿をアルギャとゴラも噛みついて地面に引き倒した。
「今日は腹いっぱい食えそうだ。ここからなら残った肉も全部持って帰れるな。」
少し離れた場所には、食われていく小鹿を無念そうな目で眺めている親鹿。
しかし、ガグが鹿の肉を刃物で切り分けて行く頃には何所へともなく姿を消していた。
82 :
ウネ:2009/09/28(月) 23:40:52 0
ひゃっほうっ!魔物が小屋を建ててるよ!
てことはこの辺には人間どもは来ないんだね。
じゃあ、ここにあたしの種を育てる畑を作ろう…
森の中の、少しは陽の差す草地を見繕って、
1体のアルラウネが地面を耕し始めた。
名前:ウネ
種族:アルラウネ
性別:メス
外見:適当に人型な植物
ガグがダイアーウルフを引き連れて狩りから帰ると、
小屋の近く、陽の差す草地で人とも植物ともつかない魔物が地面を耕していた。
魔物の姿を見かけるとガグは近寄って声を掛ける。
「よう!お前さんはこの森の魔物かい?ここは人間どもも入ってこないし良いところだな。
見るのは初めてだが、お前さんの種族の名前を当ててやろうか?マンドレイクっていうんだろ?
植物の魔物にそんな奴がいるって、故郷に居たころに聞いた事があるのさ!」
ガグの声に少し得意そうな響きが混じる。
「俺はゴブリンのガグ。ここに住んで魔物の村を造っている。」
三頭のダイアーウルフがガグの後ろから不審なものを見る様に警戒する。
「お前たち、心配はいらねぇよ。お…こいつらはダイアーウルフ。ゴブリンの古くからの友だ。
でかいのがギメッケ。額に月型の白い模様があるのがアルギャ、痩せてんのがゴラだ。
肉食だから万一にも食われる事はあるまいさ。…で、地面に穴を掘って何をしているんだい?」
84 :
ウネ:2009/09/30(水) 20:44:19 0
んん?あんたかい、小屋の主は。
あたしはアルラウネのウネ。残念だけどマンドレイクじゃないんだ。
マンドレイクっていうのは…そうさねえ、あたしの前葉体みたいなもんかな?
ピンと来ない?そっか、あんた動物だもんねえ。
ウネはガグ達を観察している。
あたしたちは畑を作って種を撒くんだよ。
畑、わかる?土を掘って砕いて植物が育ちやすい寝床みたいなもんを作るの。
その畑であんたの知ってるマンドレイクを育てるのさ。
ウネはちょっと地面を耕してみせた。
もといた畑はね…しばらく前に武器持った人間共がたくさん来て焼かれた上に、
人間同士が争った死体の山に埋もれちゃったのさ…
だからあたしは新しい畑を探して歩いてきたんだ。
ウネは遠い目になった。
まあとにかく、よろしく頼むよ、ガグりん。そこのダイアーウルフちゃん達もね。
ウネはくねくねした。
「ガグりん…?あ、ああ宜しくな、ウネ。お前さんも人間どもに住みかを荒らされたのか。
俺は狩りに出てる間に冒険者って奴らに仲間を皆殺しにされちまったんだ。
ゴブリン族の秘宝の黒いヒスイも全部取られちまうし、さんざんさ。
もちろん、いつかは復讐してやるつもりだ…。」
怒りで一段低くなっていたガグの声が元のトーンに戻る。
「まあ、当面は人間たちへの復讐より村造りだな。といっても村を造るのなんて初めてだからな…。」
俺は前に人間の村に入り込んだ事があるんだが、何があったかな…。
畑って奴も多分あったと思うが、他に何があったかな?
そうだ、何に使うのか川にクルクル回るのがあったな…。他に柵も見たし…。」
ガグの鈍い頭では、中々思い出せない。
正直、アルラウネとマンドレイクの違いもよく分かっていないのだ。
「ウネは村を造るのに何が必要か分かるかい?」
86 :
ウネ:2009/10/02(金) 22:52:49 0
村ぁ?
