(前振りだが、勘弁してくれ。)
九州・大分の山間の国道を、一台のタクシーがシューッと音を立てて、伸び伸びと走っていた。
そして、その車内には、一人は助手席に、そしてもう一人は、ずば抜けて大きな体格をした男が窮屈そうに
後部座席に座っていたのである。しかも、何故か顔に覆面マスクを付けて―――――。
タクシーの運転手「お客さん、貴方プロレスラーかい? 変わった覆面を付けてるね。」
覆面男「《通訳の男―――助手席に座っている男の事だ―――を通じて》ああ、まあそう言う所だよ。ところで、
由布院温泉まであとどれ位だ?」
タクシーの運転手 「(ニヤリと笑って)ああ、もう直ぐだよ。ちょっと、ここら辺あたりで時折霧が立ちこめて、
距離感が変わるけど、たいした事は無い。
しかし温泉とすれば、どこか痛めたとかで、養生しにここに来たのかい?」
覆面男「ハハハ、鋭いな。まあ、先の試合で胸や背中を痛めてしまってね。知り合いのレスラーが由布院がベリーグッドだと
勧めてくれたので、そこでその怪我を治しに、此処に来た訳だ。今でも少々痛むよ。
(辺りを眺めて)うわっ、本当に霧がえらく立ち込めてきたな。大丈夫かい?」
タクシーの運転手「さっきも言っただろう? 心配無い、って。この霧を少し抜ければ、もう直に付くよ。」
(続く)
前後が分からなくなるほど、立ち込めてきた霧。覆面の男、並びに通訳の男は少々不安になってきた。
が、タクシーはそんな霧の中でも、平然と道を通っていた。
暫くすると、霧が晴れ、何といつの間にかまさしく温泉街と言うべき歓楽街の辺りをタクシーは走っていた。
これには覆面男も、通訳も驚きの様子。
覆面男「はぁ〜、こりゃびっくりだ!!! 本当に着いちゃったな!!!!! (きょろきょろと見回し、宿を発見した
模様で)おっ、ここが良いな!!! おう、運転手さん!!! 此処で降ろしてくれないか?」
タクシーの運転手「あいよ!!!」
と威勢良く返事をして、見つけた場所から少し離れた位置にあった、待機場所らしき、広い歓楽街の道路の隅に
タクシーをキーッと、乾いたブレーキ音を出して停車させた。
タクシーの運転手「ええと、5040円だよ。」
覆面男「(ジャケットの裏ポケットから財布を取り出して、器用に5000円札と100円玉を取り出して)これで頼むよ。」
タクシーの運転手「あいよっ!! おつり60円だ!! 毎度どうも!!!」
覆面男と通訳はタクシーから降り、タクシーは再び南の方角へと引き返し、戻って行った。
早速、その発見した宿に向けて歩を進める覆面男と通訳。歩くうちに何だか異国情緒な感じが所々で見受けている。
特にヨーロッパの趣があり、覆面男を不思議に思わせるには十分であった。
(覆面男『何だ? この由布院も異国の分化を取り入れているのか? まあ、それならそれで良いのだが……。)
そして歓楽街の上に飾ってあった、看板を目にする。だがそこには「ようこそ由布院温泉へ!!!」と書いてはおらず……。
覆面男「(何気無しに看板の文字を読み呟く)『ようこそユフーイン温泉へ!!!』、か……。ん!? 『由布院』じゃ
なくて『ユフーイン』だと!? 何だコリャ!!? 由布院も趣向を変えてきたのか……?」)
(>164の続き)
覆面男は更に不思議な感覚に囚われながらも、見つけた宿に到着する。その宿は純和風で屋根は藁葺き、かつ素朴である
ものの、規模としてはかなり広く、心を落ち着かせる魅力を引き出していた。
早速、大きな入り口に入る覆面男。だがその奥から何かが暴れている物音や、けたたましい歌声(>159)が響いていた。
覆面男「随分とはしゃいでいる客もいるのだな。もう少し、静かにしたら良いものを。」
と呟き、宿のチェックインを済ませた。
(ここで自己紹介です。)
<名前>ジャイアント・マシンだ。(但し、これはマスクを被っている時の名前。正体は……、誰もが
知っていると思うので、敢えて伏せておく。)
<性別>男性だ。
<年齢>46歳
<髪形>マスクをしているが、外すと黒髪のショートパーマだ。
<瞳色>俺はフランス出身だが、人種的にバスク系(ヨーロッパ、特にポーランドやブルガリア
辺りに住んでいる民族)の為、黒だな。
<容貌>身長が7フィート4インチ(約223cm)、体重が520ポンド(約236kg)と、かなり大柄な体格で、
やや筋肉質。
<服装>「マシン軍団」の黒マスクを被り、細かい白黒の格子柄のジャケットに水色のポロシャツ、
ダークグレーのズボンという出で立ち。
<武装>武装ほどではないが、2種類の鞄やトランクを所持し、それらの中には青、赤、黒のリングシューズ、
青や赤、緑のレスリングパンツに青のワンショルダー・タイツ、各数着の下着や肌着、ポロシャツ、カッターシャツや
ズボン、日本の本屋で購入した池波正太郎の「藤枝梅安」シリーズや、司馬遼太郎の「関ヶ原(上・中・下巻)」、
「項羽と劉邦(上・下巻)」等々、そしてカーリーヘアーのカツラをその中にぶち込んでいる。
<出典>実在の人物だから無いが、逆に「プリンセス・ブライド・ストーリー」、「マミーマーケット」等といった映画に
10本ぐらい出演している。
前振りが長くなって申し訳ありませんが、宜しく御願い致します!!!!!
尚、事情があり、数日空く事もあるので、悪しからず。