古代神聖チャロッゼン帝国の憂鬱(人∀・)追補編

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(>534の続き)

(俺は異様なラピュタの進化に恐れつつ、何とか米沢達の居る場所へと戻る。

>543
戻ると、米沢はセカンドバッグからある一冊の分厚い書物を取り出した。そう、あの執務室の本棚にあった
本なのである。俺もちらと見るが、確かに抽象画ではあるが、間違い無く、あのラピュタの絵である。

そして米沢は、箒と魔導師の少年に丸で押し付けるかの様に解読を迫ったのである。

>555
先に箒がその書物のページを捲り、目《?》を通す。すると、箒が急に身震いを始め……、)

ヴェンツェルの箒:『なんてこった。……とても僕の口からは言えない。リコ、言ってやってくれ。』

(と魔導師の少年、リコに説明を勧めたのである。何が何だかさっぱり分からず、業を煮やした俺。
取り合えず抱えているエメラルンを平坦な場所に寝かし付けて置き、……、)

どれ、俺もこの世界の言葉は分からんが、ちょっと見せて貰うぞ!!!

(と言い、皆の間に割り込んで、その書物を覗き込み、ページをパラパラパラッと捲ったのである。
すると、あるページで、異様な絵が2点載っている事に気付いたのである。俺はその
ページに目を通した。

まず1点目は、中世ヨーロッパを思わせる様な衣装を身に纏った、若い男女が手を繋いでラピュタの城を
まるで眺めているかの様な感じのシーンが描かれ、2点目はその男女が互いの持つ剣を交差させ、何やら
呪文か何かを叫んでいるかの様な感じで描かれていたのである。

何れも具体的で繊細な絵画。そして俺は、2点目の女性の顔に見覚えがある事に気付き……、)

おい!!! この女性の顔だが……。これ、エメラルンじゃないのか!?

(と俺は思わずそう口走ってしまう。無論、この絵はモノクロだが、腰まであり、流れる様な長い髪に、
人形の様に整った容姿。まさしくエメラルンそのものであったのだ。そして、交差させている剣の形。
これは彼女が持っている、あの湾曲した剣だ。

だが一方の男性の容貌は……、残念ながら漆喰か何かで上半身の辺りまで殆ど塗り潰されている
模様であり、見当が付かなかったのである。只、塗り潰されている辺りを丸で突き破るかの様に、男性の
持つ剣の剣先のみが現れていた。よく見ると、それはサーベルの様なものと思われる。)

<まさか、タイガー・ジェット・シンが描かれている訳じゃああるまいな?>

(と、俺は半ば冗談交じりでそう思ったのである。ともあれ、書物の字は分からないものの、少なからず俺は、
このラピュタにはあのエメラルンが確実に関わっている事を確信したのである。それに、よくよく見ると、不明で
あるものの、1点目の絵を改めて見た所、この男性もまた何処かで見た様な気がするのである。)

<この男の方も何か、何処かで見た事があるが……、誰だ?>

(不思議に思う俺。だが、その時!!!)