ウネは緑色の部分をわさわさした。
ガグりん、あんたってずいぶん変な妖魔だねえ。
そうだねぇ…共同で外敵から身を守るためなら、まず囲いだね。
居場所の周りをぐるっと高く囲う。そのすぐ外を同じように低く掘る。
囲いの出入り口は交代で見張れる数だけしか作らない。
出入り口の側には遠くが見える見張り台もあるといいね…
それから…畑も囲いに入れるなら、水を引かなきゃならないし、
何かする時に分業と協業で生産性を上げたいなら、共同の作業場がいるだろ…
どっかで調べてきただけのような知識を垂れ流す、ウネの方が余程変な妖魔だった。
「俺が変な奴だって?そいつは仕方ないな!
何しろ、まともなゴブリンって奴はすぐに冒険者にやられちまうからな。」
ウネが緑が揺らして村について解説する。揺れているのは葉っぱだろうか?
「ほうほう、囲いを立てて穴を掘って水を流すと…そして見張りを置く。」
初めて聞いた話にガグは感心しきり。
「しかし、ここから川までは結構あるし、長い穴を掘るのも一人じゃ無理だな。
仲間のゴブリンもここらには居ないようだし、どうしたもんか。」
考えても名案は何も思い浮かばない。
しばらく考えていると思い浮かんできたのは食べ物の事。腹も空いて来た。
「そうだ!鹿を狩って来たんだった。生で食べるのも旨いが火で炙るともっと旨い。
火をおこせればいいんだが、火打石が手元にないんだよな。
故郷に居たころには、たまにダークエルフの商人が売りつけに来たんだが。
そうだ……ウウェ、おはぁえふぁんもひぃはひぃくをどうぶぁい?」
ガグは生の鹿肉に齧りつきながら短剣で切り分けた肉を差しだす。
血抜きもせずに持ってきたせいだろう。肉の新鮮さを示すかのように赤い血が滴る。
「俺は食い終わったら、森を探検しに行くよ。そろそろ日も落ちるし、魔物が動く時間だ。
コボルドの一匹でも見つければ、巧い事を言って穴掘りを手伝わせられるかもしれんしな。」
口腹の欲を満たしたガグは薄暗くなってきた森を眺めて、ニタリと笑った。
食事を終えたガグはダイアーウルフを引き連れて森の探検に出かけた。
夜の森は仄暗く、リンリンと鳴く虫の音が無ければ海の底のようだ。
しかし、暗視能力を持つゴブリンの目は木の根もでこぼこした獣道も苦としない。
歩くうちに月光の青と闇の黒のまだら模様に混じって白い色が見えた。
「なんだ、あの光は?焚き火ってわけでもなさそうだがな。
よし…探ってみるか。お前たちは少し静かにしてろよ。」
ガグはダイアーウルフを置いて、音を立てないように慎重に近づく。
茂みの合間から覗くと緑の服を纏い、弓を持った一人のエルフが樹上の枝に腰掛けている。
近くの空中には輝く球体が白く淡い光を放っていた。
(魔法…!あのエルフが魔法を使っているのか!)
幸運な事に丁度、弓に糸を張り直している途中のエルフはゴブリンの未熟な偵察には気付かなかった。
ガグは音を立てないようにさらに細心の注意を払って元の場所に戻る。
小声でなら喋っても気づかれないであろう場所まで遠のくと大きく息を吐く。
「厄介だな…。ゴブリンとエルフは天敵だ。
あいつ一匹だけならまだしも、この森にエルフがいっぱい住んでるのなら、
せっかく村を造ってもあいつらに滅茶苦茶にされちまう…!
なんとしても殺しておきたいが魔法は怖いしな…。」
エルフへの敵意と魔法に対する本能的な恐怖がガグを迷わせる。
しばらくそうしていると、ダイアーウルフの一匹…アルギャが焦れたように駆けだした!
89 :
ウネ:2009/10/07(水) 00:00:31 0
…アルラウネって肉食えるのかね?
ガグが去った後で、ウネは己の身体を眺めて考えていた。
なんだか間抜けな光景である。
っと、生肉か。じゃあやっぱり無難に液体部分だけ頂くのがいいね。
ウネは根っこのような部分を生肉に巻き付けた。
「おい、アルギャ待て!」
ガグは矢のように飛び出したダイアーウルフを追いかける。
だが…実はアルギャを追いかけたのは失敗だったのだ!
エルフはダイアーウルフの事は猛獣ではあるものの森の獣と見ていたが、ゴブリンは違う。
「こんな所までのさばっているのか…汚らわしい妖魔め!」
怜悧な目を侮蔑に変えた樹上のエルフが素早く弓をつがえながら何か…おそらくエルフ語を吐き捨てる。
頭に響く衝撃。被っていた鍋が鈍い音を立てて地面を転がっていた。
一瞬、目眩がしたもののガグはまだ地面に立っている。
鉄製の鍋が辛うじて必殺の一撃を受け止めていたのだ。
「グアッ!痛つ…。」
ダイアーウルフ達はエルフに飛びかかるも樹上には手が出せないようで虚しく木を引っ掻くのみ。
エルフは狼には目も向けず、冷徹に弓を引き絞って次の一撃をゴブリンに向けて放つ。
ガグの左肩に鋭い痛みが走る。
「ウグ…!駄目だ!お前たち!木の上の奴なんか相手にしても無駄だ!
俺は逃げるぞ!死にたくなけりゃお前たちも逃げろ!」
背を見せて逃げたガグの右腿に矢がもう一本刺さる。
ガグはよろけながらも懸命に走る。息を切らして。怯えながら。魔法の光が届かない場所まで。
ダイアーウルフを警戒しているのか、エルフは樹上から降りてまで追ってはこなかった。
命からがら逃げのびたガグの前で何かがきらきら光る。
さっきの魔法の光を思い出して身構えるも、それは川の流れに揺れる月だった。
水面にポタポタ垂れる血の音でハッとする。
「グッ…血が…ウウッ…痛っ…!
だが…このまま血の跡を…追ってこられても困るな…仕方ない!」
意を決して川に入ると矢を受けた腿に引き攣る様な痛み。
川がそれほど深くなく流れも緩いのが救いだった。
腰まで水に浸かったガグは、鉛のように重く感じる体を引きずりながら川の中を歩いて村まで戻る。
畑の傍で家が目に入ると緊張感が解けたのか、そのまま地面に倒れ込んだ。
91 :
ウネ:2009/10/10(土) 00:02:18 0
生肉からアミノ酸の溶けた水をちびちび吸っていたウネの前に
ダイアーウルフが一匹現れた。
その場でくるくる周り、身構えて軽く一声吠え、ちょっと下がってまた一声。
ん?肉喰う?…んじゃなさそうだねえ。こっち来いっての?
ウネは水気の抜けた肉を抱えてダイアーウルフの後を歩いていった。
すぐにダイアーウルフが1匹増え、そして低い茂みを抜けた川べりには
3匹目のダイアーウルフが待っていた。その足下に…
あれ、ガグりん?
あーあー、矢が刺さってるよ…これはエルフの矢だね…
ウネは一瞬天を仰ぎ、それからガグを囲むダイアーウルフを見回して問う。
ねえ…この話ってキャラが妖魔なだけの、ほのぼの村造りじゃなかったのかい?
こんな…雑魚モンスターの悲惨なサバイバル物なのかい?
ダイアーウルフは答えない。
んじゃ、矢を抜くから、お前達ガグりんの傷口をしっかり舐めてやっとくれ。そしたら…
ウネは水気の抜けた肉を2つに割くとガクの傷口に当てて草で縛り、
更に、追っ手が来ても簡単に見つからないよう
ガグの身体を辺りの小枝や草で覆ってしまった。
できた。あとはガグりんの回復力任せだよ。お前達、目立たないように離れてお待ち。
ああ、メイズ・ウッズが使えればねえ…って
どんだけ経験値が要るのか見当もつかないけどさ。
ウネは畑に戻って寝る事にした。
ウネを見るダイアーウルフは、こう目で訴えかけているかのようだった。
(そういえば>1の趣旨はほのぼのしたものだったな…。余り外れない方がよいのだろうか?
魔物メインなのでサバンナで生きる野生動物的な厳しさや残酷さも混じえようかと思ってるが、
苦手なら遠慮せずに言って欲しい。どのみち方向性を確と決めているわけでもないので。
基本的に村内に争いを持ちこむ事は考えていないが、
村外での探検は人間に遭遇してしまったらサバイバルっぽくなってしまうかもしれない。)
そして次の日、ガグはちゅんちゅんと鳴く小鳥のさえずりで目を覚ます。
バラバラと周りの枯れ枝を払いながら身を起こしたガグは木漏れ日に思わず目を瞑った。
ゴブリンにとって太陽の光は、少々眩しすぎるのだ。
「眩しい…あいたた…。うーん、何だこの肉は?もしかしたらウネが治療してくれたのか?
何のまじないかは知らないが、きっとこれを食って元気を出せってことだな。」
飢えを感じたガグは傷口に張りついている肉を取り外すと口に放り込む。
傷口の血は元々生命力の強い妖魔の事、せいぜい滲む程度ですでに流れ落ちるほどの量も出なかった。
「それにしても酷い目に会った。エルフって奴はやばいな…あの辺りはしばらく近づかないようにしないと。
そうだ、東の川を超えた辺りはエルフの狩り場と名付けるとしよう。
あの辺りにいざという時に逃げ込める穴を何個か掘っておくと後々役に立つかもしれないな。」
胡坐をかきながら肉を食べ終わったガグは、立ちあがると伸びをした。
93 :
ウネ:2009/10/10(土) 22:57:23 0
作りかけの畑の脇に坐ってウネは考える。
ガクりん、遠くまで行って、奴らの領土に踏み込んじまったのかねえ…
奴らに近付き過ぎたら、そりゃもう、ほんとひどい目に遭うのは承知だけどさあ…
この辺では、ぼちぼち平穏に暮らしていけたらいいねえ…
翌朝。ウネは作りかけの畑は置いて、川のそばの茂みにやって来た。
まずはこのへんの草木をうんと育てて、対岸からの目隠しにしないとね。
でなきゃ落ち着いて畑も作ってられないよ。
ウネは、川に沿って歩きながら周辺からよさそうな植物を見繕って植え、成長を促して
自然の茂みをちょっとした防壁に変えるチート性能を発揮し始めた。
ここが村の防衛線その1だよ。
そうねえ、半月も経てば、こっち側をすっかり隠してくれるんじゃないかねえ。
「おーい、ウネ!」
ガグはウネに肉の礼を言おうとを畑に向かう。
しかし、畑ではマンドレイクたちの緑の頭が風に揺れるだけ。
「おかしいな…畑に居るかと思ったんだが、どこにもいないぞ?
まさか、俺の仇を討ちにエルフの狩り場に向かったんじゃあるまいな…?
まずい!あそこは危険だってことをウネにも教えておかないと!」
おそるおそる東の方に向かうと大岩が鎮座する広場で突然近くに生えた巨木が動き出す。
巨木は、太い根を蛸の足のように使ってガグの近くまで這い寄ってきた。
ガグは知らないが、この奇妙な生き物はツリーマンという植物生命体だ。
ツリーマンは口を開くと異常に間延びした口調でガグに話しかけてきた。
「おおおーまあああえええはあああー、だあああれえええーだああー?」
ツリーマンの声は嵐の日の風の様な低い音で、ガグにはよく聞き取れない。
動きはそれほど速くないようだが、二階建ての家ぐらいはある巨体が迫ってくるのだ。
とにかく威圧感がある。
「きょおおおおはあああー、かああーぜええーがあああー、きいいもおおおちいいいーいいーなあああー。」
枝をざわつかせたツリーマンに見下ろされたガグは驚きのあまり腰を抜かした。
「う、うわっ! な、なんなんだこいつは!?」
95 :
ウネ:2009/10/14(水) 21:22:51 0
防壁に十分な長さに植えられた植物達に、よく育つよう言い聞かせながら端から端まで歩くと
ウネも何となく一緒に坐り込んで光合成を始めた。
あー、いい天気だねえ…
……きいいもおおおちいいいーいいーなあああー
遠くから風に乗って、というか風そのもののような声がする。
おや、お客さんだよ?
ウネはちょっと伸びをして、声のした方へと歩き出した。
やあああー、ちいいいいさあああなあああー、とおおもおおおだあああちいいいー
(ツリーマンはウネの姿が眼に入るとのんびりした声で挨拶する)
こおおおのおおおー、あああたあありいいにいいいー、
いいいいー、みいいいずうううとおおおー、つううちいいいはあああなああいいいかあああいいい?
ダイアーウルフ達は夜行性なので朝は眠りにつく。
ガグはぐっすり眠る狼たちを起こして連れてこなかったのを今更ながらに後悔する。
「くそう…こんなことならあいつらも連れてくれば良かった…!」
ガグが低く呻いた時、森の下生えを踏む小さな足音と共にウネが現れた。
気配を感じたのか、のそのそ近づくツリーマンはウネの方を向いて風の様な唸り声を発する。
その隙にガグはツリーマンから離れるべく、バタバタ手足を動かして地面を這いずる。
ツリーマンは高い生命力を持っているが動きは鈍いので距離を取るのは容易だった。
「ウネ、危ないぞ!訳の分からない奴だ!俺の見た所、こいつは相当凶暴な奴だ!すぐに逃げろ!」
ガグは何とか広場の端に辿りつき、ふらつきながらもようやく立ち上がって大声を出す。
警告の声は木立を縫って広場の反対側にいるウネまで届いた。
おおおなあああかああがあああー、すううういいいてえええるうううのおおかああー?
(ツリーマンは敵意が無いことを示すために木の上に生えていたスグリを取って地面に置いた)
99 :
ウネ:2009/10/18(日) 02:41:20 0
逃げろってガグりん、このひとは生き物は食べないよ…
まあ、ケンカはするかもしれないけどさあ。
ウネは花びらを揺すって笑った。
ええと、水と土はねえ、好みがあるから何とも言えないけど、
あっちに川があって…近くの草地は流れで洗われたさらさらの土、
それから…こっちの森の中なら雨を受ける広葉樹の落葉が積もった森の土、
どっちにしろまだ奴らが来てないから鉄や火で汚れてはいないよ。
考え考えそんな事を言うと、ウネはスグリを一粒取って汁を吸いながら、
残りをガグに運んでやった。
ほら甘いよ。このひと、きっといいとこに立ってたんだねえ。
ツリーマンが長い枝を伸ばして木の上から毟った実を地面に置く。
何をしているのかと不審げに覗きこむガグ。
そこへまるで危機感を感じていないようにウネが近づいてきた。
この人は生き物を食べないよと笑いながら。
「何だって?生き物は食べない?」
ウネがツリーマンを見上げて水や土の話を始める。
それをぼんやりと見つめるガグにウネがスグリの実を差しだしてくる。
受け取った実を噛みつぶすと口中に広がる甘い汁。
ガグにもようやくツリーマンが凶暴な魔物で無い事が呑みこめてきた。
「なぁに…実は俺も始めからこいつは気の良い奴だと思ってたのさ!」
自らの臆病を取り繕うようにガグは胸を反らして声を張り上げる。
「どうだい?でかいアンタも村の中に住んでみちゃ?」
わあああたああああしいいいはああああー、
さあああらあああさあああらああああにいいいー、いいいいくうううー、
あああありいいいいがあああとおおおうううううー
(ツリーマンは礼を言うとズリズリと草地に向かって這って行った。
この地に宿る精霊はいつか別のモンスターを遣わすかもしれない。
なにせ精霊というのは飽きっぽいので一つのキャラを長く続けて行くのは難しいのだ)
ツリーマンはウネと何かを話し終えたようで、唸り声を立てると何処かへと去って行った。
「ふ〜む。どうやらあいつの話を聞きとるには、何かコツがいるみたいだな。
それにしても川の方に行っちまったが…まあ、あいつなら大丈夫か。
木の振りをしていりゃ襲われる事も無いだろうし。」
辺りは日光と木の影でまだらになっている。
真上を見上げたガグは、木の葉の隙間から降り注ぐ眩しい光に思わず顔をしかめた。
「そろそろ昼だな…人間たちの時間か。しかし、手ぶらで戻るってのも気が進まないな。
村に戻る前にキノコの一つでも持って帰りたいところだ。
そういや、故郷の洞窟に生えていた赤い奴は中々旨かったな…。」
視線を降ろすと目の前の大岩の根元に赤くて白い斑の入ったキノコが群生しているのが目に入る。
ガグはよだれを垂らしながら大岩の近くまで駆け寄った。
「お!この森にもキノコが生えてるじゃないか。
模様が入っていて前に食べた奴とは少し違うが匂いはずっと良い…こいつは儲けもんだ!」
103 :
ウネ:2009/10/22(木) 01:13:34 0
さて、ちょっと畑の坊主達を見に行ってやって、それから…
川からあたしの畑やガクりんの小屋までの間にもっとたくさん垣根を植えなきゃね…
ウネは草木を植え育てて、村の周囲に古代ローマ軍の野営陣地並の壁を作る気らしい。
坊主達がもうちょっと育ったら、垣根作りを手伝わせられるんだけどねえ…
「お、何だか昨日に比べて随分とちっちゃな茂みが増えたな。」
村の周りではウネがせっせと種を蒔き、木の苗を植えていた。
それを、しばらく興味深そうに見ているガグ。
ガグは垣根作りを手伝わせられるんだけどねえ…という言葉をウネが発したのを耳聡く聞きつけた。
「何してるのか知らないが、手が居るのかい?俺ならちょうど暇だったところだよ。」
近寄って作業中の地面を覗きこむと何やら土をいじくった後。
「ここにも畑を作るのかい?穴掘りするなら斧と短剣があるぞ。これを使えば穴ぐらい楽に掘れるだろうさ!」
早合点して、短剣を逆手に持つとザクザクと地面に突き立てる。
柔らかい地面には、たちまち膝ぐらいまで入る浅い穴が開いた。
「思ったよりに簡単に掘れたな。これなら落とし穴や食いものを隠しておく穴なんかも掘れそうだ!」
村に戻ったガグが慌しく家の中に穴を掘り始めると、ザッザッと土を穿つ音があばら屋の中に響く。
それを日暮れまで続けるとゴブリンが一匹隠れられるほどの穴が開いた。
「食いものを蓄えておける穴倉がありゃ、森が雪で埋まった時まで狩りをしなくて済むが、肝心の蓄えておく食料が無いな。
肉も木の実も全部食っちまったし…あっ!そうだった。旨そうなキノコがあったな。早速、味見をしてみるか。」
部屋の隅に無造作に置かれたキノコを一つ掴む。
「やっぱり匂いも良いな!昔食ったドワーフの足の匂いに似てる。」
辺りも薄暗くなり、起きだしてきたダイアーウルフ達がキノコの匂いを嗅ぐガグを不審な目で見る。
「お前たちも食ってみるか?」
目の前に投げられたキノコの匂いを嗅いだゴラは顔を背ける。
アルギャもギメッケも鼻づらを近づけただけで、プイと家から去って行った。
「愛想の無い奴らだな。まあ奴らは肉しか食わないだろうし、御馳走は一人占めにするか。」
・・・あ。
垣根植林作業に没頭していてガグを完全スルーしたウネは、しばらく経って浅い穴に気付いた。
そうそう。こうやって壁の外を掘り下げて低くしてねえ・・・
植えた垣根が大きく育って村の壁を形作り、手前には幅のある壕が掘られ、
所々の高い樹には枝に隠れて見張り台が設置されている
・・・そんな素敵過ぎる未来をしばし夢想するウネ。
でもま、穴掘りは垣根がもうちょっとしっかり根を張ってからだねえ。
んじゃ明るい内にもうちょっと垣根を植えようか。
(その頃ガグがキノコで踊っているか笑っているか紫色になって倒れているか
鼻で歩いているか何事も無く全身赤白のぶちもようになっているか
はたまた自ら胞子をまき散らす変な生物になっているか
・・・などとは思ってもみないウネだった)
107 :
ウネ :2009/10/26(月) 21:43:15 0
・・・あ。
垣根植林作業に没頭していてガグを完全スルーしたウネは、しばらく経って浅い穴に気付いた。
そうそう。こうやって壁の外を掘り下げて低くしてねえ・・・
植えた垣根が大きく育って村の壁を形作り、手前には幅のある壕が掘られ、
所々の高い樹には枝に隠れて見張り台が設置されている
・・・そんな素敵過ぎる未来をしばし夢想するウネ。
でもま、穴掘りは垣根がもうちょっとしっかり根を張ってからだねえ。
んじゃ明るい内にもうちょっと垣根を植えようか。
(その頃ガグがキノコで踊っているか笑っているか紫色になって倒れているか
鼻で歩いているか何事も無く全身赤白のぶちもようになっているか
はたまた自ら胞子をまき散らす変な生物になっているか
・・・などとは思ってもみないウネだった)
ムシャムシャと取り憑かれたようにキノコを食べ続けるガグ。
食べるうちににその目は虚ろになり、全て平らげる頃には白目を剥いている。
この時、本人の気づかぬうちにガグの肉体には重大な変化が起きていた。
頭が盛り上がり、同時に酔っぱらったようにぼんやりとし始める。
「ウィ!何だかフワフワして気分が良いな…。」
夢見るような足取りで家から出ると目に入るのは沈みゆく太陽。
なぜか苦手なはずの日の光が気持ち良い。
「あのキノコ…もっと食いたい…あの岩場にまだ残ってないかなぁ?」
外に居たダイアーウルフたちが、呟くガグに恐れる様に後ずさった。
狼たちが見たのは頭にキノコの傘が生え、退化した短い足でヨタヨタと歩く怪物の姿。
ガグは毒キノコを食べてしまい、キノコの怪物マイコニドになってしまったのだ。
「なんだ…お前たち?珍しいものを見るような目をして?」
ガグが再び口を開くとダイアーウルフ達は一目散に森の方へと逃げてゆく。
ダイアーウルフにとってゴブリンは友だが、マイコニドは得体が知れない生き物なのだ。
「何だぁ、あんなに慌てて?よっぽど腹を空かせてんのか。」
いまや傘となった首をかしげながら岩場に向かうガグ。
先程、穴掘りをしていた茂みの辺りを通過すると何やら将来の夢を語るウネの声が聞こえてくる。
ガグが茂みを覗こうとした時、ガグの気を逸らすように後ろからもウネの声が聞こえてきた。
「おっ、この声はウネだな…まだ穴掘りをしてたのか。
ありゃ?後ろの茂みからも同じ声が聞こえてくるぞ?
悪戯者のピクシーが悪ふざけでもしてるのかな…いや、それともこれが木霊って奴か?」
マイコニドになったガグは後ろを振り向くと茂みからぬっと顔…傘を突き出す。
名前:ガグ
種族:ゴブリン→マイコニド
性別:オス
外見:短く白い手足が生え、赤と白のまだらの傘を持った歩くキノコ